(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クロージャ機構が、前記アーム区分の前記後方端部のそれぞれに磁気的誘引要素を含む磁気クロージャ機構を備え、前記磁気的誘引要素が、相互に誘引して係合し、それによって前記ヘッドセットを閉じるように適合され、任意に
前記磁気的誘引要素のそれぞれが、球面を画定し、ハウジングの中に配置される少なくとも部分を有し、前記磁気的誘引要素の前記球面が、単一の点で相互に係合し、それによって前記ヘッドセットを閉じるように適合される、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘッドセット。
前記本体部材の内面上に載置され、前記ユーザの前記皮膚と係合するように適合された少なくとも1つの圧縮性部分をさらに備え、前記圧縮性部分が、前記ヘッドセットの中心に向かって半径方向に延び、
前記ヘッドセットが前記ユーザによって着用されていないときには、前記ヘッドセットが前記ユーザによって着用されているときよりも、前記圧縮性部分が、前記ヘッドセットの前記中心に向かって半径方向により大きい度合いまで延びているように、前記少なくとも1つの圧縮性部分が、前記ヘッドセットが、前記ユーザによって着用されるとき、付勢されて前記ユーザの皮膚に当たり、前記皮膚に当たって圧縮するように適合される、
請求項1〜6のいずれか一項に記載ヘッドセット。
【発明の概要】
【0007】
本発明のいくつかの教示によれば、
ユーザの頭部を囲むのに十分な長さの細長い本体部材であって、細長い本体部材は、閉状態を有し、前方区分および1対のアーム区分を含み、各アーム区分は、前方区分から離れる方向に延びていて、後方端部で終端する、細長い本体部材と、
アーム区分の後方端部と関連付けられたクロージャ機構であって、クロージャ機構は、開位置および閉位置を有し、クロージャ機構が閉位置にあるとき、本体部材が、閉状態にあり、それによって、ヘッドセットが、全周囲にある、クロージャ機構と、
本体部材の内面上に載置された、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサであって、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサは、処理ユニットと電気的に通信するように適合される、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと
を含み、
ヘッドセットが、ユーザの頭部上に着用されるとき、ヘッドセットが、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサを付勢してユーザの頭部の皮膚に接触して配置させるように構成され、
アーム区分が、弾性を有し、アーム区分が外側に位置がずれたときに、先行荷重が、アーム区分を互いに向かって動かすように、所定の先行荷重を有する、
ヘッドセットが提供される。
【0008】
本発明のいくつかの教示によれば、
ユーザの頭部を囲むのに十分な長さの細長い本体部材であって、細長い本体部材は、閉状態を有し、前方区分と、1対のアーム区分であって、各アーム区分は、前方区分から離れる方向に延びていて、後方端部で終端する1対のアーム区分とを含む、細長い本体部材と、
アーム区分の後方端部と関連付けられたクロージャ機構であって、クロージャ機構は、開位置および閉位置を有し、クロージャ機構が閉位置にあるとき、本体部材が、閉状態にあり、それによって、ヘッドセットは、全周囲にある、クロージャ機構と、
本体部材の内面上に載置された、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサであって、処理ユニットと電気的に通信するように適合された、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと
を含み、
ヘッドセットが、ユーザの頭部上に着用されるとき、ヘッドセットが、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサを付勢してユーザの頭部の皮膚に接触して配置させるように構成され、
アーム区分が、弾性を有し、アーム区分が外側に位置がずれたときに、先行荷重が、アーム部材を互いに向かって動かすように、所定の先行荷重を有し、
ヘッドセットをユーザが着用している間を通して、後方端部が、後方端部が頭部と継続的に係合しているように、頭部に力を加えるべく構成される、
ヘッドセットがさらに提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、ユーザは、人間のユーザである。いくつかのこのような実施形態では、細長い本体部材の長さは、700mm、680mm、または660mmより小さい。
【0010】
いくつかの実施形態では、本体部材は、休止状態を有し、休止状態では、アーム区分の一方の少なくとも一部が、アーム区分の他方の少なくとも一部に重なっている。
【0011】
いくつかの実施形態では、力は、20N、15N、または10Nを超える大きさを有さない。いくつかの実施形態では、先行荷重は、アーム区分を閉状態に向かって動かす。いくつかの実施形態では、先行荷重は、アーム区分を休止状態に向かって動かす。
【0012】
いくつかの実施形態では、所定の先行荷重は、ヘッドセットが着用されるとき、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサが、少なくとも、ユーザの頭皮と直接に物理的に接触するように、アーム区分の後方端部が、ヘッドセットを着用している間、ユーザの頭皮と係合していて、毛髪の間に梳いて入ることを確実にするように適合される。
【0013】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットが着用されるとき、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサは、さらに、ユーザの頭皮と直接に電気的に接触する。
【0014】
いくつかの実施形態では、アーム区分は、ヘッドセットを着用している間、後方端部が、アーム区分の端部とユーザの頭部の両側との間に角度を形成しながら、ユーザの頭部の両側と係合しているように構成され、この角度は、ヘッドセットを着用している間を通して、後方端部と頭皮との間の接触に寄与する。いくつかの実施形態では、角度は、90度から20度までの範囲内である。
【0015】
いくつかの実施形態では、前方区分は、前方部材を含み、アーム区分は、前方部材と異なっていて、それに連結されたアーム部材を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、異なる周囲を有する頭部の周りに快適に嵌まるように、本体部材の周囲を調整することができるように構成される少なくとも1つのサイズ調整機構をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのサイズ調整機構は、硬質のサイズ調整機構を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのサイズ調整機構は、2つのサイズ調整機構を含み、それぞれが、アーム区分の一方と関連付けられる。いくつかの実施形態では、サイズ調整機構は、ラチェット式機構または摺動機構を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本体部材は、少なくとも1つの可撓性テンプルアーム部分、アーム区分のそれぞれの後方端部に隣接する1対の可撓性後方部分、および少なくとも1つのサイズ調整機構を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本体部材は、ヘッドセットの前方区分に沿って延びる単一の可撓性テンプルアーム部分、および1対の可撓性後方部分を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、アーム区分のそれぞれは、前方区分に隣接する可撓性テンプルアーム部分、およびアーム区分の端部に隣接する可撓性後方部分を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのテンプルアーム部分の可撓性の度合いが、アーム区分の弾力性を決定する。
【0021】
いくつかの実施形態では、アーム区分のそれぞれの後方部分は、湾曲しており、後方部分の湾曲が、ヘッドセットを着用している間を通して、アーム区分の端部と頭皮との間の継続的な接触に寄与するように構成される。いくつかの実施形態では、後方部分は、休止状態の第1の湾曲と、ヘッドセットを着用している間の第2の湾曲とを有する。いくつかの実施形態では、第1の湾曲に対応する第1の半径は、第2の湾曲に対応する第2の半径より小さい。いくつかの実施形態では、第1の半径は、150mm以下である。いくつかの実施形態では、閉状態では、後方部分の湾曲は、ユーザの頭部の湾曲に順応する。
【0022】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットを着用している間、所定の先行荷重は、主に、アーム区分の後方端部上に作用する。
【0023】
いくつかの実施形態では、サイズ調整機構は、ユーザがヘッドセットを初めて着用したときに調整され、その後、追加的な調整を必要とすることなくユーザによって画定されたサイズを保持するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、クロージャ機構は、アーム区分の後方端部のそれぞれに磁気的誘引要素を含む磁気クロージャ機構を含み、磁気的誘引要素は、相互に誘引して係合し、それによってヘッドセットを閉じるように適合される。いくつかの実施形態では、磁気的誘引要素の一方は、磁石であり、他方は、磁気的誘引金属で作られる。他の実施形態では、磁気的誘引要素は、両方とも磁石である。
【0025】
いくつかの実施形態では、磁気的誘引要素のそれぞれは、球面を画定し、ハウジングの中に配置される少なくとも部分を有し、磁気的誘引要素の球面が、単一の点で相互に係合し、それによってヘッドセットを閉じるように適合される。いくつかの実施形態では、磁気的誘引要素は、ハウジングの中に回転可能に配置され、ヘッドセットの後方端部の特定の位置揃えが付与される最適な極性方向に自動的に向くように適合される。
【0026】
いくつかの実施形態では、磁気的誘引要素が、10mm以下、20mm以下、または30mm以下の距離にあるとき、磁気的誘引要素は、ヘッドセットを閉じるように相互に誘引するように適合される。
【0027】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極が、ユーザの皮膚面と係合するとき、シーリングリムが、少なくとも1つの電極の周囲を密封するように、少なくとも1つの電極は、その周囲に配置される、弾性および可撓性を有する、シーリングリムを有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極は、前方区分の内面上に載置される少なくとも1つの前方電極を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前方電極の少なくとも1つは、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの滑車上神経および眼窩上神経の少なくとも1つの上に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、経頭蓋刺激電極を含む少なくとも1つの前方電極の少なくとも1つは、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの前方脳領域の上に配置されるように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前方電極は、第1の前方電極および第2の前方電極を含み、第1および第2の前方電極のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、高さ、および長さを有し、第1および第2の前方電極の高さは、その最大点が、10mmから40mmまでの範囲内であり、第1および第2の前方電極は、第1の前方電極の第2の端部が、第2の前方電極の第1の端部と、その間にある距離を備えながら隣接し、距離が、1mmから15mmまでの範囲内であるように、細長い本体部材上に相互に並んで水平に配列され、第1の電極の長さ、第2の電極の長さ、および距離で構成される長さは、20mmから55mmまでの範囲内である。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の前方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で滑車上神経の上に配置されるように構成され、第2の前方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で眼窩上神経の上に配置されるように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極のそれぞれは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極は、接合基材上に配置され、共有基材は、第1の前方電極の電極裏当てと電気的に接触している第1の接触部分と、第2の前方電極の電極裏当てと電気的に接触している第2の接触部分とを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1の前方電極の区域と第2の前方電極の区域の間の比率は、0.5〜2の範囲内である。いくつかのこのような実施形態では、第1の電極の区域は、第2の電極の区域と等しい。いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極は、同一の外形を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極は、その低い方の端部で、凹部の反対端部に配置される第1および第2の境界点の間に画定され、ユーザの眉の輪郭に概ね従うように適合された、単一の凹形外形に沿って延びており、
A/L≧0.5mmであって、
Aが、凹部の境界点の間の線および凹部によって境界が示される区域であり、
Lが、境界点の間の線の長さであって、長さ(L)が、少なくとも10mmであり、
凹形外形上の第1の点と、凹形外形と反対側の周辺上の第2の点との間に配置され、第1の点で外形に対して垂直になるように配列された線が、長さHを有し、
凹形外形の全体にわたって、
H
max/H
min≦2.5であって、
H
maxが、全体にわたってHの最大値であり、
H
minが、全体にわたってHの最小値である。
【0035】
いくつかの実施形態では、線と、ある距離だけ離れて隣接する第1の前方電極の第2の端部との間の角度は、45〜110度の範囲内である。
【0036】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、本体部材の内面上に載置され、ユーザの皮膚と係合するように適合された少なくとも1つの圧縮性部分をさらに含み、圧縮性部分は、ヘッドセットの中心に向かって半径方向に延びる。いくつかの実施形態では、ヘッドセットがユーザによって着用されていないときには、ヘッドセットがユーザによって着用されているときよりも、圧縮性部分が、ヘッドセットの中心に向かって半径方向により大きい度合いまで延びているように、少なくとも1つの圧縮性部分は、ヘッドセットが、ユーザによって着用されるとき、付勢されてユーザの皮膚に当たり、皮膚に当たって圧縮するように適合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧縮性部分は、前方区分の内面上に載置される。
【0037】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧縮性部分は、前方区分に連結された可撓性リーフ上に載置された圧縮性部分を備え、可撓性リーフは、休止状態および延長状態を有する。いくつかのこのような実施形態では、延長状態では、可撓性リーフの湾曲は、ヘッドセットを着用しているユーザの頭皮の湾曲と一致する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧縮性部分は、少なくとも1つの電極および少なくとも1つの電極を取り囲んでいる電極ハウジングを含み、電極ハウジングは、少なくとも1つの圧縮性部分および少なくとも1つの電極が圧縮されるとき、少なくとも1つの電極から放出された液体を捕捉するように適合された少なくとも1つの中空室を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットが着用されるとき、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサが、正確に配置されるように、前方区分は、ユーザが、ヘッドセットを着用している間、前方区分をユーザの頭部上で中央に置くことを可能にする少なくとも1つの位置決め指標を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、本体部材は、アーム部材の後方端部に隣接して配置された少なくとも1つの後方区分をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの後方区分は、第1の幅を有する第1の部分から第1の幅より小さい第2の幅を有する第2の部分まで次第に細くなっている、少なくとも部分的に先細の区分を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に先細の区分は、クロージャ機構において第2の部分で終端する。
【0040】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極は、後方区分上に少なくとも部分的に載置された少なくとも1つの後方電極を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの後方電極の少なくとも1つは、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの少なくとも1つの後頭神経枝の上に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、経頭蓋刺激電極を含む少なくとも1つの後方電極の少なくとも1つは、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの後頭脳領域の上に配置されるように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの後方電極は、第1の後方電極および第2の後方電極を含み、第1および第2の後方電極のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、高さ、および長さを有し、第1および第2の後方電極の高さは、5mmから35mmまでの範囲内であり、第1および第2の後方電極は、第1の後方電極の第2の端部が、第2の後方電極の第1の端部と、その間にある距離を備えながら隣接し、距離が、1mmから10mmまでの範囲内であるように、細長い本体部材上に相互に並んで水平に配列され、第1の電極の長さ、第2の電極の長さ、および距離で構成される長さは、10mmから55mmまでの範囲内である。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の後方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で第1の後頭神経枝の上に配置されるように構成され、第2の後方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で第2の後頭神経枝の上に配置されるように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後方電極のそれぞれは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後方電極は、接合基材上に配置され、接合基材は、第1の後方電極の電極裏当てと電気的に接触している第1の接触部分と、第2の後方電極の電極裏当てと電気的に接触している第2の接触部分とを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の後方電極の区域と第2の後方電極の区域の間の比率は、0.5〜2の範囲内である。いくつかのこのような実施形態では、第1の後方電極の区域は、第2の後方電極の区域と等しい。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後方電極の接触面を含む接合接触面は、基部および湾曲した先端を画定し、1対の側部曲線によって連結された概ね円錐台形の輪郭を有し、第1の後方電極および第2の後方電極は、水平対称軸を中心に対称の鏡像である。いくつかの実施形態では、先端の湾曲は、10mm以下の半径を有する円の湾曲と一致し、側部曲線の湾曲は、少なくとも50mmの半径を有する円の湾曲と一致し、第1の後方電極の第2の端部と水平対称軸との間の角度は、75〜105度の範囲内である。いくつかの実施形態では、後方区分は、少なくとも1つの可撓性表面を有し、その中に収容された後方電極を有する後方区分ハウジングを含む。いくつかのこのような実施形態では、ユーザによってヘッドセットが着用され、少なくとも1つの後方電極がユーザの頭皮と係合しているとき、少なくとも1つの可撓性表面に加えられた圧力が、少なくとも1つの可撓性表面の変形を引き起こし、結果として、導電性流体が、少なくとも1つの後方電極からユーザの頭皮に向かって放出され、それによって、少なくとも1つの後方電極とユーザの頭皮との間のインピーダンスを低下させるように、少なくとも1つの可撓性表面は、適合される。いくつかの実施形態では、処理ユニットは、前方区分の中に配置される。他の実施形態では、処理ユニットは、アーム区分の一方の中に配置される。
