【実施例】
【0042】
1.タンニンの分析
試料中のタンニン量の測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めた(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10)。
純水で溶解した試料5mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線からタンニン量を求めた。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとした。
リン酸緩衝液の調製 :1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15mol/Lリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整した。
【0043】
2.非重合体カテキン類の分析
純水で溶解希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムODS、4.6mmφ×250mm 粒子径5μm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定する。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行う。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
【0044】
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
【0045】
3.クマリン及びその誘導体の分析
試料10mLをGC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取し、塩化ナトリウム4gを添加した。その後、バイアルに攪拌子を入れて密栓し、スターラーで30分間撹拌しながら、SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製、50/30μm、DVB/CAR/PDMS)に含有成分を吸着させた。吸着後、SPMEファイバーを注入口で加熱脱着し、GC/MS測定を行った。分析機器は、Agilent 7890A/5975Cinert(アジレント・テクノロジー社製)を使用した。
【0046】
分析条件は次のとおりである。
・カラム :VF−WAX(60m(長さ)、0.25mm(内径)、1.0μm(膜厚))
・カラム温度 :40℃ (3min)→ 20℃/min→ 250℃
・カラム圧力 :定流量モード(31kPa)
・カラム流量 :lmL/min(He)
・注入口温度 :250℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・イオン源温度:230℃
・イオン化方法:EI(70eV)
・スキャン範囲:m/z10〜500
・定量イオン :クマリン m/z146、7−メトキシクマリン m/z176、4−ヒドロキシクマリン m/z162、3,4−ジヒドロクマリン m/z148
【0047】
定量は以下の手順にて行った。
各成分の標準試薬をエタノールで溶解し、段階希釈して標品を調製した。所定濃度の標品を試料に添加し、試料単体と同様にSPMEファイバーに吸着させ、GC/MS測定を行った。そして、測定された各成分の定量イオンのピーク面積と調製濃度から検量線を作成し、試料中のクマリン及びその誘導体の含有量を求めた。
【0048】
4.pHの測定
茶飲料を20℃に温度調整し、pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて測定した。
【0049】
製造例1
茶抽出液IIの製造
煎茶葉(宮崎県産、鹿児島県産)30gを90℃の熱水4000gに投入し、3分間抽出を行い、茶殻を除去した後、液温20℃まで冷却し、緑茶抽出液を得た。当該緑茶抽出液を「茶抽出液II」とする。得られた茶抽出液IIは、タンニンの含有量が0.014質量%であり、非重合体カテキン類の含有量が0.010質量%であり、クマリンの含有量が5質量ppbであった。
【0050】
製造例2
茶抽出液IIIの製造
烏龍茶葉(ユニリーバ社)3gを90℃の熱水150gに投入し、8分間抽出を行い、茶殻を除去した後、液温20℃まで冷却し、ウーロン茶抽出液を得た。当該ウーロン茶抽出液を「茶抽出液III」とする。得られた茶抽出液IIIは、タンニンの含有量が0.020質量%であり、非重合体カテキン類の含有量が0.007質量%であり、クマリンの含有量が10質量ppbであった。
【0051】
製造例3
茶抽出液IVの製造
ルイボス茶ティーパック(株式会社 国太楼)2gを90℃の熱水200gに投入し、30秒抽出を行い、ティーパックを除去した後、液温20℃まで冷却し、ルイボス茶抽出液を得た。当該ルイボス茶抽出液を「茶抽出液IV」とする。得られた茶抽出液IVは、タンニンの含有量が0.016質量%であり、クマリンの含有量が5.6質量ppbであった。なお、非重合体カテキン類は検出されなかった。
【0052】
製造例4
茶抽出液Vの製造
麦茶葉(株式会社 小川生薬)2gを90℃の熱水140gに投入し、3分間抽出を行い、茶殻を除去した後、液温20℃まで冷却し、麦茶抽出液を得た。当該麦茶抽出液を「茶抽出液V」とする。得られた茶抽出液Vは、クマリン含有量が5.4質量ppbであった。なお、タンニン及び非重合体カテキン類は検出されなかった。
【0053】
製造例5
茶抽出液VIの製造
コーン茶葉(株式会社 ほんぢ園)4gを90℃の熱水150gに投入し、5分間抽出を行い、茶殻を除去した後、液温20℃まで冷却し、コーン茶抽出液を得た。当該コーン茶抽出液を「茶抽出液VI」とする。得られた茶抽出液VIは、クマリン含有量が11.3質量ppbであった。なお、タンニン及び非重合体カテキン類は検出されなかった。
