【実施例1】
【0013】
<構成>以下、構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、集合住宅やオフィスビルなどの建物100に対して、空調設備101を設ける。このような空調設備101を、例えば、熱媒体102を供給可能な熱媒供給源103と、この熱媒供給源103からの熱媒体102を建物100内部の各所へ送るための(空調用)配管104(または配管システム)とを備えたものとする。熱媒体102には、例えば、冷却用媒体(いわゆる冷媒102a)や加熱用媒体(いわゆる熱媒102b)などを使用することができる。
【0015】
この場合、空調設備101は、冷媒102aとして冷水を使用し、熱媒102bとして温水を使用するようにした冷温水システムとされている。
【0016】
この冷温水システムでは、熱媒供給源103として、冷水を供給可能な冷凍機105(
図2参照)と、温水を供給可能な温水ボイラ106とを備えている。冷凍機105および温水ボイラ106は、熱媒体102を建物100内部の各所へ圧送し得るようにするために、圧送装置(ポンプ)を備えている。なお、
図2中、GVは、ゲートバルブ(仕切弁)、Tは温度計である。
【0017】
そして、冷凍機105は、冷水配管108を介して建物100の(空調用)配管104に接続されている。また、温水ボイラ106は、温水配管109を介して建物100の(空調用)配管104に接続されている。なお、冷凍機105は、別の冷水配管111を介して冷水塔112に接続されている。
【0018】
この場合、冷水配管108および温水配管109は、三方弁113を介して、共通の(空調用)配管104に接続されている。なお、(空調用)配管104、冷水配管108、温水配管109、別の冷水配管111は、熱媒体102の流れを示す矢印で示すように、それぞれ往路と復路とを備えている。
【0019】
そして、上記した冷凍機105や温水ボイラ106は、金属製の部品や金属製の内部配管を多く使用しているため、冷水配管108および温水配管109は、少なくとも、冷凍機105および温水ボイラ106側の部分が金属配管115とされている。
【0020】
一方、建物100の(空調用)配管104は、例えば、建物100の各階に分岐され、各階にて、可撓管121などを介して室内機122に接続されている。更に、(空調用)配管104には、膨張槽123が適宜接続されている。建物100の(空調用)配管104は、近年、樹脂配管125で構成することが多くなっている。
【0021】
このような樹脂配管125には、例えば、
図3、
図4に示すような樹脂複合管131が用いられる。
【0022】
この樹脂複合管131は、内部に熱媒体102が流通可能なものとされる。そして、樹脂複合管131は、熱媒体102が流通する中空部を構成する内層132と、この内層132よりも外側に設けられて、内層132よりも熱伸縮率が小さい中間層133と、この中間層133よりも外側に設けられて、熱融着可能に構成された外層134と、を備えている。更に、樹脂複合管131は、外層134よりも外側に設けられて、酸素バリア性を有する酸素バリア層136と、上記した外層134と酸素バリア層136との間に設けられて、外層134と酸素バリア層136とを接着する接着層135と、を備えている。
【0023】
ここで、樹脂複合管131は、ポリプロピレン複合管、ポリエチレン複合管などとされる。樹脂複合管131は、冷水や温水などの熱媒体102を通す冷水配管108や温水配管109などに適している。
【0024】
樹脂複合管131がポリプロピレン複合管である場合、内層132と外層134の材料には、ポリプロピレンが使われる。また、樹脂複合管131がポリエチレン複合管である場合、内層132と外層134の材料には、ポリエチレンが使われる。
【0025】
中間層133は、熱伸縮を半分程度に抑えるための繊維強化層などとされる。繊維強化層としてはガラス繊維や炭素繊維などを含有させたポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂が挙げられる。中間層133は、その厚みの、内層132と外層134との合計の厚みに対する比が、0.3以上で且つ0.8以下のものとされる。このように、樹脂複合管131全体の厚みに対する中間層133の厚みを大きくすることにより、樹脂複合管131としての信頼性(強度や、寸法安定性や、施工性など)を高くすることができる。また、中間層133は、ガラス繊維の含有率が、15重量%以上、45重量%以下のものとされる。
【0026】
なお、内層132、中間層133、外層134に用いられる樹脂は同一の樹脂材料を含むことが好ましい。
【0027】
接着層135は、外層134を構成するポリエチレンやポリプロピレンと、酸素バリア層136を構成するエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)とを接着できれば何でも良く、例えば、無水マレイン酸とグラフとポリオレフィンとで構成される接着性樹脂などを用いることができる。
