【実施例】
【0053】
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
(装置)
撮像手段8Aを持つ撮像装置8としてメディアタブレット端末を利用した。メディアタブレット端末として、アップル社製iPhone5S(登録商標)を選択し、画像処理手段、演算手段
、データ保存手段、表示手段、データ送信手段をプログラムとして実装した。光源は、LEDのライン照明を作成し利用した。測定対象として、土壌に含まれる硝酸イオンに含まれる窒素(硝酸態窒素)を選択した。光路長8mmの光学セル及び位置決め用
固定治具を用いた。被測定物
より上
方の光源から離れた位置に基準
板を光源と平行になるように設置し、同一
板上に測定
板を設置した。測定
板と光学セル
との距離は、15mmとした。光学セルの
撮像手段側表面と測定
板との距離は25mmとした。光学セルの角度は、光学セルの影が測定
板の測定部にかからないよう
光学セルの上
部を測定
板と反対側に鉛直方向に対し角度−2度傾けた。光学セルと測定
板及び基準
板との角度は、45度に設定した。光源と撮像手段との角度は、90度に設定した。基準
板に備えられる基準着色部及び測定
板に備えられる測定部の色情報を与える形状及び面積は、縦5mm、横4mmの長方形(面積20mm
2)とし、前述したプログラムにより制御した。光学セル下面と固定治具上面
との距離は、15mmとした。
(基準
板)
白色の紙にカーボンブラック量として0、10、30、45、65、85及び95%含む着色剤により色情報のための着色を施し、基準
着色部を備える基準板を作成した。撮像手段により得られた色情報のRGB値を255分割し、それぞれのカーボンブラック量毎に数値を算出した。
(測定
板)
基準
板と同じ紙を用い測定
板を作成した。
(既知濃度)
硝酸イオンに含まれる窒素(硝酸態窒素)として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準
着色部と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、(式1)既知濃度=58.18−0.245×基準濃度色情報を得た。この時の相関係数は0.97であり、良好な結果であった。この時、最も相関が高かったGを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、硝酸態窒素の濃度として、濃度25mg/Lとなるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。このテストサンプルに合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。発色後の溶液について、本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ24mg/L、25/L、25mg/Lとなり、良好な結果であった。同様に硝酸態窒素として濃度45mg/Lとなるように調整したテストサンプルを作成し、同様に発色させた後、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、44mg/L、45/L、46mg/Lとなり、良好な結果であり、硝酸態窒素の溶液濃度測定が行える事が確認された。
【0055】
(実施例2)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、リン酸について分析を行った。
(既知濃度)
リン酸として、濃度10、50、100、200及び300mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(リン用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準
着色部と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は0.94であり、良好な結果であった。この時、相関が高かったRを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、リン酸として濃度250mg/Lとなるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。このテストサンプルに合同会社土づくり推進機構製発色液(リン用)を規定量加え、発色させた。発色後の溶液について、本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ245mg/L、251mg/L、253mg/Lとなり、良好な結果であった。同様に濃度75mg/Lとなるように調整したテストサンプルを作成し、同様に発色させた後、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、72mg/L、77mg/L、76mg/Lとなり、良好な結果であった。リン酸のようなイオンの濃度測定に利用できることが確認された。
【0056】
(実施例3)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、マグネシウムについて分析を行った。
(既知濃度)
マグネシウムとして、濃度10、50、100、200及び300mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(マグネシウム用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準
着色部と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は0.96であり、良好な結果であった。この時、相関が高かったRを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、マグネシウムとして濃度200mg/Lとなるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。このテストサンプルに合同会社土づくり推進機構製発色液(マグネシウム用)を規定量加え、発色させた。発色後の溶液について、本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ205mg/L、202mg/L、198mg/Lとなり、良好な結果であった。同様に濃度75mg/Lとなるように調整したテストサンプルを作成し、同様に発色させた後、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、70mg/L、75mg/L、77mg/Lとなり、良好な結果であった。マグネシウムのように水溶液中で陽イオンとなる物質の濃度測定に利用できることが確認された。
【0057】
(実施例4)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、カルシウムについて分析を行った。
(既知濃度)
カルシウムとして、濃度100、200、300、400及び500mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(カルシウム用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液
と、基準
板に備えられた基準
