(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<全体構成>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る箱詰め装置1について詳細に説明する。
【0015】
図1は、箱詰め装置1の上面図であり、
図1(A)の右端部は、同図(B)の左端部に連続する。また、
図2は、箱体YA1の一例を示す外観図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化するとともに、部材の大きさ、形状、厚み等を適宜誇張して表現する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の箱詰め装置1は、箱体YA1の搬送手段3と、搬送手段3に並ぶように配置された糊付け装置5と、箱体YA1を搬送手段3上に供給する箱体供給手段7と、物品XA1を箱体YA1内に供給する物品供給手段9などを有し、箱体YA1を搬送しながら、当該箱体YA1内に物品XA1を収容し、箱体YA1の所定の領域(接着剤付着領域)に接着剤を付着させて箱体YA1の一部を糊付けすることにより、物品XA1を収容した状態で箱体YA1を封止する装置である。
【0017】
これら箱詰め装置1の各部は、不図示の制御手段(制御ユニット)によって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0018】
また、以下の説明においては、搬送手段3における箱体YA1の搬送方向T(
図1では左右方向)を基準に、搬送方向Tに直交する搬送面の幅方向(
図1では上下方向)を搬送幅方向Wとし、搬送面に対して垂直な方向を搬送高さ方向Hとする。
【0019】
同図(A)に示すように、箱体供給手段7は例えば、3次元空間内で任意に移動可能なアーム71を有するロボットであり、折り畳み状態の箱体YA1が積み重ねられたホッパー17等から一枚を取り出して搬送手段3上に供給する。
【0020】
搬送手段3は、一例として、リニアモータ(リニア駆動モータ)によって、複数の可動子33をレール35に沿って摺動させることで、箱体YA1を搬送する手段である。この例ではレール35は、搬送手段3の搬送方向Tに沿って(これと平行に)延在する。つまり、可動子33は、搬送方向Tに沿って移動する。
【0021】
制御ユニットは、可動子33をレール35上でそれぞれ任意に(任意の距離および任意の速度で)独立して移動・停止させる。可動子33にはそれぞれに平板状の保持部37が設けられている。保持部37は例えば、搬送幅方向Wと搬送高さ方向Hにその面が広がるように立設される。また、保持部37は、移動方向に連続する(隣合う)2個の保持部37は対向配置されて一組の保持手段となり、これらの間に箱体YA1が挟持される。
【0022】
箱体YA1は、例えば、連続する4面が立体化した場合に筒状となり、残りの対向する2面に開閉可能なフラップが設けられたサック箱(キャラメル箱)であり(
図2参照)、フラップのある面が搬送幅方向Wの両側に位置するように搬送される。
【0023】
例えば、箱体供給手段7がホッパー17等から展開状態の箱体YA1を取り出し、搬送手段3の一組の保持部37の間に供給する。当該一組の保持部37は、搬送方向Tに移動しつつも互いに近接するように制御され、箱体YA1は搬送方向Tの前後の端部が一組の保持部37に挟み込んで保持される。一組の保持部37は更に互いの距離が近接するように制御され、これによって連続する4面のうちの折り畳まれた部分が押され、搬送幅方向Wの両側に対応する2面が開放された状態で箱体YA1が起函される。このようにして、搬送手段3は折り畳み状態の箱体YA1を起函しながら、下流に搬送する。
【0024】
なお、本実施形態では一例として、折り畳み状態の箱体YA1を起函しながら搬送する場合を説明するが、箱体YA1は、別途起函された(立体的に組み立てられた)状態で、箱体供給手段7によって搬送手段3上に供給されてもよく、この場合の搬送手段3は、ベルトコンベアやフィンガーコンベア等であってもよい。
【0025】
同図(B)に示すように、箱体供給手段7より下流側には物品供給手段9が設けられる。物品供給手段9は例えば押送部材91などを有し、起函された箱体YA1の開放された2面のうちいずれか一方側(搬送幅方向Wの箱体YA1の側方)から、物品XA1を押し込み、箱体YA1内に供給(収容)する。なお、物品XA1の供給は、押送部材91に限らず、吸引手段や把持手段などで物品XA1を保持して箱体YA1内に供給(収容)してもよい。
