特許第6876170号(P6876170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6876170
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-31271(P2020-31271)
(22)【出願日】2020年2月27日
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】永田 明峰
【審査官】 菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−184079(JP,A)
【文献】 特開2009−8977(JP,A)
【文献】 特開2018−136363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定されたBGMリストに基づいて、複数のBGMの演奏を順次行う演奏制御部と、
店舗内の利用者を撮影可能な撮影手段により撮影された利用者の映像を分析し、利用者が各BGMを聴取した際の反応から、当該利用者の音楽に関する嗜好を示す嗜好情報を決定し、出力する決定部と、
出力された前記嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、前記利用者に提示する提示部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記決定部は、各BGMに対して設定されている属性情報の種類毎に一の区分を特定し、特定した区分の組み合わせを前記嗜好情報として決定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記決定部は、店舗において利用者が着席している位置に対応する席識別情報を、当該利用者の前記嗜好情報に対応付けて出力し、
前記提示部は、出力された前記席識別情報に対応する位置に着席している利用者に対してレコメンド楽曲を提示することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記嗜好情報にスコアを付与して出力し、
前記提示部は、出力された前記嗜好情報に付与されたスコアが高い順に、前記席識別情報に対応する位置に着席している利用者に対してレコメンド楽曲を提示することを特徴とする請求項3記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記嗜好情報にスコアを付与して出力し、
前記提示部は、出力された前記嗜好情報に付与されたスコアが所定条件を満たした場合、前記レコメンド楽曲を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケスナックやクラブ等のナイト店舗の中には、開店後、暫くの間はBGMを演奏し、予め決めた時間(たとえば、開店後1時間)が到来した場合に、来店した客に対してカラオケ歌唱を行わせる店舗がある。
【0003】
このようなBGMの演奏にカラオケ装置を利用することができる。たとえば、特許文献1には、カラオケ演奏の予約が入っていない時間帯にBGMの演奏を行うことができるカラオケ装置が開示されている。
【0004】
一方、カラオケ装置でカラオケ歌唱を行った利用者毎の歌唱履歴情報を利用して、利用者の好みに合った楽曲をレコメンド(推奨)する技術が数多く知られている。
【0005】
たとえば、特許文献2には、一の利用者と嗜好が近似する他の利用者の歌唱履歴を参照することにより、当該一の利用者に楽曲を推奨するカラオケシステムが開示されている。また、特許文献3には、顧客データベースに基づいて入店中の客の嗜好に合ったBGMを演奏させることにより、客をカラオケ歌唱に誘導できるカラオケ接客支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019−082571号公報
【特許文献2】特開2006−337405号公報
【特許文献3】特開2003−044061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2のように、歌唱履歴情報を利用して楽曲をレコメンドする場合、利用者がカラオケシステムにログインする必要があり煩雑である。また、ナイト店舗のようなカラオケ店舗の場合、利用者全てがカラオケ歌唱を希望しているとは限らないため、従業員がカラオケ装置へのログインを促すことも困難である。更に、特許文献3のように顧客データベースを利用して楽曲のレコメンドを行う場合、カラオケ店舗を初めて訪れた客については情報が無いため、レコメンドを行うことができない。
【0008】
