特許第6876169号(P6876169)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社第一興商の特許一覧

<>
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000002
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000003
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000004
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000005
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000006
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000007
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000008
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000009
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000010
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000011
  • 特許6876169-カラオケ装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6876169
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-31270(P2020-31270)
(22)【出願日】2020年2月27日
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政之
【審査官】 菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−78731(JP,A)
【文献】 特開2013−11735(JP,A)
【文献】 特開2008−225379(JP,A)
【文献】 特開2007−93932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲のカラオケ演奏を行う際、当該楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させるカラオケ装置であって、
予約された楽曲に対し、カラオケ演奏を最後まで行う通常演奏モード、または楽曲のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲のカラオケ演奏を開始する短縮演奏モードを設定する設定部と、
予約された第1の楽曲に対して前記短縮演奏モードが設定されている場合、当該第1の楽曲のカラオケ演奏中は当該第1の楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させ、当該第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、当該表示手段の表示領域を分割し、分割した一の表示領域に当該第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させ、且つ分割した他の表示領域に当該第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を表示させる表示制御部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1の楽曲に対応する背景映像の終了後、前記表示領域の分割を終了し、前記第2の楽曲に対応する背景映像のみを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第1の楽曲に対応する背景映像が終了する前に前記第2の楽曲のカラオケ演奏が終了し、且つ前記第2の楽曲の次に予約された第3の楽曲のカラオケ演奏を開始する場合、当該第3の楽曲に対応する背景映像を前記他の表示領域に表示させることを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
楽曲のカラオケ演奏を行う際、当該楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させるカラオケ装置であって、
予約された楽曲に対し、カラオケ演奏を最後まで行う通常演奏モード、または楽曲のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲のカラオケ演奏を開始する短縮演奏モードを設定する設定部と、
予約された第1の楽曲に対して前記短縮演奏モードが設定されている場合、当該第1の楽曲のカラオケ演奏中は当該第1の楽曲に対応する背景映像を一の表示手段に表示させ、当該第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、当該第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を当該一の表示手段に表示させ、当該一の表示手段とは異なる他の表示手段に当該第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させる表示制御部と、