【0026】
物品供給手段9の下流には、糊付け装置5が配置される。糊付け装置5は、搬送手段3に並ぶように(並列して)、この例では搬送手段3の搬送幅方向Wの左右両側(
図1では上下)に一対で配置される。一対の糊付け装置5の構成は同様である。
【0027】
糊付け装置5は、後に詳述するが、吹き付け手段51と、ガイド手段53と、を少なくとも備え、箱体YA1の所定の領域(具体的にはフラップの接着剤付着領域)に、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)を付着させる。
【0028】
吹き付け手段51は、例えば、噴射ノズルであり、搬送手段3の搬送幅方向Wの中心に向かって接着剤を吹き付けることができるように、左右一対の噴射口が対向するように配置されている。吹き付け手段(噴射ノズル)51は不図示の機枠に固定されて移動せず、移動する箱体YA1に対して所定のタイミングで接着剤を噴射することで、移動途中で箱体YA1のフラップの所定位置に接着剤が付着する。
【0029】
ガイド手段53は、噴射ノズル51が接着剤を箱体YA1に付着する(噴射する)タイミングにおいて、箱体YA1の接着剤付着領域以外の領域を覆う手段である。本実施形態の糊付け装置5は、ガイド手段53によって、箱体YA1の接着剤付着領域以外の領域を覆いながら、噴射ノズル51が接着剤付着領域に接着剤を付着(噴射)するように構成されており、これにより、所望の領域(接着剤付着領域)以外の領域に、接着剤が飛散(付着)することを防止できる。
【0030】
図2を参照して、本実施形態の箱体YA1について説明する。同図(A)は折り畳み状態(起函前)の箱体YA1の上面図であり、同図(B)は搬送手段3によって起函された状態の箱体YA1を示す外観斜視図であり、同図(C)は、フラップFを閉じた状態の正面図である。なお、
図2においては、
図1で搬送される箱体YA1の状態と対応させて各方向を示している。
【0031】
図2に示すように箱体YA1は、連続する4つの面S1〜S4を筒状となるように貼り合わせ、開口(開放)された2面にそれぞれ複数のフラップF(この例では、フラップF1〜F4)を形成したサック箱(キャラメル箱)である。以下の説明では、便宜上、連続する4つの面S1〜S4を周壁面SSといい、フラップFで覆われる面(または覆われる予定の面)をフラップ面FSという。
【0032】
同図(A)を参照して、箱体YA1(サック箱)は、例えば、吸着手段により保持されたS1、S3を離間させてS1と、S3との間に隙間を形成した後、周壁面SSを折り畳んだ状態において山折りされている、対向する側部Tを破線矢印の方向に寄せる(近接させる)ようにすると、同図(B)に示すように周壁面SSが立体化する。そして開放されているフラップ面FSのいずれか一方から物品XA1を箱体YA1内に収容し、フラップF(F1〜F4)を折り曲げてフラップ面FSを閉止する。例えば、フラップF1とF3は、搬送方向Tの上流側と下流側とに対向するように設けられ、フラップF2とF4は、搬送高さ方向Hの上方側と下方側とに対向するように設けられる。
【0033】
ここでは一例として、フラップFはいずれも差し込まれることはなく、折り畳んで一部を接着することによって、フラップ面FSが閉止(封函)される構成である。
【0034】
より具体的には、箱体YA1の搬送途中で周壁面SSが起函された後、まず、搬送方向Tの上流側と下流側に設けられたフラップF1とF3が折り畳まれる。折り畳んだ状態で箱体YA1の外方に露出する一部分(破線丸印で示す)は、接着剤付着領域SPが設けられている(接着剤付着領域SPとして予定されている)。
【0035】
そして、当該接着剤付着領域SPに噴射ノズル51から接着剤が吹き付けられた後、搬送高さ方向Hの上方側と下方側に設けられたフラップF2、F4が折り畳まれる。これにより、フラップF1,F3とフラップF2,F4が糊付けされる。接着剤が吹き付けられた(塗布された)後、フラップF2、F4は、例えば、丸棒や、平板状の固定ガイドにより折り曲げられ、プッシャー装置等の押圧手段により、固着される。これにより、フラップ面FSが閉止される。
【0036】
なお、この例ではフラップF(F1〜F4)はいずれも差し込まれず、接着剤のみで閉止される例を示したが、接着剤による閉止に加えて少なくともいずれかのフラップFが差し込まれる構成であってもよい。
<糊付け装置>
図3から
図7を参照して、本実施形態の糊付け装置5について更に説明する。
