(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記境界部は、前記短辺側側壁の外周部に位置して段差を形成する段部であり、前記段部よりも上方側は前記段部よりも下方側に比べて外側に張出しており、前記接触時における引き抜きに抗する力が下方側に比べて強いことを特徴とする請求項7に記載の緩衝部材。
前記短辺側側壁又は前記長辺側側壁の外側面と前記外箱立壁部の内側面との間に形成される空隙は、前記短辺側側壁又は前記長辺側側壁の外側面の全域と前記外箱立壁部の内側面との間に形成されるものであることを特徴とする請求項12に記載の梱包容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような箱体内から物品を取り出す際、取り出し用のアームロボットを用いて取り出す場合がある。このとき、箱体内の緩衝部材に物品が略丁度嵌め込まれた状態において、アームロボットで物品のみを取り出そうとすると、物品に追従して緩衝部材までもが箱外に出てしまうという問題があった。
すなわち、緩衝部材の凹部に物品が強固に嵌め込まれていることから、アームロボットが物品のみを把持して上方へ移動させようとしても、物品が緩衝部材から外れず、物品と共に緩衝部材までもが箱外へ移動してしまうという問題である。
【0006】
このような問題を防止するための手段として、緩衝部材の大きさを、箱体に略丁度収まる大きさよりやや大きく形成するという方法が考えられる。
このような方法によると、緩衝部材を箱体に押し込むことで、緩衝部材が変形して箱体に強固に嵌り込むので、緩衝部材が箱体から抜けにくくなる。しかしながら、その反面、そもそも最初に箱体へ押し込む際、緩衝部材を箱体に挿入することが困難となるという問題が生じてしまう。また、箱体で別の物品を運搬する場合のように、箱体から緩衝部材を取り外す必要が生じたとき、緩衝部材が非常に取り外し難いという問題もある。
【0007】
また、箱体と緩衝部材にそれぞれ係合部を設けてこれらを係合させるといった方法や、箱体と緩衝部材を接着剤で固定するといった方法も同様に、緩衝部材を箱体から取り外す際に非常に取り外しにくく、場合によっては緩衝部材を破壊する必要さえある。
【0008】
そこで本発明は、外箱に対して挿入しやすく、且つ、物品の取り出し時に誤って箱外に取り出され難い緩衝部材を提供することを課題とする。また、そのような緩衝部材を外箱に収納して形成される梱包容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護する緩衝部材であって、発泡樹脂で成形されたものであり、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓む
ものであり、前記短辺側側壁には欠落部があり、前記短辺側側壁の一部が他の部位に対して片持ち状であって自由端側が撓むことを特徴とする緩衝部材である。
請求項2に記載の発明は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護する緩衝部材であって、発泡樹脂で成形されたものであり、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓むものであり、前記底壁の少なくとも一方の長辺から長辺側側壁が立設され、当該長辺側側壁の少なくとも一方は、長辺の長手方向で不連続であることを特徴とする緩衝部材である。
請求項3に記載の発明は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護する緩衝部材であって、発泡樹脂で成形されたものであり、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓むものであり、前記底壁の少なくとも一方の長辺から長辺側側壁が立設され、当該長辺側側壁の少なくとも一方は、前記短辺側側壁と不連続であることを特徴とする緩衝部材である。
請求項4に記載の発明は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護する緩衝部材であって、発泡樹脂で成形されたものであり、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓むものであり、前記底壁の少なくとも一方の長辺から長辺側側壁が立設され、当該長辺側側壁の高さは、前記短辺側側壁よりも低いことを特徴とする緩衝部材である。
請求項5に記載の発明は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護する緩衝部材であって、発泡樹脂で成形されたものであり、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓むものであり、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に複数の仕切り壁を有し、前記底壁の中心近傍に設けられた前記仕切り壁は他の前記仕切り壁よりも厚さが厚いことを特徴とする緩衝部材である。
請求項6に記載の発明は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護する緩衝部材であって、発泡樹脂で成形されたものであり、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓むものであり、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に複数の仕切り壁を有し、前記底壁のうち、前記仕切り壁と前記短辺側側壁の間及び前記仕切り壁同士の間に位置する部分には、畝状の隆起が形成され、当該隆起は仕切り壁に対して平行に延びていることを特徴とする緩衝部材である。
【0010】
本発明の緩衝部材によると、外箱に挿入して短辺側側壁と外箱の内壁を接触させたとき、短辺側側壁の一の領域と他の領域とで引き抜きに抗する力(以下、引き抜き抵抗力とも称す)が異なる。すなわち、外側面の全面を外箱の内壁に密着させ、全面で高い引き抜き抵抗力を生じさせる構造とは異なり、一部の領域の引き抜き抵抗力を他よりも小さいものとしている。このことにより、外箱へ挿入するとき、より挿入しやすくすることを可能とすると共に、容易に引き抜かれ難くなる程度の引き抜き抵抗力を維持させることができる。
さらに、本発明の緩衝部材は、外箱に挿入され、少なくとも一つの短辺側側壁の一部が外箱の内壁と接触した状態で、物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けたとき、2つの短辺側側壁の開放側が広がるように撓む構造となっている。すなわち、緩衝部材が物品と共に箱外へ引き抜かれようとしたときには、撓むことで引き抜かれ難い形状へ変形する。このことから、外箱に対して挿入しやすく、誤って箱外へ取り出され難くすることが可能となる。
【0011】
請求項
7に記載の発明は、前記短辺側側壁の外側面は、一又は複数の境界部によって複数面に区画されるものであり、前記境界部は、前記短辺側側壁の外側面の少なくとも一部を前記境界部の上側に位置する面と、前記境界部の下側に位置する面とに区画するものであり、前記境界部は、2面の境に位置する屈曲部、2面の間に位置して段差を形成する段部、又は、2面の間に位置して前記短辺側側壁の外側部分の一部を形成する部分のいずれかであることを特徴とする請求項1
