特許第6876467号(P6876467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876467
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20210517BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210517BHJP
   G03G 9/08 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   G03G15/08 390A
   G03G21/00 500
   G03G9/08
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-39896(P2017-39896)
(22)【出願日】2017年3月2日
(65)【公開番号】特開2018-146689(P2018-146689A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 太史
【審査官】 小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−134669(JP,A)
【文献】 特開平08−190272(JP,A)
【文献】 特開2013−057742(JP,A)
【文献】 特開2014−115486(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0129095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 9/08
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容し、内部で前記トナーを撹拌する可動部を有する現像装置と、
前記現像装置の周辺に配置されて温度を検出する温度センサと、
検出された前記温度が予め設定された第1温度以上になったときに、前記現像装置を使用した印刷が可能な印刷可能状態から印刷を停止する印刷停止状態にする制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記印刷可能状態において、前記可動部を第1速度で動作させて、
前記温度が前記第1温度以上である状態且つ前記印刷停止状態において、前記可動部の動作を前記第1速度より低い第2速度で動作させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2速度を前記第1速度の1/2未満の速度とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記印刷停止状態において、前記第1温度よりも低い第2温度以下に前記温度が低下した場合、前記印刷停止状態から前記印刷可能状態にする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記印刷停止状態において、前記第2速度での前記可動部の動作が停止する時間を設ける、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像装置は、ガラス転移点が50℃以下である前記トナーを収容する、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置においては、低温定着による省エネルギー化が進められている。近年、定着温度はトナー材料や定着器の改良により低下傾向にあるが、一方では、低温定着トナーの保存性が悪化するという問題がある。保存性とは、電子写真装置の輸送中や、使用中に、装置内部のトナーが外部から熱や振動の影響を受けて溶融しトナー同士が融着する現象に対しての耐性を示すものである。一般的には、50℃〜60℃の環境において充分な保存性をもったトナーが求められており、こうした観点からワックスの改良や材料の分散状態等の改良も進められている。また、一方で電子写真装置の中には、200mm/秒以上のプリント速度を持つ機種もある。こうした高速の電子写真装置では、連続印刷等を行うと電子写真装置内部が高温になりやすい。そのため、電子写真装置は周辺温度を検知し、検知した温度が一定の閾値を超えると、プリント動作を一時的に中止し、温度が低下してからプリント動作を再開する。
【0003】
電子写真装置は、現像装置の現像ローラやオーガ等の可動部の動作を伴うため、回転軸と軸受との間の回転摩擦熱等により局所的に著しく高温になる部分もある。このように局所的に高温になっている部分が生じている状態で、プリント動作を停止すべく、全ての装置の動作を中止すると、トナーの現像器中での移動もなくなり、トナーが局所的な高温環境にさらされる場合が発生する。この場合、保存性を満たすトナーであっても、トナーが現像装置内で溶融する現象がみられる。溶融したトナーは、温度の低下とともに、塊を作り、また現像装置内に固着する場合があった。現像装置内で一度溶融したトナーは流動性や帯電性が劣化することにより、画像に白スジやカスレ等の異常を発生させる場合がある。特に、低温定着性に優れるトナーは、溶融する温度が低いため、現像装置内での溶融が発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−162815号公報
【特許文献2】特開平11−344861号公報
【特許文献3】特開平11−084970号公報
