(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すパッカー100(ハンドリング装置)は、搬送方向D1に列をなす壜2を搬送する搬送装置1と、それらの壜2を所定の数だけ一括して把持し、図示しないコンベアにより供給される箱5(
図2(a))へと収容するハンド装置3と、パッカー100の各部の動作を制御する制御部6とを備えている。
パッカー100は、ハンド装置3により把持された複数の壜2を一括して箱詰めするバッチ処理を行う。
【0026】
まず、ハンド装置3の構成を説明する。
ハンド装置3は、複数のハンド部31と、それらのハンド部31を支持し、駆動するアーム32とを備えている。
アーム32は、複数のハンド部31を昇降させ、また、軸(A)を中心に旋回させることができる。
各ハンド部31は、複数のグリッパ4を吊り下げた状態に支持している。
【0027】
ハンド装置3は、制御装置6による制御の下、搬送装置1により供給された壜2を所定のバッチ数だけグリッパ4により把持し、アーム32によりハンド部31を上昇させて持ち上げ、箱5が供給される位置まで軸(A)を中心としてハンド部31を旋回させ、ハンド部31を下降させることで各壜2を箱5へと収容する。
【0028】
ハンド部31の各グリッパ4により把持された壜2は、
図2(a)に示す箱5の区画5A内にそれぞれ収容される。x方向にn個、y方向にm個、合計でn×m個の区画5Aが用意されている。区画5A同士は、壁5Bで仕切られている。
ハンド部31は、n×mの数の壜2をグリッパ4により個別に把持する。つまり、ハンド部31は、1つの箱5に収容される壜2と同数のグリッパ4を備えている。グリッパ4は、等しい又はほぼ等しいピッチでハンド部31に設けられている。
【0029】
箱5は、例えば、プラスチック材料から形成されている。
壜2は、本実施形態では、例えばビール等の飲料用のガラス壜であるものとする。
壜2には、第1の径のものと、第2の径のものとがあり、それらが混在している。
【0030】
図2(b)および(c)は、壜2の頭部2Aを上方から把持するグリッパ4を示す。
グリッパ4は、壜2の頭部2Aを包囲する弾性体41と、内側に弾性体41が組み付けられるカップ状のケース42とを備えている。
弾性体41は、圧縮空気が吹き込まれて膨張することで、円形状の開口部41Aに受け入れた頭部2Aを包み込んで把持する。内部の圧縮空気を抜くことで弾性体41が収縮すると、頭部2Aが解放される。
図2(c)および(b)に示すように、ケース42の下端部42Aのコーナー部分はU字状に形成されている。下端部42Aの斜面42Bに壜2の頭部2Aが対向していると、グリッパ4が下降したときに、斜面42Bにより頭部2Aが弾性体41の開口部41Aの中心に向けて案内されるので、グリッパ4により把持可能となる。
グリッパ4には、壜2の位置が弾性体41の開口部41Aの中心に対して偏心していても把持することのできる許容範囲Rが設定されている。許容範囲Rは、グリッパ4の外形の寸法に相当し、壜2の外径以下である。
【0031】
本実施形態のバッチ処理では、1タクトで複数の箱5に壜2を収容するので、各箱5の位置に合わせて壜2を仕分けて位置決めする必要がある。そういった壜2の仕分けおよび位置決めは、アーム32により各ハンド部31を移動させることで行われる。以下、1タクトでバッチ処理される箱5の数をNと称する。
本実施形態では、n×m×Nの数の壜2を一括して把持し、N個(ここでは5個)の箱5に分けて収容する。多数の壜2を一括して処理することで、必要な箱詰め処理能力を得ることができる。その分、ハンド装置3の速度を抑えることができるので、高速駆動時の振動等による衝撃に弱いガラス製の壜2を扱うのにふさわしい。
【0032】
次に、搬送装置1の構成を説明する。
搬送装置1は、各ハンド部31が降りてきてバッチ処理対象の壜2がグリッパ4により把持される位置まで壜2を搬送する。
搬送装置1は、各壜2が立てた状態で載せられるコンベア11と、可動ストッパ12と、壜位置検知部13(
