(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来の風呂装置の具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載された風呂装置は、浴槽に接続された湯水循環路、この湯水循環路に設けられた循環ポンプ、除菌処理部、及び浴室内における人の存否を検出するための人感センサを備えている。前記循環ポンプが駆動されると、浴槽の湯水が除菌処理部に送られ、かつこの除菌処理部によって除菌処理が施された湯水が浴槽に戻される。循環ポンプ及び除菌処理部は、浴室から入浴者が退出したことが人感センサを利用して検出されたときに、駆動オンとされる。
このような構成によれば、入浴者が入浴を終えて浴室を退出した直後に、浴槽の湯水の除菌処理を開始させることが可能である。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき余地があった。
【0004】
すなわち、前記従来技術においては、入浴者が入浴を終えた直後に浴槽の湯水の除菌処理が開始されるが、この除菌処理は、たとえば15分から1時間の範囲内でタイマ設定された時間が経過した時点で終了する。したがって、浴槽の湯水を、たとえば翌朝9時頃に洗濯水として使用したいような場合であっても、湯水の除菌処理は、当日深夜に終了してしまう。その一方、浴槽の湯水の除菌処理を比較的長時間にわたって実行したとしても、浴槽の湯水の全量及び浴槽の内側を無菌状態にすることは不可能であり、除菌処理を終了した後には、雑菌の繁殖が再開される。したがって、当日深夜の除菌処理の終了時から翌朝9時頃までの期間中に、浴槽の湯水の雑菌が増殖し、この湯水を洗濯に使用せざるを得なくなる虞がある。このような状況は、できる限り衛生的な湯水を洗濯に用いたいというユーザの要望を考慮すると、改善すべき余地がある。
なお、除菌処理動作の終了時期をタイマ設定することなく、除菌処理動作を終了させるための所定のスイッチ操作がなされる迄の期間中、除菌処理動作を継続させれば、前記した不具合は解消される。ところが、このような手段を採用したのでは、除菌処理動作が必要以上に長時間にわたって実行される無駄や、消費電力が多大となり、ランニングコストが高価になるといった不具合を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、浴槽の湯水の除菌などの処理を無駄に長時間にわたって実行させるような不具合を生じさせることなく、ユーザが浴槽の湯水を衛生に優れた状態で利用し得るようにすることが可能な風呂装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明により提供される風呂装置は、浴槽の湯水の除菌及び/又は濾過を行なうための湯水処理部と、この湯水処理部を利用した湯水処理動作のオン・オフ制御を実行する制御部と、
前記湯水処理部に設けられた除菌灯と、前記浴槽の湯水を前記湯水処理部に導いてから前記浴槽に戻す動作が可能な循環ポンプと、を備えており、前記除菌灯及び前記循環ポンプがともに駆動オンとされることにより、前記湯水処理動作として、除菌処理動作が可能とされている、風呂装置であって、前記湯水処理動作の終了予定時刻を設定するための湯水処理終了時刻設定手段を、さらに備えており、
風呂運転モードとして、所定時間の前記除菌処理動作が所定のインターバル期間を介して間欠的に繰り返される除菌処理制御モードを設定可能であり、前記制御部は、前記湯水処理終了時刻設定手段
を利用して前記湯水処理動作の終了予定時刻が設定され
ているときには、前記除菌処理制御モードにおける前記所定時間および前記インターバル期間の長さに基づいて、初回以降のいずれかの回の除菌処理動作が前記終了予定時刻に終了する第1の条件、および前記除菌処理動作の開始時刻が前記浴槽への湯張り後の所定の時間帯となる第2の条件を満たす除菌処理動作の開始時刻を算出し、かつこの算出した時刻に前記
除菌処理制御モードにおける前記除菌処理動作を開始させる制御を実行するように構成されていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、浴槽の湯水を除菌及び/又は濾過する湯水処理動作は、制御部の演算により所定の条件を満たすように算出された湯水処理開始時刻に開始される結果、湯水処理終了時刻設定手段によって設定された終了予定時刻までに、所定時間の湯水処理動作が少なくとも1回実行され、湯水処理の度合いが不足気味になることを適切に防止又は抑制することができる。また、前記湯水処理動作は、前記終了予定時刻に終了するため、この終了予定時刻においては、浴槽の湯水はかなり清浄な状態となり、たとえば前記終了予定時刻の直後に浴槽の湯水を洗濯やその他の用途に用いる場合に、湯水を最も衛生的な状態、又はこれに近い状態で用いることが可能である。本発明とは異なり、終了予定時刻よりもかなり前に湯水処理を終了させたのでは、その後に雑菌が繁殖し、浴槽の湯水を洗濯などに使用する際にはその清浄度合いが悪化する虞があるが、本発明によれば、そのような虞を回避することが可能である。
