特許第6876164号(P6876164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6876164原子炉圧力容器解体装置および原子炉圧力容器解体方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6876164
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】原子炉圧力容器解体装置および原子炉圧力容器解体方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/30 20060101AFI20210517BHJP
   G21C 19/02 20060101ALI20210517BHJP
   G21F 9/02 20060101ALI20210517BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   G21F9/30 535F
   G21F9/30 531E
   G21F9/30 535C
   G21C19/02 050
   G21C19/02 140
   G21F9/02 Z
   E04G23/08 J
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-10721(P2020-10721)
(22)【出願日】2020年1月27日
【審査請求日】2020年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】西崎 雅則
(72)【発明者】
【氏名】進藤 大和
(72)【発明者】
【氏名】富田 文夫
(72)【発明者】
【氏名】加茂 勇樹
【審査官】 大門 清
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−061394(JP,A)
【文献】 特開2012−093181(JP,A)
【文献】 特開2015−137494(JP,A)
【文献】 特開2019−032240(JP,A)
【文献】 特開平10−090493(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0098484(US,A1)
【文献】 米国特許第06087546(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/30
G21C 19/02
G21F 9/02
E04G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に原子炉圧力容器の内部に位置した状態で前記原子炉圧力容器を吊り上げるロッド部材と、
前記吊り上げられた原子炉圧力容器の上端部を切断する切断装置と、
前記原子炉圧力容器の上端部を上方から覆う上壁部および部分的に前記上壁部を開放する扉部を有する蓋部材と、を備え、
前記切断装置は、前記扉部によって前記上壁部が閉鎖された状態において、前記上端部に、上下方向に沿った直線状の切り込みと、前記上下方向および前記原子炉圧力容器の周方向に沿ったL字状の切り込みであって前記直線状の切り込みの下端近傍に至るL字状の切り込みとを形成し、前記直線状の切り込みおよび前記L字状の切り込みを形成した後に、前記扉部によって前記上壁部が開放された状態において、前記直線状の切り込みと前記L字状の切り込みとが繋がるように前記周方向に沿った仕上げ切断を行って前記上端部から切断片を切り離し、
前記切断片は、前記上壁部の開放によって形成された開口部を通して前記蓋部材の外部に取り出される、原子炉圧力容器解体装置。
【請求項2】
前記切断装置は、前記切断片が取り出された後に、前記扉部によって再び前記上壁部が閉鎖された状態において、前記上端部に、前記切断片の取り出しによって前記上端部に形成された切欠き部の近傍に至る新たなL字状の切り込みを形成し、前記新たなL字状の切り込みを形成した後に、前記扉部によって再び前記上壁部が開放された状態において、前記切欠き部と前記新たなL字状の切り込みとが繋がるように前記周方向に沿った仕上げ切断を行って前記上端部から新たな切断片を切り離し、前記上壁部の開放によって形成された前記開口部を通して前記新たな切断片が取り出された後に、新たなL字状の切り込みの形成および新たな切断片の切り離しを繰り返す、請求項1に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項3】
前記切断装置は、前記上下方向および前記周方向に沿って移動可能に前記蓋部材の上壁部に配置され、下方向への移動にともなう前記原子炉圧力容器の上端部への上下方向に沿った切り込みの形成と、前記周方向に沿った移動にともなう前記上端部への前記周方向に沿った切り込みの形成とを連続して行うことで、前記上端部に前記L字状の切り込みを形成する、請求項1または2に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項4】
前記蓋部材の上壁部は、前記周方向に回転可能であり、