【特許文献4】特開2015−210382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、トナーの溶融を防止することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の画像形成装置は、現像装置と、温度センサと、制御部とを持つ。現像装置は、トナーを収容し、内部で前記トナーを撹拌する可動部を持つ。温度センサは、現像装置の周辺に配置されて温度を検出する。制御部は、検出された温度が予め設定された第1温度以上になったときに、現像装置を使用した印刷が可能な印刷可能状態から印刷を停止する印刷停止状態にする。制御部は、印刷可能状態において、可動部を第1速度で動作させて、前記温度が前記第1温度以上である状態且つ印刷停止状態において、可動部の動作を第1速度より低い第2速度で動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の画像形成装置の内部構成の一例を模式的に示す図。
図2】実施形態の画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図3】実施形態の画像形成装置の現像装置における温度変化の一例を示す図。
図4】実施形態の画像形成装置の印刷停止の一例を示す図。
図5】実施形態の現像装置のオーガの運転パターンの第1の例を示す図。
図6】実施形態の現像装置のオーガの運転パターンの第2の例を示す図。
図7】実施形態の現像装置のオーガの運転パターンの第3の例を示す図。
図8】実施形態の画像形成装置の動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の画像形成装置を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各図において、同一構成については同一の符号を付す。
【0009】
先ず、図1を用いて、実施形態の画像形成装置の内部構成の一例を模式的に示す図を説明する。
【0010】
図1において、画像形成装置10は、カラー画像形成装置を示している。画像形成装置10は、プリンタ部18を有する。プリンタ部18は、画像形成ユニット28Y、画像形成ユニットM、画像形成ユニット28C、及び画像形成ユニット28Kを有する。画像形成ユニットYはイエロー色のトナー像を形成する。2成分の電子写真方式においては、現像剤にはトナーとキャリアを含む。画像形成ユニット28Yは、イエロー色のトナー像を中間転写ベルト21に1次転写することにより画像を形成する。同様に、画像形成ユニット28Mはマゼンタ色のトナー像を形成する。画像形成ユニット28Cはシアン色のトナー像を形成する。また、画像形成ユニット28Kは黒色のトナー像を形成する。プリンタ部18は、YMCK各色の画像形成ユニットにより、カラー画像を形成することができる。画像形成ユニット28Y〜画像形成ユニット28Kは、同様の装置構成を有する画像形成ユニットであるため、以下の説明においては、画像形成ユニット28Kに符号付して説明する。
【0011】
感光体281Kは、例えば、有機感光体、アモルファスシリコン感光体である。感光体281Kは、電荷発生層と電荷輸送層(及び保護層)を有し、マイナス電荷又はプラス電荷によって帯電することができる。
【0012】
画像形成ユニット28Kは、感光体281K、帯電装置282K、露光部283K、現像装置284K、1次転写ローラ285K、クリーニング装置286Kを有する。帯電装置282Kは、例えば、チャージャワイヤ、櫛歯型チャージャ、スコロトロン等のコロナ帯電器、接触帯電ローラ、非接触帯電ロータ、及び固体チャージャ等である。帯電装置282Kは、感光体281Kの表面に一様に、例えば、−500〜800Vの表面電位を付与する。
【0013】
露光部238Kは、感光体281Kをレーザ光又はLED光等によって露光して、感光体281Kの表面に静電潜像を形成する。
【0014】
現像装置284Kは、感光体281Kに形成された静電潜像をトナーによって顕像化(現像)する。現像装置284Kは、現像ローラ291Kやオーガ292K等の可動部を有する。現像ローラ291Kは、例えばマグネットローラを内包する。マグネットローラを内包した現像ローラ291Kは回転し、磁気ブラシ現像によって2成分の現像剤を感光体281Kに搬送し、トナーを感光体281Kに付着させてトナー像を現像する。現像ローラ291Kには現像バイアスが印加されて感光体281Kの表面にトナーが付着しやすくする。現像剤は、感光体281Kにトナーが付着することによりトナー濃度が低下する。トナー濃度は、図示しないトナー濃度センサによって検出される。トナー濃度の低下が検出されると、図示しないホッパからトナーが供給される。オーガ292Kは回転し、トナー濃度が低下した現像剤と新たに供給されたトナーを攪拌することにより、現像剤のトナー濃度を均一化して現像ローラ291Kに供給する。
【0015】
オーガ292Kは、図示しない駆動モータによって回転される。オーガ292Kは、現像ローラ291Kによって減少したトナー濃度を均一化するために、感光体281Kへのトナー供給量に応じた攪拌能力が要求される。攪拌能力は、オーガ292Kのオーガスクリューの回転速度によって変化する。画像形成プロセスが高速である場合、それに対応した攪拌能力を得るためにオーガ292Kは所定の回転速度が要求される。オーガ292Kは、現像剤を攪拌するため、回転速度が上昇すると、それに伴って現像剤との摩擦熱が発生する。また、オーガ292Kや現像ローラ291K等の回転を支持する軸受けやオーガ292Kに回転力を伝達するギヤやモータ等の可動部も回転等の動作に伴って発熱する。オーガ292K等の発熱量は回転速度等の動作速度が上昇すると大きくなる。オーガ292K等の動作速度はプロセス速度に起因する。プロセス速度は、画像形成装置10の印刷速度(PPM又はCPM)によって定められる。例えば、プロセス速度が200mm/秒以上の高速機の場合、オーガ292K等の動作による温度上昇が顕著になることが実測によって確認された。すなわち、現像装置284Kの温度上昇は、プロセス速度が200mm/秒以上の高速機において問題となる。
