(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フューズ部が断線した後における前記抵抗変化素子からの前記出力電流は、前記抵抗変化素子の正常動作時における前記抵抗変化素子からの前記出力電流よりも減少する、 請求項1に記載の積和演算器。
前記抵抗変化素子は、書き込み端子と、共通端子と、読み出し端子とをさらに有し、 前記フューズ部は、前記磁化固定層よりも前記読み出し端子の側に配置されている、 請求項5に記載の積和演算器。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照し、本発明の積和演算器、ニューロ
モーフィックデバイスおよび積和演算器の使用方法の実施形態について説明する。
【0030】
<第1実施形態>(抵抗変化素子が磁気抵抗効果素子、破壊工程なし)
図1は第1実施形態の積和演算器1の構成の一例を示す図である。
図1に示す例では、第1実施形態の積和演算器1が、積演算部10と、和演算部11とを備えている。積演算部10は、カラム10Aと、カラム10Bとを備えている。
図1に示す例では、積演算部10が、2つのカラム10Aと、10Bを備えているが、他の例では、積演算部10が、3個以上の数のカラム10A、10B、…を備えていてもよい。
【0031】
図1に示す例では、カラム10Aが、積演算素子10AAと、積演算素子10ABと、積演算素子10ACとを備えている。カラム10Bが、積演算素子10BAと、積演算素子10BBと、積演算素子10BCとを備えている。
図1に示す例では、カラム10Aが3つの積演算素子10AA、10AB、10ACを備え、カラム10Bが3つの積演算素子10BA、10BB、10BCを備えているが、他の例では、カラム10Aが、3個以外の複数の積演算素子を備え、カラム10Bが、3個以外の複数の積演算素子を備えてもよい。
【0032】
図1に示す例では、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのそれぞれは、読み出し端子と、書き込み端子と、共通端子とを備える抵抗変化素子である。
積演算素子10AA、10BAの読み出し端子は、ラインL11に接続されている。積演算素子10AA、10BAの書き込み端子は、ラインL12に接続されている。
積演算素子10AB、10BBの読み出し端子は、ラインL21に接続されている。積演算素子10AB、10BBの書き込み端子は、ラインL22に接続されている。
積演算素子10AC、10BCの読み出し端子は、ラインL31に接続されている。積演算素子10AC、10BCの書き込み端子は、ラインL32に接続されている。
積演算素子10AA、10AB、10ACの共通端子は、ラインM1に接続されている。積演算素子10BA、10BB、10BCの共通端子は、ラインM2に接続されている。
和演算部11は、積演算素子10AA、10AB、10ACからの出力の合計値を検出する出力検出器11Aと、積演算素子10BA、10BB、10BCからの出力の合計値を検出する出力検出器11Bとを備えている。出力検出器11AはラインM1に配置されている。出力検出器11BはラインM2に配置されている。
図1に示す例では、出力検出器11Aが、積演算素子10AA、10AB、10ACからの出力電流値を検出し、出力検出器11Bが、積演算素子10BA、10BB、10BCからの出力電流値を検出する。他の例では、出力検出器11Aが、積演算素子10AA、10AB、10ACからの出力を電荷として検出し、出力検出器11Bが、積演算素子10BA、10BB、10BCからの出力を電荷として検出してもよい。
【0033】
(抵抗変化素子)
本発明において積演算素子として用いられる抵抗変化素子は、外部からの刺激(電流、電圧、磁場など)に対して可逆的に電気抵抗が変化する素子である。かかる抵抗変化素子としては例えば、抵抗変化型メモリ(RRAM)素子、相変化メモリ(PCRAM)素子、異方性磁気抵抗効果(AMR)素子、トンネル磁気抵抗効果(TMR)素子、巨大磁気抵抗効果(GMR)素子などが挙げられる。
【0034】
図2は第1実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子の第1例を示す斜視図である。
図2に示す例では、抵抗変化素子が、磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子Aである。
磁気抵抗効果素子Aは、磁壁DWを有する磁化自由層A1と、磁化方向が固定された磁化固定層A2と、非磁性層A3とを有する。非磁性層A3は、磁化自由層A1と磁化固定層A2とに挟まれている。磁化自由層A1は、磁壁DWの一方の側に第1領域A11を有し、磁壁DWの他方の側に第2領域A12を有する。第1領域A11には、書き込み端子AAが設けられている。第2領域A12には、共通端子ABが設けられている。磁化固定層A2には、読み出し端子ACが設けられている。
【0035】
磁壁DWの移動量(移動距離)は、書き込み端子AAと共通端子ABとの間に流す書き込み電流の大きさ、時間を調整することによって可変に制御することができる。書き込み電流の大きさ、時間は例えば、パルス数あるいはパルス幅によって磁壁DWの移動量(移動距離)を設定することもできる。磁壁DWの駆動(移動)によって磁化固定層A2と磁化自由層A1のそれぞれの磁化方向が平行な(あるいは反平行な)部分の面積が連続的に変化すると、磁化方向が平行な部分の面積率と磁化方向が反平行な部分の面積率との比が連続的に変化し、磁気抵抗効果素子において線形に近い抵抗変化が得られる。
