(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記認証手段は、前記出入口ドア付近の屋外側に設けられ、人の顔を撮影する撮影手段と、その撮影手段により撮影された人の顔画像に基づいて、その人が予め登録された登録者であるか否かの認証を行う顔認証手段と、で構成され、
前記出入口ドアに設けられる施錠装置と、
前記顔認証手段による認証結果に基づいて、前記施錠装置の施解錠を制御する施解錠制御手段と、
を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の伝言メッセージ再生システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の伝言メッセージ再生システム20の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における建物(住宅)10の一階部分の間取りレイアウトを簡略に示す図である。
【0021】
図1に示すように、建物10には、屋内スペースとして、玄関部11、廊下12、居室13等が設けられ、屋外スペースとして、エントランススペース14が設けられている。玄関部11には、出入口としての玄関口21が設けられている。この玄関口21を通じて建物10への出入りが可能となっている。また、玄関口21には、玄関ドア22が設けられている。玄関ドア22は、例えば回動式の開き戸からなる。この玄関ドア22により玄関口21が開閉されるようになっている。なお、玄関ドア22は、引き戸であってもよい。
【0022】
玄関口21より屋外側(例えば、玄関口21に対応する軒先の天井面)には人感センサ51が設けられている。人感センサ51は、玄関口21から建物10外に出た位置に設けられ、玄関口21(玄関ドア22)付近の屋外側における人の存在を検出するように構成されている。
図1に示すように、玄関ドア22の閉鎖時においては、人感センサ51は建物10の外側のみを検出エリアDA1とするように配置位置及び検出範囲が設定されている。
【0023】
玄関口21より屋内側(例えば、玄関部11の天井面)には人感センサ52が設けられている。人感センサ52は、玄関口21から建物10内に入った位置に設けられ、玄関口21(玄関ドア22)付近の屋内側における人の存在及びその人数を検出するように構成されている。
図1に示すように、玄関ドア22の閉鎖時においては、人感センサ52は建物10の内側のみを検出エリアDA2とするように配置位置及び検出範囲が設定されている。
【0024】
このため、居住者が帰宅した際には、人感センサ51の検出エリアDA1へ進入し、その後、玄関ドア22を開けて玄関部11へと入り、人感センサ52の検出エリアDA2へと進入することになる。人感センサ51及び人感センサ52は、認証された居住者が玄関ドア22を開けて玄関部11へ進入し、その後玄関ドア22が閉じた後において、玄関ドア22(玄関口21)付近に認証された居住者以外の人がいるか否かを検知するための検知手段として設けられている。よって、この場合に認証された居住者以外の人が玄関ドア22付近に存在していない場合、屋外側に設けられた人感センサ51は人の存在が検知されず、屋内側に設けられた人感センサ52は認証された居住者1人が検知される。
【0025】
人感センサ51としては、人の存在が検知できるセンサであればよく、例えば、人体からの赤外線を検知する焦電型赤外線センサ、又は超音波を出力し、人体によって反射された放射される超音波を受信して人体を検知する超音波センサ等が用いられる。人感センサ52としては、人の存在及びその人数が検知できるセンサであればよく、例えば、人体から放射される赤外線をサーモパイル部(熱電対列)で熱に変えて温度差により人の存在及びその人数を検知するサーモパイル型赤外線センサ等が用いられる。なお、人感センサ51にサーモパイル型赤外線センサを用いてもよい。
【0026】
玄関部11(例えば、玄関部11の側面側の壁)には、伝言メッセージ再生のための再生端末61が設けられている。
【0027】
図2は、伝言メッセージ再生システム20の第1実施形態における伝言メッセージの再生制御に関する構成を示す概略図である。
【0028】
玄関ドア22には、電気シリンダ錠よりなる施錠装置23が設けられている。施錠装置23には、玄関ドア22の前面(屋外側の面)に露出してシリンダ部24が設けられ、玄関ドア22の後面(屋内側の面)に露出してサムターン部25が設けられている。