前記切断装置は、前記上壁部の回転にともなって前記L字状の切り込みの形成位置を前記周方向に変更する、請求項3に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項5】
前記切断片を把持する把持装置を更に備え、
前記把持装置は、前記L字状の切り込みが形成された後に、前記上壁部の開放によって形成された前記開口部を通して前記原子炉圧力容器の上端部のうちの前記開口部の直下に位置する取り出し対象部分まで下降して前記取り出し対象部分を把持し、
前記切断装置は、前記取出し対象部分に形成されたL字状の切り込みが前記直線状の切り込みまたは前記切欠き部と繋がるように前記周方向に沿った仕上げ切断を行うことで、前記取出し対象部分を前記把持装置で把持されたまま切断片として前記上端部から切り離し、
前記把持装置は、前記切断片を把持しながら前記開口部を通して前記蓋部材の上方に上昇することで前記切断片を取り出す、請求項に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項6】
前記蓋部材の上壁部は、前記周方向に回転可能であり、
前記蓋部材は、前記上壁部を回転させることで前記取り出し対象部分を変更する、請求項5に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項7】
前記原子炉圧力容器の内部を排気する排気装置を更に備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項8】
前記ロッド部材を包囲するように前記ロッド部材の外側に配置され、前記原子炉圧力容器の内部および前記排気装置と連通する筒状体を更に備え、
前記排気装置は、前記筒状体を通して前記原子炉圧力容器の内部を排気する、請求項7に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項9】
前記原子炉圧力容器の内底部側に位置し、前記原子炉圧力容器の切断で生じた落下物を収集する収集容器を更に備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項10】
前記収集容器は、上方に開口され、平面視において略扇形状を有する請求項9に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項11】
前記収集容器は、持ち手を有する請求項9または10に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項12】
前記ロッド部材は、
前記原子炉圧力容器の上端部側から前記内底部側にわたって延びるロッド本体部と、
前記ロッド本体部の下端側において前記ロッド本体部から前記原子炉圧力容器の内周面側に向かって放射状に延び、前記内周面側の端部において前記内周面に設けられた構造物に係合して前記原子炉圧力容器の吊り上げを可能にする複数のアーム部と、を有し、
前記収集容器は、前記周方向において隣り合う前記アーム部同士の間において当該アーム部から垂れ下がるように前記ロッド部材に保持される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項13】
前記アーム部は、前記収集容器の開口部よりも上方に突出した凸部を有し、前記凸部は、前記収集容器の開口部から前記周方向に離れるのにしたがって上方に向かって傾斜した傾斜面が設けられている、請求項12に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項14】
前記切断装置は、前記原子炉圧力容器を熱切断する請求項1〜13のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項15】
前記ロッド部材を吊り上げるクレーンを更に備える請求項1〜14のいずれか1項に記載の原子炉圧力容器解体装置。
【請求項16】
原子炉圧力容器を吊り上げる工程と、
前記原子炉圧力容器の上端部を上方から覆う上壁部および部分的に前記上壁部を開放する扉部を有する蓋部材によって前記上端部を覆いながら前記吊り上げられた原子炉圧力容器の上端部を切断する工程と、
前記上端部の切断片を取り出す工程と、を備え、
前記上端部を切断する工程は、
前記扉部によって前記上壁部が閉鎖された状態において、前記上端部に、上下方向に沿った直線状の切り込みと、前記上下方向および前記原子炉圧力容器の周方向に沿ったL字状の切り込みであって前記直線状の切り込みの下端近傍に至るL字状の切り込みとを形成することと、
前記直線状の切り込みおよび前記L字状の切り込みを形成した後に、前記扉部によって前記上壁部が開放された状態において、前記直線状の切り込みと前記L字状の切り込みとが繋がるように前記周方向に沿った仕上げ切断を行って前記上端部から前記切断片を切り離すことを含み、
前記切断片を取り出す工程は、
