特許第6876452号(P6876452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876452
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20210517BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210517BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B41J29/38 201
   B41J29/38 206
   G03G21/00 376
   G03G21/00 574
   G03G21/00 388
   H04N1/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-18982(P2017-18982)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2018-122579(P2018-122579A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2020年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西島 貴司
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−240097(JP,A)
【文献】 特開平05−297693(JP,A)
【文献】 特開2013−237205(JP,A)
【文献】 特開2009−218905(JP,A)
【文献】 特開2011−232662(JP,A)
【文献】 特開2011−073251(JP,A)
【文献】 米国特許第06227531(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のジョブによって画像形成されたシートとシートとの間に挿入されるバナーページの設定条件を表すバナーページ設定情報を取得するバナーページ制御部と、
前記バナーページ設定情報に基づいて、前記バナーページをプリンタ部に画像形成させるか否かを決定する画像形成制御部と、
前記画像形成制御部によってバナーページを画像形成すると決定された場合、消色現像剤により前記バナーページを画像形成するプリンタ部と、
を備え、
前記バナーページ設定情報は、外部から画像形成指示を受け付けるPRINT印刷と自装置である画像形成装置が備えるコントロールパネルから画像形成指示を受け付けるCOPY印刷とFAXを受信した際に実行されるFAX受信印刷とにおいて、それぞれバナーページを画像形成させるか否か決定する情報を含む、
画像形成装置。
【請求項2】
前記バナーページ設定情報は、前記バナーページに外枠を画像形成するか否か決定する情報を含む、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記バナーページ設定情報は、前記プリンタ部が複数部の同一画像データを画像形成する場合、画像データを一部画像形成する毎にバナーページを画像形成するか否か決定する情報を含む、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記バナーページ設定情報は、前記プリンタ部がバナーページを画像形成する場合、前記画像形成装置が備える複数のシート収容部のうち、いずれのシート収容部を選択するか否か決定する情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
異なるジョブによって画像形成されたシートとシートとの間に挿入されるバナーページの設定条件を表すバナーページ設定情報を取得するバナーページ制御ステップと、
前記バナーページ設定情報に基づいて、前記バナーページをプリンタ部に画像形成させるか否かを決定する画像形成制御ステップと、
前記画像形成制御ステップによってバナーページを画像形成すると決定された場合、消色現像剤により前記バナーページを画像形成するプリンタステップと、
を有し、
