特許第6876313号(P6876313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6876313自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876313
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/00 20180101AFI20210517BHJP
   B05B 15/70 20180101ALI20210517BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20210517BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20210517BHJP
【FI】
   B05B12/00 A
   B05B15/70
   B05C11/10
   B33Y70/00
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-505958(P2020-505958)
(86)(22)【出願日】2017年11月28日
(65)【公表番号】特表2020-517451(P2020-517451A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】CN2017113371
(87)【国際公開番号】WO2018188349
(87)【国際公開日】20181018
【審査請求日】2019年11月27日
(31)【優先権主張番号】201710245318.X
(32)【優先日】2017年4月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512000569
【氏名又は名称】華南理工大学
(73)【特許権者】
【識別番号】519367197
【氏名又は名称】広州雷佳増材科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】王 迪
(72)【発明者】
【氏名】王 藝▲モン▼
(72)【発明者】
【氏名】楊 永強
(72)【発明者】
【氏名】許 振龍
【審査官】 市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−202427(JP,A)
【文献】 特開平09−141161(JP,A)
【文献】 特開2015−199034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B12/00−16/80
B05C5/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに固定されたベース(11)と、ベース(11)に接続したPVCシーリング剤を送り出すパイプ(12)とを含み、前記ベース(11)とロボットアームとは取り外し可能に突き合わされ、PVC接着剤塗布ポンプはPVCシーリング剤をパイプ(12)から自動車のコーティング対象の部分またはシーリング対象の部分に送り出すことを特徴とし、
前記パイプ(12)は、PVCシーラントの流れの方向の順に応じて、シーリング剤供給部(121)、移行部(122)、排出部(123)に分けられ、
前記供給部(121)はテーパー状であり、すなわちPVCシーリング剤の流れの方向に沿って、その内径が徐々に小さくなっていき、
前記排出部(123)全体は“7”字状の構造であり、直管部(123−1)と屈曲部(123−2)で構成され、前記移行部(122)の軸と直管部(123−1)の軸は交差し、前記移行部(122)の軸と、直管部(123−1)の軸を移行部(122)の側に延長した線と、の夾角35°〜45°となり、前記直管部(123−1)と屈曲部(123−2)の軸は互いに垂直であることを特徴とする、
動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【請求項2】
前記供給部(121)、移行部(122)、直管部(123−1)、屈曲部(123−2)間の接合部分は、丸みのある円弧移行部を採用しており、PVCシーリング剤の流動抵抗を低減することを特徴とする、
請求項に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【請求項3】
屈曲部(123−2)末端側壁には長方形排出口(123−3)が設けられ、長方形排出口(123−3)の開口方向は“7”字状構造の内側の位置にあることを特徴とする、
請求項に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【請求項4】
前記供給部(121)、移行部(122)、直管部(123-1)、屈曲部(123-2)は、ワンショット成型構造であることを特徴とする、
請求項に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【請求項5】
ベース(11)とパイプ(12)を別々に金属3Dでプリントし、プリント材料はチタン合金、ステンレス鋼またはニッケル合金を使用し加工し、
チタン合金で3Dプリントする場合、成型パラメータは、レーザー出力150W、スキャン速度800mm/s、スタッキング層の厚さ20ミクロン、レーザースポット50ミクロン、走査線ピッチ60ミクロンであり、レーザースキャン戦略は、パイプ(12)の外輪郭に照準を合わせてエッジのスキャンを二度行い、次に内部のソリッド充填スキャンを行い、これによってパイプ(12)外表面の品質が保証され、
