特許第6876499号(P6876499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6876499半導体デバイス用粘着剤組成物及び半導体デバイス用粘着テープ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876499
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】半導体デバイス用粘着剤組成物及び半導体デバイス用粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/00 20060101AFI20210517BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20210517BHJP
   C09J 7/00 20180101ALI20210517BHJP
【FI】
   C09J133/00
   C09J11/06
   C09J7/00
【請求項の数】5
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-81499(P2017-81499)
(22)【出願日】2017年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-178009(P2018-178009A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 聡史
【審査官】 小出 輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−241399(JP,A)
【文献】 特表2018−511941(JP,A)
【文献】 特開2013−185014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 133/00
C09J 7/00
C09J 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤と、下記一般式(1)又は(2)で表される光塩基発生剤を含有し、
前記粘着剤は分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有することを特徴とする半導体デバイス用粘着剤組成物。
【化1】
式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環又は有機基を表し、同一であっても異なっていてもよい。環状構造の場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。R、Rはそれらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、環状構造とは、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環等のいずれの環構造であってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
【化2】
式(2)中、Rは水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環又は有機基を表す。Rが環状構造の場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、Bは塩基性化合物である。
【請求項2】
光塩基発生剤は紫外線吸収波長域の長波長側上限が300nm以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体デバイス用粘着剤組成物。
【請求項3】
前記光塩基発生剤の含有量が、前記粘着剤100重量部に対して、5重量部以上50重量部以下である、請求項1又は2記載の半導体デバイス用粘着剤組成物。
【請求項4】
前記粘着剤は光増感剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体デバイス用粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の半導体デバイス用粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする半導体デバイス用粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱処理を施す半導体チップ処理工程に用いた場合であっても処理中にウエハが剥離してしまうことがなく、処理終了後には、粘着テープからウエハを容易に剥離できる半導体デバイス用粘着剤組成物及び半導体デバイス用粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの製造工程において、ウエハや半導体チップの加工時の取扱いを容易にし、破損を防止するために粘着テープが用いられている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合、厚膜ウエハに粘着テープを貼り合わせた後に研削が行われる。
【0003】
このような粘着テープに用いられる接着剤組成物には、加工工程中にウエハや半導体チップを強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後にはウエハや半導体チップを損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として特許文献1には、アゾ化合物等の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着層を有する両面接着テープを用いたウエハの処理方法が記載されている。特許文献1に記載されたウエハの処理方法では、まず、両面接着テープを介してウエハを支持板に固定する。その状態で研削工程等を行った後に刺激を与えると、気体発生剤から発生した気体がテープの表面とウエハとの界面に放出され、その圧力によって少なくとも一部が剥離される。特許文献1の両面接着テープを用いれば、ウエハを損傷することなく、かつ、糊残りもすることなく剥離できる。
【0004】
一方、半導体チップの高性能化に伴い、ウエハの表面に薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理を施す工程が行われるようになってきた。例えば、次世代の技術として、複数の半導体チップを積層させてデバイスを飛躍的に高性能化、小型化したTSV(Si貫通ビヤ/Through Si via)を使った3次元積層技術が注目されている。TSVは、半導体実装の高密度化ができるほか、接続距離が短くできることにより低ノイズ化、低抵抗化が可能であり、アクセススピードが飛躍的に速く、使用中に発生する熱の放出にも優れる。このようなTSVの製造では、研削して得た薄膜ウエハをバンピングしたり、裏面にバンプ形成したり、3次元積層時にリフローを行ったりする等の200℃以上の高温処理プロセスを行うことが必要となる。しかしながら、従来の気体発生剤を含有する接着剤層を有する両面接着テープを貼り付けたままこのような高温処理プロセスを行うと高温処理の熱で気体発生剤が分解してしまい、意図せぬ気体の発生によって剥離が生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−231872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状に鑑み、加熱処理を施す半導体チップ処理工程に用いた場合であっても処理中にウエハが剥離してしまうことがなく、処理終了後には、粘着テープからウエハを容易に剥離できる半導体デバイス用粘着剤組成物及び半導体デバイス用粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粘着剤と、下記一般式(1)、(2)で表される光塩基発生剤を含有する半導体デバイス用粘着剤組成物である。
【0008】
【化1】
【0009】
式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環又は有機基を表し、同一であっても異なっていてもよい。環状構造の場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。R、Rはそれらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、環状構造とは、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環等のいずれの環構造であってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0010】
【化2】
【0011】
式(2)中、Rは水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環又は有機基を表す。Rが環状構造の場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、Bは塩基性化合物である。
以下に本発明を詳述する。
【0012】
本発明者は鋭意検討した結果、光酸発生剤と光塩基発生剤が、加熱処理時の熱によっても分解しない高い耐熱性を有していることを見出した。しかしながら、光酸発生剤は光分解時に副生成物として金属イオンが生成し、これが残渣となってウエハを汚染することがわかった。一方、光塩基発生剤では金属イオンが生成せず、ウエハを汚染することがないこともわかった。これらの知見を基に本発明者は更に検討を進めた結果、特定の構造を有する光塩基発生剤を用いることで、加熱処理を施す半導体チップ処理工程に用いた場合であっても処理中にウエハが剥離してしまうことがなく、処理終了後には、粘着テープからウエハを容易に剥離できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は粘着剤を含有する。