本発明の目的は、カラオケ店舗の利用者に対して楽曲のレコメンドを容易に行うことが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための一の発明は、予め設定されたBGMリストに基づいて、複数のBGMの演奏を順次行う演奏制御部と、店舗内の利用者を撮影可能な撮影手段により撮影された利用者の映像を分析し、利用者が各BGMを聴取した際の反応から、当該利用者の音楽に関する嗜好を示す嗜好情報を決定し、出力する決定部と、出力された前記嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、前記利用者に提示する提示部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カラオケ店舗の利用者に対して楽曲のレコメンドを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図3】第1実施形態に係るBGMリストを示す図である。
図4】第1実施形態に係るBGMリストに含まれる楽曲毎の集中度を示す図である。
図5A】第1実施形態に係る属性情報の種類毎の集中度の平均値を示す図である。
図5B】第1実施形態に係る属性情報の種類毎の集中度の平均値を示す図である。
図5C】第1実施形態に係る属性情報の種類毎の集中度の平均値を示す図である。
図6】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係る表示装置の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
図1図6を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0013】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、BGMの演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置Kは、カラオケ店舗に設置されている。カラオケ店舗は、たとえばカラオケスナックのようなナイト店舗やカラオケ歌唱が可能な喫茶店等である。
【0014】
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及び撮影手段60を備える。
【0015】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲やBGMの演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。撮影手段60は、カラオケ装置Kが設置されている店舗内の利用者を撮影可能なカメラである。撮影手段60は複数設けられていてもよい。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0018】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音やBGM演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点するためのデータである。
【0019】
記憶手段10aは、各楽曲に対応する歌詞テロップをカラオケ演奏に合わせて表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報を記憶する。属性情報は、たとえば、音楽ジャンル、リリース年代、演奏テンポ、歌手の性別、歌唱音域、楽器編成等の種類がある。各属性情報は、楽曲毎に一の区分が設定されている。たとえば、音楽ジャンルの区分は、「J−POP」、「洋楽」、「演歌」、「アニメ」であるとする。この場合、それぞれの楽曲は、音楽ジャンルとして、これらの区分の中から一の区分が設定されている。
【0020】
なお、カラオケ演奏用の楽曲データとBGMの演奏用の楽曲データを別で記憶していてもよい。この場合、BGMの演奏用の楽曲データは、少なくとも伴奏データ及び属性情報を含む。
【0021】
また本実施形態において、記憶手段10aは予め設定されたBGMリストを記憶している。BGMリストは、カラオケ装置Kが設置されているカラオケ店舗で演奏する複数のBGMをリスト化したものである。BGMリストは、一のリストが設定されていてもよいし、複数のリストが設定されていてもよい。複数のリストが設定されている場合、カラオケ店舗の従業員は、カラオケ装置KでBGMの演奏を行う都度、任意のBGMリストを選択する。
【0022】
図3は、BGMリストの一例である。図3の例ではBGMとして、楽曲S01〜楽曲S08が設定されている。各楽曲は属性情報として「音楽ジャンル」、「リリース年代」、「演奏テンポ」を有する。また、図3に示すように、各楽曲は、音楽ジャンルとして「J−POP」、「アニメ」、「洋楽」、「演歌」のいずれかの区分が設定されており、リリース年代として「1980年代」、「1990年代」、「2000年代」、「2010年代」のいずれかの区分が設定されており、演奏テンポとして「アップテンポ(BPM=120以上)」、「ミディアムテンポ(BPM=80以上120未満)」、「スローテンポ(BPM=80未満)」のいずれかの区分が設定されている。
【0023】
なお、BGMリストは、たとえば「J−POP」と「洋楽」のように全く音楽ジャンルが異なる区分、すなわち利用者の嗜好を特定しやすい区分が設定されている楽曲を含むことが好ましい。