【0029】
本実施形態では、施錠装置23は居住者Uが携帯する電子キー41により施解錠される。施錠装置23は、電子キー41の鍵部42をシリンダ部24に差し込んで回動操作するか、サムターン部25のつまみを回動操作することにより、手動による施解錠が可能である。これに加え、電子キー認証により施解錠することが可能となっている。電子キー認証のための構成として、通信装置31とコントローラ32とが設けられている。
【0030】
玄関ドア22付近の屋外側(玄関ドア22の屋外側の面でも可)には、上述の電子キー認証のための構成として、通信装置31が設けられている。通信装置31はコントローラ32と電気的に接続されている。通信装置31は、コントローラ32によりその出力電波が制御され、無線通信用の通信エリアが所定の範囲に制御される。
図2に示されるように、本実施形態の通信装置31の通信エリアとしては通信エリアCAが設定され、これは通信装置31を中心とする球形のエリアとなっている。
【0031】
コントローラ32は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを備えるものである。コントローラ32は、少なくとも、施解錠の制御や、伝言メッセージの再生を制御する制御部33と、電子キー認証のためのID情報や伝言メッセージに関する事項や各種センサ類からの検知結果等を記憶する記憶部34と、時間を計測する場合に用いられるタイマ35とを有している。記憶部34には、伝言メッセージに関する事項を記憶するための構成として、メッセージの再生及び制限の設定を記憶する再生条件記憶エリア36と、各種のメッセージデータからなる伝言メッセージテーブルTを格納するメッセージ記憶エリア37と、が備えられている。また、コントローラ32には、文字データからなる伝言メッセージを音声読み上げするための音声読み上げ部38が備えられている。音声読み上げ部38は、制御部33からの指示に基づいて、伝言メッセージテーブルTに記憶された文字データからなる伝言メッセージを音声に変換する。音声化された伝言メッセージは後述する再生端末61のスピーカ63から再生される。
【0032】
電子キー41は、電子キー41毎に固有のID情報を記憶するメモリ(図示略)を備えており、コントローラ32からの要求に応じてID情報を送信する。ここで、通信装置31は、リクエスト信号を所定の時間周期で送信するのに対し、電子キー41は、通信装置31の通信エリアCAに進入してリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に応答してID情報を通信装置31に送信する。そして、ID情報が通信装置31により受信されると、当該ID情報が通信装置31からコントローラ32に入力される。コントローラ32は、通信装置31を介して電子キー41からのID情報が入力されると、当該ID情報と予め記憶部34に登録されたID情報との一致判定を行い、正規のキーであるか否かの認証を行う。
【0033】
電子キー41には、遠隔操作により施錠装置23を施解錠するための操作部44が設けられている。操作部44には、施錠用の施錠スイッチ45と、解錠用の解錠スイッチ46とが設けられている。電子キー41は、上記各スイッチ45,46が押下操作されることに基づいて施錠又は解錠用の操作信号を送信する。
【0034】
そして、上記ID情報によって電子キー41が正規認証されている状況において、電子キー41からの操作信号が通信装置31に受信されると、コントローラ32は、操作信号に基づいて施錠装置23を施解錠する。具体的には、通信装置31からの受信情報に基づいて施錠装置23を解錠又は施錠するかを判定し、解錠する場合には施錠装置23に対して解錠信号を出力し、施錠する場合には施錠装置23に対して施錠信号を出力する。電子キー41が正規のものに該当しない場合には、施錠装置23の施解錠は行われない。
【0035】
玄関ドア22の屋内側の面には、玄関ドア22の開閉を検知するための開閉検知センサ27が設けられている。開閉検知センサ27はコントローラ32へ接続され、コントローラ32には開閉検知センサ27から逐次検知結果が入力される。開閉検知センサ27からの検知結果に基づいて、玄関ドア22の開閉状態を判定し、玄関ドア22が開いてその後閉状態とされたと判定した場合に、帰宅した居住者が玄関部11へ進入したと判断される。なお、玄関ドア22が閉状態とされたと判定した場合に施錠装置23により玄関ドア22が自動で施錠(オートロック)されるようにしてもよい。
