特許第6876319号(P6876319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876319
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】販売管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20210517BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   G06Q30/02 318
   G07G1/01 301D
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-220841(P2016-220841)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2018-77788(P2018-77788A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】高間 直樹
(72)【発明者】
【氏名】寺田 清一
(72)【発明者】
【氏名】船津 訓
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 義高
(72)【発明者】
【氏名】山田 譲
【審査官】 菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−053811(JP,A)
【文献】 特開2015−228102(JP,A)
【文献】 特開2005−346216(JP,A)
【文献】 特開2013−054539(JP,A)
【文献】 特開平05−067119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の過去の売上に関する売上データに基づいて、将来の売上が最大になると予測される価格を求め、求めた前記価格に対応する売上最大価格を前記商品に設定する価格設定部と、
前記商品に対応して配置され、前記価格設定部で設定された前記価格を表示する価格表示部と、
前記価格表示部から一定範囲内に存在する人の有無を検知する検知部と、
前記検知部における前記人の検知の有無に基づいて、前記価格表示部に表示される前記価格の表示タイミングを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記価格を値上げの方向に変更する場合は、前記検知部が人を検知していないタイミングで値上げ後の前記価格を表示し、前記価格を値下げの方向に変更する場合は、前記検知部が人を検知しているタイミングで値下げ後の前記価格を表示する、販売管理システム。
【請求項2】
商品の過去の売上に関する売上データに基づいて、将来の売上が最大になると予測される価格を求め、求めた前記価格に対応する売上最大価格を前記商品に設定する価格設定部と、
前記商品に対応して配置され、前記価格設定部で設定された前記価格を表示する価格表示部と、
前記価格表示部から一定範囲内に存在する人の有無を検知する検知部と、
前記検知部における前記人の検知の有無に基づいて、前記価格表示部に表示される前記価格の表示タイミングを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記価格を変更する場合は、前記検知部が人を検知していないタイミングで前記価格を表示し、前記価格を値下げの方向に変更する場合に限り、前記検知部が人を検知しているタイミングで値下げ後の前記価格を表示する、販売管理システム。
【請求項3】
商品の過去の売上に関する売上データに基づいて、将来の売上が最大になると予測される価格を求め、求めた前記価格に対応する売上最大価格を前記商品に設定する価格設定部と、
前記商品に対応して配置され、前記価格設定部で設定された前記価格を表示する価格表示部と、
前記価格表示部から一定範囲内に存在する人の有無を検知する検知部と、
前記検知部における前記人の検知の有無に基づいて、前記価格表示部に表示される前記価格の表示タイミングを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記価格を値上げの方向に変更する場合は、前記検知部が人を検知していないタイミングで値上げ後の前記価格を表示する、販売管理システム。
【請求項4】
商品の過去の売上に関する売上データに基づいて、将来の売上が最大になると予測される価格を求め、求めた前記価格に対応する売上最大価格を前記商品に設定する価格設定部と、
前記商品に対応して配置され、前記価格設定部で設定された前記価格を表示する価格表示部と、
前記価格表示部から一定範囲内に存在する人の有無を検知する検知部と、
