(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876508
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】カーゴスクリーン組立体、その作動方法およびその解除方法
(51)【国際特許分類】
B60R 5/04 20060101AFI20210517BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
B60R5/04 T
E06B9/58 A
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-90959(P2017-90959)
(22)【出願日】2017年5月1日
(65)【公開番号】特開2017-202823(P2017-202823A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2020年2月26日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0058832
(32)【優先日】2016年5月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尹 妍 心
【審査官】
浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−052546(JP,A)
【文献】
特開2001−233135(JP,A)
【文献】
実開平07−037810(JP,U)
【文献】
実開平02−145539(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0015270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 5/04
E06B 9/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後列シートと後方ドアとの間の手荷物空間の上部を開放または閉鎖するカーゴスク
リーン組立体において、
車両の後列シート(100)の後面に水平方向に形成されたカーゴスクリーンレール装着
溝(110)と、
前記後列シート(100)の両端側後面から後方に突出形成された複数のサイドトリム(
200)と、
前記サイドトリム(200)に挿入されるか、前記カーゴスクリーンレール装着溝(11
0)に挿入される複数のカーゴスクリーンレール(300)とを含み、
前記カーゴスクリーンレール(300)は、
前記サイドトリム(200)に挿入されるように前記カーゴスクリーンレール(300)
を第1方向に回転させるか、前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に挿入される
ように前記カーゴスクリーンレール(300)を第2方向に回転させるように、前記カー
ゴスクリーンレール(300)の一端に装着される回転軸(310)を含み、
前記回転軸(310)に装着され、
前記第2方向に前記カーゴスクリーンレール(300)を回転させるギヤスプリング組立
体(400)をさらに含むことを特徴とするカーゴスクリーン組立体。
【請求項2】
一端は前記サイドトリム(200)の内部に装着され、
他端は前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着された前記カーゴスクリーン
レール(300)に沿って移動可能なカーゴスクリーン(500)をさらに含むことを特
徴とする請求項1に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項3】
前記カーゴスクリーン(500)は、
前記他端の一側に装着され、前記カーゴスクリーンレール(300)の内部に挿入されて
前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動可能なホイール(510)と、
前記他端に装着され、前記手荷物空間の上部を閉鎖するように対向側のカーゴスクリーン
(500)の他端と締結される磁性体の締結部(520)とを含むことを特徴とする請求
項2に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項4】
前記カーゴスクリーン(500)は、
複数のパネル(530)から構成され、
前記他端が前記サイドトリム(200)の内部に移動すると、前記複数のパネル(530
)が前記サイドトリム(200)の内部で積層されるか、前記サイドトリム(200)の
内部にロール形式で巻かれて、前記手荷物空間の上部を開放し、
前記他端が前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動すると、前記複数のパネ
ル(530)が順次に前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って配置されるか、ロ
ール形式で解かれて、前記手荷物空間の上部を閉鎖することを特徴とする請求項3に記載
のカーゴスクリーン組立体。
【請求項5】
前記サイドトリム(200)のうち、前記カーゴスクリーンレール(300)の他端と接
する地点に装着され、
前記サイドトリム(200)に前記カーゴスクリーンレール(300)を装着するか、前
記サイドトリム(200)から前記カーゴスクリーンレール(300)を解除するラッチ
構造(600)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項6】
前記ラッチ構造(600)は、
前記カーゴスクリーンレール(300)が前記サイドトリム(200)に装着された状態
で、
前記カーゴスクリーンレール(300)の他端に前記第1方向に力を加えると解除される
構造であることを特徴とする請求項5に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項7】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記カーゴスクリーンレール(300)が前記第2方向に回転するように前記回転軸(3
10)に力を加えるコイルスプリング(410)と、
前記回転軸(310)の回転速度を遅くするギヤダンパ(420)とを含むことを特徴と
する請求項1に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項8】
前記回転軸(310)は、前記回転軸(310)から垂直に突出形成された突出部(31
1)を含み、
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記回転軸(310)が第2方向に回転する時、一端が前記突出部(311)と接触し、
前記接触によって前記回転軸(310)の回転運動を直線運動に変換して、前記回転軸と
遠くなる方向に移動するラックギヤ(430)を含むことを特徴とする請求項7に記載の