【0024】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、カラオケ店舗の従業員が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0025】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、BGMの演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0026】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0027】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、演奏制御部100、決定部200、及び提示部300として機能する。
【0028】
(演奏制御部)
演奏制御部100は、カラオケ装置Kにおける楽曲の演奏制御を行う。
【0029】
たとえば、演奏制御部100は、予約待ち行列に登録されている楽曲IDを元に、対応する伴奏データを記憶手段10aから取得する。そして、演奏制御部100は、取得した伴奏データを演奏手段10dに出力し、カラオケ演奏を行わせる。
【0030】
ここで、本実施形態に係る演奏制御部100は、予め設定されたBGMリストに基づいて、複数のBGMの演奏を順次行う。
【0031】
演奏制御部100は、カラオケ店舗の従業員からの指示入力に基づいて記憶手段10aからBGMリストを読み出し、BGMの演奏を順番に行う。たとえば、図3のBGMリストに基づいて演奏を行う場合、演奏制御部100は、まず楽曲S01の伴奏データを記憶手段10aから取得し、演奏手段10dに出力してBGMの演奏を行わせる。同様に、演奏制御部100は、演奏手段10dに対し、楽曲S02から楽曲S08まで順番にBGMの演奏を行わせる。
【0032】
演奏制御部100は、BGMの総演奏時間が所定時間になるように各BGMの演奏時間を調整してもよい。たとえば、図3のBGMリストに基づき40分間のBGMの演奏を行う場合、演奏制御部100は、演奏手段10dを制御し、楽曲S01〜楽曲S08の本来の演奏時間の長さに関わらず、それぞれの楽曲の演奏を5分間だけ行わせることができる。
【0033】
(決定部)
決定部200は、撮影手段60により撮影された利用者の映像を分析し、利用者が各BGMを聴取した際の反応から、当該利用者の嗜好情報を決定し、出力する。
【0034】
撮影手段60による撮影は、たとえば、BGMの演奏が開始されたタイミングに合わせて開始される。撮影手段60による撮影は、BGMが演奏されている間、常に行ってもよいし、所定の期間(各BGMの演奏開始から3分間、各BGMの1コーラスの演奏が終了するまで等)にのみ行ってもよい。
【0035】
利用者が各BGMを聴取した際の反応は、利用者の集中度として求めることができる。集中度は、利用者がBGMをどれくらい熱心に聴いているかを示す度合いである。利用者のBGMに対する集中度は、たとえば利用者の表情や体の動き、或いは感情の変化を用いて求めることが可能である。
【0036】
集中度は、特開2016−100033号公報や特開2019−040161号公報等に記載の公知の方法を利用して求めることができる。集中度は、「1」〜「10」のような数値(「1」が最も集中度が低い。「10」が最も集中度が高い)や、低中高といったレベルで示すことができる。
【0037】
集中度は、所定のタイミング及び所定の回数、求めることができる。たとえば、決定部200は、一のBGMの演奏において、あるタイミングで一回だけ集中度を求めることができる。あるタイミングは、たとえば、BGMの開始から1分後や、最初のサビの演奏中である。或いは、決定部200は、一のBGMの演奏において、所定時間毎に複数回(たとえばBGMの演奏開始後、40秒間隔)、集中度を求めることもできる。この場合、決定部200は、求めた値の平均値や合計値を当該BGMの集中度とする。
【0038】
たとえば、撮影された利用者が、「BGMに合わせて口ずさむ」、「リズムに合わせて体を動かす」、「指で拍子をとる」、「何かを思い出すように遠い目をしてBGMに聴き入る」等の様子を示した場合、BGMに集中していると判断されるため、集中度は高い値を示す。一方、利用者が、「BGMが演奏されても会話を止めない」、「飲食物を注文する」等の様子を示した場合には、BGMに集中していないと判断されるため、集中度は低い値を示す。
【0039】
嗜好情報は、利用者の音楽に関する嗜好を示す情報である。嗜好情報は、たとえば属性情報の区分で示すことができる。
【0040】
ここで、決定部200は、各BGMに対して設定されている属性情報の種類毎に一の区分を特定し、特定した区分の組み合わせを嗜好情報として決定することができる。
【0041】
たとえば、決定部200は、楽曲S01〜楽曲S08の演奏時に撮影した利用者の映像それぞれを解析し、楽曲毎の利用者の集中度を求める。図4は、ある利用者の楽曲毎の集中度を示した図である。