前記検知部における前記人の検知の有無に基づいて、前記価格表示部に表示される前記価格の表示タイミングを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記価格を値下げの方向に変更する場合は、前記検知部が人を検知しているタイミングで値下げ後の前記価格を表示する、販売管理システム。
【請求項5】
前記価格設定部は、前記商品の将来の売上が最大になると予測される価格を、過去の前記売上データの販売数と価格との相関関係から求める、請求項1〜4の何れか一項記載の販売管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の販売管理システムに関する技術として、特許文献1に記載された割引値設定システムが知られている。特許文献1に記載された割引値設定システムでは、所定の時刻になると、商品の最大利益が得られる割引値を決定し、割引値を店頭表示装置に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−346216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような販売管理システムでは、表示した割引値の対象となる商品について、売上が高まるかというと一概にそうではなく、売上を最大化することが困難となる可能性がある。更に、商品の売上を最大化できるような金額が算出されたとしても、その変更を顧客の面前で実行してしまうと客の購買意欲を減退させてしまい、売上の最大化を実現することができないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、商品の売上を最大化できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の販売管理システムは、商品の過去の売上に関する売上データに基づいて、将来の売上が最大になると予測される価格に対応する売上最大価格を商品に設定する価格設定部と、商品に対応して配置され、価格設定部で設定された売上最大価格を表示する価格表示部と、価格表示部から一定範囲内に存在する人の有無を検知する検知部と、検知部における人の検知の有無に基づいて、価格表示部に表示される売上最大価格の変更タイミングを制御する制御部と、を備える。
【0007】
この販売管理システムでは、商品の売上が最大になると予測される売上最大価格を、商品に設定して顧客に提示することができる。更にこの販売管理システムでは、検知部における人の検知の有無に基づいて価格表示部に表示される上記売上最大価格の変更タイミングを制御することができる。このため、例えば、検知部が人を検知しているときに売上最大価格の表示変更を禁止したり、検知部が人を検知していないときに売上最大価格の表示変更を実行したりできるので、価格表示部において上記売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減でき、客の購買意欲を減退させてしまうことを防止できる。この結果、商品の売上を最大化できる。
【0008】
本発明の販売管理システムでは、制御部は、検知部が人を検知しているとき、価格表示部に表示される売上最大価格の変更を禁止してもよい。これにより、価格表示部において売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減できる。
【0009】
本発明の販売管理システムでは、制御部は、検知部が人を検知していないとき、価格表示部に表示される売上最大価格の変更を実行してもよい。これにより、価格表示部において売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減できる。
【0010】
本発明の販売管理システムでは、検知部は、価格表示部と一体的に形成されていてもよい。この販売管理システムでは、価格表示部を棚等に設置するだけ容易な作業で、販売管理システムを構築することができる。
【0011】
本発明の販売管理システムでは、検知部は、価格表示部とは別体として形成されていてもよい。この販売管理システムでは、例えば、価格表示部の単価を抑制することができたり、一つの検知部における検知結果を利用して複数の価格表示部における売上最大価格の表示変更タイミングを制御したりすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品の売上を最大化できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る販売管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図1の価格管理サーバの構成を示すブロック図である。
図3図2の記憶部に記憶された商品データの一例を示す図である。
図4】商品の販売数と価格との相関関係を例示するグラフである。
図5図1の電子棚札の構成を示すブロック図である。