【0047】
いくつかの実施形態では、処理ユニットは、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと機能的に関連付けられ、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサの動作を制御するように構成された制御要素を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、処理ユニットは、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと機能的に関連付けられ、少なくとも1つの電極から、または少なくとも1つのセンサから入力を受信するように構成された受信機を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、処理ユニットは、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと機能的に関連付けられ、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサの動作を制御し、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサから入力を受信するように構成された送受信機を含む。いくつかの実施形態では、送受信機は、無線通信プロトコルを使用して遠隔制御デバイスから制御命令を受信するように構成された無線通信送受信機を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、処理ユニットは、本体部材上に載置され、少なくとも1つの電気導体を介して、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと通信する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電気導体は、アーム区分の少なくとも一方に沿って延びる。
【0051】
いくつかの実施形態では、アーム区分の少なくとも一方は、アーム区分を折り畳むのに適しているヒンジを含み、少なくとも1つの電気導体が、ヒンジを通って延びる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアーム区分が、ヒンジで折り畳まれているとき、電流は、ヒンジを通って伝導され得ない。
【0052】
いくつかの実施形態では、アーム区分の少なくとも一方は、サイズ調整機構を含み、電気導体が、サイズ調整機構を通って延びる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサと機能的に関連付けられ、その動作のために少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサに電流を供給する電源をさらに含む。いくつかの実施形態では、電源は、その動作のためにそれに電流を供給するための処理ユニットとさらに機能的に関連付けられる。いくつかの実施形態では、電源は、前方区分の中にまたはその上に配置される。他の実施形態では、電源は、アーム区分の一方の中にまたはその上に配置される。
【0054】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極は、ユーザの頭部の皮膚面に電気刺激を送給するように構成された刺激電極を含む。いくつかの実施形態では、刺激電極は、ヘッドセットが着用されるとき、神経または神経接合部の上に配置され、神経または神経接合部に電気刺激を送給するように構成される。いくつかの実施形態では、刺激電極は、ユーザの少なくとも1つの脳領域に電気刺激を送給するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極は、ユーザの身体部分の少なくとも1つの電気的パラメータを感知するように構成された感知電極を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極の少なくとも1つは、本体部材の内面上に載置された少なくとも1つの側部電極を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの側部電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頬骨側頭神経および耳介側頭神経の少なくとも1つの上に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの側部電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザのこめかみの上、およびユーザの耳の前方またはユーザの耳のすぐ後に配置されるように構成される経頭蓋刺激電極を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、本体部材にその中心で取り付けられ、ヘッドセットを着用している間、ユーザの鼻梁上に置くことができる鼻橋部分を含む。いくつかの実施形態では、鼻橋部分は、本体部材に、取り外し可能および交換可能であるように取り付けられる。いくつかの実施形態では、鼻橋部分は、ユーザの鼻または鼻梁に接触し、その外形に従うように適合された少なくとも1つの柔軟性を有する部分を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、その中心に取り付けられヘッドセットは、本体部材にその中心で取り付けられ、ヘッドセットを着用している間、ユーザの目の上に置くことができる、光学的部材および接眼部材の少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施形態では、光学的部材および接眼部材の少なくとも1つは、本体部材に、取り外し可能および交換可能であるように取り付けられる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、共に同じ取付点で本体部材に、取り外し可能および交換可能であるように取り付けることができる鼻橋部分および光学部材をさらに含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、着用されたとき、ヘッドセットの角度位置を感知するように構成された空間位置覚センサを含む。いくつかの実施形態では、センサには、温度センサ、方位センサ、血圧センサ、脈拍酸素測定センサ、電気伝導度センサ、皮膚伝導反応(SCR:Skin Conductance Response)を測定するセンサ、インピーダンスプレチスモグラフ(IPG:Impedance Plethysmograph)を測定するセンサ、脳波(EEG:Electroencephalogram)を測定するセンサ、および筋電計(EMG:Electromyograph)を測定するセンサで構成される群から選択されたセンサが含まれる。
【0061】
本発明のいくつかの教示によれば、ユーザの頭部上にヘッドセットを着用する方法が、提供され、方法は、
本明細書に記載されるようにヘッドセットを提供することであって、ヘッドセットが休止状態にある、ヘッドセットを提供することと、
本体部材が、開状態にある間、アーム部材の後方端部が、ユーザの頭部の両側と係合するように、ヘッドセットをユーザの頭部に隣接して配置することと、
前方区分が、ユーザの額と係合しながら、ヘッドセットが、ユーザの頭部を完全に囲むように、クロージャ機構が、本体部材を閉じて閉状態になるまで、ヘッドセットを後方に押し進めることと
を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、押し進めることは、ヘッドセットを後方に動かしている間、アーム区分の後方端部が、毛髪を通って梳いて入り、それとともに少なくとも1つの電極または少なくとも1つのセンサが物理的に接触できるように、ユーザの頭皮のある面積を空けることをさらに含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、方法は、本体部材が閉状態にあるとき、ヘッドセットの少なくとも1つのサイズ調整機構の長さを調整するように、前方区分およびクロージャ機構に隣接する本体部材の区分を同時に押すことによって、本体部材のサイズを調整することをさらに含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法は、ヘッドセットを後方に押し進めることの後に、少なくとも1つの電極に隣接する可撓性表面に圧力を加えることと、少なくとも1つの電極を圧縮して、電極から少なくとも1つの電極とユーザの頭皮との間の区域に導電性流体を放出し、それによって、少なくとも1つの電極と頭皮との間のインピーダンスを低下させることとをさらに含む。
【0065】
本発明のさらなる教示によればユーザの頭部の前方部分を刺激するための電極システムが、提供され、システムは、第1の前方電極および第2の前方電極を含み、第1および第2の前方電極のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、高さ、および長さを有し、
第1および第2の前方電極の高さが、その最大点で、10mmから40mmまでの範囲内であり、
第1および第2の前方電極が、ユーザの頭部上に配置されるとき、第1の前方電極の第2の端部が、第2の前方電極の第1の端部と、その間にある距離を備えながら隣接し、距離が、1mmから15mmまでの範囲内であるように、相互に並んで水平に配置されるように構成され、
第1の電極の長さ、第2の電極の長さ、および距離で構成される長さが、20mmから55mmまでの範囲内である。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の前方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で滑車上神経の上に配置されるように構成され、第2の前方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で眼窩上神経の上に配置されるように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極のそれぞれは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極は、接合基材上に配置され、共有基材は、第1の前方電極の電極裏当てと電気的に接触している第1の接触部分と、第2の前方電極の電極裏当てと電気的に接触している第2の接触部分とを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の前方電極の区域と第2の前方電極の区域の間の比率は、0.5〜2の範囲内である。いくつかのこのような実施形態では、第1の前方電極の区域は、第2の前方電極の区域と等しい。いくつかの実施形態では、第1の前方電極の外形は、第2の前方電極の外形と同一である。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1および第2の前方電極は、その低い方の端部で、凹部の反対端部に配置される第1および第2の境界点の間に画定され、ユーザの眉の輪郭に概ね従うように適合された、単一の凹形外形に沿って延びており、
A/L≧0.5mmであって、
Aが、凹部の境界点の間の線および凹部によって境界が示される区域であり、
Lが、境界点の間の線の長さであって、長さ(L)が、少なくとも10mmであり、
凹形外形上の第1の点と、凹形外形と反対側の周辺上の第2の点との間に配置され、第1の点で外形に対して垂直になるように配列された線が、長さHを有し、
凹形外形の全体にわたって、
H
max/H
min≦2.5であって、
H
maxが、全体にわたってHの最大値であり、
H
minが、全体にわたってHの最小値である。
【0071】
いくつかの実施形態では、線と、ある距離だけ離れて隣接する第1の前方電極の第2の端部との間の角度は、40〜110度の範囲内である。
【0072】
本明細書における教示のさらなる態様によれば、ユーザの頭部の後頭部分を刺激するための電極システムが、提供され、システムは、第1の後方電極および第2の後方電極を含み、第1および第2の後方電極のそれぞれは、第1の端部、第2の端部、高さ、および長さを有し、
第1および第2の後方電極の高さが、5mmから35mmまでの範囲内であり、
ユーザの頭部上に配置された第1および第2の後方電極が、第1の後方電極の第2の端部が、第2の後方電極の第1の端部と、その間にある距離を備えながら隣接し、距離が、1mmから10mmまでの範囲内であるように、相互に並んで水平に配置されるように構成され、
第1の電極の長さ、第2の電極の長さ、および距離で構成される長さが、10mmから55mmまでの範囲内である。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1の後方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で第1の後頭神経枝の上に配置されるように構成され、第2の後方電極は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの頭部の片側で第2の後頭神経枝の上に配置されるように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後方電極のそれぞれは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後方電極は、接合基材上に配置され、接合基材は、第1の後方電極の電極裏当てと電気的に接触している第1の接触部分と、第2の後方電極の電極裏当てと電気的に接触している第2の接触部分とを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、第1の後方電極の区域と第2の後方電極の区域の間の比率は、0.5〜2の範囲内である。いくつかのこのような実施形態では、第1の後方電極の区域は、第2の後方電極の区域と等しい。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後方電極の接触面を含む接合接触面は、基部および湾曲した先端を画定し、1対の側部曲線によって連結された概ね円錐台形の輪郭を有し、第1の後方電極および第2の後方電極が、水平対称軸を中心に対称の鏡像である。いくつかのこのような実施形態では、先端の湾曲は、10mm以下の半径を有する円の湾曲と一致し、側部曲線の湾曲は、少なくとも50mmの半径を有する円の湾曲と一致し、第1の後方電極の第2の端部と水平対称軸との間の角度は、75〜105度の範囲内である。
【0078】
本発明は、本明細書において、添付の図面を参照しながらほんの一例として記載される。特に詳細に図面を参照するに当たって、示される細目は、一例として、好ましい本発明の実施形態に関する例示的な考察を目的としたものにすぎず、最も有用であると信じられるものおよび本発明の原則および概念上の態様についての理解し易い説明を提供するために提示されていることを強調したい。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要なものよりも、さらに詳細に本発明の構造細部を示す試みは行われおらず、本発明のいくつかの形態が、実際に具現化され得る方法は、当業者であれば、図面と合せて説明を読むことで明らかとなろう。図面の全体にわたって、類似の参照記号は、類似の機能性を意味するのに使用されているが、必ずしも同一の要素というわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0080】
末梢神経、脳神経、および脳領域に電気刺激を加えるための、1つまたは複数の統合電極を備えたヘッドセットを含むデバイスおよび方法が、本明細書に記載される。発明ヘッドセットは、偏頭痛および緊張型頭痛、群発性頭痛、線維筋痛、不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post−Traumatic Stress Disorder)、不安、強迫症(OCD)、不眠症、癲癇、注意欠如多動性障害(ADHD)、パーキンソン病、アルツハイマー病、肥満、多発性硬化症、外傷性脳外傷(TBI)、および脳卒中などの、さまざまな状態を治療するために電気刺激を加えるためのプラットホームとして機能することができるヘッドマウント型構造物である。発明ヘッドセットは、運動学習および認識学習を促進することができ、リラクゼーションを誘発することができる。発明ヘッドセットは、さらに、さまざまな状態を検知および/または評価するために、各種センサ用のプラットホームとしても機能することができる。
【0081】
刺激電極と、それと頭皮との接触の品質は、発明された装置の機能性における基本的な態様である。電極と頭皮との間の最適な導電性を確実にすることは、電流を標的組織まで適切に転送するのに不可欠であり、それは、効果的な治療の基盤である。不適切な導電性は、高電流密度の「ホットスポット」に起因する、治療の失敗、不快な感覚、および皮層刺激さえももたらす可能性がある。さらに、発明者は、頭部領域へ電流を非侵襲的に適用することは、たとえそれがどの症状に適用されたとしても、毛髪が存在する中での刺激、頭皮の極めて高い知覚感度、頭のサイズおよび外形のばらつきがあるなかでの強固な接触の危険性および電極と頭皮との間の最適な電気伝導性、および目標神経枝および脳領域の上に刺激電極を正確に設置することの必要性など、数多くの課題を突きつけるものであることが分かった。
【0082】
本発明のいくつかの態様は、電流が、電極から標的組織に適切に送給されることを確実にすることを目的としており、有効で、快適なやり方で、頭部領域を治療および評価するためのものであるという特徴に関する。
【0083】
次に、本明細書の教示による、ヘッドセットが休止状態にある、発明ヘッドセットの実施形態の斜視図の具体例である
図1Aおよび
図1B、および鼻橋支持部材を含む、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットの実施形態の斜視図の具体例である
図1Cを参照する。
【0084】
