(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オイルミストセパレータは、前記エアドライヤ及び前記コンプレッサの間に複数設けられ、前記コンプレッサに最も近いオイルミストセパレータのドレン排出口に前記接続部の前記第1の入口が接続される請求項3又は4に記載の圧縮空気乾燥システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、最近では、圧縮乾燥空気内の油分含有率を低減することを目的として、エアドライヤの他に、圧縮空気にオイルミストとして含まれる油分を捕捉するオイルミストセパレータを搭載したシステムも提案されている。このオイルミストセパレータもまた、捕捉した油分を含むドレン液を排出するよう動作する。
【0006】
しかし、従来のオイルミストセパレータ及びエアドライヤの両方を搭載したシステムにあっては、オイルミストセパレータから排出されたドレン液を捕集する装置がなく、この点について改良が求められている。
【0007】
本発明の目的は、オイルミストセパレータ及びエアドライヤの両方から排出されるドレン液を捕集す
ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する圧縮空気乾燥システムは、コンプレッサから送出される圧縮空気に含まれる油分及び水分を除去するための圧縮空気乾燥システムにおいて、乾燥剤と、当該乾燥剤の再生によって生じるドレン液を排出するためのドレン排出口とを有するエアドライヤと、圧縮空気にオイルミストとして含まれる油分を捕捉するための捕捉部と、捕捉した油分を含むドレン液を排出するためのドレン排出口とを有し、前記コンプレッサと前記エアドライヤとの間の流路に設けられるオイルミストセパレータと、前記エアドライヤから排出されたドレン液、及び前記オイルミストセパレータから排出されたドレン液を貯留するためのドレン貯留部と、を備え、前記エアドライヤのドレン排出口及び前記オイルミストセパレータのドレン排出口は前記ドレン貯留部に接続される。
【0009】
上記構成によれば、オイルミストセパレータのドレン排出口は、ドレン貯留部に接続されるので、エアドライヤから排出されるドレン液だけでなく、オイルミストセパレータから排出されるドレン液をドレン貯留部によって捕集することが可能となる。
【0010】
この圧縮空気乾燥システムについて、前記エアドライヤから排出されたドレン液、及び前記オイルミストセパレータから排出されたドレン液を前記ドレン貯留部に排出するための排出路と、前記エアドライヤのドレン排出口及び前記オイルミストセパレータのドレン排出口を前記排出路に接続する接続部と、を備えることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、オイルミストセパレータのドレン排出口は、接続部及び排出路を介してドレン貯留部に接続されるので、オイルミストセパレータから排出されるドレン液をドレン貯留部によって捕集することが可能となる。また、オイルミストセパレータ及びエアドライヤは、排出路を共有しているので、圧縮空気乾燥システムが占有するスペースを縮小することができる。
【0012】
この圧縮空気乾燥システムについて、前記エアドライヤのドレン排出口には、当該エアドライヤから排出されたドレン液を下流に排出するための上流側排出路が接続され、前記接続部は、前記オイルミストセパレータの排出口に接続される第1の入口と、前記上流側排出路に接続される第2の入口と、前記排出路に接続される出口と、を有することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、オイルミストセパレータの排出口に接続部の第1の入口が直接接続されるので、例えば、オイルミストセパレータに接続された上流側排出路と、エアドライヤに接続された上流側排出路とを、接続部によって接続する場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。
【0014】
この圧縮空気乾燥システムについて、前記接続部の前記第1の入口及び前記出口は、直線状の流路によって接続されることが好ましい。
上記構成によれば、オイルミストセパレータの排出口に接続される接続部の第1の入口と出口とは直線状の流路によって接続されるので、パージボリュームの少ないオイルミストセパレータがドレン液を排出するときの圧力損失を小さくし、ドレン液を優先的に排出させることができる。
【0015】
この圧縮空気乾燥システムについて、前記オイルミストセパレータは、前記エアドライヤ及び前記コンプレッサの間に複数設けられ、前記コンプレッサに最も近いオイルミストセパレータのドレン排出口に前記接続部の前記第1の入口が接続されることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、コンプレッサに最も近いオイルミストセパレータがドレン液を排出するときの圧力損失を小さくすることで、他のオイルミストセパレータやエアドライヤの圧力損失も低減することができる。