前記上壁部の開放によって形成された開口部を通して前記蓋部材の外部に前記切断片を取り出すことを含む、原子炉圧力容器解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明による実施形態は、原子炉圧力容器解体装置および原子炉圧力容器解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の廃止措置においては、放射線量が高い原子炉圧力容器(PRV)を遠隔操作によって切断して解体することが行われている。原子炉圧力容器は原子炉建屋内の狭いスペースに設置されているため、原子炉圧力容器の解体は、原子炉圧力容器の設置箇所近傍の狭い作業スペースで行うことが求められる。これまでにも、狭い作業スペースで原子炉圧力容器の解体を行うための技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来は、狭い作業スペースにおける原子炉圧力容器の解体作業を放射性物質の飛散を抑制しながら効率的に行うことについて有効な提案がなされていないのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−65700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、狭い作業スペースにおける原子炉圧力容器の解体作業を放射性物質の飛散を抑制しながら効率的に行うことができる原子炉圧力容器解体装置および原子炉圧力容器解体方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態による原子炉圧力容器解体装置は、少なくとも部分的に原子炉圧力容器の内部に位置した状態で原子炉圧力容器を吊り上げるロッド部材と、吊り上げられた原子炉圧力容器の上端部を切断する切断装置と、原子炉圧力容器の上端部を上方から覆う上壁部および部分的に上壁部を開放する扉部を有する蓋部材と、を備える。切断装置は、扉部によって上壁部が閉鎖された状態において、上端部に、上下方向に沿った直線状の切り込みと、上下方向および原子炉圧力容器の周方向に沿ったL字状の切り込みであって直線状の切り込みの下端近傍に至るL字状の切り込みとを形成する。直線状の切り込みおよびL字状の切り込みを形成した後に、切断装置は、扉部によって上壁部が開放された状態において、直線状の切り込みとL字状の切り込みとが繋がるように周方向に沿った仕上げ切断を行って上端部から切断片を切り離す。切断片は、上壁部の開放によって形成された開口部を通して蓋部材の外部に取り出される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、狭い作業スペースにおける原子炉圧力容器の解体作業を放射性物質の飛散を抑制しながら効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態による原子炉圧力容器解体装置を示す縦断面図である。
図2】本実施形態による原子炉圧力容器解体装置において、蓋部材および切断装置を示す斜視図である。
図3】本実施形態による原子炉圧力容器解体装置において、アーム部および収集容器を示す平面図である。
図4】本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図6図5に続く本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図7図6に続く本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図8図7に続く本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図9図8に続く本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図10図9に続く本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図11図10に続く本実施形態による原子炉圧力容器解体装置の動作例を示す側面図である。
図12】本実施形態の変形例による原子炉圧力容器解体装置において、アーム部を示す受断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態による原子炉圧力容器解体装置1は、原子炉建屋2内において遠隔操作による原子炉圧力容器3の解体に利用することができる。具体的な構成として、原子炉圧力容器解体装置1は、ロッド部材11と、切断装置12と、蓋部材13と、排気装置14と、収集容器15と、クレーンの一例であるポーラークレーン16と、把持装置4(図7参照)とを備える。以下、これらの原子炉圧力容器解体装置1の構成部について詳細に説明する。
【0011】
(ロッド部材11)
ロッド部材11は、少なくとも部分的に原子炉圧力容器3の内部に位置した状態で原子炉圧力容器3を吊り上げる部材である。後述する切断装置12は、例えば原子炉圧力容器3の上端部3aの上下方向D2の幅に相当する所定の移動範囲で上下動する。このように上下方向D2への移動範囲が規制された切断装置12に対してロッド部材11が上方D21に原子炉圧力容器3を吊り上げることで、上端部3aの切断の進行に応じて新たな上端部3aを切断装置12による切断位置まで上昇させることができる。
【0012】