【0028】
酸素バリア層136は、酸素の透過を防ぐことで、冷水配管108や温水配管109に接続される熱媒供給源103の内部配管(金属管)などの錆びを防止するためのものとされる。酸素バリア層136としては、上記したエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂やアルミニウムなどが挙げられる。
【0029】
そして、
図1に示すように、この実施例の配管連結構造では、金属配管115とされた冷水配管108および温水配管109の少なくとも一部の端部に、配管接続部141が設けられる。この配管接続部141と、樹脂配管125とされた(空調用)配管104(または冷水配管108および温水配管109の残りの部分)とが、以下のようにして連結される。
【0030】
まず、
図5(または
図6)に示すように、(空調用)配管104は、配管接続部141に接続するための配管連結部材142を備えている。この配管連結部材142は、フランジ付き短管部材などとされるが、配管連結部材142の詳細については、後述する。
【0031】
(1)そして、上記(金属配管115の端部に取付けられた)配管接続部141と上記配管104とが芯ズレ2を有して設置される。
そこで、上記配管104に、上記配管接続部141に対する芯ズレ2の影響を調整可能な調整部材5が備えられる。
この調整部材5が、例えば、
図7に示すように、少なくとも1つの伸縮部6と、少なくとも1つの屈曲部7と、を有するものとされる。
そして、上記伸縮部6が、 任意の伸縮長さで固定可能な固定部8と、少なくとも固定部8による固定後にシール状態を保持可能なシール部9と、を備える。
【0032】
ここで、芯ズレ2は、配管接続部141と配管104との中心軸間の半径方向のズレのことである。芯ズレ2は、
図8のいずれかに示すように、水平方向および上下方向の少なくともいずれかに対して生じ得る。
【0033】
配管接続部141と配管104は、調整部材5などを設置するために必要な中心軸方向の間隔Lを有して、それぞれの中心軸がほぼ平行となるように配置される。配管接続部141および配管104は、縦管でも横管でも良い。金属配管115は、大径で、高い圧力が掛かり、しかも、高い寸法精度が要求されるものとなっている。但し、小径で圧力が掛からないような配管などであっても良い。
【0034】
図5(および
図6)の場合、配管104に対し、配管接続部141を敢えて大きく芯を外して設置した上で、これらの間を配管連結部材142および1個の調整部材5を用いて連結するようにしている。この際、配管104と配管接続部141との芯ズレ2を意図的に大きく取ることで、伸縮部6の伸縮量を大きくした調整部材5を使用できるので、芯ズレ2を吸収する作業を、より行い易くすることができる。
【0035】
配管接続部141に対して芯ズレ2を有する配管104に設けられる調整部材5は、芯ズレ調整用連結部材または芯ズレ調整用継手などとして、配管連結部材142と共に配管104に直接的に設置しても良い。または、調整部材5は、短管11(
図14参照)や曲がり継手12(
図15参照)などのような他の管部材と適宜組み合わせて用いるようにしても良い。この際、調整部材5は、1個または複数個使用することができる。他の管部材と組み合わせて使用することにより、配管104と配管接続部141との間の間隔Lの部分に、芯ズレ2の量よりも大きい迂回経路13を構成するように、調整部材5が設置されることになる。なお、迂回経路13は、平面的なものに限らず、芯ズレ2の状況に応じた立体的なものとすることができる。
【0036】
屈曲部7は、調整部材5に対して、配管104とほぼ平行な平行部14と、配管104に対して非平行となる非平行部15(例えば、傾斜部や直交部など)とを形成することになる。なお、平行部14と非平行部15とは、調整部材5の設置の仕方によって変わる相対的なものである。また、平行部14と非平行部15とが成す角度は、どのような角度であっても良い。例えば90°とする場合には、非平行部15は、配管104および配管接続部141に対して直交する直交部となる。ちなみに、配管104を、自然流下を利用した復路などに使用する場合には、平行部14と非平行部15とが成す角度が90°未満であると、自然流下できない上り勾配になるため、上記角度は90°またはそれ以上とすることが望ましい。
【0037】
(2)そして、
図7に示すように、上記伸縮部6が、伸縮代となる直管部分21,22を有して互いに伸縮動可能に嵌合された大径管部23と小径管部24,25とを有するものとされる。
そして、上記屈曲部7が、上記大径管部23の両端部に嵌合された一対の小径管部24,25に対してそれぞれ設けられるようにする。
【0038】
