(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載のような構造では、一つの電極体に正極端子と負極端子の2つの端子を接合する必要がある。電気化学デバイスの容量を大きくするため、一つの電気化学デバイスに二つの電極体を搭載することも多いが、この場合には4つの端子を電極体に接合する必要があり、部品点数や接合工程の削減が求められる。
【0007】
以上のような事情の鑑み、本発明の目的は、高容量化及び低コスト化が可能な電気化学デバイス及び電気化学デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気化学デバイスは、正極端子と、負極端子と、第1の電極体と、第2の電極体と、電解液とを具備する。
上記正極端子は、平板状であり、第1の主面と上記第1の主面の反対側の第2の主面を有する。
上記負極端子は、平板状であり、第3の主面と上記第3の主面の反対側の第4の主面を有する。
上記第1の電極体は、金属箔である第1の正極集電体と、上記第1の正極集電体上に形成された第1の正極活物質層とを有し、上記第1の正極集電体上に上記第1の正極活物質層が形成された第1の正極形成領域と上記第1の正極集電体上に上記第1の正極活物質層が形成されていない第1の正極未形成領域が設けられた第1の正極と、金属箔である第1の負極集電体と、上記第1の負極集電体上に形成された第1の負極活物質層とを有し、上記第1の負極集電体上に上記第1の負極活物質層が形成された第1の負極形成領域と上記第1の負極集電体上に上記第1の負極活物質層が形成されていない第1の負極未形成領域が設けられた第1の負極と、上記第1の正極と上記第1の負極を隔てる第1のセパレータとを備え、上記第1の正極、上記第1の負極及び上記第1のセパレータが積層され、捲回されている第1の電極体であって、上記第1の正極未形成領域が捲回された部分である第1の正極未形成領域捲回部と、上記第1の負極未形成領域が捲回された部分である第1の負極未形成領域捲回部とを備える。
上記第2の電極体は、金属箔である第2の正極集電体と、上記第2の正極集電体上に形成された第2の正極活物質層とを有し、上記第2の正極集電体上に上記第2の正極活物質層が形成された第2の正極形成領域と上記第2の正極集電体上に上記第2の正極活物質層が形成されていない第2の正極未形成領域が設けられた第2の正極と、金属箔である第2の負極集電体と、上記第2の負極集電体上に形成された第2の負極活物質層とを有し、上記第2の負極集電体上に上記第2の負極活物質層が形成された第2の負極形成領域と上記第2の負極集電体上に上記第2の負極活物質層が形成されていない第2の負極未形成領域が設けられた第2の負極と、上記第2の正極と上記第2の負極を隔てる第2のセパレータとを備え、上記第2の正極、上記第2の負極及び上記第2のセパレータが積層され、捲回されている第2の電極体であって、上記第2の正極未形成領域が捲回された部分である第2の正極未形成領域捲回部と、上記第2の負極未形成領域が捲回された部分である第2の負極未形成領域捲回部とを備える。
上記電解液は、上記第1の電極体及び上記第2の電極体を浸漬する。
上記第1の正極未形成領域捲回部は上記第1の主面に接合され、上記第1の負極未形成領域捲回部は上記第3の主面に接合され、上記第2の正極未形成領域捲回部は上記第2の主面に接合され、上記第2の負極未形成領域捲回部は上記第4の主面に接合されている。
【0009】
この構成によれば、電気化学デバイスは第1の電極体と第2の電極体の二つの電極体を備えており、電気化学デバイスの容量を高容量化することが可能である。また、正極端子と負極端子は平板状とすることができ、構造を簡素化することによる部品コストの低減が可能である。
【0010】
上記第1の電極体は、上記第1の正極、上記第1の負極及び上記第1のセパレータが捲回された第1の捲回体が板状に扁平化された扁平捲回構造を有し、
上記第2の電極体は、上記第2の正極、上記第2の負極及び上記第2のセパレータが捲回された第2の捲回体が板状に扁平化された扁平捲回構造を有してもよい。
【0011】
上記第1の電極体は、上記第1の捲回体の表面と裏面にそれぞれ接合された二つのリチウムイオン供給源をさらに有し、
上記第2の電極体は、上記第2の捲回体の表面と裏面にそれぞれ接合された二つのリチウムイオン供給源をさらに有してもよい。
【0012】
扁平捲回構造を有する捲回体の表裏両面にそれぞれリチウムイオン供給源を分割配置することにより、リチウムイオンの垂直ドープ効率を向上させることができ、生産性にも優れた構造とすることができる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気化学デバイスの製造方法では、平板状であり、第1の主面と上記第1の主面と反対側の第2の主面を有する正極端子と、平板状であり、第3の主面と上記第3の主面と反対側の第4の主面を有する負極端子と、金属箔である第1の正極集電体と、上記第1の正極集電体上に形成された第1の正極活物質層とを有し、上記第1の正極集電体上に上記第1の正極活物質層が形成された第1の正極形成領域と上記第1の正極集電体上に上記第1の正極活物質層が形成されていない第1の正極未形成領域が設けられた第1の正極と、金属箔である第1の負極集電体と、上記第1の負極集電体上に形成された第1の負極活物質層とを有し、上記第1の負極集電体上に上記第1の負極活物質層が形成された第1の負極形成領域と上記第1の負極集電体上に上記第1の負極活物質層が形成されていない第1の負極未形成領域が設けられた第1の負極と、上記第1の正極と上記第1の負極を隔てる第1のセパレータとを備え、上記第1の正極、上記第1の負極及び上記第1のセパレータが積層され、捲回されている第1の電極体であって、上記第1の正極未形成領域が捲回された部分である第1の正極未形成領域捲回部と、上記第1の負極未形成領域が捲回された部分である第1の負極未形成領域捲回部とを備える第1の電極体と、金属箔である第2の正極集電体と、上記第2の正極集電体上に形成された第2の正極活物質層とを有し、上記第2の正極集電体上に上記第2の正極活物質層が形成された第2の正極形成領域と上記第2の正極集電体上に上記第2の正極活物質層が形成されていない第2の正極未形成領域が設けられた第2の正極と、金属箔である第2の負極集電体と、上記第2の負極集電体上に形成された第2の負極活物質層とを有し、上記第2の負極集電体上に上記第2の負極活物質層が形成された第2の負極形成領域と上記第2の負極集電体上に上記第2の負極活物質層が形成されていない第2の負極未形成領域が設けられた第2の負極と、上記第2の正極と上記第2の負極を隔てる第2のセパレータとを備え、上記第2の正極、上記第2の負極及び上記第2のセパレータが積層され、捲回されている第2の電極体であって、上記第2の正極未形成領域が捲回された部分である第2の正極未形成領域捲回部と、上記第2の負極未形成領域が捲回された部分である第2の負極未形成領域捲回部とを備える第2の電極体とを準備する。
