特許第6876339号(P6876339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 王 凱の特許一覧

特許6876339高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法
<>
  • 特許6876339-高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法 図000007
  • 特許6876339-高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法 図000008
  • 特許6876339-高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法 図000009
  • 特許6876339-高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法 図000010
  • 特許6876339-高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876339
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料及び方法
(51)【国際特許分類】
   B27D 1/04 20060101AFI20210517BHJP
   B27N 3/02 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B27D1/04 F
   B27N3/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-114853(P2019-114853)
(22)【出願日】2019年6月20日
(65)【公開番号】特開2020-147025(P2020-147025A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2019年6月20日
(31)【優先権主張番号】201910181347.3
(32)【優先日】2019年3月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517058417
【氏名又は名称】王 凱
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−058364(JP,A)
【文献】 特開平03−205101(JP,A)
【文献】 特開2001−252909(JP,A)
【文献】 米国特許第04465539(US,A)
【文献】 中国実用新案第202659071(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27D 1/04
B27N 3/02
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
砕木圧密材料の製造方法であって、
a.積層処理:2枚以上の木板を直接受力方向に積層放置し、隣接する2枚の前記木板の間に砕木とPVBの中間膜を敷設し、積層木板を作製するステップと、
b.加熱加圧処理:前記積層木板を80−100℃に加熱し、8−10min保温し、前記直接受力方向に予め設定された圧縮率に従って加圧処理を行い、6−10min保温加圧するステップと、
c.硬化処理:加熱加圧処理された木板を木板温度180−220℃に高周波加熱し、5−8min保温し、硬化処理を行い、硬化木板を作製するステップと、
d.降温処理:硬化処理された木板表面を30−40℃に冷却するステップと、
e.養生処理:降温処理された木板を15−20日放置し、高周波による砕木圧密材料を得るステップとを含
前記砕木圧密材料は、高周波でヒートシールされた少なくとも2枚の圧密木板層と、隣接する枚の前記圧密木板層の間に設置された圧密砕木層とを含
前記圧密砕木層は砕木ブロック及び/又は砕木粒子を含み、前記砕木ブロックの長さは15cm以下であり、前記砕木粒子の粒径は2cm以下であることを特徴とする砕木圧密材料の製造方法。
【請求項2】
ステップaの前記積層処理では、隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設する場合に、さらに隣接する2枚の木板の間に木枠を設置することを含み、前記木枠の長さと幅は、いずれも前記木板の長さと幅よりも大きくなく、前記砕木とPVB中間膜は、いずれも前記木枠内に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ステップaの前記積層処理では、隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設する場合に、各層において第1の木板、第1のPVB中間膜、砕木、第2のPVB中間膜、第2の木板の順に重ね、前記第1のPVB中間膜と第2のPVB中間膜をいずれも砕木に接触させる、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ステップaの前記積層処理では、隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設する場合に、前記PVB中間膜とはPVB中間膜の破片、各層において第1の木板、砕木、第2の木板の順に重ね、そのうち敷設前に砕木を前記PVB中間膜の破片と可塑性樹脂粒子と均一に十分に混合させ、前記PVB中間膜の破片の幅は2cm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