さらに、本発明によれば、湯水処理動作が実行される期間は、制御部によって算出された開始予定時刻から、湯水処理終了時刻設定手段によって設定された終了予定時刻までの期間に限定されるため、湯水処理動作が長時間にわたって無駄に長く継続して実行されるようなことも解消される。その結果、省エネを図り、ランニングコストを低減することができるといった利点も得られる。
さらに、前記構成によれば、除菌処理動作が間欠的に実行されるために、除菌処理動作を所定の開始予定時刻から終了予定時刻まで連続して実行する場合と比較すると、除菌処理動作に費やされる電力やランニングコストを少なくすることが可能である。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記湯水処理終了時刻設定手段として、ユーザの操作により前記湯水処理動作の終了予定時刻を設定変更可能とする操作スイッチを備えている。
【0011】
このような構成によれば、ユーザが希望する時刻を、湯水処理動作の終了予定時刻とすることができ、ユーザにとって一層好都合なものとすることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、前記制御部は、この風呂装置の過去の動作制御のデータに基づいて、前記湯水処理動作の終了予定時刻を設定する学習機能を有しており、前記湯水処理終了時刻設定手段を構成している。
【0013】
このような構成によれば、湯水処理動作の終了予定時刻をユーザがスイッチ操作で設定する手間を無くし、又は少なくすることができ、便利である。
【0017】
本発明において、好ましくは、前記除菌処理動作の時間、及び前記インターバルの時間は、それぞれ一定の時間とされており、前記初回の除菌処理動作の開始時刻から前記終了予定時刻までの期間中において、所定の事由により前記除菌処理動作が一時的に中断される際には、前記循環ポンプが駆動オフとされる一方、前記除菌灯については、前記除菌処理動作が一時的に中断されるか否かには関係なく、所定のサイクルでの駆動のオン・オフ切り替えが継続されるように構成されている。
【0018】
このような構成によれば、浴槽の湯水の除菌処理動作が実行されている際に、循環ポンプが駆動オフとされることにより、除菌処理動作を適切に中断することができる。一方、除菌灯については、循環ポンプの駆動オフに伴って駆動オフとはされないため、除菌灯の駆動オン・オフの繰り返し回数を少なくすることが可能となる。除菌灯の代表例としては紫外線ランプが挙げられるが、このような除菌灯は、その駆動オン・オフが頻繁に行なわれるほど使用寿命が短くなる。これに対し、前記構成によれば、駆動オン・オフの回数を少なくすることにより、除菌灯の使用寿命を長くすることが可能となる。
【0019】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1に示す風呂装置Aは、浴室BR内に設置された浴槽1、この浴槽1に湯水循環路5を構成する外部配管5a,5bを介して接続された給湯装置WH、湯水循環路5の途中に設けられた循環ポンプP1、除菌灯40を利用して構成された除菌処理部4、給湯装置WHの動作制御を実行する制御部7を備えている。同図において、符号90は、給湯装置WHの外装ケースである。
【0023】
給湯装置WHは、たとえば瞬間式ガス給湯装置であり、浴槽1への自動湯張り機能、風呂追い焚き機能、給湯栓60などへの一般給湯機能を備えていることに加え、浴槽1の湯水の除菌処理動作も可能である。
【0024】
具体的には、この給湯装置WHにおいては、入水口20から入水路2に流入した湯水が
熱交換器30に送られてバーナ31により加熱される。この加熱された湯水は、流路22を経て混合弁23に到達し、バイパス流路21を流れてくる非加熱の湯水と所定の混合比で混合されることにより温度調整される。給湯栓60への一般給湯は、混合弁23を通過した湯水が一般給湯用出湯路6を流れることにより行なわれる。
【0025】