【0042】
図3に示したBGMリストに含まれるBGMの演奏が終了した場合、決定部200は、属性情報の種類毎に集中度の平均値を算出する。図3のBGMリストを用いた場合、決定部200は、属性情報「音楽ジャンル」、「リリース年代」、及び「演奏テンポ」のそれぞれについて、図4に示した集中度に基づく平均値を算出する。
【0043】
具体的に、音楽ジャンルのうち、「J−POP」は、楽曲S01及び楽曲S05であり、それぞれの集中度は「5.0」及び「6.0」である。よって、決定部200は「J−POP」について、平均値「5.5」を算出する。また、「アニメ」は、楽曲S02及び楽曲S06であり、それぞれの集中度は「8.0」及び「7.0」である。よって、決定部200は、「アニメ」について、平均値「7.5」を算出する。また、「洋楽」は、楽曲S03及び楽曲S07であり、それぞれの集中度は「2.0」及び「3.0」である。よって、決定部200は、「洋楽」について、平均値「2.5」を算出する。また、「演歌」は、楽曲S04及び楽曲S08であり、集中度はいずれも「0.0」である。よって、決定部200は、「演歌」について、平均値「0.0」を算出する(図5A参照)。
【0044】
同様に、リリース年代のうち、「1980年代」は、楽曲S03及び楽曲S04であり、それぞれの集中度は「2.0」及び「0.0」である。よって、決定部200は、「1980年代」について、平均値「1.0」を算出する。また、リリース年代「1990年代」は、楽曲S02及び楽曲S07であり、それぞれの集中度は「8.0」及び「3.0」である。よって、決定部200は、「1990年代」について、平均値「5.5」を算出する。また、リリース年代「2000年代」は、楽曲S01及び楽曲S08であり、それぞれの集中度は、「5.0」及び「0.0」である。よって、決定部200は、「2000年代」について、平均値「2.5」を算出する。また、リリース年代「2010年代」は、楽曲S05及び楽曲S06であり、それぞれの集中度は「6.0」及び「7.0」である。よって、決定部200は、「2010年代」について、平均値「6.5」を算出する(図5B参照)。
【0045】
また、演奏テンポのうち、「アップテンポ」は、楽曲S01、楽曲S02、及び楽曲S03であり、それぞれの集中度は「5.0」、「8.0」、及び「2.0」である。よって、決定部200は、「アップテンポ」について、平均値「5.0」を算出する。演奏テンポ「ミディアムテンポ」は、楽曲S04、楽曲S05、及び楽曲S06であり、それぞれの集中度は「0.0」、「6.0」、及び「7.0」である。よって、決定部200は、「ミディアムテンポ」について、平均値「4.3」を算出する。演奏テンポ「スローテンポ」は、楽曲S07及び楽曲S08であり、それぞれの集中度は「3.0」及び「0.0」である。よって、決定部200は、「スローテンポ」について、平均値「1.5」を算出する(図5C参照)。
【0046】
次に、決定部200は、属性情報毎に、集中度の平均値が最も高い区分を特定し、特定した区分の組み合わせを嗜好情報として決定し、提示部300に出力する。
【0047】
たとえば、図5A図5Cに示した平均値が得られた場合、決定部200は、属性情報「音楽ジャンル」については「アニメ」の区分、属性情報「リリース年代」については「2010年代」の区分、属性情報「演奏テンポ」については「アップテンポ」の区分を特定し、特定した区分の組み合わせ(「アニメ」、「2010年代」、「アップテンポ」)を嗜好情報として決定し、提示部300に出力する。
【0048】
(提示部)
提示部300は、出力された嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、利用者に提示する。
【0049】
レコメンド楽曲は利用者に対してカラオケ歌唱を推奨する楽曲である。レコメンド楽曲の決定は、特開平5−257487号公報に記載の技術等、様々な手法を用いることができる。
【0050】
たとえば、上記例において、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている楽曲のうち、出力された区分の組み合わせ(「アニメ」、「2010年代」、「アップテンポ」)が一致する楽曲をレコメンド楽曲として決定することができる。
【0051】
なお、提示部300は、少なくとも1曲をレコメンド楽曲として決定する。一方、出力された区分の組み合わせが一致する楽曲が無い場合、提示部300は、出力された区分の組み合わせのうち、少なくとも一部が一致する楽曲をレコメンド楽曲として決定してもよい。
【0052】
レコメンド楽曲の提示は、様々な方法により行うことができる。たとえば、提示部300は、レコメンド楽曲の楽曲名を表示装置30の表示画面に表示させる。利用者は、表示されたレコメンド楽曲の中から所望のレコメンド楽曲をカラオケ店舗の従業員に告げる。カラオケ店舗の従業員は、リモコン装置50を介して当該レコメンド楽曲の選曲を行う。演奏制御部100は、選曲されたレコメンド楽曲の楽曲データを記憶手段10aから読み出し、伴奏データに基づいて演奏手段10dにカラオケ演奏を開始させる。