カーゴスクリーン組立体。
【請求項9】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記ラックギヤ(430)の移動によって回転するピニオンギヤ(440)と、
前記ピニオンギヤ(440)の回転力を前記回転軸(310)に伝達して、前記回転軸(
310)を前記第2方向に回転させるギヤリンク(450)とをさらに含むことを特徴と
する請求項8に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項10】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記ラックギヤ(430)の他端に装着され、前記回転軸(310)が前記第2方向へ回
転時、前記ラックギヤ(430)の移動によって圧縮されるラックギヤスプリング(46
0)をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項11】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記回転軸(310)が前記第2方向に回転して前記カーゴスクリーンレール(300)
が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着されると、前記ラックギヤスプリ
ング(460)を圧縮された状態に維持させる係止部(470)をさらに含むことを特徴
とする請求項10に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項12】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記ラックギヤスプリング(460)の復元力によって前記回転軸(310)が前記第1
方向に回転するように、リンク構造(481)を介して前記係止部(470)から前記ラ
ックギヤ(430)を解除させるボタン部(480)をさらに含むことを特徴とする請求
項11に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項13】
前記回転軸(310)は、前記回転軸(310)から垂直に突出形成された突出部(31
1)を含み、
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
第2ラックギヤ(430’)と、
前記第2ラックギヤ(430’)の移動によって回転する第2ピニオンギヤ(440’)
と、
前記第2ピニオンギヤ(440’)の回転力を前記回転軸(310)に伝達して、前記回
転軸(310)を前記第2方向に回転させる第2ギヤリンク(450’)と、
前記第2ラックギヤ(430’)の一端に装着され、前記第2ラックギヤ(430’)が
移動するように前記第2ラックギヤ(430’)に復元力を加える第2ラックギヤスプリ
ング(460’)とを含むことを特徴とする請求項7に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項14】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記第2ラックギヤスプリング(460’)を圧縮された状態に維持させ、前記回転軸(
310)が第2方向に回転する時、前記突出部(311)によって解除される第2係止部
(470’)をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のカーゴスクリーン組立体。
【請求項15】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、
前記第2ラックギヤスプリング(460’)が前記第2係止部(470’)によって圧縮
された状態に維持されるように、第2リンク構造(481’)を介して前記第2ラックギ
ヤスプリング(460’)を圧縮する方向に前記第2ラックギヤ(430’)に力を加え
る第2ボタン部(480’)をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のカーゴス
クリーン組立体。
【請求項16】
請求項5又は6に記載のカーゴスクリーン組立体の作動方法において、
カーゴスクリーンレール(300)の他端に第1方向に力を加えてラッチ構造(600)
を解除し、サイドトリム(200)から前記カーゴスクリーンレール(300)を解除す
るステップ(S100)と、
前記カーゴスクリーンレール(300)の回転軸(310)がコイルスプリング(410
)の復元力によって第2方向に回転する第1回転ステップ(S200)と、
前記回転軸(310)の突出部(311)とラックギヤ(430)とが接触し、これによ
って前記ラックギヤ(430)が前記回転軸(310)と遠くなる方向に移動するステッ
プ(S300)と、
前記ラックギヤ(430)の移動によってピニオンギヤ(440)が回転し、前記ピニオ
ンギヤ(440)の回転力がギヤリンク(450)によって前記回転軸(310)に伝達
されるステップ(S400)と、
前記回転力によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記カーゴスクリーンレ
ール装着溝(110)に装着されるステップ(S500)とを含むことを特徴とするカー
ゴスクリーン組立体の作動方法。
【請求項17】
カーゴスクリーン(500)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着され
た前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動し、前記カーゴスクリーン(50
0)が対向側のカーゴスクリーン(500)と締結されて手荷物空間の上部を閉鎖するス
テップ(S600)をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のカーゴスクリーン
組立体の作動方法。
【請求項18】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のカーゴスクリーン組立体の解除方法において、
互いに締結されたカーゴスクリーン(500)を解除して、サイドトリム(200)の内
部に移動させるステップ(S100’)と、
ボタン部(480)を作動させてリンク構造を介して係止部(470)を解除させ、これ
によって、ラックギヤスプリング(460)の復元力によってラックギヤ(430)が突
出部(311)に向かって移動するステップ(S200’)と、
前記ラックギヤ(430)が突出部(311)に力を加えて、前記回転軸(310)を第
1方向に回転させるステップ(S300’)と、
前記回転させるステップ(S300’)の後、前記カーゴスクリーンレール(300)の
他端に第1方向に力を加えて、前記カーゴスクリーンレール(300)を前記サイドトリ
ム(200)の内部に挿入させるステップ(S400’)と、