図4)と、長さ算出部14と、搬送制御部15とを備えている。
長さ算出部14および搬送制御部15は、
図1に示すように、パッカー100の制御部6の一部として構成することもできる。
【0033】
コンベア11は、ベルト110と、ベルト110が掛け回される駆動プーリ111および図示しない従動プーリと、駆動プーリ111に回転駆動力を伝達するモータ113とを備えている。なお、コンベア11が、チェーンと、スプロケットとを備えたチェーンコンベアであってもよい。
搬送装置1は、搬送方向D1に隙間なく並んだ状態で壜2を搬送する。
コンベア11の幅方向(
図1の紙面に直交する方向)にm個(ここでは5個)の壜2が配置されている。コンベア11には、搬送方向D1に平行に延びている複数のガイド16(
図5)が備えられている。これらのガイド16により両側を挟まれた状態で、壜2が搬送方向D1に密着した状態で列をなしている。
バッチ処理の対象である壜2は、搬送方向D1においてn×N(ここでは20個)だけ並ぶこととなる。搬送方向D1にn×N本だけ、密着した状態で列をなしている壜群20の長さをLで示す。
【0034】
壜群20に含まれる壜2にそれぞれ対応する複数のグリッパ4の集合のことを、以下ではグリッパ群40と称する。グリッパ群40と、グリッパ群40を支持するN個のハンド部31は、アーム32の軸に位置するハンド装置3の基準位置Aに対して対称に配置されている。
ハンド装置3および搬送装置1は、基準位置Aを絶対基準位置として据え付けられている。
【0035】
壜群20の搬送方向D1の長さLは、第1の径の壜2と第2の径の壜2との個数の比率によって変動する。
第1の径の壜2も、第2の径の壜2(小径壜)も容量は同一であるが、第2の径の壜2は、DLCによる被膜を施すことで強度を向上させている分、第1の径の壜2に比べて肉厚を薄くして軽量化されている。そのため、第1の径をC1、第2の径をC2とすると、C1>C2となっている。第1の径C1は、第2の径C2よりも数mm程度大きい。
【0036】
図3(a)に示す壜群20は、壜群20に含まれる壜2の総数(バッチ数)に対する小径壜2の比率(混合率)が0%、つまり、第1の径C1である壜2
1のみから壜群20が構成されている場合について示している。この場合に、壜群20の長さが最大となる。
図3(b)に示す壜群20は、小径壜2の混合率が100%、つまり、第2の径C2である壜2
2のみから壜群20が構成されている場合について示している。この場合に、壜群20の長さが最小となる。
なお、同列で搬送される壜2は、押し合って密着しており、第2の径C2の壜2
2は、第1の径C1と同等の間隔で設置されているガイド16,16間で千鳥状に配置される(
図3(b))。そのため、第2の径C2の壜2
2を含む壜群20の長さは、壜群20に含まれる壜2の径を積算した長さよりも短い。
【0037】
壜群20を搬送方向D1の前端位置でコンベア11上の所定位置に位置決めし、グリッパ群40により壜群20を一括して把持する典型例を説明する。
ここでは、
図3の左端の位置X
0に、図示しないストッパにより壜群20が位置決めされているものとし、壜群20の左端に位置する壜2を先頭として各壜2に通し番号を付している。
図3より、位置決め位置X
0の近くでは壜2
1(
図3(a))の位置と壜2
2(
図3(b))の位置とがほぼ一致していても、位置決め位置X
0から遠ざかるほど、壜2
1の位置と壜2
2の位置とが離れていく。つまり、一定間隔のガイド16,16間に密着状態で配置された、横断面の径が異なる壜2
1と壜2
2との位置ずれ量が、バッチ数に占める壜2
2の個数に応じて累積する。
【0038】
図3(c)は、(a)に示された壜群20を構成する壜2の頭部2Aの位置と、(b)に示された壜群20を構成する壜2の頭部2Aの位置とを示している。
右端に位置するn×N本目(20本目)の壜2
1の頭部2A
1の位置と、同じくn×N本目の壜2
2の頭部2A
2の位置とは、最大で、距離L1だけ離れている。この距離L1は、バッチ数に対する壜2