を有するカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏を行う際に、モニタに背景映像を表示させることができる。背景映像としては、楽曲を歌唱するアーティストのPVやライブ映像のような本人映像、風景を撮影した映像、CGによる映像、或いはアダルト向け映像のようなナイトコンテンツなど様々な映像が存在する。
【0003】
また、カラオケボックス等ではカラオケ装置の利用時間が決まっている。よって、利用者は、限られた時間内に、できるだけ多くの楽曲を歌唱したいと考える。そのような利用者のために、楽曲の演奏時間を短縮できるカラオケ装置が知られている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、伴奏演奏やディスプレイの表示内容を含めてスキップする機能や、演奏及び画像表示をフェードアウトさせて中断終了させる機能を備えたカラオケ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−124094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術を用いる場合、カラオケ演奏の中止と共に背景映像の表示も中止されるため、ストーリー性のある映像やナイトコンテンツ等を楽しんでいた聴衆にとっては不満が残ることとなる。
【0007】
本発明の目的は、楽曲が短縮演奏された場合であっても、当該楽曲の背景映像を最後まで鑑賞することが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、楽曲のカラオケ演奏を行う際、当該楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させるカラオケ装置であって、予約された楽曲に対し、カラオケ演奏を最後まで行う通常演奏モード、または楽曲のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲のカラオケ演奏を開始する短縮演奏モードを設定する設定部と、予約された第1の楽曲に対して前記短縮演奏モードが設定されている場合、当該第1の楽曲のカラオケ演奏中は当該第1の楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させ、当該第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、当該表示手段の表示領域を分割し、分割した一の表示領域に当該第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させ、且つ分割した他の表示領域に当該第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を表示させる表示制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、楽曲が短縮演奏された場合であっても、当該楽曲の背景映像を最後まで鑑賞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図3A】第1実施形態に係る表示装置の表示領域を示した図である。
図3B】第1実施形態に係る表示装置の表示領域を示した図である。
図3C】第1実施形態に係る表示装置の表示領域を示した図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図5】変形例に係る表示装置の表示領域を示した図である。
図6】第2実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図7A】第2実施形態に係る表示装置を示した図である。
図7B】第2実施形態に係る表示装置を示した図である。
図8】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0012】
==カラオケ装置==
カラオケ装置は、カラオケ演奏やカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置は、カラオケ店舗のカラオケルームに設置されている。
【0013】
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0014】
カラオケ本体10は、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの放音信号に基づいて音声を放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて歌詞テロップや背景映像を画面に表示するための構成である。表示装置30は「表示手段」に相当する。マイク40は、利用者が発した音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0015】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、及び制御手段10dを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0016】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。
【0017】
記憶部10aは、楽曲のカラオケ演奏を行うための楽曲データと、楽曲識別情報とを紐付けて記憶している。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点するためのデータである。楽曲識別情報は、たとえば楽曲IDのような、楽曲毎に設定された固有の情報である。
【0018】