前記バナーページ設定情報は、外部から画像形成指示を受け付けるPRINT印刷と自装置である画像形成装置が備えるコントロールパネルから画像形成指示を受け付けるCOPY印刷とFAXを受信した際に実行されるFAX受信印刷とにおいて、それぞれバナーページを画像形成させるか否か決定する情報を含む、画像形成装置が実行する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成処理を行う際、各ジョブ又は各部の仕切りとして例えば各ジョブ又は各部の先頭にバナーページ又は表紙が挿入される場合がある。また、ユーザが仕切りと画像形成されたシートとを判別するために、バナーページにはユーザ名及びジョブ名等の所定の情報が画像形成される。しかしながら、バナーページにユーザ名及びジョブ名等の所定の情報が画像形成される場合、ユーザはバナーページを再利用することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−193429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、バナーページを再利用できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の画像形成装置は、バナーページ制御部と、画像形成制御部と、プリンタ部とを持つ。バナーページ制御部は、複数のジョブによって画像形成されたシートとシートとの間に挿入されるバナーページの設定条件を表すバナーページ設定情報を取得する。画像形成制御部は、前記バナーページ設定情報に基づいて、前記バナーページをプリンタ部に画像形成させるか否かを決定する。プリンタ部は、前記画像形成制御部によってバナーページを画像形成すると決定された場合、消色現像剤により前記バナーページを画像形成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の画像形成装置100の全体構成例を示す外観図。
図2】実施形態の画像形成装置100の構成を表す機能ブロック図。
図3】実施形態のバナーページの設定画面を表す図。
図4】実施形態の画像形成装置100がバナーページを挿入した場合の第1の具体例を表す図。
図5】実施形態の画像形成装置100がバナーページを挿入した場合の第2の具体例を表す図。
図6】実施形態の画像形成装置100による画像形成処理の流れを表すフローチャート。
図7】従来のバナーページなしで画像形成した際の一具体例を表す図。
図8】非消色トナーを用いてバナーページを画像形成した際の一具体例を表す図。
図9】表紙に色紙を用いて画像形成された際の一具体例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の画像形成装置及び画像形成方法を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の画像形成装置100の全体構成例を示す外観図である。画像形成装置100は、例えば複合機である。画像形成装置100は、ディスプレイ110、コントロールパネル120、第1プリンタ部130、第2プリンタ部131、第1シート収容部140、第2シート収容部141及び画像読取部200を備える。なお、画像形成装置100の第1プリンタ部130及び第2プリンタ部131は、トナー像を定着させる装置である。
【0009】
画像形成装置100は、トナー等の現像剤を用いてシート上に画像を形成する。トナーは消色できない非消色トナーと画像形成後に消色可能な消色トナーとがある。トナーは、USP9134668に開示された、公知の消色トナーと非消色トナーとを使用可能である。シートは、例えば紙やラベル用紙である。シートは、その表面に画像形成装置100が画像を形成できる物であればどのような物であってもよい。
【0010】
ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ110は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。
【0011】
コントロールパネル120は、複数のボタンを有する。コントロールパネル120は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル120は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部に出力する。なお、ディスプレイ110とコントロールパネル120とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0012】
第1プリンタ部130は、画像読取部200によって生成された画像情報又は通信路を介して受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。第1プリンタ部130は、例えば以下のような処理によって画像を形成する。第1プリンタ部130の画像形成部は、画像情報に基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成する。第1プリンタ部130の画像形成部は、静電潜像に現像剤を付着させることによって可視像を形成する。現像剤の具体例として、トナーがある。第1プリンタ部130の転写部は、可視像をシート上に転写する。第1プリンタ部130の定着部は、シートに対して加熱及び加圧を行うことによって、可視像をシート上に定着させる。なお、画像が形成されるシートは、第1シート収容部140に収容されているシートであってもよいし、第2シート収容部141に収容されているシートであってもよいし、手指しされたシートであってもよい。本実施例では第1プリンタ部130は、非消色トナーを用いて画像形成を行うとする。消色トナーは消色現像剤の一態様である。非消色トナーは非消色現像剤の一態様である。