2の個数に応じて変わる。
壜2
2の混合率を問わず、壜群20を構成する壜2のいずれも確実に把持するためには、
図3(c)に示すように、n×N本目の壜2
1の頭部2A
1と、n×N本目の壜2
2の頭部2A
2とを包囲するように、少なくとも距離L1以上の許容範囲Rをグリッパ4に与える必要がある。
しかし、頭部2Aを把持する十分な力を確保しつつ、
図3(c)に示すように、壜2の直径C1,C2に匹敵する許容範囲Rを実現することは、弾性体41を備えたグリッパ4の構造上、難しい。
【0039】
そこで、本実施形態では、弾性体41を備えたグリッパ4を用いつつ、壜群20を構成する壜2のいずれをもグリッパ4により確実に把持できるように、コンベア11により壜2を搬送しながら、これからバッチ処理される壜群20の搬送方向D1の長さLを算出し、ハンド装置3の基準位置Aに、壜群20の搬送方向D1の中心位置Cが合うように、壜群20をコンベア11上に位置決めする。上述したように、グリッパ群40はハンド装置3の基準位置Aに対して対称に配置されているので、基準位置Aに壜群20の中心位置Cを合わせると、グリッパ群40の搬送方向D1の中心位置(基準位置A)と、壜群20の中心位置Cとが合致する。
【0040】
上記のように、グリッパ群40の中心位置(基準位置A)に対して壜群20の中心位置Cを合わせるセンタリング処理を行うため、パッカー100は、
図4に示すように、可動ストッパ12と、壜位置検知部13と、長さ算出部14と、搬送制御部15とを備えている。
【0041】
可動ストッパ12は、搬送方向D1の前方(下流)から壜群20を長さLに応じたコンベア11上の位置に位置決めする。
可動ストッパ12は、壜群20の先頭の壜2に突き当てられる位置決めプレート121と、位置決めプレート121を搬送方向D1と平行に駆動する駆動部122とを備えている。
駆動部122としては、例えば、軸方向に伸縮可能な電動シリンダ(電動アクチュエータ)を用いることができる。
【0042】
図5に示すように、可動ストッパ12は、ガイド16によりm列に整列された壜2の列毎に用意されている。つまり、可動ストッパ12は、各列の壜群20を、それぞれの長さLに応じて個別に位置決めする。
【0043】
基本径が異なる複数種類の壜2(例えば、小壜、中壜、大壜)のハンドリングに適用できるように、パッカー100を構成することもできる。かかるパッカー100は、基本径に対応するサイズの箱5(プラスチックケース)に壜2を収容する。
その場合は、
図5に示すように、搬送方向D1と平行なレール191に沿って複数の可動ストッパ12の全体を駆動可能に構成することができる。図示しない駆動機構により、支持部材192に支持された複数の可動ストッパ12の全体を搬送方向D1の異なる位置に停止させることができる。
例えば、中壜に適用される動作モードの際は、複数の可動ストッパ12全体を中壜に対応する位置に停止させるとともに、各可動ストッパ12により、基準位置A(機械中心)に対して壜群20を個別にセンタリングするとよい。
【0044】
壜位置検知部13は、壜群20の長さLの算出に必要な壜2の位置情報を得るため、コンベア11上を搬送されている各壜2の基準部を所定位置で検知し、長さ算出部14へと送る。検知される基準部は、例えば、壜2の頭部2A(キャップや口部)である。
壜位置検知部13としては、例えば、各壜2の頭部2Aを光学的に検知可能なセンサや、各壜2の頭部2Aを画像認識により検知可能なセンサを用いることができる。
壜位置検知部13は、可動ストッパ12により位置決めされる壜群20の末尾(n×N本目の壜2)よりも上流に設置されている。
【0045】
壜位置検知部13として、単一の列の壜位置を検知するm個のセンサを用いることもできるし、m列のそれぞれの壜位置を列を識別して検知するセンサを用いることもできる。後者の場合、壜位置検知部13は、列の識別情報(ID:identification)と、各壜2の位置とを長さ算出部14へと送る。
【0046】