【0037】
図3は、糊付け装置5の上面図であり、
図4は、例えば上流側から見た糊付け装置5の側面図であり、
図5は、主にガイド手段53について説明する正面図である。
【0038】
既に述べたように、吹き付け手段(噴射ノズル)51は、所定位置に固定されており、上流から下流に搬送される箱体YA1に対して接着剤を噴射する。なお、噴射ノズル51は一例として、
図3に示すように搬送手段3を挟んで搬送幅方向Wの両側にノズル先端を対向させるように配置され、また、
図4(A)に示すように搬送高さ方向Hに複数(この例では2個)並べて配置される。
【0039】
箱体YA1は例えば、フラップF3が下流側、フラップF1が上流側に位置するように搬送される(
図5参照)。そして
図3(A)に示すように下流側のフラップF3が噴射ノズル51の先端に対向する位置に移動すると、当該下流側のフラップF3の接着剤付着領域SPに向かって噴射ノズル51は、接着剤を噴射する。これにより、フラップF3は搬送高さ方向Hの上下2箇所の接着剤付着領域SPに接着剤が付着される(
図5参照)。
【0040】
ガイド手段53は、噴射ノズル51と搬送手段3の間に位置するように、搬送手段3を挟んで搬送幅方向Wの両側に設けられる。2つのガイド手段53の構成は同様である。ガイド手段53は、ガイド部材531とガイド部材531の駆動機構533とを有し、箱体YA1の移動に同期してガイド部材531を上流側から下流側に移動させ、少なくとも噴射ノズル51が接着剤を箱体YA1に付着する(噴射する)タイミングにおいて、箱体YA1の接着剤付着領域以外の領域を覆うように構成されている。
【0041】
図3および
図4に示すように、駆動機構533は、一例として、不図示のリニアモータ(リニア駆動モータ)によって、複数の可動子537をレール539に沿って摺動させることで、可動子537に取付けられたガイド部材531を移動させる。レール539は、搬送手段3の搬送方向Tに沿って(これと平行に)延在する。つまり、可動子537は、搬送方向Tに沿って移動する。
【0042】
制御ユニットは、可動子537をレール539上でそれぞれ任意に(任意の距離および任意の速度で)独立して移動・停止させる。レール539は、例えば、搬送手段3のレール35と平行な直線状に設けられ、可動子537は、箱体YA1の搬送方向Tに沿って直線上を往復移動するように構成される。
【0043】
図3および
図5に示すように、一つのガイド手段53には、一つのレール539上の上流側と下流側に対となる2個の可動子537が設けられ、可動子537にはそれぞれに平板状のガイド部材531が設けられている。ガイド部材531は搬送方向Tと搬送高さ方向Hにその面が広がるように立設される。制御ユニットは、一対(一組)のガイド部材531の一部を重畳させながら、上流から下流に向かってこれらを移動させるように制御する。
【0044】
図4、
図5(A)に示すように、糊付け装置5付近において箱体YA1は、左右(搬送方向Tの前後)のフラップF1、F3が折り曲げられているが、上下のフラップF2,F4は開放されており、箱体YA1に収容された物品XA1がフラップ面FSの一部から露出した状態で、搬送手段3上を搬送される。
【0045】
噴射ノズル51からの接着剤の噴出タイミングは搬送手段3による箱体YA1の搬送速度に基づいて正確に制御されており、
図3に実線の矢印で示すように、フラップF1,F3の接着剤付着領域SPに対して正確に接着剤を噴出することが可能である。
【0046】
具体的には、
図3(A)に示すように下流側のフラップF3が噴射ノズル51の先端に対向する位置に移動すると、当該下流側のフラップF3の接着剤付着領域SPに向かって噴射ノズル51は、接着剤を噴射する。これにより、フラップF3は搬送高さ方向Hの上下2箇所の接着剤付着領域SPに接着剤が付着される(
図5(B)参照)。
【0047】
なお、搬送手段3は、噴射ノズル51から接着剤が噴射される際には箱体YA1を一旦停止するように、箱体YA1を間欠的に搬送する構成であってもよいし、噴射ノズル51から接着剤が噴射される際には箱体YA1の搬送速度を低速にする構成であってもよい。
【0048】
搬送手段3が箱体YA1を移動させ、
図3(B)に示すように上流側のフラップF1が噴射ノズル51の先端に対向する位置に移動すると、当該上流側のフラップF1の接着剤付着領域SPに向かって噴射ノズル51は、接着剤を噴射する。これにより、フラップF1は搬送高さ方向Hの上下2箇所の接着剤付着領域SPに接着剤が付着される(