ステップaにおいて前記隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設し、前記砕木敷設は、具体的には、
隣接する2枚の木板の間に規則的及び/又は不規則な長さ15cm以下の砕木ブロックを敷設することと、
隣接する2枚の木板の間に粒径が2cm以下の砕木粒子を敷設することと、
隣接する2枚の木板の間の周囲領域に砕木ブロック、中間領域に砕木粒子を敷設し、前記砕木ブロックと砕木粒子の重量比は1−20:1−20であり、前記砕木ブロックの長さは15cm以下、前記砕木粒子の粒径は2cm以下とすることとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記加熱加圧処理と硬化処理の間には、さらに、加熱加圧処理された木材を木材温度160−170℃に高周波加熱し、8−10min保温し、前記直接受力方向に第2の圧縮率に従って加圧処理を行い、4−6min保温加圧し、前記第1の圧縮率を20%−30%とし、前記第2の圧縮率を50%−60%とした昇温圧縮処理を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の砕木圧密材料の製造方法。
【請求項7】
前記前処理木板と前記前処理砕木ブロックの質量比が4−5:3−4である、ことを特徴とする請求項1に記載の砕木圧密材料の製造方法。
【請求項8】
前記降温処理では、具体的には、硬化木板を5−15℃/minの速度で70℃−80℃ に水冷し、乾燥窖内に置き、乾燥媒体の乾式球温度と湿式球温度の差を2−3℃よりも低くなるように抑えて4−6h保持し、また硬化木板を20−30℃の風で30℃−40℃ に風冷し、前記水冷の水流速を0.5m/s−1.1m/sとし、前記風冷の風速を5.4−8.8m/sとした、ことを特徴とする請求項1に記載の砕木圧密材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木板加工技術分野に属し、特に高周波非接着性圧密技術に基づく電熱複合材料及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品の生産過程で、予め計画して設計された生産原料の中には、加工過程で消費しきれなく、また、当該製品の完成品の加工に利用できない数量が合理的である余剰廃棄物、スタンプ材やスクラップは、一般に有効に活用されなかったために廃棄され、大量の無駄になるが、プラスターボードは、木材やその他の木質セルロース材料で作製したスタンプ材に接着剤を熱力と圧力で接着して人工板を作製し、砕木の利用できない問題を解決し、しかしながら、プラスターボードは、吸水膨脹率が高くて、一定量のホルムアルデヒドを含有するものであるが、現在砕木をホルムアルデヒドフリーで吸水膨脹率の低い材料に仕上げる技術が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、高周波(高調波)非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料の製造方法を提供する。当該方法で製造した圧密材料は、吸水膨脹率が低く、ホルムアルデヒドがない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の具体的な技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0005】
本発明は、高周波でヒートシールされた少なくとも2枚の圧密木板層と、隣接する2枚の前記圧密木板層の間に設置された圧密砕木層とを含む高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料を提供する。
【0006】
本発明の圧密砕木層と圧密板層に用いられる原料は、いずれもポプラ、リンデン、マツを含むが、それに限定されるものではない。
【0007】
さらに、圧密砕木層は砕木ブロック及び/又は砕木粒子を含み、前記砕木ブロックの長さは15cm以内であり、前記砕木粒子の粒径は2cm以内である。
【0008】
本発明は、さらに高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料の製造方法を提供する。その製造方法は以下のステップを含む。
【0009】
a.積層処理:2枚または2枚以上の木板を直接圧力方向に積層放置し、隣接する2枚の前記木板の間に砕木とPVBの中間膜を敷設し、積層木板を作製する。