また、記憶部10aは、楽曲のカラオケ演奏に合わせて歌詞テロップを表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、及びカラオケ演奏を行う際に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ等を楽曲毎に記憶する。背景映像は、楽曲のカラオケ演奏に併せて設定されている。すなわち、カラオケ演奏が最後まで行われた場合に、背景映像も最後まで表示装置30等に表示されることとなる。
【0019】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0020】
[制御手段]
制御手段10dは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10dは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0021】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10dは、設定部100、演奏制御部200、及び表示制御部300として機能する。
【0022】
(設定部)
設定部100は、予約された楽曲に対し、通常演奏モードまたは短縮演奏モードを設定する。
【0023】
通常演奏モードは、楽曲のカラオケ演奏を最後まで行うモードである。短縮演奏モードは、楽曲のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲のカラオケ演奏を開始するモードである。カラオケ演奏を中止するタイミングは、たとえば1コーラス終了後、1番のサビが終了後等、予め設定されている。なお、短縮演奏モードとして、カラオケ演奏を中止するタイミングが異なる複数のモードが準備されていてもよい。
【0024】
たとえば、利用者U1及び利用者U2がカラオケ装置Kを利用するとする。利用者は、リモコン装置50を介してカラオケ歌唱を希望する楽曲を選曲する。この際、利用者はリモコン装置50を介して演奏モードの選択を行う。たとえば、利用者U1が楽曲X1、楽曲X2の順で選曲し、且つ楽曲X1について短縮演奏モードを選択し、楽曲X2について通常演奏モードを選択したとする。
【0025】
この場合、カラオケ装置Kは、予約待ち行列に楽曲X1、楽曲X2の順で楽曲IDを登録することで、楽曲の演奏予約を行う。この例において、楽曲X1は「第1の楽曲」に相当し、楽曲X2は「第2の楽曲」に相当する。
【0026】
一方、設定部100は、楽曲X1について短縮演奏モードを設定し、楽曲X2について通常演奏モードを設定する。
【0027】
なお、利用者が演奏モードの選択を行わなかった場合、設定部100は、予め決定されている条件(たとえば、通常演奏モードで演奏する)に基づいて、演奏モードを設定することができる。
【0028】
(演奏制御部)
演奏制御部200は、カラオケ装置Kにおけるカラオケ演奏の制御を行う。演奏制御部200は、楽曲の伴奏データを記憶手段10aから読み出し、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させる。
【0029】
上記例において、演奏制御部200は、予約待ち行列に登録されている楽曲X1の伴奏データを記憶手段10aから読み出し、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させる。利用者U1は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行うことができる。また、演奏制御部200は、楽曲X1に設定されている短縮演奏モードに基づいて、楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲X2のカラオケ演奏を開始する。
【0030】
(表示制御部)
表示制御部300は、カラオケ装置Kにおける各種表示制御を行う。たとえば、表示制御部300は、楽曲のカラオケ演奏を行う際、当該楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させる。
【0031】
ここで、本実施形態に係る表示制御部300は、予約された第1の楽曲に対して短縮演奏モードが設定されている場合、当該第1の楽曲のカラオケ演奏中は当該第1の楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させる。また、表示制御部300は、当該第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、当該表示手段の表示領域を分割し、分割した一の表示領域に当該第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させ、且つ分割した他の表示領域に当該第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を表示させる。
【0032】
表示領域の分割は様々な方法で行うことができる。たとえば、表示制御部300は、表示装置30の表示画面を均等に2分割し、それぞれに異なる背景映像を表示させることができる。また、表示装置30の表示画面を大きめの表示領域と小さめの表示領域に2分割し、現在カラオケ演奏が行われている楽曲に対応する背景映像を大きめの表示領域に表示させ、カラオケ演奏を中止した楽曲に対応する背景映像を小さめの表示領域に表示させてもよい。或いは、表示制御部300は、全体の表示領域の一部を別の表示領域として設定し、カラオケ演奏を中止した楽曲に対応する背景映像を当該別の表示領域に表示させてもよい(所謂、ピクチャ・イン・ピクチャ)。本実施形態に係る表示領域の分割には、このようなピクチャ・イン・ピクチャも含まれる。なお、表示領域の分割は、現在カラオケ演奏が行われている楽曲の歌詞テロップを視認し易いように行われることが望ましい。