上記粘着剤は特に限定されず硬化型であっても非硬化型であってもよいが、加熱処理又は発熱を伴う処理の前に硬化させることによって熱による接着昂進を抑え、処理終了後にはウエハから糊残りなく容易に剥離することができることから硬化型粘着剤であることが好ましい。
【0014】
上記硬化型粘着剤としては、光照射により架橋、硬化する光硬化型粘着剤や加熱により架橋、硬化する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤が挙げられる。
上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
【0015】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
【0016】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得ることができる。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0017】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0018】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0019】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0020】
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
ただし、上記硬化型粘着剤が高い耐熱性を発揮するためには、上記熱重合開始剤は、熱分解温度が200℃以上である熱重合開始剤を用いることが好ましい。このような熱分解温度が高い熱重合開始剤は、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0022】
上記硬化型粘着剤は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
【0023】
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0024】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は、下記一般式(1)、(2)で表される光塩基発生剤を含有する。
本発明の粘着テープが下記一般式(1)、(2)で表される光塩基発生剤を含有することで、ウエハから粘着テープを剥離する際に、刺激を与えて上記光塩基発生剤から二酸化炭素を発生させることにより、糊残りすることなく容易に粘着テープを剥離することができる。また、下記一般式(1)、(2)で表される光塩基発生剤は、高温処理や発熱を伴う処理の際の熱によって分解しない高い耐熱性を有するため、熱処理の際の意図せぬガスの放出を防止することができる。ここで光塩基発生剤とは、紫外線を照射することで分解してアミンなどの有機塩基と二酸化炭素を発生する化合物のことを意味する。また、光塩基発生剤は、イオン型、非イオン型のどちらであってもよい。
なお、光酸発生剤も高い耐熱性を有するが、ガス発生の際に金属イオンが生成し、残渣となってウエハを汚染するため、デバイス材料を保護する粘着テープに用いるには不適である。
【0025】
【化3】
【0026】
式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環又は有機基を表し、同一であっても異なっていてもよい。環状構造の場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。R、Rはそれらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、環状構造とは、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環等のいずれの環構造であってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0027】
【化4】
【0028】
式(2)中、Rは水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環又は有機基を表す。Rが環状構造の場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、Bは塩基性化合物である。
【0029】
上記塩基性化合物は特に限定されない。上記塩基性化合物としては、アミン、ピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物又はホスフィン化合物等が挙げられる。
【0030】
上記アミンは特に限定されず、一級アミン、二級アミン及び三級アミンのいずれも用いることができる。
上記一級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、1−メチルブチルアミン、1−エチルプロピルアミン、イソアミルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、tert−アミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、1−メチルヘプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,5―ジメチルヘキシルアミン、tert−オクチルアミン、エチレジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,5−ジアミノペンタン、1,3−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、シクロプロピルアミン、(アミノメチル)シクロプロパン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、2−メチルヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、シクロヘキサンメチルアミン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、シクロドデシルアミン、2−アミノノルボルネン、ボルニルアミン、ミルタニルアミン、1−アダマンタンアミン、1−アダマンタンメチルアミン、アリルアミン、オレイルアミン、ゼラニルアミン、2,2,2−トリフルオロメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、2−アミノ−1−メトキシプロパン、3−イソプロポキシプロピルアミン、2,2’−オキシビス(エチレンアミン)、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、4,9−ジオキサ−1,12−ドデカンジアミン、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、3−アミノ−1−プロパノールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルアミン、2,5−ジヒドロ−2,5−ジメトキシフルフリルアミン、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、4−アミノブチルアルデヒドジエチルアセタール、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−1−シクロペンタンメタノール、2−アミノシクロヘキサノール、4−アミノシクロヘキサノール、1−アミノメチル−1−シクロヘキサノール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(プロピルアミノ)エタノール、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、SERINOL、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、BIS−HOMOTORIS、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、1−アミノ−デオキシソルビトール、2−アミノメチル−15−クラウン−5、2−アミノメチル−18−クラウン−6、アニリン、オルトトルイジン、メタトルイジン、パラトルイジン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、3−プロピルアニリン、4−プロピルアニリン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、2−ブチルアニリン、3−ブチルアニリン、4−ブチルアニリン、2−sec−ブチルアニリン、3−sec−ブチルアニリン、4−sec−ブチルアニリン、2−tert−ブチルアニリン、3−tert−ブチルアニリン、4−tert−ブチルアニリン、4−ペンチルアニリン、4−ヘキシルルアニリン、4−ヘプチルアニリン、4−オクチルアニリン、4−デシルアニリン、4−ドデシルアニリン、4−テトラデシルアニリン、4−ヘキサデシルアニリン、4−シクロへキシルアニリン、2,2’−エチレンジアニリン、オルトアニシジン、メタアニシジン、パラアニシジン、オルトフェネチジン、メタフェネチジン、パラフェネチジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、2−アミノベンジルアルコール、2−アミノフェニルエチルアルコール、3−アミノフェニルエチルアルコール、4−アミノフェニルエチルアルコール、3−(1−ヒドロキシエチル)アニリン、2−(メチルメルカプト)アニリン