図5(B)参照)。
【0049】
このとき、噴射ノズル51は細い噴出孔から接着剤を噴出するため、例えば、噴出孔の目詰まりなどを起こす場合がある。そしてこの状態で接着剤を噴出すると、
図3の破線矢印で示すように、意図しない領域に接着剤が付着(飛散)する可能性がある。また箱体YA1は、
図4、
図5(A)に示すように、接着剤の塗布(付着)のタイミングで、接着剤付着領域SPを含む面(フラップ面FS)の一部が開放されており、内部に収容した物品XA1が露出している。
【0050】
つまり、噴射ノズル51の接着剤の噴出のタイミングは正確に制御されていたとしても、接着剤が飛散する場合があり、また、飛散した接着剤が箱体YA1から露出する物品XA1や、箱体YA1の内部など、意図しない領域に付着すると、物品XA1をリパックできなくなったり、製品の仕上がりが不良となる問題がある。
【0051】
そこで、本実施形態の糊付け装置5は、少なくとも噴射ノズル51が接着剤付着領域SPに接着剤を付着(噴射)するタイミングにおいて、ガイド手段53によって、箱体YA1の接着剤付着領域以外の領域を覆いながら、接着剤付着領域SPに接着剤を付着(噴射)するように構成した。
【0052】
具体的には、ガイド手段53は、
図5に示すように、箱体YA1の搬送に伴って上流側から下流側に移動し、噴射ノズル51が接着剤付着領域SPに接着剤を付着(噴射)するタイミングで、一対のガイド部材531によって少なくともフラップ面FSの、フラップF1とフラップF3の間の内部が露出している領域(以下、「露出領域EP」という。)を覆うように移動が制御される(
図3、
図5(B))。
【0053】
そして、一対のガイド部材531によって少なくとも露出領域EPが覆われたタイミングで(覆われた後に)、噴射ノズル51が接着剤付着領域SPに接着剤を付着(噴射)する。
【0054】
より詳細には、
図3(A)に示すように下流側のフラップF3が噴射ノズル51の先端に対向する位置に移動したタイミングまでに、ガイド手段53は、露出領域EPを覆うように一対のガイド部材531を移動させている。そして、一対のガイド部材531によって、露出領域EPを覆った状態で、噴射ノズル51が下流側のフラップF3の接着剤付着領域SPに向かって接着剤を噴射する(
図5(B))。
【0055】
また、搬送手段3が箱体YA1を移動させると、ガイド手段53はこれに同期して、露出領域EPを覆うように一対のガイド部材531を移動させる。そして、
図3(B)に示すように一対のガイド部材531によって、露出領域EPを覆った状態で、上流側のフラップF1が噴射ノズル51の先端に対向する位置に移動したタイミングで、噴射ノズル51が上流側のフラップF1の接着剤付着領域SPに向かって接着剤を噴射する(
図5(B))。
【0056】
これにより、噴射ノズル51の目詰まり等で、所望の領域(接着剤付着領域SP)以外の領域に、接着剤が飛散するような状態となった場合であっても、意図しない領域(露出領域EPあるいは箱体YA1の内部)に接着剤が付着することを防止できる。
【0057】
なお、ガイド手段53は、一対のガイド部材531を個別に移動制御が可能であり、すなわち、一対のガイド部材531の重畳する量(重畳量)が調整可能に構成されている。従って、箱体YA1の変更などで露出領域EPの面積が変化した場合であっても、露出領域EPに合わせてガイド部材531の重畳量を変更することで、確実に露出領域EPを覆うことができる。
【0058】
なお、
図4(A)の破線矢印で示すように、搬送幅方向Wにおける、ガイド手段53のレール539も、それぞれ搬送幅方向Wに移動可能に構成されている。これにより、箱体YA1の外形状に応じて、2本のレール539間の距離(搬送幅方向Wの長さ)を調整することができる。
【0059】
接着剤が付着された後、ガイド手段53を、ガイド手段53と箱体YA1とが同期して搬送方向に移動する速度よりも速い速度で上流側に移動させる。その後、
図4(B)に示すように上下のフラップF2,F4が折り曲げられ、フラップF1,F3に接着されて、フラップ面FSが閉止(封函)される。
【0060】
図6を参照して、上下のフラップF2,F4の折り曲げについて説明する。
図6は、上下のフラップF2,F4を折り曲げるガイドについて説明する図であり、同図(A),同図(E)が正面図であり、同図(B)〜同図(D),同図(F)〜同図(H)が例えば上流側から見た側面図である。
【0061】
上下のフラップF2,3の折り曲げは、例えば、上フラップ折下げガイド151と下フラップ折下げガイド153により行う。