【0054】
比較例1
茶抽出物I(Teavigo、太陽化学社製、タンニン94質量%、非重合体カテキン類94質量%、以下、同様である。)と、イオン交換水とを表2に示す割合で配合して緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表2に示す。
【0055】
実施例1〜9
更に、クマリンを表2に示す割合で配合したこと以外は、比較例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表2に示す。
【0056】
官能評価1
各茶飲料の「渋味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、エピガロカテキンガレート(EGCG)をイオン交換水に表1に示す割合で配合して「渋味」の強さを11段階に調整した「渋味標準飲料」を調製し、専門パネル4名が各濃度の「渋味標準飲料」について、表1に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがEGCG濃度の低い「渋味標準飲料」から順に摂取し、「渋味」の強さを記憶した。次いで、各専門パネルが各容器詰茶飲料を摂取し、「渋味」の程度を評価し、「渋味標準飲料」の中から「渋味」が最も近いものを決定した。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。なお、評点は、数値が大きいほど、「渋味」が強く感じられることを意味する。また、渋味改善効果とは、クマリン類配合の有無による評点の差である。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
比較例2
茶抽出物Iの配合量を表3に示す割合に変更したこと以外は、比較例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表3に示す。
【0060】
実施例10、11
更に、クマリンを表3に示す割合で配合したこと以外は、比較例2と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
比較例3
茶抽出物Iの配合量を表4に示す割合に変更したこと以外は、比較例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表4に示す。
【0063】
実施例12、比較例4
更に、クマリンを表4に示す割合で配合したこと以外は、比較例3と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
比較例5
茶抽出物Iの配合量を表5に示す割合に変更したこと以外は、比較例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表5に示す。
【0066】
実施例13
更に、クマリンを表5に示す割合で配合したこと以外は、比較例5と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
比較例6
クマリンに代えて、バニリンを配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例2の結果とともに表6に示す。
【0069】
比較例7
クマリンに代えて、ウンデカラクトンを配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例2の結果とともに表6に示す。
【0070】
実施例14〜16
クマリンに代えて、表6に示すクマリン誘導体を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例2の結果とともに表6に示す。
【0071】
実施例17
クマリンとともに、表6に示すクマリン誘導体を表6に示す割合で配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例2の結果とともに表6に示す。
【0072】
【表6】
【0073】
参考例1
製造例1で得られた茶抽出液IIと、イオン交換水とを表7に示す割合で配合し、次いで重曹でpHが6.0となるように調整し、次いでイオン交換水にて全量を100質量%に調整して緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0074】
比較例8
更に、茶抽出物Iを表7に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0075】
比較例9
更に、リンゴ抽出物(リンゴポリフェノール アップリン、ユニテックフーズ株式会社、タンニン22質量%、非重合体カテキン類0.4質量%、以下、同様である。)を表7に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0076】
比較例10
更に、コーヒー抽出物(クロロゲン酸含有製剤、長谷川香料株式会社、タンニン20質量%、非重合体カテキン類0質量%、以下、同様である。)を表7に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0077】
実施例18〜20
更に、クマリンを表7に示す割合で配合したこと以外は、比較例8と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0078】
実施例21〜23
更に、クマリンを表7に示す割合で配合したこと以外は、比較例9と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0079】
実施例24
更に、クマリンを表7に示す割合で配合したこと以外は、比較例10と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表7に示す。
【0080】
【表7】
【0081】
実施例25〜27