【0013】
第2プリンタ部131は、画像読取部200によって生成された画像情報又は通信路を介して受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。第2プリンタ部131は、第1プリンタ部130と同様の処理によって画像を形成する。なお、画像が形成されるシートは、第1シート収容部140に収容されているシートであってもよいし、第2シート収容部141に収容されているシートであってもよいし、手指しされたシートであってもよい。本実施例では第2プリンタ部131は、消色トナーを用いて画像形成を行うとする。
【0014】
第1シート収容部140は、第1プリンタ部130及び第2プリンタ部131における画像形成に用いられるシートを収容する。第2シート収容部141は、第1プリンタ部130及び第2プリンタ部131における画像形成に用いられるシートを収容する。なお、画像形成装置100は、シート収容部をいくつ備えてもよい。
【0015】
画像読取部200は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。画像読取部200は、読み取られた画像情報を記録する。記録された画像情報は、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。記録された画像情報は、第1プリンタ部130又は第2プリンタ部131によってシート上に画像形成されてもよい。
【0016】
図2は、実施形態の画像形成装置100の構成を表す機能ブロック図である。画像形成装置100は、通信部101、バナーページ設定記憶部102、ディスプレイ110、コントロールパネル120、第1プリンタ部130、第2プリンタ部131、第1シート収容部140、第2シート収容部141、制御部150及び画像読取部200を備える。なお、ディスプレイ110、コントロールパネル120、第1プリンタ部130、第2プリンタ部131、第1シート収容部140、第2シート収容部141及び画像読取部200の構成は上述した通りであるため、説明を省略する。
【0017】
通信部101はネットワークインタフェースである。通信部101は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置と通信可能に接続される。通信部101は、例えばLAN(Local Area Network)又はPSTN(Public Switched Telephone Networks)等の通信方式で接続される。
【0018】
バナーページ設定記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。バナーページ設定記憶部102は、バナーページ設定情報を記憶する。バナーページ設定情報は、画像形成処理を行う際のバナーページの設定条件を定義する。バナーページ設定情報は、バナーページ設定部151によって生成される。バナーページは、画像形成装置100に対して画像形成処理を指示するジョブとジョブとの間に、仕切りとして利用されるシートである。バナーページは、複数部画像形成される場合に1部毎の仕切りとして使用されてもよい。バナーページには、ユーザ名、ジョブ名及び印刷日時が画像形成される。バナーページの代わりに、白紙又は色紙が用いられてもよい。ジョブとは、画像形成装置100が受け付けた画像形成を行うための指示である。ジョブには、例えばPRINT印刷、COPY印刷及びFAX受信印刷がある。PRINT印刷は、外部から画像形成指示を受け付けるジョブである。COPY印刷は、コントロールパネル120から画像形成指示を受け付けるジョブである。FAX受信印刷は、FAXを受信した際に実行されるジョブである。
【0019】
制御部150は、画像形成装置100の各部の動作を制御する。制御部150は、通信部101又はコントロールパネル120を介してジョブを受け付ける。制御部150は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)を備える装置により構成される。制御部150は、画像形成装置制御プログラムを実行することによって、バナーページ設定部151、バナーページ制御部152及び画像形成制御部153として機能する。
【0020】