【0017】
この圧縮空気乾燥システムについて、前記エアドライヤは、空気圧信号を供給路に出力する調圧器と、当該空気圧信号によって開くドレンバルブ装置とを備え、前記オイルミストセパレータは、前記調圧器から出力された空気圧信号によって開くドレンバルブ装置を備え、前記エアドライヤのドレンバルブ装置は、前記オイルミストセパレータのドレンバルブ装置に前記供給路を介して接続されており、前記オイルミストセパレータのドレンバルブ装置及び前記エアドライヤのドレンバルブ装置のいずれか一方が他方に先行して開弁することが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、エアドライヤのドレンバルブ装置と、オイルミストセパレータのドレンバルブ装置とを、エアドライヤの調圧器から出力された空気圧信号によって開くことが可能となる。この際、各ドレンバルブ装置のいずれか一方が、他方に先行してドレン液を排出するので、ドレン液を排出する流路内の流体が下流に引き込まれることにより、前記一方が先行して開く場合であっても、前記他方からもドレン液が排出されやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オイルミストセパレータ及びエアドライヤの両方から排出されるドレン液を捕集することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、圧縮空気乾燥システムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、圧縮空気乾燥システムを、車両に搭載されるシステムに具体化して説明する。
図1に示すように、圧縮空気乾燥システムは、オイルミストセパレータ11、エアドライヤ12、及びドレン貯留部に相当するオイルセパレータ40を備えている。オイルミストセパレータ11は、入口11bと出口11cとを備える。入口11bは、コンプレッサ15の圧縮空気の送出口に接続されている。また、出口11cは、流路13を介してエアドライヤ12の入口12bに接続されている。オイルミストセパレータ11は、圧縮空気からオイルミストを除去し、このオイルミストを、出口11cを介して送出する。さらに、エアドライヤ12の出口12cは、エアタンク16に接続されている。エアドライヤ12は、出口12cを介して圧縮乾燥空気を送出する。エアタンク16は、圧縮乾燥空気を一時貯留し、エアサスペンションシステムやブレーキシステム等の負荷に圧縮乾燥空気を供給する。
【0022】
また、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12の間には、チェックバルブ14が設けられている。チェックバルブ14は、コンプレッサ15からエアタンク16へ向かう圧縮空気の流れに対して逆方向となる流れを規制する。即ち、チェックバルブ14は、エアドライヤ12内の圧縮空気が、エアドライヤ12からオイルミストセパレータ11に向かって逆流しようとする流れにより閉じる。
【0023】
エアドライヤ12は、水分を捕捉するための乾燥剤と、オイルミストを捕捉するためのフィルタとを有している。エアドライヤ12は、圧縮空気に含まれる水分と、圧縮空気内に残留する油分としてのオイルミストとを除去する。
【0024】
また、エアドライヤ12は、空気圧信号を信号供給路25に出力する調圧器としてのプレッシャガバナ20を備えている。このプレッシャガバナ20は、エアタンク16の圧力を検知し、エアタンク16の圧力がカットアウト設定値まで上昇すると、空気圧信号を出力する。さらにエアドライヤ12は、チェックバルブ23を内蔵している。このチェックバルブ23は、出口12cに設けられ、エアドライヤ12から圧縮乾燥空気を送出する通常時には開いている。
【0025】
またエアドライヤ12は、ドレン排出口12aを備えている。ドレン排出口12aはオイルセパレータ40に接続されており、それによって、ドレン排出口12aの圧力は大気圧である。このドレン排出口12aには、ドレンバルブ装置22が設けられている。ドレンバルブ装置22は、通常時には閉弁している。プレッシャガバナ20からの空気圧信号の出力によりドレンバルブ装置22の上流側の空気圧が所定の圧力を超えると、ドレンバルブ装置22は開く。コンプレッサ15からの圧縮空気の供給が停止され、ドレンバルブ装置22が開弁すると、ドレン排出口12aが開かれ、エアドライヤ12内の圧縮乾燥空気が、乾燥剤を逆流して、乾燥剤内の水分を乾燥剤の下流に排出し、乾燥剤を再生する。またオイルミストを捕捉するフィルタ内の油分も、フィルタの下流に排出される。水分及び油分を含むドレン液は、ドレン排出口12aからその下流へ排出される。
【0026】
また、エアタンク16の圧力がカットアウト設定値まで上昇すると、ドレンバルブ装置22の開弁により、エアタンク16内の圧縮乾燥空気がエアドライヤ12の出口に逆流しようとする。エアドライヤ12に内蔵されたチェックバルブ23は、この流れにより閉じる。