浴槽1への自動湯張り動作は、風呂給湯用出湯路50に設けられた開閉弁V1が開状態とされることにより、混合弁23を通過した湯水が風呂給湯用出湯路50から湯水循環路5に流れ込むことにより行なわれる。湯水循環路5は、浴槽1のアダプタ10に接続された外部配管5a,5bに、給湯装置WHの内部配管5c,5d、及び風呂追い焚き用の熱交換器33が接続された構成である。風呂追い焚き動作においては、循環ポンプP1が駆動オンとされ、浴槽1の湯水が湯水循環路5を介して熱交換器33に送り込まれてバーナ34により加熱されてから浴槽1に戻される。
【0026】
湯水循環路5には、浴槽1の水位を判断するための水位センサSb(圧力センサ)が設けられている。この水位センサSbは、湯水循環路5内の静水圧(浴槽1の湯水の水頭圧に対応)を検出するセンサであり、この検出された圧力値に基づいて、制御部7において浴槽1の水位が判断される。風呂装置Aにおいては、浴室リモコン70において、たとえば自動運転スイッチがオンとされると、前記した自動湯張り動作を完了した後に、風呂保温モードに移行する。この風呂保温モードにおいては、浴槽1の湯水温度を所望の設定温度に維持するとともに、その湯量を所定範囲の水位に維持する制御がなされる。したがって、この風呂保温モードでは、必要に応じて浴槽1への注水又は注湯が行なわれるが、その注水量又は注湯量を予め決定する必要があるため、事前に浴槽1の水位が判断される。
【0027】
除菌灯40は、たとえば紫外線ランプである。除菌処理部4は、湯水循環路5のうち、除菌灯40によって湯水への紫外線照射が可能な部分である。浴槽1の湯水の除菌処理動作は、除菌灯40及び循環ポンプP1の双方を駆動オンとし、浴槽1の湯水を湯水循環路5に流出させて除菌処理部4に送り込むことにより湯水の除菌を図り、かつこの除菌を終えた湯水を浴槽1に戻す動作である。
【0028】
制御部7は、マイクロコンピュータを用いて構成されており、この制御部7に通信接続された浴室及び台所のリモコン70,71のスイッチ操作などに対応し、給湯装置WHの各部の動作制御やデータ処理を実行する。リモコン70,71には、複数の操作スイッチ72が設けられているが、これら複数の操作スイッチ72のいずれかは、風呂運転モードとして、除菌処理制御モードを設定するための操作スイッチ72とされ、また除菌処理動作の終了予定時刻teを設定するための操作スイッチ72(本発明でいう湯水処理終了時刻設定手段の一例)とされている。除菌処理動作の終了予定時刻teの値は、ユーザが任意に変更できるようにされている。なお、後述するように、除菌処理動作の終了予定時刻teは、ユーザによるスイッチ操作に代えて、又は加えて、制御部7の学習機能により自動設定させるように構成することもできる。制御部7は、前記除菌処理制御モードが設定された場合には、後述するように、所定の手順に従って浴槽1の湯水の除菌処理動作制御を実行するように構成されている。
【0029】
次に、前記した風呂装置Aの作用について説明する。併せて、制御部7による動作制御の例について、
図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0030】
まず、浴室及び台所のリモコン70,71のいずれかのスイッチ操作がなされることにより、除菌処理制御モードが設定されると、制御部7において、除菌処理動作の開始時刻ts(本発明でいう湯水処理開始時刻の一例)が算出される(S1:YES,S2)。この除菌処理動作の開始時刻tsの算出処理は、除菌処理動作の終了予定時刻te、及び浴槽1への湯張り完了時刻taに基づいて算出される。除菌処理動作は、所定のインターバ
ル期間を介して間欠的に繰り返して実行されるように構成されており、1サイクルあたりにおける除菌処理動作時間Taは、たとえば30分であり、インターバル時間Tbは、たとえば90分とされている。これらの値も、除菌処理動作の開始時刻tsの算出に用いられる。
【0031】
具体的には、除菌処理動作の開始時刻tsは、たとえば次のような条件a,bの双方を満たす時刻として算出される。
〔条件a〕:除菌処理動作は、所定時間Ta(たとえば、30分)単位で行なわれ、かつ所定時間Tb(たとえば、90分)のインターバル期間を介して間欠的に繰り返し実行されることを原則とし、何回目かの除菌処理動作は、除菌処理動作の終了予定時刻teに終了すること。ただし、現時刻から終了予定時刻teまでの時間が短い場合、所定時間Taの除菌処理動作は、少なくとも1回実行されればよい。