バナーページ設定部151は、ユーザの操作に応じてバナーページ設定情報を生成する。バナーページ設定部151は、生成されたバナーページ設定情報をバナーページ設定記憶部102へ記憶する。バナーページ設定情報には、バナーページが、非消色トナー又は消色トナーのいずれで画像形成されるかを定義される。また、バナーページ設定情報には、バナーページに使用されるシートが、第1シート収容部140又は第2シート収容部141のいずれから取得されるかが定義される。以下、第1シート収容部140及び第2シート収容部141のうち、いずれのシート収容部であるかを区別しないときは、単に「シート収容部」と称して説明する。バナーページ設定部151は、プリンタドライバとしてパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ等の情報処理装置が備えていてもよい。
【0021】
バナーページ制御部152は、バナーページ設定情報を画像形成制御部153に出力する。バナーページ制御部152は、バナーページ設定記憶部102からバナーページ設定情報を取得する。バナーページ制御部152は、外部からバナーページ設定情報を取得してもよい。外部とは例えば、通信部101と通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置である。
【0022】
画像形成制御部153は、第1プリンタ部130及び第2プリンタ部131を制御することで画像形成処理を行う。以下、第1プリンタ部130及び第2プリンタ部131のうち、いずれのプリンタ部であるかを区別しないときは、単に「プリンタ部」と称して説明する。
【0023】
画像形成制御部153は、バナーページ設定情報とジョブとに基づいて、プリンタ部にバナーページを画像形成させる。画像形成制御部153はバナーページ設定情報に基づいて、第1プリンタ部130又は第2プリンタ部131のどちらでバナーページを画像形成するか決定する。プリンタ部は、バナーページを画像形成した後、ジョブに基づいて画像データを画像形成する。複数のジョブを受け付けた場合、プリンタ部は、1ジョブ画像形成する毎にバナーページを画像形成する。また、複数部の同一画像データを画像形成する場合、プリンタ部は、画像データを一部画像形成する毎にバナーページを画像形成してもよい。
【0024】
図3は、実施形態のバナーページの設定画面を表す図である。バナーページの設定画面は、バナーページ設定部151によってディスプレイ110に表示される。領域300は、ディスプレイ110に表示されるバナーページ設定画面の全体を表す。領域300は、バナーページの設定情報であるバナーページ挿入、挿入ジョブ、挿入箇所、使用トナー、外枠線及び用紙に関する入力を受け付ける領域を備える。バナーページ設定部151は、コントロールパネル120を介して入力を受け付ける。
【0025】
領域301は、バナーページを画像形成するか否かを決定する領域である。領域301に対して、ユーザはコントロールパネル120を介して、“なし”又は“挿入する”のいずれか1つを入力する。“なし”が入力されると、画像形成処理の際にバナーページは画像形成されない。これに対して、“挿入する”が入力されると、画像形成処理の際にバナーページが画像形成される。
【0026】
領域302は、バナーページを画像形成するジョブが決定される領域である。領域302から、ユーザはコントロールパネル120を介して、“PRINT印刷”、“COPY印刷”又は“FAX受信印刷”のうち、バナーページを画像形成したいジョブを選択する。選択はチェックボックスで行われる。“PRINT印刷”が選択された場合、通信部101を介して画像形成が指示されるジョブを受け付けると、バナーページが画像形成される。“COPY印刷”が選択された場合、画像読取部200によって読み取られた画像を画像形成する際にバナーページが画像形成される。“FAX受信印刷”が選択された場合、通信部101がFAXを受信するとバナーページが画像形成される。チェックボックスは複数選択されてもよい。また、領域302は、ディスプレイ110のみに表示される。すなわち、プリンタドライバが備えるバナーページ設定部151が、バナーページ設定画面を情報処理装置が備える表示部に表示させる場合、領域302は表示されない。
【0027】
領域303は、バナーページが挿入される箇所を決定する領域である。領域303に対して、ユーザはコントロールパネル120を介して、“各ジョブ”又は“各ジョブ/各部”のいずれかの1つを入力する。“各ジョブ”が入力されると、1ジョブ画像形成する毎にバナーページが画像形成される。これに対して、“各ジョブ/各部”が入力されると、1ジョブ画像形成する毎にバナーページが画像形成される。さらに、複数部の同一画像データを画像形成する場合、画像データを一部画像形成する毎にバナーページが画像形成される。
【0028】