【0016】
温度センサ11は、現像装置284Kの近傍に設置され、現像剤の温度を間接的に測定する。現像剤は、オーガ292K等の回転によって均一化されるので、オーガ292K等が回転中は現像装置284K内部の温度も均一化される。したがって、温度センサ11は、現像装置284Kの近傍に設置されても現像剤の温度を間接的に測定することができる。なお、温度センサ11は、画像形成装置10の内部に設置された他の目的の温度センサを現像剤の温度の測定用として兼用するものであってもよい。温度センサ11には、例えば、サーミスタや測温抵抗体の抵抗温度計を用いることができる。なお、図1において温度センサ11は、現像装置284Kの近傍に設定される場合を示し、他の色の現像装置の温度は測定していない。但し、温度センサ11は、他の色の現像装置近傍に設置するようにしてもよい。
【0017】
1次転写ローラ285Kは、感光体281Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト21に1次転写する。1次転写ローラ285Kには、トナーと逆極性のバイアス電圧が印加されて、感光体281Kから中間転写ベルト21へのトナーの転写を促す。クリーニング装置286Kは、感光体281Kに残ったトナーをクリーニングする。中間転写ベルト21は、図示矢印方向に回転する。中間転写ベルト21は、画像形成ユニット28Y、画像形成ユニット28M、画像形成ユニットC及び画像形成ユニット28Kの順序で形成された各色のトナー像を担持する。2次転写ローラ32は、中間転写ベルト21に担持された各色のトナー像を一括して、シートに2次転写する。2次転写ローラ32には、トナーと逆極性のバイアス電圧が印加されて、中間転写ベルト21からシートへのトナーの転写を促す。
【0018】
定着装置34は、シートに2次転写されたトナーを所定の温度と圧力によって定着する。定着装置34の温度は、トナーの熱特性に起因する。トナーの熱特性とは、シート上のトナーの粘度変化の特性である。トナーは温度が上昇すると粘度が下がりシートに定着可能になる。定着可能な粘度はシートの素材(例えば、紙、プラスチックフィルム)やシートの表面形状によって異なる。
【0019】
以下トナーについて説明する。本実施形態に好適に用いられるトナーを選定すべく、まず以下のトナー1〜トナー3を製造した。それぞれのトナーを現像剤として、低温定着性、保存性、ガラス転移転温度について評価した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
<トナー1>
ポリエステル樹脂(バインダー) 85重量部
結晶性ポリエステル樹脂 3重量部
エステルワックスA 5重量部
着色剤(MA−100) 6重量部
帯電制御剤(Al+Mgを含むポリサッカライド化合物) 1重量部
【0022】
上記材料をヘンシェルミキサーにて混合した後、二軸押し出し機により溶融混練をした。得られた溶融混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均径7μm、トナーTg 43.4℃の粉体を得た。
【0023】
この粉体100重量部に対し、下記添加剤をヘンシェルミキサーにより添加混合してトナーを製造した。
【0024】
平均一次粒子径が8nmの疎水性シリカ 0.8重量部
平均一次粒子径が100nmの疎水性シリカ 0.8重量部
平均一次粒子径が20nmの疎水性酸化チタン 0.5重量部
【0025】
得られたトナーを平均粒径40μmのシリコーン樹脂を表面コートしたフェライトキャリア100重量部に対し、6重量部の割合でターブラミキサーにて撹拌して、現像剤とした。
【0026】
<トナー2>
ポリエステル樹脂(バインダー) 85重量部
結晶性ポリエステル樹脂 3重量部
エステルワックスB 5重量部
着色剤(MA−100) 6重量部
帯電制御剤(Al+Mgを含むポリサッカライド化合物) 1重量部
【0027】
上記材料をヘンシェルミキサーにて混合した後、二軸押し出し機により溶融混練をした。得られた溶融混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均径7μm、トナーTg 44.2℃の粉体を得た。
【0028】
この粉体100重量部に対し、下記添加剤をヘンシェルミキサーにより添加混合してトナー2を製造した。
【0029】
平均一次粒子径が8nmの疎水性シリカ 0.8重量部
平均一次粒子径が100nmの疎水性シリカ 0.8重量部
平均一次粒子径が20nmの疎水性酸化チタン 0.5重量部
【0030】
得られたトナーを平均粒径40μmのシリコーン樹脂を表面コートしたフェライトキャリア100重量部に対し、6重量部の割合でターブラミキサーにて撹拌して、現像剤を得た。
【0031】
<トナー3>
ポリエステル樹脂(バインダー) 68重量部
結晶性ポリエステル樹脂 15重量部
エステルワックスC 10重量部
着色剤(MA−100) 6重量部
帯電制御剤(Al+Mgを含むポリサッカライド化合物) 1重量部
【0032】
上記材料をヘンシェルミキサーにて混合した後、二軸押し出し機により溶融混練をした。得られた溶融混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均径7μm、トナーTg 33.5℃の粉体を得た。
【0033】
この粉体100重量部に対し、下記添加剤をヘンシェルミキサーにより添加混合してトナー3を製造した。
【0034】
平均一次粒子径が8nmの疎水性シリカ 0.8重量部
平均一次粒子径が100nmの疎水性シリカ 0.8重量部
平均一次粒子径が20nmの疎水性酸化チタン 0.5重量部
【0035】
得られたトナーを平均粒径40μmのシリコーン樹脂を表面コートしたフェライトキャリア100重量部に対し、6重量部の割合でターブラミキサーにて撹拌して、現像剤を得た。
【0036】
尚、エステルワックスA、B、Cは、以下の通り調整した。
【0037】
攪拌器、熱電対、窒素導入管を取り付けた4つ口フラスコに長鎖アルキルカルボン酸成分80重量部、長鎖アルキルアルコール成分20重量部を入れ、窒素気流下、220℃でエステル化反応を行った。得られた反応物をトルエン、エタノール混合溶媒に希釈した後、水酸化ナトリウム水溶液を加え70℃で30分間撹拌した。その後、30分間静置して水層部を除去した。さらに、イオン交換水を加え70℃で30分間撹拌した後、30分間静置して水層部を除去する操作を5回繰り返した。得られたエステル層を減圧条件下で溶媒を留去してエステルワックスA得た。エステルワックスの構造式を下記式(1)に示す。
【0038】
CH3(CH2)nCOO(CH2)mCH3 (n、mは定数)…(1)
【0039】
各エステルワックスは、長鎖アルキルカルボン酸の種類及び量と、長鎖アルキルアルコールの種類及び量とを変更することにより調製した。特に炭素数の分布を広げる場合、長鎖アルキルカルボン酸成分、長鎖アルキルアルコール成分共に複数の種類を使用することで調整を行った。表2にエステルワックスA~Cを構成する主要エステル化合物の含有量を示す。
【0040】
【表2】
【0041】
<低温定着性のテスト方法>
市販のe−studio6530c(東芝テック製)の定着システムを基に、設定温度を100℃から200℃まで0.1℃刻みで変更できるように改造した。設定温度150℃をスタートとし、トナー付着量:1.5mg/cm2となるベタ画像を10枚取得した。その10枚にわずかでもオフセットや未定着による画像剥がれが発生しない場合、設定温度を低下させて、画像剥がれが発生しない下限の定着温度を求めた。定着温度は低い程よく、125℃より高ければNGとした。
【0042】
<保存性のテスト方法>
55℃10H放置したトナー15gをメッシュで篩い、メッシュ上に残ったトナーを定量した。メッシュ上に残ったトナーの量は、少ないほどよく、3gよりも多ければNGである。
【0043】
ガラス転移点(Tg)とは、ガラス転移が起きる温度(℃)である。ガラス転移点は、JIS K6240に準拠して測定される数値であり、例えば、示差走査熱量測定(DSC:Differential scanning calorimetry)において測定される。本実施形態においては、示差走査熱量計(Q2000 TAインスツルメント社製)を使用した。
【0044】
ガラス転移点は、トナーがガラスに転移する温度である。ガラス転移点が高いトナーにおいては、定着装置34の温度を高くする必要があり、定着装置34における消費電力が大きくなる。定着装置34の温度は、トナーのガラス転移点、シート上のトナー量、シートの熱容量、及び印刷速度等を考慮して、十分な温度に設定される。
【0045】
本実施形態では、定着温度125度以下、保存性テスト3g以下、かつトナーTg50℃以下を満たすものを採用する観点から、トナー1を採用することとした。
【0046】
トナーのガラス転移点が低いことは、定着装置34の温度を低くするための大きな要素であり、ガラス転移点を低くすることで定着装置34における消費電力が小さくなる。一方でガラス転移点を低くしすぎると、トナーが溶融しやすい故の弊害もあるため、ガラス転移転は30℃〜50℃の範囲、好ましくは40℃〜50℃で設定することが好ましい。しかし、ガラス転移点が50℃以下の熱特性を有する低温定着トナーにおいては、現像装置284Kの内部においても溶融しやすくなる。
【0047】
上述のように、プロセス速度が200mm/秒以上の高速機の場合、オーガ292K等の動作による温度上昇が顕著になる。プロセス速度が200mm/秒以上の高速機の場合、現像装置の内部温度がトナーのガラス転移点になる場合がある。現像剤の温度がガラス転移点を超えると、トナーが溶融して、トナー同士が大きな塊になる。そこで、ガラス転移点が50℃以下のトナーを使用し、プロセス速度が200mm/秒以上の画像形成装置においては、現像剤の温度制御が行われる。具体的には、現像剤の温度がガラス転移点を超えそうになった場合、印刷動作を停止させ、現像剤の冷却時間を設ける。例えば、オーガ292Kの回転を支持する軸受け、オーガ292Kに回転力を伝達するギヤやモータ等の可動部は、上述のように発熱源である。したがって、印刷動作を停止させることによって、これらの部品からの発熱を停止させて冷却することができる。以下、温度上昇により印刷を停止する状態を「印刷停止状態」という。また、温度が上昇しておらず印刷が可能な状態を「印刷可能状態」という。印刷停止状態と印刷可能状態は、一方の状態から他方の状態に遷移可能な画像形成装置10の動作状態(動作モード)である。
【0048】