【0053】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図6を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理について述べる。図6は、カラオケ装置Kにおける処理を示すフローチャートである。この例では一人の利用者がカラオケ店舗を訪れたとする。また、撮影手段60は、利用者が入店した後、撮影を開始するとする。
【0054】
演奏制御部100は、カラオケ店舗の従業員からの指示入力に伴い、予め設定されたBGMリストに基づいて、複数のBGMの演奏を順次行う(BGMの演奏を開始。ステップ10)。
【0055】
決定部200は、撮影手段60により撮影された利用者の映像をBGMごとに分析し、BGM毎の利用者の集中度を求める(BGM毎に集中度を求める。ステップ11)。
【0056】
BGMリストに含まれるBGM全ての演奏が終了した場合(ステップ12でYの場合)、決定部200は、ステップ11で求めた集中度に基づいて属性情報の種類それぞれについて平均値を算出し、各BGMに対して設定されている属性情報の種類毎に一の区分を特定する(属性情報の種類毎に一の区分を特定。ステップ13)。
【0057】
決定部200は、ステップ13で特定した区分の組み合わせを嗜好情報として決定し、提示部300に出力する(嗜好情報の決定及び出力。ステップ14)。
【0058】
提示部300は、ステップ14で出力された嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、利用者に提示する(レコメンド楽曲の決定及び提示。ステップ15)。
【0059】
なお、図6では、BGMリストに基づくBGMの演奏中に集中度を求める例を示している。一方、撮影手段60により撮影された利用者の映像をBGMごとに一時記憶し、BGMリストに含まれるBGM全ての演奏が終了した場合(ステップ12でYの場合)に、決定部200が各BGMに対する集中度を求めてもよい。
【0060】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、予め設定されたBGMリストに基づいて、複数のBGMの演奏を順次行う演奏制御部100と、店舗内の利用者を撮影可能な撮影手段60により撮影された利用者の映像を分析し、利用者が各BGMを聴取した際の反応から、当該利用者の音楽に関する嗜好を示す嗜好情報を決定し、出力する決定部200と、出力された嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、利用者に提示する提示部300と、を有する。
【0061】
このようなカラオケ装置によれば、カラオケ店舗を訪れた利用者がBGMを聴取した際の反応に基づいて、当該利用者に対してレコメンド楽曲を提示することができる。よって、利用者はカラオケ装置にログインする必要は無い。また、カラオケ店舗を初めて訪れた利用者に対しても、楽曲のレコメンドをスムーズに行うことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、カラオケ店舗の利用者に対して楽曲のレコメンドを容易に行うことができる。
【0062】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kの決定部200は、各BGMに対して設定されている属性情報の種類毎に一の区分を特定し、特定した区分の組み合わせを嗜好情報として決定することができる。このように特定した区分の組み合わせを嗜好情報として決定することにより、利用者の嗜好をより反映したレコメンド楽曲を提示することができる。
【0063】
なお、本実施形態において、決定部200は、属性情報の種類毎に特定した区分の組み合わせを嗜好情報として決定した。一方、決定部200は、楽曲毎の集中度に基づいて一の楽曲を特定し、当該楽曲の属性情報の区分を嗜好情報として決定してもよい。たとえば、図4の例において、決定部200は、最も集中度が高い楽曲S02の属性情報の区分(音楽ジャンル「アニメ」、リリース年代「1990年代」、演奏テンポ「アップテンポ」)を嗜好情報として決定してもよい。
【0064】
<第2実施形態>
次に、図7を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、一の店舗に複数の利用者が来店している場合に、それぞれの利用者に対してレコメンド楽曲を提示する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0065】
(決定部)
本実施形態に係る決定部200は、店舗において利用者が着席している位置に対応する席識別情報を、当該利用者の嗜好情報に対応付けて出力する。
【0066】