ここで、大径管部23は、小径管部24,25の外径とほぼ等しい内径を有するものとされる。小径管部24,25は、配管104とほぼ同一径寸法のものとされる。
【0039】
この場合、伸縮部6は、複数箇所(2箇所)設けられている。また、屈曲部7は、小径管部24,25に対して各1箇所設けられている。但し、屈曲部7は、小径管部24,25に対して2箇所以上設けても良い。
【0040】
(3)または、
図9に示すように、上記伸縮部6が、伸縮代となる直管部分21,22を有して互いに伸縮動可能に嵌合された大径管部23と小径管部24とを有するものとされる。
そして、上記屈曲部7が、上記大径管部23の一端部に一体に形成された小径部31に対して設けられると共に、上記大径管部23の一端部に嵌合された小径管部24に対して設けられるようにする。
【0041】
ここで、大径管部23は、小径管部24および小径部31の外径とほぼ等しい内径を有するものとされる。小径管部24および小径部31は、配管104とほぼ同一径寸法のものとされる。
【0042】
この場合、伸縮部6は、小径管部24に対して1箇所設けられている。また、屈曲部7は、小径管部24および小径部31に対して各1箇所設けられている。但し、
図10の例に示すように、屈曲部7は、小径管部24および小径部31に対して各2箇所またはそれ以上設けても良い。なお、
図7のものも、
図10と同様に、屈曲部7を、小径管部24,25に対して各2箇所またはそれ以上設けても良い。
【0043】
以下に、
図7、
図9、
図10などの各種のものに対して共通に適用できる構成について説明する。
【0044】
(4)
図11に示すように、上記固定部8およびシール部9が、上記大径管部23と小径管部24,25とを電気的に融着固定可能な電気融着機構41とされる。
【0045】
ここで、電気融着機構41は、大径管部23と小径管部24,25との嵌合部分の内部に設けられた発熱コイル42と、この発熱コイル42に外部から電流を供給するためのターミナル部43と、を有するものとされる。この場合、発熱コイル42は、大径管部23の端部周辺における内周面近傍に埋設されている。ターミナル部43は、電気融着装置の給電ケーブルを接続するための端子である。
【0046】
また、
図5に示すように、配管連結部材142と、調整部材5との間の接合や、調整部材5と配管104との間の接合にも、同様の電気融着機構44を用いることができる。この場合、配管104の接着層135と酸素バリア層136は剥がしてから接合するようにする。
図6では、電気融着機構44を、配管連結部材142(142b)に対して一体に設けるようにしている。なお、電気融着機構41および電気融着機構44は、また、図面の都合上詳細を省略する場合があるが、基本的な構造は、
図11のものと同様である。
【0047】
なお、
図11は、
図7の大径管部23に2つの小径管部24,25を挿入した場合の例を示しているが、
図9または
図10のように、一端側の小径管部24が大径管部23に挿入され、他端側の小径部31が大径管部23と一体になって連接されたものに対して電気融着機構41を設けるようにしても良い。このような電気融着機構41は、融着前であれば小径管部24,25を相対的に自由に回転および伸縮可能な一方、融着後は高い水密性を持たせることができるため、好ましい。
【0048】
上記小径管部24,25や小径部31や大径管部23は、電気融着機構41による電気的な融着固定に適したポリオレフィンなどの素材によって形成されるのが好ましい。
【0049】
なお、固定部8およびシール部9については、電気融着機構41に代えて、ゴム輪接合部や接着固定部などとすることも構造的には可能である。
【0050】
(5)
図12に示すように、上記伸縮部6が、大径管部23に対する小径管部24,25の引出量を規制するストッパー機構51を備えるようにしても良い。
【0051】
ここで、ストッパー機構51は、例えば、小径管部24,25の内端部に形成されたフランジ状の拡径部52と、大径管部23に対して拡径部52を移動可能に形成された拡径部53とを有するものとされる。
【0052】
拡径部52は、発熱コイル42が埋設された大径管部23両端の直管部分21の内径よりも大径の筒状部分とされる。拡径部53は、大径管部23の中間部に拡径部52の径とほぼ等しい内径となるように設けられる。そして、大径管部23における拡径部53と外側端部との間の段差部が、拡径部52に対するストッパー面54となる。なお、ストッパー面54は、
図13のようなテーパー面の代わりに、垂直に切り立ったものなどとしても良く、または、
図11のストッパー55と同様の突起状のものなどとしても良い。
【0053】
更に、伸縮部6は、
図11に示すように、大径管部23に対する小径管部24,25の内方への押込量を規制するための構成としてのストッパー55を備えるようにしても良い。このストッパー55は、上記したように、大径管部23の内面側に周方向に沿って設けられた突起状のものなどとされている。
【0054】
(6)