【0036】
伝言メッセージ再生のために玄関部11に設けられた再生端末61は、少なくとも、伝言メッセージの録音のためのマイク62と、ガイドメッセージや伝言メッセージの音声再生のためのスピーカ63と、伝言メッセージの登録や再生の際に操作するための操作部64と、ガイドメッセージや伝言メッセージの表示や操作部64により選択・入力される事項の表示等のための表示部65と、を備えている。操作部64には、伝言メッセージの音声再生を停止するための停止ボタン(図示せず)が設けられている。
【0037】
再生端末61はコントローラ32へ接続され、コントローラ32の制御部33からの指示に基づいて伝言メッセージの再生を実施する。また、コントローラ32には、再生端末61に設けられた操作部64の操作内容が逐次入力される。
【0038】
上述したように玄関ドア22の屋外側には人感センサ51が設けられ、玄関ドア22の屋内側には人感センサ52が設けられている。人感センサ51,52はコントローラ32へ接続され、コントローラ32には人感センサ51,52から逐次検知結果が入力される。コントローラ32は、人感センサ51からの検知結果に基づいて、人感センサ51の検出エリアDA1内における人の存在の有無を判定し、人感センサ52からの検知結果に基づいて、人感センサ52の検出エリアDA2内における人の存在の有無及びその人数を判定する。
【0039】
伝言メッセージ再生システム20は、予め記憶部34に登録された電子キー41の固有のID情報を利用する。すなわち、電子キー41の固有のID情報を、携帯する居住者に対応させてそれぞれコントローラ32に登録する。これにより、外出先から帰宅した際、玄関ドア22の解錠のために通信装置31を通じて実施される電子キー41の認証により、帰宅した居住者の特定が同時に実施される。
【0040】
伝言メッセージは、文字データ又は音声データのいずれかである。伝言メッセージは、再生端末61の操作部64の操作により、後述の伝言メッセージテーブルT(
図4(b)に図示)に登録される。例えば、再生端末61の操作部64の操作により伝言メッセージ登録モードを開始させるための操作を受け付けた後、送信者及び受信者について、記憶部34に予め登録されているIDコードのいずれかを選択させる。操作部64の操作によりIDコードのいずれかが選択された後、伝言メッセージの種類として音声又は文字のいずれかのメッセージを選択させる。なお、以下では、音声データからなる伝言メッセージを単に「音声メッセージ」、文字データからなる伝言メッセージを単に「文字メッセージ」と称する場合がある。
【0041】
操作部64の操作により伝言メッセージの種類が選択され、音声メッセージであった場合には、例えば、「ピーとなった後に伝言メッセージを残してください」といったガイドメッセージを、スピーカ63から鳴動させる。そして、マイク62を通じた伝言メッセージの吹き込みに対して待機し、その後、伝言メッセージがマイク62に吹き込まれたときには、吹き込まれた伝言メッセージを予め選択されているIDコードに対応させて、伝言メッセージテーブルTに登録する。
【0042】
伝言メッセージが文字メッセージであった場合には、例えば、「伝言メッセージを入力してください」といったガイドメッセージを、表示部65に表示させる。そして、操作部64の操作により伝言メッセージの入力に対して待機し、その後、伝言メッセージが操作部64により入力されたときには、入力された伝言メッセージを予め選択されているIDコードに対応させて、伝言メッセージテーブルTに登録する。
【0043】
そして、操作部64の操作により、伝言メッセージ登録モードの終了を指示するための操作を受け付けたときには、伝言メッセージ登録モードを終了する。
【0044】
伝言メッセージ再生システム20において、コントローラ32は、ネットワークNを介して伝言メッセージサーバ70に接続されている。本実施形態では、伝言メッセージは、再生端末61の操作部64及びマイク62等を用いてコントローラ32の記憶部34に登録される他、携帯電話端末71や建物10で利用しているパソコン端末72等からネットワークNを介して伝言メッセージサーバ70に登録される。
【0045】