ラッチ構造(600)によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記サイドト
リム(200)の内部に装着されるステップ(S500’)とを含むことを特徴とするカ
ーゴスクリーン組立体の解除方法。
【請求項19】
請求項7ないし15のいずれか1項に記載のカーゴスクリーン組立体の作動方法において
、
カーゴスクリーンレール(300)の他端に第1方向に力を加えてラッチ構造(600)
を解除し、サイドトリム(200)から前記カーゴスクリーンレール(300)を解除す
るステップ(S10)と、
前記カーゴスクリーンレール(300)の回転軸(310)がコイルスプリング(410
)の復元力によって第2方向に回転する第1回転ステップ(S20)と、
前記回転軸(310)の突出部(311)と第2ラックギヤ(430’)の第2支持部(
431’)とが接触し、これによって前記第2ラックギヤ(430’)が第2係止部(4
70’)から解除され、第2ラックギヤスプリング(460’)の復元力によって前記第
2ラックギヤ(430’)が移動するステップ(S30)と、
前記第2ラックギヤ(430’)の移動によって第2ピニオンギヤ(440’)が回転し
、前記第2ピニオンギヤ(440’)の回転力が第2ギヤリンク(450’)によって前
記回転軸(310)に伝達されて、前記回転軸(310)が前記第2方向に回転する第2
回転ステップ(S40)と、
前記回転力によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記カーゴスクリーンレ
ール装着溝(110)に装着されるステップ(S50)とを含むことを特徴とするカーゴ
スクリーン組立体の作動方法。
【請求項20】
カーゴスクリーン(500)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着され
た前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動し、前記カーゴスクリーン(50
0)が対向側のカーゴスクリーン(500)と締結されて手荷物空間の上部を閉鎖するス
テップ(S60)をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のカーゴスクリーン組
立体の作動方法。
【請求項21】
請求項13ないし15のいずれか1項に記載のカーゴスクリーン組立体の解除方法におい、
互いに締結されたカーゴスクリーン(500)を解除して、サイドトリム(200)の内
部に移動させるステップ(S10’)と、
第2ボタン部(480’)を作動させて第2リンク構造(481’)を介して第2ラック
ギヤスプリング(460’)を圧縮する方向に前記第2ラックギヤ(430’)を移動さ
せ、第2係止部(470’)によって前記第2ラックギヤスプリング(460’)が圧縮
された状態に維持されるステップ(S20’)と、
前記第2ラックギヤ(430’)の移動によって第2ピニオンギヤ(440’)が回転し
、前記第2ピニオンギヤ(440’)の回転力によって前記回転軸(310)が第1方向
に回転するステップ(S30’)と、
前記回転するステップ(S30’)の後、前記カーゴスクリーンレール(300)の他端
に第1方向に力を加えて、前記カーゴスクリーンレール(300)を前記サイドトリム(
200)の内部に挿入させるステップ(S40’)と、
ラッチ構造(600)によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記サイドト
リム(200)の内部に装着されるステップ(S50’)とを含むことを特徴とするカー
ゴスクリーン組立体の解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーゴスクリーン組立体、その作動方法およびその解除方法に係り、より詳しくは、カーゴスクリーンの装着または脱着が不必要であり、カーゴスクリーンの作動が容易であるカーゴスクリーン組立体、その作動方法およびその解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の乗用車両は、荷物を積載可能なトランクルームが独立した空間となっているが、ワゴン、SUV、MPVなどといった車両のトランクルームすなわち、手荷物空間は、後列シートの真後ろの空間となり、車室と連通した状態で仕切られている。
車室からみると、手荷物空間に積載された荷物がそのまま見えるため、外観美を低下させ、盗難防止などの恐れがある点を勘案して、貨物の露出を防ぐことで、外観美を高めると同時に、盗難防止の役割を果たすカーゴスクリーンが装着されている。
図1および
図2に示す通り、従来のカーゴスクリーンの使用方法は、使用者がカーゴスクリーンの両末端をサイドトリムに形成された装着溝内に嵌合するカーゴスクリーン装着ステップと、カーゴスクリーンの前方に露出したグリップハンドルを直接引っ張って車両の後方側にスクリーンを引き出すステップと、引き出されたスクリーンのハンガー部分をサイドトリムに設けられた係止溝内に嵌合して固定させるステップとからなる。
【0003】
すなわち、後列シートを折り畳んで長い手荷物を積載するためには、カーゴスクリーンを解除する必要があり、カーゴスクリーンが解除された状態からカーゴスクリーンを用いるためには、上記の装着ステップ、引き出しステップ、固定ステップを行わなければならなかった。
しかし、従来のカーゴスクリーンは、脱着または装着のために、使用者がバンパの末端に膝を当てて、後列シートの後方に位置したカーゴスクリーンの取っ手をつかむために腰をかがめてトランクルームの内部に入らなければならないという不便な点があった。また、後列シートからバンパの末端の距離が長い場合には、カーゴスクリーンの作動時、背の小さい子供や女性にとってはカーゴスクリーンの取っ手に手が届かない問題点があり、これによってカーゴスクリーンの活用度が大きく低下する問題点があった。
さらに、従来のカーゴスクリーンをサイドトリムに装着したり、サイドトリムからカーゴスクリーンを脱着する時、約49〜59Nの力が要求された。また、従来のカーゴスクリーンを引っ張るためには約37〜60Nの力が要求された。したがって、従来のカーゴスクリーンは、装着・脱着および作動のために大きな力が要求されるため、子供や女性にとって使いにくい問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10−1382879号(2014.01.01)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、カーゴスクリーンのレールを後列シートの後面に装着したり、後列シートの後面からカーゴスクリーンのレールを解除することができるカーゴスクリーン組立体、その作動方法およびその解除方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両の後列シートと後方ドアとの間の手荷物空間の上部を開放または閉鎖するカーゴスクリーン組立体は、車両の後列シート(100)の後面に水平方向に形成されたカーゴスクリーンレール装着溝(110)と、前記後列シート(100)の両端側後面から後方に突出形成された複数のサイドトリム(200)と、前記サイドトリム(200)に挿入されるか、前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に挿入される複数のカーゴスクリーンレール(300)とを含み、