、3−(メチルメルカプト)アニリン、4−(メチルメルカプト)アニリン、2−アミノフェニルジスルフィド、2−イソプロペニルアニリン、4,4’−エチレンジアニリン、3,3’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノスチルベン、4−ブトキシアニリン、4−ペンチルオキシアニリン、4−ヘキシルオキシアニリン、4,4’−オキシジアニリン、4,4’−チオジアニリン、4’’,4’’’’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)−ビス−(4−フェニルアニリン)、オキシジアニリン、4−アミノフェニルスルフィド、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、6−エチルオルトトルイジン、2,6−ジエチルアニリン、2−イソプロピル−6−メチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、1−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン、5−アミノインダン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメトキシ)アニリン、4−(トリフルオロメトキシ)アニリン、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)アニリン、3−フルオロ−2−メチルアニリン、3−クロロ−2−メチルアニリン、2−クロロ−6−メチルアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、2,3−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、2,3−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、2−メトキシ−6−メチルアニリン、3−フルオロオルトアニシジン、3−アミノ−2−メチルベンジルアルコール、2−アミノ−3−メチルベンジルアルコール、2−アミノメタクレゾール、2,3−ジアミノフェノール、オルトトルイジン、4,4’−エチレンジメタトルイジン、2,5−ジ−tert−ブチルアニリン、3−フルオロ−4−メチルアニリン、2−フルオロ−4−メチルアニリン、5−フルオロ−2−メチルアニリン、2−フルオロ−5−メチルアニリン、4−フルオロ−2−メチルアニリン、2−フルオロ−6−メチルアニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)アニリン、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリン、2,4−ジフルオロアニリン、3,4−ジフルオロアニリン、2,5−ジフルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2−クロロ−4−フルオロアニリン、2−ブロモ−4−フルオロアニリン、4−ブロモ−2−フルオロアニリン、2−ブロモ−4−ヨードアニリン、2−クロロ−4−アミノトルエン、2−クロロ−4−メチルアニリン、2−クロロ−5−メチルアニリン、5−クロロ−2−メチルアニリン、4−クロロ−2−メチルアニリン、3,4−ジクロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、4−ブロモ−2−メチルアニリン、4−ブロモ−3−メチルアニリン、3−ブロモ−4−メチルアニリン、2−ブロモ−4−メチルアニリン、4−ブロモ−2−クロロアニリン、2,4−ジブロモアニリン、2,5−ジブロモアニリン、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)アニリン、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリン、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)アニリン、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)アニリン、4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)アニリン、4−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)アニリン、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)アニリン、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)アニリン、5,5’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジオルトトルイジン、4−メトキシ−2−メチルアニリン、2−メトキシ−5−メチルアニリン、5−メトキシ−2−メチルアニリン、5−tert−ブチルオルトアニシジン、2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)アニリン、6−クロロメタアニシジン、4−アミノヴェラトロール、3,4−(メチレンジオキシ)アニリン、1,4−ベンゾジオキサン−6−アミン、4’−アミノベンゾ−15−クラウン−5、2,4−ジメトキシアニリン、4−アミノクレゾール、2,5−ジメトキシアニリン、5−アミノ−2−メトキシフェノール、3−アミノオルトクレゾール、2−アミノオルトクレゾール、2−アミノ−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−tert−アミルフェノール、6−アミノメタクレゾール、4−アミノメタクレゾール、2−アミノ−5−メチルベンジルアルコール、3−アミノ−4−メチルベンジルアルコール、2−アミノ−4−クロロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、2−アミノ−5−クロロベンジルアルコール、5−クロロオルトアニシジン、3−フルオロロパラアニシジン、3−クロロパラアニシジン、2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3,5−ジメチルアニリン、3,5−ジtert−ブチルアニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジフルオロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、3,5−ジメトキシアニリン、3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4,6−トリ−tert−ブチルアニリン、2−クロロ−4,6−ジメチルアニリン、2,6−ジクロロ−3−メチルアニリン、3−クロロ−2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリクロロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、2,3,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,6−ジブロモ−4−メチルアニリン、3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン、4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン、2−クロロ−3,5−ジフルオロアニリン、4−ブロモ−2,6−ジフルオロアニリン、2−ブロモ−4−クロロ−6−フルオロアニリン、2,4−ジブロモ−6−フルオロアニリン、2,6−ジブロモ−4−フルオロアニリン、2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)アニリン、4−クロロ−2,6−ジブロモアニリン、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール、3,4,5−トリクロロアニリン、3,4,5−トリメトキシアニリン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、2−ブロモ−4,6−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメトキシ)アニリン、2−ブロモ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2−クロロ−4−フルオロ−5−メチルアニリン、2,4,5−トリフルオロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチルアニリン、4−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジクロロ−2,6−ジエチルアニリン、2,3,5,6−テトラクロロアニリン、2,3,5,6−テトラフルオロアニリン、2,3,4,5−テトラフルオロアニリン、2,3,4,6−テトラフルオロアニリン、2−ブロモ−3,4,6−トリフルオロアニリン、2−ブロモ−4,5,6−トリフルオロアニリン、2−アミノ−2,4−ジクロロ−3−メチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、4−メトキシ−3−ビフェニルアミン、4−ブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロアニリン、1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、3,3’−ジアミノベンジジン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン、1,2,4,5−ベンゼンテトラミン、4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、2−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2,4,6−トリフェニルアニリン、2−アミノ−4−フェニルフェノール、5−フェニルオルトアニシジン、ベンジルアミン、α−メチルベンジルアミン、アミノジフェニルメタン、トリチルアミン、1,2−ジフェニルエチルアミン、2,2−ジフェニルエチレンアミン、2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、フェネチルアミン、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、2−フェニルシクロプロピルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、3,3−ジフェニルプロピルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、4−フェニルブチルアミン、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、4−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチルアミン、2−アミノ−1−フェニルエタノール、2−フェニルグリシノール、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、NOREPHEDRINE、2−メチルベンジルアミン、1−アミノインダン、2−アミノインダン、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、2−フルオロベンジルアミン、2−フルオロフェネチルアミン、2−クロロベンジルアミン、2−クロロフェネチルアミン、2−ブロモベンジルアミン、2−メトキシベンジルアミン、2−メトキシフェネチルアミン、2−エトキシベンジルアミン、2−[2−(アミノメチル)フェニルチオ]ベンジルアルコール、2−アミノベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、メタキシレンジアミン、3−フルオロベンジルアミン、3−フルオロフェネチルアミン、3−クロロベンジルアミン、3−クロロフェネチルアミン、3−ブロモベンジルアミン、3−ヨードベンジルアミン、3−メトキシフェネチルアミン、4−メチルベンジルアミン、パラキシレンジアミン、4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、α,4−ジメチルベンジルアミン、2−(パラトルイル)エチルアミン、4−フルオロベンジルアミン、4−フルオロフェネチルアミン、4−クロロベンジルアミン、4−ブロモベンジルアミン、4−ブロモフェネチルアミン、4−フルオロ−α−メチルベンジルアミン、4−フルオロフェネチルアミン、4−クロロフェネチルアミン、4−メトキシベンジルアミン、4−メトキシフェネチルアミン、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミン、4−アミノベンジルアミン、2−(4−アミノフェニル)エチルアミン、TYRAMINE、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、2,6−ジフルオロベンジルアミン、2,4−ジフルオロベンジルアミン、2,5−ジフルオロベンジルアミン、3,4−ジフルオロベンジルアミン、2,4−ジクロロベンジルアミン、3,4−ジクロロベンジルアミン、2,4−ジクロロフェネチルアミン、2,3−ジメトキシベンジルアミン、3,5−ジメトキシベンジルアミン、2,4−ジメトキシベンジルアミン、3,4−ジメトキシベンジルアミン、2,5−ジメトキシフェネチルアミン、3,4−ジメトキシフェネチルアミン、ピペロニルアミン、3,4,5−トリメトキシベンジルアミン、2,4,6−トリメトキシベンジルアミン、1−アミノインダノール、1−ナフタレンメチルアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、9−アミノフルオレン、1−ピレンメチルアミン、α,ω−ジアミノポリエチレングリコール、α,ω−ジアミノポリプロピレングリコール、α,ω−ジアミノポリジメチルシロキサン又はポリアリルアミン等が挙げられる。
【0031】
上記二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、N−エチルメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−エチルブチルアミン、N−メチル−tert−ブチルアミン、N−tert−ブチルイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、tert−アミル−tert−ブチルアミン、ジペンチルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、tert−アミル−tert−オクチルアミン、ジオクチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、N−メチルオクタデシルアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N−プロピルシクロプロパンメチルアミン、N−メチルシクロヘキシシルアミン、N−エチルシクロヘキシシルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシシルアミン、N−tert−ブチルシクロヘキシシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ビス(3,3−ジメチルブチル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、1−シクロヘキシルエチルアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N−メチルアリルアミン、N−メチル−2−メチルアリルアミン、ジアリルアミン、N,N’−ジエチル−2−ブチレン−1,4−ジアミン、N−アリルシクロペンチルアミン、N−アリルシクロアミン、2−(1−シクロヘキセン)エチルアミン、6−(ジメチルアミノ)フルベン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、ジエチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、2−メチルアミノエチル−1,3−ジオキソラン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、N−メチルグルカミン、2−メチルアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、3−ピロリジノール、2−ピロリジンメタノール、3−ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピロリン、ピペリジン、1,2,3,6−テトタヒドロピリジン、2−メチルピペリジン、2−エチルピペリジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、4,4’−ビピペリジン、4,4’−エチレンビピペリジン、4,4’−トリメチレンビピペリジン、3,3−ジメチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン、2−ピペリジンメタノール、2−ピペリジンエタノール、3−ヒドロキシピペリジン、3−ピペリジンメタノール、4−ヒドロキシピペリジン、2,2,6,6−トリメチル−4−ピペリジノール、7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−2−メタノール、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、アセトアルデヒドアンモニア三量体、1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリアザシクロドデカン、CYCLEN、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、HEXACYCLEN、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、ドデカヒドロキノリン、スパルテイン、4,4−ジメチルオキサドリジン、4−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)オキサドリジン、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、1,4,10−トリオキサ−7,13−ジアザシクロペンタデカン、1,4,10,13−テトラキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、チアゾリジン、チオモルホリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、ジフェニルアミン、N−フェニルベンジルアミン、1,2−ジアニリノエタン、N−アリルアニリン、2−アニリノエタノール、N−エチルオルトトルイジン、N−エチルメタトルイジン、N−エチルパラトルイジン、4−クロロ−N−メチルアニリン、N−メチルパラアニシジン、4−アミノメチルフェノール、N−エチル−2,3−キシリジン、N−エチル−3,4−(メチレンジオキシ)アニリン、2,4,6−トリ−tert−ブチル−N−メチルアニリン、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルベンジジン、3,3’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、2−ベンジルアニリン、1−アミノ−4−ブロモナフタレン、1−アミノ−2−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、3−アミノ−2−ナフトール、2,2’−ジチオビス(1−ナフタレン)、2,3−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジアミン、1−アミノフルレン、2−アミノフルレン、2,7−ジアミノフルレン、3,7−ジアミノ−2−メトキシフルレン、2−アミノ−7−ブロモフルレン、2−アミノ−9−ヒドロキシフルレン、2−アミノ−3−ブルモ−9−ヒドロキシフルレン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノフェナンスレン、9,10−ジアミノフェナンスレン、3−アミノフルオランセン、1−アミノピレン、6−アミノクライセン、N,α−ジメチルベンジルアミン、N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン、N−ベンジルメチルアミン、N−エチルベンジルメチルアミン、N−イソプロピルベンジルメチルアミン、N−ブチルベンジルメチルアミン、N−tert−ブチルベンジルメチルアミン、ジベンジルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルフェネチルアミン、N−ベンジル−2−フェネチルアミン、β−メチルフェネチルアミン、N−ベンジルエタノールアミン、2−(ベンジルアミノ)シクロヘキサンメタノール、α−(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール、EPHEDRINE、α−ジフェニル−2−ピロリジンメタノール、4−ベンジルピペラジン、4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、インドリン、2−メチルインドリン、1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール、2,3−ジメチルインドリン、インドリン−2−カルボン酸、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、6,7−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、イミノジベンジル、5,6,11,12−テトラヒドロジベンズ[B,F]アゾシン、フェノザジン又はフェノチアジン等が挙げられる。
【0032】
上記三級アミンとしては、例えばトリメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジブチルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−メチルジオクチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、トリドデシルアミン、N−メチルジオクタデシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラブチル−1,6−ヘキサンジアミン、トリス(ジメチルアミノ)メタン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキサンメチルアミン、トリアリルアミン、トリス(2−メチルアリル)アミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、テトラキスジメチルアミノエチレン、パーフルオロイソブチルアミン、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン、tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン、2−(ジエチルアミノ)エタノールビニルエーテル、N,N’−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジ−tert−ブチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジネオペンチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタール、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、ジメチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、ジエチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、N,N’−ビス(2,2−ジメトキシエチル)メチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−ジエチルアミノ−2−ペンタノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジエチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジプロピルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジイソプロピルアミノ)−1,2−プロパンジオール、2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ}エタノール、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、PENTROL、1−アジリジンエタノール、1−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、1−ピロリジノ−1−シクロペンテン、1−ピロリジノ−1−シクロヘキセン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、1−メチル−3−ピロジノール、1−エチル−3−ピロジノール、1−メチル−2−ピロリジンメタノール、2−メチル−1−ピロリン、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、ジピペリジノメタン、1−エチルピペリジン、1,1’−メチレンビス(3−メチルピペリジン)、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1−ピペリジンアセトアルデヒドジエチルアセタール、1−ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、1−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、1−メチル−3−ピペリジンメタノール、4,4’−トリメチレンビス(1−ピペリジンエタノール)、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサジアミン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4−ジメチルピペラジン、4−(ジメチルアミノ)−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1,3,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−テトラエチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,7,10,13,16−ヘキサメチル−1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン、TROPANE、QUINULIDINE、3−QUINULIDINOL、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ヘキサメチレンテトラミン、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、4−(1−シクロペンテン−1−イル)モルホリン、1−モルホリノ−1−シクロヘキセン、1−モルホリノ−1−シクロヘプテン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、3−モルホリノ−1,2−プロパンジオール、4−[2−(ジメチルアミノ)エチル]モルホリン、5−エチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン−5−メタノール、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、4,7,13,16,21−ペンタオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.5]トリコサン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、1−フェニルピペリジン、トリフェニルアミン、N−ベンジル−N−エチルアニリン、2−(N−エチルアニリノ)エタノール、N−フェニルジエタノールアミン、N−(エトキシエチル)−N−メチルアニリン、N,N−ジメチルオルトトルイジン、N,N−ジメチルメタトルイジン、N,N−ジメチルパラトルイジン、N,N−ジエチルオルトトルイジン、N,N−ジエチルメタトルイジン、N,N−ジエチルパラトルイジン、3−ジメチルアミノフェノール、3−ジエチルアミノフェノール、2−(N−エチルメタトルイジノ)エタノール、4−