長さ算出部14は、各壜2の位置情報から得られる壜2間の距離(例えば頭部2A,2A間の距離)を積算する。バッチ処理の先頭の壜2からn×N本目までの壜2が壜位置検知部13の位置を通過することで、バッチ処理の先頭の壜2からn×N本目の壜2までの長さLが長さ算出部14により算出される。長さ算出部14は、算出した長さLを搬送制御部15へと送る。
長さ算出部14も、壜2の列毎に壜群20の長さLを算出する。
【0047】
搬送制御部15は、バッチ処理の先頭からn×N本目までの壜2からなる壜群20の搬送方向D1の中心位置Cをハンド装置3の基準位置Aに合わせるために、可動ストッパ12により壜群20を位置決めする。この位置決めも、列毎に行われる。
位置決めプレート121が、壜群20の長さLに応じて、搬送方向D1へ、あるいは搬送方向D1とは逆向きD2へと駆動部122により駆動されることで、壜群20を構成する壜2が、位置決めプレート121の位置から後方(下流)へと密着状態で並ぶこととなる。
【0048】
搬送制御部15は、制御装置6が把握している基準位置Aを取得し、基準位置Aから搬送方向D1に壜群20の長さLの1/2だけ離れた位置に可動ストッパ12を駆動する指令G1を列毎に生成し、可動ストッパ12の駆動部122へと与える。
【0049】
図6(a)は、可動ストッパ12により位置決めされた壜群20がハンド部31により把持され、ハンド部31をアーム32(
図1)により上昇させることで壜群20が持ち上げられた様子を示している。
【0050】
以下、バッチ処理対象である壜群20を可動ストッパ12によりコンベア11上に位置決めし、位置決めされた壜群20をハンド部31により把持して持ち上げるまでの1タクトの動作を説明する。
図6(a)に示す壜群20が、アーム32によるハンド部31の操作により持ち上げられ、箱詰めされる位置に向けて移動される間に、
図6(b)に示すように、次のバッチ処理対象である壜群20をコンベア11により搬送し、可動ストッパ12により列毎に位置決めする。
【0051】
壜群20を位置決めする手順としては、
図7に示すように、壜位置検知部13により検知された壜2の位置を用いて、長さ算出部14により壜群20の長さLを算出する(ステップS1)。長さLが算出されたならば、搬送制御部15により、基準位置Aから搬送方向D1に長さLの1/2だけ離れた位置を求め、その位置に位置決めプレート121を駆動する指令G1を生成して駆動部122に与える。そうすると、駆動部122により駆動される位置決めプレート121に先頭の壜2が受け止められつつ、指令G1が示す位置に壜群20が停止する(以上、ステップS2)。壜群20が位置決めプレート121に突き当てられるとき、駆動部122(電動シリンダ)により衝突力が緩和される。
なお、コンベア11の速度を調節したり、可動ストッパ12全体をコンベア11の速度よりも遅い速度で搬送方向D1へと駆動する等、壜2を搬送しながらスムーズに位置決めするために適宜な操作を加えることができる。
以上のステップS1、S2が各列について並行して行われることで、m列の壜群20の搬送方向D1の中心位置Cがそれぞれ、ハンド装置3の基準位置Aに合致する(センタリング)。
【0052】
図8に、基準位置Aへとセンタリングされた壜群20の一例を示す。
図8(a)は、第1の径C1である壜2
1のみから壜群20が構成されている場合を示しており、
図8(b)に示す壜群20は、第2の径C2である壜2
2のみから壜群20が構成されている場合を示している。(a)の場合に、壜群20の長さが最大となり、(b)の場合に、壜群20の長さが最小となる。
図8(c)には、(a)に示された壜群20を構成する壜2の頭部2Aの位置と、(b)に示された壜群20を構成する壜2の頭部2Aの位置とを示している。
【0053】
(a)に示す壜群20と、(b)に示す壜群20とは、いずれも、搬送方向D1の中心位置Cが基準位置Aに合うように、可動ストッパ12により位置決めされている。
上述した典型例(
図3)では、壜群20の先頭の位置決め位置X