【0010】
b.加熱加圧処理:前記積層木板を80−100℃に加熱し、8−10min保温し、前記直接受力方向に予め設定された圧縮率に従って加圧処理を行い、6−10min保温加圧する。
【0011】
c.硬化処理:加熱加圧処理された木板を木板温度180−220℃に高周波加熱し、5−8min保温し、硬化処理を行い、硬化木板を作製する。
【0012】
d.降温処理:硬化処理された木板表面を30−40℃に冷却する。
【0013】
e.養生処理:降温処理された木板を15−20日放置し、高周波による混合材の非接着性圧密材料を得る。
【0014】
本発明において、以上の方法で製造した圧密材料は、木材のスクラップを十分に有効に利用でき、圧密材料の木板層の吸水膨張率を顕著に低下させることができる。
【0015】
さらに、ステップaの前記積層処理では、隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設する場合に、さらに隣接する2枚の木板の間に木枠を設置することを含み、前記木枠の長さと幅は、いずれも前記木板の長さと幅よりも大きくなく、前記砕木とPVB中間膜は、いずれも前記木枠内に配置される。
【0016】
本発明は、木枠を設置することにより、すべての砕木ブロックを木枠に嵌め込むことができ、圧密過程で2枚の木板の間から砕木ブロックが押し出されることを回避するために固定的な役割を果たすことができる。
【0017】
さらに、ステップaの前記積層処理では、隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設する場合に、各層において第1の木板、第1のPVB中間膜、砕木、第2のPVB中間膜、第2の木板の順に重ねる。前記第1のPVB中間膜と第2のPVB中間膜をいずれも砕木に接触させる。
【0018】
さらに、ステップaの前記積層処理では、隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設する場合に、各層において第1の木板、砕木、第2の木板の順に重ねる。そのうち敷設前に砕木をPVBの中間膜チップと可塑性樹脂粒子と均一に十分に混合させ、前記PVB中間膜チップの幅は2cmを超えない。
【0019】
ステップaにおいて前記隣接する2枚の木板の間に砕木とPVB中間膜を敷設し、前記砕木敷設は、具体的には、以下の方法を含む。
【0020】
(1)隣接する2枚の木板の間に規則的及び/又は不規則な長さ15cm以下の砕木ブロックを敷設する。
【0021】
(2)隣接する2枚の木板の間に粒径2cm以下の砕木粒子を敷設する。
【0022】
(3)隣接する2枚の木板の間の周囲領域に砕木ブロック、中間領域に砕木粒子を敷設し、前記砕木ブロックと砕木粒子の重量比は1−20:1−20であり、前記砕木ブロックの長さは15cm以下、前記砕木粒子の粒径は2cm以下である。
【0023】
さらに、加熱加圧処理と硬化処理の間には、さらに加熱加圧処理された木材を木材温度160−170℃に高周波加熱し、8−10min保温し、前記直接受力方向に第2の圧縮率に従って加圧処理を行い、4−6min保温加圧し、前記第1の圧縮率を20%−30%とし、前記第2の圧縮率を50%−60%とする昇温圧縮処理を含む。
【0024】
加熱加圧処理後に、さらに木材を昇温圧縮処理し、加熱して木材中のリグニン、セルロースとヘミセルロースを十分に溶解させ、流れ、固定成形し、3つの成分を十分に融合させ、分子間に互いに拡散し、加圧後の3つの成分の融合物質が木質紋様孔を強固に閉鎖し、吸水膨脹率を低減させる役割を果たす。
【0025】
さらに、前処理木板と前記前処理砕木ブロックの質量比は4−5:3−4である。
【0026】
本発明は、前処理木板と前処理砕木ブロックの質量比を限定することで、最終製品の各層の密度をより均一にすることができる。
【0027】
さらに、降温処理は、具体的には、硬化木板を5−15℃/minの速度で70℃−80℃に水冷し、また乾燥窖内に放置し、乾燥媒体の乾式球温度と湿式球温度の差を2−3℃よりも低くなるように抑えて4−6h保持し、さらに硬化木板を20−30℃の風で30℃−40℃に風冷し、前記水冷の水流速を0.5−1.1m/sとし、前記風冷の風速を5.4−8.8m/sとする。
【0028】
木板は砕木ブロックよりも1枚少ないため、積層処理の場合、最上層と最下層をいずれも砕木ブロックになるようにし、それは高周波加熱されにくいため、保温時間にわたって木板と砕木ブロックを熱均一にし、さらに接着強度を高める。
【0029】
さらに、ステップaの前記積層処理では、木板が砕木ブロックよりも1枚少なく、積層処理と前記加熱加圧処理前にさらに前処理を含み、前記前処理では前記砕木ブロックを60℃−70℃に加熱する。
【0030】
砕木ブロックを前処理することで、木板と砕木ブロックの昇温時の温度差を縮め、砕木ブロックを速やかに昇温し、さらに接着強度を高めることができる。
【0031】
さらに、ステップaの前記木板と砕木ブロックの厚さの比は1:1−100:1である。
