特許第6876477号(P6876477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876477
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】封書作成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20210517BHJP
   B65H 31/22 20060101ALI20210517BHJP
   B65H 29/70 20060101ALI20210517BHJP
   B65H 31/02 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B65H31/00 Z
   B65H31/22
   B65H29/70
   B65H31/02
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-54600(P2017-54600)
(22)【出願日】2017年3月21日
(65)【公開番号】特開2018-154486(P2018-154486A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】内藤 拓
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−091665(JP,A)
【文献】 実開平04−109956(JP,U)
【文献】 特開2015−212194(JP,A)
【文献】 特開2006−298513(JP,A)
【文献】 特開2017−001843(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0141775(US,A1)
【文献】 特開2002−254858(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/096427(WO,A1)
【文献】 特開2013−154937(JP,A)
【文献】 特開2000−318246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/54−29/70
B65H 31/00−31/40
B43M 1/00− 1/02
B42D 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨出状シート物を排出する排出部と、
前記排出部から排出された前記膨出状シート物の落下開始位置より下方に位置する収容開口を有し、該収容開口以外の面が略密閉構造な箱形状を成す積載部と、
前記積載部の底部近傍に形成された吸引口から前記積載部内の空気を吸引する吸引手段と、
を備えた排出装置が、
封筒フォームで封入物を封入封緘して作成した前記膨出状シート物となる封書を作成する封書作成装置の排出部として搭載されることを特徴とする封書作成装置。
【請求項2】
前記積載部は、前記排出装置に対して着脱可能な収容箱であることを特徴とする請求項1記載の封書作成装置
【請求項3】
前記吸引手段は、吸引動作が間欠駆動となるように制御されることを特徴とする請求項1又は2記載の封書作成装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば封入物を封入封緘した封書のようにシート表面の一部が膨出した膨出状シート物を排出する排出装置を搭載した封書作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、シューターによって搬送された封書の先端部を封書トレイの突き当て部に突き当てた後、略水平な状態で自由落下させてトレイ内に整然と積載することを目的とするため、作成された封書の質量を封入物の封入枚数に応じた封入物質量と、封筒の質量とを加算した封書質量を封書質量情報として取得する。そして、取得した封書質量情報と予め設定された排出速度設定テーブルとを照合した結果に基づき、封書質量に応じた排出速度で排出するよう排出手段を制御する封書排出装置を開発した(詳細は下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5955571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置の排出対象である封書は、封入物に所定の折り加工を施して封筒フォームを折り畳みながら包み込むように封入封緘して作成されているため、封筒や封入物の折り目によるスプリングバック作用(折りの復元作用)により、封筒の略中央部分が表裏方向に膨らんだ状態となる。
【0005】