また、データの読み出しは、読み出し端子ACと共通端子ABとの間に電流を流して、磁化方向が平行な部分の面積率と磁化方向が反平行な部分の面積率との比に応じた抵抗を検出することで行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0036】
[磁化固定層A2]
磁化固定層A2は、磁化が第1の方向(例えば
図2の左向き)に配向し、固定された層である。ここで、磁化が固定されるとは、書き込み電流を用いた書き込み前後において磁化方向が変化しない(磁化が固定されている)ことを意味する。
【0037】
図2に示す例では、磁化固定層A2は磁化が面内磁気異方性(面内磁化容易軸)を有する面内磁化膜である。磁化固定層A2は、面内磁化膜に限られず、垂直磁気異方性(垂直磁化容易軸)を有する垂直磁化膜であってもよい。
【0038】
磁化固定層A2が面内磁化膜であると、高いMR比(磁気抵抗変化率)を有し、読み込み時にスピントランスファートルク(STT)による影響を受けにくく、読み取り電圧を大きくできる。一方、素子を微小化したい場合には磁気異方性が大きく、反磁界が小さい、垂直磁化膜を用いることが好ましい。
【0039】
磁化固定層A2には、公知の材料を用いることができる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す合金を用いることができる。またこれらの金属と、B、C、及びNのうちの1種以上の元素とを含む合金を用いることもできる。具体的には、Co−FeやCo−Fe−Bが挙げられる。
【0040】
また磁化固定層A2には、Co
2FeSiなどのホイスラー合金を用いることもできる。ホイスラー合金は、X
2YZの化学組成をもつ金属間化合物を含み、Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属でありXの元素種をとることもでき、Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、Co
2FeSi、Co
2MnSiやCo
2Mn
1−aFe
aAl
bSi
1−bなどが挙げられる。
【0041】
また磁化固定層A2は強磁性層、非磁性層から成るシンセティック構造、あるいは反強磁性層、強磁性層、非磁性層から成るシンセティック構造であってもよい。後者においてはシンセティック構造において磁化固定層A2の磁化方向は反強磁性層によって強く保持される。そのため、磁化固定層A2の磁化が外部からの影響を受けにくくなる。
【0042】
磁化固定層A2の磁化をXY面内に配向させる(磁化固定層A2を面内磁化膜にする)場合は、例えば、NiFeを用いることが好ましい。一方で磁化固定層A2の磁化をZ方向に配向させる(磁化固定層A2を垂直磁化膜にする)場合は、例えば、Co/Ni積層膜、Co/Pt積層膜等を用いることが好ましい。例えば、磁化固定層A2を[Co(0.24nm)/Pt(0.16nm)]
6/Ru(0.9nm)/[Pt(0.16nm)/Co(0.16nm)]
4/Ta(0.2nm)/FeB(1.0nm)とすると、垂直磁化膜となる。
【0043】
[非磁性層A3]
非磁性層A3は、磁化固定層A2の下面に設けられている。磁気抵抗効果素子Aは、非磁性層A3を介して磁化固定層A2に対する磁化自由層A1の磁化状態の変化を抵抗値変化として読み出す。すなわち、磁化固定層A2、非磁性層A3及び磁化自由層A1は磁気抵抗効果素子Aとして機能し、非磁性層A3が絶縁体からなる場合はトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子と似た構成であり、非磁性層2が金属からなる場合は巨大磁気抵抗効果(GMR)素子と似た構成である。
【0044】
非磁性層A3の材料としては、磁気抵抗効果素子Aの非磁性層に用いることができる公知の材料を用いることができる。非磁性層A3が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としてAl
2O
3、SiO
2、MgO、MgAl
2O
4、ZnAl
2O
4、MgGa
2O
4、ZnGa
2O
4、MgIn
2O
4、ZnIn
2O
4、及び、これらの材料の多層膜や混合組成膜等を用いることができる。またこれらの他にも、Al、Si、Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAl
2O
4はコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、磁気抵抗比(MR比)を大きくとることができる。一方で、非磁性層2が金属からなる場合は、その材料としてCu、Al、Ag等を用いることができる。
非磁性層A3が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その厚みは、例えば25Å以上である。
【0045】
[磁化自由層A1]
磁化自由層A1は磁壁駆動型(移動型)MRAMの磁壁駆動層に相当する。
磁化自由層A1は強磁性体材料からなり、その内部の磁化の向きは反転可能である。磁化自由層A1は、磁化が磁化固定層A2と逆向きの第2の方向に配向した第1領域A11と、磁化が第1の方向と同じ向きに配向した第2領域A12と、これらの領域の界面をなす磁壁DWとを有する。磁壁DWを挟んで第1領域A11と第2領域A12の磁化の向きは反対である。磁壁DWは、磁化自由層A1における第1領域A11と第2領域A12の構成比率が変化することで移動する。
【0046】