【0062】
同図(A)を参照して、上フラップ折下げガイド151は、搬送幅方向Wの両側に対向配置された略平板状の部材であり、搬送方向Tの上流側の辺が、傾斜辺151Sとなっている。傾斜辺151Sは、上端より下端が下流側に位置し、上フラップ折下げガイド151の搬送高さ方向Hの長さ(高さ)が上流から下流側に向かうにつれて長くなるように傾斜した辺である。
【0063】
また、対向配置される上フラップ折下げガイド151の離間距離は、箱体YA1の搬送幅方向Wの長さ(幅)よりも若干広く設定されている。
【0064】
これにより、上フラップ折下げガイド151の上流側に箱体YA1が搬送されると上側のフラップF2が上フラップ折下げガイド151に当接し、そのままフラップF2が押し込まれて下に折下げげられる。そして傾斜辺151Sに沿ってフラップF2が押し下げられ、自動的に折り曲げられていく(同図(B)〜同図(D))。
【0065】
また、更に下流には下フラップ折上げガイド153が設けられている。下フラップ折上げガイド153は、搬送幅方向Wの両側に対向配置された略平板状の部材であり、搬送方向Tの上流側の辺が、傾斜辺153Sとなっている。傾斜辺153Sは、上端より下端が上流側に位置し、下フラップ折上げガイド153の搬送高さ方向Hの長さ(高さ)が上流から下流側に向かうにつれて短くなるように傾斜した辺である。
【0066】
また、対向配置される下フラップ折上げガイド153の離間距離は、箱体YA1の搬送幅方向Wの長さ(幅)よりも若干広く設定されている。
【0067】
これにより、下フラップ折上げガイド153の上流側に箱体YA1が搬送されると下側のフラップF4が下フラップ折上げガイド153に当接し、そのままフラップF4がすくい上げられ、自動的に折り曲げられていく(同図(F)〜同図(H))。
【0068】
なお、上フラップ折下げガイド151と下フラップ折上げガイド153の配置は、逆(下フラップ折上げガイド153が上流)であってもよい。
【0069】
上フラップ折下げガイド151と下フラップ折上げガイド153は例えば、機枠(不図示)などに固定されている。
【0070】
図7は、ガイド手段53の他の例を示す上面図である。同図に示すように、ガイド手段53は、周回移動するように構成され、一部の区間において、箱体YA1の搬送に同期して箱体YA1の搬送方向Tに沿って直線的に移動するように構成してもよい。
【0071】
ガイド手段53のレール539は、一部の区間において搬送手段3のレール35と平行な直線部分STを有する環状(この例では、オーバル(トラック)形状)に設けられ、可動子537は、レール539を一方向(破線矢印矢印で示す)に水平面内を周回移動する。
【0072】
また、露出領域EPを覆う一組のガイド部材531は、一つのレール539上に複数組設けられる。一組のガイド部材531は、旋回を行う際、互いの一部を重畳させずに離間して移動し、直線部分において、互いの一部の所定量が重畳し、箱体YA1と同期して下流に移動する。
【0073】
図1、
図3に示すようにガイド手段53のレールを直線状に構成し、可動子(ガイド部材)を直線的に往復移動させる構成では、ガイド部材が下流側から上流側に戻る時間と制御が無駄になるが、
図5に示すように周回移動させることで、複数組のガイド部材を移動させることができ、サイクルタイムを向上させることができるので好適である。
【0074】
なお、この場合のレール539は、ガイド手段53が一方向に周回移動可能な構成であればよく、円弧形状を含む環状(この例では、オーバル(トラック)形状)に限らず、略多角形状の環状(無端形状)などであってもよい。
<変形例>
図8は、ガイド手段53の他の例を示す図であり、同図(A)が例えば上流側から見た側面図であり、同図(B)が正面図である。
【0075】
上述の実施形態では、ガイド手段53のレール539は、箱体YA1の搬送高さ方向Hの略中央付近に位置する構成を例示した(
図5参照)。箱体YA1のフラップ面FSは、上下のフラップF2,F4を含む4つのフラップF1〜F4を有しており、接着剤の吹き付け工程において、開放状態となっている上下のフラップF2,F4と、ガイド部材531とが干渉する可能性がある。そこで、レール539の位置を箱体YA1の搬送高さ方向Hの略中央付近に設け、上下のフラップF2,F4と、ガイド部材531との干渉を回避している。
【0076】
しかしながら、開放状態の上下のフラップF2,F4と、ガイド部材531との干渉が回避できる構成であれば、上記の例に限らない。