上記第1の正極未形成領域捲回部を上記第1の主面に接合し、上記第2の正極未形成領域捲回部を上記第2の主面に接合する。
上記第1の負極未形成領域捲回部を上記第3の主面に接合し、上記第2の負極未形成領域捲回部を上記第4の主面に接合する。
【0014】
この製造方法によれば、第1の正極未形成領域捲回部と第2の正極未形成領域捲回部を正極端子の表裏両面に同時に接合し、第1の負極未形成領域捲回部と第2の負極未形成領域捲回部を負極端子の表裏両面に同時に接合することが可能である。第1の正極未形成領域捲回部と第2の正極未形成領域捲回部をそれぞれ正極端子に接合し、第1の負極未形成領域捲回部と第2の負極未形成領域捲回部をそれぞれ負極端子に接合する必要がないため、製造プロセスの簡略化が可能であり、製造コストを低減することができる。
【0015】
上記第1の正極未形成領域捲回部を上記第1の主面に接合し、上記第2の正極未形成領域捲回部を上記第2の主面に接合する工程と、上記第1の負極未形成領域捲回部を上記第3の主面に接合し、上記第2の負極未形成領域捲回部を上記第4の主面に接合する工程では、超音波接合によって接合を行ってもよい。
【0016】
上記第1の正極未形成領域捲回部を上記第1の主面に接合し、上記第2の正極未形成領域捲回部を上記第2の主面に接合する工程では、上記第1の正極未形成領域捲回部と上記第2の正極未形成領域捲回部を超音波接合器具によって挟持して上記第1の正極未形成領域捲回部を上記第1の主面に接合し、上記第2の正極未形成領域捲回部を上記第2の主面に接合し、
上記第1の負極未形成領域捲回部を上記第3の主面に接合し、上記第2の負極未形成領域捲回部を上記第4の主面に接合する工程では、上記第1の負極未形成領域捲回部と上記第2の負極未形成領域捲回部を超音波接合器具によって挟持して上記第1の負極未形成領域捲回部を上記第3の主面に接合し、上記第2の負極未形成領域捲回部を上記第4の主面に接合してもよい。
【0017】
この構成によれば、第1の正極未形成領域捲回部と上記第2の正極未形成領域捲回部を超音波接合器具によって挟持することよって第1の正極未形成領域捲回部と第2の正極未形成領域捲回部を正極端子の表裏両面に同時に接合し、第1の負極未形成領域捲回部と第2の負極未形成領域捲回部を超音波接合器具によって挟持することよって第1の負極未形成領域捲回部と第2の負極未形成領域捲回部を負極端子の表裏両面に同時に接合することが可能である。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気化学デバイスは、正極端子と、負極端子と、第1の電極体と、第2の電極体と、電解液とを具備する。
上記正極端子は、板状であり、第1の主面と上記第1の主面の反対側の第2の主面を有する。
上記負極端子は、板状であり、第3の主面と上記第3の主面の反対側の第4の主面を有する。
上記第1の電極体は、金属箔である第1の正極集電体と、上記第1の正極集電体上に形成された第1の正極活物質層とを有し、上記第1の正極集電体上に上記第1の正極活物質層が形成された第1の正極形成領域と上記第1の正極集電体上に上記第1の正極活物質層が形成されていない第1の正極未形成領域が設けられた第1の正極と、金属箔である第1の負極集電体と、上記第1の負極集電体上に形成された第1の負極活物質層とを有し、上記第1の負極集電体上に上記第1の負極活物質層が形成された第1の負極形成領域と上記第1の負極集電体上に上記第1の負極活物質層が形成されていない第1の負極未形成領域が設けられた第1の負極と、上記第1の正極と上記第1の負極を隔てる第1のセパレータとを備え、上記第1の正極、上記第1の負極及び上記第1のセパレータが積層され、捲回されている第1の電極体であって、上記第1の正極未形成領域が捲回された部分である第1の正極未形成領域捲回部と、上記第1の負極未形成領域が捲回された部分である第1の負極未形成領域捲回部とを備える。
上記第2の電極体は、金属箔である第2の正極集電体と、上記第2の正極集電体上に形成された第2の正極活物質層とを有し、上記第2の正極集電体上に上記第2の正極活物質層が形成された第2の正極形成領域と上記第2の正極集電体上に上記第2の正極活物質層が形成されていない第2の正極未形成領域が設けられた第2の正極と、金属箔である第2の負極集電体と、上記第2の負極集電体上に形成された第2の負極活物質層とを有し、上記第2の負極集電体上に上記第2の負極活物質層が形成された第2の負極形成領域と上記第2の負極集電体上に上記第2の負極活物質層が形成されていない第2の負極未形成領域が設けられた第2の負極と、上記第2の正極と上記第2の負極を隔てる第2のセパレータとを備え、上記第2の正極、上記第2の負極及び上記第2のセパレータが積層され、捲回されている第2の電極体であって、上記第2の正極未形成領域が捲回された部分である第2の正極未形成領域捲回部と、上記第2の負極未形成領域が捲回された部分である第2の負極未形成領域捲回部とを備える。
上記電解液は、上記第1の電極体及び上記第2の電極体を浸漬する。
上記第1の正極未形成領域捲回部は上記第1の主面に接合され、上記第1の負極未形成領域捲回部は上記第3の主面に接合され、上記第2の正極未形成領域捲回部は上記第2の主面に接合され、上記第2の負極未形成領域捲回部は上記第4の主面に接合されている。
【0019】
上記正極端子は、上記第1の正極未形成領域捲回部及び上記第2の正極未形成領域捲回部が接合され、第1の幅と第1の厚みを有する電極体接合部と、上記第1の電極体、上記第2の電極体及び上記電解液を収容する収容空間の外部に突出し、第2の幅と第2の厚みを有する外部端子部と、上記電極体接合部と上記外部端子部とを接続し、第3の幅と第3の厚みを有する中継部とを有し、上記第1の幅は上記第3の幅より大きく、上記第2の幅は上記第1の幅より大きく、上記第1の厚みは上記第2の厚みより大きく、上記第3の厚みは上記第1の厚みより大きくてもよい。
【0020】
この構成によれば、正極端子の各部に必要とされる要件を満たしつつ、各部の断面積の差を小さくし、各部の間での電気抵抗の差を小さくすることができる。
【0021】
上記負極端子は、上記第1の負極未形成領域捲回部及び上記第2の負極未形成領域捲回部が接合され、第1の幅と第1の厚みを有する電極体接合部と、上記第1の電極体、上記第2の電極体及び上記電解液を収容する収容空間の外部に突出し、第2の幅と第2の厚みを有する外部端子部と、上記電極体接合部と上記外部端子部とを接続し、第3の幅と第3の厚みを有する中継部とを有し、上記第1の幅は上記第3の幅より大きく、上記第2の幅は上記第1の幅より大きく、上記第1の厚みは上記第2の厚みより大きく、上記第3の厚みは上記第1の厚みより大きくてもよい。