0から、壜群20の末尾に向けて、径の小さな壜2の混合率に応じて位置ずれ量が累積する。
それに対し、本実施形態では、
図8(a)および(b)に示すように、可動ストッパ12により壜群20をハンド装置3に対して相対変位させることで、壜群20と、グリッパ群40とが、搬送方向D1の中心位置を基準に相対的に位置決めされるので、中心位置Cから壜群20の先頭、末尾へとそれぞれ向けて累積する位置ずれ量が、
図3に示す位置ずれ量(L1)から減少する。
【0054】
(a)に示す壜群20の先頭(
図8の左端)に位置する壜2
1の頭部2A
1の位置と、(b)に示す先頭の壜2
2の頭部2A
2の位置とは、最大で、距離L2だけ離れている。これと同様に、(a)に示す壜群20の末尾(
図8の右端)に位置する壜2
1の頭部2A
1の位置と、(b)に示す末尾の壜2
2の頭部2A
2の位置とは、最大で、距離L2だけ離れている(
図8(c))。
本実施形態のグリッパ4には、距離L2に余裕を加えた許容範囲Rが設定されている。
したがって、小径壜2
2の混合率にかかわらず、壜群20に向けて同時に降ろされるグリッパ群40を構成するグリッパ4のそれぞれの内側に頭部2Aを収め、弾性体41の内部への圧縮空気の導入により頭部2Aを把持することができる。
【0055】
上述のステップS1〜S3により基準位置Aへの壜群20のセンタリングが完了したならば、箱詰め位置からコンベア11の上方へと復帰したハンド部31を下降させ、壜群20をグリッパ群40により一括して把持する(ステップS3)。そして、壜群20の末尾に隣接する壜2(「21」の番号が付されている)から退避するように、アーム32によりハンド部31を搬送方向D1に少し移動させ、位置決めプレート121を壜2で少し倒しながらハンド部31を上昇させる。そうすると、壜群20に隣接する壜2をコンベア11上に残したまま、壜群20だけを持ち上げ、箱詰め位置へと供給することができる(ステップS4)。
なお、ハンド部31を搬送方向D1に移動させる代わりに、壜群20がグリッパ群40により把持された状態で、駆動部122により位置決めプレート121を搬送方向D1へと退避させ、さらに、壜群20を末尾側から先頭側に向けて押す機構等により、壜群20とその次の壜2(「21」)との間に隙間をあけ、ハンド部31を垂直に上昇させるようにしてもよい。
【0056】
以上で説明した本実施形態によれば、異なる径の壜2が混在することに起因して、壜2の位置とグリッパ4の位置とがずれていたとしても、壜群20を構成する壜2を把持ミスなく確実に把持することができる。
【0057】
本実施形態のパッカー100による処理対象は壜2であるが、変形し易いPET(Poly Ethylene Terephthalate)ボトルや、ボトル缶等の容器を処理対象とするパッカーを、上述したパッカー100と同様に構成することができる。
その場合も、ボトルの変形に起因して、ボトルの位置とグリッパの位置とがずれていたとしても、搬送方向D1に列をなすボトル群を一括して確実に把持することができる。
【0058】
以上で述べた手順では、コンベア11により壜2を搬送しながら、これからバッチ処理される壜群20の長さLを算出し、壜群20をコンベア11上に位置決めするが、これに限らず、コンベア11により所定の仮位置まで搬送された壜群20の長さLを壜群20が停止している状態で取得し、その長さLに応じて、壜群20の中心位置Cが基準位置Aに合うように壜群20を位置決めすることも許容される。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、
図9および
図10を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
以下、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。
第2実施形態は、可動ストッパ12の構成が第1実施形態とは相違する。