着色部と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は0.99であり、良好な結果であった。この時、相関が高かったGを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、カルシウムとして、濃度200mg/Lとなるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。このテストサンプルに合同会社土づくり推進機構製発色液(カルシウム用)を規定量加え、発色させた。発色後の溶液について、本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ198mg/L、196mg/L、202mg/Lとなり、良好な結果であった。同様に濃度100mg/Lとなるように調整したテストサンプルを作成し、同様に発色させた後、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、95mg/L、95mg/L、98mg/Lとなり、良好な結果であった。500mg/L程度の比較的高い濃度の物質についても測定できることが確認された。
【0058】
(実施例5)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、マンガンについて分析を行った。
(既知濃度)
マンガンとして、濃度1、3、5、10及び25mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(マンガン用)を規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液
と、基準
板に備えられた基準
着色部と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は0.98であり、良好な結果であった。この時、相関が高かったGを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、マンガンとして濃度15mg/Lとなるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。このテストサンプルに合同会社土づくり推進機構製発色液(マンガン用)を規定量加え、発色させた。発色後の溶液について、本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ14mg/L、116mg/L、16mg/Lとなり、良好な結果であった。同様に濃度2mg/Lとなるように調整したテストサンプルを作成し、同様に発色させた後、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、2.4mg/L、2.2mg/L、2.3mg/Lとなり、良好な結果であった。25mg/L程度の比較的低い濃度の溶液についての測定もできることが確認された。
【0059】
(実施例6)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、腐植物質(土壌中有機物)について分析を行った。
(既知濃度)
腐植物質として、合同会社土づくり推進機構製腐植抽出液により土壌腐植物質を抽出し、腐植物質を含む溶液を作成した。濃度1、5、8及び15重量%となるように溶液を調整した。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準
着色部と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は0.95であり、良好な結果であった。この時、相関が高かったBを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、腐植物質として濃度2.5重量%となるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ2.6重量%、2.7重量%、2.6重量%となり、良好な結果であった。同様に濃度4重量%となるように調整したテストサンプルを作成し、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、4.2重量%、4.3重量%、4.3重量%となり、良好な結果であった。腐植物質の様な有機物についても濃度の測定ができることが確認された。
【0060】
(実施例7)
実施例1と同じ装置、基準
板を用い、カリウムについて分析を行った。測定
板には、白色の紙にカーボンブラック量として95%含む着色剤により着色を施したものを
測定部として用いた。
(既知濃度)
K
2Oとして、濃度30、50、100、200及び266mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(カリウム用)を規定量加えた。カリウムの場合、懸濁液となるため、
測定板に黒色の
前記測定部を
備えた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
既知濃度の溶液
、基準
板に備えられた基準着色部
と、測定
板に備えられた測定
部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は0.98であり、良好な結果であった。この時、相関が高かったRを利用した。また、目視でも濃度毎の色の違いが矛盾無く確認できた。
(未知濃度の測定)
本発明の濃度測定システムの効果を検証するため、濃度100mg/Lとなるように溶液を調整し、これを未知濃度のテストサンプルとした。このテストサンプルに合同会社土づくり推進機構製発色液(カリウム用)を規定量加えた。この懸濁液について、本発明の濃度測定システムにより測定し
図4に示したフローチャートに従った後、濃度の結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、それぞれ105mg/L、110mg/L、107mg/Lとなり、良好な結果であった。同様に濃度200mg/Lとなるように調整したテストサンプルを作成し、同様に発色させた後、本発明の濃度測定システムにより測定し結果を表示した。同様の測定を3回実施した測定結果は、190mg/L、207mg/L、206mg/Lとなり、良好な結果であった。
【0061】
(実施例8)
本発明の濃度測定システムを土壌分析器として利用した。
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用いた。ナスを3ヶ月間にわたり栽培した土壌(黒ボク土)とナスを栽培する前に採取した同圃場の土壌をそれぞれ2g採取し、pH4.8の抽出液(合同会社土づくり推進機構製)を18mL加え5分間撹拌し、土壌から養分を抽出した。栽培後土壌から得られた抽出液をろ紙によりろ過後、これを光学セルに分注し、発色剤として、硝酸態窒素用、リン用、マグネシウム用、カリウム用、マンガン用、カルシウム用(いずれも合同会社土づくり推進機構製発色液)を規定量加え、発色させた。腐植物質については、実施例7と同様の抽出液を用い、同じ土壌から抽出した。これを本発明の濃度測定システムにより測定した。測定結果の一部を
図8に示す。土壌からの抽出物であるため、生産者に分かりやすいように濃度の単位をmg/100gに変更した。測定は1回の撮像で完了した。測定結果は、硝酸態窒素13mg/100g土壌、リン酸16mg/100g土壌、カリウム68mg/100g土壌、カルシウム345mg/100g土壌、マグネシウム1mg/100g土壌、マンガン25mg/100g土壌及び腐植率0.9重量%を得た。腐植物質の濃度を除いたこれらの結果は、栽培前の土壌に対し、5%〜20%の低下を示し、栽培されたナスに養分の一部が吸収されたことが伺えた。腐植率については、0.9wt%であり、変化は確認されなかった。この結果から、本発明の濃度測定システムは、土壌分析器として利用できることが確認された。