見られるように、本明細書における教示の1つの実施形態による発明ヘッドセット100は、それぞれが後方部材116で終端している1対の可撓性アーム部材114に連結された前方部材112を含むように構成されてもよい。前方部材112、可撓性アーム部材114、および後方部材116が一緒になって、ヘッドセット本体を形成する。
【0085】
いくつかの実施形態では、発明ヘッドセットは、可橈性材料で形成され、明示的に識別される前方部材、アーム部材、および後方部材を含まずに、前方区分、アーム部材区分、および後方区分を含む細長い部材を備えていてもよいことが理解される。しかしながら、説明を容易にするために、以下の説明は、明確に画定された前方部材、可撓性アーム部材、およびアーム部材の端部区分を備える後方部材を含む実施形態に関する。
【0086】
いくつかの実施形態では、前方部材112は、標準的には硬質であるが、いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に可撓性であっても、または少なくとも半硬質であってもよい。いくつかの実施形態では、前方部材112は、可撓性であってもよく、可撓性前方部材112が撓曲することを可能にする自由度が、可撓性前方部材112とそれに連結された硬質部材との間に存在するように、それに連結される硬質または半硬質部材を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前方部材112は、硬質または半硬質であってもよく、例えば
図14Bに関して以下に記載されるように、可撓性部材が、前方部材112の中で撓曲することができるように、その中に可撓性部材を収容していてもよい。前方部材112は、プラスチック、または何らかの他の適切な材料で形成されてもよい。前方部材112は、人の額領域を取り囲むのに適しており、したがって、一般的には、人頭の形状に合う湾曲を有する。
【0087】
図14Aから
図14Cに関して下文にさらに詳細に記載されるように、アーム部材114のそれぞれは、可撓性または半硬質材料、例えばステンレス鋼などの金属、ポリプロピレン、ポリウレタン、またはポリエチレンなどのプラスチック、または金属およびプラスチック区分の組み合わせを備える。いくつかの実施形態では、各アーム部材114は、前方部材112に隣接する可撓性テンプルアーム部分118と、後方部材116を含む後方アーム部分119と、テンプルアーム部分118と後方アーム部分119との間に配置されるサイズ調整機構120とを備える。いくつかの実施形態では、前方部材112、アーム部材114、および後方部材116は一緒になって、モノリシック構造を形成する。
図1Aおよび
図1Bに示されるように、休止状態では、後方アーム部分119は、休止状態湾曲を有する。
【0088】
図14Aから
図14Cに関して下文にさらに詳細に説明されるように、ヘッドセットが、
図3Aに示すように、開状態にあるとき、アーム部材114が、ヘッドセットを動かして閉状態または休止状態にするように、アーム部材114は、弾性を有し、アーム部材を互いに向かって押し進める所定の先行荷重を有することが、本明細書における教示の特有の特徴である。
【0089】
アーム部材114が、ユーザの頭部形状に順応することができるように、および/または下文に記載されるデバイスの治療部分が、正しい位置から動いてしまうことなく、アーム部材上の異なる箇所に加えられる圧力を吸収することができるように、アーム部材114は、半硬質であり、完全に硬質ではない。例えば、ユーザが、横たわっていて、ユーザの頭部の側部が、支持される、またはユーザが横たわっている表面と係合するとき、圧力が、アーム部材114に加えられ、アーム部材の部分的な可撓性は、この圧力を吸収し、ヘッドセット100の治療構成要素および/または感知構成要素が、適切に配置された状態を維持することを確実にする。
【0090】
いくつかの実施形態では、各テンプルアーム部分118は、
図17Aおよび
図17Bに関して下文に記載されるように、前方部材112と平行なままであるようにアーム部材114を折り畳むのに役立つヒンジ122を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、各後方部材116は、
図16Aおよび
図16Bに関して下文にさらに詳細に記載される、クロージャ機構128で終端する先細端部を有する後方アーム部分119の終末部を備える。
【0092】
前方部材112は、その内面上に、1つまたは複数の前方電極システム130を含有する、またはそこに1つまたは複数の前方電極システム130を取り外し可能に取り付けておくように構成されてもよく、後方部材116のそれぞれは、その内面上に、1つまたは複数の後方電極システム140を含有するように構成されてもよい。電極システム130および140のそれぞれは、いくつかの実施形態では、
図6Aから
図9Bに関して下文に記載されるように構造化されて、機能性を有することができる、電極基部および使い捨て電極ユニットを備える。
【0093】
いくつかの実施形態では、電極システム130は、三叉神経枝の上に、それを刺激するために、頭部の眼窩上領域に位置付けられるように適合された前方電極を備えていてもよく、この電極は、
図10Aおよび
図10Bに関して下文に記載されるように構造化されて、機能性を有することができる、または脳の前頭および前頭前野領域の経頭蓋刺激に適切な電極であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、電極システム140は、後頭神経枝の上に、それを刺激するために、頭部の後頭部領域に位置付けられるように適合された後側電極を備えていてもよく、この電極は、
図11Aから
図13Bに関して下文に記載されるように構造化されて、機能性を有することができる、または脳の後頭部領域の経頭蓋刺激に適切な電極であり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、電極システム130および140の1つまたは複数は、例えば脳波(EEG)、皮膚伝導反応(SCR)、インピーダンスプレチスモグラフ(IPG)、筋電計(EMG)等などの、前述のユーザの身体部分の少なくとも1つの電気的パラメータを感知するように構成された感知電極を備えていてもよい。
【0096】
ヘッドセット100は、
図22Aから
図23Bに示すように、追加的電極を含んでいてもよく、追加的電極は、電極システム130および140と類似の構造および/または機能性を有することが理解される。電極システム130および/または140は、特定の神経または神経セット、特定の脳領域を刺激するのに、または特定のパラメータを感知するのに適切であるように、取り除かれてもよい、またはヘッドセット100上の他の箇所に移動されてもよいことがさらに理解される。例えば、電極システム140は、可撓性アーム部材114に沿うように移動されてもよい。別の例として、ヘッドセット100は、アーム部材114上に位置付けられる単一対の電極システムだけを含んでいてもよく、電極は、ヘッドセットが着用されるとき、毛髪の下に配置されるように構成されることができ、一方で、電極システム130および140は、取り除かれることができる。
【0097】
前方部材112は、導電性ワイヤ(図示せず)によってバッテリなどの電源144、および電極システム130および140に電気的に結合されるように構成され得る電子回路142を含有するように構成されてもよい。
図18Aから
図19に関して下文に記載されるように、いくつかの実施形態では、導電性ワイヤの少なくとも一部は、アーム部材114を介して後方電極システム140まで延びる。
【0098】
いくつかの実施形態では、電子回路142および/またはバッテリ144は、ヘッドセット100の外部にあってもよい、および/または、ヘッドセット100と遠隔で通信してもよい。
【0099】
電子回路142は、
図24に関して下文に記載されるように、刺激回路、マイクロプロセッサ、充電回路、およびユーザインターフェースを含むように構成されてもよい。
【0100】
刺激回路は、二相性、荷電バランス電気パルス、一相性電気パルス、および/または直流電流刺激を生成するように構成されてもよい。
【0101】
記載される好ましい実施形態のさらに別の特徴によれば、刺激回路は、0〜60mA、0〜40mA、0〜20m、または0〜15mAの強度範囲内の電気刺激を生成するように構成されてもよい。
【0102】
記載される好ましい実施形態のさらに別の特徴によれば、刺激回路は、10〜1000μ秒、50〜500μ秒、100〜500μ秒、100〜450μ秒、150〜400μ秒、または200〜450μ秒の持続時間の刺激パルスを生成するように構成されてもよい。
【0103】
記載される好ましい実施形態のさらに別の特徴によれば、刺激回路は、1〜20,000Hz、1〜10,000Hz、1〜500Hz、10〜300Hz、10〜250Hz、20〜180Hz、30〜180Hz、または40〜100Hzの周波数の刺激パルスを生成するように構成されてもよい。
【0104】
本明細書における教示のさらに別の特徴によれば、ヘッドセット100、および具体的には電子回路142は、背景技術節で上文に記載されるように、経頭蓋直流電流刺激(tDCS)、経頭蓋交流刺激(tACS:Transcranial Alternating Current Stimulation)、および経頭蓋無作為雑音刺激(tRNS:Transcranial Random Noise Stimulation)などの適切な方法を用いて、経頭蓋電気刺激を加えるのに適していることができる。
【0105】
具体的には、経頭蓋電気刺激用のヘッドセットを使用する場合、脳領域に直接影響を及ぼすためには、刺激電流が頭部の組織の中により深く侵入する必要がある。このようなより深い電流侵入を達成するために、相互に離れて位置付けられる電極の組み合わせが、同時に起動されてもよい。例えば、前方電極は、後方電極と同時に起動されてもよい。加えて、電極の箇所は、隣接する電極間の距離を増やし、それによって、電流のより深い侵入を提供するように修正されてもよい。
【0106】
本明細書における教示の実施形態のさらに別の特徴によれば、ヘッドセット100は、外部電子回路および/または刺激回路に連結し、それによって電流を外部の刺激装置から電極システム130および/または140に転送するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ヘッドセット100は、身体のさまざまな区域に位置付けられ得る少なくとも1つの外部電極に連結するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、信号をヘッドセット100上に配置されたセンサから外部プロセッサに転送するために、ヘッドセット100は、外部電子回路およびプロセッサに連結するように構成されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、バッテリ144は、前方部材112の中に配置されてもよく、特定の実施形態によれば、前方部材112上に位置付けられる充電ポート146に充電器を差し込むことによって、再充電されてもよい。
【0108】
前方部材112は、その外面上に、ユーザ制御装置およびインターフェース150を含むようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態では、後方部材116またはアーム114などの、発明ヘッドセット100のそのような前述の他の部分は、ユーザインターフェース150を含むように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース150、または追加的なユーザインターフェース(図示せず)は、ヘッドセット100の外部にあってもよく、
図24に関して下文に説明されるように、有線通信または無線通信を使用して、ヘッドセット100と遠隔で通信してもよい。
【0109】
先に説明されたように、電子回路142およびユーザインターフェース150は、ヘッドセット100の中に含まれる電極を制御および/または起動するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース150は、少なくとも2対の電極、いくつかの実施形態では、3対以上の電極対を制御および/または起動するように構成される。そのようなものとして、いくつかの実施形態では、刺激回路および/またはユーザインターフェース150は、特定の電極、または電極の特定の1対もしくはチャネルの起動、ならびに起動された電極によって供給される電流の強度、または起動された電極の他の刺激パラメータの調整を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、電極の何らかのサブセットは、同時に起動されてもよく、いくつかの実施形態では、特定のサブセットは、例えば電子回路142の製造の間にあらかじめ定義される。いくつかのこのような実施形態では、ユーザインターフェース150は、特定の電極または特定のチャネルだけでなく、電極の起動されたサブセットの制御も可能にする。
【0110】
いくつかの実施形態では、ユーザ制御装置およびインターフェース150は、前方電極システム130によって提供される刺激の強度をそれぞれ増大および減少させるための1対の前方強度ボタン151aおよび151bと、後方電極システム140によって提供される刺激の強度をそれぞれ増大および減少させるための1対の後方強度ボタン152aおよび152bとを含む。ユーザ制御およびインターフェース150は、ヘッドセット100の中に含まれる電極ごとに、同様に強度ボタンを含んでいてもよいことが理解される。
【0111】
ユーザ制御装置およびインターフェース150は、電子回路142を起動する、および動作不能にするための、ならびにヘッドセット100の動作モードを変更するためのモード変更ボタン154をさらに含んでいてもよい。例えば、ヘッドセット100は、スリープモード、保守モード、および治療モードなどの、多数の予め設定された動作モードを有する場合があり、ヘッドセットをオン/オフすることに加えて、ボタン154の動作を繰り返すことで、これらのモードを切り替えることができる。
【0112】
LED照明などの動作表示器156は、ユーザ制御装置およびインターフェース150の一部を形成する場合があり、前方部材112の外面上に配置されてもよい。表示器156は、ヘッドセット100がオンにされたとき、および/または電極システム130および/または140が作動中であるときにそれをユーザに表示することができ、それによってこれらが働いているとき、ユーザが、電極と不要に接触することを予防するのを援助する。
【0113】
いくつかの実施形態では、ユーザ制御装置およびインターフェース150は、ヘッドセットの起動、ヘッドセットの運転停止、インターフェース150上のボタンを押したこと、刺激モードを変更したこと等の表示などの、ヘッドセット100の使用についての可聴表示をユーザに提供するために、スピーカまたはブザーなどの音声要素(図示せず)をさらに含んでいてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、ユーザ制御装置およびインターフェース150は、例えば、前方部材112の中央の切欠きの形態をした少なくとも1つの位置決め表示器158をさらに含んでいてもよい。位置決め表示器158は、ヘッドセット配置に関する証明を提供することによって、例えば位置決め表示器158がユーザの鼻と一直線に合わせられたことをユーザが確認するのを補助することによって、ユーザが正しくヘッドセットを着用するのを援助する。
【0115】
先に説明されるように、電子回路およびユーザインターフェースは、ヘッドセット100の中に含まれる電極を制御および/または起動するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、少なくとも2対の電極、いくつかの実施形態では3対以上の電極を制御および/または起動するように構成される。そのようなものとして、いくつかの実施形態では、刺激回路および/またはユーザインターフェースは、特定の電極、または電極の特定の1対もしくはチャネルの起動、ならびに起動された電極によって供給される電流の強度、または起動された電極の他の刺激パラメータの調整を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、電極のいずれのサブセットも、同時に起動されてもよく、いくつかの実施形態では、特定のサブセットは、例えば電子回路の製造の間にあらかじめ定義される。いくつかのこのような実施形態では、ユーザインターフェースは、特定の電極または特定のチャネルだけでなく、電極の起動されたサブセットも制御することが可能になる。
【0116】
図1Aから
図2Bまでの比較から分かるように、ヘッドセット100は、休止状態、開状態、および閉状態では固定長を有する。いくつかの実施形態では、
図2Aおよび
図2Bに図示される、閉状態にあるヘッドセット100の周囲は、65cm以下、63cm以下、または61cm以下である。いくつかの実施形態では、
図2Aおよび
図2Bに図示される、閉状態にあるヘッドセット100の周囲は、30cm以上、35cm以上、または40cm以上である。
【0117】
図1Cを詳しく見ると、いくつかの実施形態では、前方部材112が、前方部材112の中心領域に位置付けられるように構成され得る鼻橋支持部材170をさらに含んでいてもよいことが分る。鼻橋支持部材170は、硬質または半硬質であってもよく、鼻および鼻梁の上側部分の両側に整列されるように適合された2つの細長い部分172を有していてもよい。鼻橋支持部材170を鼻の上に配置することで、ユーザは、例えばヘッドセットを着用している間、ヘッドセット100の回転配置および縦方向の配置を決定することができるようになり得る。
【0118】
鼻橋支持部材170は、前方部材112を重力に抗してさらに支持するように構成されてもよく、それによって、ユーザは、ヘッドセット100をより容易に着用することができるようになり、前方部材112がユーザの眉上に下方向に圧力を加えることを防止する。
【0119】
いくつかの実施形態では、鼻橋支持部材170は、1つまたは複数のタブ174によって前方部材112に取り外し可能および交換可能であるように取り付けられ、前方部材112の対応スロットに挿入されるように構成され、タブ174を、それらが収容されているスロットから引き抜くことによって、前方部材112から分離され得る。いくつかの実施形態では、タブ174を収容するためのスロットは、前方部材112の中心に位置付けられる。
【0120】
さまざまなサイズおよび形状の鼻橋支持部材170が、個別のユーザに選択されてもよい。いくつかの実施形態では、鼻橋支持部材170は、ユーザが、ユーザの鼻に対して最適に調整するために、鼻橋を手動で調整することができるように、可撓性および/または柔軟性を十分に有する。
【0121】
次に、閉状態にある
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットの平面的上面図の具体例である、
図2Aおよび
図2Bを参照すると、それぞれ、
図2Aは、ユーザの頭部上に配置されており、
図2Bは、自由状態である。
【0122】
図2Aおよび
図2Bで見られるように、ヘッドセット100の閉状態において、
図3Aに関して下文に記載されるように、ヘッドセット100を開くおよび/または着用するために引き離された、アーム部材114は、クロージャ機構128が、閉位置にあって、ヘッドセット100が、ユーザの頭部を囲むのに適する円周方向ヘッドセットを形成するように、互いに向かって内向きに戻る。
図3Aから
図3Dに関して下文にさらに詳細に記載されるように、アーム部材114の、具体的には後方アーム部分119の湾曲は、ヘッドセット100が、ユーザの頭部上で閉じている間、ユーザの頭部の解剖学的湾曲によって決まり、それに順応するように適合される。
【0123】
図5Aおよび
図5Bならびに
図8Aおよび
図8Bに関して下文にさらに詳細に記載されるように、閉状態では、例えば
図2Aおよび
図2Bの比較から見られるような圧縮性電極システム130、または
図8Aおよび
図8bに見られるような可撓性電極システム130などの、前方部材112の部分を形成している部分の圧縮、撓曲、および/または弾力性によって、圧力が、ユーザの額に加えられる。
【0125】