図6】変形例に係る販売管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1に示される販売管理システム100は、例えばスーパーマーケット、ドラックストア又はコンビニエンスストア等の店舗に適用される。販売管理システム100は、ストアコントローラ2、POSシステム3、ESL(Electronic Shelf Label)サーバ4、アクセスポイント5、電子棚札(価格表示部)6、及び、価格管理サーバ10を備えている。ストアコントローラ2とPOSシステム3が備えるPOSサーバ7とESLサーバ4と価格管理サーバ10とは、LAN8を介して互いに接続されている。これにより、ストアコントローラ2とPOSサーバ7とESLサーバ4と価格管理サーバ10とは、相互間でデータ通信が可能とされている。
【0016】
ストアコントローラ2は、一般的なコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含む。ストアコントローラ2は、販売管理システム100を統括的に管理する上位装置として機能する。ストアコントローラ2は、インターネット等の外部ネットワークに接続されている。これにより、ストアコントローラ2は、外部ネットワークを介して、当該店舗を管理する本部センターのコンピュータ(サーバ装置等)と通信可能である。
【0017】
POSシステム3は、商品の販売に係る情報をその販売時点において収集して分析するシステムである。POSシステム3は、POSサーバ7と、複数のレジスタ(Cash Register)9と、を備えている。POSサーバ7と複数のレジスタ9とは、専用の通信ケーブルで接続されている。
【0018】
POSサーバ7は、POSシステム3を統括的に管理する。POSサーバ7は、一般的なコンピュータで構成され、CPU、ROM、RAM及びHDD等を含む。POSサーバ7の記憶部には、商品の各種の情報を示す商品マスタ71が記憶されている。商品マスタ71は、店舗内の各商品それぞれの商品情報(「商品コード」、「商品名」及び「価格」等)を格納したファイルである。商品マスタ71は、価格管理サーバ10の価格設定部16(図2参照)による価格設定に応じて適宜更新される。複数のレジスタ9のそれぞれでは、商品マスタ71の価格に基づき商品の精算を行う。
【0019】
POSサーバ7は、レジスタ9における各商品の精算に関する情報に基づいて、各商品それぞれの実際の売上である実績売上を収集する。例えばPOSサーバ7は、その当日の開店時から現在までにおいて時間ごとに実績売上を収集する。また、POSサーバ7は、実績売上に関する情報として、実績売上に係る商品の商品データ(後述)に対応する情報等を収集する。POSサーバ7は、収集した実績売上及び実績売上に関する情報を価格管理サーバ10へ出力する。
【0020】
価格管理サーバ10は、複数の商品の価格を統括的に管理する。価格管理サーバ10は、一般的なコンピュータで構成されている。図2に示されるように、価格管理サーバ10は、記憶部11、ディスプレイ12、スピーカ13、通信部14及び制御部15を有する。
【0021】
記憶部11は、ROM、RAM、及びHDD等で構成されている。記憶部11には、売上データが記憶されている。売上データは、店舗内の各商品それぞれの過去の売上に関するデータである。例えば売上データは、図3に示されるように、各商品それぞれについて、「価格」、「販売数」、「時間帯」、「天気」、「イベント」及び「在庫」等が関連付けられた情報である。時間帯は、商品の販売時の時間帯である。例えば時間帯は、朝、昼及び夕方等である。天気は、商品の販売時の天気である。例えば天気は、良い、悪い、台風接近時、台風通過時、台風通過直後等である。イベントは、商品の販売時に催されているイベントである。例えばイベントは、クリスマス、運動会、お祭り及び正月等である。商品の販売時において予め定められたイベント候補の何れも催されていない場合、イベントは無しとされる。在庫は、商品の販売時における当該商品の在庫数である。記憶部11には、POSシステム3で収集された実績売上に関する情報が記憶されている。
【0022】
ディスプレイ12は、各種の表示を表示する機器である。スピーカ13は、各種の音を出力する機器である。通信部14は、LAN8を介して他の機器と通信を行うため通信機器であり、例えばネットワークカードである。制御部15は、CPU等の演算器である。制御部15は、記憶部11等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の制御を実行する。制御部15は、機能的構成として、価格設定部16及び異常価格通知実行部17を有する。
【0023】
価格設定部16は、記憶部11の売上データに基づいて、店舗内の各商品それぞれの売上最大価格を求める。価格設定部16は、店舗内の各商品それぞれに、当該売上最大価格を設定する。売上最大価格は、将来の売上が最大になると予測される価格に対応する。価格設定部16は、一例として、次のように商品の売上最大価格を設定する。
