(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記線形減衰モジュールは、前記シャント抵抗及び前記シャントリアクタンスの両方を適応的に調節して、該残響期間を最小化する、請求項1に記載の圧電変換器コントローラ。
前記圧電変換器の特性を明らかにし、駆動する動作、有効化する動作、測定する動作、関連付ける動作、及び繰り返す動作を行う前に、前記シャント抵抗値及びシャントリアクタンス値の粗同調を行うことを更に含む、請求項5に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、一組の超音波駐車支援センサ104を搭載した例示の車両102を示す。センサ配列内のセンサの数及び構成は多様であり、通常、それぞれのバンパの上に6個のセンサを有し、死角検出器として機能する2個の付加的なセンサを両側に有すると考えられる。車両は、例えば、衝突の警告、自動駐車支援、死角の監視などの1つ又は2つ以上のサービスを提供する一環として、様々な検出区域にある障害物までの距離を検出し、測定するためにセンサ配列を用いることができる。
【0013】
超音波センサは、送受信器であり、すなわち、それぞれのセンサは、超音波のパルスを送受信することができることを意味する。放出されたパルスは、対象物又は音響インピーダンス不整合の他の何らかの形態に遭遇し、そこから反射するまで、車両から外向きに伝搬する。反射したパルスは、放出されたパルスの「エコー」として車両に戻ってくる。パルスの放出からエコーの受信までの時間は、反射点までの距離を示している。センサの全てが、結果として生じるエコーを測定するように構成されてもよいが、一度に1つのセンサのみが送信を行なうことが好ましい。
【0014】
図2は、星型トポロジーの中心として様々な超音波センサ204に連結されている電子制御ユニット(ECU)202を示す。(星型トポロジーの使用は、例示的なものであり、バスアーキテクチャを含む他のシステムアーキテクチャが使用されてもよい。)例えば、自動駐車支援などのサービスを提供するために、ECU 202は、方向指示器作動装置206、操舵作動装置208、制動作動装置210、及びスロットル作動装置212などの一組の作動装置に更に接続してもよい。ECU 202は、ユーザインタラクティブインターフェース214と更に連結されて、ユーザの入力を受信し、様々な測定値及びシステム状態を表示することができる。インターフェース、センサ、及び作動装置を使用して、ECU 202は、自動駐車、支援型駐車、車線変更支援、障害物及び死角検出、並びに他の所望する機能を提供することができる。
【0015】
図3は、専用変換器コントローラ302と連結された圧電変換器(PZ)を有する例示的な超音波センサを示す。(変圧器がない設計がここに示されているが、本出願の原理はまた、昇圧変圧器を介して変換器PZに連結されたコントローラの送信端子を有するシステムにも適用可能である。)現在のところ、それぞれの変換器に専用コントローラを備えることが好ましいが、本書に示した原理を用いる共用コントローラに連結された複数の変換器を有することもまた可能である。変換器コントローラ302は、特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよいが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及び構造化ASICの実施態様もまた想到される。変換器コントローラ302は、2個の電源端子(VBAT及びGND)を備え、少なくともいくつかの想到される実施形態では、ECU 202と通信するための単一の入力/出力(「I/O」又は「IO」)ラインを備える。好適な通信プロトコルは、任意の所与の時間にI/Oラインを制御する2個のコントローラ(ECU 202又はコントローラ302)のうち一方のみを有するように設計されると考えられる。
【0016】
変換器コントローラ302は、I/Oインターフェース303を備え、I/Oインターフェース303は、受信モードにあるときには、ECU 202からの送信に対してI/Oラインを監視し、送信モードにあるときには、ECUにデータを送るためにI/Oラインの状態を駆動する。一部のシステムでは、ECU 202は、測定をトリガし、生じた測定データを受信するためにそれぞれのセンサを周期的にポーリングしてもよい。
