特許第6876322号(P6876322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876322
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】パウチ袋用注出口、及び、パウチ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20210517BHJP
   B65D 47/12 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B65D33/38
   B65D47/12 200
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-4097(P2017-4097)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2018-111528(P2018-111528A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】595124158
【氏名又は名称】原化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】原 琢磨
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−060218(JP,A)
【文献】 特開2010−036929(JP,A)
【文献】 特開2002−120854(JP,A)
【文献】 特開2016−064850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D33/38
B65D47/12
B65D47/40
B65D75/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体が収容されるパウチ袋を形成するシート材に対して熱溶着される被溶着部と、
前記被溶着部を貫通するように形成され、前記パウチ袋内と外部とを連通する連通孔と、
前記連通孔に対して立設され、前記パウチ袋内の液体が前記連通孔を介して外部へと注ぎ出されるノズルと、
前記ノズルの先端側の周囲を囲むように設けられた筒状周壁と、
前記筒状周壁の基端側と前記被溶着部又は前記ノズルとの間を接続し、前記筒状周壁から前記連通孔側へ向かって傾斜する傾斜面を具備する底部と、を具備し、
前記ノズルが前記筒状周壁の中心軸に対して当該筒状周壁の内壁面側へ偏移させて設けられており、
前記ノズルの先端が前記筒状周壁の外側に配置されるように構成されていることを特徴とするパウチ袋用注出口。
【請求項2】
前記底部が、円錐状に形成されており、その底面側が前記筒状周壁の基端へ接続され、その頂点側が前記被溶着部において前記連通孔の近傍に接続される請求項1記載のパウチ袋用注出口。
【請求項3】
前記被溶着部がシート材に対して取り付けられた状態で、前記底部における前記ノズル側の傾斜面は、前記筒状周壁側が前記連通孔側よりも高くなるように構成されている請求項1又は2記載のパウチ袋用注出口。
【請求項4】
前記筒状周壁の中心軸が鉛直方向に対して45度傾くように配置された状態において、前記底部における前記ノズル側の傾斜面は、前記筒状周壁側が前記連通孔側よりも高くなるように構成されている請求項1乃至3いずれかに記載のパウチ袋用注出口。
【請求項5】
前記ノズルが、前記筒状周壁の中心軸側に当該ノズルの先端から前記連通孔に至るスリットを有している請求項1乃至4いずれかに記載のパウチ袋用注出口。
【請求項6】
前記連通孔が、前記ノズルと前記筒状周壁の離間距離が最も大きい方向へ膨出し、前記ノズルからはみ出した膨出部を具備する請求項1乃至5いずれかに記載のパウチ袋用注出口。
【請求項7】
前記筒状周壁の外側周面にはおねじが形成されており、内側周面にめねじが形成された計量カップが螺合可能に構成されている請求項1乃至6いずれかに記載のパウチ袋用注出口。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかに記載のパウチ袋用注出口と、