乃至6のいずれかに記載の緩衝部材である。
【0012】
かかる構成によると、それぞれが短辺側側壁の外側面の一部であって、上下方向で異なる位置に配される2つの面の引き抜き抵抗力が異なるものとなり、さらに区画された各面の引き抜き抵抗力を大きく異なるものとすることが可能となる。
このような構造は、上記した外箱に対して容易に挿入可能とするという観点と、意図しない箱外へ取り出しを防止するという観点から特に好ましい。
【0013】
請求項
8に記載の発明は、前記境界部は、前記短辺側側壁の外周部に位置して段差を形成する段部であり、前記段部よりも上方側は前記段部よりも下方側に比べて外側に張出しており、前記接触時における引き抜きに抗する力が下方側に比べて強いことを特徴とする請求項
7に記載の緩衝部材である。
【0014】
かかる構成では、比較的簡単な構造により、段部の上方側と下方側のそれぞれ部分で生じる引き抜き抵抗力を異なるものにできる。このことから、短辺側側壁の外周部を複雑な形状に形成する必要がなく、製造コストを低減させるという観点や、緩衝部材の強度を向上させるという観点から好ましい。
【0015】
請求項
9に記載の発明は、前記底壁の下面が実質的に面一となっていることを特徴とする請求項1乃至
8のいずれかに記載の緩衝部材である。
【0016】
なお、ここでいう「実質的に面一」とは、成形時に形成されてしまうイジェクトピンの跡のような微細な凹凸(2mm以下となる凹凸)が位置する部分を周囲と同一の平面としてみなすものとする。また、このような凹凸を含んで広がる部分が下面全域の90パーセント以上となるものを含むものとする。
かかる構成によると、意図しない箱外へ取り出しを防止するという観点から特に好ましい。
【0017】
上記した請求項
1に記載の発明は、前記短辺側側壁には欠落部があり、前記短辺側側壁の一部が他の部位に対して片持ち状であって自由端側が撓
む。
【0018】
かかる構成によると、2つの短辺側側壁の開放側が広がるように緩衝部材が撓むとき、より撓み易くすることが可能であり、撓み量(変形量)を大きくすることができる。
【0019】
上記した請求項
2に記載の発明は、前記底壁の少なくとも一方の長辺から長辺側側壁が立設され、当該長辺側側壁の少なくとも一方は、長辺の長手方向で不連続で
ある。
【0020】
上記した請求項
3に記載の発明は、前記底壁の少なくとも一方の長辺から長辺側側壁が立設され、当該長辺側側壁の少なくとも一方は、前記短辺側側壁と不連続で
ある。
【0021】
これらの構成においてもまた、緩衝部材が撓むとき、より撓み易く、撓み量(変形量)を大きくすることが可能となる。
【0022】
上記した請求項
4に記載の発明は、前記底壁の少なくとも一方の長辺から長辺側側壁が立設され、当該長辺側側壁の高さは、前記短辺側側壁よりも
低い。
【0023】
かかる構成では、短辺側側壁の高さが長辺側側壁よりも高くなっており、短辺側側壁が比較的高位置に配された状態となっている。すなわち、開放側に位置する短辺側側壁の上側部分は、底壁部分から比較的遠い位置に配されている。したがって、短辺側側壁の開放側が広がるように緩衝部材が撓むとき、より撓み易くなるので、好ましい。
【0024】
請求項
10に記載の発明は、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の仕切り壁が設けられ、当該仕切り壁は、前記短辺側側壁に対して平行に延びていることを特徴とする請求項1乃至
9のいずれかに記載の緩衝部材である。
【0025】
かかる構成によると、緩衝部材が撓むときにその変形を阻害せず、緩衝部材全体の強度を向上させることができる。
【0026】
上記した請求項
5に記載の発明は、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に複数の仕切り壁を有し、前記底壁の中心近傍に設けられた前記仕切り壁は他の前記仕切り壁よりも厚さが厚
い。
【0027】
かかる構成もまた、緩衝部材が撓むときにその変形を阻害せず、緩衝部材全体の強度を向上させるという観点から、好ましい。
【0028】
上記した請求項
6に記載の発明は、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に複数の仕切り壁を有し、前記底壁のうち、前記仕切り壁と前記短辺側側壁の間及び前記仕切り壁同士の間に位置する部分には、畝状の隆起が形成され、当該隆起は仕切り壁に対して平行に延びてい
る。
【0029】
かかる構成では、緩衝部材の底壁に畝状の隆起が形成されているので、物品を収納するとき、物品を底壁の上面から上方に離れた位置へ位置させることができる。このことから、例えば底壁が破損する等の理由により、外箱の底部分に残留していた微細なゴミ等が緩衝部材の底壁上側に侵入したとしても、物品に直接接触しにくい構造とすることができる。そして、このような隆起を仕切り壁に対して平行に延びる構造とすることで、緩衝部材が撓む際の変形を阻害せず、且つ、緩衝部材全体の強度を向上させることができる。
【0030】
請求項
11に記載の発明は、外箱と、請求項1乃至
10のいずれかに記載の緩衝部材とを有し、前記外箱は、前記底面を形成する外箱底板部と、当該外箱底板部から立設されて前記側面を形成する外箱立壁部とを有し、前記外箱立壁部によって囲まれた空間である収容空間が形成されるものであり、前記収容空間と前記緩衝部材はいずれも平面視形状が略長方形状であり、前記収容空間の平面視における長手方向の長さは、前記緩衝部材の平面視における長手方向の長さよりも長いものであって、前記収容空間の平面視における長手方向の中心位置と、前記緩衝部材の平面視における長手方向の中心位置とを重ねて配置したとき、前記短辺側側壁のうちの少なくとも一方の外側面と、前記外箱立壁部の内側面のとの間に空隙が形成されることを特徴とする梱包容器である。
【0031】
本発明の梱包容器は、緩衝部材が収納空間に比べて十分に小さく、挿入し易い構造となっている。加えて、緩衝部材が物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた場合には、緩衝部材が上記したように撓んで(変形して)収納空間が抜けにくい構造となる。これらのことから、緩衝部材を外箱に対して容易に挿入可能とし、意図しない箱外へ取り出しを防止可能となる。
【0032】
請求項
12に記載の発明は、前記緩衝部材は、前記底壁の2つの長辺のそれぞれから長辺側側壁が立設されており、前記収容空間の平面視における長手方向及び短手方向の中心位置と、前記緩衝部材の平面視における長手方向及び短手方向の中心位置とを重ねて配置したとき、前記短辺側側壁のそれぞれの外側面と、前記外箱立壁部の内側面のとの間に空隙が形成され、さらに前記長辺側側壁のそれぞれの外側面と、前記外箱立壁部の内側面のとの間に空隙が形成されることを特徴とする請求項
11に記載の梱包容器である。
【0033】
請求項
