【実施例1】
【0014】
実施例1に係る椅子につき、
図1から
図9を参照して説明する。以下、
図4の紙面左側を椅子の正面側(前方側)とし、紙面右側を椅子の背面側(後方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0015】
実施例1の椅子1は、
図1に示されるように、例えば、実験室で使用されるものであって、
図4に示されるように、机10(什器)の天板11(載置部)にハンギングすることができるものである。
【0016】
椅子1は、
図1に示されるように、合成樹脂製の座2と、座2の詳しくは後述する本体部20の下面2aに固定された脚ユニット4と、から主に構成されている。本体部20の下面2aにはケース3(カバー部材)が固定されており、このケース3により脚ユニット4と本体部20の下面2aとの固定部分が被覆されている。また、後述する脚ユニット4の支持部44,44’(垂下脚部)及び接床部45,45’(水平脚部)並びにケース3の平面部30(椅子の座下面)により開口空間部Sが形成されている。尚、椅子1の座下面は、後述するハンギング時に天板等に載置・接触する座2の下面2a側の部分である。
【0017】
座2は、略水平方向に延在する本体部20と、本体部20の後端から反り上がるように延設された腰当て29が一体形成されている。また、腰当て29は、上部側が左右方向に延び正面視略小判形の貫通孔29bが形成されており、貫通孔29bとその上端側の橋絡部により形成される把持部29aにより、椅子1の持ち運びが容易となっている。尚、座2は、金属製や木製であってもよく、合成樹脂に限定するものではない。
【0018】
また、座2の本体部20は、上面側の座面2b(座の上面)と、底面側の下面2aを備えており、座面2bには、凹部21(上面凹部)が形成されている。
図1,4に示されるように、凹部21は、座面2bの略中央が最も窪んだ凹部最下端21aから前後左右方向両端に向かって反り上がる傾斜面21bによりラウンド形状に形成されている。特に、座面2bの前側の端部22,22は、左右端部にそれぞれ座面2bで最もせり上がって形成されている。このように、座面2bは、使用者の臀部の形状に沿って形成されていることから、着座した際の身体から受ける圧力を分散させることができる。尚、座2は、布や革等によりカバーされていてもよい。さらに尚、凹部21には、例えばその形状に合わせて、スポンジ材等を貼り付けてもよい。
【0019】
また、本体部20の下面2aには、
図2に示されるように、短尺の第1ボルト50,50,…を螺合させるための直接図示しない雌ネジが形成された第1雌ネジ部25,25,…が4箇所配設されており、第1雌ネジ部25,25,…の外方には、長尺の第2ボルト51,51,…(
図3参照)を螺合させるための第2雌ネジ26,26,…が形成されている。
【0020】
脚ユニット4は、
図1,2に示されるように、1本の金属製パイプが曲げ形成された脚40と、金属製パネルが略長方形状に形成された支持板48から構成されており、脚40は、端部42,42’が支持板48の略中央に溶接されて取り付けられている。尚、脚40は、複数の金属製パイプを溶接することで形成されていてもよい。
【0021】
脚40は、後方に向かって互いに平行に形成された一対の端部42,42’と、端部42,42’それぞれの後端から外方向に拡張することで底面視略ハ字状に曲げ形成された一対の拡張部43,43’と、拡張部43,43’それぞれの後端から下方に向けて略垂直に曲げ形成された一対の支持部44,44’と、支持部44,44’それぞれの下端から前方に向けて略垂直に曲げ形成された一対の接床部45,45’と、接床部45,45’それぞれの前端から上方に立ち上がり正面視略台形状に形成されたステップ46とから、右側面視略J字状に形成されている。接床部45,45’は、前端と後端にそれぞれ、滑り止部材47,47,…が装着されている。支持部44、44’は、略鉛直方向の荷重を支持している。支持部44,44’の長さを変えることにより、所望の高さの座面2bを有する椅子1とすることができる。
【0022】