【0024】
まず、基準価格Ps(i)を、予め設定された価格(例えばメーカ希望小売価格等)から決定する(ステップS1)。iは、商品の番号であり、1以上でN(店舗の商品の種類数)以下の任意の整数である。(i)が付された値は、番号iの商品の値であることを表す。
【0025】
続いて、商品の販売数と価格との相関関係に基づいて、基準価格Ps(i)から基準販売数Qs(i)を算出する(ステップS2)。例えば販売数と価格との相関関係は、図4に示されるように、下式(1)の比例関係を有している。そこで、下式(1)の比例関係に基づいて、基準価格Ps(i)から基準販売数Qs(i)を算出する。販売数と価格との当該相関関係は、記憶部11に記憶された売上データから導出できる。
基準販売数Qs(i)=−b・Ps(i) …(1)
【0026】
続いて、下式(2)に従い、基準価格Ps(i)及び在庫係数K(i)から価格p(i)を算出する(ステップS3)。下式(3)に従い、基準販売数Qs(i)、時間帯係数Z(i)、天気係数W(i)及びイベント係数I(i)から、販売数q(i)を算出する(ステップS4)。
価格p(i)=Ps(i)・K(i) …(2)
販売数q(i)=Qs(i)・Z(i)・W(i)・I(i) …(3)
【0027】
在庫係数K(i)、時間帯係数Z(i)、天気係数W(i)及びイベント係数I(i)は、記憶部11の売上データに基づいて求めることができる。これらの係数は、経験、シミュレーション、数的処理、統計学上等の観点から種々の公知手法により求めることができる。例えば在庫係数K(i)は、在庫が上限在庫数より多い場合には0.8、在庫が下限在庫数より少ない場合には1.2、及び、それ以外の標準在庫数の場合には1.0である。例えば時間帯係数Z(i)は、時間帯が昼の場合には0.8、時間帯が朝の場合には1.2、及び、時間帯が夕方の場合には1.3等である。例えば天気係数W(i)は、天気が良い場合には1.2、天気が悪い場合には0.8.台風接近時の場合には1.3、及び台風通過時の場合には0.5等である。例えばイベント係数I(i)は、クリスマスのイベント時には1.2、及び、運動会のイベント時には1.0等である。
【0028】
なお、上式(2)において、価格p(i)に含まれる係数は在庫係数K(i)に限定されず、価格p(i)に影響がある他の係数が含まれていてもよい。上式(3)において、販売数q(i)に含まれる係数は時間帯係数Z(i)と天気係数W(i)とイベント係数I(i)とに限定されず、販売数q(i)に影響がある他の係数が含まれていてもよい。
【0029】
続いて、下式(4)に従い、売上Sale(i)を算出する(ステップS5)。tは、時間である。tが0の場合は現在を表す。t1は、特に限定されないが、例えば当日の店舗閉店時に対応する時間である。上記ステップS1〜S5を全ての商品について行い、下式(5)に示される総売上Saleallを得る(ステップS6)。
売上Sale(i)=∫t1[p(i)・q(i)]dt …(4)
総売上Saleall=Sale(1)+Sale(2)+・・・
+Sale(N−1)+Sale(N) …(5)
【0030】
続いて、設定している基準価格Ps(i)を微小額大きく又は小さくし、上記ステップS2〜S6を再実施する(ステップS7)。上記ステップS7を所定回数繰り返し実施することで、異なる基準価格Ps(i)毎に総売上Saleallを算出する。算出した複数の総売上Saleallを比較し、その中で最も大きい最大総売上Saleall_maxを抽出する(ステップS8)。そして、最大総売上Saleall_maxになるときの価格p(i)(すなわち、将来の売上が最大になると予測される価格)を、売上最大価格p_max(i)として決定する。決定した売上最大価格p_max(i)を、番号iの商品に設定する(ステップS9)。
【0031】
例えば価格設定部16は、在庫が標準在庫数(K(i)=1.0)の商品について、基準価格Ps(i)が100円であるときに、上式(2)〜(4)から、売上Sale(i)が25000円であったとする。一方、この商品について、基準価格Ps(i)が80円であるときに、上式(2)〜(4)から、売上Sale(i)が30000円であったとする。この場合、売上Sale(i)が大きい30000円の基準価格Ps(i)が選択され、80円が売上最大価格p_max(i)として設定されることとなる。
【0032】
価格設定部16は、売上最大価格の設定を周期的に繰り返し実行する。売上最大価格の設定を繰り返す時間間隔(周期)は、予め設定された一定時間であってもよいし、時間帯によって変化する可変時間であってもよい。売上最大価格の設定を繰り返す時間間隔は、特に限定されない。
【0033】