【0022】
この構成によれば、負極端子の各部に必要とされる要件を満たしつつ、各部の断面積の差を小さくし、各部の間での電気抵抗の差を小さくすることができる。
【0023】
上記正極端子は、上記第1の正極未形成領域捲回部及び上記第2の正極未形成領域捲回部が接合され、第1の幅と第1の厚みを有する電極体接合部と、上記第1の電極体、上記第2の電極体及び上記電解液を収容する収容空間の外部に突出し、第2の幅と第2の厚みを有する外部端子部と、上記電極体接合部と上記外部端子部とを接続し、第3の幅と第3の厚みを有する中継部とを有し、上記第1の幅は上記第3の幅より大きく、上記第2の幅は上記第1の幅より大きく、上記第1の厚みは上記第2の厚みより大きく、上記第3の厚みは上記第1の厚みより大きく、上記負極端子は、上記第1の負極未形成領域捲回部及び上記第2の負極未形成領域捲回部が接合され、第4の幅と第4の厚みを有する電極体接合部と、上記第1の電極体、上記第2の電極体及び上記電解液を収容する収容空間の外部に突出し、第5の幅と第5の厚みを有する外部端子部と、上記電極体接合部と上記外部端子部とを接続し、第6の幅と第6の厚みを有する中継部とを有し、上記第4の幅は上記第6の幅より大きく、上記第5の幅は上記第4の幅より大きく、上記第4の厚みは上記第5の厚みより大きく、上記第6の厚みは上記第4の厚みより大きくてもよい。
【0024】
この構成によれば、正極端子と負極端子のそれぞれにおいて各部に必要とされる要件を満たしつつ、各部の断面積の差を小さくし、各部の間での電気抵抗の差を小さくすることができる。
【0025】
上記正極端子は、上記電極体接合部、上記外部端子部及び上記中継部の断面積が互いに同一であってもよい。
【0026】
上記負極端子は、上記電極体接合部、上記外部端子部及び上記中継部の断面積が互いに同一であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば高容量化及び低コスト化が可能な電気化学デバイス及び電気化学デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電気化学デバイスの斜視図である。
【
図4】同電気化学デバイスが備える電極体の斜視図である。
【
図5】同電気化学デバイスが備える電極体の断面図である。
【
図6】同電気化学デバイスが備える電極体の断面図である。
【
図7】同電気化学デバイスが備える電極体の正極の平面図である。
【
図8】同電気化学デバイスが備える電極体の正極の断面図である。
【
図9】同電気化学デバイスが備える電極体の負極の平面図である。
【
図10】同電気化学デバイスが備える電極体の負極の平面図である。
【
図11】同電気化学デバイスが備える電極体の正極及び負極の平面図である。
【
図12】同電気化学デバイスが備える電極体の正極及び負極の断面図である。
【
図13】同電気化学デバイスが備える電極体のリチウムイオン供給源を示す模式図である。
【
図14】同電気化学デバイスが備える正極端子及び負極端子の斜視図である。
【
図15】同電気化学デバイスが備える正極端子及び負極端子の斜視図である。
【
図16】同電気化学デバイスが備える第1電極体、正極端子及び負極端子の平面図である。
【
図17】同電気化学デバイスが備える第2電極体、正極端子及び負極端子の平面図である。
【
図18】同電気化学デバイスが備える第1電極体、第2電極体及び正極端子の断面図である。
【
図19】同電気化学デバイスが備える第1電極体、第2電極体及び負極端子の断面図である。
【
図20】比較例に係る電気化学デバイスの模式図である。
【
図21】比較例に係る電気化学デバイスの模式図である。
【
図22】比較例に係る電気化学デバイスの模式図である。
【
図23】本発明の第1の実施形態に係る電気化学デバイスの製造方法を示す模式図である。
【
図24】同電気化学デバイスの製造方法を示す模式図である。
【
図25】同電気化学デバイスの製造方法を示す模式図である。
【
図26】同電気化学デバイスの製造方法を示す模式図である。
【
図27】本発明の第2の実施形態に係る電気化学デバイスの一部構成の斜視図である。
【
図28】同電気化学デバイスが備える正極端子の平面図である。
【
図29】同電気化学デバイスが備える正極端子の斜視図である。
【
図30】同電気化学デバイスが備える正極端子の斜視図である。
【
図31】同電気化学デバイスが備える正極端子の各部の幅を示す模式図である。
【
図32】同電気化学デバイスが備える正極端子の各部の厚みを示す模式図である。
【
図33】同電気化学デバイスが備える負極端子の平面図である。
【
図34】同電気化学デバイスが備える負極端子の斜視図である。
【
図35】同電気化学デバイスが備える負極端子の斜視図である。
【
図36】同電気化学デバイスが備える負極端子の各部の幅を示す模式図である。
【
図37】同電気化学デバイスが備える負極端子の各部の厚みを示す模式図である。
【
図38】同電気化学デバイスが備える正極端子及び負極端子の材料となる圧延異形条の模式図である。
【
図39】同電気化学デバイスが備える正極端子及び負極端子の製造方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
【0030】
[電気化学デバイスの構造]
図1は第1の実施形態に係る電気化学デバイス100の斜視図であり、
図2及び
図3は電気化学デバイス100の分解斜視図である。
【0031】
電気化学デバイス100は、リチウムイオンキャパシタとすることができる。また、電気化学デバイス100は、電気二重層キャパシタ等の他の種類のキャパシタであってもよく、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の電池であってもよい。この他にも電気化学デバイス100は、以下の構造によって実現することが可能なあらゆる種類の電気化学デバイスとすることができる。以下の説明では電気化学デバイス100はリチウムイオンキャパシタであるものとする。
【0032】
図2及び
図3に示すように、電気化学デバイス100は、第1電極体101、第2電極体102、正極端子103、負極端子104、正極端子板105、負極端子板106、絶縁フィルム107、外装缶108及び蓋部材109を備える。
【0033】
図2及び