しかし、印刷動作を停止しても熱容量の大きい部分の温度は上昇を続ける可能性がある。例えば、オーガ292Kの軸受け等の可動部の温度は印刷動作を停止しても上昇を続ける可能性がある。また、印刷動作中は、上述のようにオーガ292K等の回転によって現像剤が移動され、現像装置284K内部の温度が均一化される。しかし、印刷動作が停止されオーガ292K等の回転が停止されると、オーガ292Kの軸受け等の部品の温度が現像剤によって他に拡散されなくなる。したがって、オーガ292Kの軸受け等の可動部の近傍に高温のホットスポットが発生することになる。ホットスポットに滞留する現像剤は高温になって溶融する可能性がある。例えば、ホットスポットの温度が高温にならないように印刷動作を低い温度で停止した場合、印刷可能状態の時間が短くなり、印刷停止状態の時間が長くなる。
【0049】
本実施形態においては、印刷停止状態においてオーガ292K等を低速回転させることにより、オーガ292Kの軸受け等からの発熱量を低下させる。オーガ292K等を回転させることにより、現像剤を攪拌して移動させ、現像剤がホットスポットに滞留することを防止する。さらに、オーガ292K等を回転させることにより、ホットスポットの熱を現像剤の移動によって拡散することが可能となる。なお、印刷停止状態におけるオーガ292K等の動作の詳細は、図5等を用いて後述する。
【0050】
なお、図1においては、画像形成ユニット28Y〜画像形成ユニット28Kにおいてカラー印刷する画像形成装置10を例示した。しかし、画像形成装置は、例えば黒色用トナーを画像形成する画像形成ユニットのみを有するものであってもよい。また、画像形成装置は、消色トナーを画像形成する画像形成ユニットを有するものであってもよい。なお、以下の説明では、トナーの色を限定しない共通的な事項を説明する場合、画像形成ユニット28、現像装置284、オーガ292等として説明する。
【0051】
次に、図2を用いて、実施形態の画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図を説明する。
【0052】
図2において、画像形成装置10は、制御部100、コントロールパネル13、プリンタ部18及び温度センサ11を有する。
【0053】
制御部100は、演算装置51及び記憶装置52を備える。演算装置51は、記憶装置52に記憶された画像処理プログラムに従い、コントロールパネル13及びプリンタ部18を制御する。
【0054】
演算装置51は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。記憶装置52は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solido State Drive)等である。データ受信部53は、PC(Personal Computer)などのホストから、印刷する画像を示す印刷データ(例えば、ページ記述言語で記述されたデータ等)を受信し、受信した印刷データを記憶装置52に記憶する。画像データ展開部54は、データ受信部53によって記憶装置52に記憶された印刷データから印刷条件を決定したりすることで、プリンタ部18が印刷可能なデータ(例えば、ラスタデータ等)に展開して、記憶装置52に記憶する。
【0055】
プリンタ部18は、定着装置34、2次転写ローラ32、及び画像形成ユニット28を有する。プリンタ部18は、画像データ展開部54によって記憶装置52に記憶されたデータに基づきシートに画像を形成する。
【0056】
制御部100は、温度センサ11から温度データを取得する。図1で説明したように、温度センサ11は現像装置284の近傍に設置される。制御部100は、温度センサ11から取得した温度データに基づき、現像装置284の内部温度又は現像剤の温度を推定する。制御部100は、例えば、取得した温度データと、印刷枚数等の情報に基づき、将来的な現像装置284の内部温度等を推定するものであってもよい。制御部100は、推定した現像装置284の内部温度等が所定の条件を満たす場合、プリンタ部18による印刷動作を一時的に停止し、印刷停止状態とする。所定の条件とは、例えば、温度センサ11から取得した温度データが予め定められた値以上である場合である。
【0057】
制御部100は、データ受信部53がPCから受信した印刷データを記憶装置52に記憶する。制御部100は、印刷可能状態において、記憶装置52に記憶された印刷データをページ毎にラスタライズしてプリンタ部18において印刷する。制御部100は、温度が予め定められた値以上になった場合、次のページの印刷データのラスタライズを中止し、次のページを印刷するシートの給紙をしない。制御部100は、印刷中のシートの印刷を完了し、そのシートが排紙されてから印刷停止状態とする。制御部100は、印刷停止状態において、記憶装置52に記憶された印刷データを読出さず、プリンタ部18における印刷動作は実行しない。制御部100は、印刷停止状態においてデータ受信部53がPCから印刷データを受信した場合、受信した印刷データは記憶装置52に記憶する。制御部100は、次に印刷可能状態になったときに、記憶装置52に記憶された残りの印刷データをページ毎にラスタライズしてプリンタ部18において印刷する。
【0058】
なお、制御部100は、印刷中の印刷データの全てのページが印刷完了した後に印刷停止状態とするようにしてもよい。また、制御部100は、印刷中の印刷データの残りのページ数を参照し、残りのページ数が所定のページ数以内の場合、全てのページが印刷完了した後に印刷停止状態とするようにしてもよい。また、制御部100は、温度センサ11から取得した温度データと残りのページ数に基づき、全てのページが印刷完了したときの温度を予想して、印刷停止状態とするか否かの判断をしてよい。