ステップ46は、水平方向に形成された横架部46aに渡って滑り止部材46bが取付けられて構成されている。これにより、ステップ46に利用者が足を乗せることで安定した姿勢で着座することができ、利用者がステップ46に乗せた足を滑らせ難いことから、座面2bに着座した際に足が床まで届かない利用者であっても安全に利用することができる。
【0023】
図2に示されるように、支持板48は、座2の第1雌ネジ部25,25,…の各雌ネジに対応する位置に丸孔49,49,…が各角に穿設されており、丸孔49,49,…に第1ボルト50,50,…を挿通し、第1ボルト50,50,…を第1雌ネジ部25,25,…に螺合することで本体部20の下面2aに固定される。すなわち、脚ユニット4は、脚40が支持板48に溶接されているため、支持板48が下面2aに固定されることで脚ユニット4が下面2aに固定される。尚、支持板48の固定は、リベット等の他の固定手段を用いてもよい。
【0024】
図2,3に示されるように、ケース3は、上面が開放する高さの低い略箱状に合成樹脂で型抜き形成されている。この、ケース3は、平坦な略平面状に形成された平面部30と、平面部30の後端にて下方に向けて略垂直に突出した突出部31と、平面部30の前端より上方に向けて前傾斜に延設された前側部32と、突出部31の後端から上方に向けて後傾斜に延設された後側部33と、平面部30の左右端からそれぞれ略垂直方向に立設する右側部34及び左側部35から略箱状に形成されている。平面部30の前端、突出部31の後端、前側部32、後側部33は、幅方向における略中央が外方に突出するラウンド形状に形成されている。尚、ケース3は、略箱状の内側と外側の間の厚みが薄い板状に形成されていることから、ケース3全体の重量が軽量となっている。
【0025】
また、ケース3は、
図2に示されるように、座2の本体部20よりも前後左右寸法が短尺に形成されている。これにより、厚みの薄く形成された本体部20の前後左右の端部20a,20b,20c,20dは、ケース3の前後左右端よりも突出した形状となっているため、椅子1の持ち運び時に把持しやすい。
【0026】
突出部31は、右側部34及び左側部35に亘って形成された横長凸状体であり、突出部31の前端において平面部30に対して略垂直の平坦な壁面状に形成された前面壁部31aと、前面壁部31a及び後側部33それぞれの下端に連接する突出面31bから主に構成されており、突出面31bは、略中央が下方に向けて突出するラウンド形状に形成されている(
図1参照)。
【0027】
詳しくは、突出面31bのラウンド形状は、座面2bの凹部21における凹部最下端21aの左右方向の形状に沿う形状に形成されており、突出部31の後端の形状は、凹部21に突出面31bが載置された際の、前後方向に見て凹部最下端21aの腰当て29側の形状に沿う形状に形成されている。突出部31及び前側部32、後側部33は、それぞれラウンド形状に形成されているため、略箱状に形成されるケース3全体の構造強度が高められている。さらに、突出部31は、リブ形状であることから、突出部31及びその近傍の構造強度が高められている。
【0028】
また、ケース3の右側部34及び左側部35は、後側部33側においてそれぞれの上端から平面部30近傍に亘る左右一対の切欠き部36,36が形成されている。
【0029】
ケース3には、第2雌ネジ26,26,…(
図2参照)に対応する位置に上方に向けて延びる円筒状に形成された係止部37,37,…が形成されており、各係止部37,37,…には貫通孔が穿設されている。脚40の拡張部43,43’にケース3の切欠き部36,36を遊嵌させ、係止部37,37,…に第2ボルト51,51,…を挿通し、第2雌ネジ26,26,…に螺合して、ケース3を本体部20の下面2aに固定することができる。尚、平面部30は、脚ユニット4により椅子1を自立させたとき、略水平となっている。さらに尚、ケース3の固定は、リベット等の他の固定手段を用いてもよい。
【0030】
図1に示されるように、開口空間部Sは、脚ユニット4の支持部44,44’及び接床部45,45’並びにケース3の平面部30により形成されており、座2の下方において、前方から脚40の支持部44,44’にかけて前左右側が開口している。これにより、開口空間部Sには、例えば机10の天板11(