磁化自由層A1の材料には、公知の材料を用いることができ、特に軟磁性材料を適用できる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNのうちの1種以上の元素とが含まれる合金等を用いることができる。具体的には、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Feが、磁化自由層A1の材料として挙げられる。
【0047】
磁化自由層A1の材料には、飽和磁化が小さい材料を用いることもできる。例えば、(MnGa)Asや(InFe)As、あるいはCo/Tb多層膜やGdFeCoのように飽和磁化が小さい材料を用いると、小さい電流密度で磁化自由層A1の磁壁DWを駆動させることができる。また、これらの材料を用いると、磁壁DWの駆動速度が遅くなる。
【0048】
NiFeのような磁気異方性が弱い材料は、磁壁DWの駆動速度が速く、100m/sec以上の速度で磁壁DWが動作する。つまり、磁壁DWは10nsecのパルスで、1μmの距離を移動する。したがって、磁化自由層A1を素子内でアナログ的に動かす場合には、高価な半導体回路を用いて微小なパルスを印加するか、集積度を犠牲にして磁化自由層を十分長くするなどの対応が必要となる。これに対し、磁壁DWの駆動速度が遅い材料の場合には、十分長いパルス電流を印加する場合や磁化自由層A1の長さが短い場合でも、アナログメモリを形成することが可能である。
【0049】
磁化自由層A1には、Mn
3X(X=Ga,Ge)の垂直磁化膜やCo/Ni,Co/Ptなどの多層膜による垂直磁化膜を用いることが好ましい。これらの材料は磁壁駆動のための電流密度が小さくても磁壁DWを駆動させることが可能である。
磁壁DWの層は、例えば、Co/Pt、Co/Pd、CoCrPtからなる群から選択されるいずれかを含む。
【0050】
磁化自由層A1が長手方向に延在する長さは60nm以上であることが好ましい。60nm未満では単磁区になりやすく、磁化自由層A1内に磁壁DWが形成されにくい。
【0051】
磁化自由層A1の厚さは磁壁駆動層として機能する限り、特に制限はないが、例えば、2nm〜60nmとすることができる。磁化自由層A1の厚さが60nm以上になると、積層方向に磁壁が形成される可能性が高まる。ただし、積層方向に磁壁が形成されるか否かは、磁化自由層A1の形状異方性とのバランスによって生じる。磁化自由層A1の厚さが60nm未満であれば、磁壁DWができることは考えにくい。
【0052】
磁化自由層A1は、層の側面に磁壁DWの移動を止める磁壁ピン止め部を有してもよい。例えば、磁化自由層A1の磁壁DWの移動を止めたい位置に、凹凸、溝、膨らみ、くびれ、切り欠きなどを設けると、磁壁の移動を止める(ピンする)ことができる。磁壁ピン止め部を有すると、閾値以上の電流を流さないとそれ以上磁壁が移動しない構成とすることができ、出力信号をアナログ的ではなく、多値化し易くなる。
【0053】
例えば、磁壁ピン止め部を所定の距離ごとに形成することにより、磁壁DWをより安定的に保持することができ、安定的な多値記録を可能にし、より安定的に多値化された出力信号を読み出すことを可能にする。
【0054】
図2に示す例では、磁壁DWを形成するために、磁化自由層A1のうち、平面視において磁化固定層A2に重ならない両端部のそれぞれに、第1領域A11の磁化と同じ第1の方向の磁化を有する第1磁化供給層A4、及び、第2領域A12の磁化と同じ第2の方向の磁化を有する第2磁化供給層A5を有する。
第1磁化供給層A4及び第2磁化供給層A5の材料としては、磁化固定層A2に使える強磁性材料と同じ材料を用いることができる。
【0055】
図2に示す例では、磁壁DWを形成するために、磁化自由層A1の両端部のいずれにも磁化が固定された層として第1磁化供給層A4及び第2磁化供給層A5を用いたが、いずれか一方又は両方に、磁化自由層A1に接すると共に磁化自由層A1の長手方向に対して交差する方向に延在するスピン軌道トルク(SOT)配線を用いてもよい。スピン軌道トルク配線は、電流が流れるとスピンホール効果によって純スピン流が生成される材料からなるものである。
かかる構成を有することにより、磁化が固定された層としての磁化供給層を設置することがなくても、スピン軌道トルク配線の両端に電流を流すことにより磁化自由層A1に磁壁を導入することができ、また、スピン軌道トルク配線を介して磁化自由層A1に電流を流すことで、磁壁を移動させることができる。
【0056】
また、
図2に示す例では、磁壁DWを形成するために、磁化自由層A1の両端部のいずれにも磁化が固定された層として第1磁化供給層A4及び第2磁化供給層A5を用いたが、いずれか一方又は両方に、磁化自由層A1と電気的に絶縁されていると共に、磁化自由層A1に対して交差する方向に延在する磁場印加配線を用いてもよい。磁場印加配線に電流を流すことによりアンペールの法則により磁場が発生する。磁場印加配線に流す電流の向きによって、発生する磁場の向きを逆向きにすることができる。そのため、磁化自由層A1の端部に面内磁化を供給可能に配置することによって、磁場印加配線に流す電流の向きに応じて磁化自由層A1の端部に互いに逆向きの面内磁化方向のうちの一方の面内磁化方向の磁化を供給することができる。また、磁化自由層A1の端部に垂直磁化を供給可能に配置することによって、磁場印加配線に流す電流の向きに応じて磁化自由層A1の端部に互いに逆向きの垂直磁化方向のうちの一方の垂直磁化方向の磁化を供給することができる。
【0057】
また、