伝言メッセージサーバ70は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(ROM、RAM、ハードディスク等)等を有するコンピュータであり、各種プログラムを実行することにより、少なくとも文字データ又は音声データのいずれかである伝言メッセージの送受信等の制御が行なわれる。そして、伝言メッセージサーバ70が携帯電話端末71又はパソコン端末72から送信された伝言メッセージを受信すると、伝言メッセージサーバ70によりその伝言メッセージはコントローラ32に対して送信される。伝言メッセージサーバ70により受信した伝言メッセージは、コントローラ32の記憶部34に設けられたメッセージ記憶エリア37に登録される。
【0046】
伝言メッセージサーバ70にユーザである居住者等が携帯電話端末71又はパソコン端末72から送信するメッセージは、メッセージである文字データ又は音声データに加えて、送信者であるユーザのID情報及びメッセージの受信者であるユーザのID情報を含む。送信者及び受信者の各々のID情報は、携帯電話端末71又はパソコン端末72から直接タイプしてもよいが、メッセージ送信用の専用アプリ等を用いることにより、メッセージの送信作業を簡略化することが望ましい。
【0047】
例えば、携帯電話端末71又はパソコン端末72に、建物10の居住者等のユーザの氏名及びID情報等を予め記憶させておき、上述の専用アプリを起動すると、記憶しているユーザのリストが携帯電話端末71又はパソコン端末72の画面に表示され、表示されたリストから選択したユーザ(複数同時選択可)に対するメッセージを伝言メッセージサーバ70に登録できるようにしてもよい。
【0048】
伝言メッセージサーバ70では、専用アプリを用いて送信されてきたメッセージから送信者のID情報及び受信者のID情報を抽出して、メッセージの文字又は音声データと対応付けて各種のメッセージデータからなる伝言メッセージテーブル(図示せず、コントローラ32の伝言メッセージテーブルTに対応するものである)として登録する。
【0049】
コントローラ32は、ネットワークNを通じて伝言メッセージサーバ70にアクセスして、常に更新された伝言メッセージを、コントローラ32の記憶部34にアップロードして登録させる。なお、コントローラ32は、メッセージを受け取るユーザである居住者が施錠装置23を解錠し、玄関ドア22を開閉した際に、伝言メッセージサーバ70に登録されているメッセージをネットワークNを介して取得することにしてもよい。
【0050】
また、伝言メッセージ再生システム20は、パソコン端末72のメールシステム73と連動して利用される。メールシステム73に受信されるメールのうち、伝言メッセージ再生システム20で再生されるメールが識別され、当該識別されたメールはネットワークNを介して伝言メッセージサーバ70に転送される。
【0051】
図2のメールシステム73における父のメール受信箱74に示されるように、伝言メッセージ再生システム20で再生されるメールに対しては、件名に「[伝言]」と表記する。これにより、メールシステム73に受信されたメールのうち、件名に「[伝言]」と表記された未読メールが抽出される。
図2のメールシステム73の父のメール受信箱74においては、「未読 [伝言]明日の持ち物」、「未読 [伝言]録音メッセージ」が転送される。送信者及び受信者のメールアドレスはそれぞれ対応するID情報を予め記憶させておき、対応するID情報が送信者及び受信者として伝言メッセージサーバ70に転送される。すでに確認した既読メールであっても受信者であるユーザが備忘録的に再生端末61で再生させたいメールがあった場合、メールシステム73にてメールの既読状態を未読状態としておくことで、伝言メッセージサーバ70に転送されるメールとして識別される。
【0052】
伝言メッセージサーバ70では、メールシステム73から転送されてきたメールから送信者のID情報及び受信者のID情報を抽出して、文字データ又は音声データからなるメッセージと対応付けて、各種のメッセージデータからなる伝言メッセージテーブル(図示せず、前述のようにコントローラ32の伝言メッセージテーブルTに対応するものである)として登録する。コントローラ32は、ネットワークNを介して伝言メッセージサーバ70から上述のメールシステム73より転送された伝言メッセージを受信し、当該伝言メッセージを伝言メッセージテーブルTに登録させる。