13に記載の発明は、前記短辺側側壁又は前記長辺側側壁の外側面と前記外箱立壁部の内側面との間に形成される空隙は、前記短辺側側壁又は前記長辺側側壁の外側面の全域と前記外箱立壁部の内側面との間に形成されるものであることを特徴とする請求項
12に記載の梱包容器である。
請求項14に記載の発明は、外箱と緩衝部材とを有し、前記緩衝部材は、底面と側面を有する外箱に挿入され、物品を保護するものであって、且つ、発泡樹脂で成形されたものであり、前記緩衝部材は、平面視が略長方形であり、少なくとも底壁と2つの短辺側側壁を有し、上面側が開放された形状であって、前記底壁と前記短辺側側壁で囲まれる領域に一又は複数の物品配置空間が形成されており、前記短辺側側壁は、前記外箱に挿入された状態において、前記短辺側側壁から前記外箱へ向かう方向に力を加えて前記短辺側側壁と前記外箱の内壁を接触させたとき、前記短辺側側壁の一の領域と、他の領域とで引き抜きに抗する力が異なるものであり、前記緩衝部材は、前記外箱に挿入され、少なくとも一つの前記短辺側側壁の一部が前記外箱の内壁と接触した状態で、前記物品配置空間の近傍となる部分に引き抜き方向へ力を受けた際、2つの前記短辺側側壁の開放側が広がるように撓むものであり、前記外箱は、前記底面を形成する外箱底板部と、当該外箱底板部から立設されて前記側面を形成する外箱立壁部とを有し、前記外箱立壁部によって囲まれた空間である収容空間が形成されるものであり、前記収容空間と前記緩衝部材はいずれも平面視形状が略長方形状であり、前記収容空間の平面視における長手方向の長さは、前記緩衝部材の平面視における長手方向の長さよりも長いものであって、前記収容空間の平面視における長手方向の中心位置と、前記緩衝部材の平面視における長手方向の中心位置とを重ねて配置したとき、前記短辺側側壁のうちの少なくとも一方の外側面と、前記外箱立壁部の内側面のとの間に空隙が形成されるものであり、前記緩衝部材は、前記底壁の2つの長辺のそれぞれから長辺側側壁が立設されており、前記収容空間の平面視における長手方向及び短手方向の中心位置と、前記緩衝部材の平面視における長手方向及び短手方向の中心位置とを重ねて配置したとき、前記短辺側側壁のそれぞれの外側面と、前記外箱立壁部の内側面のとの間に空隙が形成され、さらに前記長辺側側壁のそれぞれの外側面と、前記外箱立壁部の内側面のとの間に空隙が形成されるものであり、前記短辺側側壁又は前記長辺側側壁の外側面と前記外箱立壁部の内側面との間に形成される空隙は、前記短辺側側壁又は前記長辺側側壁の外側面の全域と前記外箱立壁部の内側面との間に形成されるものであることを特徴とする梱包容器である。
【0034】
本発明の梱包容器は、これらの構成であることがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によると、外箱に対して挿入しやすく、且つ、物品の取り出し時に誤って箱外に取り出され難い緩衝部材と、そのような緩衝部材を備えた梱包容器の提供が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態に係る緩衝部材1について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下方向、長手方向、短手方向については、特に断りのない限り
図1で示される状態を基準として説明する。
なお、長手方向とは、プラスチックコンテナ2に緩衝部材1を収納した状態で平面視した際における、緩衝部材1及びプラスチックコンテナ2の長辺の延び方向と同方向とする。すなわち、
図1における一方の外箱短辺側壁部55(詳しくは後述する)から他方の外箱短辺側壁部55へ向かう方向とする。また、短手方向とは、緩衝部材1を収納した状態で平面視した際における、緩衝部材1及びプラスチックコンテナ2の短辺の延び方向と同方向とする。すなわち、
図1における一方の外箱長辺側壁部56(詳しくは後述する)から他方の外箱長辺側壁部56へ向かう方向とする。
【0038】
緩衝部材1は、
図1で示されるように、プラスチックコンテナ2(外箱)に収納した状態で使用するものである。言い換えると、本実施形態の梱包容器3は、プラスチックコンテナ2に緩衝部材1を収納することで形成されるものとなっている。
【0039】
緩衝部材1は、発泡樹脂によって形成された部材であり、
図2で示されるように、略直方体状となる部材の上面側の一部を欠落させ、上面側に凹凸を形成したような形状となっている。
なお、特に限定されるものではないが、緩衝部材1の原料となる発泡樹脂としては、ポリスチレン、スチレン改質ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることができる。また、緩衝部材1を撓み易くするという観点から、ポリプロピレン、ポリエチレンを採用することが好ましい。
また、発泡倍率(発泡させていない樹脂に対する倍率)は、5倍以上70倍以下であることが好ましい。より具体的には、ポリプロピレンを原料とした場合には15倍以上50倍以下が好ましく、ポリエチレンを原料とした場合には15倍以上70倍以下が好ましい。
本実施形態では、ポリプロピレンを原料としており、底板部10(底壁であり、詳しくは後述する)等の比較的薄肉となる板状の部分が可撓性を有した構造となっている。
【0040】
より詳細には、この緩衝部材1は、底壁を形成する底板部10と、底板部10の縁端から上方へ突出する立壁部分11と、底板部10の上側であって立壁部分11によって囲まれた空間を区画する仕切り壁部12(仕切り壁)とを備えた構造となっている。そして、仕切り壁部12によって区画された空間が、物品(図示しない)を収納するための物品配置空間13となっている。
なお、特に限定されるものではないが、本実施形態の緩衝部材1は、自動車に積載するリチウム電池等の精巧で運搬時に破損しやすい物品を好適に収納可能となっている。
【0041】
底板部10は、緩衝部材1の下端側に位置する平板状の部分であり、具体的には、平面視で長方形となる部分である。すなわち、平面視で2つの長辺と2つの短辺を有する構造となっている。そして、
図3で示されるように、その底面部分が実質的に面一となる平面を形成している。
なお、ここでいう「実質的に面一となる平面」とは、上記したように、成形時に形成されるイジェクトピンの跡のような微細な凹凸(2mm以下となる凹凸、図示しない)を許容し、このような凹凸を含めた部分が全面の90パーセント以上となる面とする。
また、本実施形態の底板部10では、平面視における底面部分の縁端部と、その縁端部近傍(縁端部の内側に隣接する部分)とが、上記した微細な凹凸のない構造となっている。つまり、底面部分を下方側から平面視したとき、その縁端近傍に、縁端に沿って四角環状に連続する段差のない平面が形成されている。
【0042】
この底板部10は、特に限定されるものではないが、最大厚さ(最も厚い部分の厚さ)は、12mm以上45mm以下であることが好ましく、15mm以上25mm以下であることがさらに好ましい。かかる構成によると、底板部10に十分な強度を発揮させつつ、撓み易いものとするという点で好ましい。
なお、底板部10の厚さ方向は、上下方向と同方向である。
【0043】
立壁部分11として、
図2等で示されるように、平面視における底板部10の短辺側から上方へ突出する2つの短辺側立壁部15(短辺側側壁)と、長辺側から上方へ突出する2つの長辺側立壁部16(長辺側側壁)が形成されている。