図2に示す例では、磁壁DWを形成するために、磁化自由層A1の両端部のいずれにも磁化が固定された層として第1磁化供給層A4及び第2磁化供給層A5を用いたが、いずれか一方又は両方に、磁化自由層A1に絶縁層を介して接続された電圧印加端子を用いてもよい。磁化固定層A2と電圧印加端子との間に電圧を印加すると、磁化自由層A1の磁化の一部が電圧の影響を受ける。例えば、電圧印加端子から電圧をパルスで印加すると磁化の一部は、電圧印加時には磁化自由層A1の磁化の方向に対して直交する方向に配向し、電圧印加が止まったタイミングでは磁化自由層A1の磁化は第1の方向か又はその逆方向の第2の方向に配向する。この直交する方向に配向した磁化が第1の方向か又はその逆方向の第2の方向に倒れるかは等確率であり、パルス電圧を印加するタイミング、回数、周期を調整することで、磁化の一部を第1の方向から第2の方向に配向させることができる。
【0058】
磁化自由層A1と非磁性層A3の間に磁気結合層を設置してもよい。磁気結合層とは、磁化自由層A1の磁化状態を転写する層である。磁化自由層A1の主たる機能は磁壁を駆動させるための層であり、磁化固定層A1と非磁性層A2を介して生じる磁気抵抗効果に適した材料を選択できるとは限らない。一般的に、非磁性層A2を用いたコヒーレントトンネル効果を生じさせるためには、磁化固定層A1や磁気結合層はBCC構造の強磁性材料が良いことが知られている。特に、磁化固定層A1や磁気結合層の材料として、Co−Fe−Bの組成の材料がスパッタによって作成した際に大きな出力が得られることが知られている。
【0059】
図2に示す例では、読み出し端子ACが、フューズ部AC1と、フューズ部AC1の両側に配置された配線部AC2、AC3とを備えている。磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が読み出し端子ACを介して出力される場合、出力電流は、配線部AC2、フューズ部AC1、配線部AC3の順(つまり、
図2の上向き)に、フューズ部AC1と配線部AC2、AC3とを流れるか、あるいは、配線部AC3、フューズ部AC1、配線部AC2の順(つまり、
図2の下向き)に、フューズ部AC1と配線部AC2、AC3とを流れる。
【0060】
図2に示す例では、出力電流が流れる方向に垂直なフューズ部AC1の断面積は、出力電流が流れる方向に垂直な配線部AC2、AC3の断面積よりも小さく設定されている。
つまり、フューズ部AC1は、配線部AC2、AC3よりも断線しやすく構成されている。
図2に示す例では、フューズ部AC1の断面積を配線部AC2、AC3の断面積よりも小さくすることによって、フューズ部AC1が、配線部AC2、AC3よりも断線しやすく構成されているが、他の例では、フューズ部AC1をミアンダ型に形成したり、網目状に形成したりすることによって、フューズ部AC1を配線部AC2、AC3よりも断線しやすく構成してもよい。
さらに他の例では、フューズ部AC1の材料の融点を配線部AC2、AC3の材料の融点よりも低くすることによって、フューズ部AC1を配線部AC2、AC3よりも断線しやすく構成してもよい。
【0061】
また、
図2に示す例では、フューズ部AC1は、磁化固定層A2よりも読み出し端子ACの側(
図2の上側)に配置されている。そのため、フューズ部AC1の断線の影響が書き込み端子AAの側におよんでしまうおそれを抑制することができる。
【0062】
図3は読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流の変化などを説明するための図である。
図3において、縦軸は、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流を示す。横軸は、磁気抵抗効果素子Aの状態(抵抗値の大きさ)を示す。
磁気抵抗効果素子Aの正常動作時であって、磁気抵抗効果素子Aの抵抗値が最も高い時には、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が最小値Minになる。
磁気抵抗効果素子Aの正常動作時には、磁気抵抗効果素子Aの抵抗値が低くなるに従って、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が大きくなる。
磁気抵抗効果素子Aの正常動作時であって、磁気抵抗効果素子Aの抵抗値が最も低い時には、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が最大値Maxになる。
【0063】
図3に示す例では、磁気抵抗効果素子Aの正常動作時に、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が値I1になる。
読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が増加する故障が磁気抵抗効果素子Aに発生すると、
図3の上向きの矢印で示すように、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が増加する。
【0064】
図3に示す例では、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が値I2まで増加すると、磁気抵抗効果素子Aの読み出し端子ACのフューズ部AC1が断線する。その結果、
図3の下向きの矢印で示すように、読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が、値I3まで減少する(詳細には、ゼロまで減少する)。
つまり、
図3に示す例では、フューズ部AC1が断線した後における読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流は、磁気抵抗効果素子Aの正常動作時における読み出し端子ACを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流よりも減少する。
【0065】
図4は第1実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子の第2例を示す斜視図である。
図4に示す例では、
図2に示す例と同様に、抵抗変化素子が、磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子Aである。
図4に示す例では、
図2に示す例とは異なり、共通端子ABが、フューズ部AB1と、フューズ部AB1の両側に配置された配線部AB2、AB3とを備えている。磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が共通端子ABを介して出力される場合、出力電流は、配線部AB2、フューズ部AB1、配線部AB3の順(つまり、
図4の右向き)に、フューズ部AB1と配線部AB2、AB3とを流れるか、あるいは、配線部AB3、フューズ部AB1、配線部AB2の順(つまり、
図4の左向き)に、フューズ部AB1と配線部AB2、AB3とを流れる。
【0066】
図4に示す例では、出力電流が流れる方向に垂直なフューズ部AB1の断面積は、出力電流が流れる方向に垂直な配線部AB2、AB3の断面積よりも小さく設定されている。
つまり、フューズ部AB1は、配線部AB2、AB3よりも断線しやすく構成されている。
図4に示す例では、フューズ部AB1の断面積を配線部AB2、AB3の断面積よりも小さくすることによって、フューズ部AB1が、配線部AB2、AB3よりも断線しやすく構成されているが、他の例では、フューズ部AB1をミアンダ型に形成したり、網目状に形成したりすることによって、フューズ部AB1を配線部AB2、AB3よりも断線しやすく構成してもよい。
さらに他の例では、フューズ部AB1の材料の融点を配線部AB2、AB3の材料の融点よりも低くすることによって、フューズ部AB1を配線部AB2、AB3よりも断線しやすく構成してもよい。
【0067】
図5は第1実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子の第3例を示す斜視図である。
図5に示す例では、
図2に示す例と同様に、抵抗変化素子が、磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子Aである。
磁気抵抗効果素子Aは、書き込み端子AAまたは共通端子ABと、読み出し端子ACとを接続するビアADを有する。詳細には、ビアADは、磁化固定層A2と読み出し端子ACとを接続する。また、ビアADは、小径部AD1と、小径部AD1の両側に配置された大径部AD2、AD3とを備えている。磁気抵抗効果素子Aからの出力電流がビアADを介して出力される場合、出力電流は、大径部AD2、小径部AD1、大径部AD3の順(つまり、
図5の下向き)に、小径部AD1と大径部AD2、AD3とを流れるか、あるいは、大径部AD3、小径部AD1、大径部AD2の順(つまり、
図5の上向き)に、小径部AD1と大径部AD2、AD3とを流れる。
小径部AD1は、ビアADを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が増加する故障が磁気抵抗効果素子Aに発生した場合に断線するフューズ部として機能する。
【0068】
図5に示す例では、出力電流が流れる方向に垂直な小径部AD1の断面積は、出力電流が流れる方向に垂直な大径部AD2、AD3の断面積よりも小さく設定されている。つまり、小径部AD1は、大径部AD2、AD3よりも断線しやすく構成されている。
図5に示す例では、小径部AD1の断面積を大径部AD2、AD3の断面積よりも小さくすることによって、小径部AD1が、大径部AD2、AD3よりも断線しやすく構成されているが、他の例では、小径部AD1をミアンダ型に形成したり、網目状に形成したりすることによって、小径部AD1を大径部AD2、AD3よりも断線しやすく構成してもよい。
さらに他の例では、小径部AD1の材料の融点を大径部AD2、AD3の材料の融点よりも低くすることによって、小径部AD1を大径部AD2、AD3よりも断線しやすく構成してもよい。
【0069】
また、
図5に示す例では、小径部AD1は、磁化固定層A2よりも読み出し端子ACの側(
図5の上側)に配置されている。そのため、小径部AD1の断線の影響が書き込み端子AAの側におよんでしまうおそれを抑制することができる。
【0070】
また、ビアADが小径部AD1と大径部AD2、AD3とを備えるのに加えて、共通端子ABが小径部と大径部とを備え、共通端子ABの小径部がフューズ部として機能してもよい。
【0071】
図6は第1実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子の第4例を示す斜視図である。
図6に示す例では、
図2に示す例と同様に、抵抗変化素子が、磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子Aである。
