(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
[第1実施形態]
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示している。本実施形態の軟包材容器用中間材の製造方法は、第1重合工程P1、封入部形成工程P2、第2重合工程P3、折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を備えており、軟包材容器用中間材A1を製造するための方法である。軟包材容器用中間材A1は、後述する軟包材容器B1の製造に用いられるものである。
【0017】
[第1重合工程P1]
第1重合工程P1は、
図1、
図3及び
図4に示すように、第1原反シート110と第2シート12とを重ね合わせる工程である。第1原反シート110は、第2シート12よりも十分に大きなサイズの合成樹脂製のシートであり、図示された例においては、帯状の原反状態のシートが用いられている。第2シート12は、製造される軟包材容器用中間材A1の構造及び形状に依存する形状とされた個片状態の合成樹脂製のシートである。本発明においては、この軟包材容器用中間材A1の構造及び形状に依存する形状を特定形状と定義する。
【0018】
本実施形態においては、第1重合工程P1は、
図1、
図3及び
図4に示すように、シート積層工程P11及び除去工程P12を含む。シート積層工程P11は、第1原反シート110と第2原反シート120とを重ね合わせる工程である。第2原反シート120は、帯状の原反状態の合成樹脂製のシートであり、第2シート12を形成するためのものである。図示された例においては、シート積層工程P11は、さらに切断予定線形成工程P111及び予備接合工程P112を含む。
【0019】
ここで、第1原反シート110及び第2原反シート120(第2シート12)は、後述する工程を経ることにより、軟包材容器用中間材A1を形成可能なものであれば、その具体的な材料や層構成は特に限定されない。第1原反シート110及び第2原反シート120は、後述する内容物や充填材を密閉状態で適切に収容し、適度な強度及び柔軟性を有するものであればよい。また、第1原反シート110及び第2原反シート120は、軟包材容器用中間材A1を形成するために選択される接合手法を施すことが可能な材質等によって形成されればよい。
【0020】
本実施形態においては、第1原反シート110が外面111及び内面112を有しており、第2原反シート120が外面121及び内面122を有している。シート積層工程P11においては、第1原反シート110と第2原反シート120とは、内面112と外面121とが対面するように重ね合わされる。この後の接合工程において、たとえばヒートシールが用いられる場合、第1原反シート110の内面112と第2原反シート120の外面121とは、ともにヒートシールが可能なヒートシール性を有するシーラントフィルム層によって構成される。
【0021】
また、第1原反シート110の外面111は、軟包材容器用中間材A1の最外表面となるものであるため、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性等を有する基材フィルム層によって構成されることが好ましい。第2原反シート120の内面122は、ヒートシール性の有無や、適度な強度や耐摩耗性及び耐熱性の有無は特に限定されないが、後述する製造工程をスムーズに実施するためには、外面111と同様の基材フィルム層によって構成されることが好ましい。
【0022】
以上より、図示された例においては、第1原反シート110の内面112及び第2原反シート120の外面121が、同種のシーラントフィルム層によって構成され、第1原反シート110の外面111及び第2原反シート120の内面122が、同種の基材フィルム層によって構成されている。また、第1原反シート110及び第2原反シート120に高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、第1原反シート110及び第2原反シート120は、シーラントフィルム層と基材フィルム層との間に介在する中間層としてのバリアフィルム層を有することが好ましい。このような構成の第1原反シート110及び第2原反シート120は、上述したシーラントフィルム層、バリアフィルム層及び基材フィルム層が積層された1枚の原反状態のシートを、2分割することによって形成してもよい。
【0023】
ここで、基材フィルム層、シーラントフィルム層及びバリアフィルム層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、共押出しラミネーション、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーション等により行うことができる。
【0024】
基材フィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)等)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0025】
シーラントフィルム層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0026】
バリアフィルム層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、基材フィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物等を蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0027】