【0027】
オイルミストセパレータ11は、捕捉部としてのフィルタを有し、当該フィルタに圧縮空気を通過させることで、コンプレッサ15から送出される圧縮空気に含まれるオイルミストを捕捉する。
【0028】
また、オイルミストセパレータ11は、ドレン排出口11aを備えている。ドレン排出口11aは、オイルセパレータ40に接続されており、それによって、ドレン排出口11aの圧力は大気圧である。オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aには、ドレンバルブ装置21が設けられている。また、ドレンバルブ装置21には、圧力信号入力ポート11eが設けられている。この圧力信号入力ポート11eには、信号供給路25を通じて、プレッシャガバナ20が接続されている。プレッシャガバナ20から空気圧信号が出力されると、信号供給路25を通じて、圧力信号入力ポート11eに空気圧信号が入力される。圧力信号入力ポート11eに空気圧信号が入力されることによって、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21にも圧縮空気が供給される。ドレンバルブ装置21の上流側の圧力が、所定の圧力を超えると、ドレンバルブ装置21が開かれる。なお、圧力信号入力ポート11e及びこれに接続する管路は、便宜上、模式的に図示している。
【0029】
オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21が開かれると、オイルミストセパレータ11内の圧縮空気が、上記フィルタを逆流する。当該フィルタを逆流する圧縮空気は、フィルタに捕捉された油分をフィルタの下流に排出する。フィルタの下流に排出された油分は、ドレン排出口11aからドレン液として排出される。
【0030】
なお、本実施形態では、信号供給路25は、コンプレッサ15にも接続されている。コンプレッサ15は、空気圧信号が入力されると、圧縮空気を供給し続けるモードから、空転等により圧縮空気の供給を停止するモードに移行する。
【0031】
オイルセパレータ40は、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12から排出された圧縮空気に含まれるオイルを捕捉するための分離部としてのフィルタと、ドレン液を貯留するための貯留部と、当該フィルタを通過した圧縮空気を大気に放出するための放出口とを備える。フィルタを通過して浄化された圧縮空気は、大気に放出される。
【0032】
次に、オイルミストセパレータ11から排出されたドレン液及びエアドライヤ12から排出されたドレン液を、オイルセパレータ40に排出する流路の構造について説明する。オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aには、3つのポートを有する分岐管30が接続されている。また、エアドライヤ12のドレン排出口12aには、上流側排出路としてのL字状の連結管37を介して、上流側ホース31の一端が接続されている。上流側ホース31の他端は、分岐管30の一つのポートに接続されている。さらに、分岐管30の別のポートには、排出路としての共通ホース32が接続されている。共通ホース32は、分岐管30をオイルセパレータ40に接続する。すなわち、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12は、共通ホース32を共有している。分岐管30及び上流側ホース31は、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12を共通の排出路に接続する接続部を構成する。
【0033】
図2に示すように、この分岐管30は、T字状の管継手33と、上流側ホース31及び共通ホース32を接続するためのホース接続部34,35を有している。オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aと管継手33との間には、ドレン排出口11aに直接接続される連結部36が設けられている。連結部36の先端には雄螺子部36aが形成されている。この雄螺子部36aが、ドレン排出口11aの内側に形成された雌螺子部(図示略)に螺合することにより、分岐管30がオイルミストセパレータ11に吊り下げられる。分岐管30は、オイルミストセパレータ11に接続される第1の入口30aと、上流側ホース31の出口に接続される第2の入口30bと、共通ホース32の入口に接続される出口30cとを有する。
【0034】
オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aに接続される第1の入口30aと、出口30cとは、連結部36、管継手33、ホース接続部35からなる直線状の流路を介して接続されている。すなわち、分岐管30の第1の入口30aから出口30cまでの流路は直線状である。一方、エアドライヤ12のドレン排出口12aに接続される第2の入口30bと出口30cとは、屈曲した流路を介して接続されている。すなわち、第2の入口30bから出口30cまでの流路は屈曲している。さらに、オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aからオイルセパレータ40の入口までは、分岐管30、共通ホース32からなる流路によって接続されている。一方、エアドライヤ12のドレン排出口12aからオイルセパレータ40の入口までは、連結管37、上流側ホース31、分岐管30、共通ホース32からなる流路によって接続されている。即ち、オイルミストセパレータ11からオイルセパレータ40までの流路長は、エアドライヤ12からオイルセパレータ40までの流路長よりも短い。従って、オイルミストセパレータ11からドレン液を排出するときの圧力損失は、エアドライヤ12に比べ、小さくなっている。
【0035】
次に、圧縮空気乾燥システムの動作について説明する。圧縮空気からオイルミスト及び水分を除去するロード運転時には、コンプレッサ15から送られた圧縮空気は、オイルミストセパレータ11に流入し、上記フィルタを通過することによってオイルミストが捕捉される。オイルミストセパレータ11から送出された圧縮空気は、エアドライヤ12に流入する。圧縮空気がエアドライヤ12を通過することによって、水分、及び、圧縮空気中に残留するオイルミストが捕捉される。エアドライヤ12から送出された圧縮乾燥空気は、エアタンク16に貯留される。
【0036】
エアタンク16内の圧力がカットアウト設定値に到達すると、アンロード運転が行われる。アンロード運転では、プレッシャガバナ20が空気圧信号を出力する。本実施形態では、空気圧信号が出力されたとき、ドレンバルブ装置21,22のうち、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21が先に開く。例えば、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21の開弁圧が、エアドライヤ12のドレンバルブ装置22の開弁圧よりも低く設定されていることで、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21をドレンバルブ装置22よりも先に開弁させることができる。各ドレンバルブ装置21,22の開弁圧は、ドレンバルブ装置21,22を構成するばねの付勢力等によって調整可能である。
【0037】
ドレンバルブ装置21が開かれると、オイルミストセパレータ11内の圧縮空気は、フィルタを逆流して、フィルタ内の油分を、フィルタの下流に排出する。フィルタの下流に排出された油分等は、ドレン液としてドレン排出口11aから排出される。ドレン排出口11aから排出されたドレン液は、分岐管30を介して共通ホース32に流入し、オイルセパレータ40に排出される。
【0038】
このとき、上述したように、オイルミストセパレータ11からドレン液を排出するときの圧力損失は、エアドライヤ12がドレン液を排出するときの圧力損失に比べ、低減されている。このため、フィルタを圧縮空気が勢いよく流れ、オイルミストセパレータ11からの油分排出効率が高められる。
【0039】
エアドライヤ12では、空気圧信号によって、エアドライヤ12のドレンバルブ装置22が開かれる。すると、エアタンク16内の圧縮乾燥空気が逆流しようとする流れによって、エアドライヤ12に内蔵されたチェックバルブ23が閉じられる。その結果、エアドライヤ12内の圧縮空気が、乾燥剤、フィルタを逆流してドレン排出口12aから水分を含むドレン液が排出される。このとき既にオイルミストセパレータ11からドレン液が排出されているため、分岐管30及び上流側ホース31内では、流体が下流に引き込まれて、分岐管30及び上流側ホース31内は減圧されている。このため、エアドライヤ12からも、ドレン液が排出されやすい。エアドライヤ12から排出されたドレン液は、上流側ホース31を介して、分岐管30を通り、共通ホース32を通じて、オイルセパレータ40に捕集される。オイルセパレータ40に捕集されたドレン液は、上記分離部によって水分、油分等が、空気と分離される。
【0040】
そしてエアタンク16内の圧力がカットイン設定値に到達すると、プレッシャガバナ20は、空気圧信号の出力を停止する。その結果、ドレンバルブ装置21,22が閉じられるとともに、コンプレッサ15が稼動して、ロード運転に移行する。
【0041】
このように、パージボリュームの少ないオイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21が先に開弁して優先的にドレン液が排出されるため、オイルミストセパレータ11がドレン液を排出するときの圧力損失を抑えることができるとともに、ドレンバルブ装置22が後から開弁するエアドライヤ12におけるドレン液排出時の圧力損失も抑えられる。特にオイルミストセパレータ11のドレン排出口11aに分岐管30を接続する場合には、圧力損失を大きく低減させることができる。
【0042】