【0077】
同図の例では、フラップ面FSは、左右のフラップF1,F3と上または下に1枚のフラップ(例えば、フラップF2)のみを有している。この場合、ガイド部材531は、フラップF2との干渉を回避できればよく、レール539を箱体YA1の底面付近に近い、搬送高さ方向Hの下方に配置し、可動子537にガイド部材531を立設するようにしてもよい。また、レール539を、フラップF2に近い搬送高さ方向Hの上方に配置し、可動子537からガイド部材531を吊り下げるように構成してもよい。
【0078】
図9は、ガイド手段53の更に他の例について説明する。同図(A)は、ガイド手段53の他の例を示す上面図であり、同図(B)は側面図である。
【0079】
ガイド手段53は、接着剤を付着させるタイミングにおいて箱体YAの接着剤付着領域以外の領域を覆う構成であれば、上記の例に限らず、例えば移動しない(固定されている)構成であってもよい。
【0080】
すなわち、上記の実施形態のガイド手段53は、ガイド部材531が箱体YA1に同期して移動するように、すなわち、固定されている(移動しない)噴射ノズル51に対して相対的に移動するように構成されていた。
【0081】
一方、同図に示すガイド手段53は、ガイド部材531が噴射ノズル51に対して相対的に移動しないように例えば、噴射ノズル51が固定される機枠などに同様に固定されている。ガイド部材531は、搬送方向Tと搬送高さ方向Hにその面が広がるように立設された平板状部材であり、箱体YA1の下流側(搬送方向Tの前方側)の接着剤付着領域SPが噴射ノズル51の対向する位置にある場合に、箱体YA1の露出領域EPが遮蔽されるように配置される。
【0082】
搬送手段3は、噴射ノズル51から接着剤が噴射される際には箱体YA1を一旦停止するかあるいは箱体YA1の搬送速度を低速にし、噴射ノズル51は、ガイド部材531から露出した接着剤付着領域SPに対して接着剤を噴射する。この例において、ガイド部材531は、搬送方向Tの長さを調整可能に構成してもよい。
【0083】
このようなガイド手段53によれば、噴射ノズル51の目詰まり等によって、接着剤が意図しない領域に付着(飛散)した場合であっても、意図しない領域(少なくとも箱体YA1の露出領域EP)に、接着剤が付着(飛散)することを防止できる。
【0084】
なお、同図に示す固定されたガイド部材531の場合、糊付け装置5の糊(接着剤)の切れ(停止)が悪い場合に、箱体YA1に付着した接着剤が露出領域EPを介して物品XA1に付着してしまう可能性もある。このため、
図1から
図8に示したように、ガイド部材531は、箱体YA1と同期して搬送方向Tに移動させる構成がより望ましい。
【0085】
また、
図10に示すように箱体YA1は、いわゆるワンタッチ箱であってもよい。同図(A)は折り畳み状態の平面図、同図(B)は起函した状態の外観斜視図、同図(C)は、起函されて搬送されている状態の正面図である。
【0086】
FSワンタッチ箱とは、ワンタッチ底、ワンタッチ底箱やワンタッチカートンなどとも呼ばれ、連続する4つの面を筒状となるように貼り合わせ、4枚の組み合わせにした底面の2か所を貼り合わせ、折り畳み状態から周壁面SSを立体化することによって底部Bが組み合わせられるように構成された箱体である。ここでは一例として、組み立てた状態で上方の開口部を覆う蓋部F0が、後方側の周壁面SSの上端に連続して設けられているワンタッチ箱を用いて説明する。
【0087】
この場合、同図(A)に示す折り畳んだ状態において山折りされている、対向する側部Tを矢印の方向に寄せる(近接させる)ようにすると、周壁面SSが立体化し、これに伴って自動的に底部Bが組み合わされる。一例としては、対向する側部Tを矢印の方向に付勢するか、折り畳んだ状態では上下に重なっている2つの周壁面SSを引き離すようにすると、周壁面SSが立体化する。この場合、フラップ面FSは、蓋部F0,フラップF1,F2が設けられる面である。
【0088】
箱詰め装置1は、
図1と同様の箱体供給手段7、物品供給手段9、糊付け装置5を備える。すなわち、箱体供給手段7がホッパー等から折り畳み状態の箱体YA1を取り出し、搬送手段3の一組の保持部37の間に供給する。当該一組の保持部37は、搬送方向Tに移動しつつも互いに近接するように制御され、箱体YA1は搬送方向Tの前後の端部Tが一組の保持部37に挟み込んで保持される。一組の保持部37は更に互いの距離が近接するように制御され、これによって周壁面SSが起函されて立体化し、これに伴って自動的に底部Bが組み合わされる。開放状態のフラップ面FSは、搬送幅方向Wの一方側に位置するように、搬送される。