tert−ブチル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、2,2’−(パラトルイルイミノ)ジメタノール、4−(ジメチルアミノ)フェネチルアルコール、N,N,N’,N’−テトラメチルベンジジン、N,N’−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)アニリン、N,N,3,5−テトラメチルアニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、ロイコマラカイトグリーン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンジドロール、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、2−(ジメチルアミノ)フルレン、N,N−ジメチル−1−フェネチルアミン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラベンジルメタンジアミン、N−メチルジフェニルエチレンアミン、トリベンジルアミン、N−(2−クロロエチル)ジベンジルアミン、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、3−ジベンジルアミノ−1−プロパノール、2−ジベンジルアミノ−3−フェニル−1−プロパノール、N−エチル−3,3’−ジフェニルジプロピルアミン、3−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−ブロモ−N,N−ジイソプロピルベンジルアミン、1−(ジフェニルメチル)アゼチジン、1−ベンジル−3−ピロリン、1−ベンジル−3−ピロリジノール、1−ベンジル−2−ピロリジンメタノール、1−(3,4−ジヒドロ−2−ナフチル)ピロリジン、1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、4−ジフェニルメトキシ−1−メチルピペラジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシピペラジン、1,3,5−トリベンジルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、4−フェニルモルホリン、2,5−ジメチル−4−(モルホリノメチル)フェノール、N,N’−ジベンジル−1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドリン、JULODINE、8−ヒドロキシJULODINE、5,10−ジヒドロ−5,10−ジメチルフェナジン、10メチルフェノチアジン、TROGER’S BASE又は5,6−ベンゾ−4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン等が挙げられる。
【0033】
上記一級アミン、上記二級アミン、上記三級アミンのほかに使用可能な上記アミンとしては、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−プロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’−メチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、N−プロピル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N,N’−トリメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,2,2−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノペンタン、ジエチレントリアミン、N1−イソプロピルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルジエチレントリアミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、SPERMIDINE、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、N,N’,N’’−トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン、4−(アミノメチル)−1,8−オクタンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、SPERMINE、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリジン、1−(2−ピロリジニルメチル)ピロリジン、4−(1−ピロリジニル)ピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピペコリン、3−アミノピペリジン、1−メチル−4−(メチルアミノ)ピペリジン、4−(アミノエチル)ピペリジン、3−(4−アミノブチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−イミダソリン、4,4−ジメチル−2−イミダソリン、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、HEXETIDIEN、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−メチルホモピペラジン、3−アミノキヌリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−A]ピリミジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1−メチル−2H−ピリミド[1,2−A]ピリミジン、4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、5,6−ジヒドロ−2−イソプロペニル−4,4,6−トリメチル−4H−1,3−オキサジン、N−メチル−1,2−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,2−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン、N4,N4−ジエチル−2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2−メトキシ−N4−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−4,4’−メチレンジアニリン、N−フェニルエチレンジアミン、N’−ベンジル−N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’,N’’−トリベンジルトリス(2−アミノエチル)アミン、4−(ヘキサデシルアミノ)ベンジルアミン、4−ジメチルアミノベンジルアミン、4−アミノ−1−ベンジルピペラジン、2−フェニル−2−イミダゾリン、トラゾリン、2−(1−ナフチルメチル)−2−イミダゾリン、フェントールアミン、2,3−ジフェニル−1,4−ジアザスピロ[4.5]デカ−1,3−ジエン、4−ベンジル−2−メチル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−フェニル−2−オキサゾリン、4−メトキシメチル−2−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリン、2−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリン−4−メタノール、2,2’−ビス[(4S)−4−ベンジル−2−オキサゾリン]、2,2’−ビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、テトラミソール、1−フェニルピペラジン、5−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−ベンジルピペラジン、1−シンナミルピペラジン、1−オルトトルイルピペラジン、1−(2,3−キシリル)ピペラジン、1−(2−メトキシ)ピペラジン、1−(4−メトキシ)ピペラジン、1−(2−エトキシ)ピペラジン、4−モルホリノアニリン、ホモカイン、ポリエチレンイミン、又はポリエチレンイミングラフトポリアルキル(メタ)アクリレート共重合体等の一級アミノ基、二級アミノ基及び三級アミノ基を一分子中に組み合わせてなるアミン化合物等が挙げられる。
【0034】
更に、上記アミンとして、ニトロアミンや、市販の変成アミン、変成ポリアミンを用いることもできる。上記ニトロアミンとしては、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン又は1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン等が挙げられる。
【0035】
上記水酸化四級アンモニウム塩としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、水酸化テトラエチルアンモニウム塩、水酸化テトラプロピルアンモニウム塩、水酸化テトラブチルアンモニウム塩、水酸化トリエチルメチルアンモニウム塩、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩又は水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0036】
上記ヒドラジン化合物としては、例えば、フェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジフェニルヒドラジン、1−メチル−1−フェニルヒドラジン又はオルトトルイルヒドラジン等が挙げられる。