前記パウチ袋用注出口の前記被溶着部に対して熱溶着されたパウチ袋と、を備えたパウチ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ袋に取り付けられるパウチ袋用注出口に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体洗剤等は硬質樹脂で形成されたブローボトルに収容されて販売、使用されており、使用によって内容物が減少した場合には詰め替え用のパウチ容器を用いて前記ブローボトルに内容物の再充填が行われている。このようにすることで、消費者はブローボトルを再度新たに購入する場合と比較して、購入費用を抑えつつ、樹脂材料の使用量を低減して省資源化に協力できる。また、液体洗剤の製造業者としても詰め替え用のパウチ容器により液体洗剤が販売できることによって、製品としての重量を低減したり、空のブローボトルを保管しておくためのスペースを削減したりできる。このため、製造業者にとっても製品の運送費や保管スペースのための費用を低減できるといった経済的なメリットがある。
【0003】
ところで、さらに樹脂材料の使用量を低減したり、従来よりも内容量を大きくしつつ、製品の重量やコストを低減したりするために硬質樹脂で形成されたブローボトルを使用せずに、詰め替え用のパウチ容器自体を日常的に使用したいという要望もある(特許文献1参照)。
【0004】
このような要望に応えるために特許文献1では詰め替え用のパウチ容器に取り付けられる計量カップが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−114591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の詰め替え用のパウチ容器は日常使用されるブローボトルに対して1回の使用量と比較して大量の液体洗剤を注いで再充填することしか意図されておらず、注出口は円筒状等の非常に簡単な構造で形成されている。さらに、パウチ袋自体は柔らかい樹脂で形成されているため、パウチ容器の注出口から計量カップ内へ液体洗剤を注ごうとすると、注出口の向きがぶれてしまうことがある。これらのことから、パウチ容器から1回の洗濯に必要な少量の液体洗剤を計量カップで計りとるのは現状では難しく、使い勝手が悪い。
【0007】
また、液体洗剤が外へ多く出過ぎてしまった場合にはパウチ容器内へ戻す必要があるが、例えば硬質樹脂で形成されたブローボトルの注出口の構造をそのままパウチ容器に採用しても注出口で液体洗剤が貯まってしまい、うまくパウチ容器内へ戻らないという問題がある。
【0008】
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、パウチ袋内に収容されている液体を少量であっても注ぎ出しやすく、外部からパウチ袋内へ液体が戻りやすいパウチ袋用注出口を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係るパウチ袋用注出口は、内部に液体が収容されるパウチ袋を形成するシート材に対して熱溶着される被溶着部と、前記被溶着部を貫通するように形成され、前記パウチ袋内と外部とを連通する連通孔と、前記連通孔に対して立設され、前記パウチ袋内の液体が前記連通孔を介して外部へと注ぎ出されるノズルと、前記ノズルの先端側の周囲を囲むように設けられた筒状周壁と、前記筒状周壁の基端側と前記被溶着部又は前記ノズルとの間を接続し、前記筒状周壁から前記連通孔側へ向かって傾斜する傾斜面を具備する底部と、を具備し、前記ノズルが前記筒状周壁の中心軸に対して当該筒状周壁の内壁面側へ偏移させて設けられていることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、前記ノズルによって前記パウチ袋内から注ぎ出される液体の量を絞れるので、液体を少量でも計りとりやすくすることができる。また、パウチ袋を大きく傾けなくてもパウチ袋内の液体が注ぎ出されるようにするために本発明に係るパウチ袋用注出口を自然状態で鉛直方向に対して斜めに傾けた状態で取り付けた場合でも、前記ノズルが前記筒状周壁の中心軸に対して当該筒状周壁の内壁面側へ偏移させてあるので、ノズルを下方側にしてパウチ袋に取り付けておくことにより、前記ノズルと前記筒状周壁又は前記底部との間の隙間を小さくして使用されなかった液体が貯まりにくくすることができる。
【0011】
前記パウチ袋用注出口の内周面や前記ノズル等に付着している液体が、重力によって前記連通孔へと集められ、前記パウチ袋の内部へと自然に戻されやすくするには、前記底部が、円錐状に形成されており、その底面側が前記筒状周壁の基端へ接続され、その頂点側が前記被溶着部において前記連通孔の近傍に接続されていればよい。
【0012】
前記パウチ袋用注出口内で液体が貯まる部分を無くし、使用していない間に余分な液体が前記連通孔から前記パウチ袋内へと戻されやすくするには、前記被溶着部がシート材に対して取り付けられた状態で、前記底部における前記ノズル側の傾斜面は、前記筒状周壁側が前記連通孔側よりも高くなるように構成されていればよい。