【0032】
本発明は、木板と砕木ブロックの厚さを限定することで、さらに木板と砕木ブロックの昇温時の温度差を縮め、長時間加熱による焦げ付きを回避することができる。
【0033】
さらに、加熱加圧処理と前記硬化処理の間には、さらに加熱加圧処理された木材を木材温度130−140℃に高周波加熱し、含水率4−5%に保温する昇温圧縮処理を含む。。
【0034】
当該ステップは下押さえ板と最下層の圧密木の間にスクリーンを設置することで実現され、圧密中に発生する水分はスクリーンを通して流出し、含水率が4%−5%以下となり、本発明では昇温圧縮処理により圧密材料の吸湿回復率を顕著に低下させることができる。
【0035】
さらに、ステップdの前記降温処理では、具体的に以下のステップを含む。
【0036】
d1.水冷技術で硬化木板を表面温度130℃−140℃に降温し、水流速を3−5m/sとする。
【0037】
d2.風冷技術で水冷後の硬化木板を表面温度70℃−90℃に降温し、風冷温度を50℃−60℃とし、風冷方向と砕木ブロック側壁との間の角度を60°−90°とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明は降温処理ステップを具体的に限定することで、圧密材料の吸湿膨張率を顕著に低下させることができる。
【0039】
さらに、PVB中間膜は、厚さ0.7−0.9mm、粘度18.5−19.5Pa・s、弾性率8−90×10Paであり、前記木板と前記PVB中間膜の接触面の面積比は1:2−2:1である。
【0040】
ここで、PVB膜は、当該技術の効果を実現可能ないずれかのTVB膜を採用してもよい。本発明は熱可塑性樹脂膜をPVB中間膜に具体的に限定することで、圧密材料の各性能指標をさらに高めることができる。
【0041】
本発明に係る製造方法で製造した高周波非接着性圧密技術に基づく砕木圧密材料は、接着強度が大きく、吸湿回復率が小さく、浸水回復率が小さいという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】圧密木と砕木を高周波非接着性圧密技術で同時に圧密した砕木圧密材料の実物図である。
図2】砕木を高周波非接着性圧密技術で単独に圧密した砕木圧密材料の構造概略図である。
図3】まず砕木を高周波技術で前処理し、また圧密木と高周波でヒートシールされた砕木圧密材料の構造概略図である。
図4】圧密木と砕木を高周波非接着性圧密技術で同時に圧密した砕木圧密材料の構造概略図である。
図5】圧密木と砕木を高周波非接着性圧密技術で同時に圧密した砕木圧密材料の構造概略図である。
【0043】
そのうち、1は第1の圧密木板層、2は圧密砕木層、3は第2の圧密木板層であり、図2の圧密砕木層には複数の規則的な砕木ブロックが含まれ、図3の圧密砕木層には複数の不規則な砕木ブロックが含まれ、図4の圧密砕木層には周囲に設置された砕木ブロックと中間領域における砕木粒子が含まれ、図5の圧密砕木層には砕木粒子が含まれ、2枚の圧密木板層の中間には木枠が設けられ、砕木粒子が木枠に配置される。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0044】
本実施例は砕木圧密材料を提供し、当該砕木圧密材料の製造方法は以下のステップを含む。
【0045】
a.積層処理:2枚または2枚以上の木板を直接圧力方向に積層放置し、隣接する2枚の前記木板の間に砕木とPVBの中間膜を敷設し、積層木板を作製する。
【0046】
b.加熱加圧処理:前記積層木板を100℃に加熱し、8min保温し、前記直接受力方向に予め設定された圧縮率に従って加圧処理を行い、6min保温加圧する。
【0047】
c.硬化処理:加熱加圧処理された木板を木板温度180℃に高周波加熱し、5min保温し、硬化処理を行い、硬化木板を作製する。
【0048】
d.降温処理:硬化処理された木板表面を70℃に冷却する。
【0049】
e.養生処理:降温処理された木板を15日間で放置し、高周波による混合材の無接着圧縮材料を得る。
【0050】
PVB膜は、砕木ブロックと木板の面積と同じで、木板の長さと幅がそれぞれ0.5mと0.2mであり、木板はカナダカエデを採用し、厚さが10cmで、含水量が12%で、砕木ブロックの材質はマツ材で、厚さが5cmである。
【0051】
PVB中間膜は、厚さ0.7mm、粘度18.5Pa・s、弾性率80×10PaのPVBであり、前記木板と前記PVB中間膜の接触面の面積比は1:2である。
【0052】
本発明のPVB膜は、上海美邦塑膠有限公司から購入したものである。
【実施例2】
【0053】
本実施例は砕木圧密材料を提供し、当該砕木圧密材料の製造方法は実施例1のすべてのステップを含み、その相違点は、加熱加圧処理と硬化処理の間には、さらに、加熱加圧処理された木材を木材温度160℃に高周波加熱し、8min保温し、前記直接受力方向に第2の圧縮率に従って加圧処理を行い、4min保温加圧し、前記第1の圧縮率を20%とし、前記第2の圧縮率を50%とする昇温圧縮処理を含むことである。
【実施例3】
【0054】
本実施例は砕木圧密材料を提供し、当該砕木圧密材料の製造方法は実施例1のすべてのステップを含む。その相違点は、降温処理では、具体的には、硬化木板を5℃/minの速度で70℃に水冷し、乾燥窖内に放置し、乾燥媒体の乾式球温度と湿式球温度差を2℃よりも低くなるように抑えて4h保持し、また硬化木板を20℃の風で30℃に風冷し、前記水冷の水流速を0.5m/s、前記風冷の風速を5.4m/sとすることである。
【0055】
(試験例1) ホルムアルデヒド排出
試験1−3群で製造した長さ、幅、高さをそれぞれ2m、1m、0.3mとした圧密材料とプラスターボード(山東臨沂宏沢板材工場から購入し)を10cm部屋内に置き、温度を80℃に調整し、密閉して15日放置した後に、ホルムアルデヒド測定器(済南創輝電子科技有限公司から購入し)を用いて木材中のホルムアルデヒド排出量を測定し、ここで、試験1−3群は実施例3の方法で製造してなり、隣接する2枚の板の間に敷設した砕木とPVB中間膜を積層処理する場合、各層において第1の木板、第1のPVB中間膜、砕木、第2のPVB中間膜、第2の木板の順に重ね、前記第1のPVB中間膜と第2のPVB中間膜をいずれも砕木に接触させる。
【0056】
【0057】
試験結果は、PVB膜の複合圧密材料にホルムアルデヒドがしない。
【0058】
(試験例2) 吸水膨張率テスト
実施例4−5と比較例1−2のパラメータを表2に示し、その他の示されていないパラメータは、実施例3と同一である。各実施例3−5と比較例1−2で製造した圧密材料を定温定湿の試験箱に置き、質量を一定(各圧密材料を計量し、24h後に2回目計量し、2回目計量した質量差が圧密材料の質量の1%未満であれば質量が一定とみなされる)とした後、各圧密材料の中心の厚さを測定し、各圧密材料をpH7±1、温度20±2℃の水槽に浸漬し、圧密材料は、水平面に垂直であり、その上面を水面よりも低く、圧密材料の下面と水槽底部との距離を10cmとし、各圧密材料同士は接触しないようにし、24h浸漬し、各圧密材料を取り出して表面水浸漬を除去し、30min以内に各圧密材料の中心の厚さを測定し、吸水膨張率T(%)を計算し、Tは木材膨張前後の厚さの差と圧密前後の厚さの差の比である。結果を表2に示す。
【0059】
【0060】
試験結果により、試験例4−6の吸水膨張率はいずれも比較例1と比較例2よりも小さく、本発明は元の方法を基に昇温圧縮ステップを追加し、圧密材料の吸水膨張率を顕著に低下させることが確定される。
【0061】
(試験例3) 性能指標考察
実施例7−11と比較例3−4は実施例3の方法で製造し、各実施例と比較例の砕木のタイプ、寸法及びPVB中間膜の処理方式と砕木の並べ方を表3に示す。比較例5は一般のプラスターボード(山東臨沂宏沢板材工場より購入し)を採用し、実施例7−11と比較例3−5の圧密材料を常温常圧条件下で1年放置した後の縦紋耐圧、縦紋引張、曲げ強度、縦紋剪断、横紋剪断と含水率の差をそれぞれ測定し、含水率の差は1年放置した後の含水率と当時測定した含水率の差である。各群はそれぞれ5つの平行なサンプルを作成し、結果を平均値として評価し、考察結果を表4に示す。
【0062】
【0063】
注:ここでPVB中間膜を処理しておかないと1枚のPVB中間膜であり、PVB中間膜の破片とはPVB中間膜を幅1.5cmの短冊状に裁断するものであり、可塑性樹脂粒子の成分はPVB中間膜の成分と同じで、球状で、粒径0.5cmである。各実施例に係るPVB膜、PVA膜とPVB中間膜破片+可塑性樹脂粒子の重量が同一で、いずれも5gである。
【0064】
【0065】
表4からわかるように、本発明で提供された圧密材料の各性能は、いずれも比較例3−5よりも優れており、本発明で提供された圧密材料を1年放置した後の含水率の差は、比較例3−5材料よりも顕著に低く、砕木ブロックの積層方式とPVB中間膜の放置方式を限定することにより、圧密材料の吸湿抵抗力を顕著に向上させることが確定される。
【0066】
(試験例4) 各層の密度均等度試験
実施例3の方法に基づき実施例12−14と比較例6の圧密材料を製造し、実施例12−14と比較例6の木板と砕木ブロックの質量比を表5に示し、実施例12−14と比較例6はいずれも3層(すなわち木板−砕木ブロック−木板)を圧密して作製し、圧密後に各圧密材料の木板層と砕木ブロック層を切り離し、各層の密度を測定し、測定の結果を表5に示す。
【0067】
【0068】
表5からわかるように、本発明は、前処理木板と前記前処理砕木ブロックの密度比を具体的に限定することで、圧密材料の各層の密度の均等度を顕著に向上させることができる。
【0069】
(試験例5) 吸湿膨張率試験
実施例15−16と比較例7−8はいずれも実施例3の方法を用いて製造してなる。具体的なパラメータの変化を表6に示し、その他の示されていないパラメータは実施例3と同一であり、各群の圧密材料を相対湿度90%の条件下で150日放置し、吸湿膨張率を測定し、吸湿膨張率とは圧密材料の膨張前後の厚さの差と膨張前の厚さの比、すなわち吸湿膨張率であり、測定の結果を表7に示す。



図1
図2
図3
図4
図5