磁気抵抗効果素子Aは、書き込み端子AAまたは共通端子ABと、読み出し端子ACとを接続するビアADおよび低融点材料層AEを有する。詳細には、ビアADおよび低融点材料層AEは、磁化固定層A2と読み出し端子ACとを接続する。磁気抵抗効果素子Aからの出力電流がビアADおよび低融点材料層AEを介して出力される場合、出力電流は、ビアAD、低融点材料層AEの順(つまり、
図6の下向き)に、ビアADと低融点材料層AEとを流れるか、あるいは、低融点材料層AE、ビアADの順(つまり、
図6の上向き)に、ビアADと低融点材料層AEとを流れる。
低融点材料層AEは、低融点材料層AEを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が増加する故障が磁気抵抗効果素子Aに発生した場合に断線するフューズ部として機能する。
【0072】
図6に示す例では、低融点材料層AEの融点がビアADの材料の融点よりも低く設定されている。つまり、低融点材料層AEは、ビアADよりも断線しやすく構成されている。
図6に示す例では、低融点材料層AEの融点をビアADの材料の融点よりも低くすることによって、低融点材料層AEがビアADよりも断線しやすく構成されているが、他の例では、低融点材料層AEをミアンダ型に形成したり、網目状に形成したりすることによって、低融点材料層AEをビアADよりも断線しやすく構成してもよい。
【0073】
また、
図6に示す例では、低融点材料層AEは、磁化固定層A2よりも読み出し端子ACの側(
図6の上側)に配置されている。そのため、低融点材料層AEの断線の影響が書き込み端子AAの側におよんでしまうおそれを抑制することができる。
【0074】
図7は第1実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子の第5例を示す断面図である。
図7に示す例では、
図2に示す例と同様に、抵抗変化素子が、磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子Aである。
磁気抵抗効果素子Aは、書き込み端子AAまたは共通端子ABと(
図6参照)、読み出し端子ACとを接続するビアAD、低融点材料層AEおよびSiOx層AFを有する。詳細には、ビアAD、低融点材料層AEおよびSiOx層AFは、磁化固定層A2と読み出し端子ACとを接続する。磁気抵抗効果素子Aからの出力電流がビアADおよび低融点材料層AEを介して出力される場合、出力電流は、ビアAD、低融点材料層AEの順(つまり、
図7の下向き)に、ビアADと低融点材料層AEとを流れるか、あるいは、低融点材料層AE、ビアADの順(つまり、
図7の上向き)に、ビアADと低融点材料層AEとを流れる。
低融点材料層AEは、低融点材料層AEを介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が増加する故障が磁気抵抗効果素子Aに発生した場合に断線するフューズ部として機能する。
【0075】
図7に示す例では、低融点材料層AEの融点がビアADの材料の融点よりも低く設定されている。つまり、低融点材料層AEは、ビアADよりも断線しやすく構成されている。
図7に示す例では、低融点材料層AEの融点をビアADの材料の融点よりも低くすることによって、低融点材料層AEがビアADよりも断線しやすく構成されているが、他の例では、低融点材料層AEをミアンダ型に形成したり、網目状に形成したりすることによって、低融点材料層AEをビアADよりも断線しやすく構成してもよい。
【0076】
また、
図7に示す例では、低融点材料層AEは、磁化固定層A2よりも読み出し端子ACの側(
図7の上側)に配置されている。そのため、低融点材料層AEの断線の影響が書き込み端子AAの側におよんでしまうおそれを抑制することができる。
【0077】
図8は第1実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子の第6例を示す断面図である。
図8に示す例では、
図2に示す例と同様に、抵抗変化素子が、磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果素子Aである。
磁気抵抗効果素子Aは、書き込み端子AAまたは共通端子ABと(
図6参照)、読み出し端子ACとを接続するビアADおよびSiOx層AFを有する。詳細には、ビアADおよびSiOx層AFは、磁化固定層A2と読み出し端子ACとを接続する。また、ビアADは、配線材料部AD4と、配線材料部AD4よりも低い融点を有する低融点材料部AD5とを備えている。
磁気抵抗効果素子Aからの出力電流がビアADの配線材料部AD4および低融点材料部AD5を介して出力される場合、出力電流は、配線材料部AD4、低融点材料部AD5の順(つまり、
図8の下向き)に、配線材料部AD4と低融点材料部AD5とを流れるか、あるいは、低融点材料部AD5、配線材料部AD4の順(つまり、
図8の上向き)に、配線材料部AD4と低融点材料部AD5とを流れる。
低融点材料部AD5は、低融点材料部AD5を介する磁気抵抗効果素子Aからの出力電流が増加する故障が磁気抵抗効果素子Aに発生した場合に断線するフューズ部として機能する。
【0078】
図8に示す例では、低融点材料部AD5の融点が配線材料部AD4の融点よりも低く設定されている。つまり、低融点材料部AD5は、配線材料部AD4よりも断線しやすく構成されている。
図8に示す例では、低融点材料部AD5の融点を配線材料部AD4の融点よりも低くすることによって、低融点材料部AD5が配線材料部AD4よりも断線しやすく構成されているが、他の例では、低融点材料部AD5をミアンダ型に形成したり、網目状に形成したりすることによって、低融点材料部AD5を配線材料部AD4よりも断線しやすく構成してもよい。