第1原反シート110及び第2原反シート120には、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザイン等を表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、基材フィルム層の内側の面に形成できる。なお、上述した第1原反シート110及び第2原反シート120の構成は、後述する胴部21及び底部22などに継承される。
【0028】
図3に示すように、切断予定線形成工程P111は、第2原反シート120に切断予定線125を形成する工程である。切断予定線125は、第2原反シート120の切断を所定の方向及び位置に誘導するものであり、上述の特定形状とされた閉じた曲線あるいは屈曲線である。切断予定線125は、切断を誘導し得るものであれば、その具体的構成は特に限定されず、たとえば切断部と非切断部とが連続したミシン目線(切断部及び非切断部の位置、大きさ等はそれぞれに限定されない)や厚さが部分的に減じられた薄肉線等が適宜採用される。図示された例においては、ミシン目線が採用されている。
【0029】
切断予定線125の特定形状の具体的な形状は特に限定されない。図中において想像線で示した充填材封入部予定領域500は、実際に第1原反シート110及び第2原反シート120に形成されているものではなく、以降の工程を想定して、図示された位置に後述する充填材封入部50が設けられることを示すものである。そして、切断予定線125の特定形状は、充填材封入部予定領域500を内包する形状とされる。
【0030】
また、図示された例においては、切断予定線形成工程P111において、第1原反シート110に底部切り欠き用孔115を形成している。底部切り欠き用孔115は、第1原反シート110を貫通しており、後述する底部を形成するために必要な接合に用いられる。
【0031】
予備接合工程P112は、切断予定線形成工程P111の後に第1原反シート110と第2原反シート120とを互いに重ね合わせた状態で仮接合する工程である。
図4、
図5及び
図6に示すように、図示された例においては、第1原反シート110と第2原反シート120とをたとえばヒートシールによって部分的に接合する複数の補助接合部161が形成されている。補助接合部161を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。また、補助接合部161は、後述する除去工程P12が適切に行われ、且つ後述する封入部形成工程P2において充填材封入部50の形成を阻害しない範囲内であれば、その位置、数、形状、大きさ等は特に限定されないが、複数の補助接合部161の形成位置としては、切断予定線125に内包された位置であって、充填材封入部予定領域500を避けた位置、具体的には、切断予定線125のごく内側であって、充填材封入部予定領域500の外側の領域に設けられることが好ましい。この位置であれば、後述する除去工程P12がより適切に行えると共に、後述する封入部形成工程P2における副シール部40が形成されたときに副シール部40と重なる。これにより、補助接合部161を目立たなくすることができ、最終製品が美観に優れたものとなる。なお、第2原反シート120のうち切断予定線125の外側の部分は、第1原反シート110に対して接合されていない。
図5及び
図6においては、補助接合部161において互いに仮接合された第1原反シート110及び第2原反シート120の部分同士が密着して示されており、補助接合部161以外の部分は若干の隙間を隔てて離れた態様で示されているが、これは理解の便宜であり、補助接合部161以外の部分においても第1原反シート110と第2原反シート120とが接触し得る。この点は、以降の断面図においても同様である。
【0032】
次いで、
図4、
図7及び
図8に示すように、除去工程P12を行う。除去工程P12は、第2原反シート120のうち特定形状以外の部分、即ち特定形状とされた切断予定線125の外側の部分を除去する工程である。図示された例においては、シート積層工程P11を経ることにより、切断予定線125が形成された第2原反シート120が複数の補助接合部161によって第1原反シート110に仮接合されている。この状態で、第2原反シート120を切断予定線125に沿って切断する。これにより、第2原反シート120のうち切断予定線125の外側の部分が除去され、切断予定線125の内側の部分が、複数の補助接合部161によって第1原反シート110に仮接合された状態で残存する。この切断予定線125に沿った切断によって得られた部材を、第2シート12とする。第2シート12は、特定形状とされた個片のシートである。なお、本実施形態とは異なり、第2原反シート120を用いずに、特定形状とされた個片の第2シート12を第1原反シート110に重ね合わせる構成であってもよい。
【0033】
[封入部形成工程P2]
次いで、
図1、
図9〜