【0089】
物品供給手段9は、例えば押送部材91などを有し、起函された箱体YA1の開放状態のフラップ面FS(搬送幅方向Wの箱体YA1の側方)から、物品XA1を押し込み、箱体YA1内に供給(収容)する。
【0090】
なお、複数の押送部材91を設け、箱体YA1を移動しながら、物品XA1を押し込み、箱体YA1内に収容するようにしてもよい。
【0091】
その後、例えば、
図3または
図7に示す糊付け装置5において、フラップF1、F2間の露出領域EPが覆われた状態で、噴射ノズル51から接着剤が接着剤付着領域SPに向けて噴射される。そして、ガイド部材531が下流に移動した後、蓋部F0が折り曲げられて、フラップF1,F2に接着される。噴射ノズル51は、箱体YA1の蓋部FOが位置する側にのみ設ける。又は、搬送方向Wの両側に設けられた噴射ノズル51の蓋部FOとは反対側の噴射ノズル51から糊の塗布を行わないようにする。すなわち、噴射ノズル51は、塗布の要と、不要とが切替えが可能に構成されている。
【0092】
<他の実施形態>
図11は、箱詰め装置1の他の例を示す正面図であり、フラップFを接着する場合のずれを防止する、接着ずれ矯正装置11を備えた箱詰め装置1の一例である。
【0093】
接着ずれ矯正装置11は、例えば、上記の実施形態における糊付け装置5の下流側で、上下のフラップF(フラップF2,F4)の接着工程の上流側に設けられる。
【0094】
箱体YA1は、搬送手段3の保持部37によって周壁面SSが起函されるが、
図11に示すように、その起函が十分ではなく、搬送中の上面が下面よりもわずかに上流側にずれるように倒れた(歪んだ)平行四辺形となる場合がある。そしてこのままの状態で、上下のフラップF2,F4を折り曲げて貼り付けると、接着ずれ(貼り合わせずれ)を招く恐れがある。そこで、接着ずれ矯正装置11によって、この接着ずれを矯正する。
【0095】
同図(A)に示すように、接着ずれ矯正装置11は、例えばアタッチコンベアであり、タイミングベルト111と押さえ手段115と、プーリー113と、サーボモータ(不図示)などを有する。接着ずれ矯正装置11は、搬送手段3の上方にこれと平行に配置され、押さえ手段115搬送方向Tに移動する。
【0096】
押さえ手段115は、タイミングベルト111に所定間隔で取り付けられており、タイミングベルト111の下側では鉛直下向きに延伸している。
【0097】
タイミングベルト111は、それぞれプーリー113に捲回させ、プーリー113は、サーボモータ(不図示)により駆動される。サーボモータにより、押さえ手段115は、箱体YA1の後ろ側の上方から当接し、搬送手段と同速で搬送方向に移動して箱体YA1のわずかなずれを矯正する。
【0098】
具体的には、押さえ手段115は、箱体YA1の上流側上端部と当接可能に構成されている。そして、押さえ手段115は、例えば接着ずれ矯正装置11の上流側のプーリー113付近では、箱体YA1よりも遅れて移動し、次第に速度を上げて先行する箱体YA1の上流側上端部に、後方(上流側)から当接する。その後、押さえ手段115は、搬送手段3の搬送速度よりも僅かに高速に移動し、箱体YA1の上流側上端部を前方(下流側)に押出す。これにより、箱体YA1に僅かな歪みが生じていた場合であっても、これを矯正し、接着ずれが生じないようにその形状をただすことができる。
【0099】
押さえ手段115の形状は、例えば、保持部と同様の平板状であるが、これに限定されず、角棒であっても、円柱棒であってもよいし、正面視において逆L字状のプレートであってもよい。
【0100】
なお、箱体YA1の平行四辺形状の歪みは、例えばカメラによって箱体YA1の外形状や、接着剤の付着位置の画像を取得することで、検出することができる。そして箱体YA1が歪んでいると検出され、接着のずれ(位置ずれ)が生じそうな場合には、サーボモータにフィードバックさせ、必要に応じて、サーボモータによってタイミングベルト111を前後させたり、押さえ手段115の位置を変更するなどして歪みの矯正が確実に行えるように制御する。
【0101】
同図(B)に示すように、接着ずれ矯正装置11は、アタッチコンベアに限らず、可動子が垂直面内を周回移動する環状のリニアモータによって押さえ手段115を取り付けた複数の可動子を個別に任意の速度で移動・停止させるように構成してもよい。
【0102】