席識別情報は、カラオケ装置Kが設置されている店舗により異なる。たとえば、カラオケ装置Kが設置されているカラオケ店舗Sが、カウンター8席(席C1〜席C8)の店舗であるとする。この場合、カラオケ装置Kの記憶手段10aは、席C1〜席C8に対応する8つの席識別情報(席識別情報CI1〜席識別情報CI8)を記憶している。
【0067】
ここで、カラオケ店舗Sに3名の利用者U1、利用者U2、利用者U3が来店し、それぞれ席C2、席C4、席C6に着いているとする。
【0068】
BGMの演奏が開始された場合、撮影手段60は利用者U1〜利用者U3の撮影を行う。撮影手段60が1つの場合、撮影手段60は、全席の撮影を行う。一方、撮影手段60が席の数に対応して複数設けられていてもよい。この場合、各席に対応する撮影手段60が当該席に着いた利用者の撮影を行う。
【0069】
決定部200は、撮影手段60により撮影された映像を利用者毎に分析し、各利用者が各BGMを聴取した際の反応から、利用者U1〜利用者U3の嗜好情報P1〜嗜好情報P3を決定する。
【0070】
決定部200は、利用者U1が着席している位置(席C2)に対応する席識別情報CI2を、利用者U1の嗜好情報P1に対応付けて提示部300に出力する。同様に、決定部200は、利用者U2が着席している位置(席C4)に対応する席識別情報CI4を、利用者U2の嗜好情報P2に対応付けて提示部300に出力する。決定部200は、利用者U3が着席している位置(席C6)に対応する席識別情報CI6を、利用者U3の嗜好情報P3に対応付けて提示部300に出力する。
【0071】
なお、決定部200は、席識別情報を嗜好情報に対応付けて出力する際、嗜好情報にスコアを付与してもよい。
【0072】
スコアは、嗜好情報の信頼性を示す値である。スコアは、たとえば第1実施形態で説明した集中度に基づいて決定することができる。上述の通り、利用者がBGMに集中している場合、集中度は高い値を示す。よって、あるBGMに対する集中度が高い場合、利用者は、当該あるBGMや当該あるBGMと属性情報が共通する楽曲についての関心が高いと推測できる。
【0073】
たとえば、図3に示したBGMリストに基づいてBGMの演奏を行った結果、利用者U1の嗜好情報P1として音楽ジャンル「アニメ」、リリース年代「2010年代」、演奏テンポ「アップテンポ」の組み合わせが決定されたとする。また、各区分の集中度の平均値を合計した値が「19.0」であったとする。この場合、決定部200は、利用者U1の嗜好情報P1にスコア「19.0」を付与し、席識別情報CI2と対応付けて提示部300に出力する。同様に、利用者U2の嗜好情報P2として音楽ジャンル「J−POP」、リリース年代「2000年代」、演奏テンポ「ミディアムテンポ」の組み合わせが決定されたとする。また、各区分の集中度の平均値を合計した値が「15.0」であったとする。この場合、決定部200は、利用者U2の嗜好情報P2にスコア「15.0」を付与し、席識別情報CI4と対応付けて提示部300に出力する。また、利用者U3の嗜好情報P3として音楽ジャンル「洋楽」、リリース年代「1980年代」、演奏テンポ「アップテンポ」の組み合わせが決定されたとする。また、各区分の集中度の平均値を合計した値が「12.0」であったとする。この場合、決定部200は、利用者U3の嗜好情報P3にスコア「12.0」を付与し、席識別情報CI6と対応付けて提示部300に出力する。
【0074】
なお、上記例においてスコアは、集中度の平均値の合計値で示したがこれに限られない。たとえば、各区分の集中度の平均値の中央値等であってもよい。
【0075】
(提示部)
本実施形態に係る提示部300は、出力された席識別情報に対応する位置に着席している利用者に対してレコメンド楽曲を提示する。
【0076】
たとえば、上記例において、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている楽曲のうち、利用者U1の嗜好情報P1に含まれる区分の組み合わせ(「アニメ」、「2010年代」、「アップテンポ」)が一致する楽曲をレコメンド楽曲RM1として決定する。提示部300は、嗜好情報P1に対応付けられた席識別情報CI2に基づいて、利用者U1に対し、レコメンド楽曲RM1を提示する。
【0077】
各利用者に対するレコメンド楽曲の提示は、様々な方法により行うことができる。たとえば、提示部300は、表示装置30の表示画面にカラオケ店舗Sのカウンター席の見取り図を表示させる。また、席C2に座っている利用者U1に対してレコメンド楽曲RM1を提示する場合、提示部300は、席C2の表示態様を他の席の表示態様と変えることにより識別可能に表示させつつ、レコメンド楽曲RM1の楽曲名を併せて表示させる(図7参照)。このような表示により、利用者U1は、表示されているレコメンド楽曲RM1が自分へのレコメンド楽曲であることを認識できる。
【0078】
また、複数の利用者が居る場合に、レコメンド楽曲を提示する順番は様々である。たとえは、決定部200は、カラオケ店舗Sに入店した時刻を示す時刻情報を嗜好情報に対応付けて出力する。提示部300は、時刻情報に基づき、最も入店が早かった利用者から順にレコメンド楽曲を提示することができる。また、提示部300は、出力された複数の嗜好情報の中からランダムに選択した嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、提示してもよい。