【0059】
コントロールパネル13は、入力キーと、表示部とを備える。例えば、入力キーは、ユーザによる入力を受け付ける。例えば、表示部は、タッチパネル式である。表示部は、ユーザによる入力を受け付け、ユーザへの表示を行う。例えば、コントロールパネル13は、画像形成装置10の動作に関する項目を設定可能に表示部に表示する。コントロールパネル13は、ユーザによって設定された項目を制御部100に通知する。コントロールパネル13は、後述する動作項目を選択可能に表示することによって、ユーザが動作モードを選択できるようにする。なお、コントロールパネル13は、印刷停止状態である場合、印刷停止状態である旨を表示するようにしてもよい。印刷停止状態である旨の表示は、例えば、スタートキーを赤色に点灯したり、表示部に「印刷停止中」等の文字を表示したりすることで実施することができる。
【0060】
次に、図3を用いて、実施形態の画像形成装置の現像装置における温度変化の一例を説明する。
【0061】
図3において、グラフの横軸は時間の経過(t)を示す。グラフの縦軸は、温度センサ11によって計測された温度(℃)を示す。
【0062】
時刻t1は、連続した印刷によって温度が時間とともに上昇していき、温度K1に達した時刻を示す。時刻t1までの時間は印刷が可能な印刷可能状態である。温度K1は、画像形成装置10を印刷停止状態にする温度として予め設定された温度である。制御部100は、温度がK1に達すると、印刷停止状態にして、現像装置284の冷却を開始する。現像装置284のオーガ292等による発熱から温度センサ11による温度の検出までは熱伝達の遅延が発生するため、時刻t1において印刷停止状態にされた後に若干の温度のオーバーシュートが発生する場合がある。温度K1は、トナーの溶融を防止する観点において設定される。トナーは温度の上昇に伴なって粘度が下がり、トナー同士の塊が発生しやすくなるので、現像装置284はトナーのガラス転移に比べて十分低い温度に保たれることが望ましい。したがって、本実施形態において、温度K1はトナーのガラス転移点以下に設定する。ガラス転移点が50℃以下のトナーにおいては、温度K1は50℃以下に設定される。しかし、温度K1を低くすると、温度上昇により印刷動作を継続できる印刷可能状態が短くなり、印刷の生産性が低下する。したがって、温度K1は、トナーの溶融と生産性を考慮した値に予め設定される。なお、図3では、印刷可能状態において、連続した印刷が行われる場合を例示している。しかし、印刷可能状態において印刷動作を実行しない時間がある場合、温度K1に達するまでの時間(印刷可能状態)はさらに長くなる。
【0063】
時刻t2は、印刷停止状態によって温度が下降して、温度K2に達した時刻を示す。すなわち、時刻t1〜時刻t2は、印刷停止状態を示す。温度K2は、印刷停止状態から印刷可能状態にする温度として予め設定された温度である。印刷動作が停止されると、発熱源となるオーガ292の発熱が停止し温度が低下する。現像装置284の冷却には、例えば冷却ファン等の冷却手段を用いてもよい。冷却手段を用いることにより、温度が低下する時間を短縮することができる。また、印刷動作中の温度上昇を低減させることができる。
【0064】
制御部100は、温度がK2に達したときに印刷停止状態から印刷可能状態にする。温度K2は、温度K1以下に設定される。温度K2を温度K1に近い温度とすると早期に印刷動作が再開されるので、印刷停止状態が短くなる。但し、温度K1と温度K2の差が小さいと、印刷動作を再開したときに、温度上昇によって再び温度がK1に達するまでの時間が短くなる。例えば、画像形成装置10の平均的な稼働率(設計値)において、温度K1を50℃としたときには、温度K2を40℃〜43℃程度に設定することにより、印刷の生産性を確保することが可能となる。なお、温度K1と温度K2の設定は、例えば、画像形成装置10の外側の温度、印刷予定の枚数等の条件によって変更されてもよい。
【0065】
時刻t3は、印刷動作の再開によって温度が時間とともに上昇していき、再び温度K1に達した時刻を示す。すなわち、時刻t2から時刻t3は印刷可能状態である。時刻t2から時刻t3の印刷可能状態においても連続印刷が行われるものとする。また、時刻t4は、印刷動作の停止によって温度が下降して、温度K2に達した時刻を示す。
【0066】
次に、図4を用いて、実施形態の画像形成装置の印刷停止の一例を示す図を説明する。
【0067】
図4において、グラフの横軸は時間の経過(t)を示す。グラフの縦軸は、印刷が可能な印刷可能状態であるか(ON)、又は印刷が停止される印刷停止状態であるか(OFF)を示す。時刻t1、時刻t2、時刻t3及び時刻t4は、図3におけるそれぞれの時刻に対応している。
【0068】
時刻t1より前の時間は、印刷可能状態である。時刻t1から時刻t2までの時間は、印刷停止状態である。時刻t2から時刻t3までの時間は印刷可能状態である。さらに、時刻t3から時刻t4までの時間は、印刷停止状態である。制御部100は、印刷可能状態において、プリンタ部18の印刷動作を制御する。また、制御部100は、印刷停止状態において、プリンタ部18の印刷動作を停止する。
【0069】
次に、図5を用いて、実施形態の現像装置のオーガ292の運転パターンの第1の例を説明する。以下、可動部の動作としてオーガ292の回転を例示して説明する。なお、図6は、オーガ292の運転パターンの第2の例、図7は、オーガ292の運転パターンの第3の例を説明する図である。