図4参照)に、前左右側からのアクセスが自在となっている。
【0031】
また、開口空間部Sは、例えば詳しくは後述する椅子1’(
図5参照)のように、脚40の支持部44,44’及び接床部45,45’、ステップ46の間からのアクセスが自在となっている。
【0032】
これまで、椅子1の構造について説明してきたが、これより
図2,4を用いて、椅子1を机10の天板11にハンギングする際の態様について詳しく説明する。
【0033】
まず、ハンギングを行うにあたり、椅子1を机10の天板11より高所に持ち上げる。尚、
図2,4に示されるように、椅子1には、把持部29a、座2の本体部20の前後左右の端部20a,20b,20c,20d、脚40の支持部44,44’等、把持しやすい個所が備えられている。
【0034】
次いで、持ち上げた椅子1の開口空間部Sを介して机10の天板11の上に載せることで平面部30が天板11に載置されて椅子1は机10にハンギングできる。更に詳細には、例えば平面部30の前端を少なくとも机10の天板11における縁部12(天板端部)の上方の角部13(天板端部)よりも上方に持ち上げ、角部13に平面部30を接触させ、角部13を支点に天板11の縁部12と対向する縁部に向かって平面部30を摺動させることでハンギングを行う。また、平面部30全体を机10の天板11より上方に持ち上げ、突出部31の前面壁部31aを天板11の縁部12に当接させた状態で椅子1を下方に移動させて、椅子1を天板11に載置してもよい。
【0035】
椅子1には、突出部31が設けられているため、その前面壁部31aが天板11の縁部12に当接して椅子1の移動を規制する。また、脚40の支持部44,44’は突出部31よりも後方に設けられている。これらにより、ハンギングの際に、天板11の縁が脚40の支持部44,44’に接触することを防ぐことができる。そのため、天板11への位置決めをし易く、ハンギング作業が簡単となる。また、脚40及び机10に傷や打痕が形成されることを防ぐことができる。
【0036】
また、突出部31は、左右端に亘って形成されているため、突出部31の前面壁部31aが机10の縁部12に接触すると、縁部12と前面壁部31aとは平行に位置合わせがなされる。そのため、椅子1をハンギングする際に、天板11から落下しにくい位置に簡単に案内できる。また、縁部12に対して前面壁部31aが平行になるよう位置が案内されるため、確実に脚40と天板11の縁部12との接触を防ぐことができる。
【0037】
また、突出部31は、左右に亘って形成されたリブ形状であるため、構造強度が高められていることから、突出部31の前面壁部31aが机10の天板11の縁部12に接触しても破損し難い。一方、突出部31の前面壁部31aが机10の縁部12に接触しても、突出部31が机10との接触における衝撃をリブ形状により緩和することができるため、机10に傷や打痕が形成されることを防ぐことができる。
【0038】
椅子1は、机10の天板11に長時間ハンギングされたとしても、平面部30が天板11に面接しているため、天板11に対する椅子1の重量が分散されていることから、ハンギングによる傷や跡が形成されにくい。また、平面部30は、例えばゴム製ではなく合成樹脂製であるため、天板11を汚すことがない。
【0039】
次いで、椅子1を他の椅子1’にスタッキングする際の態様について、
図2,5を用いて詳しく説明する。尚、説明の便宜上、椅子1,1’と区別するが、共に実施例1における同一構成の椅子1である。
【0040】
図2,5に示されるように、椅子1の把持部29a及び本体部20の前後左右の端部20a,20b,20c,20d等を把持し、ケース3全体を下方の椅子1’の座面2b’よりも上方に持ち上げ、座面2b’上に載置することで、椅子1を下方の椅子1’の上にスタッキングすることができる。脚40は、拡張部43,43’により外方向に延設されているため、脚40の間から椅子1の開口空間部Sに座2’を嵌入させることが可能となっている。
【0041】
詳しくは、椅子1の突出部31は、突出面31bが座面2b’の凹部21’における凹部最下端21aのラウンド形状に沿うラウンド形状であることから、凹部21’上を突出部31が移動するとき、凹部21の凹部最下端21aから反り上がった傾斜面21bに案内されるため、突出面31bの凹部21’への載置や左右方向の位置合わせが簡単である。