図3Aに見られるように、ヘッドセット100を着用する最初のステップでは、ユーザは、指202を用いてヘッドセットのアーム部材114を保持し、アーム部材114を、その間に距離Dを形成するように相互に離れる方向に引っ張って、ヘッドセット100を開状態に移行する。アーム部材114を引っ張って相互に離している間、ユーザは、アーム部材114上の所定の先行荷重と対抗する。距離Dの大きさは、アーム部材114の可撓性、アーム部材上の先行荷重、およびユーザによって加えられる力によって決定されることが理解される。いくつかの実施形態では、距離Dは、人の頭の平均幅を超えていない。いくつかの実施形態では、距離Dは、12cm、15cm、または20cm以下である。
【0126】
いくつかの実施形態では、クロージャ機構128またはヘッドセット100の端部によってユーザの頭部上に加えられた先行荷重力は、以下の比率によって画定され得る。
(1)P〜EID/L
3
上式において、
Pが、ヘッドセット100の端部によってユーザの頭に加えられる力であり、
Eが、アーム部材114のヤング係数であり、
Iが、アーム部材114の慣性モーメントであり、
Dが、ヘッドセットの対称軸に対するアーム114の変位であり、
Lが、アーム114の一方の長さである。
【0127】
図3Aに図示したように、アーム部材114、具体的にはその後方アーム部分119の湾曲は、破線で図に示され、参照符号206によって示され、アーム部材によって部分的に外接された想像円の半径によって画定されることができる。休止状態(
図1Aおよび
図1Bに示される)において、およびヘッドセットをユーザの頭に適用する前の開状態において、このような想像円の半径は、参照符号R
0と記載されており、15cm、13cm、または8cm以下の長さを有していてもよい。
【0128】
さらに
図3Bを見ると、ユーザは、クロージャ機構128が、いくつかの実施形態では、ユーザの耳よりわずかに前側でテンプル区域と係合するように、ヘッドセット100を配置することが分る。アーム部材114上の所定の先行荷重に因って、クロージャ機構128またはヘッドセット100の端部は、ユーザの頭部の両側に、矢印204によって示される方向の力を加える。いくつかの実施形態では、力の大きさは、20N、15N、または10N以下である。
【0129】
アーム部材114の後方アーム部分119の湾曲は、湾曲が、アーム部材によって部分的に外接され、
図3Aの円206と類似した第2の想像円によって画定されることができ、第2の想像円が、
図3Aに示される、ヘッドセット100の休止状態および開状態の想像円の半径R
0より大きい半径R
1を有するように、アーム部材がユーザの頭部の両側と接触することによって影響を受けることが、本発明の特有の特徴である。
【0130】
アーム部材114の後方アーム部分119の湾曲は、クロージャ機構128が、ユーザの頭部の両側と係合するとき、角度α
1が、ヘッドセット100の端部とユーザの頭との間に形成されるようであることが、本発明のさらなる特定の特徴である。
図3Cおよび
図3Dに関して下文にさらに詳細に記載されるように、角度α
1は、アーム部材114によってユーザの頭部の両側に加えられた先行荷重力と共に、ユーザがヘッドセット100を着用している間、ヘッドセット100の端部および詳細にはクロージャ機構128が、ユーザの頭皮の表面に近接近した状態を維持することを確実にする。いくつかの実施形態では、角度α
1は、90度、85度、または80度以下であり、20度、30度、35度、または40度以上である。
【0131】
図3Cを見ると、ユーザが、例えば人が眼鏡を着用するのと同様のやり方でアーム部材114を保持することによって、または前方部材112を押し進めることによって、ヘッドセット100を後方向に押し進めることが分る。アーム部材114の先行荷重に因って、クロージャ機構128を含むヘッドセット100の端部は、このような後方動作の間、ユーザの頭皮の表面に近接した状態を維持し、
図4Aで明瞭に分るように、ヘッドセットが着用されるとき、後方電極140と頭皮との間の直接的な接触を可能にするように、ユーザの毛髪の下およびその間に梳いて入る。
【0132】
ユーザが、ヘッドセット100を後方向に押し進めるとき、ユーザの頭皮とクロージャ機構128との間の係合に起因して、アーム部材114の湾曲、アーム部材114とユーザの頭との間の角度、およびユーザの頭に加えられる力に、変化が起こる。具体的には、アーム部材114は、ユーザの頭部の湾曲に沿って互いに向かって戻るという事実に因って、ユーザの頭に矢印208によって示される方向で加えられ、上記の比率(1)を使用して計算された力は、
図3Bに示され、矢印204によって指示される、着用段階の初めに加えられた力より小さい。アーム部材114とユーザの頭との間の角度も、
図3Cに示される角度α
2が、
図3Bの角度α
1より小さくなるように、サイズがより小さくなる。
【0133】
加えて、アーム部材114の後方アーム部分119の湾曲は、ヘッドセット100の後方移動の影響を受け、アーム部材によって部分的に外接され、
図3Aの円206に類似した第3の想像円によって画定されることができ、第2の想像円は、
図3Aに示される、ヘッドセット100の休止状態および開状態の想像円の半径R
0より大きく、
図3Bに示す半径R
1より小さい半径R
2を有する。
【0134】
いくつかの実施形態では、クロージャ機構128の両方の部分が相互に近接しているとき、ユーザが、能動的にヘッドセット100を閉じること、またはクロージャ機構128を操作することを必要とせずに、クロージャ機構128の2つの部分は、相互に引き付け合って、ヘッドセット100を閉じる。
【0135】
図3Dおよび
図4Bでは、ヘッドセット100は、ユーザの頭部上に完全に着用されており、クロージャ機構128は、ユーザの頭部の後部で閉じている。前方部材112は、前方電極システム130が、眼窩上神経、および滑車上神経の区域でユーザの皮膚と係合するように、ユーザの額と係合し、いくつかの実施形態では、片側、または両側でこれらの神経を刺激することができる。
図4Bで明確に分かるように、後部部材116の後部電極システム140は、後頭神経の区域のユーザの頭部の後部において、毛髪の下でユーザの頭皮と係合し、いくつかの実施形態では、これらの神経を刺激することができる。
【0136】
図17Aおよび
図17Bに関して以下に記載されるように、クロージャ機構128が、磁気クロージャ機構であるいくつかの実施形態では、磁気力P
Mが、矢印210によって示されるようにクロージャ機構128の2つの部分の間に加えられ、0.5N、1.0N、または2.0Nより大きい力の大きさを有していてもよい。
【0137】
ヘッドセット100が、初めて着用されるとき、サイズ調整機構120の長さが変わり、それによって、ヘッドセット100のサイズが、ユーザの頭部のサイズに調整されるように、ユーザは、ヘッドセットの長さを減少させて、ヘッドセットがユーザの頭部上で締められるまで、後方アーム部分119および前方部材112を相互に向かって押し進めることによって、サイズを調整することができる。
【0138】
さらに、いくつかの実施形態では、ユーザの頭部の周囲でヘッドセット100を締めることによって、圧力が、前方部材112に加えられることで、
図5Aから
図5Cに関して以下に記載されるように、前方部材の圧縮性構成要素を圧縮させることができる、または
図8Aから
図9Bに関して以下に記載されるように、前方部材の可撓性構成要素を撓曲させることができ、それによって、前方部材112の電極130が、ユーザの額と完全に係合すること、および十分な半径方向圧力が、ヘッドセット100によってユーザの頭に加えられることを確実にすることができる。
【0139】
前方部材112上、および後方部材116上の、それらをユーザの頭に向かって押すそのような半径方向圧力は、前方電極システムおよび後方電極システム130および140が、それらの適切な位置を保持し、ユーザの皮膚と密接に接触した状態を維持することを確実にする。具体的には、いくつかの実施形態では、ヘッドセット100によって、ユーザの頭部上に加えられる半径方向圧力P
Rは、矢印212によって示される方向であり、0N、1.0N、または3.0Nより大きい力の大きさを有していてもよい。
【0140】
図3Dおよび
図4Bに示されるように、ヘッドセットが、ユーザの頭部上で閉位置にあるとき、アーム部材114、具体的には、その後方アーム部分119の湾曲は、ヘッドセット100が、ユーザの頭部の後ろで閉じているとき、湾曲が、ユーザの頭部の解剖学的湾曲と揃うことを確実にする。
【0141】
上文に記載されるように、いくつかの実施形態では、追加的な電極システムは、頬骨側頭神経および耳介側頭神経(
図22Aから
図23B)などの、他の神経または神経接合部を刺激する、または前頭、後頭、頭頂、および側頭葉などの、脳領域を経皮膚的に刺激するのに使用されてもよい、または、いくつかの電極は、ユーザの頭部の部分の電気的パラメータを感知するように構成された感知電極を備えていてもよい。
【0142】
次に、それぞれ静止状態および着用状態の
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットの前方部材の、平面的な上面図の具体例である
図5Aおよび
図5Bと、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットの前方部材の幅に沿った断面の具体例であり、前方部材の内部構造を図示している
図5Cとを参照する。
【0143】
見られるように、いくつかの実施形態では前方部材112は、ここでは前方電極システムを取り囲む圧縮性ガスケットとして示される、圧縮性部分214を含む。休止状態では、すなわちヘッドセットが、ユーザによって着用されていないで、ユーザの額に押圧されていないときには、圧縮性部分は、前方部材112から半径方向内向きに延びていて、
図5Aにおいて参照符号Aで示される第1の半径方向深さを有する。ヘッドセットが、ユーザによって着用されるとき、圧縮性部分214は、圧縮されていて、
図5Bにおいて参照符号A’で示される第2の半径方向深さを有する。圧縮性部分214が、圧力をユーザの額に加えるように、第2の半径方向深さA’は、第1の半径方向深さAより少なく、それによって、たとえ、ユーザが、例えばヘッドセットの後方区分またはヘッドセットの側部分に圧力を加えながら横たわるように、自身の位置を変更しても、ヘッドセット、その治療構成要素が、ヘッドセットの使用中、所期の箇所から動くことがないように、可変状態では、十分な圧力が、ヘッドセット100とユーザの頭との間に存在することを確実にする。さらに、圧縮性部分214が圧縮されたとき、圧縮性部分214によって加えられた圧力は、電極システム130が、ユーザの額の正確な解剖学的構造にかかわらず、ユーザの額と接触するように、前方部材112の外形と可変的な額の外形との間の相違を補償する。
【0144】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット100が着用されるときに、圧縮性部分214が圧縮される度合いは、ヘッドセット100の周囲の調整に寄与する。
【0145】
適切な圧縮性部分214を構築するのに、多くの方法があることが理解される。例えば
図6Aから
図6Cに示されるように、または参照によって本明細書において完全に説明されたように援用される、「HEADSET FOR TREATMENT AND ASSESSMENT OF MEDICAL CONDITIONS」という表題のPCT出願公開WO2014/141213に実質的に記載されるように、例えば、圧縮性部分214は、可撓性および/または弾性リムまたは前方電極システム130を取り囲むシーリング装置で形成されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、弾性リムの主要な目的は、電極130の周辺部の周囲を密封することであり、さらに、弾性リムは、圧縮性部分214として機能することができる。
【0146】
別の例として、前方部材112がユーザの頭に押圧されるとき、スポンジまたは他の圧縮性構造が圧縮され、ユーザの額上の半径方向圧力が増大するように、圧縮性部分214は、スポンジ、エラストマ、または他の圧縮性材料または構造上に載置される電極システム130を含んでいてもよい。
【0147】
圧縮性部分214の別の例示的な構造は、
図5Cに示される。
図5Cに示される構造では、圧力が、前方部材112に加えられるとき、前方部材の電極システム130および/または他の構成要素が、例えば基部面218の変形によって、中空216の中に圧縮され、それによって、圧縮性部分を作り出すように、前方部材112は、電極システム130の下に配置される中空部分216を含み、電極システム130は、少なくとも部分的に可撓性を有する基部面218によって支持される、またはこの基部面を含む。いくつかの実施形態では、距離Sで
図5Cに示される中空218の高さは、前方部材112の内面220と電極システム130の最上面の内側222との間の距離であって、Rで示される距離より大きい。このような構造は、電極システム130の全高が、中空216の中に圧縮されることを可能にする。
【0148】
本明細書の教示による圧縮性部分214は、前方部材の一部を必ずしも構成する必要はなく、ユーザの皮膚と係合するように適合されるヘッドセット上の、後方部材116の中、および/またはアーム部材114沿いなどの、いずれかの箇所に設置されてもよいことがさらに理解される。
【0149】
次に、本発明の実施形態による、電極基部の中に配置された使い捨て電極ユニットを含む、電極システムの実施形態の断面図である
図6Aと、多層使い捨て電極ユニットを備えた電極基部(
図6B)および備えていない電極基部(
図6C)の斜視図の具体例である、
図6Bおよび
図6Cとを参照する。
【0150】
図6Aは、電極基部234の中に配置される使い捨て電極ユニット232を含む電極システム230の断面であり、使い捨て電極ユニットおよび電極基部の組合せは、例えば電極130および/または140のような、本明細書に記載されるようなヘッドセットに使用するのに適している。電極基部234は、連結部材236によってヘッドセット100などのヘッドセットに物理的に結合されるように構成されてもよく、導線238によってヘッドセット電気回路に電気的に結合されてもよい。電極基部234は、床242を取り囲んでいる高い円周壁を含み、それによって、使い捨て電極ユニット232を受容するように適合された中空を作り出す、少なくとも1つの電極基部ハウジング240を含むように構成されてもよい。ある実施形態によれば、電極基部ハウジング240は、好ましくは、シリコンまたは熱可塑性ウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)などの可橈性材料でできている。
【0151】
電極基部ハウジング240は、電極基部ハウジング240の床242の少なくとも部分的に上、またはその中に配置される接触部分244を画定する電気伝導性材料を含むように構成されてもよい。導電層は、導線238によって電気回路に電気的に結合されるように適合され、使い捨て電極ユニット232用の接点として機能することができる。
【0152】
電極ユニット232は、電極基部ハウジング240に取り外し可能に(物理的および電気的に)結合されるように構成されてもよい。
【0153】
電極ユニット232は、液体吸収層またはパッド246、および好ましくは炭素箔でできた可撓性電気伝導性裏当て層248を含んでいてもよい多層ユニットである。2つの層は、取り付けられることができる、または直接取り付けられる。熱溶接、RF溶接、超音波溶接、接着、または縫製などの、さまざまな製造工程が、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、液吸収層246の縁部での電流密度を減少させるために、導電性裏当て層248は、層246より小さい面積または「設置面積」を有するように構成されてもよい。したがって、層246(層248に対してより低い電気伝導性を有する)の縁部での電流密度は、減少されることになる。
【0154】
導電性裏当て層248は、「メッシュ」パターンで印刷されてもよい、導電塗装の薄い電気伝導性層250をさらに含んでいてもよく、層248の中心部分だけを被覆するように構成されてもよい。導電性塗装層250は、好ましくは、層248の底面上に印刷されてもよく、多層電極ユニット232が電極基部ハウジング240に取り付けられるとき、電気的に結合されるように、電極基部ハウジング240の接触部分244に面するように構成されてもよい。層248の縁部での電流密度を減少させながら、層248の上の電流分散が、改善されるように、導電性塗装層250は、層248と比較してより高い電気伝導性を有するように構成されてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態では、パッド246を含む使い捨て電極ユニット232は、乾燥したものがユーザに提供されてもよく、ユーザは、使用前にパッド246を水、生理食塩水、導電性ゲル、または他の適した液体に浸漬してもよい。他の実施形態では、ゲルの大部分が、パッドの中に吸収されていて、ユーザが、パッドを浸漬する必要が全くないように、使い捨て電極ユニット232の電極パッド246は、導電性ゲルにあらかじめ浸漬されていてもよい。導電性ゲルは、電極と共に使用するのに適したどのような市販の導電性ゲルであってもよい。導電性ゲルを使用することで、導電性は改善され、パッド246の脱水を減少させることになり、そして、あらかじめ浸漬されたパッド246は、ユーザが取り扱うのが容易になり、面倒ではなくなることが理解される。いくつかの実施形態では、パッド246は、自動接着性ヒドロゲル層を備えていてもよい。
【0156】
使い捨て電極ユニット232の電極パッド246は、電流、または例えば脳波(EEG)などの他の生体信号を皮膚面から受容(感知)し、それを、ヘッドセット回路を介してマイクロプロセッサを含む電子回路に転送する、またはそれを無線で遠隔ユニットに伝送するように構成されてもよい。
【0157】
上述したように、電極ユニット232は、使い捨てであってもよく、都合よく、ユーザによって交換されてもよい。
【0158】
電極ユニット232、および詳細には電極パッド246は、パッド246の中心区域より薄い周辺縁部256を含むように構成されてもよい。周辺縁部256は、超音波溶接、RF溶接、または熱圧縮などのさまざまな製造工程によって作られることができる。薄い縁部256をハウジング240の中の対応する溝252の中へ挿入することによって、電極パッド246は、ハウジング240に可逆的に物理的に結合されることができ、接触部分244に電気的に結合されることができる。
【0159】
電極ユニット232は、ハウジング240と比較してより大きい区域を有するように構成されてもよい。したがって、電極ユニット232は、ハウジング240に可逆的に(物理的および電気的に)結合されるために、ハウジング240の中に圧搾されることができる。
【0160】
電極基部ハウジング240は、電極ユニット232に取り付けられた対応するコネクタに、物理的かつ電気的に可逆的に結合されるように構成された、導電機械式スナップコネクタを含むように構成されてもよい。
【0161】
発明の多層使い捨て電極ユニット232を備えた電極基部234および備えていない電極基部234の斜視図が、
図6Bおよび
図6Cに提示される。
【0162】
追加的な電極構成は、「HEADSET FOR TREATMENT AND ASSESSMENT O FMEDICAL CONDITIONS」という表題のPCT出願公開WO2014/141213に実質的に記載され、同出願を、参照により本明細書において完全に説明されたように援用する。
【0163】
次に、単一の電極基材上に載置された複合電極を含む使い捨て電極ユニットの平面的な上面図の具体例である
図7Aと、複数の電極を含む単一の使い捨て電極ユニットを収容している単一の電極基部を含む、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットでの使用に適した電極受容ユニットの斜視図の具体例である、
図7Bとを参照する。
【0164】
図7Aに見られるように、使い捨て電極ユニット272は、単一の非導電性電極基材276に載置された、
図6Aから