【0079】
また、
図8に示す例では、低融点材料部AD5は、磁化固定層A2よりも読み出し端子ACの側(
図8の上側)に配置されている。そのため、低融点材料部AD5の断線の影響が書き込み端子AAの側におよんでしまうおそれを抑制することができる。
【0080】
図9は第1実施形態の積和演算器1の適用例を示す図である。
図9に示す例では、第1実施形態の積和演算器1が、ニューロ
モーフィックデバイス100に適用されている。ニューロ
モーフィックデバイス100は、入力層101と、隠れ層102と、出力層103と、第1実施形態の積和演算器1と、積和演算器2とを備えている。積和演算器2は、
図1に示す第1実施形態の積和演算器1と同様に複数の積演算素子を有する。
入力層101は、例えば4つのノード101A、101B、101C、101Dを備えている。隠れ層102は、例えば3つのノード102A、102B、102Cを備えている。出力層103は、例えば3つのノード103A、103B、103Cを備えている。
積和演算器1は、入力層101と隠れ層102との間に配置され、入力層101の4つのノード101A、101B、101C、101Dと、隠れ層102の3つのノード102A、102B、102Cとを接続する。積和演算器1は、
図1に示す積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCの抵抗値を変更することによって、重みを変更する。
隠れ層102と出力層103との間には、積和演算器2が配置されている。積和演算器2は、隠れ層102の3つのノード102A、102B、102Cと、出力層103の3つのノード103A、103B、103Cとを接続する。積和演算器2は、複数の積演算素子の抵抗値を変更することによって、重みを変更する。
隠れ層102は、活性化関数(例えばシグモイド関数)を使用する。
【0081】
本発明者は、鋭意研究において、積和演算器1を構成する積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCの特性が何らかの要因で変化すると(詳細には、積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCが故障すると)、ニューロ
モーフィックデバイス100の機能が低下することを見い出した。
特に、積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCがショートモードで故障した場合(つまり、出力電流が大きくなる故障が積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCに発生した場合)に、積和演算器1の積和演算機能や、ニューラルネットワークとしての性能が大きく損なわれることを見い出した。
詳細には、本発明者は、鋭意研究において、出力電流が大きくなる故障が積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCに発生した場合には、出力電流が小さくなる故障が積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCに発生した場合よりも、積和演算器1の積和演算機能や、ニューラルネットワークとしての性能が損なわれる度合いが大きいことを見い出した。これは故障した抵抗変化素子に電流が集中して大量に流れることによって、他の抵抗変化素子の重み(他の抵抗変化素子からの電流)が回路上で見えなくなるためである。
【0082】
なお、ニューロ
モーフィックデバイスが備える積和演算器において、フューズ部が共通端子に備えられており、フューズ部が、抵抗変化素子である磁気抵抗効果素子の心臓部(磁化自由層、磁化固定層及び非磁性層)よりもニューロ
モーフィックデバイスの外表面側に備えた構成とすることにより、フューズ部が機能して断線した際にもその影響が小さいものとなる。
【0083】
そこで、第1実施形態の積和演算器1では、上述したように、積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BC(抵抗変化素子、磁気抵抗効果素子A)からの出力電流が増加する故障が積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCに発生した場合に断線するフューズ機能が備えられている。
そのため、第1実施形態の積和演算器1によれば、ニューラルネットワークの性能が大きく損なわれるおそれを抑制することができる。
【0084】
また、第1実施形態の積和演算器1では、上述したように、フューズ機能を有する部分が、磁化固定層A2よりも読み出し端子ACの側に配置されている。そのため、フューズ機能を有する部分の断線の影響が書き込み端子AAの側におよんでしまうおそれを抑制することができる。
【0085】
<第2実施形態>(抵抗変化素子が磁気抵抗効果素子、破壊工程あり)
以下、本発明の積和演算器の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の積和演算器1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の積和演算器1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の積和演算器1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の積和演算器1と同様の効果を奏することができる。