従って、特許文献1の装置による制御により封書の落下姿勢を正すことはできるが、図6に示すように、封書の膨らみによって封書トレイ内に積載される封書が一方に偏った状態で積み重なってしまうことがある。
【0006】
図6に示すような積載状態の乱れが起こると、封書トレイ内の積載量が規定した量よりも少なくなり、満タン検知センサが早期に作動してしまうという問題があった。また、封書を整然と積載されないため、封書トレイから封書束を取り出す際に積載順序が入れ替わってしまう虞もあった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、シート面に膨出部分を有する膨出状シート物を整然と積載することができる排出装置を搭載した封書作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、上述した新たな課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、本願にて提案する以下の構成の発明を得るに至った。
【0009】
本発明に係る第1の態様は、
膨出状シート物を排出する排出部と、
前記排出部から排出された前記膨出状シート物の落下開始位置より下方に位置する収容開口を有し、該収容開口以外の面が略密閉構造な箱形状を成す積載部と、
前記積載部の底部近傍に形成された吸引口から前記積載部内の空気を吸引する吸引手段と、
を備えた排出装置が、
封筒フォームで封入物を封入封緘して作成した前記膨出状シート物となる封書を作成する封書作成装置の排出部として搭載されることを特徴とする、封書作成装置である。
【0010】
また、本発明に係る第2の態様は、第1の態様に係る封書作成装置において、前記積載部は、前記排出装置に対して着脱可能な収容箱であることを特徴とする、封書作成装置である。
【0011】
また、本発明に係る第3の態様は、第1又は第2の態様に係る封書作成装置において、前記吸引手段は、吸引動作が間欠駆動となるように制御されることを特徴とする、封書作成装置である。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る封書作成装置によれば、膨出状シート物を積載する積載部内の空気と一緒に膨出状シート物内の空気も一緒に吸引手段によって吸引するため、膨出状シート物の膨らみを小さくして表裏面を平坦に近付けることでき、積載部に積載される膨出状シート物の積載乱れを防止することができる。また、吸引手段の吸引動作により膨出状シート物内の空気を抜いて圧縮することができるため、膨出状シート物の厚さが作成時よりも薄くなり規定の積載量よりも多くすることができる。また、封書作成ジョブ毎に仕分けされた状態で作成された封書の排出順序のまま取り出すことができるため、積載された封書束の扱いが簡便となる。また、吸引手段によって吸引することで封書の膨らみを小さくして表裏面を平坦に近付けることできるため、積載部に積載される封書の積載量を増大させることができる。
【0015】
第2の態様に係る封書作成装置によれば、積載部を排出装置に対して着脱可能な収容箱とすることで、封書作成ジョブ毎に仕分けされた状態で作成された封書の排出順序のまま箱を閉じて取り出すことができ、積載された封書束の扱いが簡便となる。
【0016】
第3の態様に係る封書作成装置によれば、積載部に排出された膨出状シート物の積載姿勢が乱れたとしても、吸引手段による間欠駆動により膨出状シート物の束上面が上下方向に繰り返し移動するため、この移動に伴って乱れた姿勢の膨出状シート物の姿勢を正すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る排出装置の排出対象となる膨出状シート物の一例を示す概念図である。
図2】本発明に係る排出装置を搭載可能な封書作成装置の概略構成図である。
図3】(a)は積載部の一例である収容容器を封書作成装置に搭載された状態を示す概略斜視図であり、(b)は積載部となる収容容器における封書の積載状態を示す概略構成図である。
図4】(a)は積載部の一例である収容箱の形状を示す概略構成図であり、(b)は該収容箱を封書作成装置に搭載した例を示す概略斜視図であり、(c)は積載部となる収容箱における封書の積載状態を示す概略構成図である。
図5】吸引手段を間欠駆動したときの吸引停止時及び吸引開始時の封書束の状態を示す概念図である。
図6】従来の封書排出装置において封書の積載が乱れた状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。また、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
【0020】
