(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生産システム1の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る生産システム1は、魚介類などの水生生物の養殖と、植物の水耕栽培との間で水を循環させるシステムである。
【0015】
図1に示す生産システム1は、養殖水槽10と、水耕栽培水槽20と、水処理装置30とを備える。
【0016】
養殖水槽10は、魚介類などの水生生物を養殖するための水槽である。養殖水槽10と水処理装置30とは配管51を介して接続される。養殖水槽10で養殖された水生生物の糞および食べ残し餌などの不純物を含む排水が配管51を介して水処理装置30に供給される。
【0017】
水耕栽培水槽20は、植物を水耕栽培するための水槽である。水耕栽培水槽20と水処理装置30とは配管52を介して接続され、水耕栽培水槽20と養殖水槽10とは配管53を介して接続される。水耕栽培水槽20は、後述する水処理装置30による処理後の処理水が供給される。また、水耕栽培水槽20は、水処理装置30から水耕栽培される植物のための栄養分が供給される。水耕栽培水槽20からの排水は、配管53を介して養殖水槽10に供給される。
【0018】
生産システム1を構成する水処理装置30は、配管51を介して供給された、養殖水槽10からの排水を処理して、配管52を介して処理水を水耕栽培水槽20に供給する装置である。水処理装置30は、養殖水槽10からの排水に含まれる不純物から植物の栄養分を生成し、水耕栽培水槽20に供給する。また、水処理装置30は、水耕栽培水槽20への栄養分の供給を制御する。
【0019】
図1に示す生産システム1によれば、養殖水槽10からの排水から不純物が除去された処理水が水耕栽培水槽20に供給されるとともに、除去された不純物から栄養分が生成され、水耕栽培水槽20に供給される。水耕栽培水槽20に供給された栄養分は植物の根から吸収される。したがって、水耕栽培水槽20から養殖水槽10には、浄化された水が供給されるので、水の循環により節水が可能となり、また、清掃および水の入れ替え作業の手間の削減を図ることができる。また、水生生物の糞などから水耕栽培する植物の栄養分を生成するため、コスト削減を図ることができる。さらに、水耕栽培水槽20への栄養分の供給を制御することで、必要な量の栄養分を水耕栽培水槽20に適宜、供給することができるので、植物の水耕栽培の効率化を図ることができる。また、水耕栽培水槽20に供給する栄養分に応じて養殖する水生生物の生育量などを調整する必要がないので、水生生物の養殖の効率化を図ることができる。したがって、水生生物の養殖および植物の水耕栽培の効率化を図ることができる。
【0020】
次に、水処理装置30の構成について、
図1を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、水処理装置30は、固液分離部31と、液肥生成手段としての液肥生成部32と、液肥貯留タンク33と、制御手段としての栄養分調整部34とを備える。
【0022】
固液分離部31は、配管51を介して供給された、養殖水槽10からの排水を、水生生物の糞および食べ残し餌などの不純物と、不純物を除去した処理水とに固液分離するろ過装置である。固液分離部31は、配管52を介して処理水を水耕栽培水槽20に供給する。固液分離部31は、処理水を水耕栽培水槽20に供給する前に、UVライトなどによる紫外光の照射により、処理水の殺菌を行ってもよい。固液分離部31は、分離した不純物を液肥生成部32に供給する。固液分離部31としては、フィルタあるいは膜といった公知のろ過装置を用いることができる。固液分離部31としてフィルタあるいは膜を用いる場合、固液分離部31のメンテナンス(洗浄)は、定期的に(例えば、1〜12時間ごとなど、任意の時間間隔で)、空気圧による逆洗により行われる。空気圧による逆洗により固液分離部31を洗浄することで、フィルタ清掃の手間を軽減することができる。
【0023】