【0070】
図5において、グラフの横軸は時間の経過(t)を示す。グラフの縦軸は、オーガ292の回転速度を示す。時刻t1、時刻t2、時刻t3及び時刻t4は、図3におけるそれぞれの時刻に対応している。
【0071】
制御部100は、印刷停止状態においてオーガ292を回転させることによって、現像剤を攪拌して移動させ、現像剤がホットスポットに滞留することを防止する。さらに、制御部100は、オーガ292を回転させることにより、ホットスポットの熱を現像剤の移動によって拡散する。
【0072】
オーガ292の運転パターンの第1の例において、印刷停止状態におけるオーガ292の回転速度をN2にする。回転速度N2は、印刷可能状態における印刷動作中のオーガ292の回転速度N1より低い回転速度(rpm)である。回転速度N2によるオーガ292の回転を低速回転という。回転速度N1によるオーガ292の回転を通常回転という。低速回転におけるオーガ292等からの単位時間あたりの発熱量は、通常回転における発熱より小さくなる。回転速度N2の値を小さくする程、オーガ292等からの発熱量を小さくできる。一方、回転速度N2の値を小さくすることにより、現像剤の移動が小さくなり、現像剤がホットスポットに滞留する時間が長くなり、また現像剤による熱の拡散が小さくなる。回転速度N2の値を小さくすることにより、ホットスポットにおけるトナーの溶融が起きやすくなる。したがって、回転速度N2の値は、オーガ292等からの発熱量とホットスポットにおけるトナーの溶融の可能性の両面から定められる。
【0073】
本実施形態では、回転速度N2を回転速度N1の1/4〜3/4とする。より好ましくは、回転速度N2を回転速度N1の1/2未満とする。回転速度N2を回転速度N1の1/4以下とすると、ガラス転移点に近いホットスポットにおいて、トナーの粘度の低下が確認された。また、回転速度N2を回転速度N1の3/4以上とすると、オーガ292等からの発熱によって現像装置284の温度が上昇することが確認された。回転速度N2を回転速度N1の1/4〜3/4とすることによって、オーガ292等からの発熱量を十分小さくして温度上昇を抑えることが確認できた。また、ガラス転移点に近いホットスポットにおいてトナーの溶融が発生しないことが確認できた。回転速度N2は、回転速度N1の1/4(25%)〜3/4(75%)の範囲における中間である1/2(50%)とした。
【0074】
なお、オーガ292の回転に必要な回転力は、回転速度が0(rpm)に近いと静止摩擦力によって急激に上昇することが知られている。回転力を向上させるには、例えばモータ等の駆動系の変更が必要になる場合がある。回転速度N2を回転速度N1の1/4以上とすることによって、駆動系の変更が必要ないことが確認された。
【0075】
オーガ292の回転速度の変更は、例えば、オーガ292を駆動するモータの回転速度を変更することによって行うことができる。また、オーガ292の回転速度の変更は、オーガ292を駆動するギヤのギヤ比を変更することによって行うことができる。オーガ292の回転速度とは、所定の時間における回転数であってもよい。例えば、オーガ292を駆動するモータがステッピングモータ等のパルス動作をする場合、オーガ292の回転も、回転と停止をパルス状に繰返す。オーガ292の回転速度は、1分あたりの回転数であってもよい。
【0076】
次に、図6を用いて、実施形態の現像装置のオーガ292の運転パターンの第2の例を説明する。グラフの縦軸は、オーガ292の回転速度を示す。時刻t1、時刻t2、時刻t3及び時刻t4は、図3におけるそれぞれの時刻に対応している。
【0077】
オーガ292の運転パターンの第2の例において、制御部100は、印刷停止状態におけるオーガ292の回転速度をN2にする。回転速度をN2にする理由は、オーガ292の運転パターンの第1の例と同様である、オーガ292の運転パターンの第2の例において、制御部100は、時刻t11においてオーガ292の回転を停止させる。例えば、ホットスポットの温度がトナーの溶融が発生しない温度(例えば、ガラス転移点)以下になった場合、現像剤の移動を停止させることができる。オーガ292の回転を停止させることにより、オーガ292等からの発熱量を0にすることができ、温度が温度K2まで下降する時間を短縮することができる。また、時刻t11から時刻t2までオーガ292の回転を停止することにより、消費電力を低減させることができる。
【0078】
時刻t11は、例えば、印刷停止状態が開始される時刻t1からの所定の経過時間とすることができる。また、時刻t11は、温度が温度K1まで下降した時間としてもよい。制御部100は、時刻t2において再度印刷動作を開始し、時刻t2以降の時刻t3、時刻t31及び時刻t4において同様の制御を行う。
【0079】
次に、図7を用いて、実施形態の現像装置のオーガ292の運転パターンの第3の例を説明する。グラフの縦軸は、オーガ292の回転速度を示す。時刻t1、時刻t2、時刻t3及び時刻t4は、図3におけるそれぞれの時刻に対応している。
【0080】
オーガの運転パターンの第3の例において、制御部100は、印刷停止状態におけるオーガ292の回転速度をN2にする。回転速度をN2にする理由は、オーガ292の運転パターンの第1の例と同様である、オーガ292の運転パターンの第3の例において、制御部100は、オーガ292の回転を間欠的に停止する。オーガ292の回転を間欠的に停止するとは、オーガ292の回転と停止の繰返す動作である。繰返しのパターンは任意である。例えば、制御部100は、オーガ292が回転している時間と停止している時間をそれぞれ任意の時間とすることができる。オーガ292の回転を間欠的に停止することにより、消費電力を低減させることができる。例えば、制御部100は、回転している時間と停止している時間を同じ秒数(例えば3秒)とする。なお、図7においては、回転速度N2と停止を繰返す場合を示したが、例えば、回転速度N1と停止を繰返すようにしてもよい。