なお、本明細書において、添付する各図を参照した以下の説明において、方向乃至位置を示すために上、下、左、右の語を使用した場合、これはユーザが各図を図示の通りに見た場合の上、下、左、右に一致する。また、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0021】
[1.膨出状シート物について]
まず、本発明に係る排出装置1の排出対象となる膨出状シート物について説明する。
膨出状シート物は、例えば後述する封書作成装置100で作成されるような折り加工が施された所定枚数の封入物Pを封筒フォームPEで包み込んで封入封緘された封書M(シート状成形物)のように、シート物において表面又は裏面の少なくとも一方の面の一部が外方に膨れ出て他の部分よりも相対的に厚い部分を有するものを指す。また、膨出状シート物は、吸引手段30による吸引動作によって膨出状シート物内の空気も一緒に吸引可能とするため、その外装(封書Mにおける封筒フォームPE)を少なくとも内部の空気が通気可能な構成とする。
【0022】
図1(a)には、膨出状シート物の一例として、封書作成装置100で作成される封書Mを示している。図示のように、封書Mは、封筒フォームPEの内部に折り加工が施された封入物Pが封入封緘されているため、封入物Pの折り目によるスプリングバック作用により封書Mの略中央部分が若干膨らんだ形状(断面紡錘形状)となる。このため、積載部20に積載すると、上下の膨出状シート物の膨らみによって積載状態が乱れ、積載順序が狂ったり積載量が減少したりする虞がある。
【0023】
なお、膨出状シート物としては、上記封書Mに限らず、図1(b)に示すような所定の折り加工(一例としてZ折り)された往復葉書や圧着葉書や、所定の折り加工(一例として、Z折り、内三つ折り、観音折り、蛇腹折り(W折り)など)が施された印刷物の端部を接着したシート状物(糊付け印刷物)のように、折られた面同士が完全に密着せず、対向面の少なくとも一部が浮き上がって外方(積載方向)に膨んだ状態となるようなものも含まれる。
【0024】
[2.封書作成装置について]
まず、本発明に係る排出装置1が搭載される封書作成装置100の全体構成について説明する。
図2に示すように、封書作成装置100は、完成品である封書Mに封入される封入物Pや封筒フォームPEに対して所定の印刷処理を施す印刷ユニット(印刷装置)110と、印刷ユニット110で所定の印刷処理が施された封入物Pや封筒フォームPEに必要な折りを施した後に封筒フォームPEで封入物Pを包み込むように封入封緘して封書Mを作成する封入封緘ユニット(封入封緘装置)120とで構成されている。
【0025】
<2−1.印刷ユニットについて>
図2に示す印刷ユニット110は、封筒フォームPEや封入物Pに所定の印刷処理を施して後段の封入封緘ユニット120に供給する装置である。
印刷ユニット110は、装置筐体の内部や側面などに複数種類の用紙(封入物Pとなる枚葉状の用紙P1〜P3や封筒フォームPE)を所定のタイミングで各用紙を給紙する給紙部111と、導入路112からの用紙を搬送するループ状の搬送経路113、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッドC、K、M、Yからなる印刷手段114と、用紙を封入封緘ユニット120に排出する第1の排出路115と、用紙をループ外の排出部117に排出する第2の排出路116と、搬送経路113を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送経路113に戻すことにより用紙の上下を反転させるスイッチバック路118と、を備えている。
【0026】
なお、印刷ユニット110となる印刷装置の構成としてインクジェット印刷装置を用いているが、封書Mの作成内容に応じて封入物Pや封筒フォームPEなどに所望の画像が形成可能な装置であればよいため、印刷形式はインクジェット式に限定されず、例えば孔版印刷装置、複写機、レーザプリンタなどの各種画像形成装置を採用してもよい。
【0027】
<2−2.封入封緘ユニットについて>
図2に示す封入封緘ユニット120は、封筒フォームPE及び封入物Pに対して必要な折りを施すことにより封筒フォームPEで封入物Pを包み込む封入処理を行い、さらに封筒のフラップを閉じるなどの封緘処理を行って封書Mを作成する装置である。