【0033】
また、本実施形態に係る表示制御部300は、第1の楽曲に対応する背景映像の終了後、表示領域の分割を終了し、第2の楽曲に対応する背景映像のみを表示手段に表示させる。表示制御部300は、たとえば、第1の楽曲の長さ(すなわち、通常演奏モードにおける演奏時間)に基づいて、第1の楽曲に対応する背景映像の終了するタイミングを判断することができる。
【0034】
上記例において、表示制御部300は、楽曲X1のカラオケ演奏中、楽曲X1の背景映像データを記憶手段10aから読み出し、表示装置30の表示領域Eに背景映像B1を表示させる(図3A参照)。利用者U2は、利用者U1のカラオケ歌唱を聴きながら、背景映像B1を鑑賞することができる。なお、表示制御部300は、楽曲X1の歌詞テロップデータに基づいて、背景映像B1に歌詞テロップを重ねて表示させる。利用者U1は、歌詞テロップを見ながらカラオケ歌唱を行うことができる。
【0035】
ここで、楽曲X1は短縮演奏モードが設定されているため、演奏制御部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止し、楽曲X2のカラオケ演奏を開始する。
【0036】
楽曲X1のカラオケ演奏の中止後、表示制御部300は、表示装置30の表示領域Eを表示領域E1及び表示領域E2に分割し、表示領域E1に楽曲X1に対応する背景映像B1を引き続き表示させる。この場合、利用者U2は楽曲X1に対応する背景映像B1を鑑賞し続けることができる。
【0037】
また、表示制御部300は、楽曲X2のカラオケ演奏に併せて、表示領域E2に楽曲X2に対応する背景映像B2を表示させる(図3B参照)。この例において、表示領域E1は「一の表示領域」に相当し、表示領域E2は「他の表示領域」に相当する。
【0038】
一方、楽曲X1に対応する背景映像B1が終了した場合、表示制御部300は、表示領域の分割を終了し、楽曲X2に対応する背景映像B2を表示装置30の表示領域E全体に表示させる(図3C参照)。
【0039】
なお、表示制御部300は、カラオケ演奏を行っていない楽曲に対応する背景映像を表示させる際には歌詞テロップの表示を省略することができる。たとえば、上記例において、表示制御部300は、楽曲X1に対応する背景映像B1を表示領域E1に表示させる際には、楽曲X1の歌詞テロップの表示を省略することができる。またこの際、表示制御部300は、カラオケ演奏を行っている楽曲X2の歌詞テロップデータに基づいて、表示領域E1に表示させる背景映像B1及び表示領域E2に表示させる背景映像B2の両方に歌詞テロップを重ねて表示させることができる。すなわち、表示制御部300は、通常演奏モードと同じ様に表示領域E全体を使って楽曲X2の歌詞テロップの表示を行うことができる。
【0040】
また、表示制御部300は、上記例において表示領域E1を「他の表示領域」とし、表示領域E2を「一の表示領域」として背景映像を表示させてもよい。
【0041】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図4を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理の具体例について述べる。図4は、カラオケ装置Kにおける処理例を示すフローチャートである。
【0042】
利用者は、リモコン装置50を介してカラオケ歌唱を希望する楽曲の選曲、及び演奏モードの選択を行う。ここでは、楽曲X1、楽曲X2の順で選曲されたとする。カラオケ装置Kは、楽曲X1、楽曲X2の順で予約待ち行列に登録する。設定部100は、予約された楽曲X1及び楽曲X2に対し、選択された演奏モード(短縮演奏モードまたは通常演奏モード)を設定する(楽曲毎に演奏モードを設定。ステップ10)。
【0043】
演奏制御部200は、最初に予約された楽曲X1のカラオケ演奏を開始する(楽曲X1のカラオケ演奏を開始。ステップ11)。表示制御部300は、楽曲X1に対応する背景映像B1を表示装置30に表示させる(楽曲X1に対応する背景映像B1を表示。ステップ12)。
【0044】
楽曲X1に対して短縮演奏モードが設定されている場合(ステップ13でYの場合)、演奏制御部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止する(楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止。ステップ14)。
【0045】
楽曲X1のカラオケ演奏の中止後、表示制御部300は、表示装置30の表示領域を分割する(表示領域の分割。ステップ15)。
【0046】
演奏制御部200は、楽曲X2のカラオケ演奏を開始する(楽曲X2のカラオケ演奏を開始。ステップ16)。
【0047】
表示制御部300は、分割した一の表示領域に楽曲X1に対応する背景映像B1を引き続き表示させる。また、表示制御部300は、楽曲X2のカラオケ演奏に併せて、分割した他の表示領域に楽曲X2に対応する背景映像B2を表示させる(分割した表示領域それぞれに背景映像B1または背景映像B2を表示。ステップ17)。
【0048】
楽曲X1に対応する背景映像B1が終了した場合(ステップ18でYの場合)、表示制御部300は、表示領域の分割を終了し、楽曲X2に対応する背景映像B2を表示装置30の表示領域全体に表示させる(背景映像B2のみを表示。ステップ19)。
【0049】