【0042】
これにより、椅子1は、後方では突出部31が座面2bの凹部21’に支持され、前方では平面部30が座面2b’前部の左右の端部22’,22’で支持されることで、椅子1のケース3が椅子1’のケース3’に対して、略水平にスタッキングすることができる。このため、複数の椅子1,1,…の座2が傾斜することなく略垂直に積み重ねることができるため、安定したスタッキングを行うことができる。
【0043】
また、椅子1は、他の椅子1’にスタッキングの位置合わせがなされた後、平面部30が座面2b’前部の左右の端部22’,22’の2箇所により略点状に支持され、突出部31が凹部21’に略線状に支持されているため、椅子1の荷重がそれら接触箇所に集中することから、その場所からずれにくくなっている。これにより、スタッキング後も倒れにくくなっているため、安全に保管することができる。
【0044】
また、複数の椅子1,1,…は、長期間スタッキングしても、平面部30が座面2b’前部の左右の端部22,22に略点状に支持され、突出部31が凹部21に略線状に支持されているため、下方の椅子1にかかる荷重が分散されていることから、積み重ねによる荷重により座面2bが変形しにくい。
【0045】
また、複数の椅子1,1,…をスタッキングさせた際、突出部31は、座面2bの凹部21に嵌入された状態となるため、突出部31が見えにくい状態となることから、外観からの意匠性がよい。
【0046】
また、複数の椅子1,1,…をスタッキングさせた際、各腰当て29,29,…が前後方向に離間した状態でスタッキングされているため、腰当て29に形成された把持部29aの把持が容易である。このとき、椅子1の本体部20の前端部20aも、下方の椅子1よりも前方に突出しているため、把持を行うことが容易である。これにより、スタッキング時にも把持部29aと前端部20aを両手で把持することで、下方の椅子1に手を挟みにくくなっており、スタッキングされた椅子1を下すときにも、把持することが容易である。
【0047】
これまで説明してきたように、椅子1は、机10の天板11にハンギングする際に、開口空間部S内に位置し椅子1を案内する天板11は、初めに椅子1の突出部31に接触することになるため、天板11と脚40との直接の接触が防止される。
【0048】
また、ケース3には、突出部31と、本体部20の下面2aの雌ネジ52,52,…に応じて位置合わせがなされた係止部37,37,…の貫通孔が形成されているため、本体部20の下面2aの下方からケース3を取り付けるのみで、突出部31の位置合わせを行うことが可能である。
【0049】
また、ケース3は、合成樹脂の一体成型品であるため、机10の天板11を合成樹脂製のケース3の平面部30で案内した後、合成樹脂製の突出部31に当接させることができるため、天板11の損傷を低減できるばかりか、ケース3の重量が軽量であることから、天板11とケース3との摩擦力を軽減してハンギング時の負担を軽減できる。
【0050】
また、突出部31は、座2の本体部20に対して左右方向に延びる横長凸状体であるため、椅子1のハンギング時に、突出部31が机10の天板11の縁部12に一体に接触し、天板11上における椅子1の水平方向の回転を防止できる。
【0051】
尚、脚40は、1本の金属製パイプが曲げ形成された態様として説明したが、これに限らず、支持部44,44’は複数のパイプ状部材を上下方向に連結して略直線状に形成されていてもよい。この態様であれば、例えばパイプ状部材の長さを変更することで椅子の高さを調整することができる。
【0052】
突出部31は、横長凸状体である態様として説明したが、これに限らず、略円柱状や略四角柱状、略三角錐状等に形成されていてもよく、その形状を限定するものではない。
【0053】
また、突出部31は、凹部21の凹部最下端21aのラウンド形状に沿うラウンド形状である態様として説明したが、これに限らず、腰当て29近傍の形状に沿っていてもよい。この態様であれば、複数の椅子をスタッキングした際の前後寸法をコンパクトにすることができる。また、突出部31は、目的に応じて突出部が位置合わせされればよいため、任意の位置で位置合わせされる態様であればよい。