図3に示すように、正極端子103及び負極端子104は蓋部材109に装着されており、第1電極体101及び第2電極体102は共に正極端子103及び負極端子104に接合されている。第1電極体101及び第2電極体102は端部が絶縁フィルム107よって被覆され、外装缶108に収容されている。
【0034】
図1に示すように外装缶108と蓋部材109が接合され、電気化学デバイス100が構成されている。外装缶108及び蓋部材109によって形成される空間(以下、収容空間)には電解液が充填され、第1電極体101及び第2電極体102は電解液に浸漬されている。
【0035】
第1電極体101及び第2電極体102は同一構造を有する。
図4は、第1電極体101及び第2電極体102として利用される電極体120の斜視図である。同図に示すように電極体120は電極領域捲回部121、正極未形成領域捲回部122及び負極未形成領域捲回部123を備える。
【0036】
図5は、電極体120の断面図であり、
図4のA−A線での断面図である。
図6は電極体120の断面図であり、
図5のB−B線での断面図である。これらの図に示すように、電極体120は、正極130、負極140、セパレータ150及びリチウムイオン供給源160を備える。なお、
図5及び
図6で示す正極130、負極140及びセパレータ150の層数は模式的なものであり、実際にはより多数である。例えば正極130は21層、負極140は23層とすることができる。
【0037】
図7は、捲回前の正極130の平面図である。
図8は正極130の断面図であり、
図7のC−C線での断面図である。同図に示すように正極130は、正極集電体131及び正極活物質層132を備える。
【0038】
正極集電体131は、金属箔であり、例えばアルミニウムからなる。正極集電体131にはイオンが通過可能な細孔が設けられており、電解エッチング等により細孔が形成された箔とすることができる。正極集電体131の厚みは例えば0.02mmである。
【0039】
正極活物質層132は、正極活物質とバインダ樹脂が混合されたものとすることができ、さらに導電助剤を含んでもよい。正極活物質は、電解液中のリチウムイオン及びアニオンが吸着可能な材料、例えば活性炭やポリアセン炭化物等である。
【0040】
バインダ樹脂は、正極活物質を接合する合成樹脂であり、例えばスチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、フッ素系ゴム、ポリビニリデンフルオライド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びエチレンプロピレン系ゴム等を用いてもよい。
【0041】
導電助剤は、導電性材料からなる粒子であり、正極活物質の間での導電性を向上させる。導電助剤は、例えば、黒鉛やカーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電助剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子等であってもよい。
【0042】
図8に示すように、正極活物質層132は、正極集電体131の表裏両面に形成されている。ここで、正極活物質層132は正極集電体131の全面には形成されず、正極集電体131の一部には正極活物質層132が形成されていない領域が設けられている。
【0043】
以下、正極130のうち、正極集電体131上に正極活物質層132が設けられている領域を正極形成領域130aとし、正極活物質層132が設けられず、正極集電体131が露出する領域を正極未形成領域130bとする。
図7に示すように正極未形成領域130bは、正極130の一辺に沿って帯状に設けられている。
【0044】
図9は、捲回前の負極140の平面図である。
図10は負極140の断面図であり、
図9のD−D線での断面図である。同図に示すように負極140は、負極集電体141及び負極活物質層142を備える。
【0045】
負極集電体141は、金属箔であり、例えば銅からなる。負極集電体141にはイオンが通過可能な細孔が設けられており、電解エッチング等により細孔が形成された箔とすることができる。負極集電体141の厚みは例えば0.01mmである。
【0046】
負極活物質層142は、負極活物質とバインダ樹脂が混合されたものとすることができ、さらに導電助剤を含んでもよい。負極活物質は、電解液中のリチウムイオンを吸蔵可能な材料、例えば難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、グラファイトやソフトカーボン等の炭素系材料を用いることができる。
【0047】
バインダ樹脂は、負極活物質を接合する合成樹脂であり、例えばスチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、フッ素系ゴム、ポリビニリデンフルオライド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びエチレンプロピレン系ゴム等を用いてもよい。
【0048】
導電助剤は、導電性材料からなる粒子であり、負極活物質の間での導電性を向上させる。導電助剤は、例えば、黒鉛やカーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電助剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子等であってもよい。
【0049】
図10に示すように、負極活物質層142は、負極集電体141の表裏両面に形成されている。ここで、負極活物質層142は負極集電体141の全面には形成されず、負極集電体141の一部には負極活物質層142が形成されていない領域が設けられている。
【0050】
以下、負極140のうち、負極集電体141上に負極活物質層142が設けられている領域を負極形成領域140aとし、負極活物質層142が設けられず、負極集電体141が露出する領域を負極未形成領域140bとする。
図9に示すように負極未形成領域140bは、負極140の一辺に沿って帯状に設けられている。
【0051】
セパレータ150は、正極130と負極140を隔て、後述する電解液中に含まれるイオンを透過する。セパレータ150は、織布、不織布又は合成樹脂微多孔膜等であるものとすることができ、例えばポリエチレン樹脂を主材料としたものとすることができる。
【0052】
電極体120は、正極130、負極140及びセパレータ150が積層され、捲回されて構成されている。
図11は、これらを積層した積層体の平面図である。
図12は同積層体の断面図であり、
図11のE−E線での断面図である。なお、
図11ではセパレータ150の図示を省略する。
【0053】