図12に示すように、封入部形成工程P2を行う。封入部形成工程P2は、第1原反シート110及び第2シート12に充填材封入部50を形成する工程である。充填材封入部50は、後述する充填材59が密閉状態で封入される部位である。充填材封入部50の形成は、第1原反シート110の内面112と第2シート12の外面121とを部分的に接合し非接合領域を残存させることによりおこなう。この第1原反シート110と第2シート12との非接合領域によって充填材封入部50が構成される。第1原反シート110と第2シート12との接合手法は特に限定されず、ヒートシール接合、接着剤による接着や圧着等が挙げられる。中でも好ましくは、製造工程の煩雑化を防止することができるヒートシール結合であり、本実施形態においては、ヒートシール接合によって行われている。なお、ヒートシール接合とは、加熱されたヒートシール金型(金型の形状は、棒形状、板形状、ロール形状等、通常公知の金型を用いることができる)による熱溶着に限定されず、超音波シール、高周波シール等、接合部を熱により溶着することができる全ての熱溶着を意味する。また、ヒートシール金型による熱溶着は、第1原反シート110或いは第2シート12のいずれか或いは双方に熱溶着を阻害する剥離剤等を印刷等により充填材封入部予定領域500に設けた後、全面をヒートシール金型で加熱することにより行ってもよいし、後述するように所定の熱溶着形状を加工形成したヒートシール金型を用いて行ってもよい。
【0034】
図示された例においては、封入部形成工程P2の第1段階において、ヒートシール金型81によって第1原反シート110及び第2シート12が挟まれる。ヒートシール金型81は、第1原反シート110の内面112と第2シート12の外面121とを適切にヒートシール接合可能な程度に第1原反シート110及び第2シート12を加熱するものである。ヒートシール金型81には、非加熱領域が設定されており、この非加熱領域の形状は、充填材封入部50の形状とされている。ヒートシール金型81の加熱によって互いにヒートシール接合された第1原反シート110及び第2シート12の部分は、副シール部40を構成する。次いで、冷却金型82によって、第1原反シート110及び第2シート12を冷却する。これにより、第1原反シート110及び第2シート12が部分的にヒートシール接合された部位である副シール部40が形成される。また、平面視において副シール部40に囲まれた第1原反シート110及び第2シート12の非接合領域によって充填材封入部50が構成される。なお、切断予定線17は、後述する切断工程において切断されることが予定された線であり、説明の便宜上想像線で示された仮想の線である。図示された例においては、切断予定線17は、第2シート12から若干の距離をおいて第2シート12を取り囲む形状とされている。
【0035】
図10〜
図12に示された例においては、副シール部40は、一対の胴部副シール部41、底側副シール部42及び充填口副シール部44を有する。胴部副シール部41は、第1原反シート110の幅方向に互いに離れて設けられている。底側副シール部42は、一対の胴部副シール部41の間に設けられており、一対の胴部副シール部41を繋いでいる。充填口副シール部44は、他方の胴部副シール部41に対して底側副シール部42とは反対側に繋がっている。
【0036】
副シール部40の各部の形状は特に限定されず、意図した形状の充填材封入部50を形成しうるものであればよい。
【0037】
充填材封入部50は、第1原反シート110と第2シート12との間に隙間が生じうる部位であり、副シール部40によって囲まれている。図示された例においては、充填材封入部50は、一対の胴部充填材封入部51、底部充填材封入部52及び充填口53を有する。胴部充填材封入部51は、胴部副シール部41によって区画された部分である。底部充填材封入部52は、底側副シール部42によって区画された部分であり、一対の胴部充填材封入部51を繋いでいる。充填口53は、充填口副シール部44によって挟まれており、胴部充填材封入部51と外部とを繋いでいる。即ち、一対の胴部充填材封入部51と底部充填材封入部52は、その一部が連続して繋がっている一つの充填材封入部50となっている。このように、図示された例においては、充填口53が設けられていることにより、充填材封入部50が外部に繋がっている。
【0038】
[第2重合工程P3]
次いで、
図1、
図2、
図9、
図13及び
図14に示すように、第2重合工程P3を行う。第2重合工程P3は、第3原反シート130を第2シート12側に重ね合わせる工程である。第3原反シート130は、本実施形態により形成される軟包材容器用中間材A1において後述する内容物69を収容するための収容部60を構成する第3シート13になる原反シートである。第3原反シート130の材質及び層構造は、内容物69を適切に収容することが可能であり、収容部60を有する軟包材容器用中間材A1形成するための接合手法等に適したものが好ましい。本実施形態においては、接合手法としてヒートシール接合を採用することから、第3原反シート130の外面131及び内面132は、上述したシーラントフィルム層によって構成される。また、第3原反シート130に所定のバリア性を付与することが好ましい場合、外面131を構成するシーラントフィルム層と内面132を構成するシーラントフィルム層との間に上述したバリアフィルム層を設けることが好ましい。また、第3原反シート130も上述した第1原反シート110及び第2原反シート120と同様に、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザイン等を表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。なお、本実施形態とは異なり、第3原反シート130を用いることなく、第1原反シート110及び第2原反シート120(第2シート12)を用いて軟包材容器用中間材を製造してもよい。この場合、後述する収容部60は、たとえば第2シート12によって構成される。
【0039】