図6Cの電極パッド246および電極裏当て248に類似している可能性のある、2対の電極パッド274aおよび274bを含む。電極パッド274のそれぞれは、それと関連付けられる専用の電気接点278を有し、その電気接点が、電極パッド274と、使い捨て電極ユニット272がその中に挿入される電極基部(図示せず)の導電性部分との間の電気的接続を容易にする。見られるように、いくつかの実施形態では、2対の電極274aおよび274bは、対称な鏡像である。
【0165】
いくつかの実施形態では、電極パッド274aおよび274bの寸法的および空間的な関係は、実質的には、
図10Bから
図10Dに関して以下に記載されるようである。
【0166】
角度γは、参照符号275で示される、使い捨て電極ユニット272の対称軸に対する電極対274a、274bの角度的配置を特徴付ける。角度γは、
図10Bの線Kと類似である、電極対274a、274bの基部で外形277の2つの境界点をつないでいる線と、対称軸275との間に画定され、いくつかの実施形態では、90度以下、80度以下、または70度以下である。
【0167】
上文に述べたように、2対の電極274a、274bの間の距離Dは、4〜35mm、6〜25mm、または8〜15mmの範囲内であってもよい。
【0168】
単一の電極基材上に複合電極パッドを載置することで、例えば
図6Aから
図6Cに関して上文に記載されたように、電極が、電極基部の中に押し込まれる必要がある場合であっても、電極間の相対的な距離および角度の関係が、維持されることを確実にすることが理解される。その上、複合電極が単一の構造上にあることで、ユーザが管理しなければならない使い捨て品目を少なくすることができ、電極およびヘッドセットの使いやすさを高める。
【0169】
図7Aに示される電極ユニット272は、2対の電極を含んでいるが、構造は、
図10Bおよび
図10Cに示される構造と類似した、額の左側または右側のどちらかの三叉神経枝を片側刺激するための単一対の電極を載置するのに使用されてもよい。他の実施形態では、それぞれが、単一の電極を備えていて、
図10Aに示される実施形態に類似した寸法的および空間的関係を有する、2つの電極が、使用されてもよい。
【0170】
次に、複数の電極を含む単一の使い捨て電極ユニットを収容している単一の電極基部を含む、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットでの使用に適した電極受容ユニットの斜視図の具体例である、
図7Bを参照する。
【0171】
図7Bに見られるように、
図1Aおよび
図1Bに関して上文に記載されたものと類似の、前方部材112は、
図6Aから
図6Cに関して上文に記載された電極ハウジング240に類似していてもよい、単一の電極ハウジング280を含む。電極ハウジング280は、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザの額の大部分に及び、複数の電極パッド284を含む使い捨て電極ユニット282をその中に受容し、電極パッド284の周囲の全てに密封部を提供するように構成される。
【0172】
図示の実施形態では、電極ユニット282は、ユーザの頭部の眼窩上領域で三叉神経を刺激するように適合された、単一の基材および1対の電極パッド284を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、ユニット282は、例えば
図7Aに関して上文に記載された電極ユニット272と同様に、2つより多くの電極を含んでいてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、単一の電極ハウジング280は、それぞれが1つまたは複数の電極パッドを含む、1つまたは複数の使い捨て電極ユニットを受容することができ、必ずしも、ハウジング280の外形に完璧に適した電極ユニットだけを受容する必要はない。
【0174】
次に、それぞれ休止状態および着用状態にある、本明細書における教示の別の実施形態による
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットと共に使用するのに適した、発明の前方部材の平面的な上面図の具体例である、
図8Aおよび
図8Bと、本明細書における教示の別の実施形態による、発明電極ユニットの斜視図の具体例であり、電極ユニットが、
図8Aおよび
図8Bの発明の前方部材の部分を構成しており、電極ユニットが、単一の可撓性リーフ上に載置される複合電極を含む、
図9Aと、
図9Aの発明電極ユニットの断面の具体例であり、断面の具体例が、
図9Aの切断線IXB−IXBに沿っている、
図9Bと、を参照する。
【0175】
図8Aおよび
図8Bに見られるように、いくつかの実施形態では、前方部材112は、ここでは、前方電極システムをその上に載置した可撓性リーフ1216として示される、可撓性部分1214を含む。休止状態において、すなわちヘッドセットが、ユーザによって着用されていないで、ユーザの額に押圧されていないときには、可撓性部分は、前方部材112から半径方向内向きに延びていて、
図8AにおいてRで示される第1の半径と、
図8Aにおいて参照符号Aで示される第1の半径方向深さとを有する。ヘッドセットが、ユーザによって着用されるとき、可撓性部分1214は、半径方向外向きに延ばされ、
図8BにおいてR’で示される半径と、
図8BにおいてA’で示される第2の半径方向深さとを有する。可撓性部分1214の形状が、ユーザの額の外形に順応し、そこに圧力を加えるように、第2の半径R’は、第1の半径Rより大きく、第2の半径方向深さA’は、第1の半径方向深さAより小さく、それによって、たとえ、ユーザが、例えばヘッドセットの後方区分またはヘッドセットの側部分に圧力を加えながら横たわるように、自身の位置を変更しても、ヘッドセット、その治療構成要素が、ヘッドセットの使用中、所期の箇所から動くことがないように、可変状態では、十分な圧力が、ヘッドセット100とユーザの頭との間に存在することを確実にする。さらに、可撓性部分1214の可撓性およびそれによって加えられた圧力は、それが半径方向外向きに延ばされるとき、電極システム130が、ユーザの額の正確な解剖学的構造にかかわらず、ユーザの額と接触するように、前方部材112の外形と可変的な額外形との間の相違を補償する。
【0176】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット100が着用されるとき、可撓性部分1214が延ばされる度合いは、ヘッドセット100の周囲の調整に寄与する。
【0177】
適切な可撓性部分1214を構築するのに多くの方法があることが理解され、その1つを、
図9Aおよび
図9Bを参照しながら下文において説明する。
【0178】
本明細書の教示による可撓性部分1214は、前方部材112の一部を必ずしも構成する必要はなく、例えばスナップ式連結を使用して、それに取り外し可能に連結することが可能であり得る、またはユーザの皮膚と係合するように適合されるヘッドセット上の、後方部材116の中、および/またはアーム部材114沿いなどの、いずれかの箇所に設置され得ることがさらに理解される。
【0179】
次に、
図9Aおよび
図9Bを見ると、電極システム1230は、可撓性リーフ1216の上に載置されていることが分かる。電極システム1230は、リーフ1216が、電極基部として機能する1つまたは複数の電極ユニット1232を含む。リーフ1216は、連結部材(図示せず)によって、ヘッドセット100などのヘッドセットの前方部材112に物理的に結合されるように構成され、導線(図示せず)または導電性コネクタによってヘッドセット電気回路に電気的に結合されてもよい。電極ユニット1232は、少なくとも1つの電極ハウジング1240によって取り囲まれる。
【0180】
電極ハウジング1240は、リーフ1216の外周の周りに配置される側壁1242と、電極システム1230の前方部分に配置され、電極システムが、
図8Bに見られるように使用されるときに、ユーザの皮膚と係合するように適合される前方壁部分1244とを含む。中間壁部分1246は、リーフ1216が電極ハウジング1240と一緒に、電極ユニット1232を受容するように適合された空胴1248を作り出すように、電極ユニット1232を分離する。ある実施形態によれば、電極ハウジング1240は、好ましくは、シリコンまたは熱可塑性ウレタン(TPU)などの可橈性材料でできている。
【0181】
電極ハウジング1240、および具体的には空胴1248は、リーフ1216が延ばされるとき、電極ユニット1232から放出される流体を保持するように適合され、
図8Bの中に示されるように、電極システム1230はユーザの額に当てて圧縮される。いくつかの実施形態では、側壁1242は、電極システム1230がユーザの額に当てて圧縮されるとき、すなわち流体が、電極ユニット1232から空胴1248の中に放出されるとき、空胴1248から空気を除去することを可能にするように適合された、1つまたは複数の空気抜き1250を含む。
【0182】
可撓性リーフ1216は、少なくとも部分的にリーフ1216の上に、またはリーフ1216の中に配置された接触部分1254を画定する、電気伝導性材料を含んでいてもよい。導電層は、導線(図示せず)によって電気回路に電気的に結合されるように適合されており、電極ユニット1232用の接点として機能することができる。
【0183】
電極ユニット1232は、電極ハウジング1240の中のリーフ1216に取り外し可能に(物理的および電気的に)結合されるように構成されてもよい。
【0184】
電極ユニット1232は、実質的には、
図6Aから
図6Cに関して前述したように、液体吸収剤層またはパッド1256、および好ましくは炭素箔でできている可撓性電気伝導性裏当て層1258を含んでいてもよい多層ユニットである。導電性裏当て層1258は、実質的には、
図6Aから
図6Cに関して前述したように、導電塗装の薄い電気伝導性層をさらに含んでいてもよい。
【0185】
いくつかの実施形態では、電極ユニット1232は、使い捨てであり、パッド1256と共に、乾燥したものがユーザに提供されてもよく、ユーザは、使用前にパッド1256を水、生理食塩水、導電性ゲル、または他の適した液体に浸漬してもよい。他の実施形態では、ゲルの大部分が、パッドの中に吸収されていて、ユーザが、パッドを浸漬する必要が全くないように、使い捨て電極ユニット1232の電極パッド246は、導電性ゲルにあらかじめ浸漬されていてもよい。導電性ゲルは、電極と共に使用するのに適したどのような市販の導電性ゲルであってもよい。導電性ゲルを使用することで、導電性は改善され、パッド1256の脱水を減少させること、およびあらかじめ浸漬されたパッド1256は、ユーザが取り扱うのがより容易になり、面倒ではなくなり得ることが理解される。いくつかの実施形態では、パッド1256は、自動接着性ヒドロゲル層を備えていてもよい。
【0186】
使い捨て電極ユニット1232の電極パッド1256は、電流、または例えば脳波(EEG)などの他の生体信号を皮膚面から受容(感知)し、それを、ヘッドセット回路を介して、マイクロプロセッサを含む電子回路に転送する、またはそれを無線で遠隔ユニットに伝送するように構成されてもよい。
【0187】
上述したように、電極ユニット1232は、使い捨てであってもよく、都合よく、ユーザによって交換されることができる。いくつかの実施形態では、接触部分1254および/または裏当て層1258は、リーフ1216に固定されてもよく、他方、他の実施形態では、これらの層の一方または両方は、パッド1256に取り付けられてもよく、それと共にユーザによって交換されてもよい。いくつかのこのような実施形態では、リーフ1216は、電極ユニット1232に取り付けられた対応するコネクタに、物理的かつ電気的に可逆的に結合されるように構成された、導電機械式スナップコネクタを含むように構成されてもよい。
【0188】
いくつかの実施形態では、電極ユニット1232は、電極ハウジング1240に永久的に取り付けられ、電極ユニット1232はハウジング1240と共に、使い捨てであり、各使用後に、または数回使用後に、ユーザによって交換されるように設計される。いくつかの実施形態では、リーフ1216および電極システム1230を含む可撓性部分1214全体は、使い捨てであり、各使用後に、ユーザによって交換されるように設計される。
【0189】
次に、眼窩上領域で選択的に神経枝を刺激するように構成された単一の発明電極の寸法についての概略的な具体例である
図10Aと、眼窩上領域で選択的に神経枝を刺激するように構成された分割型発明電極の2つの実施形態の寸法についての概略的な具体例である
図10Bおよび
図10Cと、眼窩上領域の左右両側で神経枝を刺激するときの、
図10Cの電極の配置についての概略的な具体例である
図10Dとを参照する。
【0190】
図10Aは、
図1Aおよび
図1Bの1つまたは複数の電極システム130などの、眼窩上領域を刺激するために構成され得る電極260の実施形態の具体例である。電極260は、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、ユーザの皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、動作モードにおいて、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0191】
電極260は、以下の寸法を備えた導電性接触面を有するように構成されることができる。
(i)20から55mm、25から50mm、または30から45mmの長さを有する長い寸法(D
L)。
(ii)10から30mm、10から25mm、または12から20mmの長さを有する狭い寸法(D
N)。
凹形外形Eは、境界点GおよびFによって画定される凹部を有し、境界点は、凹部の反対側端部に配置される。
【0192】
典型的には、A/Lは少なくとも0.5mmであり、
Aが、点線Kおよび凹部によって境界が示される区域であり、
Lが、線K(境界点GとFとの間)の長さであり、(L)が、少なくとも10mmであり、
凹形外形上の第1の点と、凹形外形Eの反対側の電極260の周辺上の第2の点との間に配置され、第1の点で外形Eに対して垂直になるように配列された線が、長さHを有し、凹形外形の全体にわたって、
H
max/H
min≦2.5であり、
H
maxが、全体にわたってHの最大値であり、
H
minが、全体にわたってHの最小値である。
【0193】
眼窩上の領域を刺激するように構成された2つの電極260の間の距離は、4〜35mm、6〜25mm、または8〜15mmの範囲内であってもよい。
【0194】
図10Bは、いくつかの実施形態では、電極270aおよび270bが共に、
図1Aおよび
図1Bの1つまたは複数の電極システム130と機能性において類似していることができるように、眼窩上領域における特定の神経または神経枝を刺激するため、またはユーザの脳の前方領域の経頭蓋を刺激するためなどの、ユーザの頭部の前方部分を刺激するために構成され得る1対の電極270aおよび270bの実施形態の具体例である。
【0195】
電極270aおよび270bのそれぞれは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、ユーザの皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、動作モードにおいて、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、既存の層の他に、電極270aおよび270bは、追加的な非導電性電極基材をさらに共有し、実質的には、
図7Aに関して前述したように、基材は、電極270aおよび270bの1つの電極裏当てとそれぞれ電気的に接触する2つの接触部分を含む。
【0197】
電極270aおよび270bの高さが、その最大点(D
N)で、10mmから40mm、12mmから36mm、または20から33mmの範囲内であるように、電極270aおよび270bはそれぞれ、第1の端部、第2の端部、高さ、および長さを有する。
【0198】
電極270aおよび270bは、ユーザの皮膚に隣接して配置されるとき、第1の電極の第2の端部271aが、第2の電極の第1の端部271bと隣接するように、相互に並んで水平に配置されるように構成され、そして、いくつかの実施形態では、その間に距離Sを備えながら、第2の電極の第1の端部271bと平行に配置されるように構成され、Sは、1〜15mm、2〜10mm、または4〜8mmの範囲内である。
【0199】
電極270aの長さ、電極270bの長さ、および距離Sで構成される長さ(D
L)は、20mmから55mm、25から50mm、または30から45mmの範囲内である。いくつかの実施形態では、電極270aのA
1区域は、電極270bの区域A
2と等しい。他の実施形態では、区域A
1/A
2の比率は、0.5〜2、0.7〜1.5、または0.8〜1.25の範囲内である。
【0200】
いくつかの実施形態では、電極270aおよび270bは共に、その低い方の端部で、凹部の反対側端部に配置される境界点FおよびGによって画定される凹部を有する、単一の凹形外形Eに沿って画定されることができ、凹部は、
比率A/Lが、少なくとも0.5mmであって、Aが、点線Kおよび凹部によって境界を示される区域であり、Lが、線K(境界点GとFとの間の)の長さであり、Lが、少なくとも10mmである
ように、ユーザの眉の輪郭に概ね従う。
【0201】
上文において検討されたように、凹形外形上の第1の点と、凹形外形Eの反対側の電極270aまたは270bの1つの周辺上の第2の点との間に配置され、第1の点で外形Eに対して垂直になるように配列された線は、長さHを有し、電極270aおよび270bの両方の凹形外形の全体にわたって、
H
max/H
min≦2.5であり、
H
maxが、全体にわたってHの最大値であり、
H
minが、全体にわたってHの最小値である。
【0202】
電極270aの縁部271aと線Kとの間に画定された角度βは、45〜110度、70〜90度、または75〜85度の範囲内であり、βは、電極の基部に対する縁部271aの角度を特徴付ける。
【0203】
いくつかの実施形態では、電極270aおよび270bを合わせると、
図1Aおよび
図1Bに示されるような単一の前方電極システム130で使用するのに最適であり得ることが理解される。さらに、一対の電極270aおよび270bが、非対称である実施形態では、対として、ユーザの額の対称的に向かい合った側で使用される電極の対応する対は、電極270aおよび270bの鏡像複製となる。
【0204】
眼窩上領域を刺激するように構成された2対の電極270aおよび270bの間の距離は、4〜35mm、6〜25mm、または8〜15mmの範囲内であってもよい。
【0205】
図10Cは、眼窩上領域における特定の神経または神経枝を刺激するためなどの、ユーザの頭部の前方部分を刺激するために構成され得る、1対の電極1270aおよび1270bの実施形態の具体例である。具体的には、電極は、
図23Cに関して下文で説明されるように、三叉神経の眼分枝の枝である、眼窩上および滑車上神経を刺激するために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、電極1270aおよび1270bは共に、
図1Aおよび
図1Bの1つまたは複数の電極システム130と機能性において類似していることができる。
【0206】
電極1270aおよび1270bのそれぞれは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、ユーザの皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、動作モードにおいて、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、既存の層に加えて、電極1270aおよび1270bは、追加的な非導電性電極基材をさらに共有しており、基材は、実質的には、
図7Aに関して前述したように、電極1270aおよび1270bの1つの電極裏当てとそれぞれ電気的に接触している2つの接触部分を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、電極1270aおよび1270bは、実質的に同一の外形を有しており、