なお、楽曲X1に対して短縮演奏モードが設定されていない場合(ステップ13でNの場合)、ステップ14以降の処理は行わない。演奏制御部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を最後まで行い、その後、楽曲X2のカラオケ演奏を開始する。表示制御部300は、楽曲X1のカラオケ演奏に併せて背景映像B1を最後まで表示させ、その後、楽曲X2のカラオケ演奏に併せて背景映像B2の表示を開始する。
【0050】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏を行う際、当該楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させる。カラオケ装置Kは、予約された楽曲に対し、カラオケ演奏を最後まで行う通常演奏モード、または楽曲のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲のカラオケ演奏を開始する短縮演奏モードを設定する設定部100と、予約された第1の楽曲に対して短縮演奏モードが設定されている場合、第1の楽曲のカラオケ演奏中は当該第1の楽曲に対応する背景映像を表示装置30に表示させ、第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、表示装置30の表示領域を分割し、分割した一の表示領域に第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させ、且つ分割した他の表示領域に第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を表示させる表示制御部300と、を有する。
【0051】
このようなカラオケ装置Kによれば、短縮演奏モードが設定されている楽曲のカラオケ演奏が途中で中止された場合であっても、当該楽曲の背景映像は最後まで表示される。よって、背景映像を鑑賞している利用者は、背景映像を最後まで楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、楽曲が短縮演奏された場合であっても、当該楽曲の背景映像を最後まで鑑賞することができる。
【0052】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kの表示制御部300は、第1の楽曲に対応する背景映像の終了後、表示領域の分割を終了し、第2の楽曲に対応する背景映像を表示装置30に表示させる。このようなカラオケ装置Kによれば、先に予約された楽曲に対応する背景映像が終了した後、次に予約された楽曲に対応する背景映像を本来の表示画面の大きさで表示させることができる。よって、利用者は、次に予約された楽曲に対応する背景映像を鑑賞し易くなる。
【0053】
<変形例>
表示制御部300は、第1の楽曲に対応する背景映像が終了する前に第2の楽曲のカラオケ演奏が終了し、且つ第2の楽曲の次に予約された第3の楽曲のカラオケ演奏を開始する場合、当該第3の楽曲に対応する背景映像を他の表示領域に表示させることができる。
【0054】
たとえば、カラオケ装置Kの予約待ち行列に、利用者U1が選曲した楽曲X1、楽曲X2、楽曲X3が、その順で登録されているとする。また、楽曲X1に対して短縮演奏モードが設定され、楽曲X2及び楽曲X3に対して通常演奏モードが設定されているとする。
【0055】
ここで、楽曲X1の演奏時間が長い場合、楽曲X2のカラオケ演奏を最後まで行った時点で、未だ楽曲X1に対応する背景映像が終わっていないことがありうる。
【0056】
そこで、演奏制御部200が楽曲X2の次に予約された楽曲X3のカラオケ演奏を開始する場合、表示制御部300は、楽曲X1に対応する背景映像B1を引き続き表示領域E1に表示させつつ、楽曲X3に対応する背景映像B3を表示領域E2に表示させることができる(図5参照)。
【0057】
このようなカラオケ装置Kによれば、短縮演奏モードが設定された楽曲の演奏時間が長い場合であっても、対応する背景映像を最後まで表示することができる。
【0058】
<第2実施形態>
次に図6図8を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、カラオケ装置Kが複数の表示手段を有する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0059】
==カラオケ装置==
図6に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30a、表示装置30b、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0060】
表示装置30a及び表示装置30bは、カラオケ本体10からの信号に基づいて歌詞テロップや背景映像を画面に表示するための構成である。この例において、表示装置30aは、表示装置30bよりも表示領域が大きいメインモニタとして機能する。表示装置30bは、サブモニタとして機能する。表示装置30aは「一の表示手段」に相当し、表示装置30bは「他の表示手段」に相当する。
【0061】
なお、同じ大きさの表示領域を有する2つの表示装置を使用してもよい。また、他の表示手段として、表示装置30bの代わりに、カラオケ装置Kとペアリングされたリモコン装置50や利用者が所有するスマートフォン等の携帯端末を使用してもよい。
【0062】
(表示制御部)
本実施形態に係る表示制御部300は、予約された第1の楽曲に対して短縮演奏モードが設定されている場合、当該第1の楽曲のカラオケ演奏中は当該第1の楽曲に対応する背景映像を一の表示手段に表示させ、当該第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、当該第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を当該一の表示手段に表示させ、当該一の表示手段とは異なる他の表示手段に当該第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させる。