図示された例においては、第2シート12側に第3原反シート130を重ねた状態で、複数の補助接合部162を形成している。補助接合部162は、第3原反シート130の位置ずれを防止するものであり、軟包材容器用中間材の製造を阻害しない範囲であれば、その位置、数、形状、大きさ等は特に限定されない。本実施形態においては、複数の補助接合部162は、切断予定線17の外側において切断予定線17から離れた位置に設けられている。補助接合部162は、たとえば第1原反シート110の内面112と第3原反シート130の外面131とをヒートシール接合することによって形成される。なお、補助接合部162を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。
【0040】
[折りたたみ工程P4]
次いで、
図2、
図15、
図16及び
図17に示すように、折りたたみ工程P4を行う。折りたたみ工程P4は、第1原反シート110が外側となり第3原反シート130の内面132同士が対面するように、重ね合わされた第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を折りたたむ工程である。また、折りたたみ工程P4においては、充填材封入部50が、その内部が通じた状態で後述する折り位置を介した両側の所定の面に存在するように折りたたむ。本実施形態においては、折りたたみ工程P4は、底部折たたみ工程P41、胴部折りたたみ工程P42及び天部重合工程P43を含む。
【0041】
底部折たたみ工程P41は、
図15に示すように、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を概ね二つ折りにする工程である。第1原反シート110の幅方向中央寄りに位置する3つの折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を折りたたむ。図示された例においては、3つの折り曲げ線151のうち中央に位置する折り曲げ線151に沿って、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を図中上方(内面132側)に凸となるように山折りに折り、両側の折り曲げ線151に沿って第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を図中下方(外面111側)に凸となるように谷折りに折る。これは、後述する軟包材容器用中間材A1において底部にガゼット部分を設けるためである。折りたたまれた後の第1原反シート110及び第2シート12においては、上述した底部を挟んだ両側に分かれて一対の胴部充填材封入部51が存在している。一対の胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって連結されており、互いの内部が通じている。
【0042】
胴部折りたたみ工程P42は、
図13において、3つの折り曲げ線151を挟んで両側に設けられた2つの折り曲げ線152に沿って、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を内面132側に凸になるように山折りに折る工程である。
【0043】
天部重合工程P43は、胴部折りたたみ工程P42を終えた第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130に天部用原反シート140を重ねる工程である。
図16は、天部重合工程P43に先立ち、天部用原反シート140に行う準備工程の一例を示している。天部用原反シート140は、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130と同様に合成樹脂製のシートであり、後述する複数の天部用シート14を形成可能な原反シートである。図示された例においては、天部用原反シート140は、帯状である。天部用原反シート140は、外面141及び内面142を有している。内面142は、後述の収容部形成工程P5において第3原反シート130とヒートシール接合によって接合される場合、上述したシーラントフィルム層によって構成される。外面141は、後述の軟包材容器用中間材A1の外表面をなす面であるため、上述の基材フィルム層によって構成されることが好ましい。
【0044】
図示された例においては、まず天部用原反シート140に複数のスパウト用孔147が形成される。スパウト用孔147は、スパウト70を取り付けるための貫通孔である。次いで、天部用原反シート140の内面142側からスパウト70が天部用原反シート140に挿入される。スパウト70は、軟包材容器用中間材A1において内容物69を摂取するための開口となる部位であり、また内容物69を充填するための充填口として用いられてもよい。図示された例においては、スパウト70は、筒状部分とフランジ状部分とを有している。スパウト70の筒状部分をスパウト用孔147に挿入し、スパウト70のフランジ上部分を天部用原反シート140の内面142に当接させる。そして、スパウト70のフランジ状部分と天部用原反シート140とを加熱及び冷却することにより、スパウト70と天部用原反シート140とをヒートシール接合により接合する。これは、本発明のスパウト取付工程である。
【0045】
また、図示された例においては、天部用原反シート140のスパウト70の近傍位置に充填口用開口18を形成する。充填口用開口18は、副シール部40の充填口副シール部44及び充填口53と重なり合うことが意図されている。このようにすることで、後述する切断工程P6において、充填口53に余分なシートが残存することなく、充填材59をより容易に充填することができる。
【0046】
次いで、