【0017】
変換器コントローラ302は、不揮発性メモリ305に保存されたファームウェア及びパラメータに従って動作するコアロジック304を備えて、ECU 202からのコマンドを解析し、超音波パルスの送信及び受信を含む適切な動作を実行する。超音波パルスを送信するために、コアロジック304は、センサコントローラ302上の一対の送信端子を駆動する送信器306を使用する。圧電変換器PZは、送信端子に連結され、連結コンデンサC1及びC2を介して一対の受信端子に更に連結されている。連結コンデンサC1、C2は、直流絶縁をもたらし、受信端子上の内部電圧クランプを使用し易くし、ローノイズアンプ(LNA)308を送信期間中及び残響期間中の損傷から保護する。いくつかの実施形態では、圧電PZの1個の端子は、アース端子GNDに接続されていてもよい。
【0018】
受信されたエコー信号は、通常、ミリボルト又はマイクロボルトの範囲にあるため、コントローラ302は、ローノイズアンプ308を備えて、受信端子からの信号を増幅する。コントローラ302は、集積アナログ−デジタル変換器(ADC)を有するデジタル信号プロセッサ(DSP)310を更に備えてもよく、増幅受信信号をデジタル化し、加工する。DSP 310は、プログラム可能な方法を適用して、パルスの送信中に変換器の作動期間(残響又は「共鳴」期間)を測定し、任意の受信パルス又は「エコー」の長さを検出し、測定する。かかる方法は、閾値比較、最小間隔、ピーク検出、ゼロ交差検出及び計数、雑音レベルの測定、並びに信頼性及び精度を改善するために調節された他のカスタマイズ可能な手法を使用してもよい。DSP 310は、増幅した受信信号を更に処理して、共振周波数及び減衰率等の変換器の特性を解析することができ、(接続を外されるか、又は故障した変換器、抑制された振動等によるものであり得る)非常に短い作動期間、又は非常に長い作動期間(実装不良、不十分な減衰抵抗等)等のエラー状態を更に検出することができる。
【0019】
例えば、LINバスアーキテクチャを有するシステムに好適な実施形態などの少なくともいくつかの実施形態では、コアロジック304は、DSP 310を用いて、エコー走時及び/又は超音波パルスを反射する物体までの対応する距離を測定する。コアロジックは、これらの測定値をECU 202に伝達し、ECU 202は、複数のセンサからの測定値を組み合わせて、所望のサービス及び/又は情報を運転者へ提供する。例えば、星型トポロジーを有するシステムに好適な実施形態などの特定の代替的な実施形態では、時間測定及び対応する距離評価は、ECUによって行われる。かかる実施形態では、DSPは、時間を測定せず、閾値よりも大きな超音波エコーの存在を検知し、IOラインを所定レベルに近づけることでリアルタイムにエコーの検出を表示する。
【0020】
不感区域を最小化するために、コントローラ302は、送信器306、DSP 310、又はコアロジック304の制御下で動作し得る少なくとも1つの線形減衰モジュール311を備えて、残響期間を短縮する。コントローラ302は、単独で、又は、例えば、送信器306によるアクティブ減衰動作を含むマルチフェーズ減衰システムの一部として動作してもよい。アクティブ減衰動作が用いられる場合、送信器306は、文献の他の部分で概要が示される手法に従って、送信パルスの終端で逆位相(out-of-phase)信号を増幅して、残留振動を妨害する。通常、かかるアクティブ減衰は、別の残響を励振する顕著な可能性が存在する閾値未満に残響振幅が低下した時点で終了するはずである。したがって、アクティブ減衰が用いられる場合であっても、圧電変換器は、線形減衰モジュールを使用して有利に最小化することができる残留振動を残してもよい。
【0021】
図4Aは、同調可能なシャント抵抗(R
D)、同調可能なシャントリアクタンス、及びスイッチを有する例示的な線形減衰モジュールの実施形態を示す。シャントリアクタンスは、同調可能なインダクタンス(L
P)として示されているが、代替的な実施形態では、シャントリアクタンスは、アクティブ回路素子を使用して実施され得る同調可能な負性キャパシタンスであってもよい。一組の制御信号402が、送信器、DSP、及び/又はコアロジックによって提供される。線形減衰モジュールが送信パルスを減衰することを防止するために、スイッチは、制御信号下で動作して、送信パルスの終了後のみアクティブ減衰フェーズを含む線形減衰を実施する。