液肥生成部32は、固液分離部31から供給された不純物を分解して、植物の栄養分である液肥を生成する装置である。液肥生成部32は、例えば、サイズの大きい不純物は粉砕した上で、バクテリアなどの好気性菌による生物処理により、不純物に含まれる窒素分を硝酸塩などの肥料成分にする。液肥の生成の際には、好気性菌が活動しやすいようにエアレーションが行われる。本実施形態においては、生物処理により液肥を生成する例を用いて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、不純物から液肥を生成することができれば、任意の方法・技術を用いることができる。液肥生成部32は、生成した液肥を液肥貯留タンク33に供給する。
【0024】
液肥貯留タンク33は、液肥生成部32により生成された液肥を貯留するタンクである。液肥貯留タンク33に貯留された液肥は、水耕栽培水槽20に供給される。液肥貯留タンク33に貯留された液肥は、水耕栽培水槽20に供給されるだけでなく、適宜、販売などされてもよい。液肥貯留タンク33内では、液肥生成部32と同じ状態を維持することができるように、エアレーションが行われてもよい。
【0025】
栄養分調整部34は、液肥貯留タンク33に貯留された液肥、すなわち、液肥生成部32により生成された液肥の水耕栽培水槽20への供給を制御する。具体的には、栄養分調整部34は、水耕栽培水槽20に供給される、植物の水耕栽培に必要な栄養分の量(液肥の添加量)を制御する。栄養分調整部34は、例えば、窒素、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウムあるいは鉄分を制御対象として、その添加量を制御する。栄養分調整部34は、これらの成分の一部だけを制御対象としてもよく、これらの成分以外の成分を制御対象に加えてもよい。
【0026】
次に、本実施形態に係る水処理装置30の動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る水処理装置30の動作の一例を示すフローチャートであり、水処理装置30の制御方法を説明するための図である。
【0027】
固液分離部31は、養殖水槽10からの排水を処理して(不純物を除去して)(ステップS11)。除去された不純物は液肥生成部32に供給される。液肥生成部32は、固液分離部31から供給された不純物から植物の栄養分(液肥)を生成して、液肥貯留タンク33に貯留し、栄養分調整部34は、水耕栽培水槽20への栄養分の供給を制御する(ステップS12)。
【0028】
次に、栄養分調整部34による水耕栽培水槽20への栄養分の供給の制御について、
図3を参照して説明する。
【0029】
栄養分調整部34は、水耕栽培水槽20で水耕栽培される植物に必要な栄養量(必要栄養量)を算出する(ステップS21)。野菜に必要な栄養素とその量として、野菜の種類とpHとに応じた必要量が知られている。例えば、野菜を水耕栽培する場合、pH6〜7であるとすると、硝酸塩濃度が40ppm〜160ppmの範囲となるのがよいことが知られている。また、好ましくは、野菜の味および養殖される水生生物(魚)の状態をよりよくするために、硝酸塩濃度が40ppm〜80ppmの範囲となるのがよいことが知られている。栄養分調整部34は、例えば、このような情報に基づき必要栄養量を算出する。また、栄養分調整部34は、水耕栽培される植物の生育状況に基づき、水耕栽培水槽20に供給される栄養分およびその含有量を制御してもよい。
【0030】
次に、栄養分調整部34は、液肥貯留タンク33に貯留された液肥の栄養含有量を測定する(ステップS22)。そして、栄養分調整部34は、液肥の栄養含有量が必要栄養量を満たす(必要栄養量を充足する)か否かを判定する(ステップS23)。
【0031】
液肥が必要栄養量を充足すると判定した場合(ステップS23:Yes)、栄養分調整部34は、必要量だけ液肥を水耕栽培水槽20に供給する(ステップS24)。
【0032】