図2に示すように、上述の準備工程を終えた天部用原反シート140を、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130のうち底部折たたみ工程P41において折られた部位とは上下方向反対側から重ね合わせる。これにより、スパウト70が取付けられた天部用原反シート140が第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130に載置される。この際、天部用原反シート140の内面142と第3原反シート130の内面132とが対面する。なお、上下方向とは、「天」の語句を名称に含む部位と「底」の語句を名称に含む部位とが互いに離間する方向を指し、重力方向に拘束されるものではない。
【0047】
[収容部形成工程P5]
次いで、
図2、
図17、
図18及び
図19に示すように、収容部形成工程P5を行う。収容部形成工程P5は、第1原反シート110、第2シート12、第3原反シート130及び天部用原反シート140に主シール部30を形成する工程である。主シール部30の形成に用いられる接合手法としては、特に限定されないが、所望の部位を確実に接合しうることから、ヒートシール接合が好ましい。本実施形態においては、
図17に示すヒートシール金型83を用いて、ハッチングが新たに施された領域を加熱する。主シール部30を形成するための他の接合手法としては、例えば接着剤による接着や圧着等が挙げられる。なお、本実施形態とは異なり、第3原反シート130が用いられない構成の場合、主シール部30は、たとえば第1原反シート110同士または第1原反シート110と天部用原反シート140とを接合することによって形成される。
【0048】
収容部形成工程P5においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分を含む複数箇所を接合する。本実施形態においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分と第3原反シート130とをヒートシール接合し、第3原反シート130の対面する一部同士をヒートシール接合する。第1原反シート110は、特定形状とされた第2シート12よりも大きなシートであり、第2シート12からはみ出した部分を有する。特に、本実施形態においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分であって副シール部40と隣接する部分の内面112と第3原反シート130の外面131とを加熱する。また、折りたたみ工程P4によって第3原反シート130の内面132同士が対面するように折り曲げ線151において第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130が折りたたまれているため、ヒートシール金型83によって加熱される領域においては、対面する第3原反シート130の内面132同士が加熱される。また、本実施形態においては、天部用原反シート140の内面142と第3原反シート130の内面132とが対面しており、この領域の一部がヒートシール金型83によって図示された形状に加熱される。次いで、ヒートシール金型83によって加熱された領域を冷却金型84によって冷却することにより、
図17〜
図19に示す主シール部30が形成される。なお、主シール部30はすでに形成された副シール部40の一部と重なる構成であってもよいが、充填材封入部50と重なるものでないことが好ましい。
【0049】
主シール部30は、一対のサイド主シール部31、底側主シール部32及び天側主シール部33を有する。サイド主シール部31は、胴部副シール部41の外側に位置し切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。サイド主シール部31においては、重なり合う第3原反シート130の内面132同士がヒートシール接合されており、またこれらの第3原反シート130の外面131に両側から第1原反シート110の内面112がヒートシール接合されている。なお、底部切り欠き用孔115においては、底部切り欠き用孔115を通じてガゼット部分の第3原反シート130の外面131同士がヒートシール接合されている。これにより、ガゼット部分が開かないように拘束される。
【0050】
底側主シール部32は、副シール部40の底側副シール部42の外側に位置し、切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。天側主シール部33は、第1原反シート110の内面112及び第3原反シート130の外面131と第3原反シート130の内面132および天部用原反シート140の内面142とがヒートシール接合されている。天側主シール部33は、天側副シール部43の外側に位置し、切断予定線17と重なる形状及び大きさとされている。
【0051】
図18及び
図19に示すように、第3原反シート130が折りたたまれた後に主シール部30が形成されることにより、第3原反シート130が収容部60を構成している。収容部60は、第3原反シート130及び天部用原反シート140と主シール部30とによって気密性を有する空間とされており、内容物69を収容するためのものである。なお、本実施形態においては、スパウト70を通じて収容部60が外部に通じている。また、充填材封入部50は、第1原反シート110と第2シート12との非接合領域によって形成されているため、収容部60の外側に位置している。
【0052】
[切断工程P6]
次に、
図2及び
図20に示すように、切断工程P6を行う。切断工程P6は、切断予定線17に沿って第1原反シート110及び第3原反シート130を切断する工程である。この工程により、第1原反シート110、第3原反シート130及び天部用原反シート140の不要部分が取り除かれ、第1シート11、第3シート13及び天部用シート14が形成され、
図21〜