また、それぞれの立壁部分11の最大厚さ(最も厚い部分の厚さ)は、15mm以上45mm以下であることが好ましく、20mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。かかる構成によると、それぞれの立壁部分11に十分な強度を発揮させつつ、撓み易いものとするという点で好ましい。
なお、短辺側立壁部15の厚さ方向は緩衝部材1の長手方向と同方向であり、長辺側立壁部16の厚さ方向は緩衝部材1の短手方向と同方向である。
【0044】
詳細には、2つの短辺側立壁部15の一方である第1短辺側立壁部15aは、底板部10の一方の短辺近傍から上方へ突出し、同短辺の延び方向に沿って延びる立壁状部分である。また、他方である第2短辺側立壁部15bは、底板部10の他方の短辺近傍から上方へ突出し、同短辺の延び方向に沿って延びる立壁状部分となっている。これら第1短辺側立壁部15a、第2短辺側立壁部15bは、底板部10の長辺方向(長辺の延び方向)で間隔を空けて配されており、互いに平行となるように延びている。
なお、本実施形態では、第1短辺側立壁部15a、第2短辺側立壁部15bは、同形の部材であるので、第1短辺側立壁部15aのみを詳細に説明し、第2短辺側立壁部15bの詳細な説明を省略する。
【0045】
第1短辺側立壁部15aは、
図4で示されるように、底板部10の短手方向に沿って延びる立壁状部分の上端側を適宜欠落させ、上端面に凹凸を形成した壁状部分となっている。
【0046】
より具体的には、この第1短辺側立壁部15aは、短辺近傍となる縁部分において、底板部10の短手方向における片側端部側から他方側端部までの間で延びる壁状部分となっている。そして、第1短辺側立壁部15aの上側部分には、延び方向の中心側(短辺の長さ方向中心側)に位置する中心側高壁部20と、長手方向の片側端部に位置する端部側高壁部21とがそれぞれ形成されている。そして、これらの部分が比較的高さが高い部分となっている。さらに、第1短辺側立壁部15aの上側部分のうち、中心側高壁部20と端部側高壁部21の間に位置する部分と、中心側高壁部20と長手方向の他方側端部までの間に位置する部分は、比較的高さの低い低壁部23となっている。
言い換えると、第1短辺側立壁部15aは、略長方形板状の部材から端部側高壁部21の上側部分と、低壁部23の上側部分とを欠落させた形状であるといえる。すなわち、低壁部23の上側に位置する部分が、第1短辺側立壁部15aの欠落部であるともいえる。
【0047】
中心側高壁部20は、2つの低壁部23の間に形成された略横長長方形状の板状部分であり、隣接する部分よりも上方に延びた部分である。すなわち、中心側高壁部20は、2つの欠落部の間に形成されて片持ち状となっており、下方側から上方へ突出すると共に、上端側が自由端となっている。このことから、緩衝部材1が撓んで変形する際(詳しくは後述する)、中心側高壁部20が変形し易い構造となっている。
【0048】
この中心側高壁部20は、外側面と内側面の間に、天面と、天面の長手方向における両端部のそれぞれから下方へ延びる2つの側面を有している。
このとき、一方の側面は、下端側から天面側へ向かうにつれて徐々に高さが高くなる傾斜面となっている。そして、他方の側面は、下側部分が下端側から天面側へ向かうにつれて徐々に高さが高くなる傾斜面となっており、上側部分が水平面に対して略垂直となる面となっている。さらに、2つの側面のそれぞれと天面の境界となる角部分が丸みを帯びた形状となっている。つまり、天面と2つの側面が山なりに連続する面となっている。
【0049】
そして、中心側高壁部20の天面は、中心側高壁部20の上端に位置する部分であり、端部側高壁部21の上端部分よりも高位置に位置し、第1短辺側立壁部15aのうちで最も高位置に位置する部分となっている。
さらに、この中心側高壁部20の天面は、長辺側立壁部16(
図2等参照)の上端部分よりも高位置に配されている。つまり、短辺側立壁部15は、長辺側立壁部16よりも最大高さが高い壁状部分となっている。
【0050】
端部側高壁部21は、第1短辺側立壁部15aの厚さ方向からみたとき、縦長長方形状となる部分であり、隣接する部分よりも上方に延びた部分である。
なお、この端部側高壁部21の上端部分は、長辺側立壁部16(
図2等参照)の上端部分と略同一の高さとなっている。
【0051】
また、低壁部23のうち、中心側高壁部20と端部側高壁部21の間に位置する低壁部23aの上端面は、中心側高壁部20の側面と連続する比較的高さの低い部分と、端部側高壁部21の側面と連続する比較的高さの高い部分とを有している。そして、これらがなだらかな段差を介して連続した状態となっている。
また、この低壁部23aのうちで比較的高さの低い部分は、もう一方の低壁部23bよりも高さが低くなっている。
【0052】
図2等で示されるように、2つの長辺側立壁部16の一方である第1長辺側立壁部16aは、底板部10の一方の長辺近傍から上方へ突出する壁状部分である。また、他方である第2長辺側立壁部16bは、底板部10の他方の長辺近傍から上方へ突出し、同長辺の長手方向に沿って延びた立壁状部分となっている。
【0053】
第1長辺側立壁部16aは、
図5(a)で示されるように、底板部10の長手方向で間隔を空けて並列配置される3つの小壁部28によって構成された壁状部分である。つまり、第1長辺側立壁部16aは、底板部10の長手方向に沿って断続しつつ延びる壁状部分でもある。
【0054】
3つの小壁部28は、いずれも厚さ方向が同方向となる壁状部分であり、厚さ方向からみたとき、略四角形状、又は上側の角部分を切り落とした略四角形状となっている。これらはいずれも天面の高さが同一の高さとなっている。
【0055】
3つの小壁部28のうち、一の小壁部28aは、底板部10の長辺の長手方向(3つの小壁部28の並列方向であり、第1長辺側立壁部16aの全体の延び方向)で中心近傍となる位置から、上方に突出している。また、この一の小壁部28aよりも同長辺の長手方向で片側端部よりとなる位置から、他の小壁部28bが上方に突出しており、他方側端部よりとなる位置から、別の他の小壁部28cが上方に突出している。
【0056】
そして、中心近傍に位置する一の小壁部28aと、他の小壁部28b,28cのそれぞれとの間が壁面欠落部29となっている。この壁面欠落部29は、底板部10の一方の長辺近傍において、第1長辺側立壁部16aが形成されない部分である。言い換えると、底板部10の上面と同一となる高さから、小壁部28aの天面と同一となる高さまでの間に形成される部分となっている。
さらに、底板部10の長辺の長手方向で片側端部よりに位置する一の小壁部28bと、底板部10の長手方向における片側端部の間と、他方側端部よりに位置する一の小壁部28cと、他方側端部の間にもまた壁面欠落部29が形成されている。
【0057】
これらのことから、第1長辺側立壁部16aは、底板部10の一方の長辺近傍のうち、長辺の端部側近傍となる位置が欠落した壁状部分となっている。言い換えると、第1長辺側立壁部16aは、底板部10の一方の長辺近傍において、長辺の長手方向における片側端部からやや中央側に離れた位置から、他方端部からやや中央側に離れた位置までの間で延びる壁状部分となっている。