図12に示すように、正極130、負極140及びセパレータ150は、正極130と負極140の間にセパレータ150が位置するように積層される。ここで、
図11に示すように正極130と負極140は、正極形成領域130aと負極形成領域140aが対向し、正極未形成領域130bと負極未形成領域140bが対向しないようにずらして配置される。セパレータ150は正極形成領域130aと負極形成領域140aを隔てるように配置される。
【0054】
この積層体が捲回され、扁平化されることにより捲回体170が形成される。
図13は、捲回体170の断面図である。捲回体170のサイズは例えば長さ115mm、幅67mm、厚さ5.5mmとすることができる。
【0055】
図5に示すように電極体120は二つのリチウムイオン供給源160を備える。リチウムイオン供給源160は、銅箔等の金属箔の外側面にリチウム金属を貼付したものであり、リチウム金属が負極140に対向するように貼付される。リチウムイオン供給源160は、
図13に示す捲回体170の表裏両面に一つずつが貼付されている。捲回体170の一部とリチウムイオン供給源160はセパレータ150によって被覆されている。
【0056】
電極体120は以上のような構成を有する。電極領域捲回部121は電極体120のうち、正極形成領域130a、負極形成領域140a及びセパレータ150が捲回された部分である。正極未形成領域捲回部122は、電極体120のうち正極未形成領域130bが捲回された部分であり、即ち正極集電体131のみが捲回された部分である。負極未形成領域捲回部123は、第1電極体101のうち負極未形成領域140bが捲回された部分であり、即ち負極集電体141のみが捲回された部分である。
【0057】
第1電極体101及び第2電極体102は、それぞれが電極体120の構成を有する。したがって、
図3に示すように、第1電極体101と第2電極体102はそれぞれ電極領域捲回部121、正極未形成領域捲回部122及び負極未形成領域捲回部123を備える。
【0058】
正極端子103及び負極端子104は、蓋部材109に装着されている。
図14及び
図15は正極端子103及び負極端子104の斜視図である。
【0059】
正極端子103は、金属からなる板状の部材である。正極端子103は例えばアルミニウム(A1050−H24)からなるものとすることができる。正極端子103の厚みは例えば1.5mmである。正極端子103は、
図3に示すように蓋部材109に挿入され、合成樹脂等からなる端子支持部材110によって蓋部材109から絶縁されている。これにより、正極端子103の一部は収容空間に収容され、一部は収容空間の外部に突出する。
【0060】
図14及び
図15に示すように、正極端子103の主面の一つを第1主面103aとし、その反対側の主面を第2主面103bとする。正極端子103には、第1主面103aと第2主面103bに連通し、外部機器等との接続に利用される貫通孔103cが設けられている。正極端子103の形状は特に限定されず、板状であればよい。例えば、正極端子103は、矩形状の主面を有する形状であってもよい。
【0061】
負極端子104は、金属からなる板状の部材である。負極端子104は例えば銅(C1100−1/4H)からなるものとすることができる。負極端子104の厚みは例えば1.2mmである。負極端子104は、
図3に示すように蓋部材109に挿入され、合成樹脂等からなる端子支持部材110によって蓋部材109から絶縁されている。これにより、負極端子104の一部は収容空間に収容され、一部は収容空間の外部に突出する。
【0062】
図14及び
図15に示すように、負極端子104の主面の一つを第3主面104aとし、その反対側の主面を第4主面104bとする。負極端子104には、第3主面104aと
第4主面104bに連通し、外部機器等との接続に利用される貫通孔104cが設けられている。負極端子104の形状は特に限定されず、板状であればよい。例えば、負極端子104は、矩形状の主面を有する形状であってもよい。
【0063】
正極端子103と負極端子104は、第1主面103aと第3主面104aが同一平面上に位置し、第2主面103bと第4主面104bが同一平面上に位置するように配置されている。
【0064】
正極端子板105は、金属からなる板状の部材である。電気化学デバイス100は、
図3に示すように第1電極体101と第2電極体102にそれぞれ接合される二つの正極端子板105を備える。正極端子板105は例えばアルミニウム(A1050−H24)からなり、そのサイズは例えば長さ40mm、幅7.5mm、厚さ0.2mmである。
【0065】
負極端子板106は、金属からなる板状の部材であり、電気化学デバイス100は、
図3に示すように第1電極体101と第2電極体102にそれぞれ接合される二つの負極端子板106を備える。負極端子板106は例えば銅(C1100−1/4H)からなり、そのサイズは例えば長さ40mm、幅7.5mm、厚さ0.2mmである。
【0066】
図3に示すように、第1電極体101と第2電極体102は、正極端子103及び負極端子104を介して対向し、正極端子103及び負極端子104に接合されている。
図16は、正極端子103及び負極端子104と第1電極体101の接合態様を示す模式図であり、
図17は正極端子103及び負極端子104と第2電極体102の接合態様を示す模式図である。
【0067】
図18は、正極端子103と第1電極体101及び第2電極体102の接合態様を示す断面図であり、
図16及び
図17のF−F線での断面図である。
図19は負極端子104と第1電極体101及び第2電極体102の接合態様を示す断面図であり、
図16及び
図17のG−G線での断面図である。
【0068】
図16及び
図18に示すように、第1電極体101の正極未形成領域捲回部122は第1主面103aに接合され、第1主面103aと正極端子板105によって挟持されている。また、第2電極体102の正極未形成領域捲回部122は第2主面103bに接合され、第2主面103bと正極端子板105によって挟持されている。両電極体において正極未形成領域捲回部122を構成するそれぞれの正極集電体131(
図6参照)も層間で互いに接合されている。
【0069】
図17及び
図19に示すように、第1電極体101の負極未形成領域捲回部123は第3主面104aに接合され、第3主面104aと負極端子板106によって挟持されている。また、第2電極体102の負極未形成領域捲回部123は第4主面104bに接合され、第4主面104bと負極端子板106によって挟持されている。両電極体において負極未形成領域捲回部123を構成するそれぞれの負極集電体141(
図6参照)も層間で互いに接合されている。