図4B及び
図4Cは、抵抗器R
Dを切断する一方でインダクタンスL
Pを接続したままとするか、又は両方を切断することが可能な付加的なスイッチを備える付加的な自由な構成を提供する線形モジュールの実施形態を示す。
【0022】
線形減衰モジュール311は、シャント抵抗R
D及びインダクタンスL
Pが適切に同調されている場合、最適な減衰をもたらす(すなわち、残響期間の長さを最小化する)。しかしながら、減衰性能は、これらの要素の同調に非常に敏感であり、そのためわずかな誤差であっても、性能の顕著な低下を引き起こす場合がある。更に、圧電変換器は、通常、極めて有意な温度係数を有し、表面に水及び屑からの負荷がかかる場合があるため、精度を維持しながらかかる同調を適応的にかつ適応的に実施させ対応させることが所望される。制御信号402は、かかる同調をシャント抵抗R
D及びシャントインダクタンスL
Pにもたらす。
【0023】
図4Dは、左側端子から電流を調達するか又は減少させる相互コンダクタンスアンプG1を有する同調可能なシャント抵抗R
Dの1つの例示的な実施形態を示し、電流は、2個の端子間の差に比例している。制御信号TUNEは、R
Dの所望の抵抗に反比例してアンプG1のゲインを設定する。
【0024】
図4Eは、R
Dの左側端子と連結された反転入力を有するローノイズオペアンプ(LNA)、及び、LNA出力と連携し、通常、アースに連結し、R
Dの右側端子と連結した非反転入力を使用して、より高い精度を提供する別の例示的な実施形態を示す。LNAは、端子間の電圧差を増幅し、端子間の電圧差に継続的に比例する出力信号を生成する。この出力信号は、公称抵抗値RN及び相互コンダクタンスアンプG1の入力に適用される。公称抵抗値及び相互コンダクタンスアンプはそれぞれ、出力信号に比例する左側端子からの電流を減少させるか、又は調達する。公称フィードバック抵抗値RNは、LNAゲインの要因である場合には、初期抵抗値を設定する。公称フィードバック抵抗値RNと同時に、相互コンダクタンスアンプG1が動作して、公称抵抗値を同調可能な形式に修正する。制御信号TUNEが相互コンダクタンスアンプのゲインを調節するため、シャント抵抗R
Dの実効抵抗が修正される。少なくともいくつかの実施形態では、TUNE信号は、デジタル−アナログ変換器を介して提供される。
【0025】
図4Fは、同調可能なシャントインダクタンスL
Pの1つの例示的な実施形態を示す。L
Pの左側端子は、相互コンダクタンスアンプGintの反転入力、コンデンサCintの一面、及び相互コンダクタンスアンプGoutの非反転入力に連結される。相互コンダクタンスアンプGintの出力は、コンデンサCintの他の一面及びGoutの逆側に連結される。相互コンダクタンスアンプGoutの出力は、L
Pの右側端子及びGintの非反転入力に連結される。
【0026】
動作中、Gintは、入力端子と出力端子と間の差に比例する電流を調達することによって、結果的にコンデンサCintを帯電させる。コンデンサの電圧は、この電流の積分であり、したがって、等価インダクタを通って流れると考えられる電流に相当する。相互コンダクタンスアンプGoutは、このコンデンサ電圧を相当する電流に変換することによって、L
Pは、L
P=Cint/(Gint
*Gout)のインダクタ値を有する合成インダクタとして振る舞う。相互コンダクタンスアンプGintのゲインは、制御信号TUNEによって制御され、インダクタンスを同調可能にする。前述のとおり、TUNE信号は、デジタル−アナログ変換器を介して供給されてもよい。
【0027】
最適な減衰用の好適な値を決定するために、圧電変換器PZを等価回路に置き換えた
図4Gを参照する。図示された等価回路は、本目的のためにほぼ好適である。かかる等価回路は、通常、製造業者から入手可能であるが、必要ならば、等価回路のパラメータ化応答を変換器から測定された周波数依存インピーダンスに適合させることで得ることができる。前述したとおり、等価回路パラメータは、大きな変動を有することが予測されるため、好適な同調値を周期的に生成するための迅速な推定手法及び最適化同調値を微調節し、追跡するための適応化手法を用いることが望ましい。
【0028】
等価回路は、コンデンサ(C
S)、インダクタ(L
S)、及び抵抗器(R
S)の直列の組み合わせと並列してコンデンサ(C