前記カーゴスクリーンレール(300)は、前記サイドトリム(200)に挿入されるように前記カーゴスクリーンレール(300)を第1方向に回転させるか、前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に挿入されるように前記カーゴスクリーンレール(300)を第2方向に回転させるように、前記カーゴスクリーンレール(300)の一端に装着される回転軸(310)を含むことを特徴とする。
【0007】
前記カーゴスクリーン組立体は、前記回転軸(310)に装着され、前記第2方向に前記カーゴスクリーンレール(300)を回転させるギヤスプリング組立体(400)をさらに含み、一端は前記サイドトリム(200)の内部に装着され、他端は前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着された前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動可能なカーゴスクリーン(500)をさらに含み、
前記カーゴスクリーン(500)は、前記他端の一側に装着され、前記カーゴスクリーンレール(300)の内部に挿入されて前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動可能なホイール(510)と、前記他端に装着され、前記手荷物空間の上部を閉鎖するように対向側のカーゴスクリーン(500)の他端と締結される磁性体の締結部(520)とを含むことを特徴とする。
【0008】
前記カーゴスクリーン(500)は、複数のパネル(530)から構成され、前記他端が前記サイドトリム(200)の内部に移動すると、前記複数のパネル(530)が前記サイドトリム(200)の内部で積層されるか、ロール形式で巻かれて、前記手荷物空間の上部を開放し、前記他端が前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動すると、前記複数のパネル(530)が順次前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って配置されるか、ロール形式で解かれて、前記手荷物空間の上部を閉鎖することを特徴とする。
【0009】
前記カーゴスクリーン組立体は、前記サイドトリム(200)のうち、前記カーゴスクリーンレール(300)の他端と接する地点に装着され、前記サイドトリム(200)に前記カーゴスクリーンレール(300)を装着するか、前記サイドトリム(200)から前記カーゴスクリーンレール(300)を解除するラッチ構造(600)をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
前記ラッチ構造(600)は、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記サイドトリム(200)に装着された状態で、前記カーゴスクリーンレール(300)の他端に前記第1方向に力を加えると解除される構造であることを特徴とする。
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記第2方向に回転するように前記回転軸(310)に力を加えるコイルスプリング(410)と、前記回転軸(310)の回転速度を遅くするギヤダンパ(420)とを含むことを特徴とする。
前記回転軸(310)は、前記回転軸(310)から垂直に突出形成された突出部(311)を含み、前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記回転軸(310)が第2方向に回転する時、一端が前記突出部(311)と接触し、前記接触によって前記回転軸(310)の回転運動を直線運動に変換して、前記回転軸と遠くなる方向に移動するラックギヤ(430)を含むことを特徴とする。
【0011】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記ラックギヤ(430)の移動によって回転するピニオンギヤ(440)と、前記ピニオンギヤ(440)の回転力を前記回転軸(310)に伝達して、前記回転軸(310)を前記第2方向に回転させるギヤリンク(450)とをさらに含むことを特徴とする。
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記ラックギヤ(430)の他端に装着され、前記回転軸(310)が前記第2方向へ回転時、前記ラックギヤ(430)の移動によって圧縮されるラックギヤスプリング(460)をさらに含むことを特徴とする。
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記回転軸(310)が前記第2方向に回転して前記カーゴスクリーンレール(300)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着されると、前記ラックギヤスプリング(460)を圧縮された状態に維持させる係止部(470)をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記ラックギヤスプリング(460)の復元力によって前記回転軸(310)が前記第1方向に回転するように、リンク構造(481)を介して前記係止部(470)から前記ラックギヤ(430)を解除させるボタン部(480)をさらに含むことを特徴とする。
前記回転軸(310)は、前記回転軸(310)から垂直に突出形成された突出部(311)を含み、前記ギヤスプリング組立体(400)は、第2ラックギヤ(430’)と、前記第2ラックギヤ(430’)の移動によって回転する第2ピニオンギヤ(440’)と、前記第2ピニオンギヤ(440’)の回転力を前記回転軸(310)に伝達して、前記回転軸(310)を前記第2方向に回転させる第2ギヤリンク(450’)と、前記第2ラックギヤ(430’)の一端に装着され、前記第2ラックギヤ(430’)が移動するように前記第2ラックギヤ(430’)に復元力を加える第2ラックギヤスプリング(460’)とを含むことを特徴とする。
【0013】
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記第2ラックギヤスプリング(460’)を圧縮された状態に維持させ、前記回転軸(310)が第2方向に回転する時、前記突出部(311)によって解除される第2係止部(470’)をさらに含むことを特徴とする。