【0070】
絶縁フィルム107(
図2参照)は、合成樹脂等の絶縁性材料からなるフィルムである。電気化学デバイス100は、2枚の絶縁フィルム107を備える。一方の絶縁フィルム107は第1電極体101と第2電極体102の正極未形成領域捲回部122を被覆し、外装缶108と絶縁する。他方の絶縁フィルム107は第1電極体101と第2電極体102の負極未形成領域捲回部123を被覆し、外装缶108と絶縁する。
【0071】
絶縁フィルム107は例えばポリイミド樹脂からなり、幅25mmとすることができる。なお、絶縁フィルム107に代えて外装缶108の内周面に絶縁層を設けてもよい。
【0072】
外装缶108(
図2参照)は、第1電極体101及び第2電極体102を収容し、蓋部材109と共に収容空間を形成する。外装缶108は金属からなり、例えばアルミニウム(A1050−O)からなるものとすることができる。外装缶108のサイズは例えば長さ121mm、幅13.5mm、厚さ80mmであり、板厚は例えば0.5mmである。
【0073】
蓋部材109(
図2参照)は、外装缶108に装着され、正極端子103及び負極端子104を支持する。蓋部材109は金属からなり、例えばアルミニウム(A1050−H24)からなるものとすることができる。蓋部材109のサイズは、例えば長さ120mm、幅12.5mm、厚さ2mmである。
【0074】
蓋部材109は図示しない二つの開口を備え、当該開口にはPPS(Polyphenylenesulfide)等の絶縁性材料からなる端子支持部材110が装着されている。正極端子103及び負極端子104はそれぞれ端子支持部材110に挿通され、蓋部材109から絶縁されている。
【0075】
蓋部材109は、レーザー溶接等の接合方法によって外装缶108に接合され、収容空間を閉塞する。蓋部材109には注液口109aが設けられ、注液口109aは注液蓋111によって封止されている。注液蓋111はアルミニウム(A1050−O)等の金属からなり、円板形状を有し、例えば直径7.6mm、厚さ0.4mmである。注液蓋111は、収容空間の内圧が高圧になると内圧を開放する安全弁機能を有するものが好適である。
【0076】
収容空間には電解液が注液されている。電解液はリチウムイオンとアニオンを含む液体であり、例えばLiPF
6 EC/MEC(エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合液にLiPF
6を溶解させた液体)とすることができる。注液量は例えば80gである。
【0077】
電気化学デバイス100は以上のような構成を有する。上記のように電気化学デバイス100はリチウムイオンキャパシタでなくてもよく、その他の各種電気化学デバイスであってもよい。その場合、電気化学デバイスの種類に応じて正極活物質や負極活物質、電解液の種類を変更することが可能である。また、リチウムイオン供給源160も必ずしも設けられてなくてもよい。
【0078】
[電気化学デバイスの効果]
電気化学デバイス100の効果について、比較例との比較の上で説明する。
図20は、比較例に係る電気化学デバイス200の正面図であり、
図21電気化学デバイス200の側面図である。
【0079】
電極体210は正極集電箔が捲回された正極未形成領域捲回部221と負極集電箔が捲回された負極未形成領域捲回部222を備える。正極未形成領域捲回部221は内部正極端子211に接合され、負極未形成領域捲回部222は内部負極端子212に接合されている。
【0080】
内部正極端子211は、電極体210の厚み方向に屈曲しており、外部正極端子213に接続されている。内部負極端子212も電極体210の厚み方向に屈曲しており、外部負極端子214に接続されている。
【0081】
この構造では正極と負極で外部端子と内部端子が別体構造であるため、電気化学デバイス200の部品点数が増え、コストアップ要因となる。
【0082】
電気化学デバイスの高容量化のため、二つの電極体を備える電気化学デバイスも利用されている。
図22は、別の比較例に係る電気化学デバイス300の一部構造の斜視図である。
【0083】
同図に示すように、第1電極体310と第2電極体311の正極未形成領域捲回部312は第1電極体310と第2電極体311の厚み方向に離間した形状を有する内部正極端子313にそれぞれ接合され、内部正極端子313と正極端子板314によって挟持されている。
【0084】
また、第1電極体310と第2電極体311の負極未形成領域捲回部315は第1電極体310と第2電極体311の厚み方向に離間した内部負極端子316にそれぞれ接合され、内部負極端子316と負極端子板317によって挟持されている。
【0085】
この構造では、両電極体の正極未形成領域捲回部312をそれぞれ内部正極端子313に接合し、両電極体の負極未形成領域捲回部315をそれぞれ内部負極端子316に接合する必要がある。このため接合工程が多く、生産性がよくない。また、内部正極端子313と内部負極端子316の形状が複雑となり、これらの部品コストも高いものとなる。
【0086】
これに対し、本実施形態に係る電気化学デバイス100においては、正極端子103と負極端子104はそれぞれ外装缶108内に設けられる内部端子と外装缶108の外部に設けられる外部端子を兼ねているため、部品点数を削減することができる。
【0087】
また、正極端子103と負極端子104の形状は平板状であり部品コストも小さい。さらに、後述する接合方法によって、第1電極体101と第2電極体102の正極未形成領域捲回部122を正極端子103に一括して接合し、第1電極体101と第2電極体102の負極未形成領域捲回部123を負極端子104に一括して接合することが可能であり、接合工程の削減も可能である。
【0088】
したがって、電気化学デバイス100は、容量が大きく低コストで作製することが可能な構造を備える。
【0089】
[製造方法]
電気化学デバイス100の製造方法について説明する。
【0090】
電極体120は、上述のように正極130、負極140及びセパレータ150を積層して捲回し、扁平捲回構造として表裏両面にリチウムイオン供給源160を貼付することにより製造することができる。
【0091】
2つの電極体120を第1電極体101及び第2電極体102(
図3参照)として正極端子103及び負極端子104に接合する。
【0092】
図23及び
図24は、第1電極体101及び第2電極体102と正極端子103の接合方法を示す模式図である。
図23に示すように、第1電極体101と第2電極体102の正極未形成領域捲回部122の間に正極端子103を挿入する。さらに、第1電極体101と第2電極体102の正極未形成領域捲回部122上に正極端子板105を配置する。この状態でクランプ等によって2つの正極端子板105を挟み、固定する。