P)を備える。変換器端子間の直列の組み合わせは、共振周波数(本書では直列共振周波数と呼ぶ)を有する回路インピーダンスを提供する。
【0030】
この共振周波数は、主要な共振ピークになることが予測され、その結果、音響パルスは、増大した信号強度並びに改善した効率及び感度に対してf
Sで送信されることとなることが予測される。コントローラ302は、パルス又は他の広帯域信号を送信器を有する変換器PZに供給し、DSPを用いて残留振動の期間を測定することによって、f
Sを測定することができる。あるいは、コントローラは、どの周波数が最も強い送信信号をもたらすかを識別するために周波数掃引を用いてもよい。コントローラは、直列共振周波数の初期値又は初期推定値で動作を更に開始してもよく、最適値を微調整し、追跡する周波数適応化手法を用いてもよい。
【0031】
シャントインダクタンスL
P及びシャント抵抗R
DとのコンデンサC
Pの並列の組み合わせは、第2の共振周波数(本書において並列共振周波数と呼ぶ)を定義することとなる。
【0033】
(等価回路内の電流によって表される)変換器の振動の最適な減衰は、並列共振周波数が直列共振周波数に一致する場合(すなわち、f
P=f
Sの場合)、かつシャント抵抗R
Dが両方の回路のインダクタインピーダンスの幾何平均の半分に同調している場合に、達成することが示される。
【0035】
(並列である2つの共振回路があるため、係数2分の1が生じる。)これら必要条件は、L
P及びR
Dの最適に同調された値に対する以下の式に変換できる。
【0037】
少なくともいくつかの実施形態では、線形減衰モジュールを同調するプロセスは、2つの段階で進行する。第1の段階では、C
P及びL
Sの測定値が得られ、シャントインダクタンス及びシャント抵抗の粗同調を提供するために使用される。第2の段階では、適応最適化プロセスは、シャントインダクタンス及びシャント抵抗をその最適値に微調整し、その最適値を温度変動又は負荷に起因する変換器の特性の変化として追跡するために適用することができる。
【0038】
第1の段階に関して、直列共振周波数f
Sは、既知ではない場合に測定される。この測定の選択肢は、上記で論じられ、周波数掃引又は広帯域パルスを含み、それに続いて残留振動周波数が測定される。
【0039】
次いで、コンデンサC
Pが測定される。この測定の第1の手法では、同調可能なインダクタンスL
Pは、上向きに顕著に拡大される。線形減衰モジュール311の設計段階(
図4A)では、L
Pの公称値は、式(4)に従って、製造業者により提供されたC
P及びf
Sの通常値(C
S及びL
Sは、任意選択的にf
Sの代わりに使用され得る)に従って選択されていたこととなる。好適な拡大値は、4倍大きいか、又は(式(2)による)並列共振周波数を通常のf
S値の約半分にするために十分であると考えられる。別の拡大倍率は、並列共振周波数f
Pを低下させ、直列共振周波数f
Sから分離することを目的に選択されてもよい。(変換器は、通常、より高い二次共振周波数を有するため、低下させることが望ましい。)次いで、変換器は、パルスを発生するか、又は並列共振周波数f
Pの新たな値を識別するために周波数掃引される。次いで、この測定は、式(2)に従ってC
Pの値を決定するために拡大されたL
P値と共に使用され得る。
【0040】
C
Pを測定するための第2の手法では、線形減衰モジュール311は、電流源がC
Pを所与の電圧まで素早く帯電させるために必要な時間を測定する。
図5は、この測定を達成するための同調可能なインダクタンスL
Pの構造を利用するモジュール311の例示的な実施を示す。減衰モジュール311は、閉スイッチS1を介して休止変換器PZに連結され、スイッチS2の開放によって分離される同調可能な抵抗R
Dを有する。スイッチS3は、相互コンダクタンスアンプの反転入力と非反転入力との間の基準電圧512と連結する代わりに、L
Pの上部端子からGintの非反転入力への接続を開放するために使用される。アンプGintは、コンデンサCintへの対応する基準電流を供給し、一定速度でコンデンサを帯電させる。出力相互コンダクタンスアンプGoutは、生成した電圧傾斜を電流傾斜に変換し、二次速度でC
Pを帯電させる。コンパレータ514は、C
P電圧が基準電圧を超えた場合に表示する。基準電圧に到達するまでに必要な時間は、
【0042】
並列及び直列共振周波数を一致させるために、理想的な帯電時間は、