領域304は、バナーページを画像形成する際にプリンタ部が使用するトナーを決定する領域である。領域304に対して、ユーザはコントロールパネル120を介して、“通常トナー(黒)”又は“消色トナー(青)”のいずれか1つを入力する。“通常トナー(黒)”が入力されると、画像形成制御部153は、第1プリンタ部130を制御することで、バナーページを非消色トナーで画像形成させる。これに対して、“消色トナー(青)”が入力されると、画像形成制御部153は、第2プリンタ部131を制御することで、バナーページを消色トナーで画像形成させる。
【0029】
領域305は、バナーページに外枠線を画像形成するか否かを決定する領域である。領域305に対して、ユーザはコントロールパネル120を介して、“なし”又は“追加”のいずれか1つを入力する。“なし”が入力されると、バナーページには外枠線が画像形成されない。これに対して、“追加”が入力されると、バナーページには外枠線が画像形成される。
【0030】
領域306は、バナーページを画像形成するシートをどのシート収容部から取得するかを決定する領域である。領域306に対して、ユーザはコントロールパネル120を介して、“なし”、“第1シート収容部”又は“第2シート収容部”のいずれか1つを入力する。“なし”が入力されると、プリンタ部は、バナーページを画像形成する際、所定のシート収容部からシートを取得する。所定のシート収容部とは、例えばジョブの画像形成処理において選択されるシート収容部と同じシート収容部であってもよいし、ランダムに指定されてもよい。 “第1シート収容部”が入力されると、プリンタ部は、バナーページを画像形成する際、第1シート収容部140からシートを取得する。“第2シート収容部”が入力されると、プリンタ部は、バナーページを画像形成する際、プリンタ部に第2シート収容部141からシートを取得する。
【0031】
図4は実施形態の画像形成装置100がバナーページを挿入した場合の第1の具体例を表す図である。本実施例では、3枚のシートが3部画像形成されるジョブを例として説明する。領域400は、ジョブが実行された際の画像形成処理の結果を表す。領域400は、領域410−1から領域410−3と領域411を含む。領域400におけるバナーページ設定情報は、バナーページ挿入は“挿入する”、挿入ジョブは“PRINT印刷”、挿入箇所は“各部”、使用トナーは“消色トナー(青)”、外枠線は“なし”及び用紙は“指定なし”である。以下、領域410−1から領域410−3のうち、いずれの領域であるかを区別しないときは、単に「領域410」と称して説明する。
【0032】
領域410は、画像形成されたバナーページの一具体例を表す。領域410は、領域411を含む。バナーページ設定情報のうち、挿入各部が“各部”であるため、3部のバナーページが画像形成される。また、使用トナーは“消色トナー(青)“であるため、バナーページは消色トナーで画像形成される。また、外枠線は”なし“であるため、バナーページには外枠線は画像形成されない。用紙は”指定なし“であるため、ジョブの画像形成処理において選択されるシート収容部と同じシート収容部が用いられる。
【0033】
領域411は、バナーページに画像形成される情報の一具体例である。領域411には、ユーザ名、ジョブ名、印刷日時及び番号が画像形成される。ユーザ名はジョブを指示したユーザ名が画像形成される。ユーザ名は、例えば社員番号、アカウント名等のユーザを識別可能な情報であればどのような情報であってもよい。ジョブ名は、画像形成処理が“PRINT印刷”、“COPY印刷”又は“FAX受信印刷”のうち、どのジョブによるものかを表す。印刷日時は、画像形成装置100がジョブを受け付けた日時を表す。日時は例えばYYYY年MM月DD日の形式で表現されてもよいし、異なる形式で表現されてもよい。番号は、バナーページを識別する文字である。番号はジョブ毎に1から昇順に、バナーページに割り振られる。番号は、バナーページを識別するものであれば、異なる文字が用いられてもよい。例えば、番号にはアルファベットが用いられてもよい。
【0034】
図5は、実施形態の画像形成装置100がバナーページを挿入した場合の第2の具体例を表す図である。本実施例では、3枚のシートが3部画像形成されるジョブを例として説明する。領域500は、ジョブが実行された際の画像形成処理の結果を表す。領域500は、領域510、領域511及び領域512を含む。領域500におけるバナーページ設定情報は、バナーページ挿入は“挿入する”、挿入ジョブは“PRINT印刷”、挿入箇所は“各部”、使用トナーは“消色トナー(青)”、外枠線は“追加”及び用紙は“指定なし”である。なお、領域510及び領域511の構成は上述した通りであるため、説明を省略する。
【0035】
領域512は、外枠線の一具体例である。使用トナーが“消色トナー(青)”である場合、外枠線は消色トナーで画像形成される。これに対して、使用トナーが“通常トナー(黒)”である場合、外枠線は非消色トナーで画像形成される。PRINT印刷、COPY印刷及びFAX受信印刷それぞれのジョブ及び部毎に外枠線が画像形成されたバナーページが挿入される。したがって、ユーザはバナーページとバナーページ以外のシートとの区別をつけやすくなり、画像形成処理後のシートの仕分け作業等が効率化される。