また、ロッド部材11は、建屋躯体21内の狭い空間に設置された原子炉圧力容器3に対して内部に位置した状態で原子炉圧力容器3を吊り上げることで、狭い作業スペースにかかわらず原子炉圧力容器3の切断を適切に補助することができる。
【0013】
ロッド部材11の外側には、ロッド部材11を包囲する筒状体11aが配置されている。筒状体11aは、原子炉圧力容器3の内部および排気装置14と連通している。筒状体11aが設けられていることで、筒状体11aを通して排気装置14が原子炉圧力容器3の内部を排気することができる。
【0014】
ロッド部材11は、ロッド本体部111と、複数のアーム部112とを有する。
【0015】
ロッド本体部111は、原子炉圧力容器3の上端部から内底部側にわたって延びている。すなわち、ロッド本体部111は、上下方向D2に長尺に形成されている。ロッド本体部111は、円柱形状を有しており、このロッド本体部111の外側に、ロッド本体部111の長手方向D2の所定範囲にわたってロッド本体部111と同心状の筒状体11aが設けられている。筒状体11aは、その上端側において排気装置14の排気管141に接続され、その下端において原子炉圧力容器3の内部と連通している。ロッド本体部111の上端側には、後述するポーラークレーン16を接続する接続部1111が設けられている。
【0016】
アーム部112は、ロッド本体部111の下端側においてロッド本体部111から原子炉圧力容器3の内周面3b側に向かって放射状に延びている。アーム部112は、その内周面3b側の端部において内周面3bに設けられた構造物に係合して原子炉圧力容器3の吊り上げを可能にする。より詳しくは、内周面3b側のアーム部112の端部には、内周面3bから内方に突出する原子炉圧力容器3の突起部31(すなわち、構造物)を挿入する凹部1121が設けられている。突起部31は、原子炉圧力容器3の周方向D1に間隔を空けて内周面3bに複数設けられている。突起部31は、原子炉圧力容器3内に収容されていた装置を支持していたものである。アーム部112は、複数の突起部31のそれぞれを挿入できるように突起部31に対応して設けられている。例えば、アーム部112は、突起部31と同じ周方向D1の角度間隔で突起部31と同数設けられている。
【0017】
アーム部112の凹部1121に突起部31を挿入する際には、先ず、ポーラークレーン16によってロッド部材11を吊り下げ、アーム部112が突起部31と干渉しないようにアーム部112の周方向D1の位置をポーラークレーン16の回転で調整したうえで、アーム部112が突起部31と同じ高さになるまでロッド部材11を下降させる。そして、アーム部112の凹部1121に突起部31が挿入されるようにポーラークレーン16によってロッド部材11を周方向D1に回転させる。
【0018】
このようにしてアーム部112の凹部1121に突起部31が挿入された状態でロッド部材11をポーラークレーン16で吊り上げることで、ロッド部材11は、原子炉圧力容器3の自重によって凹部1121の内底面に突起部31の底面を当接させながら、原子炉圧力容器3を上方D21に吊り上げることができる。また、アーム部112が原子炉圧力容器3の上端部3aから下方D22に離れたロッド本体部111の下端側に設けられていることで、アーム部112が原子炉圧力容器3の上端部3aの切断を邪魔しないようにすることができる。
【0019】
(蓋部材13)
蓋部材13は、原子炉圧力容器3の上端部3aを覆う部材である。蓋部材13は、原子炉圧力容器3の上端部3aを上方から覆う上壁部131と、上壁部131を囲み、原子炉圧力容器3の上端部3aを側方から覆う筒状の側壁部132とを有する。
【0020】
図2に示すように、上壁部131は、例えばモータ等の駆動源や歯車等の動力伝達部材で構成される駆動機133によって周方向D1に回転可能に構成されている。一方、図1に示すように、側壁部132は、建屋躯体21の顎部21a上に載置されることで不動状態に設置されている。
【0021】
上壁部131には、部分的に上壁部131を開放可能な扉部134が設けられている。より詳しくは、扉部134が開扉することで、上壁部131に開口部135が形成されて部分的に上壁部131が開放され、扉部134が閉扉することで、上壁部131が閉鎖される。例えば、扉部134は、モータ等の動力によって開閉可能な開き戸で構成することができる。
【0022】
上壁部131の中央には、上壁部131を上下に貫通する貫通孔13aが設けられており、この貫通孔13aを通してロッド本体部111の上端側および接続部1111が原子炉圧力容器3の外部に露出している。蓋部材13によれば、原子炉圧力容器3の上端部3aを覆うことで、上端部3aの切断によって発生した切断粉、煙、微粒子などの放射性物質(スラッジと呼ばれることもある)が飛散することを抑制することができる。
【0023】
(切断装置12)
切断装置12は、ロッド部材11で吊り上げられた原子炉圧力容器3の上端部3aを切断する装置である。
【0024】
切断装置12は、扉部134によって上壁部131が閉鎖された状態において、原子炉圧力容器3の上端部3aに、上下方向D2に沿った直線状の切り込み30(図5参照)と、上下方向D2および周方向D1に沿ったL字状の切り込み31であって、直線状の切り込み30の下端近傍に至るL字状の切り込み31(図6参照)と、を形成する。