【0044】
シャントインダクタンスL
Pは、算出することができ、それに従って設定され得る。(しかしながら、理想に近い帯電速度では直列共振回路の励振が生じる場合があり、測定における誤差を誘導する場合があることに留意されたい。帯電速度は、この二次効果を防止するために、直列コンデンサC
Sに集められた電荷に起因して誤差が増加するという犠牲を払って、低下させてもよい。)所望のシャントインダクタンス値は、前述のシャントインダクタンス値に対して、以下のとおり表すことができる。
【0046】
かかるレシオメトtリックな計算は、類似の実施態様に、より適し得る。所望の場合、測定は、理想時間と測定時間との比が1に近似するまで、新たなインダクタンス値を用いて繰返し反復してもよい。
【0047】
C
Pを測定するための第3の手法では、線形減衰モジュール311は、シャントインダクタ電流と圧電変換器上の電圧との間の位相シフトを測定する。
図6は、この手法(又は前述の手法の変形例)を実施するために使用されてもよい線形減衰モジュール311の例示的な実施を示す。電流源502は、圧電変換器PZを動作させる。本手法に関して、電流源は、直列共振周波数f
Sにおける振動信号を提供する。電流計504は、インダクタL
Pを通る電流を測定し、その一方で、電圧計506は、圧電変換器PZを横断する電流を測定する。アナログ−デジタル変換器508、510は、電流及び電圧の測定値を、電流と電圧との間の位相関係を監視する、例えば、DSPに提供する。位相シフトは、補正又はゼロ交差検出などの差分デジタル信号進行測定を使用して測定することができる。電流と電圧との間の位相シフトが約90°で一定ならば、インダクタL
Pは、効果的な減衰のために十分に同調される。逆に、位相シフトが増加又は減少している場合、インダクタL
Pは、変化率に基づいて調節されるべきである。
【0048】
図7は、同調可能なインダクタL
Pの構造を利用する別の例示的な実施を示す。インダクタL
Pを通る電流は、コンデンサCint上の電圧に対応している。したがって、アナログ−デジタル変換器508、510は、
図6の実施において得られた測定値と等価な、電流及び電圧のデジタル化測定値を提供するために機能する。
【0049】
同調可能なインダクタL
Pが好適な値に設定された時点で、粗同調プロセスは、R
Dの好適な値の決定を伴って継続する。R
Dの粗同調用の値を決定するために、
図6の線形減衰モジュール311の実施態様は、シャントインダクタL
Pをバイパスする短絡スイッチS4と共に使用されてもよい。最初に、線形減衰モジュール311は、スイッチS1の開放によって停止される。強力なローインピーダンス出力バッファを使用して、直列共振周波数f
Sで圧電変換器を駆動させる。(コントローラ302は、この目的のために送信器306を用いてもよい。)変換器がこの方式で駆動される場合、変換器の直列分岐に流れる電流は、抵抗器R
Sの抵抗値で除した駆動電圧と等しい。線形減衰モジュール311は、ピーク駆動電圧を測定し、任意選択的に、サンプルホールド回路を使用してピーク駆動電圧を保存する。その後、圧電変換器端子は、電流測定値を得るために共に短絡される。
図6の線形減衰モジュールがインダクタをバイパスするために短絡スイッチS4を備えながら、電流測定が可能である場合、スイッチS1は、閉鎖され、S2は、開放され、S3は、開放され、短絡スイッチS4は、閉鎖される。
【0050】
変換器端子が短絡された後の短い時間に、電流計504によって測定された電流は、直列共振器によって生じた電流とほぼ等しい。この電流は、端子が短絡された後に短時間(例えば、1振動期間)サンプリングされ、ピーク値が測定される。ピーク電圧とピーク電流との比は、RSの抵抗値にほぼ等しい。
【0051】
次に、コントローラ302は、短絡スイッチを開放し、残留振動の減衰率αを測定する。直列共振周波数の振幅は、以下のように表される。
【0052】
式中、αは、減衰率である。コンデンサCPの効果を最小化するために、残留振動は、ロー入力インピーダンスを有するアナログ−デジタル変換器を使用して測定されてもよい。DSPは、IQ復調器を用いて、残留振動の振幅包絡(絶対値)を算出してもよい。次いで、減衰率は、包絡とそれ自体が遅延したものとの比を算出することによって測定することができる。減衰率αは、遅延で除したこの比の(負の)対数である。
【0053】