【0093】
続いて
図24に示すように、超音波溶接アンビル501と超音波溶接ホーン502によって2つの正極端子板105を挟持する(図中矢印)。この部分の厚さは例えば、厚さ1.5mmの正極端子103、厚さ0.02mmの正極集電体131が21層、厚さ0.2mmの正極端子板105が2つで計2.74mmである。
【0094】
この状態で超音波を印加することにより、第1電極体101の正極未形成領域捲回部122が第1主面103aに接合され、第2電極体102の正極未形成領域捲回部122が第2主面103bに接合される。また、両電極体の正極未形成領域捲回部122を構成する正極集電体131も互いに接合される。
【0095】
このように、第1電極体101と第2電極体102の正極未形成領域捲回部122を一度の接合工程によって正極端子103に接合することができる。正極端子板105は、超音波による正極集電体131の損傷を防止している。
【0096】
図25及び
図26は、第1電極体101及び第2電極体102と負極端子104の接合方法を示す模式図である。
図25に示すように、第1電極体101と第2電極体102の負極未形成領域捲回部123の間に負極端子104を挿入する。さらに、第1電極体101と第2電極体102の負極未形成領域捲回部123上に負極端子板106を配置する。この状態でクランプ等によって2つの負極端子板106を挟み、固定する。
【0097】
続いて
図26に示すように、超音波溶接アンビル501と超音波溶接ホーン502によって2つの負極端子板106を挟持(図中矢印)する。この部分の厚さは例えば、厚さ1.2mmの負極端子104、厚さ0.01mmの負極集電体141が23層、厚さ0.2mmの負極端子板106が2つで計2.10mmである。
【0098】
この状態で超音波を印加することにより、第1電極体101の負極未形成領域捲回部123が第3主面104aに接合され、第2電極体102の負極未形成領域捲回部123が第4主面104bに接合される。また、両電極体の負極未形成領域捲回部123を構成する負極集電体141も互いに接合される。
【0099】
このように、第1電極体101と第2電極体102の負極未形成領域捲回部123を一度の接合工程によって負極端子104に接合することができる。負極端子板106は、超音波による負極集電体141の損傷を防止している。
【0100】
続いて、第1電極体101及び第2電極体102の正極未形成領域捲回部122及び負極未形成領域捲回部123を絶縁フィルム107によって被覆し(
図2参照)、外装缶108内に装填し、外装缶108と蓋部材109を接合する。外装缶108と蓋部材109の接合は例えばレーザー溶接によって行うことができる。
【0101】
続いて、注液口109aから電解液を注液し、蓋部材109に注液蓋111を接合して注液口109aを封止する。蓋部材109と注液蓋111の接合は例えばレーザー溶接によって行うことができる。
【0102】
電気化学デバイス100は以上のようにして製造することができる。上記のように第1電極体101と第2電極体102の正極未形成領域捲回部122を一度の溶接によって正極端子103に接合することができ、両電極体の負極未形成領域捲回部123も一度の溶接によって負極端子104に接合することができる。これにより、製造工程の簡略化が可能であり、低コストで電気化学デバイス100を製造することが可能である。なお、上記製造方法は一例であり、他の製造方法によって電気化学デバイス100を製造してもよい。
【0103】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。
【0104】
[電気化学デバイスの構造]
図27は第2の実施形態に係る電気化学デバイス400の一部構成の斜視図である。電気化学デバイス400は、正極端子及び負極端子の構成が第1の実施形態に係る電気化学デバイス100とは異なり、その他の構成は電気化学デバイス100と同一である。したがって、正極端子及び負極端子以外の構成については第1の実施形態と同一の符号を付し説明を省略する。
【0105】
正極端子403及び負極端子404は、第1の実施形態と同様に蓋部材109に装着されている。
【0106】
図28は正極端子403の平面図であり、
図29及び
図30は、正極端子403の斜視図である。正極端子403は、金属からなる板状の部材である。正極端子403は例えばアルミニウム(A1050−H24)からなるものとすることができる。正極端子403は、蓋部材109に挿入され、合成樹脂等からなる端子支持部材110によって蓋部材109から絶縁されている。
【0107】
図28乃至
図30に示すように正極端子403は、電極体接合部403a、外部端子部403b及び中継部403cから構成されている。
【0108】
電極体接合部403aは、第1電極体101と第2電極体102が接合される部分である。
図29及び
図30に示すように電極体接合部403aの主面の一つを第1主面403dとし、その反対側の主面を第2主面403eとする。
【0109】
第1主面403dには第1電極体101の正極未形成領域捲回部122が接合され、正極未形成領域捲回部122は第1主面403dと正極端子板105によって挟持される(
図18参照)。第2主面403eには第2電極体102の正極未形成領域捲回部122が接合され、正極未形成領域捲回部122は第2主面403eと正極端子板105によって挟持される(
図18参照)。
【0110】
外部端子部403bは、第1電極体101、第2電極体102及び電解液が収容された収容空間の外部に突出し、外部機器が接続される部分であり、外部機器等との接続に利用される貫通孔403fが設けられている。
【0111】
中継部403cは、電極体接合部403a及び外部端子部403bの延伸方向に直交する方向に延伸し、電極体接合部403aと外部端子部403bとを物理的及び電気的に接続する。
【0112】
図31は正極端子403の各部の幅を示す模式図であり、
図32は正極端子403の各部の厚さを示す模式図である。
【0113】
図31に示すように、電極体接合部403aの幅を第1の幅W1とし、外部端子部403bの幅を第2の幅W2、中継部403cの幅を第3の幅W3とする。ここで、第1の幅W1は第3の幅W3より大きく、第2の幅W2は第1の幅W1より大きい。即ち、第3の幅W3、第1の幅W1、第2の幅W2の順で幅は大きくなる。
【0114】
また、