【0081】
次に、図8を用いて、実施形態の画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートを説明する。
【0082】
図8において、制御部100は、温度がK1以上になったか否かを判断する(Act11)。温度がK1以上になったか否かは、温度センサ11の測定データに基づき判断することができる。温度がK1以上になっていないと判断した場合(Act11:NO)、制御部100は、Act11の処理を繰返し、温度がK1以上になるのを待機する。
【0083】
一方、温度がK1以上になったと判断した場合(Act11:YES)、制御部100は、印刷動作を停止して、印刷可能状態から印刷停止状態にする(Act12)。印刷停止状態とすることにより、制御部100は、現像装置284の昇温を防止することができる。制御部100は、印刷停止状態にするときには、新たなシートの給紙をしない。また、制御部100は、印刷停止状態にするときには、プリンタ部18において印刷中のシートがある場合、そのシートの印刷を完了する。
【0084】
Act12の処理を実行した後、制御部100は、オーガを低速回転に切替える。低速回転時のオーガの回転は、図5図7で例示した動作とすることができる。制御部100は、オーガを低速回転にすることにより、印刷動作の停止中におけるトナーの溶融を防止することができる。
【0085】
Act13の処理を実行した後、制御部100は、温度がK2以下になったか否かを判断する(Act14)。温度がK2以下になったか否かは、温度センサ11の測定データに基づき判断することができる。温度がK2以下になっていないと判断した場合(Act14:NO)、制御部100は、Act14の処理を繰返し、温度がK2以下になるのを待機する。
【0086】
一方、温度がK2以下になったと判断した場合(Act14:YES)、制御部100は、印刷停止状態から印刷可能状態にする(Act15)。制御部100は、印刷されてない印刷データがある場合、印刷動作を再開する。Act15の処理を実行した後、制御部100は、オーガを通常回転に切替える(Act16)。Act16の処理を実行した後、制御部100は、Act11の処理に戻って、フローチャートで説明した処理を繰返す。
【0087】
以上説明した本実施形態の画像形成装置は、現像装置と、温度センサと、制御部とを持つ。現像装置は、トナーを収容し、前記トナーと接する可動部を持つ。温度センサは、現像装置の周辺に配置されて温度を検出する。制御部は、検出された温度が予め設定された第1温度以上になったときに、現像装置を使用した印刷が可能な印刷可能状態から印刷を停止する印刷停止状態にする。制御部は、印刷可能状態において、可動部を第1速度で動作させて、印刷停止状態において、可動部の動作を第1速度より低い第2速度で継続させる。この構成によって、画像形成装置は、印刷動作の停止中におけるトナーの溶融を防止することができる。
【0088】
また、本実施形態の画像形成装置において、制御部は、第2速度を第1速度の1/2未満の速度とする。この構成によって、画像形成装置は、印刷動作の停止中におけるトナーの溶融を防止するとともに、現像装置の昇温を防止することができる。
【0089】
また、本実施形態の画像形成装置において、制御部は、印刷停止状態において温度が第2温度以下に低下した場合、印刷停止状態から前記印刷可能状態にする。この構成によって、画像形成装置は、印刷の生産性を向上させることができる。
【0090】
また、本実施形態の画像形成装置において、制御部は、印刷停止状態において、第2速度での可動部の動作を停止する時間を設ける。この構成によって、画像形成装置は、消費電力を低減することができる。
【0091】
また、本実施形態の画像形成装置において、制御部は、印刷停止状態において、間欠的に前記可動部の動作が停止する時間を設ける。この構成によって、画像形成装置は、消費電力を低減することができる。
【0092】
また、本実施形態の画像形成装置において、現像装置は、ガラス転移点が50℃以下であるトナーを収容する。この構成によって、低消費電力の画像形成装置においても印刷動作の停止中におけるトナーの溶融を防止することができる。
【0093】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、画像形成装置は、現像装置と、温度センサと、制御部とを持つことにより、印刷動作の停止中におけるトナーの溶融を防止することができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
10…画像形成装置、11…温度センサ、13…コントロールパネル、18…プリンタ部、28、28Y、28M、28C、28K…画像形成ユニット、281K…感光体、282K…帯電装置、283K…露光部、284…現像装置、285…1次転写ローラ、286…クリーニング装置、32…2次転写ローラ、34…定着装置、51…演算装置、52…記憶装置、53…データ受信部、54…画像データ展開部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8