【0054】
凹部21は、凹部最下端21aと傾斜面21bによりラウンド形状に形成されている態様として説明したが、これに限らず、突出部が遊嵌されるための溝形状、孔形状等であってもよく、これらの形状がラウンド形状と組合わせられていてもよい。この態様であれば、スタッキング後の複数の椅子に振動・震動が作用しても、振動・震動による落下を防ぐことができる。
【0055】
前記実施例1において、椅子1は、ケース3を備える態様で説明したが、例えば別体のケースを備えず、本体部の下面に平面部及び突出部を備える一体成型品の座を備えた構成であってもよい。
[変形例1]
【0056】
また前記実施例1においては、平面部30と突出部31とを一体のケース3に形成した構成で説明したが、平面部と突出部がそれぞれ別体の部材により形成される変形例1について、
図6(a),(b)を参照して詳しく説明する。
【0057】
椅子200は、本体部220の下面202aに略円柱形状に形成された4個の載置部材230,230,…と、載置部材230の高さ寸法よりも長尺に形成された略円柱形状の2個の突出部材231,231とを備えている。尚、脚240は、端部242,242’が本体部220の下面202aに固定されている。
【0058】
載置部材230,230,…は、自由端である平面部230a,230a,…の高さ位置が略同一となる(椅子の座下面)ように、かつ略四角形の各頂点に位置するように本体部220の下面202aに固定されており、平面部230a,230a,…により略水平面を形成している。このように、椅子の座下面は、複数の載置部材によって構成されていてもよい。
【0059】
また、突出部材231,231は、脚240の支持部244,244’よりも前方において、本体部220の下面202aに左右一対に固定されているため、突出部材231,231の前面によって略直線状の略垂直面が形成されている。
【0060】
これらの構成により、椅子200は、平面部230a,230a,…をすべて机10の天板11に載置させることで、安定したハンギングを行うことができる。また、天板11の縁部12に突出部材231,231の前端を共に接触させることで、ハンギングを行う際に、脚240の支持部244,244’と机10の天板11との接触を防ぎ、かつハンギングの位置を案内することができる。
【0061】
また、椅子200を他の椅子200’にスタッキングを行う際には、突出部材231,231が略円柱状であるため、突出部材231,231を他の椅子200’の座面202b’の凹部221’に移動するのが、直線状に形成された突出部よりも容易である。次いで、前方の載置部材230,230が他の椅子200’の座面202b’に載置されることで他の椅子200’の座面202b’に対して椅子200の座面202bを水平に重ねることができるため、安定したスタッキングを容易に行うことができる。
【0062】
尚、椅子200は、脚240の端部242,242’が本体部220の下面202aに固定されている態様として説明したが、これに限らず、支持板に脚が固定された脚ユニットが下面202aに固定されていてもよい。この態様であれば、載置部材230は、脚ユニットの支持板に備え付けられていてもよい。
【0063】
また、載置部材230は、略円柱状であると説明したが、これに限らず、略四角柱状や略三角錐状等に形成されていてもよく、その形状を限定するものではない。
[変形例2]
【0064】
また、前記実施例1において、脚ユニット4は、脚40が1本の金属製パイプを曲げ形成することで形成された一対の接床部45,45’によって自立する態様であったが、これに限らず、1本又は3本以上の複数本の脚で自立する構成であってもよい。例えば、変形例2の椅子300は、
図7(a),(b)に示されるように、1本の支持部344を有する脚340と、後端部略中央に略円状の切欠き部303aが形成されたケース303を備えており、脚340は、支持部344が本体部320の下面302aの後端部略中央にて略垂直に固定されている。
【0065】