液肥が必要栄養量を充足しないと判定した場合(ステップS23:No)、栄養分調整部34は、足りない栄養分を液肥に補充した上で(ステップS25)、必要量だけ液肥を水耕栽培水槽20に供給する。栄養分調整部34は、例えば、液肥が必要栄養量を充足しないと判定した場合、液肥貯留タンク33から供給する液肥の量を増やすことで、必要栄養量を充足するようにする。また、栄養分調整部34は、栄養分の量としては十分であっても、特定の栄養分(例えば、カリウム)が不足している場合、その不足している栄養分を補充した上で、液肥を水耕栽培水槽20に供給する。
【0033】
このように本実施形態においては、水処理装置30は、水耕栽培水槽20で水耕栽培する植物の種類および植物の生育状況の少なくとも一方に基づき、水耕栽培水槽20に供給される栄養分およびその含有量を制御する。
【0034】
水生生物の養殖と植物の水耕栽培とで水を循環させる生産システムでは、養殖水槽からの排水に含まれる不純物の量および不純物に含まれる成分は、水生生物の養殖量および水生生物の活動量(季節および生育状況などによって変動する)などによって変動する。そのため、養殖水槽からの排水に含まれる不純物の量が少なくなると、水耕栽培される植物に必要な栄養量を確保することができない場合がある。
【0035】
従来は、水耕栽培される植物に必要な栄養量を確保することができるように、必要以上の水生生物を養殖することが行われていた。そのため、時期などにより、栄養分が過剰になる場合があったり、あるいは、過剰にならないように養殖したり、出荷等により生育数が変動したりするために、時期などにより、水生生物が不足する場合があったりした。
【0036】
一方、本実施形態に係る生産システム1では、不純物から生成した液肥を液肥貯留タンク33で貯留しておくため、保存が可能となり、かつ、必要量を適宜、水耕栽培水槽20に供給することができる。そのため、生成される液肥の過剰・不足に関わりなく、水耕栽培水槽20への液肥の供給量を調整することができる。したがって、水耕栽培される植物に対する必要量よりも多くの水生生物を養殖した場合、また、養殖される水生生物が少なくなった場合にも、必要な量の栄養分を水耕栽培水槽20に供給することができる。すなわち、水耕栽培水槽20に供給する栄養分に応じて養殖する水生生物の生育量を調整する必要がないので、水生生物の養殖および植物の水耕栽培の効率化を図ることができる。
【0037】
また、養殖される水生生物の餌に含まれる成分などによって、生成される液肥に含まれる栄養分が変わり得る。そのため、液肥に含まれる栄養分の含有量(栄養含有量)を測定し、足りない栄養分がある場合には、その栄養分を補充して、水耕栽培水槽20に液肥を供給することで、水耕栽培の効率化を図ることができる。
【0038】
足りない栄養分を補充する場合、補充する栄養分は水に溶けやすいものであることが好ましい。水に溶けにくい栄養分を加えても、効果がないだけでなく、水耕栽培水槽20の排水を養殖水槽10に循環した場合に、養殖される水生生物に健康被害を及ぼす可能性があるからである。
【0039】
そこで、外部から調達した栄養分を液肥に補充する場合、
図4に示すように、水処理装置30は、水質測定部35をさらに備えることが好ましい。
【0040】
水質測定部35は、水耕栽培水槽20から養殖水槽10に供給される水の水質を測定し、測定結果を栄養分調整部34に出力する。
【0041】
栄養分調整部34は、水質測定部35の測定結果に基づき、栄養分の補充により、養殖される水生生物への影響がでないように、水耕栽培水槽20に供給する栄養分を調整してよい。
【0042】
また、本実施形態に係る水処理装置30は、
図5に示すように、pH調整部36をさらに備えてよい。
【0043】
pH調整部36は、養殖水槽10の水および水耕栽培水槽20の水の少なくとも一方のpHを調整する。
【0044】
養殖水槽10からの排水は、水処理装置30および水耕栽培水槽20を経由する間に、pHが下がる。例えば、養殖水槽10からの排水のpHと、水処理装置30の処理水のpHとはほぼ同じ値(処理水のpHの方がやや低い程度)であるが、水処理装置30で生成された液肥のpHは、養殖水槽10からの排水のpHよりも0.2程度下がる場合がある(下がり幅は、気温あるいは排水に含まれる不純物の状況などにより異なる)。そのため、処理水と液肥とが供給される水耕栽培水槽20の水は、養殖水槽10からの排水と比べてpHが下がることがある。