図9に示すように、第2実施形態に備えられた可動ストッパ12は、位置決めプレート121と、圧縮空気により位置決めプレート121を搬送方向D1と平行に駆動する圧縮空気駆動部123とを備えている。
圧縮空気駆動部123は、図示しない圧縮空気源から圧縮空気が導入されるシリンダを備えており、空気の圧力により位置決めプレート121を駆動する。
【0060】
本実施形態の圧縮空気駆動部123は、2つの圧縮空気系を備えている。そのため、第1の圧縮空気系のオンまたはオフと、第2の圧縮空気系のオンまたはオフとの4通りの組み合わせにより、位置決めプレート121を4段階の駆動量で駆動することができる。
【0061】
図10に、位置決めプレート121の4つのポジションを示している。
図10に示すポジションP1を基準として、ポジションP1に対して搬送方向D1へと退避した3つのポジションP2,P3,P4が設定されている。P2,P3,P4は、この順に退避量が大きい。
【0062】
第2実施形態では、ハンド装置3の基準位置Aに、壜群20の搬送方向D1の中心位置Cを最も近づけることができるように、ポジションP1〜P4のうちのいずれか一つを選択する。つまり、第2実施形態では、ハンド装置3の基準位置Aへと壜群20を擬似的にセンタリングする。
壜群20の中心位置Cと、基準位置Aであるグリッパ群40の中心位置とが完全には合致していなくても、第2実施形態のように実質的に合致していれば、「センタリング」に該当するものとする。
【0063】
図10には、小径壜2の混合率が異なる壜群20がセンタリングされている例を示している。小径壜2が100%のとき、すなわち、第2の径C2の壜2のみから壜群20が構成されている場合に、壜群20の長さが最も短く、このとき位置決めプレート121が基準のポジションP1に位置する。
逆に、小径壜2が0%のとき、すなわち、第1の径C1の壜2
2のみから壜群20が構成されている場合には、壜群20の長さが最も長く、このとき、基準のポジションP1に対する位置決めプレート121の退避量が最大となる(ポジションP4)。
【0064】
搬送制御部15は、長さ算出部14により算出された長さLに対する3つの閾値を有している。それらの閾値は、例えば、壜群20の最大の長さと最小の長さとの差を三等分するように設定されている。算出された長さLにこれらの閾値を適用することで、搬送制御部15は、ポジションP1〜P4のうち、壜群20の中心位置Cを基準位置Aに最も近づけることのできるポジションを示す指令を生成し、圧縮空気駆動部123へと与える。
【0065】
図10に示す例では、小径壜2の混合比率が100%の場合にはポジションP1が選択され、小径壜2の混合比率が80%の場合と60%の場合とのいずれも、ポジションP2が選択される。また、小径壜2の混合比率が40%の場合と20%の場合とのいずれも、ポジションP3が選択される。そして、小径壜2の混合比率が0%の場合にはポジションP4が選択される。
【0066】
図10の最下段には、その上に示された、混合率の異なる壜群20をそれぞれ構成する壜2の頭部2Aの位置を示している。
図10の例では、少なくとも、同じグリッパ4に対応する壜2の頭部2Aの最大の位置ずれ量である距離L3以上の許容範囲Rをグリッパ4に設定する。
図8と
図10とでは、壜2の径の値が異なっており、距離L2(
図8)と距離L3(
図10)とが相違しているが、第2実施形態においても、壜2の具体的な径や、ガイド16の間隔等に応じて、L2と同等のL3を設定することが可能である。
【0067】
第2実施形態によれば、圧縮空気駆動部123を備えた構造の単純な可動ストッパ12により、簡便にかつ安価に、壜群20を確実に把持することができる。
【0068】
〔第3実施形態〕
次に、
図11および
図12を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。
上述の第1、第2実施形態では、可動ストッパ12を用いて、ハンド装置3の基準位置Aに対して壜群20をセンタリングすることで、壜群20と、基準位置Aに対して対称に配置されたグリッパ群40とを位置決めしている。