図9に示すように、上記調整部材5の少なくとも一端部に、連結しようとする配管104の端部に対して着脱可能な着脱部61が設けられるようにしても良い。
【0055】
ここで、着脱部61は、例えば、小径管部24,25や小径部31の外側端部に形成された接続フランジ62などとされる。この場合、金属配管115や配管104の端部にも相手方となる配管接続部141や接続フランジ63が設けられる。接続フランジ62と接続フランジ63とは、間にガスケットを挟んで、直接ボルトで連結固定するようにしても良い。
【0056】
また、接続フランジ62と、配管接続部141または接続フランジ63とは、クランプ64などで外周側から挟み込んで固定するようにしても良い。クランプ64としては、一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、半割円弧状のクランプ片をボルトとナットで固定できるようにしたものなどとされる。この場合において、クランプ片の一端部間をボルトとナットや、ヒンジ部で予め回動自在に連結したものとしても良い。クランプ片は、接続フランジ62と接続フランジ63とを同時に包持可能な形状のものとされる。
【0057】
或いは、接続フランジ62と、配管接続部141または接続フランジ63とは、ユニオンナット65で連結固定するようなものとしても良い。但し、着脱部61は、必ずしも、配管104の端部に取付けるのに使用する必要はなく、短管11や曲がり継手12などとの接続に使用しても良い。
【0058】
なお、着脱部61は、上記接続フランジ62などを利用したもの以外にも、各種のものが存在しており、これらを広く使用することができる。また、着脱部61を設けない場合などに、調整部材5の少なくとも一端部に対し、受口部を設けるようにしても良い。このようにすることにより、受口部に対して配管104を差し込んで接着固定することが可能となる。
【0059】
図14〜
図16は、上記した調整部材5の具体的な用い方を示すものである。例えば、
図14では、
図7の調整部材5を2個と、1本の短管11とを用いて迂回経路13を構成している。
図15では、
図7の調整部材5を1個と、2個の曲がり継手12とを用いて迂回経路13を構成している。
図16では、
図9の調整部材5を1個のみ用いて迂回経路13を構成している。更に、上記以外の組み合わせによって迂回経路13を構成することも可能である。調整部材5は、配管104どうしの芯ズレ2の方向を考慮して立体的に使用することができる。なお、
図14〜
図16では、配管連結部材142を用いずに金属配管115に配管104を接続するようにしているが、配管連結部材142を用いても良い。
【0060】
(7)既に上記したように、上記熱媒供給源103の(金属配管115に設けられた)配管接続部141が金属製とされ、上記配管104が樹脂製とされている場合に(樹脂配管125)、これらの連結に調整部材5を用いても良い。
【0061】
(8)
図5に示すように、上記熱媒供給源103の配管接続部141がフランジ継手であり、上記配管104に、上記フランジ継手に対して連結可能なフランジ継手(配管連結部材142)が設けられても良い。
【0062】
ここで、相手方のフランジ継手は、配管連結部材142に設けられた金属製の締結フランジ71とされる。配管連結部材142は、締結フランジ71が外嵌可能な筒状の本体の一端部に対して、配管連結部材142に当接すると共に、締結フランジ71を係止可能な係止フランジ72を有するものとされる。フランジ継手(配管接続部141)と、相手方のフランジ継手(配管連結部材142)とは、ボルト73を用いて締結固定される。また、配管連結部材142は、筒状の本体の他端部が、電気融着機構44に嵌合可能な差口部74などとされている。
【0063】
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0064】
(作用効果1)例えば、集合住宅やオフィスビルなどの建物100には、空調設備101が設けられる。このような空調設備101には、冷却用媒体(いわゆる冷媒102a)や加熱用媒体(いわゆる熱媒102b)などの熱媒体102を供給可能な熱媒供給源103と、この熱媒供給源103からの熱媒102bを建物100内部の各所へ送るための(空調用)配管104が備えられたものが存在している。
【0065】
例えば、上記した空調設備101は、冷媒102aとして冷水を使用し、熱媒102bとして温水を使用する冷温水システムなどとすることができる。
【0066】
そして、熱媒供給源103から配管接続部141までの機械部分は、予め工場で製造されると共に、建物100に対して後から据え付けられる。一方、建物100の(空調用)配管104については、建物100に合わせて現場で構築される。そのため、熱媒供給源103の配管接続部141と配管104との間には、芯ズレ2や長さ方向の寸法の誤差などが生じ易い。よって、熱媒供給源103の配管接続部141に対して配管104を接続するためには、芯ズレ2や長さ方向の寸法の誤差などを調整する必要がある。