【0053】
伝言メッセージの音声再生の際には、「未読 [伝言]明日の持ち物」は文字データからなる伝言メッセージであるため音声読み上げ部38によりメール件名及びメール本文が読み上げられ、「未読 [伝言]録音メッセージ」は音声データからなる伝言メッセージであるため添付されていた音声データがそのまま再生される。
【0054】
図3は、再生条件記憶エリア36の記憶内容を示す概念図である。再生条件記憶エリア36には、少なくとも、再生設定エリア361と、状況設定エリア362とが備えられている。
【0055】
図3において、再生設定エリア361には、登録された伝言メッセージの再生方法が記憶されている。本実施形態では、(1)「音声メッセージは再生され、文字メッセージは読み上げ再生される伝言メッセージ音声再生」と、(2)「伝言メッセージの件数のみを音声で通知する音声通知再生」と、(3)「伝言メッセージの件数のみを表示部65にて表示させて通知する表示通知再生」と、(4)「伝言メッセージの再生を実施しない(再生不可)」と、が記憶されている。
【0056】
また、表示部65において表示される項目としては、(1)伝言メッセージ音声再生の場合は伝言メッセージの一覧が表示され、伝言メッセージの(2)音声通知再生及び(3)表示通知再生の場合は伝言メッセージの件数が表示されることが記憶されている。また、伝言メッセージの(4)再生不可の場合は表示部65での表示も非表示となることが記憶されている。
【0057】
状況設定エリア362には、伝言メッセージの再生を制限する場合の条件及びその再生方法が記憶される。本実施形態では、(1)「電子キー41で認証された居住者以外の人が玄関ドア22付近(玄関ドア22の屋外側付近及び屋内側付近)に存在する場合」、(2)「認証された居住者に対応する登録されたメッセージ件数が1〜5件でない場合」、(3)「認証された居住者の帰宅した時間が6〜21時以外の場合」、及び(4)「認証された居住者の認証時には施錠装置23がすでに解錠状態であった場合」、が条件として設定され、それぞれの条件について該当した場合の再生の制限方法、すなわち再生設定エリア361で設定されている伝言メッセージの再生方法のうちどの再生方法とするかが設定されている。
【0058】
図4(a)は、施錠装置23の施解錠の際に電子キー41の認証で用いられるIDコードについて、コントローラ32の記憶部34に登録されたIDコードの一例を示す図であり、
図4(b)は、伝言メッセージ再生システム20で用いられる伝言メッセージテーブルTの構成の一例を示す図である。
【0059】
図4(a)及び
図4(b)に例示するように、伝言メッセージテーブルTに用いられているIDコードは、電子キー41の認証用として記憶部34に登録されているIDコードと同じである。
【0060】
図4(b)に例示するように、伝言メッセージテーブルTでは、伝言メッセージは、IDコードの各々に対応させて、少なくとも、音声データ又は文字データのいずれかのデータ形式で登録されている。
【0061】
例えば、IDコード「87654321」に対応させて、子Bに伝達させるべき音声データからなる伝言メッセージ「おかえりなさい、おやつは冷蔵庫の中のプリンです。」が母より登録されており、IDコード「43214321」に対応させて、子供Aに伝達させるべき音声データからなる伝言メッセージ「おかえりなさい。今日はピアノの日だよ。」が母より登録されおり、IDコード「12344321」に対応させて、母に伝達させるべき文字データからなる伝言メッセージ「今日は夕ご飯いりません。」が父より登録されており、IDコード「12345678」に対応させて、父に伝達させるべき音声データからなる伝言メッセージ「お風呂のお湯、捨ててね。」が母より登録されている。
【0062】
次に、コントローラ32の制御部33により実行される伝言メッセージ再生の制御処理の内容について
図5に基づいて説明する。
図5は、制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