それぞれの押さえ手段115を任意の速度で移動・停止させることができるので、例えば接着ずれ矯正装置11の上流側のプーリー113付近では、箱体YA1よりも遅れて移動し、次第に速度を上げて先行する箱体YA1の上流側上端部に、後方(上流側)から当接した後は、搬送手段3(保持部)の搬送速度と等速で移動させることができる。つまり、箱体YA1の上流側上端部を前方(下流側)に押出しながら、長時間、保持部と押さえ手段115とで、適正な形状を維持して搬送することができるので、歪みの適正かつ確実な矯正を行うことができる。また、個々の箱体YA1の歪みの程度が異なる場合であっても個別且つ柔軟に、矯正の程度を調整することができる。
【0103】
接着ずれ矯正装置11の下流側には、上フラップ折下げガイド117が設けられている。また、図示は省略するが、下フラップ折上げガイドも設けられている。上フラップ折下げガイド117および下フラップ折上げガイドの構成は、上述した上フラップ折下げガイド151および下フラップ折上げガイド153と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0104】
なお、接着ずれ矯正装置11による形状の矯正は、この例では糊付け装置5によって得接着剤を吹き付けた後に行うようにしているが、接着ずれ矯正装置11を糊付け装置5よりも上流側に設けて、接着剤の吹き付けの前から吹き付け間での間に形状の矯正をしてもよい。この場合、接着ずれ矯正装置11にフラップ折りガイド117は不要である。
【0105】
図12は、フラップF4の折り曲げの他の例を示す図であり、
図8(A)と同様に上流側から見た側面図である。
【0106】
同図に示すように、フラップF4は、接着剤の吹き付け(塗布)前には、封函時とは反対側の方向に90度折り曲げた状態で搬送される構成であってもよい。これにより、箱体YA1の開口部のより近くをガイド部材531によって覆うことができる。
【0107】
図13は、箱体供給装置7の他の例を示す図である。同図(A)に示すように、箱体供給装置7は、搬送手段3の上方に配置されたロータリー式の供給装置であってもよい。この例の箱体供給装置7は、ターンテーブル701に設けられた不図示の軸受で回転自在に支持される複数の保持手段(例えば、吸着部)703を有する。ターンテーブル701の外周近傍には、折り畳まれた箱体YA1を積層状態でストックするストッカー705が配置され、ストッカー705内の箱体YA1が吸着部703によって吸着されるように構成されている。ターンテーブル701の下方には、折り畳み状態の箱体YA1を吸着可能な補助吸着部707を回動端に備えた回動アーム709が設けられている。回動アーム709は下端軸支部711を支点として上下に回動し得るようになっており、これら回動アーム703と吸着部701によって、破線で示すように箱体YA1が起函され、搬送手段3(例えば、ベルトコンベアなど)によって搬送される。
【0108】
また、同図(B)に示すように箱体供給装置7は、箱体YA1の取り出しアーム723が揺動回転する供給装置であってもよい。
【0109】
箱体供給装置7は、支軸721を中心に反復揺動回転動作する取出アーム723を備え、該取出アーム723の先端側には、複数の保持手段(例えば、吸着部)725が設けられている。折り畳み状態の箱体YA1は、ストッカー(マガジン)M内に集積され、吸着部725によって保持され、取出アーム723の支軸721を中心とする揺動回転により取り出される。
【0110】
取出アーム723は、揺動回転の途中で支軸721より遠い位置にある箱体YA1の一部を、取出アーム723の揺動回転半径の内側に配置したガイド727(ローラ727A、揺動回転円に沿う形状に湾曲又は屈曲するガイド板727B)に接近させる。箱体YA1の一部がガイド727に接近するタイミングで、一方の吸着部725が吸引動作を停止すると、取出アーム723の揺動回転と他方の吸着部725の吸引動作により、箱体YA1はガイド727に当接し、起函される。
【0111】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0112】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
【0113】
例えば、箱体供給手段7は、他のロボット等で別途起函された箱体YA1を搬送手段3に供給するものであってもよい。また、この場合、搬送手段3は、(起函する必要がないため)可動子を有さないベルトコンベア等であってもよい。