封入封緘装置120は、印刷装置110と接続する用紙導入路から分岐する封入物用搬送経路に沿って封入物Pとなる用紙を搬送しながら必要に応じて所定の折りを施す複数の折りローラからなる封入物折り部121と、前記用紙導入路から分岐する封筒フォーム用搬送経路に沿って封筒フォームPEを搬送する封筒フォーム搬送部122と、搬送に伴って複数の折りローラで封筒フォームPEの一部を折り畳みながら封入物Pを包み込むように収容する収容部123と、封筒フォームPEの再湿糊塗布領域に必要量の水を塗布して再湿糊の粘着性を発揮させる水塗布部124と、搬送に伴って封筒フォームPEの圧着糊塗布領域とこれに対応する圧着糊用被接着領域とを当接させた状態で圧着による用紙接着処理を行うとともに再湿糊塗布領域とこれに対応する再湿糊用被接着領域とを当接させた状態で圧着による用紙接着処理を行って封緘処理を行う封緘部125と、封緘処理された封書Mを、搬送手段であるシューター126aで装置筐体外部に設けられた排出トレイ126bまで搬送する排出部126とを備えている。
【0028】
また、封書作成装置100は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの各種半導体メモリからなる主記憶装置や、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive )などの補助記憶装置で構成され、封書作成装置100の各部を駆動するのに必要なコンピュータプログラムやアプリケーションソフトウェアなどの各種情報や作成する封書M毎に設定された封書作成ジョブを記憶する記憶部130と、例えばCPU(Central Processing Unit )などの各種プロセッサで構成され、記憶部130に記憶されるコンピュータプログラムや各種アプリケーションソフトウェアを読み込んでプログラム処理することで装置全体の制御処理及び各種処理に必要な演算処理を実行する制御部140を備えている。
【0029】
[3.排出装置について]
次に、図3図5を参照しながら、本発明の排出装置1について説明する。本実施形態の排出装置1は、上述した封書作成装置100の排出部126として機能し、排出部10と、積載部20と、吸引手段30と、制御部40とを備えている。
【0030】
なお、排出装置1における排出部10、積載部20は、それぞれ上述した封入封緘装置120におけるシューター126a、排出トレイ126bに相当するが、ここでは排出装置1の構成要件として異なる符号を付して説明する。
【0031】
また、制御部40は、排出装置1を構成する各部の駆動制御を行う機能を備えていればよいため、排出装置1自体が具備する必要はなく、例えば上述した封書作成装置100の制御部140がその機能を賄ってもよい。
【0032】
排出部10は、周回する環状の搬送ベルトを排出方向に回動させる搬送ベルトローラに掛け回されて構成されるシューターである。排出部10は、封入封緘装置120で封入物Pを封筒フォームPEで包み込むように封入封緘して作成された封書Mを搬送終端まで搬送する。搬送終端まで搬送された封書Mは、排出部10から排出されると封書Mの搬送方向先端が積載部20の突当部21に突き当たり、その後、略水平状態を保ったまま重力により自由落下して積載部20内に順次積載される。
【0033】
積載部20は、排出された封書Mの搬送方向先端と突き当たる突当部21と、排出部10の搬送終端下方に位置する収容開口22とを有する箱状部材であり、排出部10から排出され突当部21に突き当たった封書Mが自由落下して順次積載される。
【0034】
また、積載部20の底部近傍から吸引手段30よって吸引される空気の流れを一方向にして積載部20に積載された封書束全体を吸引圧縮するため、積載部20の収容開口22以外の面は略密閉構造となっている。
【0035】
積載部20のサイズとしては、吸引手段30による吸引作用の効果が得られ、且つ排出された封書Mが自由落下する際に封書Mの縁部が積載部20の内面と当たって落下姿勢が乱れずスムーズに落下させるよう、積載部20の内面と積載される封書Mの縁部との空隙が2〜3mm程度の内寸とするのが好ましい。
【0036】
積載部20の構成例としては、図3(a)、(b)に示すように、封入封緘装置120の筐体側面12aと接するように設けられる固定式の収容容器20aとし、底部近傍に吸引手段30の空気流入口と対向するように吸引口23を形成した構成とする。また、積載された封書Mを取り出す際は、例えば突当部21が形成された面を扉部材とし、この扉部材の端辺に蝶番などを設けて開閉自在な構成とすれば、封書作成ジョブが終了してから扉部材を開扉して積載された封書束を容易に取り出すことができる。
【0037】
積載部20の他の形態例としては、図4(a)、(b)に示すように、封入封緘装置100に対して着脱可能な収容箱20bとし、底部近傍に吸引手段30の空気流入口と対向するように吸引口23を形成した構成とする。このような構成とすることで、封書作成ジョブ終了後に封をして収容箱20bごと移動するだけで封書作成ジョブ毎に仕分けされた状態となり、ジョブ終了後の封書Mの取り扱いが簡便となる。
【0038】