それに対して、第3実施形態では、ハンド装置3の基準位置Aに対してグリッパ群40を搬送方向D1に沿って駆動し、コンベア11上の所定位置に位置決めされた壜群20に対してグリッパ群40をセンタリングする。
第3実施形態では、壜群20の長さLに応じてストッパ18が移動されない。
【0069】
本実施形態のパッカー300に備えられた制御装置6は、コンベア11上を搬送される壜2の位置を検知する壜位置検知部13(
図4)により検知された壜位置情報を用いて壜群20の長さLを算出する長さ算出部14と、算出された長さLを用いて、ハンド部31を搬送方向D1あるいはその逆向きD2へと駆動する駆動量を導き、グリッパ群40を駆動するグリッパ駆動部45へと指令G3を与える把持制御部17とを備えている。
【0070】
図12に示すように、第2実施形態のハンド装置3は、搬送方向D1に列をなすグリッパ群40を搬送方向D1と平行に駆動可能なグリッパ駆動部45を備えている。グリッパ駆動部45は、グリッパ群40の列毎に備えられており、対応する壜群20に対して、各列のグリッパ群40を個別に位置決めする。
ハンド装置3は、グリッパ群40により壜群20を把持しているハンド部31のピッチを変更可能な図示しない機構も備えている。かかる機構により、隣り合うハンド部31同士のピッチを、箱5のピッチに合わせて調整することができる。
【0071】
ハンド部31がコンベア11の上方に位置するとき、ハンド部31に支持され、壜2の同じ列に対応するグリッパ群40が、搬送方向D1にほぼ一定のピッチで配置されている。
グリッパ駆動部45により、グリッパ群40が、ピッチを保ちながら搬送方向D1に沿って移動する。
以下、グリッパ群40の搬送方向D1の中心位置のことを「グリッパ群中心」と称する。
【0072】
把持制御部17は、ストッパ18の位置から搬送方向D1とは逆向きD2に壜群20の長さLの1/2だけ離れた位置(壜群20の中心位置C)を求め、その位置にグリッパ群中心Bが合うように、グリッパ群40の駆動量を示す指令G3をグリッパ駆動部45に与える。
壜群20の長さLの算出、および指令G3の生成は、本実施形態においても、m列のそれぞれについて並行して行われ、m列の壜群20の搬送方向D1の中心位置Cに対して、グリッパ群中心Bがセンタリングされる。
【0073】
グリッパ群駆動部45によりグリッパ群40が複数段階の駆動量で駆動されるように構成されている場合は、第2実施形態と同様に、長さLに対して閾値を適用することで、壜群20の中心位置Cに対してグリッパ群中心Bを実質的に合致させることができる。
【0074】
第3実施形態によれば、壜群20の中心位置Cへとグリッパ群中心Bをセンタリングすることにより、第1実施形態(
図8)および第2実施形態(
図10)と同様に、同じグリッパ4に対応する壜2の頭部2Aの最大の位置ずれ量が減少する。
そのため、壜2の位置とグリッパ4の位置とがずれていたとしても、壜群20を構成する壜2を把持ミスなく一括して確実に把持することができる。
【0075】
壜群20の中心位置Cへとグリッパ群中心Bをセンタリングすることにより、グリッパ群中心Bがパッカー300の基準位置A(機械中心)からシフトするので、グリッパ群40により壜群20を一括して把持した後、グリッパ駆動部45により基準位置Aへとグリッパ群中心Bを合わせる処理を行うことが好ましい。そうすることで、基準位置Aを用いて制御されている箱詰めの処理をミスなく行うことができる。
【0076】
〔第4実施形態〕
次に、
図13を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、第3実施形態と同様に、壜群20に対してグリッパ群40を相対変位させるが、第3実施形態とは異なり、検出した壜群20の隣り合うもの同士のピッチに基づいて、壜群20の各壜2をそれぞれ把持可能にグリッパ4を位置決めする。
【0077】