図23に示す軟包材容器用中間材A1が得られる。なお、天部用原反シート140に充填口用開口18が形成されたことにより、充填口53に余分なシートが残存することなく、後述する工程において、充填材59をより容易に充填することができる。
【0053】
[軟包材容器用中間材A1]
図21〜
図23に示すように、本実施形態の製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A1は、第1シート11、第2シート12、第3シート13、天部用シート14及びスパウト70によって形成されており、一対の胴部21、底部22及び天部23、主シール部30、副シール部40、充填材封入部50及び収容部60を有している。
【0054】
一対の胴部21は、第1シート11、第2シート12及び第3シート13が収容部60を挟むように前後に位置する部分であり、それぞれが充填材封入部50の胴部充填材封入部51を有している。また、一対の胴部21の両側方同士は、主シール部30のサイド主シール部31によって互いに繋がっている。
【0055】
底部22は、一対の胴部21の底辺同士を繋ぐ部位であり、本実施形態においては第1シート11、第2シート12及び第3シート13からなるガゼット状の部位とされている。底部22は、充填材封入部50の底部充填材封入部52を有している。また、底部22の両側方は、主シール部30の底側主シール部32によって閉じられている。なお、切断工程P6における切断によって、底部切り欠き用孔115が切断されて底部切り欠き116となっている。底部切り欠き116は、ガゼット状に折られた底部22の両側方部分が開かないように拘束しないように第3シート13同士を接合させる機能を果たしている。
【0056】
天部23は、一対の胴部21の天辺同士を繋ぐ部位であり、天部用シート14からなる。本実施形態においては、天部23は、略六角形状の部位とされている。天部23は、スパウト70が取り付けられている。
【0057】
図示された状態の充填材封入部50は、未だ充填材59が充填されておらず、平坦な形状にしぼんでいる。本実施形態においては、一方の胴部21と天部23との間から充填口53が延出している。充填口53は、充填材封入部50に充填材59を充填するために用いられる。収容部60は、内容物69を収容するための空間であり、第3シート13によって構成されている。なお、本実施形態とは異なり、第3シート13を備えない構成の場合、収容部60は、第2シート12によって構成される。
【0058】
[軟包材容器B1の製造方法]
図24及び
図25は、軟包材容器用中間材A1を用いた軟包材容器B1の製造方法の一例を示している。
図24は、
図21における背面側の下方から軟包材容器用中間材A1を見た場合の斜視図である。まず、
図24及び
図25に示すように、充填材封入部50に充填材59を充填する。充填材59としては、窒素、空気等の気体、水、水溶液、油剤から選ばれる流体を好ましく用いることができる。また、粉粒体、樹脂、発泡材等を用いることもできる。発泡材としては、UV硬化性発泡ガスケット等の、紫外線を照射することにより発泡する材料を用いることもできる。UV硬化性発泡ガスケットは、充填材封入部50に封入された後に、外側から紫外線を照射することにより、発泡すると共に硬化して、膨らんだ状態を保持する。なお、上記の流体、粉粒体等を適宜混合して充填材封入部50に充填してもよい。これらの充填材としては、充填の容易性や軽量化の観点から窒素、空気等の気体がより好ましい。
【0059】
充填材59としてたとえば空気を採用した場合、充填材59の充填は、充填口53から空気を吹き込むことにより行えばよい。これにより、充填材封入部50は、各所が膨らんだ形状となる。即ち、胴部21は、充填材封入部50の胴部充填材封入部51が膨らむことにより、上下方向に沿った形状をより強固に維持するものとなる。また、底部22は、充填材封入部50の底部充填材封入部52が膨らむことにより、ガゼット状であった形状が平板状に近い形状となり、底部22が開かれる格好となる。ただし、図示された例においては、底部切り欠き116が設けられていることにより、底部22の両側方が閉じられた状態が維持されており、底部22の中央部分が平板状に開かれる。このように、充填材封入部50の胴部充填材封入部51及び底部充填材封入部52が膨らむことにより、軟包材容器B1が完成する。軟包材容器B1は、底部22を載置面等に当接させた状態で直立させることが可能となる。
【0060】
[軟包材容器包装体C1の製造方法]
図26及び
図27は、軟包材容器B1を用いて製造された軟包材容器包装体C1を示している。これらの図に示すように、内容物69の充填を行う。ただし、内容物69の充填に先立ち、充填材封入部50の封緘及び充填口53の切断を行っておくことが好ましい。たとえば、充填口53を横断するように、対面する第1シート11の内面112と第2シート12の外面121とをヒートシール接合によって接合した後に、この接合部分を分割するように第1シート11及び第3シート13を切断する。次いで、スパウト70を通じて、各種の洗剤や飲料及び食品等の内容物69を収容部60に充填する。この後は、所定の蓋によってスパウト70を閉じる等の工程を経ることにより、充填材59及び内容物69が充填された軟包材容器B1からなる軟包材容器包装体C1が得られる。
【0061】
次に、軟包材容器用中間材A1、軟包材容器B1及び軟包材容器包装体C1の製造方法の作用について説明する。
【0062】
本実施形態によれば、
図2、
図17及び