前記ギヤスプリング組立体(400)は、前記第2ラックギヤスプリング(460’)が前記第2係止部(470’)によって圧縮された状態に維持されるように、第2リンク構造(481’)を介して前記第2ラックギヤスプリング(460’)を圧縮する方向に前記第2ラックギヤ(430’)に力を加える第2ボタン部(480’)をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーンレール(300)の他端に第1方向に力を加えてラッチ構造(600)を解除し、サイドトリム(200)から前記カーゴスクリーンレール(300)を解除するステップ(S100)と、前記カーゴスクリーンレール(300)の回転軸(310)がコイルスプリング(410)の復元力によって第2方向に回転する第1回転ステップ(S200)と、前記回転軸(310)の突出部(311)とラックギヤ(430)とが接触し、これによって前記ラックギヤ(430)が前記回転軸(310)と遠くなる方向に移動するステップ(S300)と、前記ラックギヤ(430)の移動によってピニオンギヤ(440)が回転し、前記ピニオンギヤ(440)の回転力がギヤリンク(450)によって前記回転軸(310)に伝達されるステップ(S400)と、前記回転力によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着されるステップ(S500)とを含むことを特徴とする。
【0015】
前記カーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーン(500)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着された前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動し、前記カーゴスクリーン(500)が対向側のカーゴスクリーン(500)と締結されて手荷物空間の上部を閉鎖するステップ(S600)をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るカーゴスクリーン 組立体の解除方法は、互いに締結されたカーゴスクリーン(500)を解除して、サイドトリム(200)の内部に移動させるステップ(S100’)と、ボタン部(480)を作動させてリンク構造を介して係止部(470)を解除させ、これによって、ラックギヤスプリング(460)の復元力によってラックギヤ(430)が突出部(311)に向かって移動するステップ(S200’)と、前記ラックギヤ(430)が突出部(311)に力を加えて、前記回転軸(310)を第1方向に回転させるステップ(S300’)と、前記回転させるステップ(S300’)の後、前記カーゴスクリーンレール(300)の他端に第1方向に力を加えて、前記カーゴスクリーンレール(300)を前記サイドトリム(200)の内部に挿入させるステップ(S400’)と、ラッチ構造(600)によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記サイドトリム(200)の内部に装着されるステップ(S500’)とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーンレール(300)の他端に第1方向に力を加えてラッチ構造(600)を解除し、サイドトリム(200)から前記カーゴスクリーンレール(300)を解除するステップ(S10)と、前記カーゴスクリーンレール(300)の回転軸(310)がコイルスプリング(410)の復元力によって第2方向に回転する第1回転ステップ(S20)と、前記回転軸(310)の突出部(311)と第2ラックギヤ(430’)の第2支持部(431’)とが接触し、これによって前記第2ラックギヤ(430’)が第2係止部(470’)から解除され、第2ラックギヤスプリング(460’)の復元力によって前記第2ラックギヤ(430’)が移動するステップ(S30)と、前記第2ラックギヤ(430’)の移動によって第2ピニオンギヤ(440’)が回転し、前記第2ピニオンギヤ(440’)の回転力が第2ギヤリンク(450’)によって前記回転軸(310)に伝達されるステップ(S40)と、前記回転力によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着されるステップ(S50)とを含むことを特徴とする。
【0018】
前記カーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーン(500)が前記カーゴスクリーンレール装着溝(110)に装着された前記カーゴスクリーンレール(300)に沿って移動し、前記カーゴスクリーン(500)が対向側のカーゴスクリーン(500)と締結されて手荷物空間の上部を閉鎖するステップ(S60)をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るカーゴスクリーン 組立体の解除方法は、互いに締結されたカーゴスクリーン(500)を解除して、サイドトリム(200)の内部に移動させるステップ(S10’)と、第2ボタン部(480’)を作動させて第2リンク構造(481’)を介して第2ラックギヤスプリング(460’)を圧縮する方向に前記第2ラックギヤ(430’)を移動させ、第2係止部(470’)によって前記第2ラックギヤスプリング(460’)が圧縮された状態に維持されるステップ(S20’)と、前記第2ラックギヤ(430’)の移動によって第2ピニオンギヤ(440’)が回転し、前記第2ピニオンギヤ(440’)の回転力によって前記回転軸(310)が第1方向に回転するステップ(S30’)と、前記回転するステップ(S30’)の後、前記カーゴスクリーンレール(300)の他端に第1方向に力を加えて、前記カーゴスクリーンレール(300)を前記サイドトリム(200)の内部に挿入させるステップ(S40’)と、ラッチ構造(600)によって、前記カーゴスクリーンレール(300)が前記サイドトリム(200)の内部に装着されるステップ(S50’)とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、長い手荷物を積載しても、カーゴスクリーンレールをサイドトリムに挿入した後、後列シートさえ折り畳めばよく、カーゴスクリーン自体を装着または脱着する必要がないため、長い手荷物を容易に積載することができる。
また、カーゴスクリーンにホイールが装着されるため、カーゴスクリーンの作動が容易である。
さらに、磁性体の締結部によって左右両側のカーゴスクリーンが容易に締結されるため、手荷物空間の閉鎖が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】本発明に係るカーゴスクリーン組立体の斜視図である。
【
図4】本発明に係るカーゴスクリーン組立体の斜視図である。
【
図5】本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動状態図である。
【