図10Cに示される一般的な外形を形成するように、互いに対して回転されているにすぎない。電極が同一の形状およびサイズであることにより、ユーザによる電極の設置は平易化され、製造費用は、簡素化されて削減される。電極が同じ外形を有しているにもかかわらず、刺激される神経枝のそれぞれの解剖学的位置の上に正確に設置され、ユーザにとって不快となる頭蓋骨骨膜などの組織の望ましくない刺激を防止するように、それらは、異なる角度に方向付けて配置される。
【0209】
電極1270aおよび1270bは、概括的には、台形の隅部が曲線に置き換えられた台形である。このように、各電極は、第1の端部または基部1272、第2の端部または基部1274、第1の側部1276および第2の側部1278、高さ(第1の側部と第2の側部との間に画定される)、および長さ(第1の基部と第2の基部との間に画定される)を含む。
【0210】
電極1270aおよび1270bの長さは、その最大点(D
N)では、10mmから40mm、15mmから30mm、または20から25mmの範囲内である。電極1270aおよび1270bの高さは、第1の基部に隣接する第1の側部と第2の側部との間に画定される最小高さH
minと、第2の基部に隣接する第1の側部と第2の側部との間に画定される最大高さH
maxとが、次の式を満たすようになっている。
H
max/H
min≦2。
【0211】
電極1270aおよび1270bは、ユーザの皮膚に隣接して配置されるとき、第1の電極の第2の端部1274aが、第2の電極の第1の測部1276bと隣接するように、相互に並んで水平に配置されるように構成され、そして、いくつかの実施形態では、その間に距離Sを備えながら、第2の電極の第1の測部1276bと平行に配置されるように構成され、Sは、1〜15mm、2〜10mm、または4〜8mmの範囲内である。第2の基部1274aおよび第1の側部1276bが平行に配置されることで、電流密度の高い区域が、電極の間に形成されることが防止される。
【0212】
電極1270aの長さ、電極1270bの幅、および距離Sで構成される長さ(D
L)は、20mmから55mm、25から50mm、または30から45mmの範囲内である。いくつかの実施形態では、電極1270aおよび1270bのA区域は、等しい。
【0213】
電極1270aの第2の基部1274aと第2の側部1278aとの間に画定される角度βは、45〜110度、70〜90度、または75〜85度の範囲内である。βは、電極の基部1274aに対する第2の側部1278aの角度を特徴付ける。さらに、βが、電極の基部1274aに対する、第1の側部1276aの角度を特徴付けるように、電極1270aおよび1270bは、左右対称であり得ることが理解される。
【0214】
いくつかの実施形態では、電極1270aおよび1270bを合わせると、
図1Aおよび
図1Bに示されるような単一の前方電極システム130で使用するのに最適であり得ることが理解される。さらに、互いの鏡像として配置される2対の電極対1270aおよび1270bは、
図10Dに示されるように、ユーザの額の対称的に対向する側に使用され得る。いくつかの実施形態では、電極1270aおよび1270bの各対は、眼窩上神経の枝および滑車上神経の対応する枝を刺激する別々の刺激チャネルとして機能するように構成される。
【0215】
眼窩上領域を刺激するように構成される2対の電極1270aと1270bとの間の距離Dは、4〜35mm、5〜25mm、または6〜15mmの範囲内であってもよい。
【0216】
追加的な電極が、他の神経、例えば頬骨側頭の神経または頭部の両側の耳介側頭神経を刺激するために、または側頭脳領域を刺激するために、ヘッドセット上に位置付けられてもよい。ヘッドセットは、
図22Aから
図22Bに関して下文でさらに記載されるように、後頭部領域を刺激するように構成された電極をさらに含んでいてもよい。
【0218】
図11Aおよび
図11Bに見られるように、
図1Aおよび
図1Bの後方部材116に類似していることができる後方部材716は、後頭電極システム740を収容するように適合させてある、
図1Aおよび
図1Bの電極システム140に類似した、後方電極ハウジング700を含む。後方電極ハウジング700は、ヘッドセットが、ユーザによって使用中であるとき、ユーザの皮膚から離れる方に面するように構成された外面702と、ヘッドセットが使用中であるとき、ユーザの皮膚と係合するように構成された内面704とを含む。いくつかの実施形態では、電極ハウジング700は、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリプロピレン、および類似物などの可橈性材料で形成される。
【0219】
電極システム740は、実質的には、
図6Aから
図6Cに関して前述したように、導電性裏当て層748と電気的に係合するように適合された電極パッド746を典型的には含む。導電性裏当て層748は、いくつかの実施形態では内面704上に載置される、前述の後方電極ハウジング700の中に配置されてもよく、後方電極ハウジング700の内面704の中にまたはその上に配置される電気接点744と電気的に係合するように構成される。通常、電極パッド746は、使い捨てであり、使用毎にまたは必要に応じてユーザによって交換され得る。いくつかの実施形態では、導電性裏当て層748は、使い捨て電極パッド746上に載置されていて、電極パッドが交換されるとき、ユーザによって交換される。
【0220】
外面702上で、通常は内面704上の接点744の位置と平行な位置に配置されるのは、圧力を後方電極に加えるのに適した位置に関して、ヘッドセットを着用しているユーザを案内するように構成される圧力位置ガイド706である。いくつかの実施形態では、ヘッドセットが着用されるとき、ユーザが、ユーザの頭部の後方部分でその位置を触覚的に感じることができるように、圧力位置ガイド706には、テクスチャが付けられる。
【0221】
ヘッドセットが、休止状態にあるとき、すなわちユーザによって着用されていないとき、電極システム740は、
図12Aに示すように、電極ハウジング700の内面全体704と係合している。この状態では、電極パッド746は、Aによって示される第1の厚さを有する。
【0222】
上述したようにヘッドセットを着用した後、電極システム740が、ユーザの頭部の後方でユーザの毛髪の下に設置されるとき、ユーザは、電極ハウジング700に対して、
図12Bの矢印Fによって示される方向の圧力を圧力位置ガイド706によって示された位置に加える。いくつかの実施形態では、ユーザによって加えられる力Fは、0.1Nより大きい、1.0Nより大きい、または3.0Nより大きい。
【0223】
電極ハウジング700の可撓性性質に因って、
図12Bに見られるように、ユーザによって圧力位置ガイド706に圧力が加えられると、結果的に、電極ハウジング700は、変形し、電極パッド746は、厚さA’まで圧縮される。いくつかの実施形態では、押圧状態の電極パッド746の厚さA’は、休止状態のパッドの厚さAより小さい(A’<A)。
【0224】
ユーザによって圧力が加えられ、加えて電極パッド746が圧縮されることで、結果的に、水、生理食塩水、または導電性ゲルなどの導電性流体が、電極パッド746から、電極システム740とユーザの毛髪および/または頭皮との間の間隙に放出される。放出された液体は、電極システム740と頭皮との間で、その間に毛髪が存在することに起因するインピーダンスを減少させ、したがって、治療の効力を高める。
【0225】
いくつかの実施形態では、電極ハウジング700は、完全には可橈性材料で形成されておらず、むしろ、可橈性材料で形成された層を含んでいて、そこにユーザによって圧力が加えられる。
【0226】
いくつかの実施形態では、硬質層は、可撓性電極ハウジング700またはその可撓性層と、電極システム740との間に配置される。このような実施形態では、圧力は、ユーザによって可撓性電極ハウジング、または可撓性層に加えられて、圧力が硬質層の全体にわたって分散されることで、結果的に、硬質層の上に載置された電極裏当て748は、電極パッド746の表面全体と接触することになる。さらに、より多くの同種の圧力が、電極パッド746に加えられる場合もある。このような実施形態では、接点744および/または電極裏当て748は、硬質層の上に配置される。
【0227】
次に、単一の発明電極および分割型発明電極の寸法についての概略的な具体例であり、両方ともに、後頭部領域において神経枝を選択的に刺激するように構成された
図13Aおよび
図13Bを参照する。
【0228】
図13Aは、
図1Aおよび
図1Bの1つまたは複数の電極システム140などの、後頭部領域を刺激するために構成され得る電極290の実施形態の具体例である。
図13Bは、一緒に電極290と類似の輪郭を有していることができ、電極291aおよび291bが共に、
図1Aおよび
図1Bの1つまたは複数の電極システム140と機能性において類似していることができるように、後頭部領域において特定の神経または神経枝を刺激するために構成され得る1対の電極291aおよび291bの具体例である。
【0229】
電極290、291a、および291bは、生体適合性接触面を有する液体吸収性層であって、接触面は、ユーザの皮膚面に接触して並置されるように適合される、液体吸収性層と、液体吸収性層に取り付けられた電極裏当てであって、裏当ては、少なくとも1つの電気伝導性材料または要素を含有し、導電材料または要素は、液体吸収性層が、液体で満たされると、動作モードにおいて、液体吸収性層と電気的に接続される、裏当てと、を含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、電極291aおよび291bは共に、追加的な、共有非導電性電極基材層に取り付けられてもよく、基材は、電極291aおよび291bの1つの電極裏当てとそれぞれ電気的に接触する2つの接触部分を含む。
【0231】
電極290、291a、および291bのそれぞれは、水平対称軸292を中心に対称の鏡像である。
【0232】
図13Aを詳しく見ると、電極290は、狭くて細長く、いくつかの実施形態では、湾曲していて、曲線295によって連結され得る第1の端部293および第2の端部294を画定する、先細の、湾曲した、概ね円錐台形の輪郭を有していてもよい。いくつかの実施形態では、電極290は、以下の寸法を有していてもよい導電性接触面を有するように構成され得る。
(i)10から55mm、15から50mm、または25から45mmの長さを有する長い寸法(L)。
(ii)5から35mm、8から20mm、または10から15mmの長さを有する基部293の狭い寸法(H
1)。
(iii)H
1とH
2の間の比率が、2以下、1.5以下、または1以下であるような、先端294の狭い寸法(H
2)。
【0233】
いくつかの実施形態では、湾曲した先端294の湾曲は、湾曲した先端294の範囲内で部分的に外接される想像円によって画定されてもよく、想像円は、10mm以下、8mm以下または6mm以下である半径Rを有する。
【0234】
いくつかの実施形態では、曲線295の湾曲は、曲線295のそれぞれの範囲内で部分的に外接される第2の想像円によって画定されてもよく、想像円は、少なくとも50mm、少なくとも100mm、または少なくとも150mmの半径R
1を有する。
【0235】
次に
図13Bを見ると、電極291aおよび291bを合わせると、電極290と類似の輪郭を有することが分かる。したがって、電極291aは、基部293を含むことができ、電極291bは、先端294を含むことができ、想像曲線295は、基部293から先端294まで、電極291aと291bとの間に距離Sだけ埋めて延びることができる。
【0236】
図13Bの中に示される寸法L、H
1、H
2、R、およびR
1は、
図13Aの中の対応する寸法と実質的に同じやり方で画定される。
図13Bの寸法L、R、およびR
1は、
図13Aの対応する寸法と実質的に同じ長さである。しかしながら、
図13Bの寸法H
1は、5mmから35mm、10mmから25mm、または12mmから20mmの長さを有していてもよい。
図13Bの寸法H
1とH
2の比率は、
図13Aの対応する比率と実質的に同じである。
【0237】
見られるように、相互に隣接する電極291aおよび291bの縁部296は、平行であってもよく、その間に距離Sを有していてもよく、Sは、1から10mm、2〜8mm、または4〜6mmの範囲内である。距離Sは、いくつかの実施形態では、電極291aおよび291bのそれぞれが、後頭神経枝の異なる1つを刺激するのに適切であるように選択され得ることが理解される。
【0238】
電極291aの縁部296と対称軸292との間に画定される角度θは、75〜105度、80〜100度、または85〜95度の範囲内である。角度θは、電極が分割される角度を特徴付ける。
【0239】
いくつかの実施形態では、電極291aの区域A
1は、電極291bの区域A
2と等しい。他の実施形態では、区域A
1/A
2の比率は、0.5〜2、0.7〜1.5、または0.8〜1.25の範囲内である。
【0240】
電極291aおよび291bを合わせると、
図1Aおよび
図1Bに示されるような単一の後方電極システム140で使用するのに適切であり得ることが理解される。電極291aおよび291bが、非対称であるいくつかの実施形態では、対として、ユーザの後頭部領域の向かい合った側で使用される電極の対応する対は、電極291aおよび291bの鏡像複製となる。
【0241】
次に、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットの平面的な具体例である、ヘッドセットの可撓性アーム部材114の長さを示している
図14A、
図14B、および
図14Cを参照する。
【0242】
図1Aおよび
図1Bに関して上文で述べたように、各アーム部材114は、前方部材112に隣接する可撓性テンプルアーム部分118と、後方部材116を含む可撓性後方アーム部分119と、その間に配置されるサイズ調整機構120とを含む。
【0243】
図14Aを詳しく見ると、Aと標示される、可撓性後方アーム部分119の長さは、180mm、150mm、または130mmより小さい。Bと標示される、硬質調整機構120の長さは150mm、120mm、または100mmより小さい。Cと標示される、テンプルアーム部分118の長さは、110mm、90mm、または75mmより小さい。Dと標示される、前方部材112の長さは、150mm、120mm、または100mmより小さい。
【0244】
いくつかの実施形態では、寸法A、B、C、およびDは、数式2(A+B+C’)+Dによって示される、ヘッドセット100の総周囲は、700mm、680mm、または660mmより小さいように選択される。
【0245】
図3Aから
図3Dに関して上文で検討したように、テンプルアーム部分118が、弾性を有すること、およびアーム部材114が、外向きに引っ張られるとき、テンプルアーム部分118が、アーム部材114をヘッドセットの対称軸に向かって後ろに動かすように、アーム部材114が、その上に所定の予圧を有していることは、本明細書における教示の特有の特徴である。予圧、ならびに予圧の推進力下でアーム部材によって加えられた力の大きさに影響を及ぼすさまざまな要因は、
図3Aから
図3Dに関して上文に記載される。
【0246】
テンプルアーム部分118の弾性は、アーム部材114が外向きに引っ張られたあと、アーム部材114を対称軸に向かって動かすために、必要とされる可撓性および弾性の少なくとも一部を提供することが理解される。テンプルアーム部分118の可撓性の度合いは、テンプルアーム部分118の可撓性が大きい程、アーム部材114の変位が大きくなり得るように、アーム部材114が外向きに変位され得る距離に影響を及ぼす。前方部材112が、同様に可撓性または半可撓性を有する実施形態では、その可撓性も同様に、アーム部材114が外向きに変位され得る程度に寄与し得ることが理解される。
【0247】
後方アーム部分119の長さAは、長さAが、ユーザの頭部のサイズに関係なく、ユーザの頭部の後方部分全体にわたるべく適合されることになるように、選択される。具体的には、後方アーム部分119が、あまりに短い場合には、ヘッドセット100は、大きい頭部を有する人の上では閉じることができない可能性がある。さらに、後方アーム部分119が、あまりに短い場合には、それらは、ヘッドセットを着用している間、ユーザの頭部の後部分の外形と揃うことができない可能性があり、したがって、クロージャ機構128とユーザの頭部との間の角度α(
図3Bおよび
図3C)は、変更される可能性があり、ユーザの毛髪の間に梳いて入ることが、阻害される可能性がある。
【0248】
サイズ調整機構120は、例えば従来技術において知られていられる摺動可能機構またはラチェット機構などの、いかなる適切なサイズ調整機構であってもよい。サイズ調整機構120の長さB、ならびにサイズ調整機構120がアーム部材114の長さを変更することができる程度は、適切な範囲のヘッドセットの周囲を可能にし、一方で、閉状態にあるヘッドセット100の周囲が、確実に、ユーザの頭部の周囲に合わされることになるように選択される。
【0249】
図14Bを見ると、いくつかの実施形態では、後方アーム部材119およびサイズ調整機構120、およびその長さは、
図14Aの実施形態と同じ状態のままであるが、可撓性テンプルアーム部分118は、それがヘッドセットの周囲のおよそ半分に沿って延在するアークを構成するように、前方部材112を通って、例えばその中の専用のスロットを通って延びていることが分かる。いくつかのこのような実施形態では、Cと標示される、可撓性アーム部分118の長さは、220mmより小さい、180mmより小さい、または120mmより小さい。このような実施形態では、ヘッドセット100の周囲の長い方の区分は、可撓性および弾性を有し、アーム部材114上の予圧、ならびにアーム部材114の弾性、およびアーム部材が、外向きに変位され得る程度に寄与する。
【0250】
図14Bに示されるような実施形態では、前方部材112は、前方部材に沿って延びる可撓性アーム部分118が、必要に応じて、撓曲することができるように構築されなければならない。例えば、アーム部分118が、必要に応じて撓曲することができるように、前方部材112は、少なくとも部分的に可撓性を有していてもよく、その中のチャネルを通って延びるアーム部分118を有していてもよい。別の例として、前方部材112は、硬質であってもよく、その外面に沿って延びていて、アーム部分118が、前方部材112の可撓性を何ら必要とすることなく、必要に応じて撓曲することができるように、中央の単一の点で前方部材112に固定されたアーム部分118を有していてもよい。
【0251】
図14Cは、
図14Bの実施形態と類似の実施形態を図示し、可撓性テンプルアーム部分118が、前方部材112の外で、例えばその内部に延びている。いくつかのこのような実施形態では、実質的には、
図14Bに関して前述したように、Cと標示される可撓性アーム部分118の長さは、220mmより小さい、180mmより小さい、または120mmより小さい。
【0252】
図14Cに示されるような実施形態では、前方部材112は、前方部材に沿って延びる可撓性アーム部分118が、必要に応じて撓曲することができるように、構築されなければならないことが理解される。例えば、アーム部分118が、前方部材112の可撓性を何ら必要とすることなく、必要に応じて撓曲することができるように、前方部材112は、中央の単一の点で前方部材112に固定されたアーム部分118を有していてもよい。次に、本明細書の教示による、毛髪を通って梳いて入るのに適した発明ヘッドセットの後方部材の概略的な平面的上面図の具体例である
図15を参照する。
【0253】
図15に見られるように、いくつかの実施形態では、Aで示される、後方アーム部分119に連結される端部での後方部材116の幅が、A’で示される、クロージャ機構128に隣接するヘッドセット100の開口端部での後方部材116の幅と比べて、A>A’であるように、より大きいように、後方部材116は、先細になっている。本明細書には図示されていない他の実施形態では、後方部材116の幅は、A=A’であるように、その長さの全体にわたって固定的であってもよい。後方部材116が、後方部材116と、それと関連付けられるおよび/または毛髪が存在している位置に配置された電極との下から離れるように毛髪を押しながら、頭皮面に届くために、狭く、好ましくは先細の、後方部材116の構造は、毛髪の下および/またはそれを通って、および毛髪の根元の間に効果的に梳いて入ることを可能にする。