【0013】
前記パウチ袋をそれほど傾けなくても前記パウチ袋用注出口から液体が注ぎ出されるようにしつつ、前記筒状周壁の中心軸が鉛直方向に対して45度傾くように配置された状態において、前記底部における前記ノズル側の傾斜面は、前記筒状周壁側が前記連通孔側よりも高くなるように構成されていればよい。
【0014】
前記パウチ袋用注出口から前記パウチ袋内へ液体を導入しやすし、かつ、樹脂成型をしやすくするには、前記ノズルが、前記筒状周壁の中心軸側に当該ノズルの先端から前記連通孔に至るスリットを有していればよい。
【0015】
前記筒状周壁や前記底部に付着する液体が前記連通孔を介して前記パウチ袋内へと戻りやすくための具体的な構成としては、前記連通孔が、前記ノズルと前記筒状周壁の離間距離が最も大きい方向へ膨出し、前記ノズルからはみ出した膨出部を具備するものが挙げられる。
【0016】
使用時以外においては前記パウチ袋内から液体が外部に液体が注ぎ出されないようにでき、使用時には少量の液体を計りとるのに利用できるようにするには、前記筒状周壁の外側周面にはおねじが形成されており、内側周面にめねじが形成された計量カップが螺合可能に構成されていればよい。
【0017】
本発明に係るパウチ袋用注出口と、前記パウチ袋用注出口の前記被溶着部に対して熱溶着されたパウチ袋と、を備えたパウチ容器であれば、例えば液体洗剤のように少量を図りとる用途にも適したものとなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るパウチ袋用注出口によれば、パウチ袋内に収容されている液体をノズルによって外部へ注ぎ出やすくしつつ、注ぎ出された余分な液体については内部に留まる量を低減できる。例えば、液体洗剤であれば硬質樹脂で形成されたブローボトルに充填されたものを使用するのと同等の使用感を得られる。また、詰め替え用途ではなく通常使用においてパウチ袋を用いることができるので、消費者にとってはブローボトルに液体が充填された商品を購入する場合と比較して購入費用を抑えつつ、省資源化にも協力することができる。また製造業者にとっては未充填のパウチ袋はブローボトルと比較して容積を取らずに在庫として保管しておけるので、省スペース化による保管費用の低減を図れる。さらに通常使用品としてパウチ袋を使用して製品自体の計量化を図れるので輸送費を削減したり、低減できたコストの分だけ内容量を増加させたりすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るパウチ容器を示す模式図。
図2】同実施形態におけるパウチ袋用注出口の六面図。
図3】同実施形態におけるパウチ袋用注出口のA−A線断面図。
図4】同実施形態におけるパウチ袋用注出口のB−B線断面図。
図5】同実施形態におけるパウチ袋用注出口の取り付け状態における断面拡大図。
図6】同実施形態における計量カップを示す模式図。
図7】その他の実施形態に係るパウチ容器を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係るパウチ容器200について各図を参照しながら説明する。本実施形態に係るパウチ容器200は、液体洗剤が内部に収容されるパウチ袋101と、前記パウチ袋101に対して取り付けられるパウチ袋用注出口100と、前記パウチ袋用注出口100に対して螺合される計量カップ102と、を備えている。
【0021】
前記パウチ袋101は、軟質樹脂のシート材を2枚熱溶着させて底側にまちを形成し自立するようにしたいわゆるスタンディングパウチである。この実施形態では図1に示されるように自立している状態の前記パウチ袋101において上側角部に前記パウチ袋用注出口100が斜めに傾けて熱溶着してある。
【0022】
前記パウチ袋用注出口100は、硬質樹脂で射出成型されたものであり、前記パウチ袋101に熱溶着される被溶着部1と、前記被溶着部1に対して立設させて設けてあるノズル3と、前記ノズル3の周囲を囲むように設けられ、前記計量カップ102が外側周面に螺合される筒状周壁4と、前記筒状周壁4と前記被溶着部1との間を接続する底部5と、を備えている。
【0023】
前記パウチ袋用注出口100の各部の詳細について図2乃至図5を参照しながら説明する。図2はパウチ袋用注出口100の六面図であり、背面については正面と左右対称に表れるため省略してある。図3図2のA−A線断面図であり、図4図2のB−B線断面図である。図5はパウチ袋101に取り付けられた状態のパウチ袋用注出口100の断面拡大図である。