図6】本発明に係るカーゴスクリーン組立体が作動した状態における平面図である。
【
図8】本発明のギヤスプリング組立体の概略図である。
【
図9】本発明の他の実施形態におけるギヤスプリング組立体の概略図である。
【
図10】本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法のフローチャートである。
【
図11】本発明に係るカーゴスクリーン組立体の解除方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の他の実施形態に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法のフローチャートである。
【
図13】本発明の他の実施形態に係るカーゴスクリーン組立体の解除方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
図3および
図4は、本発明に係るカーゴスクリーン組立体の斜視図であり、
図5は、本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動状態図である。
図3〜
図5に示す通り、本発明に係るカーゴスクリーン組立体は、車両の後列シートと後方ドアとの間の手荷物空間の上部を開放または閉鎖する役割を果たす。前記カーゴスクリーン組立体は、カーゴスクリーンレール装着溝110と、サイドトリム200と、カーゴスクリーンレール300と、ギヤスプリング組立体400と、カーゴスクリーン500と、ラッチ構造600とを含む。このうち、ギヤスプリング組立体400およびカーゴスクリーン500に関する詳細な説明は後述する。
カーゴスクリーンレール装着溝110は、車両の後列シート100の後面に水平方向に形成される。サイドトリム200は、後列シート100の両端側後面から後方に突出形成され、複数である。カーゴスクリーンレール300は、サイドトリム200に挿入されるか、カーゴスクリーンレール装着溝110に挿入され、複数である。
【0023】
また、ラッチ構造600は、サイドトリム200のうち、カーゴスクリーンレール300の他端と接する地点に装着される。ラッチ構造600は、サイドトリム200にカーゴスクリーンレール300を装着するか、サイドトリム200からカーゴスクリーンレール300を解除する役割を果たす。
ラッチ構造600は、カーゴスクリーンレール300がサイドトリム200に装着された状態で、カーゴスクリーンレール300の他端に第1方向に力を加えると解除される構造である。例えば、公知の冷蔵庫のホームバードアの開放構造(韓国公開特許公報第2011−0041658号)のような構造であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、設計者の意図によって多様な構造が適用可能である
【0024】
図6は、本発明に係るカーゴスクリーン組立体が作動した状態における平面図である。
図6に示す通り、本発明において、カーゴスクリーン500は、一端がサイドトリム200の内部に装着され、他端がカーゴスクリーンレール装着溝110に装着されたカーゴスクリーンレール300に沿って移動可能である。
カーゴスクリーン500は、ホイール510と、締結部520と、パネル530とを含む。ホイール510は、前記他端の一側に装着され、カーゴスクリーンレール300の内部に挿入されてカーゴスクリーンレール300に沿って移動可能である。ホイール510によってカーゴスクリーンの作動のために要求される力が最大15Nかかり、これは、従来のカーゴスクリーンの作動のために必要な力に比べて約22N〜45N程度減少したものである。すなわち、前記のように回転可能なホイール510がカーゴスクリーンレール300の内部に挿入されるため、カーゴスクリーン500を容易に作動させることができるのである。
【0025】
締結部520は、前記他端に装着され、前記手荷物空間の上部を閉鎖するように対向側のカーゴスクリーン500の他端と締結される構成要素であって、磁性体である。したがって、従来のカーゴスクリーンのように引き出されたスクリーンのハンガー部分をサイドトリムに設けられた係止溝内に嵌合して固定させる必要がない。すなわち、磁性体の締結部520を互いに接着させるとカーゴスクリーン500の固定が完了するので、カーゴスクリーン500を容易に固定させることができる。
カーゴスクリーン500は、複数のパネル530から構成される。この時、カーゴスクリーン500の他端(すなわち、前記パネルのうち、前記サイドトリムに装着されたパネルから最も遠く離れたパネル)がサイドトリム200の内部に移動すると、複数のパネル530がサイドトリム200の内部で積層され、前記手荷物空間の上部を開放する。また、カーゴスクリーン500の他端(すなわち、前記パネルのうち、前記サイドトリムに装着されたパネルから最も遠く離れたパネル)がカーゴスクリーンレール300に沿って移動すると、複数のパネル530が順次にカーゴスクリーンレール300に沿って配置され、前記手荷物空間の上部を閉鎖する。すなわち、カーゴスクリーン500は、スライドスクリーン方式で積層されたり広げられるのである。また、カーゴスクリーン500は、ロール形式で巻かれたり、解かれたりしてもよい。
【0026】
これによって、従来のロール方式のカーゴスクリーンを引っ張るためには約37〜60Nの力が要求されたが、本発明に係るカーゴスクリーン500の作動のために要求される力は最大15Nである。これは、従来のカーゴスクリーンの作動のために必要な力に比べて約22N〜45N程度減少したものであって、前記のようなスライドスクリーン方式を適用して、子供や女性らが容易にカーゴスクリーン500を作動させることができるのである。
図7は、
図5のAの拡大図である。
図7に示す通り、カーゴスクリーンレール300は、回転軸310を含み、回転軸310は、カーゴスクリーンレール300の一端に装着される。また、回転軸310には、回転軸310から垂直に突出形成された突出部311が形成される。
回転軸310を軸として、カーゴスクリーンレール300は、第1方向に回転してサイドトリム200に挿入されてもよい。また、カーゴスクリーンレール300は、第2方向に回転してカーゴスクリーンレール装着溝110に挿入されてもよい。
【0027】
すなわち、カーゴスクリーンレール300がカーゴスクリーンレール装着溝110に挿入されると、カーゴスクリーン500を作動させる準備が完了したもので、従来技術におけるカーゴスクリーンをサイドトリムに装着したのと類似の状態である。また、カーゴスクリーンレール300がサイドトリム200に挿入されると、従来技術におけるカーゴスクリーンをサイドトリムから脱着したのと類似の状態となる。したがって、本発明は、カーゴスクリーンの装着または脱着を必要としないため、従来技術に比べて長い手荷物を積載することが容易である。
図8は、本発明のギヤスプリング組立体の概略図である。
図8に示す通り、本発明に係るギヤスプリング組立体400は、回転軸310に装着され、第2方向にカーゴスクリーンレール300を回転させる役割を果たす。