価格設定部16は、売上最大価格を新たに設定した場合、新たに設定した売上最大価格をPOSサーバ7に適時のタイミングで送信し、POSサーバ7の商品マスタ71の商品情報を更新する。具体的には、価格設定部16は、新たに設定した売上最大価格がその設定直前の価格(以下、「旧売上最大価格」という)よりも低額の場合、売上最大価格を新たに設定した後即時に当該売上最大価格を送信し、POSサーバ7の商品マスタ71の商品情報を更新する(リアルタイム更新)。一方、価格設定部16は、新たに設定した売上最大価格が旧売上最大価格よりも高額の場合、売上最大価格を新たに設定した後で所定時間経過後に当該売上最大価格を送信し、POSサーバ7の商品マスタ71の商品情報を更新する(遅滞更新)。これは、顧客が商品の価格を確認して商品を手に取ってからレジスタ9で精算する間において、当該価格が下がる場合には問題ないものの、当該価格が上がる場合には顧客に対して予期せぬ不利益を与えてしまうおそれがあることから、このような不利益を抑制するためである。
【0034】
価格設定部16は、売上最大価格を新たに設定した場合、新たに設定した売上最大価格をESLサーバ4に即時に送信し、ESLサーバ4の商品ファイル41の商品情報を更新する(リアルタイム更新)。
【0035】
価格設定部16は、店舗の各商品のそれぞれについて、POSサーバ7で収集された実績売上が、設定されている売上最大価格から予測された売上に対して一致するか否かを判定する。ここでの一致は、完全に一致する場合だけでなく、おおよそ一致する場合も含み、所定の誤差を許容する。具体的には、価格設定部16は、過去の所定期間(例えば当日の開店時から現在まで)における実績売上と、当該過去の所定期間において売上最大価格から予測されていた売上(=∫t2[p_max(i)・q(i)]dt、t2は例えば開店時に対応する時間)と、を比較して一致するか否かを判定する。例えば価格設定部16は、当該判定を周期的に又は所定時刻に実行する。
【0036】
価格設定部16は、売上最大価格から予測された売上に対してPOSサーバ7で収集された実績売上が一致しないと判定した場合、実績売上に基づいて売上データを更新し、更新した売上データに基づいて売上最大価格を商品に再設定する。具体的には、価格設定部16は、一致しないと判定した場合、記憶部11に記憶されている売上データに対してPOSサーバ7で収集された実績売上に関する情報(「価格」、「販売数」、「時間帯」、「天気」、「イベント」及び「在庫」等の情報)を加えて売上データを学習させ、新たな売上データへアップデートする。そして、価格設定部16は、アップデートした売上データに基づいて、上述した売上最大価格の設定を再実施する。
【0037】
異常価格通知実行部17は、売上最大価格が上限閾値よりも高額の場合に、異常価格が設定されたとして、その旨の通知をディスプレイ12及びスピーカ13の少なくとも何れかから出力させる。異常価格通知実行部17は、売上最大価格が下限閾値よりも低額の場合に、異常価格が設定されたとして、その旨の通知をディスプレイ12及びスピーカ13の少なくとも何れかから出力させる。異常価格通知実行部17は、旧売上最大価格を基準にして新たな売上最大価格が所定割合以上変化した価格である場合に、異常価格が設定されたとして、その旨の通知をディスプレイ12及びスピーカ13の少なくとも何れかから出力させる。
【0038】
上限閾値は、許容される売上最大価格のうちの上限金額である。下限閾値は、許容される売上最大価格のうちの下限金額である。所定割合は、許容される変化割合のうちの最大の変化割合である。上限閾値、下限閾値及び所定割合は、商品ごとに予め設定されて記憶部11に記憶されている。ディスプレイ12から出力させる通知は、文字、記号、警告表示又はこれらの組み合わせ等であってもよい。スピーカ13から出力させる通知は、音声、警告音又はこれらの組み合わせ等であってもよい。
【0039】
図1に示されるように、ESLサーバ4は、複数の電子棚札6を統括的に管理する。ESLサーバ4は、一般的なコンピュータで構成され、CPU、ROM、RAM及びHDD等を含む。ESLサーバ4の記憶部には、商品の各種の情報を示すデータファイルである商品ファイル41が記憶されている。商品ファイル41は、店舗内の各商品それぞれの商品情報(「商品コード」、「商品名」及び「価格」等)を格納したファイルである。商品ファイル41は、価格管理サーバ10の価格設定部16(図2参照)による価格設定に応じて即時に更新される。商品ファイル41には、複数の電子棚札6それぞれの固有の識別子である「棚札IDコード」が、商品情報に関連付けられて登録されている。これにより、商品及び価格と電子棚札6とが、一対一の関係で対応付けられる。ESLサーバ4は、複数のアクセスポイント5と接続されており、商品情報及び棚札IDコードをアクセスポイント5に出力する。
【0040】
アクセスポイント5は、電子棚札6との間で各種信号の授受を行う。例えばアクセスポイント5としては、赤外光を利用した赤外線通信を行うトランシーバ等の発信装置が用いられる。アクセスポイント5は、ESLサーバ4から入力された商品情報及び棚札IDコードを電子棚札6へ送信する。アクセスポイント5は、例えば店舗の天井等に間隔を空けて取り付けられている。