【0024】
前記被溶着部1は、図2に示されるように概略ひし形形状の上下面を有する柱状体であり、その中央部には前記パウチ袋101の内部と外部とを連通する連通孔2が貫通させてある。前記被溶着部1の外側周面に対して前記パウチ袋101を構成する2枚のシート材が厚み方向に挟んで状態で熱溶着される。すなわち、前記被溶着部1の外側周面が被熱溶着面をなしており、その厚み寸法は前記筒状周壁4の直径よりも小さく形成してある。また、前記被溶着部1の上下面を概略ひし形状にして、その厚み寸法を小さくしてあるのでシート材が前記被溶着部1の外側周面に沿う距離や曲率を大きくしてたわまずに熱溶着しやすくしてある。図2において前記熱溶着部よりも上側にある各部は前記パウチ袋101の外側に配置されることになる。
【0025】
前記連通孔2は図2における上面図、下面図に示されるように概略円形状の主部と、長方形状であり前記ノズル3の外側へはみ出して膨出したキー溝状の膨出部21とからなる。前記パウチ容器200を傾斜させた際には主に前記連通孔2の主部から前記ノズル3内へ前記パウチ袋101内の液体洗剤が流れていき、外部へと注ぎ出される。一方、前記膨出部21へは前記パウチ容器200を自立させたままの状態におくと前記計量カップ102又は前記パウチ袋用注出口100の内側に付着していた液体洗剤が重力により下方へ移動し、前記パウチ袋101内へ戻るための通路として作用する。
【0026】
前記ノズル3は図2乃至図4に示されるように前記筒状周壁4の中心軸Cに対して当該筒状周壁4の内壁面側へ偏移させて設けてある。図2の右側面図、図4の縦断面図に示されるように前記ノズル3において前記筒状周壁4の中心軸C側には当該ノズル3の延伸方向に対して延びるスリットが先端から前記連通孔2に至るまで形成してある。図4に示されるように縦断面視において前記ノズル3は前記筒状周壁4及び前記底部5の中心軸Cと、前記筒状周壁4の内壁面との間の領域に全体が収容されるようにしてある。具体的には前記パウチ袋用注出口100が、前記パウチ袋101に対して斜めに取り付けられた状態において前記ノズル3は下方側に配置されるようにしてある。そして前記ノズル3と前記筒状周壁4の内壁面との間の空隙のうち下方側は上方側よりも狭くなるように構成してある。本実施形態では前記ノズル3と前記筒状周壁4との間で最も狭い空隙の大きさは前記計量カップ102の一部が空隙内に収容される程度に設定してある。
【0027】
前記筒状周壁4は、円筒状のものであり外側周面にはおねじ41が形成してあり、前記計量カップ102に形成されためねじ71と螺合するようにしてある。前記筒状周壁4の先端側の内側周面は前記計量カップ102において立設する円環状のストッパ61部材と嵌合して前記計量カップ102が前記筒状周壁4に螺合している状態では前記パウチ袋101内の液体洗剤が外部に漏れないように作用する。
【0028】
前記底部5は、前記筒状周壁4の基端側と前記被溶着部1又は前記ノズル3との間を接続し、前記筒状周壁4から前記連通孔2側へ向かって傾斜する傾斜面51を具備するものである。より具体的には前記底部5は図2乃至図4に示されるように倒立した円錐状に形成されており、その底面側が前記筒状周壁4の基端へ接続してあり、その頂点側が前記被溶着部1において前記連通孔2の近傍に接続してある。すなわち、前記底部5は前記連通孔2の膨出部21を中心部とするすり鉢状の形状を有している。図5に示されるように前記パウチ袋用注出口100が鉛直方向に対して45度傾けて取り付けた場合でも、前記底部5における前記ノズル3側の傾斜面51は、前記筒状周壁4側が前記連通孔2側よりも高くなるように構成してある。言い換えると、傾けて取り付けた状態において前記ノズル3の近傍において液体洗剤が貯まるポケットが形成されないようにしてある。
【0029】
前記計量カップ102は、所定量の液体洗剤を計量するための内筒6と、前記筒状周壁4に螺合されるめねじ71が形成された外筒7とを備えている。すなわち、前記計量カップ102の開口側は概略二重円筒状に形成してある。本実施形態では未使用時にて前記パウチ袋用注出口100の周囲に係合するプルーフリングに対して開口側端部が一部接続してあり、前記計量カップ102を回し外す際にちぎれて外れるようにしてある。
【0030】