【0025】
直線状の切り込み30およびL字状の切り込み31を形成した後に、切断装置12は、扉部134によって上壁部131が開放された状態において、直線状の切り込み30とL字状の切り込み31とが繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行って上端部3aから矩形状の切断片32(図8参照)を切り離す。
【0026】
切断片32は、上壁部131の開放によって形成された開口部135を通して蓋部材13の外部に取り出される(図9参照)。
【0027】
切断片32が蓋部材13から取り出された後に、切断装置12は、扉部134によって再び上壁部131が閉鎖された状態において、上端部3aに、切断片32の取り出しによって上端部3aに形成された切欠き部3cの近傍に至る新たなL字状の切り込み31を形成する(図10参照)。
【0028】
新たなL字状の切り込み31を形成した後に、切断装置12は、扉部134によって再び上壁部131が開放された状態において、切欠き部3cと新たなL字状の切り込み31とが繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行って上端部3aから新たな切断片32を切り離す。
【0029】
上壁部131の開放によって形成された開口部135を通して新たな切断片32が蓋部材13から取り出された後に、切断装置12は、新たなL字状の切り込みの形成および新たな切断片の切り離しを繰り返す。
【0030】
このように、切断装置12は、上壁部131を閉鎖した状態で直線状の切り込み30またはL字状の切り込み31を形成し、切断片32の取り出しのために上壁部131を開放した状態で切断片32を切り離す仕上げ切断を行うことで、上壁部131の開放時間を可及的に短縮して放射性物質の飛散を効果的に抑制することができる。また、直線状の切り込み30または切欠き部3cの近傍に至るようにL字状の切り込み31を形成することで、仕上げ切断の時間を短縮して上壁部131の開放時間をより効果的に短縮することができる。また、L字状の切り込み31の形成および仕上げ切断によって切断片32を切り離すことで、上端部3aを少ない工数で効率的に切断することができる。
【0031】
また、切断装置12は、上下方向D2および周方向D1に沿って移動可能に蓋部材13の上壁部131に配置されている。切断装置12は、下方向D22への移動にともなう原子炉圧力容器3の上端部3aへの上下方向D2に沿った切り込みの形成と、周方向D1に沿った移動にともなう上端部3aへの周方向D1に沿った切り込みの形成とを連続して行うことで、上端部3aにL字状の切り込み31を形成する。これにより、上端部3aの切断をより効率的に行うことができる。
【0032】
また、切断装置12は、上壁部131の回転にともなってL字状の切り込みの形成位置を周方向D1に変更する。
【0033】
また、切断装置12は、原子炉圧力容器3を熱切断する。熱切断には、例えばプロパンガスや酸素ガスを予熱ガスとして好適に用いることができる。より詳しくは、切断装置12は、原子炉圧力容器3の上端部3aに対して原子炉圧力容器3の外側から対向し、原子炉圧力容器3の外側から上端部3aを熱切断する。さらに詳しくは、切断装置12は、上端部3aに酸素を吹き付けながら切断火口121から予熱ガスと酸素の反応で生じた高温の火炎を噴射し、火炎によって上端部3aを燃焼させて溶融させる。そして、切断装置12は、溶融部分を気流で吹き飛ばして溶融部分を除去することで、上端部3aを切断する。
【0034】
また、切断装置12は、図2に示すように、上壁部131の外周縁から上方D21に突出するように設けられた平面円弧状の支持部122に、上下方向D2および周方向D1に沿って移動可能に支持されている。上下方向D2および周方向D1に沿った切断装置12の移動は、例えば、モータ等の図示しない動力源の動力によってギアやタイミングベルト等の図示しない動力伝達部材を介して行われる。
【0035】
また、図2に示すように、切断装置12は、支持部122よりも内側の上壁部131に設けられた平面円弧状の開口部131aを通して上壁部131の下方D22まで挿入されており、上壁部131の下方D22において切断火口121を上端部3aに対向させている。開口部131aを通した放射性物質の飛散を防止するため、開口部131aは、周方向D1に沿った切断装置12の移動にともなって周方向D1に沿って伸縮する蛇腹構造131bによって閉塞されている。
【0036】
このような上下方向D2および周方向D1に沿った切断装置12の移動にともなう熱切断によれば、狭い作業スペースにかかわらず上端部3aにL字状の切り込みを適切に形成することができる。
【0037】
(把持装置4)
把持装置4は、上端部3aの切断片32を蓋部材13から外部に取り出すために切断片32を把持する装置である。把持装置4は、L字状の切り込み31が形成された後に、上壁部131の開放によって形成された開口部135を通して原子炉圧力容器3の上端部3aのうちの開口部135の直下に位置する取り出し対象部分33まで下降して取り出し対象部分33を把持する(図7参照)。