図18に示すように、天部重合工程P43において重ね合わされた天部用原反シート140によって、軟包材容器用中間材A1における天部23が構成される。このため、天部23を構成するために、第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130等をさらに折りたたむことが不要である。したがって、軟包材容器用中間材A1をより容易且つ確実に製造することができる。
【0063】
また、軟包材容器用中間材A1の天部23には、第1シート11、第2シート12及び第3シート13のいずれもが重ねられておらず、天部用シート14のみによって構成されている。したがって、天部23を薄い部分として仕上げることが可能である。このため、第1原反シート110及び第2シート12等が重ねられた厚みのあるシートにスパウト70を溶着することに比して、天部用シート14にスパウト70を溶着する際に熱の伝達が容易となり、スパウト70の溶着をより確実に行うことが可能となる。
【0064】
天部重合工程P43に先立つ準備工程において、天部用原反シート140にスパウト70を取り付けるスパウト取付工程を行うことが可能である。この場合、スパウト取付工程は、第1重合工程P1、封入部形成工程P2、第2重合工程P3、底部折たたみ工程P41及び胴部折りたたみ工程P42等の工程とは異なるタイミングで異なる場所において実行できる。これは、軟包材容器用中間材A1の製造をよりフレキシブルに行うのに適している。
【0065】
図3及び
図4に示すように、第1重合工程P1において、第1原反シート110よりも平面視寸法が小である特定形状の第2シート12を第1原反シート110と重ね合わせ、
図17に示すように、収容部形成工程P5において、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分を含む複数箇所を接合する。このため、第2シート12の内面122が接合に適した表面性状ではないものであっても、軟包材容器用中間材A1を構成する主シール部30を適切に形成することが可能である。また、第2シート12の内面122が接合され難い性状であれば、
図4に示す第1原反シート110と第2シート12とを重ね合わせた以降の工程において、第2シート12の内面122が意図しない箇所に付着してしまうことなどを回避することが可能である。
【0066】
また、
図15〜
図17に示すように、折りたたみ工程P4においては、底部22を挟んで両側に位置する胴部21に充填材封入部50の胴部充填材封入部51がそれぞれ存在するように折りたたむ。これらの胴部充填材封入部51は、底部充填材封入部52によって互いの内部が繋がっている。このため、
図24及び
図25に示すように、充填口53から充填材59を充填すると、一方の胴部充填材封入部51から底部充填材封入部52を介して他方の胴部充填材封入部51へと充填材59を充填することができる。これにより、膨らんだ充填材封入部50によって軟包材容器用中間材A1の大部分の剛性をバランス良く高めることができる。以上より、より多くの領域に充填材封入部50を有する軟包材容器用中間材A1をより容易且つ確実に製造することができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、第2重合工程P3において第1原反シート110及び第2シート12に第3原反シート130を重ね合わせ、
図17に示すように、収容部形成工程P5において、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分と第3原反シート130とを接合し、第3原反シート130のうち互いに対面する部分同士を接合することにより、第3原反シート130によって収容部60を構成する。このため、収容部60の形成を含む軟包材容器用中間材A1の製造工程においては、第2シート12の内面122を接合する必要がない。したがって、内面122を接合が困難である性状とすることにより、製造における各工程をスムーズに行うことができる。
【0068】
図3及び
図4に示すように、第1重合工程P1においては、切断予定線形成工程P111において原反状態の第2原反シート120に特定形状とされた切断予定線125を形成し、シート積層工程P11において、この第2原反シート120を第1原反シート110に重ね合わせる。そして、除去工程P12において切断予定線125に沿って第2原反シート120を切断することにより、第2原反シート120のうち切断予定線125より外側の部分を除去し、第2シート12を形成する。したがって、第1原反シート110に対して個片状態の複数枚の第2シート12を貼り付ける作業を繰り返す必要がなく、製造効率の向上に好ましい。また、第1原反シート110に第2原反シート120を重ね合わせた後に、予備接合工程P112において複数の補助接合部161を形成することにより、第1原反シート110と第2原反シート120とを仮接合する。これにより、除去工程P12における第2原反シート120の切断をより容易に行うことが可能である。また、切断予定線125に沿って第2原反シート120を切断すれば、第1原反シート110に接合された第2シート12が容易に得られる。
【0069】
第1原反シート110と第2原反シート120とは、互いの層構造が同一であり、1枚の原反状態のシートを、2分割することによって形成することができる。これにより、たとえば、
図1及び
図3に示す切断予定線125、スパウト用孔127及び底部切り欠き用孔115を、第1原反シート110及び第2原反シート120に分割される前の1枚の減反状態のシートに形成することができる。これにより、第1原反シート110と第2原反シート120とに分割された後も、切断予定線125及びスパウト用孔127と底部切り欠き用孔115との搬送方向(第1原反シート110及び第2原反シート120の長手方向)における位置をより正確に合わせることが可能である。また、減反状態の1枚のシートに第1原反シート110(第1シート11)及び第2原反シート120(第2シート12)に付するべき商品表示等の印刷を施しておくと、第1原反シート110(第1シート11)と第2原反シート120(第2シート12)との印刷の位置合わせを容易に行う事ができる。