なお、それぞれの壁面欠落部29は、緩衝部材1をプラスチックコンテナ2に挿入するとき、長辺側立壁部16の外側面とプラスチックコンテナ2の内壁面の間から空気が抜けるための孔としても機能する。このことにおいても、本実施形態の緩衝部材1は、プラスチックコンテナ2に挿入し易い構造となっている。
【0058】
第2長辺側立壁部16bは、
図5(b)で示されるように、底板部10の他方の長辺近傍において、長辺の延び方向(底板部10の長手方向)で延びる立壁状部分の上端側を適宜欠落させ、上端面に凹凸を形成した壁状部分となっている。
すなわち、この第2長辺側立壁部16bは、底板部10の長辺近傍となる縁部分において、底板部10の長手方向における片側端部側から他方側端部までの間で延びる壁状部分となっており、上側部分を厚さ方向からみた形状が櫛歯状となっている。
【0059】
つまり、第2長辺側立壁部16bの上側部分には、底板部10の長手方向で間隔を空けて並列した状態となるように、複数(本実施形態では4つ)の壁面欠落部30が形成されている。それぞれの壁面欠落部30は、いずれも厚さ方向からみた形状が略四角形状であり、第2長辺側立壁部16bの上端から下方側へ延びた状態となっている。より詳細には、第2長辺側立壁部16bの上端から段差部33(境界部及び段部であり、詳しくは後述する)のやや上方までの間で延びた状態となっている。
なお、これらの壁面欠落部30もまた、緩衝部材1をプラスチックコンテナ2に挿入するとき、長辺側立壁部16の外側面とプラスチックコンテナ2の内壁面の間から空気が抜けるための孔として機能する。
【0060】
ここで、第2長辺側立壁部16bでは、底板部10の長手方向における端部近傍となる位置に壁面欠落部30が形成されない構造となっている。すなわち、いずれの壁面欠落部30も底板部10の長手方向における端部から中央側に離れた位置に形成されている。
【0061】
ここで、それぞれの立壁部分11の外側面には、
図3、
図4、
図5で示されるように、上側部分と下側部分の境界となる位置に段差部33が設けられている。
段差部33は、
図6で示されるように、丸みを帯びた曲面を有しており、この曲面が下方側に向かうにつれて徐々に内側へ向かう曲面となっている。
つまり、それぞれの立壁部分11では、上側部分の外側面が下側部分の外側面よりも外側に位置した状態となっている。換言すると、上側部分が下側部分よりも外側に張り出した状態となっている。
【0062】
さらに、それぞれの立壁部分11における外側面の全体形状は、概形が、下側に向かうに従って内側へと向かうように傾斜する傾斜面となっている。より詳細に説明すると、立壁部分11の上側部分と下側部分のそれぞれの外側面は、上端部分が下端部分よりも外側に位置し、下方に向かうにつれて内側へと向かっていく傾斜面となっている。そして、2つの傾斜面の間に微細な段差を形成する段差部33が位置している。
なお、特に限定されるものではないが、立壁部分11の外側面の最も外側に位置する部分から段差部33の最も内側となる部分までの水平方向の長さLαは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上5mm以下程度であることがさらに好ましい。
また、特に限定されるものでないが、段差部33における下端部分の高さは、立壁部分11の上下方向における最大高さの20パーセント以上40パーセント以下であることが好ましく、30パーセント程度であることが好ましい。本実施形態では、この高さを30パーセント程度とし、立壁部分11の下端から段差部33の下端までの上下方向の長さLβを40mmとしている。
ここでいう「程度」とは、数パーセントの誤差を許容するものとし、以下の「程度」についても同様である。
【0063】
ところで、
図2、
図5(b)で示されるように、立壁部分11のうち、第2長辺側立壁部16bと2つの短辺側立壁部15とは、底板部10の縁端部分に沿って屈曲しつつ連続する壁面を形成している。
対して、
図2等で示されるように、第1長辺側立壁部16aは、短辺側立壁部15と隣接する位置が欠落した壁状部分、すなわち、短辺側立壁部15と隣接する位置に小壁部28が形成されていない壁状部分となっている。このため、第1長辺側立壁部16aは、他の立壁部分11とは不連続な立壁部分11となっている。
【0064】
つまり、
図2等で示されるように、第2長辺側立壁部16bと短辺側立壁部15は、これらの境界に位置する角部分を介して連続している。この第2長辺側立壁部16bと短辺側立壁部15が連続する角部分は、丸みを帯びた形状となっている。
したがって、第2長辺側立壁部16bの外画面と短辺側立壁部15の外側面の上側部分同士、下側部分同士は、角部分の曲面を介して連続した状態となっている。そして、第2長辺側立壁部16bと短辺側立壁部15のそれぞれの段差部33もまた、角部分に形成された段差部33を経て連続している。すなわち、この角部分に形成された段差部33は、平面視したとき(上方からみたとき)に円弧状に延びている。つまり、上記した段差部33の曲面(下方側に向かうにつれて内側へ向かう曲面であり、
図6参照)は、角部分にも形成されており、この角部分では平面視で円弧を描くように延びている。
【0065】
そして、
図6で示されるように、底板部10でもまた、底面と側面との境界部分が丸みを帯びた形状となっている。すなわち、底面と側面の間に丸みを帯びた曲面が形成されており、この曲面が下方側に向かうにつれて徐々に内側へ向かう曲面となっている。
さらに、底板部10は、
図7で示されるように、平面視したときに四隅に位置する角部分が丸みを帯びた形状となっている。
このことから、上記した底板部10の曲面(底面と側面の間に位置する曲面)もまた、角部分において、平面視で円弧を描くように延びている。
【0066】
また、
図2等で示されるように、第1長辺側立壁部16a(小壁部28)の適宜な部分の内側面と、第2長辺側立壁部16bの適宜な部分の内側面の間に仕切り壁部12が形成されている。本実施形態では、複数(3つ)の仕切り壁部12が形成されており、これらが底板部10の長手方向で間隔を空けて並列した状態となっている。
【0067】
それぞれの仕切り壁部12は、いずれも一端側が第1長辺側立壁部16a(小壁部28)の内側面と一体に連続しており、他端側が第2長辺側立壁部16bの内側面と一体に連続している。そして、それぞれの仕切り壁部12は、いずれも短辺側立壁部15と互いに平行となるように、短辺側立壁部15の延び方向(底板部10の短手方向)と同方向に延びる壁状部分となっている。
【0068】
ここで、仕切り壁部12のうち、一の仕切り壁部12aは、底板部10の長手方向における中心近傍で延びる壁状部分となっており、言い換えると、底板部10の中心部分の上側を通過しつつ延びる壁状部分である。
この一の仕切り壁部12aは、他の仕切り壁部12よりも厚さの厚い(底板部10の長手方向における長さが長い)壁状部分となっている。
【0069】
ここで、第1短辺側立壁部15aと仕切り壁部12の間、2つの仕切り壁部12の間、第2短辺側立壁部15bと仕切り壁部12の間には、物品配置空間13が形成されている。
【0070】