【0062】
以上、実施例1から8により、本発明の濃度測定システムにより、可視域において濃度とRBGで表すことができる色情報に相関がある無機物及び有機物については、その濃度を簡便に測定できることが示された。また、カリウムのように、懸濁液についても本発明の濃度測定システムで用いられる測定
部を備える測定板を用いることにより、効果的に濃度が測定できることが示された。
【0063】
(実施例9)リコピンの分析
野菜中の有効成分であるリコピンを分析するため、トマトに含まれるリコピンの濃度測定効果を検証した。リコピンの濃度測定用検量線を作成し、トマトから抽出したリコピンの濃度を本発明の濃度測定システムにより測定した。リコピンの既存濃度は、試薬として購入したリコピンを所定の濃度に希釈し、これを高速液体クロマトグラフィーにより決定し、それぞれの濃度毎に準備した溶液を濃度測定システムの手順により測定、検量線を作成した。栽培された小玉トマト(播種4月、収穫9月)10個をミキサーにより砕き、ジエチルエーテルとメタノールの混合抽出液により、リコピンを抽出した。抽出されたリコピンの濃度を本発明の濃度測定システムにより測定したところ10mg/100gであった。高速液体クロマトグラフィーで測定した結果は、10.3mg/100gであったため、良い結果が得られたと判断された。野菜中に含まれる養分について、測定できることが確認された。
【0064】
(実施例10)微生物試験
特許第5252737号に記載の除菌率測定方法を利用するため、微生物の調整を本発明の濃度測定システムにより実施した。微生物は、Escherichia coli(大腸菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)を用い、濃度として1.2×10
5個/mL及び2.4×10
5個/mLとなるように、波長632nmにおける吸光度がそれぞれ0.3及び0.6となる溶液を調整した。この波長632nmの吸光度は、紫外可視分光光度計を用いて測定した。この時の溶液を本発明の濃度測定システムにより測定し、検量線を作成した。一方で、大腸菌及び黄色ブドウ球菌をそれぞれ1×10
5個/mL調整するために溶液を調整し、本発明の濃度測定システムにより濃度を確認した。この
とき表示された濃度は、1.05
5個/mLであった。この溶液をシャーレ上においた標準寒天培地に塗布し微生物数を計測したところ、0.9〜1.2×10
5個/mLの大腸菌及び黄色ブドウ球菌を確認した。この結果は微生物試験として良好な結果となった。この結果から、本発明の濃度測定装置で微生物の調整ができることが確認された。
【0065】
(比較例1)
実施例1と同じ装置、基準
板、を用い、硝酸態窒素について分析を行った。この時、測定
板は置かなかった。
(既知濃度)
硝酸態窒素として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準着色部と、実施例1で測定板があった部分(この比較例では、前述のように測定板を置いていない)を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は最も高いGにおいても0.30であり、十分な相関が確認されなかった。測定
板がないことによりセル
後方が画像として処理されたことが原因と考えられた。
【0066】
(比較例2)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、硝酸態窒素について分析を行った。測定
板と光学セル
との距離を0mmとした。
(既知濃度)
硝酸態窒素として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準着色部と、測定
板に備えられた測定部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この
ときの相関係数は最も高いGにおいても0.60であり、良い相関は得られなかった。また、特に高い濃度において、実施例1とは異なる結果が得られた。これは、光学セルと測定
板が離間していないため、濃い溶液において、よりRGB値が共に低くなったことが原因と考えられた。
【0067】
(比較例3)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、硝酸態窒素について分析を行った。測定
板と光学セルとの角度を−10度とし、測定を行った。
(既知濃度)
硝酸態窒素として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準着色部と、測定
板に備えられた測定部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は最も高いGにおいても0.65であり、良い相関は得られなかった。特に低い濃度において、実施例1とは異なる結果が得られた。これは、測定
板の焦点のズレや色情報のバラツキが原因になったと考えられた。
【0068】
(比較例4)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、硝酸態窒素について分析を行った。撮像手段と光源と光源の光軸の中心の角度を140度とし、試験を行った。
(既知濃度)
硝酸態窒素として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準着色部と、測定
板に備えられた測定部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は最も高いGにおいても0.52であり全体的にバラツキが大きくなった。これは、撮像時に光源からの光の影響が撮像手段に影響し、色情報のバラツキが原因になったと考えられた。
【0069】
(比較例5)
実施例1と同じ装置、基準
板、測定
板を用い、硝酸態窒素について分析を行った。光学セルの下面と固定治具との距離を3mmとした。
(既知濃度)
硝酸態窒素として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、基準
板に備えられた基準着色部と、測定
板に備えられた測定部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は最も高いGにおいても0.7であり、全体的にバラツキが大きくなった。これは、光学セルの下面と固定治具との距離を5mm以上としたところ、良好な結果が得られたことから、固定治具が光学セル下面に近いことが、このバラツキの原因と考えられた。
【0070】
(比較例6)
実施例1と同じ装置、測定
板を用い、硝酸態窒素について分析を行った。光学セルの下面と固定治具との距離を3mmとした。この際、基準
板を用いなかった。
(既知濃度)
硝酸態窒素として、濃度10、15、20、30及び50mg/Lとなるように溶液を調整した。この溶液に合同会社土づくり推進機構製発色液(硝酸態窒素用)規定量加え、発色させた。
(第一の撮像と濃度測定用検量線の作成)
発色させた既知濃度の溶液と
、測定
板に備えられた測定部と、を撮像手段により撮像し、濃度測定用検量線を作成した。この濃度測定用検量線の傾きから、既知濃度と基準濃度色情報の関係式を得た。この時の相関係数は最も高いGにおいても0.65であり、全体的にバラツキが大きくなった。実施例1との比較から、本発明で用いた基準
板を利用する事が測定の誤差を低減していることが示された。