【0038】
取出し対象部分33が把持装置4で把持された後に、切断装置12は、取出し対象部分33に形成されたL字状の切り込み31が直線状の切り込み30または切欠き部3cと繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行う。これにより、切断装置12は、取出し対象部分33を、把持装置4で把持されたまま切断片32として上端部3aから切り離す(図8参照)。
【0039】
把持装置4は、上端部3aから切り離された切断片32を把持しながら開口部135を通して蓋部材13の上方D21に上昇することで、蓋部材13から切断片32を取り出す(図9参照)。
【0040】
なお、蓋部材13は、切断片32の取り出しの進行に応じて上壁部131を扉部134とともに周方向D1に回転させることで、扉部134の開扉によって形成される開口部135の直下に位置する取り出し対象部分33を変更する。
【0041】
(排気装置14)
排気装置14は、原子炉圧力容器3の内部を排気する装置である。排気装置14は、ロッド本体部111の外側に配置された筒状体11aを通して原子炉圧力容器3の内部を排気する。
【0042】
より詳しくは、排気装置14は、ロッド本体部111の上端に接続された排気管141を通し筒状体11aに連通され、排気管141を通して筒状体11a内に負圧を発生させることで、筒状体11aに連通された原子炉圧力容器3の内部を排気する。排気装置14の本体部142は、例えば、送風機およびフィルタ等で構成することができる。
【0043】
排気装置14によれば、原子炉圧力容器3の内部を排気することで、上端部3aの切断によって発生した放射性物質を吸引して除去することができる。
【0044】
(収集容器15)
収集容器15は、原子炉圧力容器3の内底部側に位置し、原子炉圧力容器3の切断で生じた落下物(すなわち、放射性物質)を収集する容器である。収集容器15は、上方D21に開口され、平面視において略扇形状を有する。
【0045】
収集容器15は、持ち手151を有する。持ち手151は、例えば、収集容器15の底面の上方D21において水平方向に延びる棒状体で構成することができる。持ち手151を有することで、収集容器15の設置や回収の際における取扱い性を向上させることができる。
【0046】
収集容器15は、周方向D1において隣り合うアーム部112同士の間においてアーム部112から垂れ下がるようにロッド部材11に保持される。
【0047】
収集容器15によれば、原子炉圧力容器3の切断で生じた落下物を簡易な構成によって効率的に収集することができる。
【0048】
(ポーラークレーン16)
ポーラークレーン16は、ロッド部材11を吊り上げる装置である。ポーラークレーン16は、建屋躯体21の上端部に設置され、ロープ161を介して吊り下げられた把持装置162によってロッド部材11の接続部1111を把持することで、ロッド部材11に接続される。ロッド部材11を接続した状態で図示しない巻上機によってロープ161を巻き上げることで、ポーラークレーン16はロッド部材11を吊り上げることができる。
【0049】
ロッド部材11を吊り上げることで、ロッド部材11は、原子炉圧力容器3を吊り上げることができる。また、ポーラークレーン16は、図示しないモータ等の動力源によって周方向D1に回転可能とされている。ロッド部材11を吊り上げた状態で周方向D1に回転することで、ポーラークレーン16はロッド部材11を周方向D1に回転させることができる。
【0050】
ロッド部材11を周方向D1に回転させることで、ロッド部材11のアーム部112の凹部1121に原子炉圧力容器3の突起部31を挿入することができる。
【0051】
(動作例)
次に、以上のように構成された原子炉圧力容器解体装置1の動作例について説明する。以下の動作は、全て自動で行ってもよく、部分的に手動で行ってもよい。図4に示すように、先ず、ロッド部材11は、原子炉圧力容器3を吊り上げる(ステップS1)。このとき、蓋部材13の扉部134は閉じられている。
【0052】
原子炉圧力容器3を吊り上げた後、切断装置12は、切断火口121から火炎を噴射しながら下方D22に移動することで、上端部3aに上下方向D2に沿った直線状の切り込み30を形成する(ステップS2,図5)。
【0053】
直線状の切り込み30を形成した後、切断装置12は、直線状の切り込み30の下端近傍に至るL字状の切り込み31を形成する(ステップS3,図6)。このとき、切断装置12は、熱切断によって、下方向D22への移動にともなう上端部3aへの上下方向D2に沿った切り込みの形成と、周方向D1に沿った移動にともなう上端部3aへの周方向D1に沿った切り込みの形成とを連続して行うことで、上端部3aにL字状の切り込み31を形成する。これによって、図6に示すように、1つの矩形状の切断片32の切り出しに必要な切断の殆どを実施して、仕上げ切断のための僅かな未切断箇所のみを残すことができる。このため、扉部134の開扉をともなう仕上げ切断の時間を短縮して放射性物質の飛散を効果的に抑制することができる。
【0054】