【0041】
電子棚札6は、それぞれの商品に対応づけられて配置されている。電子棚札6は、対応する商品に関する商品情報を電磁的に表示する。電子棚札6は、対応する商品の近傍(一般的には、商品の下側)の商品棚のフレームに取り付けられている。顧客は、電子棚札6の表示により商品の価格を認識できる。電子棚札6は、可搬性の装置であり、商品の配置変更に対応できるように商品棚から取り外して別の位置に再配置可能である。図5に示されるように、電子棚札6は、表示部61、通信部62、記憶部63、制御部64、電池65及び検知部66を有する。
【0042】
表示部61は、商品情報を表示させる画面である。表示部61としては、例えば電子ペーパーが用いられる。表示部61は、マトリクス状に配列された複数の画素で構成される、ドットマトリクス方式の不揮発性表示部である。なお、表示部61は、例えば液晶ディスプレイにより構成されてもよい。
【0043】
通信部62は、アクセスポイント5と無線通信を行う。通信部62は、棚札IDコードが関連付けられた商品情報をアクセスポイント5から受信して制御部64に入力する。記憶部63には、その電子棚札6固有の棚札IDコードが記憶されている。電池65は、表示部61、通信部62、制御部64及び検知部66に電力を供給する。
【0044】
検知部66は、電子棚札6から一定範囲内に存在する人の有無を検知する。検知部66は、例えば、赤外線を検知する方式、送信波と反射波との周波数差を検知する方式、反射光を検知する方式、画像の時間変化を検知する方式、又はこれらの組合せを利用して人の所在を検知する人感センサである。検知部66における検知性能は、設置環境に応じて適宜設定される。電子棚札6から、例えば1.5m以内の人の所在を検知可能なセンサを用いることができる。検知部66は、人の所在を検知すると、その旨の情報を制御部64に出力する。検知部66は、人の所在を検知している間、連続的又は間欠的に上記その旨の情報を制御部64に出力してもよい。また、検知部66は、人の所在を検知していない間も、連続的又は間欠的に人の所在を検知していない旨の情報を制御部64に出力してもよい。
【0045】
制御部64は、受信した商品情報のうち、記憶部63に記憶されている棚札IDコードに関連付けられた情報を抽出して、記憶部63に記憶する。制御部64は、表示部61を制御し、記憶部63に記憶された商品情報を表示部61に表示させる。制御部64は、検知部66における人の検知の有無に基づいて、電子棚札6の表示部61に表示される商品情報のうち、少なくとも価格に関する情報の変更タイミングを制御する。本実施形態の制御部64は、価格管理サーバ10の価格設定部16によって設定された売上最大価格の変更タイミングを制御する。上記売上最大価格の変更タイミングは、目的に応じて様々な態様とすることができる。
【0046】
例えば、電子棚札6の表示部61において売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減するために、上記売上最大価格の変更タイミングを第一の態様又は第二の態様とすることができる。すなわち、第一の態様では、制御部64は、検知部66が人を検知しているとき、電子棚札6の表示部61に表示される売上最大価格の変更を禁止する。また、第二の態様では、制御部64は、検知部66が人を検知していないときに表示部61に表示される売上最大価格の変更を実行する。
【0047】
例えば、電子棚札6の表示部61において売上最大価格が値下げの方向に変更される場合、その瞬間を敢えて客に見せることにより客にお得感を感じさせるために、上記売上最大価格の変更タイミングを第三の態様とすることができる。第三の態様では、制御部64は、売上最大価格が値下げの方向に変更する場合に限り、検知部66が人を検知しているときに表示部61に表示される売上最大価格の変更を実行する。なお、第一〜第三の態様は、適宜複数組み合わせてもよい。
【0048】
以上に説明した販売管理システム100において、価格管理サーバ10の価格設定部16は、例えば30分〜1時間の周期にて、店舗内の各商品の価格設定を繰り返し行う。価格設定部16は、売上最大価格を設定した場合には、設定した売上最大価格をESLサーバ4に即時に送信し、ESLサーバ4の商品ファイル41の商品情報をリアルタイム更新する。ESLサーバ4は、商品ファイル41が更新された場合、アクセスポイント5を介して即時に当該商品ファイル41の商品情報を電子棚札6へ送信する。
【0049】
電子棚札6は、商品情報を受信すると、受信した商品情報に基づいて表示部61に売上最大価格を表示(変更)する。電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されていない場合には、即時に当該売上最大価格を表示してもよい。電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されている場合には、即時に当該売上最大価格を表示せず、検知部66による人の所在の検知がなくなってから当該売上最大価格を表示してもよい。