このように構成されたパウチ容器200によれば、前記パウチ袋用注出口100が前記パウチ袋101が自立している状態において自立方向に対して傾斜させて取り付けてあるので、前記パウチ容器200を少し傾けるだけでも前記パウチ袋101の内部から液体洗剤を外部へ注ぎ出すことができる。前記パウチ容器200を大きく傾けなくてもよいので、前記パウチ袋101がよれて前記ノズル3から液体洗剤が注ぎ出される方向が変化してしまうのも防ぎやすい。また、前記ノズル3によって前記パウチ袋101内から注ぎ出される液体の量を絞れるので、液体を少量でも計りとりやすくすることができる。
【0031】
さらに、前記ノズル3が前記筒状周壁4の中心軸Cに対して当該筒状周壁4の内壁面側へ偏移させてあり、かつ、ノズル3を下方側にして前記パウチ袋用注出口100が設けてあるので、前記ノズル3と前記筒状周壁4又は前記底部5との間の隙間を小さくすることができる。このため、前記筒状周壁4や前記底部5の内側周面、あるいは、計量カップ102に付着して残った液体洗剤が前記筒状周壁4と前記ノズル3との間に貯まりにくくすることができる。
【0032】
加えて、前記パウチ容器200を自立させている状態において、前記底部5において前記ノズル3近傍の傾斜面51がノズル3の先端側のほうがノズル3の基端側よりも高くなるようにしてあるので、重力により各部に付着している液体洗剤は前記底部5の傾斜面51に沿って前記連通孔2へ向かって移動し、最終的に前記パウチ袋101内へとスムーズに回収することができる。
【0033】
また、本実施形態のパウチ容器200であれば硬質樹脂で形成されたブローボトルで液体洗剤の計量をするのに近い感覚で使用できる。さらに前記パウチ容器200は同じ充填量であればブローボトルと比較して軽量化できるので、女性やシニアであっても使いやすくできる。また、本実施形態のパウチ容器200は液体洗剤を規定量充填するのに必要な容積を作るために必要となる樹脂の量を少なくできるので、容器の製造にかかるコストが低減できる。このため、前記パウチ容器200について従来よりも内容量を多くし大型化するといったことも可能となる。このように本実施形態のパウチ容器200は消費者にとっては従来と同等の使用感を得ながら、購入費用を抑え、省資源化といったエコ活動にも協力できる。また、製造業者からするとパウチ容器200は未充填の間は小さくたためることから在庫品を保管するためのスペースを小さくでき、保管のための費用等も低減できる。したがって、従来のブローボトルから本実施形態のパウチ容器200は通常使用のために用いるようにすることで消費者、製造業者ともにメリットを享受できる。
【0034】
その他の実施形態について説明する。
【0035】
図7に示すようにパウチ袋用注出口は例えばノズルが鉛直方向の沿って延びるようにパウチ袋に対して取り付けても構わない。また、パウチ袋用注出口を傾けて取り付ける場合でもその角度は鉛直方向や自立方向に対して45度には限られず、より小さい角度や大きい角度であっても構わない。
【0036】
被溶着部がシート材に対して取り付けられた状態で、底部におけるノズル側の傾斜面は、前記筒状周壁側が前記連通孔側よりも高くなるように構成されていれば、パウチ袋用注出口内で液体が滞留するのを防ぐ効果が得られる。
【0037】
底部の形状は円錐形状に限られるものではなく例えば一部については筒状周壁と同様に部分円筒状に形成してあってもよい。すなわち、少なくとも前記ノズルの近傍においては傾斜面が形成されるようにしてもよい。熱溶着部の形状や大きさについても実施形態に示したものに限られず、例えば筒状周壁と同様に直径を有する円板状に形成し、円周全体にシート材が熱溶着されるようにしてもよい。
【0038】
パウチ袋内に収容される液体は液体洗剤に限られるものではなく、例えばジャンプ―やコンディショナーなどその他のものであっても構わない。特にパウチ袋内に収容されている液体の全体量に対して少量だけ計量する必要がある液体について販売、使用するのに本発明は適している。また、本発明はパウチ袋内に収容されるのは液体だけでなく粉体等であっても構わない。
【0039】
パウチ袋についてはスタンディングパウチに限られるものではなく、その他のタイプのパウチ袋であっても本発明に係るパウチ袋用注出口は適応可能である。
【0040】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0041】
200・・・パウチ容器
100・・・パウチ袋用注出口
101・・・パウチ袋
1 ・・・被溶着部
2 ・・・連通孔
21 ・・・膨出部
3 ・・・ノズル
4 ・・・筒状周壁
5 ・・・底部
51 ・・・傾斜面
6 ・・・内筒
7 ・・・外筒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7