パイプ(12)は成型プロセス中に縦に倒立して置かれ、パイプ(12)外表面任意の位置と平面との角度は40°以上で、これにより3Dプリント中、支持構造の追加を防止することを特徴とする、
請求項に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用接着剤コーティング部品、特に自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上に伴い、人々は自動車に対し、実用性、信頼性を求めるだけではなく、更に美観と快適さを求めている。車体に比較的高い密閉性、防錆性、耐久性を具えるため、車体のドアウィンドウ及びフロントカバー、リアカバーにシーリング材がコーティングされている。一般的に使用されているのは、ポリエチレン樹脂や可塑剤等を配合した無溶剤PVC塗料で、衝撃吸収、遮音、シーリングの役割を果たすことが出来、自動車の快適性と安全性を高めている。
【0003】
接着剤シーリングプロセスは、ラフシーリングとファインシーリングの2工程に分けられる。その中でも、車体外面に見える溶接シームには、優れた外観が求められるため、入念なコーティングと装飾が必要となり、ファインシーリングとなる。ファインシーリング工程は、車体外表面、ドアフレーム、フロントカバーとリアカバーのシーリングを指し、車体底部をスプレーした後に行う。残シールド及び、エンジンカバー周辺の折り目シーム、トップカバーのスプルー溶接、バックカバーの折り目シーム、4ドアのシーム、4ドア窓枠の溶接、A、B、C立柱外部溶接、バックカバーフロータンクをPVC接着剤で塞ぐことで車体の完成を要求する。その作用により、車体のシーリング性能を高め、防水性、遮音性、遮熱性を実現し、溶接部防腐性能を高め、最終的に自動車の快適性を向上させ、耐用年数を延ばす。押し出したPVC接着剤は正確な位置に塗布し、取り付け穴を塞いだり、妨げたりせず、均一で適量、連続的に安定し、緻密で、コロイドは滑らかで堆積や断裂がなく、接着剤の厚さは2〜3mmである。
【0004】
現在、自動車の接着剤塗布プロセスは、主に手動接着剤塗布とロボット接着剤塗布の二つの方法がある。手動接着剤塗布の作業量は比較的大きいが、ロボット接着剤塗布は接着剤を安定して出し、強弱が正確で安定し、良好なコーティング効果を具えている。しかし自動車の構造の複雑性により、自動車のフロントカバー及びリアカバーの構造に合わせ、迅速にコーティングを行い、作業効率を向上させるには、コーティング時に流管をカスタマイズする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は上記の従来技術の欠点及び欠陥を克服にあり、自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管及び製造方法を提供する。単純な構造、コロイドのスムーズな流れ、高い作業効率の利点を具え、特に自動車の複雑な部分のコーティングに適する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管は、ロボットアームに固定されたベース11と、ベース11に接続したPVCシーリング剤を送り出すパイプ12とを含み、前記ベース11とロボットアームに取り付けられたPVC接着剤塗布ポンプインターフェイスは取り外し可能な突き合わせジョイントであり、PVC接着剤塗布ポンプは、PVCシーリング剤をパイプ12から自動車のコーティング対象の部分又はシーリング対象の部分に送り出す。
【0007】
前記パイプ12は、PVCシーリング剤の流れの方向の順に応じて、シーリング剤供給部121、移行部122、排出部123に分けられ、
前記供給部121はテーパー状であり、すなわちPVCシーリング剤の流れの方向に沿って、その内径が徐々に小さくなっていく。
前記排出部123全体は“7”字状の構造であり、直管部123−1と屈曲部123−2で構成される。前記移行部122の軸と直管部123−1の軸は交差し、夾角35°〜45°となる。前記直管部123−1と屈曲部123−2の軸は互いに垂直である。
【0008】
前記供給部121、移行部122、直管部123−1、屈曲部123−2間の接合部分は皆丸みのある移行部を採用しており、PVCシーリング剤の流動抵抗を低減している。
【0009】
屈曲部123−2末端側壁には長方形排出口123−3が設けられている。長方形排出口123−3の開口方向は“7”字状構造の内側の位置にある。
【0010】
移行部122と排出部123の内径は、流量設計公式D=√(4G/πvρt)(Dはパイプ内径、Gはコーティング剤排出総重量、vは排出速度、tは排出時間)に基づいている。設計公式と実際のコーティング時のギャップサイズに基づき、移行部122と排出部123の内径を1.50mm〜1.60mmに、壁の厚さを0.10mm〜0.25mmに設計する。
【0011】
前記供給部121、移行部122、直管部123−1、屈曲部123−2はワンショット成型構造である。
【0012】
本発明の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管及び製造準備方法において、
前記製造準備方法は、ベース11とパイプ12を別々に金属3Dでプリントする。プリント材料はチタン合金、ステンレス鋼、またはニッケル合金を使用し加工し、