【0254】
いくつかの実施形態では、最も幅の広い場所での後方部材116の幅Aは、40mm以下、30以下、または20mm以下である。いくつかの実施形態では、Lで示される、後方部材116の長さは、100mm以下、80mm以下、60mm以下、または50mm以下である。いくつかの実施形態では、Lで示される、後方部材116の長さは、5mm以上、10mm以上、または20mm以上である。
【0255】
後方部材116が、
図1Aおよび
図1Bに図示されるもののような、その上に配置される電極システムを有する実施形態では、後方部材116の寸法は、電極システムを収容することができるだけ十分に大きくなければならず、したがって、最小電極寸法によって制限されることが理解される。電極が、後方部材116上には配置されていない実施形態では、いかなる適切な寸法が、使用されてもよく、寸法は、ヘッドセットを着用するときの使いやすさ、毛髪から離れて梳いて入ることにおける後方部材の有効性等などの、他のパラメータに基づいて決定され得る。
【0256】
後方部材116が、電極システムを含んでいる実施形態などの、いくつかの実施形態では、後方部材116の幅が先細になっている部分が、後方部材に沿って線形である必要はない、および/または後方部材が、長さ全体に沿って先細になっている必要はないことがさらに理解される。例えば後方部材は、固定幅または非常にわずかな先細りを有する電極部分を含んでいてもよく、クロージャ機構で幅A’に達するように、電極に対して遠位の第2の部分においてより大きい角度で先細になっていてもよい。
【0257】
次に、本明細書における教示による
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットを閉じるための磁気クロージャ機構128の2つの実施形態の斜視図の具体例である
図16Aおよび
図16Bを参照する。
【0258】
クロージャ機構の2つの部分が相互に引きつけ合い、したがって、ヘッドセット100を着用しているユーザが、クロージャ機構128と直接相互作用すること、またはクロージャ機構128を操作することを必要とせずに、閉じることができるので、磁気クロージャ機構128は、他の種類のクロージャ機構を使用するよりも有利であることが理解される。着用工程の間、通常ユーザの手は、
図3Aから
図3Dに示されるように、ヘッドセットの側部分でヘッドセットを保持しており、したがって、クロージャ機構を自由に操作することができないので、このことは、発明ヘッドセット100を着用する方法において特に有用である。
【0259】
図16Aは、1つまたは複数の磁石の使用に基づいたクロージャ機構128を図示する。見られるように、いくつかの実施形態では、後方部材116は、磁気的引力部分300で終端している先細端部129をそれぞれが有する。いくつかの実施形態では、磁気的引力部分300aおよび300bは、共に磁石である。他の実施形態では、磁気的引力部分300aおよび300bの一方が、磁石であり、その一方で、他方が、磁石に引きつけられる金属でできている。
【0260】
1つの磁気的引力部分300aは、ピン302を含み、他方で、他方の磁気的引力部分300bは、ピン302を収容するのに適切なボア304を含む。磁気的引力部分300は、相互に隣接して配置されるとき、相互に引き付け合うように配置され、それによって、ピン302が、ボア304と係合し、ユーザの頭部上でヘッドセットを固定するように導く。
図16Aには図示されていない、いくつかの実施形態では、ピン302をボア304の中に固定するために、磁気的引力部分の一方を他方の上に重ねる必要がないように、磁石300は、先細端部129に対して概ね垂直に位置していてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の磁石は、ネオジム磁石を備える。
【0261】
図16Bは、磁気引力の使用に基づいた別のクロージャ機構128を図示する。見られるように、後方部材116は、少なくとも1つの球面を画定する球体の少なくとも1つの区分を備える磁気的引力部分312を収容するハウジング310で終端している先細端部129を、それぞれが有する。いくつかの実施形態では、磁気的引力部分312aおよび312bは、共に磁石である。他の実施形態では、磁気的引力部分312aおよび312bの一方が、磁石であり、その一方で、他方が、磁石に引きつけられる金属でできている。
【0262】
いくつかの実施形態では、磁気的引力部分312は、球形キャップまたは半球体などの、球体の区分を備える。他の実施形態では、磁気的引力部分312は、球体を備える。いくつかの実施形態では、磁気的引力部分312の球面は、2から20mmの範囲内、3から15mmの範囲内、または4〜10mmの範囲内の半径を有する。いくつかの実施形態では、磁気的引力部分312の1つまたは複数の磁石の保持力は、0.5から15Nの範囲内、1から10Nの範囲内、1.5から7Nの範囲内である。
【0263】
磁気的引力部分312は、その球面で相互に係合し、それによって、ヘッドセット100を閉じるように適合される。磁気的引力部分312の係合面が球形状であるので、2つの磁気的引力部分312の間の接点は、極小であり、実質的に単一の点であり、それによって、ユーザの毛髪をクロージャ機構128の中に挟むことを防止している。
【0264】
いくつかの実施形態では、
図3Aから
図3Dに関して上文に説明したように、ヘッドセットを着用する間、ユーザが、クロージャ機構128を見ることなく、ヘッドセット100を閉じることがより容易になるように、磁気的引力部分312は、ハウジング310の中で回転可能であり、互いがわずかな距離のところに配置されると、相互に引き付け合うように配置される。いくつかの実施形態では、磁気的引力部分は、それらが、10mm以下、20mm以下、または30mm以下の距離のところにあるとき、相互に引き付け合うように配置される。その上、磁気的引力部分が、ハウジング310の中で回転することができることによって、磁気的引力部分の1つまたは複数の磁石の極性方位は、後方部材116の所与の配列または後方部材116の間の所与の角度において、それ自体を最適な方位に調整すること、または2つの磁石の間の配列を調整することができる。いくつかの実施形態では、磁石は、ネオジム磁石を備える。
【0265】
いかなる適切なクロージャ機構が、着用された時、ヘッドセット100が落ちないまたは動かないように、ヘッドセット100を固定するのに使用されてもよいことが理解される。しかしながら、
図16Aおよび
図16Bに図示される実施形態の全てにおいて、クロージャ機構128の設置面積、詳細には、クロージャ機構が閉じているときに、相互に接触するクロージャ機構128の表面の設置面積は、小さく、それによって、ユーザの頭部上でヘッドセットを閉じる間、毛髪が、クロージャ機構128の要素に挟まれるおよび/または引っ張られるのを減らす、そして幾つかの事例では、防止することが、本明細書における教示の特有の特徴である。
【0266】
次に、休止状態で、折り畳まれた位置にある
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセットの上面図の具体例をそれぞれ提示する、
図17Aおよび
図17Bを参照する。
図17Aは、
図1Aおよび
図1Bに関して上文に記載したように、休止状態にあるヘッドセット100を示す。
【0267】
図17Bは、畳まれた位置にあるヘッドセット100を示し、アーム部材114は、眼鏡が折り畳まれるのと同様のやり方で、ヒンジ122で折り畳まれている。ばね付きヒンジ、バレルヒンジ、連動ヒンジ、およびアーム部材114に組み込まれた一体型ヒンジなどの、いかなる適切な型のヒンジ機構122が、アーム部材114を折り畳むのに使用されてもよい。さらに、ヒンジ機構122は、プラスチック、およびステンレス鋼などの金属を含むいかなる適切な種類の材料で形成されてもよい。しかしながら、
図18Aおよび
図18Bに関して以下に記載されるように、電気導体が、ヒンジを通ることを必要とされるいくつかの実施形態では、一体式ヒンジなどのある型のヒンジは、適していない。
【0268】
次に、本明細書の教示による発明ヘッドセットで使用するのに適している電気導体が、ヒンジアーム部材114の中に埋め込まれている実施形態の概略的具体例である
図18Aおよび
図18Bを参照し、それぞれ、
図18Aは、畳まれた位置にあるアーム部材114を図示し、
図18Bは、開位置にあるアーム部材114を図示する。
【0269】
見られるように、そして
図17Aおよび
図17Bに関して上文で検討されたように、いくつかの実施形態では、
図18Aに図示された、ヒンジ部分320の畳まれた位置では、端面324および326が、ヒンジ122以外では相互に係合してなく、
図18Bに図示されたヒンジ部分の開位置では、第1の端面324が、アーム部材114の第2の端面326と係合するように、ヘッドセット100のアーム部材114は、アーム部材114の第1の端面324と第2の端面326との間に配置されるヒンジ122を含むヒンジ部分320を含む。
【0270】
ある実施形態、詳しくは、ヘッドセット100の電源および/または処理ユニットが、前方部材112の中に配置され、後方電極140に電力および/または処理命令を提供する必要がある実施形態では、電気導体は、アーム部材114の少なくとも1つに沿って少なくとも1つのヒンジ部分320を通って延びていなければならないことが理解される。
【0271】
いくつかのこのような実施形態では、前方部材112に電気的に接続された第1の電気導体330は、金属接触ボア332の中の第1の端面324で終端し、後方部材116に電気的に接続された第2の電気導体334は、金属接触ピン336の中のアーム部材114の第2の端面326で終端する。
【0272】
図18Aに図示したように、ヒンジ部分320が畳まれた位置にあるとき、前方部材112が、アーム部材114からおよび/または後方材116から電気的に切断されるように、金属接触ピン336は、金属接触ボア322から離される。対照的に、ヒンジ部分320が、
図18Bに示される開位置にあるとき、金属接触ピン336は、金属接触ボア332の中に配置され、それと電気接触している。したがって、ヒンジ部分320が開位置にあるとき、電流および処理命令は、前方部材112、アーム部材114、および後方部材116の間に伝導され得る。
【0273】
次に、本明細書の教示による発明ヘッドセットで使用するのに適している電気導体が、サイズ調整機構の中に埋め込まれている実施形態の概略的具体例である、
図19を参照する。
【0274】
図14Aおよび
図14Bに関して上文で検討したように、アーム部材114は、サイズ調整機構120を含む。本明細書に述べたように、サイズ調整機構120は、電流が、前方部材112と後方部材116との間に伝導されるように、前方部材112と後方部材116との間に配置され、電気導体は、アーム部材114を通って、そしてサイズ調整機構120を通って延びていなければならない。
【0275】
いくつかの実施形態では、サイズ調整機構120は、テンプルアーム部分118の中に形成されるスロット340と、後方アーム部分119から延び、スロット340の中に配置されて、その中で摺動可能に動くことができる可撓性アーム部分342とを含む、摺動式かつ/またはラチェット式調整機構を備える。
【0276】
第1の平坦な電気導体344は、前方部材112から、テンプルアーム部分118に沿って、そしてスロット340に沿って延びる。第2の電気導体346は、後方アーム部分119に沿って、そしてその可撓性アーム部分342に沿って延び、接触ばね348が、スロットの中で平坦な電気導体344と電気的に接触するように、スロット340の中の接触ばねの中348で終端する。したがって、サイズ調整機構120を通る電気伝導は、スロット340の中の可撓性アーム部分342の位置に関係なく、平坦な電気導体344と接触ばね348との間の電気接触によって成し遂げられる。
【0277】
ユーザに対する損害または危険を引き起こすことなく、電流が、前方部材112から後方部材116まで伝送されることができるのであれば、サイズ調整機構120に電気を通すためのどのような他の機構も、同じく本発明の範囲に含まれるとみなされることが理解される。
【0278】
次に、関連付けられる眼鏡380を含む、発明ヘッドセット100の斜視前方図である
図20を参照する。
【0279】
眼鏡380は、前方部材112の中心区域に位置付けられるように構成されてもよい。眼鏡380を、鼻および目の上に置くことで、ユーザは、例えばヘッドセットを着用しながら、ヘッドセット100の回転方向および縦方向の配置を決定することができる。
【0280】
眼鏡380は、さらに、前方部材112を重力に対して支持するように構成されてもよく、それによって、実質的には
図1Cの鼻橋170に関して前述したように、ユーザは、ヘッドセット100をより容易に着用することが可能になる。いくつかの実施形態では、眼鏡380は、少なくとも1つのタブ384によって前方部材112に取り外し可能に取り付けられ、前方部材112の少なくとも1つの対応スロットの中に挿入されるように構成されており、それらが収容されているスロットからタブ384を引っ張り出すことによって、前方部材112から取り外されてもよい。いくつかの実施形態では、鼻橋170および眼鏡380が、同じスロットを使用して、取り換えられて前方部材112に連結され得るように、眼鏡380のタブ384と、鼻橋170のタブ174(
図1C)とは、類似した大きさになっている。
【0281】
いくつかの実施形態では、眼鏡380は、視力改良用光学レンズ、サングラスとして使用されるのに適した暗いレンズ、非光学的透明レンズ、または例えば片頭痛発作の間、もしくはリラクゼーションのために支援する目的で、外部光を遮断するのに使用され得る非常に暗いレンズを備えていてもよい。
【0282】
いくつかの実施形態では、眼鏡380は、ゴーグル等などの、何らかの適切な光学要素または接眼要素と交換されてもよいことが理解される。
【0283】
図21は、遠隔制御装置または遠隔制御ハンドセット560、携帯電話570、およびラップトップ/PC580と共に、ヘッドセット100の斜視図を図示する。
【0284】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット100は、無線で遠隔制御装置560と通信するように構成されてもよい。遠隔制御装置560は、刺激の開始または停止命令、または刺激強度を増減する命令などの命令をヘッドセット100に送信するために、ユーザによって使用され得る。遠隔制御装置560は、さらに、ヘッドセット100の状態に関するさまざまな視覚的および音響的指示をユーザに対して提示することができる。
【0285】
ヘッドセット100は、携帯電話570と無線で通信するように構成されてもよい。携帯電話インターフェースは、ヘッドセット100によって無線で送信されたさまざまなデータ、例えばヘッドセット100の状態および使用ログに関する視覚的および音響的指示を提示するのに使用され得る。
【0286】
ヘッドセット100は、ラップトップ/PC580と無線で通信するように構成されてもよい。携帯電話インターフェースは、ヘッドセット100の状態および使用ログに関する視覚的および音響的指示などの、ヘッドセット100によって無線で送信されたさまざまなデータを提示するのに使用され得る。
【0287】
ヘッドセット100と遠隔制御装置560、携帯電話570、およびラップトップ580との間の通信は、当業者に知られているさまざまな方法で、例えばブルートゥース(登録商標)通信を用いて行われてもよい。
【0288】
次に、側部電極ならびに分割型前方電極および後方電極を含む、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセット100と類似した発明ヘッドセット390の実施形態についての斜視図の具体例である
図22Aおよび
図22Bと、中に含まれた電極が、ユーザの頭部の中の特定の神経枝を刺激するように、ユーザの頭部上に配置されたヘッドセット390の概略的具体例を提示する
図23Aおよび
図23Bと、中に含まれた電極が、ユーザの頭部の中の特定の神経接合部を刺激するように、ユーザの頭部上に配置された
図10Dの電極1270aおよび1270bを含むヘッドセットの概略的具体例である
図23Cと、を参照する。
【0289】
図22Aおよび
図22Bに見られるように、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の側部電極391は、可撓性アーム部材114のそれぞれの上に載置される。例示した実施形態では、各アーム部材114は、前方部材112に近いアーム部材114上に配置された近位側部電極391aと、アーム部材114の遠位端部に近いアーム部材114上に配置された遠位側部電極391bとを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘッドセット390がユーザによって着用されるとき、側部電極391の一部または全部は、毛髪を含む区域に位置付けられ、上文で記載したように、クロージャ機構128によって、毛髪を梳いて離すことで、皮膚と直接接触する。
【0290】
側部電極391は、
図1Aおよび
図1Bに関して上文で記載した電極130および140と同様に構築されて、動作することが理解される。いくつかの実施形態(例示せず)では、側部電極391は、ヘッドセット390の中に含まれる、主なまたは唯一の電極である場合もあり、したがって、電極130および/または140がなくてもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、側部電極391の一部または全部が、脳波(EEG)電極、皮膚伝導反応(SCR)電極、インピーダンスプレチスモグラフ(IPG)電極、または筋電計(EMG)電極などの、感知電極であってもよいことがさらに理解される。
【0291】
さらに、
図22Aで特に明瞭に見られるように、ヘッドセット390は、電極392a、および392bを含み、
図13Bに関して上文で記載したように実質的には構築され、そして
図1Aおよび
図1Bの電極システム140と同様に動作するように構成された分割型後方電極システムを含む。
【0292】
図22Bを詳しく見ると、ヘッドセット390は、アーム部材114に隣接する電極393aと、前方部材の中央に隣接する393bとを含み、
図10Bに関して上文で記載したように実質的には構築され、そして
図1Aおよび
図1Bの電極システム130と同様に動作するように構成された分割型前方電極システムを含むことが分かる。
【0293】
図23Aおよび
図23Bに見られるように、ヘッドセット390および/または
図1Aおよび
図1Bのヘッドセット100に含まれる電極のそれぞれは、ヘッドセットがユーザの頭部上に着用されるとき、1つまたは複数の特定の神経または脳領域の上に、その刺激のために配置されるように構成される。
【0294】
図23Aを見ると、後方電極システム392aは、参照符号394で示される大後頭神経を刺激するように配置されてもよく、後方電極システム392bは、参照符号395で示される小後頭神経、および/または第三後頭神経(例示せず)を刺激するように配置されてもよいことが分かる。あるいは、後方電極システム140は、大後頭神経394、小後頭神経395、および第三後頭神経(例示せず)の少なくとも1つを刺激するように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、経頭蓋刺激を行うときなど、後方電極140、または392aおよび392bの少なくとも1つは、少なくとも1つの前方電極130、または393aおよび393bと同時に、または少なくとも1つの側部電極391と同時に起動され、それによって、ユーザの脳の前頭、側頭、および/または後頭葉の領域を刺激してもよい。
【0295】