【0070】
図28〜
図33は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0071】
[変形例]
図28は、本発明の第1実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法の他の変形例によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本変形例においては、
図15に示した底部折たたみ工程P41において、1つの折り曲げ線151のみに沿って第1原反シート110、第2シート12及び第3原反シート130を谷折りにする。この製造方法によって形成された軟包材容器用中間材A1は、
図28に示すように、底部22が所謂ガゼット部分を有しておらず、単純な二つ折りの形状となる。本変形例から理解されるように、底部折りたたみ工程P41によって形成される底部22の具体的構造は、特に限定されず、底部22を挟んだ両側に充填材封入部50が内部同士が繋がった状態で存在する構成であればよい。
【0072】
[第2実施形態]
図29は、本発明の第2実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材を示す断面図である。本実施形態の軟包材容器用中間材A2は、第3シート13を有していない点が、上述した実施形態と異なっている。即ち、本実施形態においては、
図1、
図2及び
図9に示す第2重合工程P3を行わない。このため、
図17に示す収容部形成工程P5においては、第1原反シート110のうち第2シート12からはみ出した部分同士の内面112または第1原反シート110の内面112と天部用原反シート140の内面142とがヒートシール接合される。そして、
図29に示すように軟包材容器用中間材A2においては、第2シート12の内面122と天部用シート14の内面142とによって規定された空間が、収容部60とされる。本実施形態から理解されるように、本発明においては、第3シート13(第3原反シート130)を用いる構成及び第3シート13(第3原反シート130)を用いない構成のいずれであっても、より容易且つ確実に製造することが可能である。
【0073】
[第3実施形態]
図30及び
図31は、本発明の第3実施形態に基づく軟包材容器用中間材の製造方法を示している。本実施形態においては、第1重合工程P1において外面121及び内面122の両面がシーラントフィルム層によって構成された第2原反シート120を用いる点が、上述した実施形態と異なる。内面122がヒートシール接合可能な面であることにより、収容部形成工程P5において主シール部30を形成する際に、第2原反シート120の内面122と第3原反シート130の外面131とをヒートシール接合することが可能であり、また対面する第2原反シート120の内面122同士をヒートシール接合することが可能である。このため、上述した実施形態における、切断予定線形成工程P111、予備接合工程P112や、第2原反シート120のみを切断し第2シート12を形成する除去工程P12が不要である。したがって、本実施形態においては、第1重合工程P1において第1原反シート110と第2原反シート120とを重ね合わせた後に、第1原反シート110及び第2原反シート120を対象として封入部形成工程P2を行う。
【0074】
図31によく表れているように、封入部形成工程P2においてヒートシール金型81を用いて第1原反シート110及び第2原反シート120を加熱する。加熱される領域は、例えば切断予定線17よりも大きな領域とすればよい。この結果、封入部形成工程P2を完了すると、図示された形状の副シール部40と充填材封入部50とが第1原反シート110及び第2原反シート120に形成される。
【0075】
第2重合工程P3においては、副シール部40及び充填材封入部50が形成された第1原反シート110及び第2原反シート120に第3原反シート130を重ね合わせる。この後は、第1原反シート110、第2原反シート120及び第3原反シート130を対象として、上述した実施形態と同様の折りたたみ工程P4、収容部形成工程P5及び切断工程P6を行えばよい。
【0076】
図32及び
図33は、本実施形態の軟包材容器用中間材の製造方法によって製造された軟包材容器用中間材の一例を示している。本実施形態の軟包材容器用中間材A3は、第1原反シート110及び第2原反シート120と対象として切断工程P6までの工程を行っていることから、第1シート11と第2シート12とが同形状且つ同サイズのシートとなっている。
【0077】
本実施形態によっても、軟包材容器用中間材A1をより容易且つ確実に製造することができる。また、第2原反シート120のみを切断する除去工程P12が不要であり、切断工程P6において第1原反シート110及び第2原反シート120を一括して切断する構成であることにより、軟包材容器用中間材A3の製造効率を高めることができる。
【0078】
本発明に係る軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る軟包材容器用中間材の製造方法、軟包材容器の製造方法及び軟包材容器包装体の製造方法の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。