L字状の切り込み31を形成した後、矩形状の切断片32を取り出すための仕上げ切断を行うために、蓋部材13の扉部134を開扉する(ステップS4)。
【0055】
扉部134を開扉した後、クレーンで吊り下げられた把持装置4を、扉部134の開扉によって形成された開口部135を通して上端部3aのうちの開口部135の直下に位置する取り出し対象部分33まで下降させ、下降された把持装置4で取り出し対象部分33を把持する(ステップS5,図7)。
【0056】
把持装置4で取り出し対象部分33を把持した後、切断装置12は、周方向D1に沿った移動にともなって、取り出し対象部分33に形成されたL字状の切り込み31が直線状の切り込み30と繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行う(ステップS6,図8)。仕上げ切断により、把持装置4で把持された状態で、取り出し対象部分33を矩形状の切断片32として上端部3aから切り離す。把持装置4で把持されているので、切断片32は落下しない。
【0057】
仕上げ切断を行った後、クレーンで把持装置4を引き上げることで、開口部135を通して蓋部材13の外部に切断片32を取り出す(ステップS7,図9)。取り出された切断片32は、所定の保管場所に移動される。このように、L字状の切り込み31を形成する際に閉扉されていた扉部134を一時的に開扉して仕上げ切断を行うことで、放射性物質の飛散を可及的に抑制しつつ切断片32を取り出すことができる。
【0058】
切断片32を取り出した後、扉部134を閉扉することで上壁部131を閉鎖する(ステップS8)。
【0059】
扉部134を閉扉した後、新たな切断片32の取り出しを行わない場合(ステップS9:No)、処理を終了する。
【0060】
一方、新たな切断片32の取り出しを行う場合(ステップS9:Yes)、切断装置12は、切断片32の取り出しによって形成された切欠き部3cの近傍に至る新たなL字状の切り込み31を形成する(ステップS10,図10)。それ以降は、ステップS4以下の処理を繰り返すことで、新たな切断片32の取り出しを行う(図11参照)。
【0061】
以上述べたように、本実施形態によれば、ロッド部材11が、少なくとも部分的に原子炉圧力容器3の内部に位置した状態で原子炉圧力容器3を吊り上げ、切断装置12が、扉部134によって上壁部131が閉鎖された状態において、上端部3aに、直線状の切り込み30と、直線状の切り込み30の下端近傍に至るL字状の切り込み31とを形成し、その後、扉部134によって上壁部131が開放された状態において、直線状の切り込み30とL字状の切り込み31とが繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行って切断片32を切り離すことで、狭い作業スペースにおける原子炉圧力容器3の解体作業を放射性物質の飛散を抑制しながら効率的に行うことができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、切断片32が取り出された後に、切断装置12が、扉部134によって再び上壁部131が閉鎖された状態において、上端部3aに、切断片32の取り出しによって形成された切欠き部3cの近傍に至る新たなL字状の切り込み31を形成し、新たなL字状の切り込み31を形成した後に、扉部134によって再び上壁部131が開放された状態において、切欠き部3cと新たなL字状の切り込み31とが繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行って上端部3aから新たな切断片32を切り離す。そして、上壁部131の開放によって形成された開口部135を通して新たな切断片32が取り出された後に、切断装置12が、新たなL字状の切り込み31の形成および新たな切断片32の切り離しを繰り返す。これにより、放射性物質の飛散を抑制した効率的な解体作業を継続的に行うことができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、切断装置12が、下方D22への移動にともなう上端部3aへの上下方向D2の切り込みの形成と、周方向D1への移動にともなう上端部3aへの周方向D1の切り込みの形成とを連続して行うことで、L字形状の切り込み31の形成を簡便かつ効率的に行うことができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、切断装置12が、下方向D22への移動にともなう上端部3aへの上下方向D2に沿った切り込みの形成と、周方向D1に沿った移動にともなう上端部3aへの周方向D1に沿った切り込みの形成とを連続して行うことで、上端部3aにL字状の切り込み31を効率的に形成することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、切断装置12が、上壁部131の回転にともなってL字状の切り込み31の形成位置を周方向D1に変更することで、簡易な構成によって切断片32の取出しを周方向D1に適切に進行させることができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、把持装置4が、L字状の切り込み31が形成された後に、上壁部131の開放によって形成された開口部135を通して上端部3aのうちの開口部135の直下に位置する取り出し対象部分33まで下降して取り出し対象部分33を把持し、切断装置12が、取出し対象部分33に形成されたL字状の切り込み31が直線状の切り込み30または切欠き部3cと繋がるように周方向D1に沿った仕上げ切断を行うことで、取出し対象部分33を把持装置4で把持されたまま切断片32として上端部3aから切り離す。