〔条件b〕:除菌処理動作の開始時刻tsは、浴槽1への湯張り完了後の所定の時間帯の時刻であること。この時間帯は、たとえば浴槽1への湯張り完了時刻taから4〜6時間の経過期間中(初期が時刻taの4時間後、終期が時刻taの6時間後)である。
【0032】
図3に示す具体例を説明すると、同図では、除菌処理動作の終了予定時刻teが、翌朝9時とされている。浴槽1への湯張り完了時刻taは、当日の19時である。このため、除菌処理動作開始の時間帯(許容時間帯)は、当日の23時〜翌日の1時の範囲である。このような状況下において、時間Ta(30分)の除菌処理動作が時間Tb(90分)のインターバルを介して複数回にわたって間欠的に繰り返される時間を終了予定時刻teから逆算すると、前記の条件a,bを満たす除菌処理動作の開始時刻tsは、翌日の0時30分となる。
なお、
図3とは異なり、除菌処理動作の終了予定時刻teが、浴槽1への湯張り完了時刻taからかなり短い時間に設定されるなどの理由により、前記条件a,bを満たす除菌処理動作の開始時刻tsを算出することができない場合には、終了予定時刻teの設定入力をエラーとし、その旨をリモコン70,71などを利用して報知させるように処理することが可能である。
【0033】
制御部7は、前記した開始時刻ts(0時30分)が到来すると、その時点で除菌処理動作を開始させる(S3:YES,S4)。除菌処理動作は、既述したように、除菌灯40及び循環ポンプP1をともに駆動オンとすることにより行なわれる。その後は、除菌処理動作が一定の周期で行なわれ、除菌処理動作が、所定時間Ta(たとえば、30分)実行されると、除菌灯40及び循環ポンプP1がともに駆動オフとされるとともに、この時点で除菌処理動作の終了予定時刻teが到来していない場合には、所定時間Tb(たとえば、90分)のインターバル期間が経過した時点で、所定時間Taの除菌処理動作が再度繰り返して行なわれる(S4,S5:YES,S6,S7:NO,S8:YES)。除菌処理動作が終了した時点で、終了予定時刻teが到来している場合には、その時点で除菌処理動作を実行するための制御を終了する(S6,S7:YES,エンド)。除菌灯40及び循環ポンプP1の駆動制御は、
図4(a),(b)に示すような態様で行なわれることとなる。
【0034】
前記した一連の動作制御によれば、浴槽1の湯水の除菌処理動作は、終了予定時刻teに完了するが、この完了時点における浴槽1の湯水は、除菌処理が十分になされ、かつ除菌処理動作完了後における雑菌の増殖などが生じていない清浄な状態にある。したがって、ユーザとしては、ユーザが設定した終了予定時刻teの直後に、前記した浴槽1の湯水を洗濯用途などに気持ちよく用いることが可能である。
【0035】
一方、前記した浴槽1の湯水の除菌処理動作は、浴槽1への湯張り完了後の入浴頻度の高い時間帯を避け、かつこの時間帯が経過した直後に開始されているため、ユーザの入浴
中に除菌処理を目的とする循環ポンプP1の運転が行なわれることを回避することができるとともに、浴槽1の湯水の除菌処理を十分に行なうための時間も適切に確保することが可能となる。さらに、除菌処理動作が所定のインターバル期間を介して間欠的に行なわれるようにすれば、除菌処理動作を連続して行なわせる場合と比較して、省エネを図り、ランニングコストを低減することも可能となる。また、除菌灯40の延べ点灯時間を短くし、除菌灯40の寿命を長くすることができる利点も得られる。除菌処理動作が間欠的に行なわれる場合、インターバル期間中において、浴槽1の湯水の雑菌が増殖する現象を生じる虞があるが、1回あたりの除菌処理動作の時間Ta、及びインターバル時間Tbを適切な時間とすることにより、浴槽1の湯水の雑菌の増殖を適切に抑制しつつ、湯水中の雑菌の量を効率よく減少させていくことが可能である。
【0036】
前記した風呂装置Aにおいては、たとえば浴室リモコン70に人感センサSaを具備させることにより、この人感センサSaによって浴室BRに人が存在することが検出されている際には、浴槽1の湯水の除菌処理動作が中断されるように構成することも可能である。
【0037】
この点をより詳細に説明すると、まず人感センサSaは、浴室BR内における人の存否を検出するためのセンサであって、たとえば人体から発せられる熱(赤外線)を検出可能であり、かつその検出信号を制御部7に送信可能とされている。たとえば、
図5(a)〜(c)に示すように、浴槽1の湯水の除菌処理動作の開始時刻tsが到来した時点において、人感センサSaによって人の存在が検出されている場合には、除菌灯40は駆動オンとされるものの、循環ポンプP1は駆動オンとはされず、浴槽1の湯水の除菌処理動作は実行されない。浴室BRから人が退室し、人感センサSaによる人の存在が非検出状態になれば、循環ポンプP1は駆動オンとされ、除菌処理動作が実行される。除菌灯40及び循環ポンプP1は、基本的には、