いくつかの実施形態では、近位側部電極391aは、参照符号396で示される頬骨側頭神経を刺激するように配置されてもよく、遠位側部電極391bは、参照符号397で示される耳介側頭神経を刺激するように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、経頭蓋刺激を行うときなど、側部電極391の少なくとも1つは、少なくとも1つの前方電極130、または393aおよび393bと同時に、少なくとも1つの対側性側部電極391と同時に、または少なくとも1つの後方電極140、または392aおよび392bと同時に起動され、それによって、ユーザの脳の前頭、側頭、および/または後頭葉の領域を刺激してもよい。
【0296】
図23Bおよび
図23Cを見ると、前方部材112上に配置された前方電極システム130は、参照符号398で示される滑車上神経の左右の枝、および/または参照符号399で示される眼窩上神経の左右の枝を刺激するように配置されてもよいことが分かる。あるいは、前方電極システム393aは、眼窩上神経399の枝を刺激するように配置されてもよく、前方電極システム393bは、滑車上神経398を刺激するように配置されてもよい。
図23Cの実施形態では、電極システム393aおよび393bはそれぞれ、
図10Cおよび
図10Dに関して上文で記載した電極1270aおよび1270bと同様に形作られて構成される。
【0297】
当技術分野で知られているように、頭部領域の神経を刺激することにおける主要な課題は、感覚的な不快感または痛みを引き起こさずに十分な神経興奮に達することである。眼窩上および滑車上神経枝(三叉神経〜眼の区画)は、侵害受容神経繊維による高密度の神経支配を受ける、頭蓋骨の骨膜に近接近する眼窩上領域で表面的に位置付けられる。この一意的な解剖学的近接性が原因で、眼窩上および滑車上神経枝を従来通りに刺激しようと試みると、通常、痛覚を誘発する骨膜の侵害受容神経の同時発生的な興奮が生じる。発明者は、刺激電極を非常に特定的な解剖学的領域の上に位置付けるように制限することによって、そして2対の電極配列を使用することによって、痛みを生じさせることなく、眼窩上および滑車上神経枝を効果的に刺激することが、可能であることを発見した。各対の電極は、電極間にわずかな距離を有した状態で、下側縁部がユーザの眉に近接して設置されながら、目標神経の上のユーザの額と接触するように適合される。片方の対が、左の滑車上および眼窩上神経を刺激するように適合され、第2の対が、右の滑車上および眼窩上神経枝を刺激するように適合されるように、電流は、各対の2つの電極の間に流れるように限定される。発明者は、この特定の電極配置および構成が、頭蓋骨の骨膜の中に位置する痛み伝導神経まで、ならびに痛みを伴う感覚を誘発すると分かった額の他の区域まで、電流がより深く到達することを防止しながら、目標神経の効果的な単独興奮を容易にすることを発見した。
【0298】
発明者は、ユーザの頭部の後頭部領域における類似の電極配置および構成が、骨膜の中の侵害受容神経繊維の刺激を防止しながら、目標神経の効果的な単独興奮を容易にすることをさらに発見した。
【0299】
次に、
図1Aおよび
図1Bのヘッドセット100、または
図22Aから
図23Bのヘッドセット390などの、本明細書に記載する実施形態のいずれかによる発明ヘッドセットで使用可能な電子回路の実施形態の概略ブロック図を提示する
図24を参照する。
【0300】
見られるように、
図1Aおよび
図1Bに関して上文に記載した電子回路142などの電子回路は、マイクロコントローラ500、高圧回路502、刺激回路504、内部電源506、高周波(RF:Radio−Frequency)送受信機508、アナログ信号処理回路510、
図1Aのバッテリ144などの、回路340と電気的に関連付けられた充電式バッテリ、充電回路514、加速度計516、および例えば
図1Aに関して上文に記載したようなユーザインターフェース150のいずれか1つまたは複数を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、電子回路142は、以下に記載されるように、図示してない追加的なセンサを含んでいてもよい。
【0301】
上文に述べたように、電子回路142は、内部電源506に電気的に接続される充電式バッテリ144と電気的に関連付けられて、充電式バッテリ144によって電力を供給されてもよい。いくつかの実施形態では、内部電源506は、次に刺激回路504に電気的に接続されている高電圧回路502に電力を提供する。充電回路514は、充電式バッテリ144と電気的に関連付けられ、充電器518などの外部電源と連動してもよい。高電圧回路502は、刺激回路504に最大120に達するボルト数の電流を供給する。
【0302】
いくつかの実施形態では、刺激回路504は、マイクロコントローラ500から情報および/または命令を受信する。刺激回路504は、
図1の刺激電極130および/または140、
図22Aおよび
図22Bの刺激電極391、392、および393などの、ヘッドセット上に配置された1つまたは複数の刺激電極520を介して、ユーザの神経組織に電気刺激パルスを提供するように構成される。
【0303】
いくつかの実施形態では、電子回路142は、回路502と類似の2つ以上の高電圧回路(図示せず)を含んでいてもよく、各高電圧回路は、刺激電極520の少なくとも2つに120ボルト以下の電圧の電流を供給する。いくつかの実施形態では、電子回路142は、少なくとも2つのガルバニック絶縁出力チャネル(図示せず)を含んでいてもよく、各出力チャネルは、刺激電極520の少なくとも2つに出力を提供する。
【0304】
いくつかの実施形態では、電子回路142は、刺激電極520から電圧または電流水準情報を集めて、収集した情報をマイクロコントローラ500に提供するフィードバックおよび測定回路524をさらに含む。マイクロコントローラ500は、所望の刺激水準を維持し、エネルギー消費を最適化し、ユーザの安全性を確実にするために、提供されたフィードバックを使用して、刺激電極520の電圧および電流水準を監視および制御する。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ500は、例えば可聴的または触知可能な指示を提供することによって、ユーザに警告することができる、または緊急時もしくはヘッドセットが不適当に働く場合に、刺激用の電流の供給を停止させることができる。例えば、マイクロコントローラ500は、1つまたは複数の電極520が、ユーザの皮膚と不適当に接触した結果として、電流水準の低下が検出された場合、ユーザに警告することができ、刺激用の電流の供給を停止させることができる。
【0305】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ500は、電流をさまざまなパターンで、および/またはさまざまな期間にわたって出力するように、刺激回路504に命令することができる。例えば、マイクロコントローラ500は、逓増する、逓減する、または安定状態を保つ振幅を有する電流を供給するように刺激回路502に命令することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ500は、電流振幅、パルス周波数、位相持続時間、および刺激回路によって出力された電流の振幅などの、さまざまな刺激パラメータに関して刺激回路504に命令する。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラは、刺激パラメータの少なくとも1つの絶えず変化するパターンを有する出力を提供するように、刺激回路504に命令する。
【0306】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ500は、複数の起動した電極対ごとに異なるパターンを有する出力信号を提供するように、刺激回路504に命令することができる。例えば、刺激回路504は、50Hzのパルス周波数および300μ秒の位相持続時間である対の電極を刺激し、100Hzのパルス周波数および200μ秒の位相持続時間で別の対の電極を刺激することができる。いくつかの実施形態では、所定の時間に、マイクロコントローラ500は、一対の電極だけを起動することができ、電極を組み合せて起動することができ、いくつかの電極を同時に、順次、または交互に起動することができる。
【0307】
いくつかの実施形態では、いくつかの電極520は、出力として交流信号を提供してもよく、他方で、他の電極520は、出力として直流を提供してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電極520は、出力として提供される電流の型を交流と直流との間で交互に入れ替えてもよい。
【0308】
いくつかの実施形態では、脳のある領域の興奮が、脳のその領域の上に配置される電極の極性に基づいて決定される、直流刺激の間、少なくとも1つの電極520は、マイクロコントローラ500によって、陽極、すなわち正電荷電極であるように指定されてもよく、少なくとも1つの他の電極520は、陰極、すなわち負電荷電極であるように指定されてもよい。
【0309】
いくつかの実施形態では、上文に記載したように、マイクロコントローラ500によって決定されたまたは指定された刺激パターンは、マイクロコントローラ500の中に、またはそれと関連付けられる揮発性メモリまたは不揮発性メモリ(図示せず)の中に記憶されることができ、ユーザによって起動されることができる。いくつかの実施形態では、記憶された刺激パターンは、例えばヘッドセットに含まれるユーザインターフェース150を使用することで、または外部ユーザインターフェースを使用することで、ユーザによって修正され得る。いくつかの実施形態では、臨床医は、患者が臨床医を訪ねたとき物理的に、または患者の外部インターフェースと通信している遠隔のクラウドベースポータルを介すなどして遠隔操作で、患者用に記憶された刺激パターンを修正することができる。
【0310】
いくつかの実施形態では、電子回路142は、感知電極526などの1つまたは複数のセンサから、脳波(EEG)信号、皮膚伝導反応(SCR)信号、インピーダンスプレチスモグラフ(IPG)信号、筋電計(EMG)信号、または他の生体信号などの、アナログ信号入力を受信するように構成されてもよい。感知電極526から受信されるアナログ信号入力は、アナログ信号処理回路510によって処理されることができ、そこからマイクロコントローラ500に伝送されることができる。いくつかの実施形態では、電子回路142は、ヘッドセットの上またはその中に配置された、またはユーザの近くの他の場所に位置付けられた追加的なセンサから、デジタル入力、アナログ入力、または他の入力を受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の刺激パラメータは、追加的なセンサの1つまたは複数から受信された入力に起因して、マイクロコントローラ500によって変更されることができる。例えば、アナログ信号処理回路510からあるEEG入力を受信すると、マイクロコントローラ500は、刺激回路504によって提供される刺激電流の1つまたは複数のパラメータ、電流振幅、パルス周波数等などを修正することができる。いくつかの実施形態では、アナログ信号処理回路510から入力を受信すると、マイクロコントローラ500は、特定の組合せおよび/または一連の電極を起動することができる、および/またはある電極によって提供される刺激の持続時間を修正することができる。
【0311】
いくつかの実施形態では、加速度計516、または何らかの他の適切な方位センサは、ヘッドセットの角度位置を感知し、それによってヘッドセットをユーザの頭部上に適切に配置するための指示を提供するように構成されてもよい。例えば、ユーザが、自分の頭部上にヘッドセットを逆さまに配置した場合には、加速度計は、それによって感知されたヘッドセット方位データを、ヘッドセットの置き誤りを検知することができるマイクロコントローラ500に伝送することができ、ヘッドセットの望ましくない位置が継続される間は、電極の起動を防止することができる。ユーザは、例えばユーザインターフェース150によって、または遠隔インターフェースによって、ヘッドセットの置き誤りを警告されることができ、ヘッドセット位置を修正するように命令されることができる。
【0312】
いくつかの実施形態では、追加的なセンサからおよび/または感知電極526から受信した入力は、例えば外部インターフェースおよびクラウドベースポータルを介して、患者の臨床医または介護者に直接伝送されることができ、臨床医または介護者が患者の状態を監視し、それに応じて患者の治療プログラムおよび刺激パターンを変更することができる。
【0313】
いくつかの実施形態では、RF送受信機508は、マイクロコントローラ500が、無線周波数を経由して、携帯電話、タブレット、またはコンピュータなどの外部デバイス528のインターフェースと通信することを可能にし得る。RF送受信機508は、マイクロコントローラ500へデジタル情報を伝送することができ、マイクロコントローラ500からデジタル情報を受信することができる。
【0314】
デバイス528のインターフェースは、インターネットからなど、容易にアクセス可能なリソースからダウンロード可能であり得るソフトウェアアプリケーションを備えていてもよい。インターフェースは、例えば作動中の刺激チャネル、刺激強度、作動中のプログラム、治療時間、ヘッドセットのバッテリ状態、およびRF通信状態に関する情報、ならびに電極接触品質、およびヘッドセットが頭部上で適切にまたは不適切に整列されていることに関する警告などのさまざまな警告を含むヘッドセットの状態についての表示を、例えばディスプレイを通してそのユーザに提供してもよい。さらに、インターフェースは、日ごとの刺激時間、刺激の間使用された刺激パラメータ、および使用された治療プログラムに関する情報などの、使用ログおよび/またはレポートを、例えばディスプレイを通してそのユーザに提供してもよい。インターフェースは、ヘッドセットの中に含まれる、または関連付けられるセンサから受信された未処理情報または処理済み情報を、ユーザに対して表示する、またはその他の方法で提供してもよい。
【0315】
いくつかの実施形態では、ヘッドセットは、外部デバイス528のインターフェースを介して、遠隔操作で制御されてもよい。例えば、外部インターフェースは、そのユーザが、ヘッドセットを起動するまたはオフにすること、刺激を開始または休止すること、1つまたは複数のチャネルに関する刺激強度を調整すること、および治療プログラムを選択することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ500によって収集された情報は、外部インターフェースを介して、クラウドベースポータルなどの遠隔地に伝送されてもよく、そこで、情報は、記憶されることができる、または例えば臨床医または介護者によって分析および/または監視されることができる。いくつかの実施形態では、ヘッドセットを使用する治療を受けている患者は、患者の状態に関する入力または情報を提供するのに、外部デバイス528のインターフェースを使用してもよく、それによって、臨床医は患者の状態を監視して、修正した治療プログラムの勧告を提供する、またはリアルタイムに、遠隔操作で患者の刺激パラメーをタ能動的に修正することが可能になる。患者は、さらに、新しい治療プログラムをヘッドセットにダウンロードするのに外部インターフェースを使用してもよい。
【0316】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット上に置かれるユーザインターフェース150および外部ユーザインターフェースは、ヘッドセットの並列制御を可能にすることができ、ユーザがインターフェースのどちらかを用いてヘッドセットを操作することができる。いくつかの実施形態では、外部インターフェースは、ディスプレイとしてのみ機能し、ヘッドセットの能動的制御は提供しない。いくつかの実施形態では、ヘッドセット上のユーザインターフェース150は、取り除かれていて、ヘッドセットとのあらゆる相互作用は、外部インターフェースを介して実行される。いくつかの実施形態では、外部インターフェースは、登録商標付き電子デバイスを備える。いくつかの実施形態では、外部インターフェースは、USBケーブルなどのケーブルを介して電子回路142と通信してもよい。
【0317】
次に、センサ602を含む、
図1Aおよび
図1Bの発明ヘッドセット100に類似した、発明ヘッドセット600の実施形態の斜視図である
図25を参照する。
【0318】
図25に見られるように、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサ602が、ヘッドセット600上に載置されていて、ヘッドセットが着用されると、ユーザのさまざまな身体パラメータを感知するように構成される。例示した実施形態では、1つまたは複数の前方センサ602aは、前方部材112の上に配置され、1つまたは複数の後方センサ602bは、後方部材116の上に配置される。しかしながら、センサ602は、ヘッドセット600上のいずれかの適切な位置、例えばアーム部材114上に配置されてもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、ヘッドセット600は、センサ602に加えて、
図1Aおよび
図1Bの電極130および140などの、刺激電極または感知電極を含んでいてもよい。
【0319】
センサ602は、温度センサ、方位センサ、血圧センサ、脈拍酸素測定センサ、皮膚伝導反応(SCR)およびインピーダンスプレチスモグラフ(IPG)、脳波(EEG)、および筋電計(EMG)を測定するためのセンサなどの電気伝導度センサのような、いかなる適切な種類のセンサを含んでいてもよい。
【0320】
クロージャ機構128が、毛髪を通って梳いて入り、後方センサ602bが、頭皮の皮膚と直接係合すること、およびその下に位置する毛髪の層によって妨害されないことが可能になるように、ユーザは、
図3Aから
図3Dに関して上文に記載したのと同様のやり方でヘッドセット600を着用する。
【0321】
本明細書、および後に続く特許請求の範囲の節で使用されるように、「または」という用語は、包括的であるとみなされ、したがって、「AまたはB」という語句は、群「A」、「B」、および「AとB」のいずれかを意味する。
【0322】
本明細書、および後に続く特許請求の範囲の節で使用されるように、「円周の」という用語は、360度の円を包囲する閉じた形状を形成していることを意味する。
【0323】
本明細書、および後に続く特許請求の範囲の節で使用されるように、ヘッドセットまたはヘッドセット構成要素に関する、「動作モード」または同種の用語は、回転方向および縦方向に適切に配置されて、ユーザの頭部上に嵌め込まれているヘッドセットまたはヘッドセット構成要素が、電気刺激が加えられている状態にあることを指す。
【0324】
本明細書、および後に続く特許請求の範囲の節で使用されるように、ヘッドセットまたはヘッドセット構成要素に関する、「着用モード」、「着用された」または同種の用語は、回転方向および縦方向に適切に配置されて、ユーザの頭部上に嵌め込まれているヘッドセットまたはヘッドセット構成要素が、電気刺激が加えられている状態にあることを指す。
【0325】
本明細書、および後に続く特許請求の範囲の節で使用されるように、「一体的な」という用語は、構造が、単一の、全体的な構造として機能していることを指す。用語は、具体的には、電極パッドなどの可撓性構造物に適用され得る。
【0326】
いうまでもなく、明瞭にするために、別々の実施形態のコンテクストで説明されている、本発明のある特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態のコンテクストで説明されている、本発明のさまざまな特徴は、別々に、またはいかなる適切な下位組み合わせにおいて提供されてもよい。同様に、1つまたは複数の特定の請求項に従属する請求項の内容は、通常、他の不特定の請求項に従属することができる、またはその間に何らかの特定の著明な不適合性なく、その内容と組み合わせることができる。
【0327】
本発明は、その特定の実施形態と併せて説明されてきたが、当業者であれば、多くの代替物、修正、および変型例が、明らかとなることは、明白である。したがって、添付の請求の範囲の精神および広範な範囲の中に入る、そのような代替物、修正、および変型例を全て包含することが意図される。