【0045】
また、水耕栽培水槽20からの排水のpHも、処理水のpHよりも低くなり、水耕栽培水槽20からの排水が循環して養殖水槽10に供給されることで、養殖水槽10の水のpHも低下する。
【0046】
そこで、pH調整部36により、養殖水槽10の水および水耕栽培水槽20の水の少なくとも一方のpHを調整することで、養殖水槽10の水および水耕栽培水槽20の水のpHを適切な範囲に保つことができる。pHの調整は、公知の方法により行うことができる。pHを調整する方法としては、例えば、pH調整剤(薬剤)を添加する方法がある。添加されるpH調整剤としては、養殖される水生生物および水耕栽培される植物の生育にとっては自然由来のものが好ましいため、例えば、牡蠣殻(炭酸カルシウム)などを用いることが好ましい。
【0047】
pH調整部36によるpHの調整は、養殖水槽10の水および水耕栽培水槽20の水の一方に対して行えばよい。ただし、養殖される水生生物の方がpHの影響をより強く受けるため、養殖水槽10の水を対象としてpHを調整することが好ましい。なお、養殖している水生生物と、水耕栽培される植物とで適切なpHが異なる場合には、養殖水槽10の水のpHと水耕栽培水槽20の水のpHとを個別に調整してもよい。また、上述した例では、pH調整部36によりpHを上げる例を用いて説明したが、水槽(養殖水槽10および水耕栽培水槽20)内の水のpHが上がる場合には、pH調整部36は、pHを下げるように調整を行えばよい。また、
図5に示す水処理装置30が、水質測定部35をさらに備えてもよい。
【0048】
このように本実施形態においては、生産システム1は、水生生物を養殖するための養殖水槽10と、植物を水耕栽培するための水耕栽培水槽20と、養殖水槽10からの排水を処理して、処理水を水耕栽培水槽20に供給する水処理装置30と、を備える。水処理装置30は、養殖水槽10からの排水に含まれる不純物から植物の栄養分を生成し、水耕栽培水槽20への栄養分の供給を制御する。
【0049】
養殖水槽10からの排水に含まれる不純物から栄養分を生成し、水耕栽培水槽20への栄養分の供給を制御することで、必要な量の栄養分を水耕栽培水槽20に適宜、供給することができるので、植物の水耕栽培の効率化を図ることができる。また、水耕栽培水槽20に供給する栄養分に応じて養殖する水生生物の生育量などを調整する必要がないので、水生生物の養殖の効率化を図ることができる。したがって、水生生物の養殖および植物の水耕栽培の効率化を図ることができる。
【0050】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る生産システム1Aの構成例を示す図である。
図6において、
図1と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0051】
図6に示す生産システム1Aは、養殖水槽10と、水耕栽培水槽20と、水処理装置30と、水貯留タンク40とを備える。すなわち、本実施形態に係る生産システム1Aは、
図1に示す生産システム1と比較して、水貯留タンク40を追加した点が異なる。
【0052】
水貯留タンク40は、配管52から分岐した配管54を介して、水処理装置30と接続される。水処理装置30により生成された処理水のうち、一部は水耕栽培水槽20に供給され、残りは配管54に流れる。配管54は、水貯留タンク40と接続するとともに、養殖水槽10と接続する配管55と接続する。配管54に流れた処理水のうち、一部は水貯留タンク40に供給され、残りは配管55を介して養殖水槽10に供給される。水貯留タンク40は、配管56を介して養殖水槽10と接続されるとともに、配管57,58を介して水耕栽培水槽20と接続される。水貯留タンク40は、配管52および配管54を介して水処理装置30から供給された処理水を貯留する。また、水貯留タンク40は、配管58を介して、水耕栽培水槽20から供給された排水を処理水として貯留する。水貯留タンク40は、貯留した処理水を、配管56を介して養殖水槽10に供給するとともに、配管57を介して水耕栽培水槽20に供給する。
【0053】