また、積載部20を収容箱20bとした場合、外フラップ20ba近傍に突当部21が位置することになる。しかし、収容箱20bの外フラップ20ba近傍に封書Mの正確な突き当たりを実現する突当部21を設けることは構造上難しく、このような突当部21の機能を有する部材を設けた場合、収容箱20bの製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0039】
そこで、図4(b)、(c)に示すように、封入封緘装置120の収容箱20bの設置箇所において、収容箱20bの側面上方及び下方を支持する板状の支持部材127を設け、外フラップ20ba近傍に位置する上側支持部127aを突当部21として機能させる構成とする。収容箱20bを設置する際は、外フラップ20baを開放方向に折り曲げた状態で収容箱20bを設置し、外フラップ20baの弾性復元力による戻り作用によって上側支持部127aと当接させることで、下側支持部127bと共に収容箱20bを支持して固定することができる。
【0040】
また、吸引手段30の吸引動作終了によって膨らみが復元され、収容した封書Mが箱外に溢れる虞があるため、図4(a)に示すように、収容箱20bの内フラップ20bbの基端部近傍に、マイラーシートのような可撓性を有する返し部材20cを設けておく。これにより、吸引動作の終了に伴い、封書Mの膨らみが復元したとしても、積載された最上位の封書Mの表面と返し部材20cとが当接して封書Mが圧縮された状態となり、収容開口22から封書Mが溢れることがない。また、返し部材20cは可撓性を有するため、内フラップ20bbを閉じるときも邪魔にならず閉じることができる。
【0041】
吸引手段30は、遠心ファンを備えるブロワーのような吸引装置で構成され、積載部20内の空気を一方向に吸引して積載部20に収容された封書Mを圧縮する。吸引手段30によって吸引動作が開始されると、積載部20内の空気が積載部20の下方に向かって徐々に吸引口23から排出される。また、積載部20内の空気とともに、封書M内の空気も吸引されるため、封書Mの膨らみが無くなり平坦な状態となる。これにより、積載部20に封書Mが積載された際に、上下の封書Mとの当接面(表裏面)が略平坦となり、一方に偏った状態で積載されず、整然と積載することができる。
【0042】
また、積載部20内に積載された封書Mは、積載部20の底部に近いほど吸引による圧縮作用と積載された封書Mの重みによって表裏面の膨らみ小さくなり、吸引前の状態よりも表裏面が平坦に近付くため、吸引手段30による吸引動作無しで積載したときと比べて積載量を増大させることができる。
【0043】
吸引手段30の配置例としては、図3図4に示すように、積載部20である収容容器20aの側面と対向する位置に配置し、底部近傍に形成した吸引口23を介して収容容器20aの側面から吸引を行う構成である。
【0044】
また、他の配置例として、積載部20である収容容器20aの底面と対向する位置に配置し、底部に形成した吸引口23を介して収容容器20aの底部から吸引を行う構成である。吸引位置が積載部20の底部の場合、積載部20内の空気を封書Mが積載された状態で吸引しなければならないため、封書Mと積載部20の内方との空隙からが吸引領域となるように吸引手段30の配置や空気流入口の配置を考慮する必要がある。
【0045】
制御部40は、CPUやROM,RAMなどの各種プロセッサで構成され、排出装置1の駆動に必要なコンピュータプログラムや各種アプリケーションソフトウェアを読み込んでプログラム処理しながら装置全体の制御処理及び各種処理に必要な演算処理を実行して、排出部10や吸引手段30の駆動制御を行っている。
【0046】
制御部40は、封書作成ジョブが開始されると、所定のタイミングで吸引手段30に対し吸引動作を開始させるための制御信号(吸引開始信号)を出力する。
【0047】
例えば、吸引手段30が積載部20の側面側から吸引する構成の場合、吸引による封書Mの圧縮効果を得るには、吸引口23の位置よりも高く積載された状態から封書M内の空気も一緒に吸引する必要がある。そのため、制御部40からの制御信号の出力タイミングとしては、封書作成ジョブが開始された時点でもよいが、作成される封書Mの仕様(封入物Pの紙質、枚数、折り方、作成通数など)に基づき所定通数が排出された時点で出力してもよい。
【0048】
また、制御部40は、吸引動作を所定間隔で間欠駆動させて積載部20に積載された封書Mの積載高さが可変するよう、必要に応じて吸引手段30に対して間欠駆動させるための制御信号(間欠制御信号)を出力する。
【0049】
図5には、積載部20が収容容器20aであり、封書Mが同数積載されたときの間欠駆動時における封書束の状態を示す図である。