ケース303は、平面部330(椅子の座下面)と、ケース303の切欠き部330aの前方において左右に亘って形成された突出部331を備えており、切欠き部303aに脚340の支持部344を挿通するように本体部320の下面302aに固定されている。
【0066】
これらの構成により、椅子300は、平面部330を机10の天板11に載置させることで、安定したハンギングを行うことができる。また、天板11の縁部12に突出部331の前端を接触させることで、ハンギングを行う際に、脚340の支持部344に机10の天板11が接触することを防ぐとともに、ハンギングの位置を案内することができる。
[変形例3]
【0067】
また、変形例2に続き、例えば変形例3の椅子400は、
図8(a),(b)に示されるように、2本の脚440,440’を備えており、脚440,440’は、本体420の下面402aの後端部の左右にそれぞれ垂下脚部が直接固定されている。この場合、載置部材430を、前方側に突出する弓形に形成することができる。これによれば、本体420の下面402aにおいて、前方側に曲面が突出するように前端部と略中央に一つずつ固定し、それぞれの自由端面である平面部430a,430aにより略水平面(椅子の座下面)を形成することができる。そのため、弓型の載置部材430は、略線状に形成されている時よりも天板との接触面積が広く、安定したハンギングを行うことができる。
【0068】
また、突出部材431,431を、前方側に突出する弓形に形成し、脚440の垂下脚部の前方近傍にそれぞれ配置でき、確実に接触を防止できる。また、前方側に曲面が突出するように本体420の下面402aに固定されているため、ハンギング時には机10の天板11が突出部材431,431の円弧面に接触するため、天板11との位置合わせにおける移動が容易である。
【0069】
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例1に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、前記実施例1では、平面部は、平坦な平面状と説明したが、これに限らず、エンボス等が形成された態様であってもよい。この態様であれば、ハンギングの際に机10の天板11との接触面積が小さくなることから、天板11上での摺動が容易となる。また、平面部は、複数の平面部から形成されていてもよい。
【0071】
また、平面部と突出部は、一体形成されている態様として説明したが、これに限らず、変形例2,4のようにそれぞれが別体であり、それぞれが配設されていてもよい。この態様であれば、机の形状に応じて突出部の取付位置を変更することができる。
【0072】
突出部は、左右端に延設されている態様として説明したが、これに限らず、例えば複数の突出部が脚と座の裏部との間において略直線状に点在していてもよい。また、突出部が湾曲した形状であっても、両端部同士により略直線状が形成されているため、略直線状に点在していることと同意である。
【0073】
また、突出部は、左右端に延設又は略線状に配設されている態様として説明したが、これに限らず、脚の支持部前方に一つだけ備え付けられている態様であってもよい。また、脚やケースの後側部から支持部の前方にせり出すような形状であってもよい。
【0074】
椅子は、机10の天板11にハンギングされる態様として説明したが、これに限らず、平面部を載置させることが可能であれば、例えば棚等にハンギングされてもよく、机10に限定するものではない。
【0075】
椅子は、腰当てが座と一体形成されている態様として説明してきたが、これに限らず、別体の腰当てと座とが組合せられていてもよく、腰当てが無い構成であってもよい。
【0076】
椅子は、座の後端部に脚の支持部が位置する態様として説明してきたが、これに限らず、座の前端部に脚の支持部が位置していてもよく、両側方のいずれかに位置していてもよい。すなわち、脚の支持部がいずれか一端に集中していればよい。
【実施例2】
【0077】
次に、実施例2に係る椅子500につき、
図9及び
図10を参照して詳しく説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成を省略する。
【0078】