このように本実施形態に係る生産システム1Aは、貯留した処理水を水耕栽培水槽20に供給する水貯留タンク40を備える。また、本実施形態に係る生産システム1Aは、水処理装置30からの処理水を養殖水槽10に供給する配管55(第1の配管)と、水耕栽培水槽20からの排水を水貯留タンク40に供給する配管58(第2の配管)とを備える。
【0054】
水貯留タンク40に貯留された処理水を養殖水槽10および水耕栽培水槽20に供給することで、養殖水槽10および水耕栽培水槽20の水量調整が容易となる。
【0055】
また、本実施形態に係る生産システム1Aにおいては、養殖水槽10と水処理装置30との間で水を循環させる系統(第1の系統)と、水耕栽培水槽20と水処理装置30との間で水を循環させる系統(第2の系統)とを分離して(2つの系統を独立して)、運転することができる。
【0056】
例えば、養殖水槽10での水生生物の養殖量と、水耕栽培水槽20での植物の栽培量とバランスが悪い場合、2つの系統を分離して運転してもよい。。また、外部から栄養分を補充する場合、養殖される水生生物への影響を低減するために、2つの系統を分離して運転してもよい。すなわち、
図6に示す生産システム1Aでは、状況に応じて、
図1に示す生産システム1と同様に、第1の系統と第2の系統とを連携して運転することができるとともに、第1の系統と第2の系統とを分離して運転することができる。
【0057】
2つの系統を独立して運転することができることで、清掃などのために一方の系統を停止させる場合でも、他方の系統を安定して稼働することができる。また、それぞれの系統に設けるポンプを小型化することができるので、すなわち、2台の小型ポンプで運転することができるので、設備費・ランニングコストの低減を図ることができる。また、一方の系統に設けられたポンプが故障した場合でも、他方の系統は稼働を継続することができるので、一方の系統の故障が他方の系統に影響を及ぼすリスクを低減することができる。
【0058】
また、上述したように、生産システム1Aにおいては、2つの系統の連携と分離とを状況に応じて切り替えてもよい。2つの系統の連携と分離とを切替可能とすることで、水生生物の養殖と植物の水耕栽培とのバランスを維持できる範囲では、生産システム1A全体で(第1の系統と第2の系統とで)水を循環させ、バランスが悪くなると、第1の系統と第2の系統とを個別に運転させてもよい。
【0059】
なお、
図6に示す生産システム1Aを構成する水処理装置30が、水質測定部35およびpH調整部36の少なくとも一方を備えていてもよい。
【0060】
本発明を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段およびステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。前述したところは本発明の一実施形態にすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてよいことは言うまでもない。
【0061】
また、上述した実施形態において、水処理装置30によって実現される各種の手段をソフトウェア構成として説明したが、これらのうち少なくとも一部の手段は、ソフトウェア資源および/またはハードウェア資源を含む概念であってもよい。
【0062】
また、上述した実施形態に係る水処理装置30として機能させるために、コンピュータまたは携帯電話などの装置を用いることができる。当該装置は、実施形態に係る水処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該装置のメモリに格納し、当該装置のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【解決手段】水処理システム1は、水生生物を養殖するための養殖水槽10と、植物を水耕栽培するための水耕栽培水槽20と、養殖水槽10からの排水を処理して、処理水を水耕栽培水槽20に供給する水処理装置30と、を備え、水処理装置30は、養殖水槽10からの排水に含まれる不純物から植物の栄養分を生成し、水耕栽培水槽20への栄養分の供給を制御する。