本発明の排出装置1では、吸引手段30の吸引動作が開始されると、図中右に示すように封書M内の空気が吸引され封書M個々の膨らみが縮小して封書束全体が圧縮される。よって、封書束における最上位の封書Mの位置が下降する。
また、吸引手段30の吸引動作が停止されると、図中左に示すように積載部20に積載された封書束全体の圧縮が解除され封書M個々の膨らみが徐々に復元し、封書束における最上位の封書Mの位置が上昇する。
このように、吸引手段30を間欠駆動することで、積載された封書Mの姿勢が乱れたときに、封書束全体の圧縮・復元を繰り返して最上位の封書Mを上下方向に移動させ、その上に乱れた姿勢で積載された封書Mを徐々に正しい姿勢へと整えることができる。
【0050】
なお、間欠制御信号は、吸引手段30による吸引動作のON/OFF制御を所定タイミングで行うための信号であり、例えば所定通数(5通)毎に間欠駆動を実施するなど、その実施タイミング(ON/OFFの切替タイミングや、間欠駆動の開始タイミング)については、作成される封書Mの仕様(封入物Pの紙質、枚数、折り方、作成通数など)に基づき適宜設定可能とする。
【0051】
[4.排出装置の処理動作]
次に、上述した排出装置1の処理動作を封書作成工程に沿って説明する。
ここでは、積載部20の構成を図4に示す着脱可能な収容箱20bとし、吸引手段30による吸引動作は間欠駆動によりジョブ開始と同時に開始させたときの動作例である。
【0052】
まず、ユーザは、積載部20となる収容箱20bを所定の配置位置に配置する。次に、封書作成ジョブが開始される、排出部10に対し制御部40から排出動作を開始させるための制御信号が入力されるとともに、吸引手段30に対し吸引動作を間欠駆動で開始させる間欠駆動信号が入力される。
【0053】
封入封緘装置120の封緘部125を通過した封書Mは、排出部10によって搬送終端まで搬送され、搬送方向先端が突当部21に突き当った後、重力により自由落下して積載部20内に積載される。
【0054】
積載部20に積載された封書束は、吸引手段30による吸引動作によって圧縮され、膨らんだ部分が平坦に近付き各封書Mとの当接面(表裏面)が略水平状態となる。また、吸引手段30は、吸引動作を所定間隔でON/OFF動作を繰り返し行うことで、封書束最上位の封書Mの積載位置を上下に可変させ、姿勢が乱れた状態で積載された封書Mが上下に移動しながら徐々に正しい姿勢へと修正される。
【0055】
そして、封書作成ジョブが終了すると、排出部10による排出動作と吸引手段30による吸引動作を終了させ、収容箱20bの内フラップ20bbと外フラップ20baを閉じた状態で収容箱20bごと取り出して封書作成工程を終了する。
【0056】
[5.作用・効果]
以上説明したように、本実施形態における排出装置1は、略密閉構造を有する箱状部材である積載部20に自由落下によって略水平状態を保ったまま積載され、積載部20の底部近傍から吸引手段30の吸引動作によって積載部20内の空気を吸引して積載される封書束全体を圧縮する。
【0057】
これにより、封書Mのような封入物Pによって略中央部分が膨れるような膨出状シート物であっても、積載部20内の空気と一緒に封書M内の空気も一緒に吸引手段30で吸引され、封書Mの膨らみを小さくして表裏面が平坦に近付くため、積載部20に積載される封書Mの積載乱れを防止することができる。また、封書M内の空気を抜いて圧縮するため、封書Mの厚さが作成時よりも薄くなり規定の積載量よりも多くすることができる。
【0058】
さらに、積載部20に排出された封書Mの積載姿勢が乱れたとしても、吸引手段30による間欠駆動により封書束上面が上下方向に繰り返し移動するため、この移動に伴って乱れた封書Mの姿勢を徐々に正すことができる。
【0059】
また、積載部20を着脱可能な収容箱20bとすることで、例えば本装置を封書作成装置100の排出部126として搭載したときに、封書作成ジョブ毎に仕分けされた状態で作成された封書Mの排出順序のまま箱を閉じて取り出すことができ、積載された封書束の扱いが簡便となる。
【0060】
さらに、収容箱20bには、内フラップ20bbの基端部分に封書束の圧縮状態を維持するための返し部材20cが設けられているため、圧縮された状態で収容箱20bの封が可能となる。
【符号の説明】
【0061】
1…排出装置
10…排出部
20…積載部
20a…固定式の収容容器
20b…着脱式の収容箱
30…吸引手段
40…制御部
100…封書作成装置
110…印刷ユニット(印刷装置)
120…封入封緘ユニット(封入封緘装置)
M…封書
P…封書内に封入される封入物
PE…封筒となる封筒フォーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6