【0050】
また、電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されている場合には、即時に当該売上最大価格を表示してもよい。電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されていない場合には、即時に当該売上最大価格を表示させず、検知部66によって人の所在が検知されてから当該売上最大価格を表示するようにしてもよい。
【0051】
以上、販売管理システム100では、商品の売上が最大になると予測される売上最大価格を、商品に設定して顧客に提示することができる。これにより、需要と供給とを一致させた状態とすることができ、価格が高いが販売数が少なくて売上が伸びないこと、及び、販売数は多いが価格が低くて売上が伸びないことを抑制することが可能となる。その結果、商品の売上を最大化することが可能となる。
【0052】
上記販売管理システム100では、検知部66における人の検知の有無に基づいて電子棚札6の表示部61に表示される売上最大価格の変更タイミングを制御することができる。このため、例えば、検知部66が人を検知しているときに売上最大価格の表示変更を禁止したり、検知部66が人を検知していないときに売上最大価格の表示変更を実行したりできる。これにより、表示部61において上記売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減でき、客の購買意欲を減退させてしまうことを防止できる。この結果、商品の売上を最大化することができる可能性を高めることができる。
【0053】
上記販売管理システム100では、制御部64は、第一〜第三の態様で電子棚札6における売上最大価格の変更タイミングを制御するので、表示部61において売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減できたり、これとは反対に電子棚札6の表示部61において売上最大価格が値下げの方向に変更される場合には、その瞬間を敢えて客に見せて客にお得感を感じさせたりすることできる。この結果、商品の売上を更に高めることができる。
【0054】
商品価値ひいては売上は、例えば時間帯又は天候によって変化することが見出される。この点、販売管理システム100では、価格設定部16は、売上最大価格の設定を周期的に繰り返し実行する。電子棚札6は、価格設定部16により設定された売上最大価格をリアルタイムに表示する。これにより、商品価値ひいては売上の時間的変化を適時に売上最大価格に反映でき、当該売上最大価格をリアルタイムに顧客に提示できる。したがって、商品の売上を最大化する上記効果を確実に実現できる。
【0055】
販売管理システム100は、POSシステム3により、実際の売上である実績売上を収集する。価格設定部16は、設定されている売上最大価格から予測された売上に対してPOSシステム3で収集された実績売上が一致しない場合、実績売上に基づいて売上データを更新すると共に、当該売上データに基づいて売上最大価格を商品に再設定する。売上最大価格)から予測された売上に対して実績売上が一致しない場合には、その売上最大価格が適切に設定されていないことが見出される。よってこの場合、売上データを更新すると共に売上最大価格を再設定することで、商品の売上を最大化する上記効果を確実に実現できる。
【0056】
販売管理システム100は、売上最大価格が上限閾値よりも高額の場合、売上最大価格が下限閾値よりも低額の場合、又は、旧売上最大価格を基準にして売上最大価格が所定割合以上変化した価格である場合に、その旨をスピーカ13及び通信部14の少なくとも何れかから通知する。これにより、設定した売上最大価格が極端に高額又は低額になるという異常が発生した場合でも、通知によって当該異常をオペレータ等に知らしめることができる。
【0057】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0058】
上記販売管理システム100では、表示部61と検知部66とが一体的に形成された電子棚札6を例に挙げて説明したが、表示部61と検知部66とが別体として設けられてもよい。例えば、図6に示されるように、電子棚札6A〜6Eとは別体として構成されると共に、電子棚札6A,6B,6Cから所定の距離内の人の所在の有無を検知する第一検知部81Aと、電子棚札6D,6Eから所定の距離内の人の所在の有無を検知する第二検知部81Bと、を備えていてもよい。また、上記販売管理システム100では、検知部66における人の検知の有無に基づいて、表示部61に表示される売上最大価格を変更するタイミング制御が、電子棚札6の制御部64によって実行される例を挙げて説明したが、例えば、図6に示されるように、ESLサーバ4に備わる表示制御部83によって実行されてもよい。