クマリンに代えて、表8に示すクマリン誘導体を配合したこと以外は、実施例18と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例18、比較例8及び参考例1の結果とともに表8に示す。
【0082】
実施例28
クマリンとともに、表8に示すクマリン誘導体を表8に示す割合で配合したこと以外は、実施例18と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例18、比較例8及び参考例1の結果とともに表8に示す。
【0083】
実施例29〜31
クマリンに代えて、表8に示すクマリン誘導体を配合したこと以外は、実施例21と同様の操作により緑茶飲料を調製した。得られた各緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、実施例21、比較例9及び参考例1の結果とともに表8に示す。
【0084】
【表8】
【0085】
比較例11
更に、茶抽出物Iを表9に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、参考例1の結果とともに表9に示す。
【0086】
実施例32、33
更に、クマリンを表9に示す割合で配合したこと以外は、比較例11と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、参考例1の結果とともに表9に示す。
【0087】
【表9】
【0088】
比較例12
更に、茶抽出物Iを表10に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、参考例1の結果とともに表10に示す。
【0089】
実施例34、35、及び比較例13
更に、クマリンを表10に示す割合で配合したこと以外は、比較例12と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、参考例1の結果とともに表10に示す。
【0090】
【表10】
【0091】
比較例14
更に、茶抽出物Iを表11に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、参考例1の結果とともに表11に示す。
【0092】
実施例36
更に、クマリンを表11に示す割合で配合したこと以外は、比較例14と同様の操作により緑茶飲料を得た。得られた緑茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を、参考例1の結果とともに表11に示す。
【0093】
【表11】
【0094】
比較例15
茶抽出物Iと、製造例2で得られた茶抽出液IIIと、イオン交換水とを表12に示す割合で配合してウーロン茶飲料を得た。得られたウーロン茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表12に示す。
【0095】
実施例37
更に、クマリンを表12に示す割合で配合したこと以外は、比較例15と同様の操作によりウーロン茶飲料を得た。得られたウーロン茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表12に示す。
【0096】
【表12】
【0097】
比較例16
茶抽出物Iと、製造例3で得られた茶抽出液IVと、イオン交換水とを表13に示す割合で配合し、次いで重曹でpHが6.0となるように調整し、次いでイオン交換水にて全量を100質量%に調整してルイボス茶飲料を得た。得られたルイボス茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表13に示す。
【0098】
比較例17
製造例3で得られた茶抽出液IVと、コーヒー抽出物と、イオン交換水とを表12に示す割合で配合し、次いで重曹でpHが6.0となるように調整し、次いでイオン交換水にて全量を100質量%に調整してルイボス茶飲料を得た。得られたルイボス茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表13に示す。
【0099】
比較例18
茶抽出物Iと、製造例3で得られた茶抽出液IVと、コーヒー抽出物と、イオン交換水とを表12に示す割合で配合し、次いで重曹でpHが6.0となるように調整し、次いでイオン交換水にて全量を100質量%に調整してルイボス茶飲料を得た。得られたルイボス茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表13に示す。
【0100】
実施例38
更に、クマリンを表13に示す割合で配合したこと以外は、比較例16と同様の操作によりルイボス茶飲料を得た。得られたルイボス茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表13に示す。
【0101】
実施例39
更に、クマリンを表13に示す割合で配合したこと以外は、比較例17と同様の操作によりルイボス茶飲料を得た。得られたルイボス茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表13に示す。
【0102】
実施例40
更に、クマリンを表13に示す割合で配合したこと以外は、比較例18と同様の操作によりルイボス茶飲料を得た。得られたルイボス茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表13に示す。
【0103】
【表13】
【0104】
比較例19
茶抽出物Iと、製造例4で得られた茶抽出液Vと、イオン交換水とを表14に示す割合で配合して麦茶飲料を得た。得られた麦茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表14に示す。
【0105】
実施例41