椅子500は、座502と、本体部520の下面502aに固定され下方の椅子500’にスタッキングする平面部530を備えるケース503とを備え、かつケース503の左右に一対のフック部材560,560が設けられている。
【0079】
フック部材560は、合成樹脂により一体形成されており、略鈍角三角形状に形成された一対の側面561,561’と、側面561,561’の間の厚み方向に形成された一対の溝部562,562と、鈍角に形成された頂点部560aから側面561より略垂直に外方向へ突出するアーム部563と、アーム部563の外方向の端部に形成された略円盤状の返し部564から構成されている。尚、フック部材560は、金属製や木製であってもよく、合成樹脂に限定するものではなく、一体形成されていなくてもよい。
【0080】
フック部材560は、図示しないボルトにより本体部520の下面502aに固定されている。尚、フック部材560は、側面561’がケース503の切欠き部536,536の前方近傍に位置するように固定されている。
【0081】
アーム部563は、返し部564より小径の略円柱形状に形成され、返し部564がアーム部563の周回りより外径方向に突出しており、例えば利用者が手荷物等をアーム部563に滑落を防止した状態に吊支することができる。
【0082】
また、フック部材560は、アーム部563及び返し部564が座502の両側方よりも突出しないように固定されている。そのため、利用者が椅子500に着座するとき及び着座している際に、フック部材560及び、吊支された手荷物等が利用者に接触しにくいため利便性が良い。一方、椅子500に着座する利用者の直下にフック部材560が位置するため、手荷物等の収納・取出しが容易である。
【0083】
また、フック部材560の高さ寸法T1は、ケース503の高さ寸法T2より小さく形成されており、フック部材560はケース503よりも下方に突出しないようにされている(
図10参照)。そのため、椅子500をハンギングする際には、ケース503の平面部530を机10の天板11等に載置することができる。
【0084】
また、
図10に示されるように、椅子500を下方の他の椅子500’の上にスタッキングする際には、ケース503の厚みにより離間する椅子500の本体部520と下方の椅子500’の本体部520’との間にフック部材560が位置し、下方の椅子500’に接触することがないため、スタッキングの安定性を妨げることがない。
【0085】
尚、フック部材560について説明したが、他のオプション部材、例えばカゴや布製のポケット、ポール等が取り付けられていてもよい。さらに尚、フック部材560は、ボルトにより固定される態様として説明したが、これに限らず、リベット等の他の固定手段を用いてもよい。
【0086】
椅子500は、ケース503がフック部材560よりも下方に突出した態様として説明したが、これに限らず、フック部材560をケース503より下方に突出させてもよい。この場合には、例えばフック部材560を座502の上面に形成された凹部に嵌入させることで、スタッキングの安定性を妨げない構成とすることができる。
【0087】
アーム部563及び返し部564は、座502の両側方よりも突出していない態様として説明したが、これに限らず、座502の両側方より若干突出していてもよい。この態様であれば、手荷物等をかける作業が容易となる。
【0088】
フック部材560は、左右に一対である態様として説明したが、これに限らず、左右のいずれか片方だけに固定される態様でもよく、3個以上のフック部材が固定されていてもよい。さらに、フック部材が固定される位置は、左右に限定するものでもなく、本体部520の下面502aの下方であれば任意の場所に固定される態様であってもよい。
【0089】
前記実施例2で説明してきたフック部材560は、前記実施例1で説明してきた椅子1に備え付けてもよい。この態様の椅子であれば、椅子を机にハンギングする際には脚及び机に傷や打痕が形成されることを防ぐことができ、複数の椅子をスタッキングする際には安定したスタッキングを行うことができ、椅子としての使用時には利用者の手荷物等をフック部材にかけることができるため、椅子1及び椅子500と比較して更に利便性が向上する。