チタン合金で3Dプリントする場合、成型パラメータは以下の通り、レーザー出力150w、スキャン速度800mm/s、スタッキング層の厚さ20ミクロン、レーザースポット50ミクロン、走査線間隔60ミクロンである。レーザースキャン戦略は、まずパイプ12の外輪郭に照準を合わせてエッジのスキャンを二度行い、次に内部のソリッド充填スキャンを行い、これによってパイプ12外表面の品質が保証され、
パイプ12は成型プロセス中に垂直に反転し、パイプ12外表面任意の位置と平面との角度は40°未満に出来ず、これは3Dプリント中、支持構造の追加を防止するためである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のベースとパイプは、金属3Dプリント一体成型構造を個別に採用し、従来のチタン合金パイプセグメント溶接加工時に溶接部分が折れやすく、且つ各セクションの溶接部分が正確に合わせ処理しにく、及びチタン合金パイプ材料が比較的薄いので溶接時に穴があきやすい等の欠点を克服した。
【0014】
本発明のパイプの各接合部は、一体成型の円弧移行部であり、コロイドの減衰を大幅に減らし、流動性を高め、同時に金属3Dプリント製造難度を減らすことが出来る。
【0015】
本発明は、流体動力原理に基づき、供給部はテーパー状設計を採用し、その内径はPVCシーリング剤の流れの方向に沿い徐々に小さくなり、コロイドの圧力も増大し、流速も大きくなり、排出時に十分な圧力を保証し、コーティング時の安定性と滑らかさを向上させた。
【0016】
本発明のパイプの湾曲構造は、特に自動車構造の複雑な部分のコーティングに適している。
【0017】
本発明は、金属3Dプリントプロセスと組み合わせることで、製造された複雑流管は、便利な使用、単純な構造、高い強度、断裂しにくい等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管の構造模式図である。
図2図1中のAの拡大模式図である。
図3】本発明の組み立て前の構造模式図である。
図4】本発明のベース構造模式図である。
図5】本発明のパイプ構造模式図である。
図6図3の組み立て後の構造模式図である。
図7】本発明の成型時の配置模式図である。
図8】本発明の使用模式図の1である。
図9】本発明の使用模式図の2である。
図10】本発明の使用模式図の3である。
図11】本発明のPVCシーリング材供給時の流れ方向の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
具体的な実施例と合わせ、本発明を更に詳細な説明をする。
【0020】
(実施例)
図1から図11に示すように、本発明は、自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管を開示し、ロボットアームに固定したベース11、ベース11に接続したPVCシーリング剤を送り出すパイプ12を含む。前記ベース11とロボットアームに取り付けられたPVC接着剤塗布ポンプインターフェイスは、取り外し可能な突き合わせジョイントである。PVC接着剤塗布ポンプは、PVCシーリング剤をパイプ12から自動車のコーティング対象の部分またはシーリング対象の部分に送り出す。PVCシーリング剤の粘度と周囲温度に基づき、PVCコーティングポンプ(噴霧機)の入り口圧力は4.9*10〜6.9*10Paの範囲で調整され、コーティングの厚さは通常2〜3mmである。
【0021】
前記パイプ12は、PVCシーリング剤の流れの方向の順に応じて、シーリング剤供給部121、移行部122および排出部123に分けられる。
【0022】
前記供給部121はテーパー状であり、すなわちPVCシーリング剤の流れの方向に沿って、その内径が徐々に小さくなる。
【0023】
前記排出部123全体は“7”字状の構造であり、直管部123−1と屈曲部123−2で構成される。前記移行部122の軸と直管部123−1の軸は交差し、夾角35°〜45°となる。前記直管部123−1と屈曲部123−2の軸は互いに垂直である。
【0024】
前記供給部121、移行部122、直管部123−1、屈曲部123−2間の接合部分は何れも丸みのある(角丸)移行部を採用しており、PVCシーリング剤の流動抵抗を低減する。
【0025】
屈曲部123−2末端側壁には長方形排出口123−3が設けられている。長方形排出口123−3の開口方向は“7”字状構造の内側の位置にある。
【0026】
移行部122と排出部123の内径は、流量設計公式D=√(4G/πvρt)(Dはパイプ内径、Gはコーティング剤排出総重量、vは排出速度、tは排出時間)に基づく。設計公式と実際のコーティング時のギャップサイズに基づき、移行部122と排出部123の内径を1.50mm〜1.60mmに、壁の厚さを0.10mm〜0.25mmに設計する。
【0027】
前記供給部121,移行部122,直管部123−1、屈曲部123−2はワンショット成型構造である。
【0028】
図8図9に示すように、自動車リアカバーをコーティングする場合、屈曲部123−2と自動車リアカバーの縁は平行を保持し、リアカバーと車体の隙間に入った後、一定の角度で旋回し、長方形排出口123−3をコーティング面に正確に合わせる。
【0029】
本発明の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管の製造準備方法において、前記製造準備方法は、ベース11とパイプ12を別々に金属3Dでプリントする。プリント材料はチタン合金、ステンレス鋼またはニッケル合金を使用し加工する。