具体的には、物品配置空間13は、底板部10の上側に形成される空間であり、底板部10の長手方向における一方端側と他方端側のそれぞれに短辺側立壁部15又は仕切り壁部12が位置している。さらに、底板部10の短手方向における一方端側に第1長辺側立壁部16aの一部が位置し、他方端側に第2長辺側立壁部16bが位置している。
つまり、物品配置空間13は、短辺側立壁部15と仕切り壁部12の間であって2つの長辺側立壁部16の間に位置する空間、又は、2つの仕切り壁部12の間であって2つの長辺側立壁部16の間に位置する空間である。このことから、それぞれの物品配置空間13は、底板部10の短手方向に延びる略直方体状の空間であるといえる。
【0071】
ここで、物品配置空間13の底部分となる底板部10の上面の一部には、
図8で示されるように、周囲の部分から上方に隆起する隆起部38(隆起)が形成されている。
この隆起部38は、畝状に盛り上がった部分であり、短辺側立壁部15及び仕切り壁部12の延び方向(底板部10の短手方向)と同方向に延びている。そして、その上端部分が仕切り壁部12、短辺側立壁部15、長辺側立壁部16の上端部分よりも低位置に位置している。
より具体的には、隆起部38は、天面と、天面の縁端から下方側に垂下される側壁部分とを有する形状となっており、隆起部38の天面と周囲の部分とが段差を介して連続している。
本実施形態では、それぞれの物品配置空間13に一つずつ隆起部38が設けられている。
【0072】
また、本実施形態では、
図9で示されるように、緩衝部材1を短手方向で離れた位置からみた平面視において、第1長辺側立壁部16aの壁面欠落部29の一部と、第2長辺側立壁部16bの壁面欠落部30の一部とが重なる構造となっている。
つまり、2つの壁面欠落部29,30を底板部10の短手方向と直交する仮想面に投影すると、一方の壁面欠落部29を投影した領域と、他方の壁面欠落部30を投影した領域とが重なる重複部分である連通領域40が形成される。
言い換えると、緩衝部材1には、底板部10の短手方向の両端側で少なくとも一部同士が離間対向する欠落部分(壁面欠落部29,30)を有する構造となっている。
【0073】
プラスチックコンテナ2は、
図2で示されるように、上方が開放された有底箱状の部材であり、外箱底板部50と、外箱底板部50の周縁部分から上方に突出して四角環状に連続する外箱立壁部51とを有する構造となっている。
このプラスチックコンテナ2及びその外箱底板部50は、平面視した形状が略長方形状であって、2つの長辺と2つの短辺とを備えた構造となっている。
【0074】
外箱立壁部51は、外箱底板部50の短辺近傍から上方に突出する外箱短辺側壁部55と、長辺近傍から上方に突出する外箱長辺側壁部56とを備えた構造となっている。そして、4つの外箱立壁部51の内壁面は、外箱底板部50の上面と略直交する面となっている。
より詳細には、4つの外箱立壁部51のうち、2つの外箱短辺側壁部55が外箱底板部50の長手方向で離間対向しており、2つの外箱長辺側壁部56が外箱底板部50の短手方向で離間対向している。そして、4つの外箱立壁部51と外箱底板部50で囲まれた略直方体状となる空間が、緩衝部材1を収納するための内部空間58(収容空間)となっている。この内部空間58は、上側部分に開口面を有する空間となっている。
【0075】
ここで、上記したように、本実施形態の緩衝部材1は、プラスチックコンテナ2の内部に収納して使用することを想定したものとなっている。
【0076】
緩衝部材1は、上記したように、立壁部分11の上側部分と下側部分の境界となる部分に段差部33が形成されている(
図6参照)。
したがって、
図10(a)で示されるように、緩衝部材1の最も下端側における長手方向の長さは、最も上端側における同方向の長さよりも短くなっている。さらに、
図10(b)で示されるように、緩衝部材1の最も下端側における短手方向の長さもまた、最も上端側における同方向の長さよりも短くなっている。そして、これらの下端側の長さは、プラスチックコンテナ2の内部空間58の同方向の長さよりも短くなっている。
【0077】
このことから、緩衝部材1の底面部分の面積は、内部空間58の開口面の面積よりも十分に小さくなっている。このことに加え、上記したように、底板部10の底面と側面の間に丸みを帯びた曲面が形成され(
図6、
図7参照)、緩衝部材1の底部分における縁端部分が丸みを帯びた形状となっている。これらのことから、緩衝部材1のプラスチックコンテナ2の内部空間58に挿入するとき、挿入し易いものとなっている。
【0078】
そして、
図10で示されるように、緩衝部材1がプラスチックコンテナ2の内部空間58に収納された状態では、立壁部分11の外側面の少なくとも一部と、外箱立壁部51の内側面の間に空隙60が形成されることとなる。
なお、特に限定されるものではないが、空隙60のうち、短辺側立壁部15の上側部分における外側面と、外箱短辺側壁部55の内側面の間に形成される隙間は、水平方向の長さが0mm以上2mm以下であることが好ましい。より好ましくは1mm程度である。
対して、短辺側立壁部15の下側部分における外側面と、外箱短辺側壁部55の内側面の間に形成される隙間は、水平方向の長さが1.3mm以上5mm以下であることが好ましく、より好ましくは2mm程度である。
【0079】
また、特に限定されるものではないが、空隙60のうち、長辺側立壁部16の上側部分における外側面と、外箱長辺側壁部56の内側面の間に形成される隙間は、水平方向の長さが0mm以上2mm以下であることが好ましい。より好ましくは1mm程度である。
対して、長辺側立壁部16の下側部分における外側面と、外箱長辺側壁部56の内側面の間に形成される隙間は、水平方向の長さが1mm以上4mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm程度である。
【0080】
なお、本実施形態では、
図11で示されるように、緩衝部材1の長手方向の最大長さL1が、内部空間58の長手方向の最大長さL2よりも短くなっている。そして、緩衝部材1の短手方向の最大長さL3もまた、内部空間58の短手方向の最大長さL4よりも短くなっている。
ここで、緩衝部材1を内部空間58に収納し、緩衝部材1の長手方向の中心となる部分であって短手方向の中心となる部分と、内部空間58の長手方向の中心となる部分であって短手方向の中心となる部分とを上下方向で重ねて配置した状態とする。このとき、2つの短辺側立壁部15の外側部分の全域と、外箱短辺側壁部55の内側面の間に空隙60が形成された状態となる。また、2つの長辺側立壁部16の外側部分の全域と外箱長辺側壁部56の間に空隙60が形成された状態となる。すなわち、平面視において、緩衝部材1の外側を取り囲むように一連の空隙60が形成された状態となる。
【0081】
このように空隙60が形成される構造によると、緩衝部材1を内部空間58に収納しやすく、また、緩衝部材1を内部空間58に挿入したとき、底板部10と外箱底板部50の間から押し出される空気の流路として空隙60が機能する。
すなわち、底板部10と外箱底板部50とが上下方向で離間対向した状態において、底板部10と外箱底板部50の間に形成される空間から、プラスチックコンテナ2の上側まで連なる一連の流路が形成される。そして、このような流路が緩衝部材1の外側の広範囲に亘って形成されることにより、緩衝部材1の内部空間58への挿入が容易となる。