また、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12は、オイルセパレータ40及び共通ホース32を共有している。このため、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12に、個別にオイルセパレータ40を設ける構成に比べ、圧縮空気乾燥システムが占有するスペースを縮小することができる。従って、搭載スペースが限られる車両であっても、オイルミストセパレータ11のドレン液を捕集するオイルセパレータ40を設けることができる。さらに、分岐管30をオイルミストセパレータ11のドレン排出口11aに接続することで、例えばオイルミストセパレータ11のドレン排出口11aにホースを接続し、当該ホースと上流側ホース31とを連結する場合に比べ、部品点数を低減することができる。また分岐管30は、オイルミストセパレータ11に直接接続されることにより、オイルミストセパレータ11に吊り下げられる状態で固定されるため、分岐管30を車体に固定する構造も不要となる。
【0043】
また、上述した接続構造であれば、既に車両に搭載済みのオイルミストセパレータ11に対しても、オイルセパレータ40を簡単に接続することができる。オイルミストセパレータ11及びオイルセパレータ40を接続する際には、オイルミストセパレータ11に分岐管30を連結する。また、エアドライヤ12に接続された上流側ホース31又は別のホースを、オイルミストセパレータ11の分岐管30の第2の入口30bに接続し、分岐管30の出口30cをオイルセパレータ40に共通ホース32で接続する。従って、既存のオイルセパレータ40を有効利用することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aは、分岐管30及び共通ホース32を介してオイルセパレータ40に接続されるので、オイルミストセパレータ11から排出されるドレン液を捕集することが可能となる。また、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12は、共通ホース32及びオイルセパレータ40を共有しているので、圧縮空気乾燥システムが占有するスペースを縮小することができる。
【0045】
(2)オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aには、分岐管30の第1の入口30aが直接接続されるので、例えば、オイルミストセパレータ11に接続された上流側ホースと上流側ホース31とを分岐管で連結する場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。
【0046】
(3)分岐管30のうち、オイルミストセパレータ11が接続される第1の入口30aと出口30cとは、直線状の流路によって接続されるので、パージボリュームの少ないオイルミストセパレータ11がドレン液を排出するときの圧力損失を小さくし、ドレン液を優先的に排出させることができる。
【0047】
(4)エアドライヤ12のドレンバルブ装置22は、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21に、信号供給路25を介して接続されている。このため、各ドレンバルブ装置21,22を、プレッシャガバナ20から出力された空気圧信号によって開くことが可能となる。また、オイルミストセパレータ11の開弁圧は、エアドライヤ12の開弁圧よりも低いため、空気圧信号の出力によって、オイルミストセパレータ11が先行してドレン液を排出することにより、エアドライヤ12からもドレン液が排出されやすくなる。
【0048】
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・
図3に示すように、オイルミストセパレータ11及びエアドライヤ12と、オイルセパレータ40との接続構造を変更してもよい。即ち、接続構造は、オイルミストセパレータ11に接続される連結管44及び上流側ホース41、エアドライヤ12に接続される連結管37及び上流側ホース31、それらを接続するT字状の分岐管42、分岐管30の出口に接続される共通ホース43等から構成されてもよい。分岐管42は、車体に固定される。当該構成は、上記実施形態に比べ、部品点数が多いものの、オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aの下方のスペースが限られる場合には、当該構成の方がスペースについて有利な場合もある。
【0049】
図4に示すように、コンプレッサ15とエアタンク16との間に、2個のオイルミストセパレータ11A,11Bを接続してもよい。2個に限らず、複数のオイルミストセパレータ11を接続する場合、コンプレッサ15に最も近いオイルミストセパレータ11のドレン排出口11aに分岐管30の第1の入口30aを接続し、この分岐管30の出口とオイルセパレータ40とを共通ホース32で接続する。また、分岐管30の第2の入口30bと、下流側のオイルミストセパレータ11Bのドレン排出口11dとは、ホース51及びT字状の分岐管50で接続する。この分岐管50は車体に固定されるか、又は