【0059】
このような構成の販売管理システム200においても、表示部61において上記売上最大価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減でき、客の購買意欲を減退させてしまうことを防止できる。この結果、商品の売上を最大化することができる可能性を高めることができる。更に、この構成の販売管理システム200では、電子棚札6の単価を抑制することができたり、一つの検知部81における検知結果を利用して複数の電子棚札6における売上最大価格の表示変更タイミングを制御したりすることができる。
【0060】
なお、販売管理システム200では、表示制御部83が検知部66における人の検知の有無に基づいて表示部61に表示される売上最大価格の変更タイミングを制御する構成に代えて、電子棚札6における制御部64が、上記変更タイミングを制御する構成としてもよい。
【0061】
上記実施形態において、価格設定部16による売上最大価格の設定手法は特に限定されず、種々の公知手法を用いて売上最大価格を設定してもよい。上記実施形態において、価格設定部16が価格管理サーバ10に搭載されているが、この構成に限定されず、例えばストアコントローラ2に搭載されていてもよい。要は、価格設定部16と電子棚札6とが直接的又は間接的に通信可能とされ、価格設定部16で設定された売上最大価格が電子棚札6で受信可能に構成されていればよい。
【0062】
上記実施形態において、価格設定部16は、現在から将来(当日の閉店時まで)の売上が最大になると予測される売上最大価格を求めたが、将来の所定期間における売上が最大になると予測される売上最大価格を求めてもよい。この場合、電子棚札6は、当該所定期間が到来した際かつ検知部66によって人の所在が検知されていないときに自動的に、求めた売上最大価格を表示する。このような構成においても、商品の売上を最大化することが可能となる。
【0063】
上記実施形態において、売上データは特に限定されず、売上最大価格を設定するための様々なデータを含んでいてもよい。上記実施形態において、売上データは記憶部11に記憶されていなくてもよい。売上データは、USBメモリ又はリムーバブルハードディスク等の外部記憶媒体から取得してもよい。売上データは、直接又はネットワークを介した通信によって取得してもよい。
【0064】
上記実施形態又は変形例では、記憶部11の売上データに基づいて店舗内の各商品のそれぞれの売上最大価格を求める価格設定部16を有する価格管理サーバ10を設けた例を挙げて説明したが、価格管理サーバ10を備えない販売管理システムとしてもよい。すなわち、商品に対応して配置され、商品に関する情報を表示する価格表示部と、価格表示部から一定範囲内に存在する人の有無を検知する検知部と、検知部における人の検知の有無に基づいて、価格表示部に表示される商品に関する情報の変更タイミングを制御する制御部と、を備える、販売管理システムとして構成してもよい。
【0065】
電子棚札6は、内蔵する検知部66又は電子棚札6とは別体として設けられた検知部81)によって人の所在が検知されていない場合には、即時に商品に関する情報を表示(変更)してもよい。また、電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されている場合には、即時に商品に関する情報を表示せず、検知部66による人の所在の検知がなくなってから当該商品に関する情報を表示してもよい。また、電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されている場合には、即時に当該商品に関する情報を表示してもよい。電子棚札6は、内蔵する検知部66によって人の所在が検知されていない場合には、即時に当該商品に関する情報を表示させず、検知部66によって人の所在が検知されてから当該商品に関する情報を表示するようにしてもよい。
【0066】
当該商品に関する情報としては、商品価格が有効である。表示部61において価格が変更される瞬間を客に見られる可能性を低減できたり、これとは反対に電子棚札6の表示部61において価格が値下げの方向に変更される場合には、その瞬間を敢えて客に見せて客にお得感を感じさせたりすることできる。この結果、商品の売上を高めることができる。この結果、商品の売上を最大化することができる可能性を高めることができる。
【符号の説明】
【0067】
3…POSシステム、4…ESLサーバ、6(6A〜6E)…電子棚札(価格表示部)、16…価格設定部、64…制御部、66…検知部、81(81A,81B)…検知部、83…表示制御部(制御部)、100,200…販売管理システム。
図1
図2
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図5
図6