図4に示した場合と同様なタイミングでオン・オフされ、除菌灯40については、人感センサSaからの検出信号のオン・オフには無関係に一定の周期でオン・オフされる。これに対し、循環ポンプP1は、人感センサSaから検出信号が出力されている期間中は、駆動オフとされる。
【0038】
前記した動作制御によれば、ユーザの入浴中に、循環ポンプP1が運転されないようにすることができる。たとえば風呂装置Aの風呂運転モードが、風呂保温モードに設定されている場合において、浴槽1への注水又は注湯に先立ち、水位センサSbを利用した浴槽1の水位検出が行なわれるが、循環ポンプP1が除菌処理を目的として運転されていたのでは、水位センサSbを利用した浴槽1の水位検出は困難となる。これに対し、本実施形態においては、そのような不具合を適切に回避することが可能である。なお、浴室BRから人が退出した際には、循環ポンプP1の運転が再開され、除菌処理動作が行なわれるため、除菌処理動作時間を確保し、除菌処理動作時間が過少になることを適切に回避することが可能である。
一方、除菌灯40については、人感センサSaによる検出信号のオン・オフには関係なく、一定周期で規則正しくオン・オフさせているため、そのオン・オフ回数を少なくし、除菌灯40の使用寿命を長くする効果が得られる。ただし、これに限定されず、循環ポンプP1と同様に、人感センサSaによって人の存在が検出された際には、除菌灯40を駆動オフにすることもできる。
【0039】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る風呂装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0040】
上述の実施形態においては、除菌処理動作及びそのインターバルの時間Ta,Tbを、それぞれ30分、90分としているが、これらの具体的な値は限定されない。時間Ta,Tbの具体的な値は、ユーザがスイッチ操作によって適宜に増減変更できるようにしても
よい。また、スイッチ操作によって、時間Ta,Tbが、30分、90分の設定状態から、たとえば50分、70分の設定状態に簡単に切り替えることができるような仕様とすることもできる。さらに、前記の時間Ta,Tbは、必ずしも一定でなくてもよく、たとえば除菌処理の回数が増えるほど浴槽1の湯水の除菌処理度合いは増すため、除菌処理の回数が増えるほど除菌処理動作の時間Taを短くし、あるいはインターバルの時間Tbを長くするようにしてもよい。このように、本発明においては、除菌処理動作を一定周期、及び不定周期のいずれの態様で実行させてもよい。
【0042】
除菌処理動作の終了予定時刻は、スイッチ操作によって設定することに代えて、又は加えて、制御部7の学習機能により自動設定させるようにしてもよい。たとえば、浴槽1の湯水が排出されて洗濯などに用いられる時刻のデータを、月日や曜日などのデータとともに制御部7に順次記憶させていき、次回の除菌処理動作の終了時刻に適する時刻を制御部7に推測させるように構成することも可能である。
【0043】
人感センサを併用する場合、この人感センサは、熱感知方式のものに限らず、浴室に人が存在するか否かを判断し得るものであればよく、その具体的な方式や種類などは限定されない。また、人感センサは、複数用いることも可能である他、浴室リモコンに組み込まれていない状態で設置することも可能である。
図5に示した実施形態においては、人感センサSaを利用して人の存在が検出された場合に、循環ポンプP1を駆動オフとし、除菌処理動作を一時的に中断する例を示したが、除菌処理動作を一時的に中断する要因となる事由は、浴室BRに人が存在することに限定されず、他の事由により除菌処理動作を中断させるようにしてもよい
。
【0044】
本発明でいう湯水処理部は
、除菌処理用の湯水処理部に加えて、湯水の濾過処理用の機器又は部材を用いた構成とすることも可能である。湯水の濾過処理を実行する場合であっても、基本的には、湯水の濾過を完了した直後が湯水の清浄度が高い状態にあるため、予め指定された時刻(終了予定時刻)に湯水処理動作を終了させれば、清浄度の高い湯水を洗濯などに用いることが可能である。なお、浴槽の湯水は、洗濯の他、防災用、あるいは水不足時用などの水として用いることが可能であり、事前に除菌処理あるいは濾過処理を施しておけば、浴槽の湯水の臭いなどをなくし、又は弱めることも可能である。