【0082】
なお、上記したように、壁面欠落部29、壁面欠落部30もまた、緩衝部材1の外壁面とプラスチックコンテナ2の内壁面の間から空気が抜けるための孔として機能する。
すなわち、空隙60と隣接する位置にこれら壁面欠落部29、壁面欠落部30が位置しており、空隙60と連なる流路を形成する。つまり、空隙60から壁面欠落部29、壁面欠落部30を通過し、物品配置空間13を経てプラスチックコンテナ2の上側まで連なる流路(分岐流路)が形成されることとなる。同様に、中心側高壁部20と隣接する位置に形成される欠落部もまた、空気が抜けるための孔として機能する。
このことから、壁面欠落部29、壁面欠落部30、中心側高壁部20と隣接する欠落部を形成しない構成に比べ、より空気が抜けやすくなるため、好ましい。
【0083】
また、緩衝部材1の内部空間58への挿入時に空気が抜けるための孔を形成する構造としては、本実施形態の構造の他、底板部10に貫通孔を形成する構造が考えられる。すなわち、緩衝部材1に底板部10を上下方向に貫通する貫通孔を設ける構造である。
しかしながら、このような構造では、内部空間58に溜まった塵や埃等が形成した貫通孔から物品配置空間13に侵入し、緩衝部材1に嵌め込まれる物品(図示しない)に付着してしまうおそれがある。したがって、本実施形態では、底板部10にこのような貫通孔を形成しない構造としている。
【0084】
さらに、特に限定されるものではないが、空隙60のうち、緩衝部材1の下側角部分と、プラスチックコンテナ2の下側角部分の間に形成される隙間は、これらの角部分同士の間の長さLγが1.5mm以上4.5mm程度であることが好ましい。さらに好ましくは、3.1mm以上3.5mm程度となることである。
なお、ここでいう緩衝部材1の角部分とは、緩衝部材1を底板部10の縁端部分の延び方向と垂直となる面で切断した断面において、底板部10の下側に形成される曲面の中点とする。すなわち、底板部10の側面と底面の間に形成される曲面の上端側(側面との境界となる部分)を始点とし、曲面の下端側(底面との境界となる部分)を終点としたときの中点とする。また、プラスチックコンテナ2の角部分とは、外箱立壁部51と外箱底板部50の境界となる部分とする。そして、角部分同士の間の長さとは、一方の角部分における一点と、この点と最も近接する他方の角部分における一点の間の距離とする。
さらに詳細には、緩衝部材1の短手方向における下側端部での角部分同士の間の長さをLγ1とし、長手方向における下側端部での角部分同士の間の長さをLγ2としたとき、Lγ1≦Lγ2であることが好ましく、Lγ1<Lγ2であることがさらに好ましい。
【0085】
また、緩衝部材1は、上記した形状であるため、
図12(c)で示されるように、2つの短辺側立壁部15の上端側部分同士が互いに離れるように撓むことが可能となっている。言い換えると、底板部10が、上方に凸であり、底板部10の長手方向における中心近傍となる部分を頂点した山なりとなるように、撓むことが可能となっている。
このことから、緩衝部材1は、プラスチックコンテナ2の内部空間58から不意に引き抜かれ難い構造となっている。
以下、緩衝部材1が内部空間58に通常に挿入された状態から、緩衝部材1に引き抜き方向の力が加わり、変形していく様子について詳細に説明する。
【0086】
まず、緩衝部材1が通常に挿入された状態では、
図12(a)で示されるように、緩衝部材1の底面が外箱底板部50の上面と接触した状態となっている。
ここで、緩衝部材1の底面を形成する底板部10の下面は、上記したように、実質的に面一となる平面を形成しているので、外箱底板部50の上面と広範囲に亘って面接触した状態となっている。
このような構造とすると、緩衝部材1の内部空間58への挿入時に、緩衝部材1を強く押し込むことで、底板部10と外箱底板部50の間の空気が押し出され、これらが広範囲で密着し、互いに離れにくい状態となる。この点においても、本実施形態の緩衝部材1は、プラスチックコンテナ2から不意に外れにくい構造となっている。
【0087】
そして、ロボットアームが物品配置空間13から嵌め込まれた物品(図示しない)を取り出そうとしたとき、強固に嵌り込んだ物品を介して緩衝部材1に引き抜き方向に力が加わると、短辺側立壁部15の上側部分が外箱立壁部51の内壁と接触した状態となる。
【0088】
詳説すると、このような状況で緩衝部材1に力が加わるとき、ロボットアームが物品を保持する位置や、物品が収納されている位置が緩衝部材1の中心から離れた位置である等の理由により、通常、中心から端部側に偏った位置に力が加わることとなる。そして、このことから、緩衝部材1が全体でわずかに傾いた状態となる(
図12(b)参照)。
ここで、短辺側立壁部15の上側部分は、下側部分よりも外箱立壁部51の内壁に近接する位置に配され、微細な隙間を空けて近接している。したがって、緩衝部材1が傾くことで、いずれかの短辺側立壁部15の上側部分が外箱立壁部51の内壁と接触する。
【0089】
その状態でさらに引き抜き方向へと力が加わると、短辺側立壁部15の上側部分と外箱立壁部51の内壁の接触部分では、摩擦力が生じることとなる。すなわち、緩衝部材1の縁端側に引き抜きに抗する力が生じることとなる。
このことから、緩衝部材1の縁端側よりも、縁端側からより内側へ離れた位置が高位置へと移動し易い状態となり、緩衝部材1が変形し、撓んだ状態となる。
【0090】
すなわち、実質的に面一であった底板部10の底面が、縁端側が中心に比べて下方へ位置するように変形する。それに伴って、2つの短辺側立壁部15が互いに離れる方向へ広がるように撓んだ状態となる。そして、このように変形することで、短辺側立壁部15の外側面における上側部分が、外箱短辺側壁部55内側面に対して強く押し付けられた状態となる。このことにより、緩衝部材1が不意に引き抜かれ難い状態となる。
【0091】
なお、プラスチックコンテナ2で他の物品を運搬する場合のように、プラスチックコンテナ2から緩衝部材1を取り外す必要が生じた際には、作業者が緩衝部材1を手にもって小刻みに揺らしながら引き抜くことで簡単に取り外すことができる。
つまり、本実施形態の緩衝部材1は、ロボットアームによる物品取り出し時等に誤って箱外へ取り出され難く、取り出しが必要となる場合には、手作業で簡単に取り外しが可能なものとなっている。
【0092】
上記した実施形態の緩衝部材1では、立壁部分11の上側部分の外側面と下側部分の外側面をそれぞれ傾斜面とし、これらが段差部33を介して連続する構造としたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、
図13で示されるように、立壁部分111の上側部分及び下側部分の外側面を水平面に対して略垂直な面とし、且つ、これらが段差なく広がりをもって連続する面とした上で、上側部分にのみ複数の突起部118を形成した緩衝部材101としてもよい。
【0093】
突起部118は、
図13で示されるように、立壁部分111の延び方向に沿って延びる長尺状の突起であってもよい。また、複数の長尺状の突起を所定の間隔を空けて並列配置してもよい。