【0067】
しかし、熱媒供給源103およびその配管接続部141は、設計通りの寸法に製造されるものであると共に、管径が大きなものとなっているため、調整の余地がない。
【0068】
そこで、配管104の側に調整部材5を備えるようにした。これにより、熱媒供給源103の配管接続部141と配管104との間に生じた芯ズレ2や長さ方向の寸法の誤差などの影響を調整部材5を用いて容易に調整して、両者を支障なく連結することが可能になる。
【0069】
この際、調整部材5を、少なくとも1つの伸縮部6と、少なくとも1つの屈曲部7とを有するものとした。これにより、芯ズレ2を有する配管104どうしを連結する場合に、調整部材5に備えられた伸縮部6による長さ調整機能(および大径管部23と小径管部24,25との間の軸転機能)と、屈曲部7による方向変更機能と、を使うことで、芯ズレ2の調整に必要な取り回し形状の少なくとも一部を簡単に得ることができるので、これらの機能を組み合わせて使用するだけで芯ズレ2に柔軟に対応することが可能となり、現場で容易且つ高精度に芯ズレ2を有する配管104どうしの連結を行うことが可能となる。
【0070】
更に、上記した伸縮部6を、固定部8とシール部9とを有するものとした。これにより、伸縮部6による長さ調整を行った後に、固定部8とシール部9とで、固定およびシールを確実に行うことができる。
【0071】
このように、調整部材5を用いることで、芯ズレ2を有して設置された配管104どうしを容易且つ精度良く連結することが可能となる。
【0072】
また、
図5、
図14〜
図16のように調整部材5や、短管11や、曲がり継手12などを適宜組み合わせて迂回経路13を構成することにより、迂回経路13に使用する部品点数が削減して接続箇所が減ると共に、長さ調整が容易化され、作業効率が大幅に向上する。また、調整部材5の使い方によって、迂回経路13を形成するための配管104の間の間隔Lを短く設定することが可能となる(例えば、L1>L2>L3)。
【0073】
(作用効果2)大径管部23の両端部に、屈曲部7を有する小径管部24,25を設置した。これにより、調整部材5は、2箇所の伸縮部6と複数の屈曲部7とを有することとなり、所望の取り回し形状を得るのに使い易いものとなる。
【0074】
(作用効果3)大径管部23の一端部に、屈曲部7を有する小径部31を設けると共に、他端部に屈曲部7を有する小径管部24を設置した。これにより、調整部材5は、2部品で構成されるものとなり、上記と同様の取り回し形状を得つつ、部品点数を削減して低コスト化を図ることができる。
【0075】
(作用効果4)固定部8およびシール部9を電気融着機構41とした。これにより、互いに伸縮動可能に嵌合された大径管部23と小径管部24,25とを電気融着機構41を用いることにより、確実に固定およびシールを行うことができる。よって、小径管部24,25と大径管部23とを所要の長さに伸ばして電気的に融着固定することで、芯ズレ2が有る配管104どうしの連結作業を短時間で行うことができる。
【0076】
(作用効果5)伸縮部6にストッパー機構51を設けた。これにより、ストッパー機構51が、最大引出量を超えないように大径管部23に対する小径管部24,25の引出量を規制するので、伸縮部6における直管部分21,22の嵌合量が不足するのを確実に防止することができる。よって、例えば、電気融着機構41を用いた場合に、電気的な融着固定を強固且つ確実に行わせることができる。
【0077】
(作用効果6)調整部材5の少なくとも一端部に着脱部61を設けた。これにより、配管104どうしの連結後に、いつでも簡単に調整部材5を取り外すことが可能となる。その結果、メンテナンスが容易となる。
【0078】
(作用効果7)更に、熱媒供給源103の配管接続部141を金属製とし、上記配管104を樹脂製とした(樹脂配管125)。これにより、一方が金属製の配管接続部141で、他方が樹脂製の配管104で、両者が芯ズレ2を有しているような場合であっても、調整部材5を用いることで支障なく両者を接続することが可能となる。
【0079】
(作用効果8)また、熱媒供給源103の配管接続部141をフランジ継手とすると共に、配管104にフランジ継手(配管連結部材142)を設けて、フランジ継手どうしを連結するようにした。これにより、熱媒供給源103と配管104とを、フランジ継手を用いて確実に連結することが可能となる。
【0080】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施の形態に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、実施の形態に複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。