第4実施形態のパッカー400に備えられた制御装置6は、コンベア11上の所定位置に停止した壜群20の先頭の壜2から末尾の壜2までの隣り合う壜2同士のピッチを検出する壜ピッチ検出部24と、検出されたピッチに基づいて、壜群20の壜2をそれぞれ把持可能な位置にまで搬送方向D1あるいはその逆向きD2へとグリッパ4を駆動する駆動量を導き、グリッパ駆動部(図示しない)へと指令G4を与える把持制御部27とを備えている。
第4実施形態におけるグリッパ駆動部は、グリッパ群40を構成する各グリッパ4について個別に用意されている。グリッパ駆動部により、壜群20の壜2のそれぞれを把持可能に複数のグリッパ4がそれぞれ位置決めされる。
【0078】
壜ピッチ検出部24により、壜2の頭部2Aを光学的にあるいは画像認識により検知することで、隣り合う壜2同士のピッチを検出することができる。隣り合う壜2同士のピッチとは、例えば、
図13で「1」を付した壜2の頭部2Aと、「2」を付した壜2の頭部2Aとの間の距離に相当する。
壜ピッチ検出部24により壜群20の先頭の壜2(「1」)から末尾の壜2(「20」)までの隣り合う壜2同士のピッチを検出したならば、それらのピッチに基づいて、把持制御部27により、各壜2を把持可能な位置にまでグリッパ4を駆動する駆動量を算出し、駆動量を示すグリッパ4毎の指令G4をグリッパ駆動部に与える。指令G4によりグリッパ4のピッチが変更されることで、壜2に対して、対応するグリッパ4が位置決めされる。このとき、壜2の頭部2Aの位置とグリッパ4の中心位置とが一致している必要はなく、グリッパ4の把持可能な許容範囲R内に頭部2Aが位置していれば足りる。
以上で説明した第4実施形態によっても、壜群20を構成する壜2を把持ミスなく確実に一括して把持することができる。
【0079】
上述のようにグリッパ4のピッチを変え、グリッパ群40により壜群20を一括して把持した後、図示しない機構により基準位置Aへとグリッパ群中心Bを合わせる処理を行うことが好ましい。そうすることで、基準位置Aを用いて制御されている箱詰めの処理をミスなく行うことができる。
【0080】
次に、PETボトル等の樹脂製のボトルに好適な本発明の変形例について説明する。
樹脂製ボトルは、搬送時に密着した状態で押し合うときの圧力、およびボトルの剛性によって変形の度合が相違し、変形の度合に応じて、ボトル群の長さLが相違する。
ここでは、同じ径(以下、基本径)のボトルを搬送し、グリッパ群40によりボトル群を一括して把持する例について説明する。「基本径」は、変形していないときのボトルの径を意味する。基本径と、一括処理するボトルの数とを乗じた寸法が、ボトルが変形していないときのボトル群の基本長さである。
ボトルの変形し易さを示す指標を「変形係数」というものとする。
【0081】
一括処理されるボトル群の長さLを取得し、その長さLと基本長さとの差を算出する。その差と、ボトルの変形係数とを用いて、ボトル群の中心位置Cと、グリッパ群中心位置Bとが実質的に合致するようにボトル群とグリッパ群40とを相対変位させたり(センタリング)、あるいは、第4実施形態で説明したようにグリッパ4のピッチを変更することができる。そうすることで、上記の各実施形態と同様に、ボトル群を構成するボトルを把持ミスなく確実に一括して把持することができる。
【0082】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
壜群20のそれぞれの壜2を一括して把持するにあたり、壜群20の端に位置する壜2の最大ずれ量にグリッパ4のケース42内の把持部分の寸法を加えた寸法が、許容範囲Rよりも小さいことを保証できる限りにおいて、例えば第2実施形態のように、壜群20とグリッパ群40とを簡易的にセンタリングすることが可能である。
【0083】
本発明の把持方法およびハンドリング装置により取り扱われる(ハンドリングされる)物品には、飲料、食品、薬品等の容器、さらには、容器に限らず種々の物品が含まれる。
また、本発明の把持方法およびハンドリング装置は、箱詰めに限らず、コンベアにより列をなして搬送される物品群をグリッパ群により一括して把持する様々な場面で利用することができる。