直列共振周波数、直列抵抗値RS、及び減衰率αの前述の測定を用いて、コントローラ302は、直列インダクタL
S及び最適なシャント抵抗値R
Dを決定できる。Qは、以下のように表されることに留意されたい。
【0057】
式(10)及び式(11)を組み合わせて、以下が得られる。
【0059】
次いで、R
Dの最適値は、式(3)に従って算出可能である。コントローラ302は、シャント抵抗をこの値に設定し、線形減衰の粗同調フェーズを完了する。
【0060】
L
P及びR
Dに対する最適同調値の前述の導出において行われた近似値のうちいくつかを考慮せずに、等価回路自体が近似値であり、更に、二次効果があり得ることが予測される。良好な減衰性能がこれら粗同調値の使用から得られることが予測されると同時に、第2の微同調位相の使用が有益であることが予測される。
【0061】
図8は、コントローラ302のDSP又はコアロジック内に組み込まれてもよい微同調ユニットの1つの例示的な実施態様を示す。図示のとおり、圧電変換器電圧は、アンプ802によってバッファに格納され、アナログ−デジタル変換器804によってデジタル化される。包絡計算器806は、IQ復調を実行し、直交ストリームを組み合わせて、信号の絶対強度を決定する。残響タイマ808は、絶対強度を2個のコンパレータに加え、コンパレータの出力は、複合されて、包絡が上側の閾値から下側の閾値まで横断するためにどれだけのかかるのかをカウンタが計時できるようにする。この計時は、残響期間の代表的長さとして出力される。
【0062】
トレンドフィルタ810は、残響期間がL
P値又はR
D値の以前の適応に反応して増加又は減少したかを判定するために、残響期間信号をそれ自身が遅延したものと比較する。アロケータユニット812は、トレンドフィルタからトレンド信号を受信し、トレンドがL
P値の以前の適応に反応している場合は、トレンド信号を第1のラッチに保存し、トレンドがR
D値の以前の適応に反応している場合は、トレンド信号を第2のラッチに保存する。後続のこれらのパラメータの調節に対して、アロケータは、マルチプレクサを使用して、ラッチ間を選択し、適切なトレンドサイン(sign)を第2のマルチプレクサに印加して、対応するパラメータに対して正又は負の変化の間を選択し、必要に応じて残響期間を最小化する。この変化がL
P値に対する場合、第1のアップデータユニット814によって電流L
P値に適用される。逆に、この変化がR
D値に対する場合、第2のアップデータユニット816によって電流R
D値に適用される。一対のデジタル−アナログ変換器は、電流値を同調信号としてシャントインダクタL
P及びシャント抵抗器R
Dに適用する。パラメータは、それぞれ次々に調節され、他の任意の適応が行われる前に後続の残響期間の測定が行われる。交互の調節が想到される一方で、適応は、任意の整数比、例えば、R
Dの調節は、L
Pよりも3倍多く、インターリーブされてもよい。
【0063】
比例−積分−微分(PID)制御及び共同適応化手法を含む他の最適化手法が既知であり、L
P及びR
Dを適応的に微同調するために適用され得る。開示された粗同調及び微同調原理により、線形減衰モジュールを正確に同調することが可能となり、それによって、超音波駐車支援センサにとって重要なパラメータである、より近い障害物の検出を可能にするために、残響の素早い減衰及び最小測定距離の低減を可能にする。圧電変換器パラメータは、温度依存性が強く、経年劣化効果又は膜上のほこりのような負荷の効果に由来する変化にさらされる。アクティブ同調により、これらの効果は、自動的に追跡される。
【0064】
図9は、前述の説明に従って線形減衰モジュールの粗同調を実行して、あるいはL
P及びR
Dの既定値を適用して、ブロック902で開始する例示的な変換器の制御方法を示す。ブロック904では、変換器コントローラ302は、送信パルスを送信する。パルスの送信が終了すると、変換器コントローラ302は、任意選択的に、変換器をその残響に反して駆動することによってアクティブ減衰を開始する。かかるアクティブ減衰は、残留振動が所定の閾値未満に低下するまで行われてもよい。ブロック908では、コントローラは、残留振動の線形減衰を実行する。ブロック910では、コントローラは、減衰が完了したこと、すなわち、エコーを検出するための閾値未満であることを検証するために確認する。完了していない場合は、ブロック908及び910が繰り返される。ブロック908及び910を実行しながら、タイマを使用して、減衰した残響の長さを測定する。ブロック912では、残響の長さは、以前の1つ又は2つ以上の残響の長さと比較されて、トレンドを判定する。次いで、トレンドを使用して、L