そして、把持装置4が、切断片32を把持しながら開口部135を通して蓋部材13の上方に上昇することで切断片32を取り出す。これにより、放射性物質の飛散を可及的に抑制しつつ切断片32を取り出すことができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、排気装置14が原子炉圧力容器3の内部を排気することで、上端部3aの切断によって発生した放射性物質を吸引して除去することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、ロッド部材11の外側に原子炉圧力容器3の内部および排気装置14と連通する筒状体11aを設け、排気装置14が、筒状体11aを通して原子炉圧力容器3の内部を排気することで、狭い作業スペースでの放射性物質の除去を効率的に行うことができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、収集容器15が、原子炉圧力容器3の内底部側に位置し、原子炉圧力容器3の切断で生じた落下物を収集することで、排気装置14で除去し切れなかった放射性物質を効率的に回収することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、収集容器15が、上方に開口され、平面視において略扇形状を有することで、原子炉圧力容器3の内底部側に複数の収集容器15を隙間少なく敷き詰めることができるので、放射性物質をより適正に回収することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、ロッド部材11が、原子炉圧力容器3の上端部3a側から内底部側にわたって延びるロッド本体部111と、ロッド本体部111の下端側においてロッド本体部111から原子炉圧力容器3の内周面3b側に向かって放射状に延び、内周面3b側の端部において内周面3bに設けられた構造物31に係合して原子炉圧力容器3の吊り上げを可能にする複数のアーム部112と、を有し、収集容器15が、周方向D1において隣り合うアーム部112同士の間においてアーム部112から垂れ下がるようにロッド部材11に保持される。これにより、ロッド部材11の構造を活用して収集容器15を適切に保持することができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、切断装置12が原子炉圧力容器3を熱切断することで、L字状の切り込み31を効率的かつ適切に形成することができる。
【0073】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例による原子炉圧力容器解体装置1について説明する。図6に示すように、本変形例による原子炉圧力容器解体装置1は、上述した構成に加えて、更に、アーム部112が、収集容器15の開口部15aよりも上方D21に突出した凸部1122を有する。凸部1122は、開口部15aから周方向D1に沿って離れるのにしたがって上方D21に向かって傾斜した傾斜面1122aが設けられている。
【0074】
本変形例によれば、上端部3aの切断によってアーム部112上に落下した落下物を、傾斜面1122aに衝突させて収集容器15内に落下させることができる。これにより、切断によって生じた落下物をより効率的に収集することができる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0076】
1 原子炉圧力容器解体装置
11 ロッド部材
12 切断装置
3 原子炉圧力容器
3a 上端部
【要約】
【課題】狭い作業スペースにおける原子炉圧力容器の解体の作業効率を向上させることができる原子炉圧力容器解体装置および原子炉圧力容器解体方法を提供する。
【解決手段】原子炉圧力容器を吊り上げるロッド部材と、吊り上げられた原子炉圧力容器の上端部を切断する切断装置と、原子炉圧力容器の上端部を上方から覆う上壁部および部分的に上壁部を開放する扉部を有する蓋部材とを備え、切断装置は、上壁部の閉鎖状態において、上端部に上下方向に沿った直線状の切り込みと上下方向および原子炉圧力容器の周方向に沿ったL字状の切り込みであって直線状の切り込みの下端近傍に至る切り込みとを形成し、その後、上壁部の開放状態において、直線状の切り込みとL字状の切り込みとが繋がるように周方向に沿った仕上げ切断を行って切断片を切り離し、切断片は上壁部の開放によって形成された開口部を通して外部に取り出される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12