更に、クマリンを表14に示す割合で配合したこと以外は、比較例19と同様の操作により麦茶飲料を得た。得られた麦茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表14に示す。
【0106】
【表14】
【0107】
比較例20
茶抽出物Iと、製造例5で得られた茶抽出液VIと、イオン交換水とを表15に示す割合で配合してコーン茶飲料を得た。得られたコーン茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表15に示す。
【0108】
実施例42
更に、クマリンを表15に示す割合で配合したこと以外は、比較例20と同様の操作によりコーン茶飲料を得た。得られたコーン茶飲料について分析及び官能評価1を行った。その結果を表15に示す。
【0109】
【表15】
【0110】
表2〜15から、タンニンに対して、クマリン及びその誘導体から選択される少なくとも1種を特定の量比で含有させることで、タンニン由来の渋味が抑制された茶飲料が得られることがわかる。また、表6から、バニリンやウンデカラクトンは、クマリン及びその誘導体と同様に甘い香りを有する香気成分であるが、タンニン由来の渋味の抑制が不十分となることがわかる。
【0111】
比較例21
茶抽出物I(Teavigo、太陽化学社製、タンニン94質量%、非重合体カテキン類94質量%、以下、同様である。)と、賦形剤(サンデック#100、三和澱粉社製)を表17に示す割合で配合して緑茶配合粉末食品を得た。得られた緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表17に示す。
【0112】
実施例43〜45
更に、クマリンを表17に示す割合で配合したこと以外は、比較例21と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた各緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表17に示す。
【0113】
官能評価2
各粉末食品の「渋味」について専門パネル3名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、エピガロカテキンガレート(EGCG)を賦形剤(サンデック#100、三和澱粉社製)に表16に示す割合で配合して「渋味」の強さを16段階に調整した「渋味標準粉末食品」を調製し、専門パネル3名が各濃度の「渋味標準粉末食品」について、表16に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがEGCG濃度の低い「渋味標準粉末食品」から順に摂取し、「渋味」の強さを記憶した。次いで、各専門パネルが各粉末食品を摂取し、「渋味」の程度を評価し、「渋味標準粉末食品」の中から「渋味」が最も近いものを決定した。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。なお、評点は、数値が大きいほど、「渋味」が強く感じられることを意味する。また、渋味改善効果とは、クマリン類配合の有無による評点の差である。
【0114】
【表16】
【0115】
【表17】
【0116】
比較例22
茶抽出物Iの配合量を表18に示す割合に変更したこと以外は、比較例21と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表18に示す。
【0117】
実施例46
更に、クマリンを表18に示す割合で配合したこと以外は、比較例22と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた各緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表18に示す。
【0118】
【表18】
【0119】
比較例23
茶抽出物Iの配合量を表19に示す割合に変更したこと以外は、比較例22と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表19に示す。
【0120】
実施例47
更に、クマリンを表19に示す割合で配合したこと以外は、比較例23と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた各緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表19に示す。
【0121】
【表19】
【0122】
比較例24
茶抽出物Iの配合量を表20に示す割合に変更したこと以外は、比較例23と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表20に示す。
【0123】
実施例48
更に、クマリンを表20に示す割合で配合したこと以外は、比較例24と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた各緑茶配合粉末食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表20に示す。
【0124】
【表20】
【0125】
比較例25
茶抽出物Iの配合量を表21に示す割合に変更したこと以外は、比較例24と同様の操作により緑茶配合粉末食品を調製した。得られた緑茶粉末配合食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表21に示す。
【0126】
実施例49
更に、クマリンを表21に示す割合で配合したこと以外は、比較例25と同様の操作により緑茶粉末配合食品を調製した。得られた各緑茶粉末配合食品について分析及び官能評価2を行った。その結果を表21に示す。
【0127】
【表21】
【0128】
表17〜21から、タンニンに対して、クマリン及びその誘導体から選択される少なくとも1種を特定の量比で含有させることで、タンニン由来の渋味が抑制された固形食品が得られることがわかる。