【0036】
図6は、実施形態の画像形成装置100による画像形成処理の流れを表すフローチャートである。画像形成装置100の制御部150は、画像形成を指示するジョブを受け付ける(ACT101)。画像形成装置100のバナーページ制御部152は、バナーページ設定記憶部102からバナーページ設定情報を取得する(ACT102)。画像形成装置100の画像形成制御部153は、バナーページ設定情報に基づいて、バナーページ挿入を行うか否か判定する(ACT103)。
【0037】
バナーページの挿入を行う場合(ACT103:YES)、画像形成制御部153は、バナーページ設定情報に基づいて、プリンタ部にバナーページを画像形成させる(ACT104)。バナーページを行わない場合(ACT103:NO)、画像形成制御部153は、プリンタ部はバナーページを画像形成させない。
【0038】
画像形成制御部153は、受け付けたジョブに基づいて、画像形成処理を行う(ACT105)。画像形成制御部153は、画像形成処理が終了すると、ジョブが終了したか否か判定する(ACT106)。ジョブが終了している場合、画像形成制御部153は、処理を終了する。ジョブが終了していない場合、画像形成制御部はACT103に戻り、バナーページ設定情報に基づいて、バナーページ挿入を行うか否か判定する(ACT103)。ジョブが終了していない場合とは、例えば2部以上の画像形成する場合などに、1部しか画像形成されていない場合などである。
【0039】
図7は、従来のバナーページなしで画像形成した際の一具体例を表す図である。図7に表される図では、バナーページが画像形成されていないため、ユーザは、各ジョブ又は各部の境界を探索しなければならず、大きな時間がかかる。これに対して、図8は、非消色トナーを用いてバナーページを画像形成した際の一具体例を表す図である。図8に表された図では、非消色トナーでバナーページが画像形成されるため、ユーザは各ジョブ又は各部の境界を容易に探索できる。しかし、バナーページに情報が画像形成されており、シートを再利用できない。
【0040】
これに対して、画像形成装置100では、バナーページ設定記憶部102に記憶されるバナーページ設定情報に基づいて、消色トナーでバナーページが画像形成される。消色トナーでバナーページが画像形成されるため、ユーザは使い終えたバナーページを消色できる。消色されたバナーページは、再度画像形成処理が可能となる。したがって、ユーザは各ジョブ又は各部の境界を容易に探索しつつ、これまで再利用できていなかったシートの再利用が可能になる。
【0041】
また、図9は、表紙に色紙を用いて画像形成された際の一具体例を表す図である。図9に表された図では、バナーページの代わりに色紙が用いられるため、ユーザは各ジョブ又は各部の境界を容易に検索できる。また、色紙には画像形成されていないため、色紙を再利用できる。しかし、色紙とシートを区別して使用されるため、異なるシート収容部を用意する必要がある。
【0042】
これに対して、画像形成装置100では、消色トナーでバナーページが画像形成される。そのため、ユーザは使い終えたバナーページを消色できる。消色されたバナーページは、白紙のシートと同じ状態となるため、再度画像形成処理が可能となる。したがって、ユーザは色紙専用のシート収容部を用意する必要がなくなる。
【0043】
さらに、バナーページ設定情報に基づいてシート収容部が指定されることで、ユーザは通常のシートとバナーページ用のシートを区別して使用できる。バナーページ用のシートとは、例えば、消色トナーで画像形成された後、消色されたシートである。このように構成されることで、ユーザは、バナーページには消色されたシートを用い、それ以外のページには、通常のシートを用いるような使い分けができる。これにより通常のシートの節約ができる。
【0044】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、バナーページ制御部152を持つことにより、消色トナーを用いてバナーページを画像形成できる。したがって、再利用可能なバナーページを画像形成できる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
100…画像形成装置、101…通信部、102…バナーページ設定記憶部、110…ディスプレイ、120…コントロールパネル、130…第1プリンタ部、131…第2プリンタ部、140…第1シート収容部、141…第2シート収容部、150…制御部、151…バナーページ設定部、152…バナーページ制御部、153…画像形成制御部、200…画像読取部
図1
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図9