【0030】
チタン合金で3Dプリントする場合、成型パラメータは以下の通りである。レーザー出力150W、スキャン速度800mm/s、スタッキング層の厚さ20ミクロン、レーザースポット50ミクロン、走査線ピッチ60ミクロン。レーザースキャンは、まずパイプ12の外輪郭に照準を合わせてエッジのスキャンを二度行い、次に内部のソリッド充填スキャンを行い、これによってパイプ12外表面の品質が保証される。
【0031】
パイプ12の構造が複雑で、内径も小さく、パイプの壁も薄いため、成型時にパイプの敷設角度に注意する必要がある。すなわち、パイプ12は成型プロセス中に縦に倒立して置かれ、パイプ12外表面任意の位置と平面との角度は40°以上である。これは図7に示すように、3Dプリント中、支持構造の追加を防止するためである。
【0032】
ベース11とパイプ12のプリント完成後、長方形排出口の洗浄も含めて、表面研磨、仕上げ磨き処理が必要であり、これにより排出口の形状と寸法の精度が保証され、且つコーティング品質が向上する。
【0033】
上記のようにすれば、本発明をよりよく実現できる。
【0034】
本発明の実施方式は、上記実施例の制限を受けず、その他いかなる発明趣旨に背かず、その原則の下行われる変更、修正、置換、組み合わせ、簡略化は、等しく同等の置換方式と認められ、全て本発明の保護の範囲内である。
【0035】
(付記)
(付記1)
ロボットアームに固定されたベース(11)と、ベース(11)に接続したPVCシーリング剤を送り出すパイプ(12)とを含み、前記ベース(11)とロボットアームに取り付けられたPVC接着剤塗布ポンプインターフェイスは取り外し可能な突き合わせジョイントであり、PVC接着剤塗布ポンプはPVCシーリング剤をパイプ(12)から自動車のコーティング対象の部分またはシーリング対象の部分に送り出すことを特徴とする、
自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【0036】
(付記2)
前記パイプ(12)は、PVCシーラントの流れの方向の順に応じて、シーリング剤供給部(121)、移行部(122)、排出部(123)に分けられ、
前記供給部(121)はテーパー状であり、すなわちPVCシーリング剤の流れの方向に沿って、その内径が徐々に小さくなっていき、
前記排出部(123)全体は“7”字状の構造であり、直管部(123−1)と屈曲部(123−2)で構成され、前記の移行部(122)の軸と直管部(123−1)の軸は交差し、夾角35°〜45°となり、前記の直管部(123−1)と屈曲部(123−2)の軸は互いに垂直であることを特徴とする、
付記1に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【0037】
(付記3)
前記供給部(121)、移行部(122)、直管部(123−1)、屈曲部(123−2)間の接合部分は、丸みのある移行部を採用しており、PVCシーリング剤の流動抵抗を低減することを特徴とする、
付記2に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【0038】
(付記4)
屈曲部(123−2)末端側壁には長方形排出口(123−3)が設けられ、長方形排出口(123−3)の開口方向は“7”字状構造の内側の位置にあることを特徴とする、
付記2に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【0039】
(付記5)
移行部(122)と排出部(123)の内径は、流量設計公式D=√(4G/πvρt)に基づき算出され、ここで、Dはパイプ内径、Gはコーティング剤排出総重量、vは排出速度、tは排出時間であり、設計公式と実際のコーティング時のギャップサイズに基づき、移行部(122)と排出部(123)の内径を1.50mm〜1.60mmに、壁の厚さを0.10mm〜0.25mmに設計することを特徴とする、
付記3に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【0040】
(付記6)
前記供給部(121)、移行部(122)、直管部(123-1)、屈曲部(123-2)は、ワンショット成型構造であることを特徴とする、
付記3に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管。
【0041】
(付記7)
ベース(11)とパイプ(12)を別々に金属3Dでプリントし、プリント材料はチタン合金、ステンレス鋼またはニッケル合金を使用し加工し、
チタン合金で3Dプリントする場合、成型パラメータは、レーザー出力150W、スキャン速度800mm/s、スタッキング層の厚さ20ミクロン、レーザースポット50ミクロン、走査線ピッチ60ミクロンであり、レーザースキャン戦略は、パイプ(12)の外輪郭に照準を合わせてエッジのスキャンを二度行い、次に内部のソリッド充填スキャンを行い、これによってパイプ(12)外表面の品質が保証され、
パイプ(12)は成型プロセス中に縦に倒立して置かれ、パイプ(12)外表面任意の位置と平面との角度は40°以上で、これにより3Dプリント中、支持構造の追加を防止することを特徴とする、
付記6に記載の自動車用PVCファインシーリングコーティング複雑流管の製造方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11