ギヤスプリング組立体400は、コイルスプリング410と、ギヤダンパ420とを含む。コイルスプリング410は、カーゴスクリーンレール300が第2方向に回転するように回転軸310に力を加える役割を果たし、ギヤダンパ420は、回転軸310の回転速度を遅くする役割を果たす。すなわち、運転者(または使用者)がカーゴスクリーンレール300に第1方向に力を加えてラッチ構造600を解除させると、コイルスプリング410の復元力によってカーゴスクリーンレール300が自動的にサイドトリム200から抜け出て、第2方向に回転する。
【0028】
また、ギヤスプリング組立体400は、ラックギヤ430と、ピニオンギヤ440と、ギヤリンク450と、ラックギヤスプリング460と、係止部470と、ボタン部480とを含む。ラックギヤ430の一端は、回転軸310が第2方向に回転する時、突出部311と接触する。この接触によって、ラックギヤ430は、回転軸310の回転運動を直線運動に変換して、回転軸と遠くなる方向に移動する。
この時、回転軸310の回転運動を直線運動に容易に変換するために、ラックギヤ430の一端432は突出形成される。また、突出部311およびラックギヤ430の一端は、予め設定された角度をなすように形成される。
ピニオンギヤ440は、ラックギヤ430の移動によって回転し、ギヤリンク450は、ピニオンギヤ440の回転力を回転軸310に伝達して、回転軸310を第2方向に回転させる役割を果たす。すなわち、コイルスプリング410の復元力によってカーゴスクリーンレール300がサイドトリム200から第1位置まで回転し、第1位置から第2位置(すなわち、カーゴスクリーンレール装着溝)まではコイルスプリング410の回転力およびピニオンギヤ440の回転力(すなわち、ギヤリンクによって伝達された回転力)によって回転する。
【0029】
ラックギヤスプリング460は、ラックギヤ430の他端に装着され、回転軸310が第2方向へ回転時、ラックギヤ430の移動によって圧縮される。係止部470は、回転軸310が第2方向に回転して、カーゴスクリーンレール300がカーゴスクリーンレール装着溝110に装着されると、ラックギヤスプリング460を圧縮された状態に維持させる役割を果たす。この時、係止部470は、通常のボールペン構造と類似にホール471が形成され、ホール471にラックギヤ430から突出した支持部431が係止される構造であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、設計者の意図などによって他の構造を適用してもよい。
すなわち、第2位置では、コイルスプリング410の復元力がほぼない状態であり、ラックギヤスプリング460は最大限に圧縮された状態となる。しかし、ラックギヤスプリング460は、係止部470によって復元されず、圧縮された状態に維持される。したがって、第2位置、すなわち、カーゴスクリーンレール装着溝110にカーゴスクリーンレール300が装着され、運転者(または使用者)が別途の操作をしない限り、前記のような状態を維持するようになる。
ボタン部480は、ラックギヤスプリング460の復元力によって回転軸310が第1方向に回転するように、リンク構造481を介して係止部470からラックギヤ430を解除させる役割を果たす。すなわち、運転者(または使用者)は、カーゴスクリーンレール300をカーゴスクリーンレール装着溝110から解除するために、ボタン部480を押すことができる。
【0030】
これによって、係止部470からラックギヤ430が解除され、その後、ラックギヤスプリング460の復元力によって、ラックギヤ430が突出部311に向かって移動する。この時、突出部311に加えられる力およびラックギヤ430の移動によるピニオンギヤ440の回転力によって、回転軸310は第1方向に回転し始める。
しかし、回転軸310が第1方向に回転するにつれ、第2方向にコイルスプリング410の復元力が発生する。したがって、一定地点で両方向の力が平衡をなすことができ、前記地点は、
図5の第1位置である。
カーゴスクリーンレール300が第1位置に到達すると、運転者(または使用者)は、第1方向に力を加えて、カーゴスクリーンレール300をサイドトリム200の内部に挿入させることができる。また、挿入後、ラッチ構造600によってカーゴスクリーンレール300をサイドトリム200に装着することにより、従来技術におけるカーゴスクリーンの脱着状態と類似の状態となる。したがって、本発明は、カーゴスクリーンの装着または脱着を必要としないため、従来技術に比べて長い手荷物を積載することが容易である。
【0031】
図9は、本発明の他の実施形態におけるギヤスプリング組立体の概略図である。
図9に示す通り、ギヤスプリング組立体400は、第2ラックギヤ430’と、第2ピニオンギヤ440’と、第2ギヤリンク450’と、第2ラックギヤスプリング460’と、第2係止部470’と、第2ボタン部480’とを含む。
第2ピニオンギヤ440’は、第2ラックギヤ430’の移動によって回転し、第2ギヤリンク450’は、第2ピニオンギヤ440’の回転力を回転軸310に伝達して、回転軸310を第2方向に回転させる役割を果たす。
また、第2係止部470’は、第2ラックギヤスプリング460’を圧縮された状態に維持させ、回転軸310が第2方向に回転する時、突出部311によって解除される。この時、第2係止部470’には、通常のボールペン構造と類似に第2ホール471’が形成され、第2ホール471’に第2ラックギヤ430’から突出した第2支持部431’が係止される構造であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、設計者の意図などによって他の構造を適用してもよい。
第2ボタン部480’は、第2ラックギヤスプリング460’が第2係止部470’によって圧縮された状態に維持されるように、第2リンク構造481’を介して第2ラックギヤスプリング460’を圧縮する方向に第2ラックギヤ430’に力を加える役割を果たす。
【0032】
すなわち、コイルスプリング410の復元力によってカーゴスクリーンレール300がサイドトリム200から第1位置まで回転し、この時、突出部311が第2支持部431’と接触して、第2係止部470’から第2ラックギヤ430’を解除させる。
次に、第2ラックギヤ430’は、第2ラックギヤスプリング460’の復元力によって移動し、第2ピニオンギヤ440’は、第2ラックギヤ430’の移動によって回転する。
これによって、第2ギヤリンク450’は、第2ピニオンギヤ440’の回転力を回転軸310に伝達して、回転軸310を第2方向に回転させ、最終的にカーゴスクリーンレール300がサイドトリム200から第2位置まで回転する。
また、運転者(または使用者)が第2ボタン部480’を作動させると、第2リンク構造481’を介して第2ラックギヤ430’に力を加えて、第2ラックギヤスプリング460’を圧縮する。この時、第2ラックギヤ430’の移動によって、第2ピニオンギヤ440’が第1方向に回転するように回転軸310に回転力を加え、これによって、カーゴスクリーンレール300は、第2位置から第1位置に回転するようになる。