図2のようにオイルミストセパレータ11Bに吊り下げられる。さらに下流側のオイルミストセパレータ11Bの排出口及びエアドライヤ12のドレン排出口12aは、分岐管50及びホース52で接続する。オイルセパレータ40までの流路長は、上流側のオイルミストセパレータ11A、下流側のオイルミストセパレータ11B、エアドライヤ12の順に長いため、ドレン液を排出するときの圧力損失は、その順に大きくなる。また、アンロード運転時には、上流側のオイルミストセパレータ11A、下流側のオイルミストセパレータ11B、エアドライヤ12の順にドレン液が排出される。このように、コンプレッサ15に最も近いオイルミストセパレータ11Aがドレン液を排出するときの圧力損失を小さくすることで、他のオイルミストセパレータ11Bやエアドライヤ12の圧力損失も低減することができる。また、分岐管30は、オイルミストセパレータ11Bのドレン排出口11dや、エアドライヤ12のドレン排出口12aに接続されていてもよい。
【0050】
・
図5に示すように、分岐管30をオイルセパレータ40付近に設けてもよい。例えば、オイルミストセパレータ11に接続された上流側ホース41を、連結管37を介して分岐管30に接続してもよい。また、エアドライヤ12に接続された上流側ホース31を、連結管37を介して分岐管30に接続してもよい。なお、
図5では信号供給路25等は図示を省略している。
【0051】
・エアドライヤ12は、オイルミストを捕捉するフィルタを備える構成としたが、オイルミストセパレータ11の捕捉性能等によっては、当該フィルタを省略した構成としてもよい。
【0052】
・エアドライヤ12は、チェックバルブ23を内蔵する構成としたが、エアドライヤ12の出口側に、アンロード運転の際に閉じる弁装置を設ければよく、上述した弁装置に限定されない。また、エアドライヤ12に内蔵されるチェックバルブ23は、エアドライヤ12の出口からエアタンク16の間に外付けで設けてもよい。
【0053】
・オイルミストセパレータ11とエアドライヤ12との間のチェックバルブ14は、オイルミストセパレータ11に内蔵されていてもよい。この場合、チェックバルブ14は、オイルミストセパレータ11の出口付近に設けられることが好ましい。
【0054】
・上記実施形態では、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21は、エアドライヤ12のプレッシャガバナ20からの空気圧信号により開く構成としたが、オイルミストセパレータ11に専用のプレッシャガバナを設けてもよい。
【0055】
・上記実施形態では、オイルミストセパレータ11のドレンバルブ装置21は、エアドライヤ12のドレンバルブ装置22よりも先に開く構成としたが、エアドライヤ12のドレンバルブ装置22が先行して開いてもよい。この場合、エアドライヤ12のドレン排出口12aに、分岐管30を接続し、オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aに上流側ホース31を接続する。
【0056】
・上記実施形態では、ドレン貯留部として、圧縮空気とドレン液とを分離するオイルセパレータ40を用いたが、ドレン液を路面に排出せずに貯留できる構成であれば、他の構成であってもよい。例えば、フィルタを備えず、単に共通ホース32から排出されるドレン液を貯留するタンクであってもよい。
【0057】
・上記実施形態では、エアドライヤ12のドレン排出口12a、オイルミストセパレータ11のドレン排出口11a、及び共通ホース32を接続する接続部を、上流側ホース31及び分岐管30から構成したが、同様の流路の構造を構成できれば、他の部材を用いてもよい。例えば、上流側ホース31に分岐管30が一体に成形されているものを使用してもよい。
【0058】
・
図6に示すように、オイルミストセパレータ11のドレン排出口11aとオイルセパレータ40の入口とをホース60により接続してもよい。また、エアドライヤ12のドレン排出口12aとオイルセパレータ40の別の入口とを、オイルミストセパレータ11に接続されるホース60とは別のホース61を介して接続してもよい。この態様であっても、エアドライヤ12だけでなく、オイルミストセパレータ11から排出されるドレン液をオイルセパレータ40によって捕集することが可能となる。
【0059】
・上記オイルミストセパレータは、オイルミストを捕捉するフィルタを設けた構成としたが、圧縮空気に対して、遠心分離、熱交換等の処理を行うことにより、オイルミストを分離する構成でもよい。そして、圧縮空気から分離した油分をドレン液として排出するドレン排出口に、分岐管30又は上流側ホース41を接続する。
【0060】
・上記圧縮空気乾燥システムを車両に搭載されるシステムに具体化して説明したが、圧縮空気供給システムは、船舶、航空機等といったエンジンを有する他の移動体に搭載されるシステムであってもよい。