P及びR
Dパラメータのうち少なくとも一方を更新する。それと同時に、エコー検出がブロック914で行われる。ブロック904〜914は、センサから障害物までの距離を監視するために必要に応じて繰り返される。
【0065】
本書に記載のコントローラのいずれも、またはその一部は、単一の半導体ダイ上の半導体素子として形成されてもよい。
図9に図示及び記載した動作について、便宜上、逐次、説明したがが、実際には、本方法は、複数の集積回路部品を並列に動作させることにより、場合によっては、完了の見込みを含むような形で実施することができる。上記の逐次的な説明は、限定的であることを意味するものではない。更に、実施形態において、存在したとしても、回路の動作に有意に影響しないような寄生インピーダンス、電流制限抵抗器、レベルシフター、ラインクランプなどの複雑性要因については説明が省略される。更に、超音波センサについて説明したが、この原理は、残留振動を示す任意の変換器に適用可能である。
【0066】
上述した開示が十分に理解されれば、これら及び他の多くの変形例、均等物、及び代替例が当業者には明らかとなるであろう。前述の線形減衰モジュールは、負性シャントキャパシタンスと組み合わせてR
Dを利用する代替的なシャント回路と置き換えるか、又は併せて使用してもよい。以下の特許請求の範囲は、該当する場合、すべてのかかる変形例、均等物、及び代替例を包含すると解釈されることが意図される。
【0067】
回路動作に関して本書で使用する場合、during、while、whenの各語は、開始動作基づいて、動作が直ちに起こることを意味するものではなく、当業者には明らかなように、多少の合理的な遅延、例えば、初期動作により開始される応答間での種々の伝達遅延が存在する可能性がある。更に一方で、whileの用語は、特定の動作が開始動作の持続期間の少なくとも一部において起こり得ることを意味する。およそ(approximately)又は実質的(substantially)にという語の使用は、構成要素の値が、記載された値又は位置に近いと予測されるパラメータを有することを意味する。ただし、当該技術分野において周知であるように、通常、値又は位置を丁度の値に規定できない小さな分散が存在する。少なくとも10パーセント(10%)までの分散は、丁度の値で規定した理想的目標からの妥当な分散であることは、当該分野において確立している。特許請求の範囲又は/及び図面の詳細な説明において構成要素の名称の一部に使用される、第1の、第2の、第3のなどの用語は、類似する構成要素間で区別するために使用され、必ずしも、時間的、空間的、順序、又は任意の他の方法のいずれかで順番を説明するものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下において互換性を有しており、本書に記載されている実施形態は、本書に記載又は例示されているものとは異なる他の順番で動作可能であると理解されたい。「一実施形態」又は「1つの実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態では」又は「1つの実施形態では」という語句が本書を通して様々な場所に現れることは、必ずしも同一の実施形態について言及しているのではなく、場合によって同一の実施形態である場合がある。本記述の主題は、特定の好ましい実施形態及び実施例を用いて記載されているが、これらの前述の図面及び説明は、主題の典型的な限定されない実施例のみを示したものであり、したがって、その範囲に限定されるとは考えられず、多数の代替例及び変更例は、当業者には明らかであることが明白である。発明の態様は、前述の開示された単独の実施形態のすべての特徴より少ない特徴にある場合がある。更に、本書に記載のいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれる他の特徴をいくつか含むが、当業者には理解されるように、様々な実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であることを意味し、異なる実施形態を形成することを意味する。