【0037】
上記アミド化合物としては、例えば、マロンアミド、スクシンアミド、フマル酸アミド、アジピン酸アミド、NIPECITANIDE、アルキル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリロイルアミド共重合体、スチレン・アルキル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリロイルアミド共重合体、アルキル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリロイルモルフォリン共重合体、又はスチレン・アルキル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリロイルモルフォリン共重合体等が挙げられる。
【0038】
上記メルカプト化合物としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール又は4,4’−チオベンゼンチオール等が挙げられる。
【0039】
上記スルフィド化合物としては、例えば、エチルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、イソプロピルジスルフィド又はフェニルジスルフィド等が挙げられる。
【0040】
上記ホスフィン化合物としては、例えば、ジ−tert−ブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(フェニルホスフィノ)エタン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジアリルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ジフェニルビニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリオルトトルイルホスフィン、トリメタトルイルホスフィン、トリパラトルイルホスフィン、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、又は2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ナフタレン等が挙げられる。
【0041】
上記一般式(1)又は(2)で表される光塩基発生剤としては、例えば、イミダゾール−1−カルボン酸1−(アントラキノン−2−イル)エチル、1−(Anthraquinon−2−yl)ethyl N−cyclohexylcarbamate、1−(Anthraquinon−2−yl)ethyl N,N−dicyclohexylcarbamate、1,2−Diisopropyl−3−[Bis(dimethylamino)methylene]guanidium 2−(3−benzoylphenyl)propionate、9−Anthrylmethyl N,N−diethylcarbamate、9−Anthrylmethyl Piperadine−1−carboxylate、9−Anthrylmethyl N−cyclohexylcarbamate、9−Anthrylmethyl N,N−dicyclohexylcarbamate、(2−Nitrophenyl)methyl 4−(methacryloyloxy)piperidine−1−carboxylate、(2−Nitrophenyl)methyl 4−hydroxypiperidine−1−carboxylate、Cyclohexylammonium 2−(3−benzoylphenyl)propionate、Dicyclohexylammonium 2−(3−benzoylphenyl)propionate、Guanidium 2−(3−benzoylphenyl)propionate、シクロヘキシルカルバミン酸1,2−ビス(4−メトキシフェニル)−2−オキソエチル、シクロヘキシルカルバミン酸2−ニトロベンジル、2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、2−(9−オキソキサンテン−2−イル)プロピオン酸1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン9−アンスリルメチル N,N−ジエチルカルバメート、1−(アントラキノン−2−イル)エチルイミダゾールカルボキシレート、2−ニトロフェニルメチル4−メタクリロイルオキシピペリジン−1−カルボキシラート、1−(アントラキノン−2−イル)−エチルN,N−ジシクロヘキシルカルバメート、ジシクロヘキシルアンモニウム2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオネート、シクロヘキシルアンモニウム2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオナート、9−アントリルメチルN,N−ジシクロヘキシルカルバメート、1,2−ジイソプロピル−3−〔ビス(ジメチルアミノ)メチレン〕グアニジウム2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサメチレン−ビス(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルカルバメート)、等が挙げられる。
【0042】
上記光塩基発生剤は、紫外線吸収波長域の長波長側上限が300nm以上であることが好ましい。
従来の気体発生剤は、光の吸収帯が短波長側に存在していたことから、ガスを発生させるために高エネルギーの光を長時間照射する必要があり、その結果、光源に負荷がかかったり、ウエハを損傷したりすることがあるという問題があった。しかし、本発明に用いられる光塩基発生剤は、従来の気体発生剤よりも高波長側に吸収帯を持つため光源の負荷を低減し、ウエハの損傷を抑えることができる。特に紫外線吸収波長域の長波長側上限が300nm以上、つまり、300nm以上の波長に吸収帯を持つ場合、優れた光源負荷の低減性能やウエハ損傷の抑制性能を発揮することができる。上記紫外線吸収波長域の長波長側上限は、320nm以上であることがより好ましい。上記光塩基発生剤の吸収波長域の上限は特に限定されないが、実質450nm程度である。
【0043】
上記光塩基発生剤の含有量は特に限定されないが、上記粘着剤100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記光塩基発生剤の含有量がこの範囲であることによって、上記光塩基発生剤を粘着剤に充分に溶かすことができるとともに、半導体デバイス用粘着剤組成物を剥離するのに充分な量の気体を発生させることができる。上記光塩基発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
【0044】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は、更に、光増感剤を含有してもよい。
上記光増感剤は、上記光塩基発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
【0045】
上記光増感剤は、耐熱性に優れるものであれば特に限定されない。
耐熱性に優れた光増感剤としては、例えば、アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物が挙げられる。なかでも、一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物が好適である。これらの光増感剤は、耐昇華性が高く、高温下で使用することができる。また、アルコキシ基の一部がグリシジル基や水酸基で置換されることにより、上記接着剤成分への溶解性が高まり、ブリードアウトを防止することができる。
【0046】
上記多環芳香族化合物は、アントラセン誘導体が好ましい。上記アルコキシ基は、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。
【0047】
上記アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物は、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−メトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9−エトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、9−イソプロポキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、9−ベンジルオキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、9−(α−メチルベンジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−カルボキシエトキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体等が挙げられる。
【0048】
上記一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物としては、例えば、9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、9−(グリシジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、9−(2−ビニルオキシエトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)アントラセン、9−(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、9−(p−エポキシフェニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,1−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、9−(p−ビニルフェニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