図32に示すように、電極体接合部403aの厚みを第1の厚みD1とし、外部端子部403bの厚みを第2の厚みD2、中継部403cの厚みを第3の厚みD3とする。ここで、第1の厚みD1は第2の厚みD2より大きく、第3の厚みD3は第1の厚みD1より大きい。即ち、第2の厚みD2、第1の厚みD1、第3の厚みD3の順で厚みは大きくなる。
【0115】
さらに、電極体接合部403aの断面積(D1×W1)、外部端子部403bの断面積(D2×W2)及び中継部403cの断面積(D3×W3)は互いに同一が好適である。
【0116】
正極端子403を以上のような構成とすることにより、各部の形状を必要に応じた形状とすることができる。具体的には、外部端子部403bの幅(第2の幅W2)を大きくすることにより、貫通孔403fに挿通されるボルトの径を大きくすることができると共に端子支持部材110の強度を向上させることができる。
【0117】
また、中継部403cの幅(第3の幅W3)を小さくすることにより、電極体の体積(即ち蓄電容量)を大きくすることができる。さらに、電極体接合部403aの幅(第1の幅W1)は電極体の超音波溶接に必要な最小限の幅にすることができる。
【0118】
また、各部の厚みを上記のような関係とすることにより、各部の断面積の差を小さくし、各部の間での電気抵抗の差を小さくすることができる。特に各部の断面積を同一とすることにより、各部での電気抵抗を均一にすることができ、好適である。
【0119】
図33は負極端子404の平面図であり、
図34及び
図35は、負極端子404の斜視図である。負極端子404は、金属からなる板状の部材である。負極端子404は例えば銅(C1100−1/4H)からなるものとすることができる。負極端子404は、蓋部材109に挿入され、合成樹脂等からなる端子支持部材110によって蓋部材109から絶縁されている。
【0120】
図33乃至
図35に示すように負極端子404は、電極体接合部404a、外部端子部404b及び中継部404cから構成されている。
【0121】
電極体接合部404aは、第1電極体101と第2電極体102が接合される部分である。
図34及び
図35に示すように電極体接合部404aの主面の一つを第1主面404dとし、その反対側の主面を第2主面404eとする。
【0122】
第1主面404dには第1電極体101の負極未形成領域捲回部123が接合され、負極未形成領域捲回部123は第1主面404dと負極端子板106によって挟持される(
図19参照)。第2主面404eには第2電極体102の負極未形成領域捲回部123が接合され、負極未形成領域捲回部123は第2主面404eと負極端子板106によって挟持される(
図19参照)。
【0123】
外部端子部404bは、第1電極体101、第2電極体102及び電解液が収容された収容空間の外部に突出し、外部機器が接続される部分であり、外部機器等との接続に利用される貫通孔404fが設けられている。
【0124】
中継部404cは、電極体接合部404a及び外部端子部404bの延伸方向に直交する方向に延伸し、電極体接合部404aと外部端子部404bとを物理的及び電気的に接続する。
【0125】
図36は負極端子404の各部の幅を示す模式図であり、
図37は負極端子404の各部の厚さを示す模式図である。
【0126】
図36に示すように、電極体接合部404aの幅を第1の幅V1とし、外部端子部404bの幅を第2の幅V2、中継部404cの幅を第3の幅V3とする。ここで、第1の幅V1は第3の幅V3より大きく、第2の幅V2は第1の幅V1より大きい。即ち、第3の幅V3、第1の幅V1、第2の幅V2の順で幅は大きくなる。
【0127】
また、
図37に示すように、電極体接合部404aの厚みを第1の厚みE1とし、外部端子部404bの厚みを第2の厚みE2、中継部404cの厚みを第3の厚みE3とする。ここで、第1の厚みE1は第2の厚みE2より大きく、第3の厚みE3は第1の厚みE1より大きい。即ち、第2の厚みE2、第1の厚みE1、第3の厚みE3の順で厚みは大きくなる。
【0128】
さらに、電極体接合部404aの断面積(E1×V1)、外部端子部404bの断面積(E2×V2)及び中継部404cの断面積(E3×V3)は互いに同一が好適である。
【0129】
負極端子404を以上のような構成とすることにより、各部の形状を必要に応じた形状とすることができる。具体的には、外部端子部404bの幅(第2の幅V2)を大きくすることにより、貫通孔404fに挿通されるボルトの径を大きくすることができると共に端子支持部材110の強度を向上させることができる。
【0130】
また、中継部404cの幅(第3の幅V3)を小さくすることにより、電極体の体積(即ち蓄電容量)を大きくすることができる。さらに、電極体接合部404aの幅(第1の幅V1)は電極体の超音波溶接に必要な最小限の幅にすることができる。
【0131】
また、各部の厚みを上記のような関係とすることにより、各部の断面積の差を小さくし、各部の間での電気抵抗の差を小さくすることができる。特に各部の断面積を同一とすることにより、各部での電気抵抗を均一にすることができ、好適である。
【0132】
正極端子403及び負極端子404は以上のような構成を有する。なお、電気化学デバイス400は必ずしも正極端子403及び負極端子404の両方を有するものでなくてもよく、正極端子403及び負極端子404のうち少なくともいずれか一方を有するものであってもよい。
【0133】
[正極端子及び負極端子の製造方法]
正極端子403及び負極端子404は、圧延異形条を加工して作製することが可能である。
図38は圧延異形条600の斜視図である。
【0134】
異形条は断面の形状に段差(凹凸)のある金属条であり、圧延加工にて異形条へ加工されたものが圧延異形条である。切削加工に比べ、材料ロスが少ない、表面粗さが小さい、波打ち、横曲がりが小さい、切削加工硬化層がない等の特徴がある。
【0135】
図38に示すように、圧延異形条600は第1の厚みF1を有する第1部分601、第2の厚みF2を有する第2部分602及び第3の厚みF3を有する第3部分603を有する。第1の厚みF1は第2の厚みF2より大きく、第3の厚みF3は第1の厚みF1より大きい。
【0136】
正極端子403及び負極端子404は圧延異形条600を切り出すことによって作製することが可能である。
図39は、圧延異形条600の切り出し方法を示す模式図である。同図に示すように、圧延異形条600を線Tで示す正極端子403及び負極端子404の形状で抜き打ち等によって切り出すことで上記形状を有する正極端子403及び負極端子404を作製することができる。
【0137】
なお、正極端子403及び負極端子404の作製方法は圧延異形条600からの切り出しに限られず、一定の厚みを有する板を切り出して個片化したものにプレス及びトリミング処理を行って作製することも可能である。