【0086】
上述した第1実施形態の積和演算器1では、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのそれぞれに対して読み出し電圧よりも大きい電圧がかけられないが、第2実施形態の積和演算器1では、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのそれぞれに対して読み出し電圧よりも大きい電圧がかけられる。
「読み出し電圧」とは、積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCが磁気抵抗効果素子として用いられる場合であって、磁気抵抗効果素子に書き込まれているデータを読み出す場合に磁気抵抗効果素子に対してかけられる電圧である。
第2実施形態の積和演算器1の使用時には、まず、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのそれぞれに対し、読み出し電圧よりも大きい電圧がかけられる。その結果、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのうちの不安定な素子(つまり、出力電流が増加する故障を生じるおそれがある素子)が、予め破壊される。そのため、第2実施形態の積和演算器1によれば、出力電流が増加する故障を生じることに伴って、ニューラルネットワークの性能が大きく損なわれてしまうおそれを抑制することができる。
次いで、第2実施形態の積和演算器1の使用時には、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのうちの破壊しなかった素子が、通常に動作させられる。つまり、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCの少なくとも1つに対して読み出し電圧がかけられる。
【0087】
<第3実施形態>(抵抗変化素子が一般的な可変抵抗、破壊工程なし)
以下、本発明の積和演算器の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の積和演算器1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の積和演算器1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の積和演算器1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の積和演算器1と同様の効果を奏することができる。
【0088】
図10は第3実施形態の積和演算器1の構成の一例を示す図である。
第1実施形態の積和演算器1では、積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCが磁気抵抗効果素子Aによって構成されているが、第3実施形態の積和演算器1では、積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCが任意の抵抗変化素子(可変抵抗)によって構成されている。
【0089】
図11は第3実施形態の積和演算器1に適用可能な抵抗変化素子Bの一例の構成を示す図である。
図1に示す例では、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのそれぞれが、読み出し端子ACと、書き込み端子AAと、共通端子ABとを備える磁気抵抗効果素子Aであるが、
図10および
図11に示す例では、複数の積演算素子10AA〜10AC、10BA〜10BCのそれぞれが、第1端子B1と、第2端子B2とを備える抵抗変化素子Bである。抵抗変化素子Bは、抵抗変化部B3と、フューズ部B4とをさらに備えている。抵抗変化部B3の一端は、第1端子B1に接続され、抵抗変化部B3の他端は、フューズ部B4を介して第2端子B2に接続されている。
図10に示す例では、積演算素子10AA、10BAの第1端子は、ラインL11に接続されている。積演算素子10AB、10BBの第1端子は、ラインL21に接続されている。積演算素子10AC、10BCの第1端子は、ラインL31に接続されている。
積演算素子10AA、10AB、10ACの第2端子は、ラインM1に接続されている。積演算素子10BA、10BB、10BCの第2端子は、ラインM2に接続されている。
和演算部11は、積演算素子10AA、10AB、10ACの第2端子からの出力の合計値を検出する出力検出器11Aと、積演算素子10BA、10BB、10BCの第2端子からの出力の合計値を検出する出力検出器11Bとを備えている。
【0090】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0091】
例えば、以上に示した実施形態に係る各装置(例えば、積和演算器1)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、記録媒体としては、例えば、一時的にデータを記録する記録媒体であってもよい。
【0092】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバあるいはクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
コンピュータでは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行する。