【0049】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は、上記粘着剤と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、200℃以上の加熱を伴う処理を経ても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記粘着剤と架橋可能な官能基を有することにより、光照射又は加熱することにより上記粘着剤と化学反応して上記粘着剤中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。また、シリコーン化合物を配合することにより、ウエハ上への糊残りを防止する効果も発揮される。
【0050】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
【0051】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物を製造する方法は特に限定されず、上記粘着剤、上記光塩基発生剤及び必要に応じて他の成分を所定量配合して混合する方法等が挙げられる。
【0052】
本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物は、様々な形態で用いることができ、例えば、片面粘着テープ、両面粘着テープ、ノンサポートテープ(自立テープ)等の粘着テープの形態で用いることができる。本発明の半導体デバイス用粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する半導体デバイス用粘着テープもまた、本発明の1つである。
【0053】
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は300μmである。上記粘着剤層の厚みがこの範囲内にあると、充分な粘着力でウエハに貼着でき、処理中の半導体チップを保護することができる。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
【0054】
本発明の半導体デバイス用粘着テープは基材を有するサポートタイプであってもよく、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。本発明の半導体デバイス用粘着テープが基材を有する場合、基材は特に限定されないが、耐熱性を持つ基材であることが好ましい。このような耐熱性の基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからポリエチレンナフタレートを含む特殊ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォンが好ましい。
【0055】
上記基材の形状は特に限定されず、例えば、シート状、網目状の構造を有するシート状、孔が開けられたシート状等が挙げられる。
【0056】
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記基材の厚さがこの範囲内であると、適度なコシがあって、取り扱い性に優れる粘着シートとすることができる。上記基材の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
【0057】
本発明の半導体デバイス用粘着テープを製造する方法は特に限定されず、例えば、基材を有するサポートタイプの場合、硬化性樹脂、重合開始剤、架橋剤、及び、必要に応じて他の成分を、溶剤を用いて溶解混合し、塗工して乾燥させた後で基材層上に積層する方法や、基材層上に直接塗工して乾燥する方法によって製造することができる。基材を有さないノンサポートタイプの場合は、例えば、離型処理を施したフィルム上に上記粘着剤の溶液を塗工、乾燥させて粘着剤層を形成し、その上に離型処理を施したフィルムを積層する方法等によって製造することができる。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、加熱処理を施す半導体チップ処理工程に用いた場合であっても処理中にウエハが剥離してしまうことがなく、処理終了後には、粘着テープからウエハを容易に剥離できる半導体デバイス用粘着剤組成物及び半導体デバイス用粘着テープを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0060】
(実施例1)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーンアクリレート(EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)20重量部、シリカフィラー(レオロシール MT−10、トクヤマ製)20重量部、化学架橋剤(コロネートL−45、積水フーラー社製)0.5重量部、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部を混合した。
【0061】
その後、重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、気体発生剤として光塩基発生剤(イミダゾール−1−カルボン酸1−(アントラキノン−2−イル)エチル、吸収波長430nm)30重量部、光増感剤として9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン1重量部を混合して、半導体デバイス用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を得た。
【0062】
得られた半導体デバイス用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンテレタレートフィルムのコロナ処理面上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmとなるようにドクターナイフで塗工した。次いで、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後、反対側に離形処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンテレタレートフィルムを貼り合わせ、40℃、3日間静置養生を行い半導体デバイス用粘着テープを得た。
【0063】
(実施例2〜6、比較例1〜3)
光塩基発生剤の種類や配合量を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして半導体デバイス用粘着テープを製造した。
【0064】
<評価>
実施例、比較例で得られた半導体デバイス用粘着テープ(以下、単に粘着テープともいう)について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
【0065】
(粘着性評価)
直径20cmの円形に切断した半導体デバイス用粘着テープを、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付けて積層体を得た。この状態で粘着テープの端部をめくり、全く剥離できなかった場合を「○」、比較軽く剥離できた場合を「△」、ほとんど抵抗なく剥離できた場合を「×」として粘着性を評価した。
【0066】
(ガス発生性評価)
超高圧水銀灯を用いて、上記積層体の粘着テープ側に、365nmの紫外線を粘着テープの基材表面での照射強度が40mW/cmとなるよう照度を調節して5分間照射した。紫外線照射後の積層体を目視にて観察し、接着界面の90%以上の面積で粘着テープからシリコンウエハが剥離していた場合を「◎」、70%以上の面積で粘着テープからシリコンウエハが剥離していた場合を「○」、70%未満の面積で粘着テープからシリコンウエハが剥離していた場合を「×」としてガス発生性を評価した。
【0067】
(剥離性評価)
ガス発生性評価後の積層体から粘着テープを25mm幅あたり0.1Nの力で剥離した際に、自然に剥がれてしまっていた場合を「◎」、全く抵抗なく剥離できた場合を「○」、抵抗はあったものの剥離できた場合を「△」、全く剥離できなかった場合を「×」として剥離性を評価した。
【0068】
(耐熱性評価)
直径20cmの円形に切断した半導体デバイス用粘着テープを、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付けて積層体を得た。次いで、350nm以下の波長をカットするフィルターを装備した超高圧水銀灯を用いて、積層体の半導体デバイス用粘着テープ側から、365nmの波長の紫外線を、半導体デバイス用粘着テープの基材表面での照射強度が40mW/cmとなるように調節し、2分間照射した。紫外線照射後、積層体に180℃、1時間の加熱処理を行い、室温に戻した。加熱処理後の積層体について、上記のガス発生性評価及び剥離性評価を行った。なお、比較例3では、加熱処理中にガスが発生して半導体デバイス用粘着テープが剥がれてしまったため、評価を行わなかった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、加熱処理を施す半導体チップ処理工程に用いた場合であっても処理中にウエハが剥離してしまうことがなく、処理終了後には、粘着テープからウエハを容易に剥離できる半導体デバイス用粘着剤組成物及び半導体デバイス用粘着テープを提供することができる。