この他、上側部分の外側面に対し、上下方向や、上下方向及び立壁部分111の延び方向と交差する方向に延びる長尺状の突起(図示しない)を形成してもよい。また、長尺状の突起ではなく、半球状や略直方体状となる小片状の突起を複数設け(図示しない)、これらを行列状に配してもよい。また、このような複数の小突起を形成する場合には、行列状ではなく、所定の範囲内に所定の数だけ不規則に配置してもよい。
すなわち、立壁部分111の外側面を外箱短辺側壁部55の内側面に対して内側から押し付け、そのまま引き抜き方向へ力を加えたとき、立壁部分111の外側面における所定領域(上側部分)と他の領域(下側部分)で引き抜き抵抗力が異なる構造であればよい。
【0094】
上記した小突起を複数設ける構造としては、
図14で示されるように、立壁部分211における上側部分の外側面に対し、複数の小突起によって構成される突起群218を設ける構造の緩衝部材201が考えられる。
この突起群218に属するそれぞれの小突起は、いずれも断面形状が略三角形状であり、立壁部分211の延び方向に沿って延びている。このとき、それぞれの小突起では、上端側が最も外側まで突出しており、下面が下方に向かうに従って内側へ向かう傾斜面となっている。そして、上側に位置する小突起の下方に隣接する位置に、他の小突起が位置しており、上側に位置する小突起の下端部分(傾斜面の下端部分)と、その下方に位置する小突起の上面における内側端部とが連続した状態となっている。
【0095】
また、
図15で示されるように、立壁部分311の上側部分及び下側部分を段差なく連続する一つの面とし、全体で、下方に向かうに従って内側へ向かう傾斜面としてもよい。
このような構造の緩衝部材301においても、立壁部分311の外側面を外箱短辺側壁部55の内側面に対して内側から押し付け、引き抜き方向へ力を加えたとき、立壁部分311の外側面における上側部分と下側部分とで引き抜き抵抗力が異なる構造となる。
【0096】
上記した実施形態の梱包容器3では、4つの立壁部分11のそれぞれの全域と外箱立壁部51の内側面の間に空隙60を形成した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、
図16で示されるように、立壁部分11の一部(
図16では上端近傍となる部分)と外箱立壁部51の内側面とが接触し、他部と外箱立壁部51の内側面の間に空隙60が形成される梱包容器403であってもよい。この場合、壁面欠落部29、壁面欠落部30や中心側高壁部20と隣接する欠落部が、緩衝部材401の挿入時に空気が抜けるための孔として機能するため、緩衝部材401の挿入が容易となる。
すなわち、上記の実施形態のように緩衝部材401の中心部分と、プラスチックコンテナ2の中心部分とを重ねて配置した状態としたとき、少なくとも一つ(
図16では4つ)の立壁部分11の一部が、外箱立壁部51の内側面と接触する構造であってもよい。
しかしながら、緩衝部材1の挿入時により空気を抜けやすくするという観点から、1以上の立壁部分11の全域と外箱立壁部51の内側面の間に空隙60が形成されることが好ましい。そして、上記した実施形態のように、全ての立壁部分11の全域と外箱立壁部51の間に空隙60が形成されることがさらに好ましい。
【0097】
上記した実施形態の緩衝部材1では、立壁部分11に形成する境界部として、段部(段差部33)を形成する例を示したが、立壁部分11の外側面を複数の面(上側部分と下側部分)に区画する境界部は、これに限るものではない。
例えば、
図17で示されるように、上側に位置する垂直面(水平面に対して垂直となる面)と、その下側に隣接する傾斜面の境に位置する屈曲部533を境界部としてもよい。この屈曲部533は、上側の面の下端側の一辺となる部分であり、下側の面の上端側の一辺となる部分である。
【0098】
なお、このような構造とする場合、特に限定されるものではないが、屈曲部533の張り出し長さL5は、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上5mm以下程度であることがさらに好ましい。
なお、この張り出し長さL5は、
図17で示されるように、緩衝部材501の下面を含んで広がる水平面のうち、屈曲部533の直下に位置する部分から、屈曲部533の下側に隣接する傾斜面を含んで広がる仮想面と交わる部分までの水平方向における距離である。
また、屈曲部533の高さL6(立壁部分11の下端から屈曲部533までの上下方向の長さ)は、立壁部分511の上下方向における最大高さの50パーセント以上90パーセント以下であることが好ましく、80パーセント程度であることが好ましい。
【0099】
なお、このとき、
図18で示されるように、屈曲部533の上側に隣接する面が傾斜面であってもかまわない。すなわち、屈曲部533の上側に隣接する面と下側に隣接する面の双方が傾斜面であってもかまわない。
このように、屈曲部533の上側に隣接する面と下側に隣接する面の双方を傾斜面した場合には、屈曲部533の高さL7が下記の条件を満たすように形成することが好ましい。すなわち、屈曲部533の高さL7は、立壁部分511の上下方向における最大高さの20パーセント以上40パーセント以下であることが好ましく、30パーセント程度であることが好ましい。
また、
図19で示されるように、段差部633(境界部、段部)の上側に隣接する面と、下側に隣接する面の双方が垂直面であってもかまわない。このとき、2面の間に位置する段差部633が形成する面は、水平面と平行な面であってもよい。すなわち、上記した段差部33のように曲面でなくてもよい。
【0100】
すなわち、境界部と隣接する面の少なくとも一方は、垂直面、傾斜面等の平面や、曲面(湾曲面)のいずれでもよく、その表面に微細な凹凸(図示しない)が形成されていてもよい。
段差部が形成する面もまた、傾斜面等の平面や、曲面(湾曲面)のいずれでもよく、例えば、内側に窪んだ窪み部分であってもかまわない。
【0101】
また、
図20で示されるように、1つの立壁部分711に複数の境界部を形成しても構わない。すなわち、立壁部分711の上方に位置する境界部として屈曲部733aを形成し、下方に位置する境界部として段差部733bを形成してもよい。このとき、3以上の境界部を形成してもかまわない。そして、複数の境界部のそれぞれは、異なる形状のものであってもよく、同一の形状のものであってもよい。
【0102】
上記のように、本実施形態の緩衝部材(緩衝部材1,101,201,301,401,501)に形成される一又は複数の境界部は、いずれも緩衝部材の底面と側面との境界部分及びその近傍(周辺領域)とは異なる位置に形成されている。つまり、上記したような、底面と側面の間に位置する丸みを帯びた角部分とは別体である。同様に、底面と側面の間に位置する部分を、角部分を切り落としたような形状としたものとも別体である。
さらに具体的には、緩衝部材の立壁部分に形成される境界部の高さ(複数形成される場合は最も低位置に形成される境界部の高さ)は、この境界部が形成される立壁部分の上下方向における最大高さの15パーセント以上となっている。なお、より好ましくは、この境界部の高さが、境界部が形成される立壁部分の上下方向における最大高さの30パーセント以上となっている。