【0063】
上記例において、表示制御部300は、楽曲X1のカラオケ演奏中、楽曲X1の背景映像データを記憶手段10aから読み出し、表示装置30aに背景映像B1を表示させる(図7A参照)。利用者U2は、利用者U1のカラオケ歌唱を聴きながら、背景映像B1を鑑賞することができる。
【0064】
ここで、楽曲X1は短縮演奏モードが設定されているため、演奏制御部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止し、楽曲X2のカラオケ演奏を開始する。
【0065】
楽曲X1のカラオケ演奏の中止後、表示制御部300は、楽曲X2のカラオケ演奏に併せて、表示装置30aに楽曲X2に対応する背景映像B2を表示させる。
【0066】
一方、表示制御部300は、表示装置30bに楽曲X1に対応する背景映像B1を引き続き表示させる(図7B参照)。この場合、利用者U2は楽曲X1に対応する背景映像B1を鑑賞し続けることができる。
【0067】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図8を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理の具体例について述べる。図8は、カラオケ装置Kにおける処理例を示すフローチャートである。この例では、表示装置30aをメインモニタとし、表示装置30bをサブモニタとして説明する。
【0068】
ステップ20及びステップ21は、第1実施形態におけるステップ10及びステップ11と同様である。
【0069】
表示制御部300は、楽曲X1に対応する背景映像B1をメインモニタに表示させる(楽曲X1に対応する背景映像B1をメインモニタに表示。ステップ22)。
【0070】
楽曲X1に対して短縮演奏モードが設定されている場合(ステップ23でYの場合)、演奏制御部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止する(楽曲X1のカラオケ演奏を途中で中止。ステップ24)。
【0071】
楽曲X1のカラオケ演奏の中止後、演奏制御部200は、楽曲X2のカラオケ演奏を開始する(楽曲X2のカラオケ演奏を開始。ステップ25)。
【0072】
表示制御部300は、楽曲X2に対応する背景映像B2をメインモニタに表示させる。また、表示制御部300は、楽曲X1に対応する背景映像B1をサブモニタに表示させる。(背景映像B2をメインモニタ、背景映像B1をサブモニタに表示。ステップ26)。
【0073】
楽曲X1に対応する背景映像B1が終了した場合(ステップ27でYの場合)、表示制御部300は、背景映像B2のみをメインモニタで表示させる(背景映像B2のみを表示。ステップ28)。
【0074】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏を行う際、当該楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させる。カラオケ装置Kは、予約された楽曲に対し、カラオケ演奏を最後まで行う通常演奏モード、または楽曲のカラオケ演奏を途中で中止し、次に予約された楽曲のカラオケ演奏を開始する短縮演奏モードを設定する設定部100と、予約された第1の楽曲に対して短縮演奏モードが設定されている場合、第1の楽曲のカラオケ演奏中は第1の楽曲に対応する背景映像を表示装置30aに表示させ、第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を表示装置30aに表示させ、表示装置30aとは異なる表示装置30bに当該第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させる表示制御部300と、を有する。
【0075】
このようなカラオケ装置Kによれば、短縮演奏モードが設定されている楽曲のカラオケ演奏が途中で中止された場合であっても、他の表示手段において、当該楽曲の背景映像が最後まで表示される。よって、背景映像を鑑賞している利用者は、カラオケ演奏されている楽曲に対応する背景映像が表示されている表示手段とは異なる表示手段において、背景映像を最後まで楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、楽曲が短縮演奏された場合であっても、当該楽曲の背景映像を最後まで鑑賞することができる。
【0076】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
100 設定部
200 演奏制御部
300 表示制御部
K カラオケ装置
【要約】
【課題】楽曲が短縮演奏された場合であっても、当該楽曲の背景映像を最後まで鑑賞することが可能なカラオケ装置を提供する。
【解決手段】予約された楽曲に対し、通常演奏モードまたは短縮演奏モードを設定する設定部、予約された第1の楽曲に対して短縮演奏モードが設定されている場合、第1の楽曲のカラオケ演奏中は第1の楽曲に対応する背景映像を表示手段に表示させ、第1の楽曲のカラオケ演奏の中止後、表示手段の表示領域を分割し、分割した一の表示領域に第1の楽曲に対応する背景映像を引き続き表示させ、且つ分割した他の表示領域に第1の楽曲の次に予約された第2の楽曲に対応する背景映像を表示させる表示制御部を有するカラオケ装置。
【選択図】図2
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8