【0079】
或いは、嗜好情報にスコアが付与されている場合、提示部300は、出力された嗜好情報に付与されたスコアが高い順に、席識別情報に対応する位置に着席している利用者に対してレコメンド楽曲を提示することができる。
【0080】
たとえば、上記例のように、利用者U1の嗜好情報P1にスコア「19.0」が付与され、利用者U2の嗜好情報P2にスコア「15.0」が付与され、利用者U3の嗜好情報P3にスコア「12.0」が付与されているとする。この場合、提示部300は、最もスコアの高い嗜好情報P1に対応付けられている席識別情報C2に基づいて、席C2に着いている利用者U1に対してレコメンド楽曲RM1を提示する。その後、提示部300は、次にスコアの高い嗜好情報P2に対応付けられている席識別情報C4に基づいて、席C4に着いている利用者U2に対してレコメンド楽曲RM2を提示する。最後に、提示部300は、最もスコアの低い嗜好情報P3に対応付けられている席識別情報C6に基づいて、席C6に着いている利用者U3に対してレコメンド楽曲RM3を提示する。
【0081】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kの決定部200は、店舗において利用者が着席している位置に対応する席識別情報を、当該利用者の嗜好情報に対応付けて出力し、提示部300は、出力された席識別情報に対応する位置に着席している利用者に対してレコメンド楽曲を提示することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、店舗内に複数の利用者が居る場合であっても、各利用者に対して適切なレコメンド楽曲を提示することができる。
【0082】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kの決定部200は、嗜好情報にスコアを付与して出力し、提示部300は、出力された嗜好情報に付与されたスコアが高い順に、席識別情報に対応する位置に着席している利用者に対してレコメンド楽曲を提示することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、BGMに高い関心を示した利用者から順にレコメンド楽曲を提示することができる。
【0083】
<変形例>
カラオケ店舗を訪れる利用者の中には、飲食や従業員との会話を楽しむことを目的とするものもいる。このような利用者はカラオケ歌唱を行うことに関心がない可能性が高い。そこで、カラオケ装置Kは、このような利用者に対しては楽曲のレコメンドを行わないようにすることができる。
【0084】
この場合、決定部200は、嗜好情報にスコアを付与して出力する。また、提示部300は、出力された嗜好情報に付与されたスコアが所定条件を満たした場合、レコメンド楽曲を決定する。
【0085】
所定条件は、利用者に対してレコメンド楽曲の提示を行うかどうかを判断するための条件である。スコアが集中度に基づいて決定される場合、所定条件は、たとえば「スコアが10以上」のような条件である。
【0086】
たとえば、所定条件が「スコアが10以上」である場合に、決定部200から出力された利用者U1の嗜好情報P1に付与されているスコアが「19.0」であり、利用者U2の嗜好情報P2に付与されているスコアが「15.0」であり、利用者U3の嗜好情報P3に付与されているスコアが「8.0」であったとする。
【0087】
この場合、提示部300は、スコアが所定条件を満たす嗜好情報P1及び嗜好情報P2に基づいて、レコメンド楽曲RM1及びレコメンド楽曲RM2を決定する。一方、提示部300は、スコアが所定条件を満たさなかった嗜好情報P3に基づくレコメンド楽曲の決定を行わない。
【0088】
このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ店舗に来店した利用者、且つBGMに高い関心を示した利用者に対してのみレコメンド楽曲を提示することができる。
【0089】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
60 撮影手段
100 演奏制御部
200 決定部
300 提示部
K カラオケ装置
【要約】
【課題】カラオケ店舗の利用者に対して楽曲のレコメンドを容易に行うことが可能なカラオケ装置を提供する。
【解決手段】予め設定されたBGMリストに基づいて、複数のBGMの演奏を順次行う演奏制御部、撮影手段により撮影された利用者の映像を分析し、利用者が各BGMを聴取した際の反応から、当該利用者の音楽に関する嗜好を示す嗜好情報を決定し、出力する決定部、出力された嗜好情報に基づいてレコメンド楽曲を決定し、利用者に提示する提示部を有するカラオケ装置。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7