【0033】
次に、カーゴスクリーンレール300が前記第1位置に到達すると、運転者(または使用者)は第1方向に力を加えて、カーゴスクリーンレール300をサイドトリム200の内部に挿入させることができる。また、挿入後、ラッチ構造600によってカーゴスクリーンレール300をサイドトリム200に装着することにより、従来技術におけるカーゴスクリーンの脱着状態と類似の状態となる。したがって、本発明は、カーゴスクリーンの装着または脱着を必要としないため、従来技術に比べて長い手荷物を積載することが容易である。
図10は、本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法のフローチャートである。
図10に示す通り、本発明に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーンレール300の他端に第1方向に力を加えてラッチ構造600を解除し、サイドトリム200からカーゴスクリーンレール300を解除するステップS100と、カーゴスクリーンレール300の回転軸310がコイルスプリング410の復元力によって第2方向に回転する第1回転ステップS200と、回転軸310の突出部311とラックギヤ430とが接触し、これによってラックギヤ430がサイドトリム200方向に移動するステップS300と、ラックギヤ430の移動によってピニオンギヤ440が回転し、ピニオンギヤ440の回転力がギヤリンク450によって回転軸310に伝達されるステップS400と、回転力によって、カーゴスクリーンレール300がカーゴスクリーンレール装着溝110に装着されるステップS500とを含む。
【0034】
前記カーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーン500がカーゴスクリーンレール装着溝110に装着されたカーゴスクリーンレール300に沿って移動し、カーゴスクリーン500が対向側のカーゴスクリーン500と締結されて手荷物空間の上部を閉鎖するステップS600をさらに含むことを特徴とする。
図11は、本発明に係るカーゴスクリーン組立体の解除方法のフローチャートである。
図11に示す通り、本発明に係るカーゴスクリーン組立体の解除方法は、互いに締結されたカーゴスクリーン500を解除して、サイドトリム200の内部に移動させるステップS100’と、ボタン部480を作動させてリンク構造を介して係止部470を解除させ、これによって、ラックギヤスプリング460の復元力によってラックギヤ430が突出部311に向かって移動するステップS200’と、ラックギヤ430が突出部311に力を加えて、回転軸310を第1方向に回転させるステップS300’と、回転させるステップS300’の後、カーゴスクリーンレール300の他端に第1方向に力を加えて、カーゴスクリーンレール300をサイドトリム200の内部に挿入させるステップS400’と、ラッチ構造600によって、カーゴスクリーンレール300がサイドトリム200の内部に装着されるステップS500’とを含む
【0035】
図12は、本発明の他の実施形態に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法のフローチャートである。
図12に示す通り、本発明の他の実施形態に係るカーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーンレール300の他端に第1方向に力を加えてラッチ構造600を解除し、サイドトリム200からカーゴスクリーンレール300を解除するステップS10と、カーゴスクリーンレール300の回転軸310がコイルスプリング410の復元力によって第2方向に回転する第1回転ステップS20と、回転軸310の突出部311と第2ラックギヤ430’の第2支持部431’とが接触し、これによって第2ラックギヤ430’が第2係止部470’から解除され、第2ラックギヤスプリング460’の復元力によって第2ラックギヤ430’が移動するステップS30と、第2ラックギヤ430’の移動によって第2ピニオンギヤ440’が回転し、第2ピニオンギヤ440’の回転力が第2ギヤリンク450’によって回転軸310に伝達されて、回転軸310が第2方向に回転する第2回転ステップS40と、回転力によって、カーゴスクリーンレール300がカーゴスクリーンレール装着溝110に装着されるステップS50とを含む。
【0036】
前記カーゴスクリーン組立体の作動方法は、カーゴスクリーン500がカーゴスクリーンレール装着溝110に装着されたカーゴスクリーンレール300に沿って移動し、カーゴスクリーン500が対向側のカーゴスクリーン500と締結されて手荷物空間の上部を閉鎖するステップS60をさらに含むことを特徴とする。
図13は、本発明の他の実施形態に係るカーゴスクリーン組立体の解除方法のフローチャートである。
図13に示す通り、本発明の他の実施形態に係るカーゴスクリーン組立体の解除方法は、互いに締結されたカーゴスクリーン500を解除して、サイドトリム200の内部に移動させるステップS10’と、第2ボタン部480’を作動させて第2リンク構造481’を介して第2ラックギヤスプリング460’を圧縮する方向に第2ラックギヤ430’を移動させ、第2係止部470’によって第2ラックギヤスプリング460’が圧縮された状態に維持されるステップS20’と、第2ラックギヤ430’の移動によって第2ピニオンギヤ440’が回転し、第2ピニオンギヤ440’の回転力によって回転軸310が第1方向に回転するステップS30’と、回転するステップS30’の後、カーゴスクリーンレール300の他端に第1方向に力を加えて、カーゴスクリーンレール300をサイドトリム200の内部に挿入させるステップS40’と、ラッチ構造600によって、カーゴスクリーンレール300がサイドトリム200の内部に装着されるステップS50’とを含む。
【0037】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0038】
100:後列シート
110:カーゴスクリーンレール装着溝
200:サイドトリム
300:カーゴスクリーンレール
310:回転軸
311:突出部
400:ギヤスプリング組立体
410:コイルスプリング
420:ギヤダンパ
430、430’:ラックギヤ、第2ラックギヤ
431、431’:支持部、第2支持部
432:一端
440、440’:ピニオンギヤ、第2ピニオンギヤ
450、450’:ギヤリンク、第2ギヤリンク
460、460’:ラックギヤスプリング、第2ラックギヤスプリング
470、470’:係止部、第2係止部
471、471’:ホール、第2ホール
480、480’:ボタン部、第2ボタン部
481、481’:リンク構造、第2リンク構造
500:カーゴスクリーン
510:ホイール
520:締結部
530:パネル
600:ラッチ構造