図5に示すように、まずステップS11では、通信装置31を介して電子キー41より受信したID情報の認証処理を行う。この認証処理では、通信装置31からのリクエスト信号の応答として電子キー41より送信されるID情報が予め記憶されているID情報と一致しているか否かを認証(判定)する。認証処理の結果、電子キー41からのID情報が予め記憶されているID情報と一致していない場合、すなわち認証NGの場合には、ステップS11をNO判定して本処理を終了する。一方、電子キー41からのID情報が予め記憶されているID情報と一致している場合、すなわち認証OKの場合には、ステップS11をYES判定してステップS12に進む。
【0064】
ステップS12では、上記の認証された電子キー41により解錠処理が行われたか否かを判定する。認証された電子キー41で解錠処理されない場合、本処理を終了する。認証された電子キー41で解錠処理された場合、ステップS12をYES判定して、ステップS13に進む。すなわち、再生条件記憶エリア36の状況設定エリア362に設定された(4)「認証された居住者の認証時には施錠装置23がすでに解錠状態であった場合」に該当するとして、ステップS12により判定される。そして、状況設定エリア362に設定された(4)の場合の再生方法に従って、伝言メッセージの再生が実施されず終了する。
【0065】
ステップS13では、電子キー41の認証後、一定時間以内に玄関ドア22が開いてその後閉じたか否かを判定する。玄関ドア22が開いてその後閉じた場合、ステップS13をYES判定して、ステップS14に進む。玄関ドア22が開いてその後閉じていない場合、ステップS13をNO判定して本処理を終了する。なお、ステップS13をNO判定した場合には、施錠装置23の施錠処理が実行される。ステップS13で電子キー41認証後の一定時間以内に玄関ドア22が開いてその後閉じたことが検知されることで、認証された居住者が玄関ドア22の屋内側に進入したと判断される。
【0066】
ステップS14では、タイマ35により時刻が6〜21時の時間帯であるか否かを判定する。時刻が6〜21時の時間帯である場合、ステップS14をYES判定して、ステップS15に進む。時刻が6〜21時の時間帯でない場合、ステップS14をNO判定してステップS23へ進む。
【0067】
ステップS15では、玄関ドア22の屋外側に設けられた人感センサ51の検出信号に基づいて、人感センサ51により人の存在が検出されておらず、かつ玄関ドア22の屋内側に設けられた人感センサ52の検出信号に基づいて、人感センサ52により人の存在が検出され、検出される人数が1人であるか否かを判定する。人感センサ51により人の存在が非検出、かつ人感センサ52により検出人数が1人である場合、すなわち玄関ドア22付近には電子キー41により認証された居住者のみが存在している場合、ステップS15をYES判定して、ステップS16に進む。人感センサ51により人の存在が検出されたり、又は人感センサ52により検出人数が1人でない場合、すなわち玄関ドア22付近に電子キー41により認証された居住者以外の人の存在が検出されている場合、ステップS15をNO判定してステップS22へ進む。
【0068】
ステップS16では、電子キー41により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの件数が1〜5件であるか否かを判定する。伝言メッセージテーブルTから認証された居住者のIDで受信者のソートをした結果、認証された居住者を受信者とする伝言メッセージ件数が判断される。伝言メッセージの件数が1〜5件である場合、ステップS16をYES判定して、ステップS17に進む。伝言メッセージの件数が1〜5件でない場合、ステップS16をNO判定してステップS22へ進む。
【0069】
ステップS17では、電子キー41により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの音声再生を開始する。この場合、音声データによる伝言メッセージは音声のまま、文字データによる伝言メッセージは音声読み上げ部38による音声データへの変換を行い、スピーカ63を通じて音声として再生される。この際、表示部65には認証された居住者への伝言メッセージの一覧が表示されている。
【0070】
ステップS18では、玄関ドア22の屋外側に設けられた人感センサ51及び玄関ドア22の屋内側に設けられた人感センサ52による検出信号に基づいて、人感センサ51により人の存在が非検出、かつ人感センサ52により検出人数が1人であるか否かを判定する。人感センサ51により人の存在が非検出、かつ人感センサ52により検出人数が1人である場合、すなわち玄関ドア22付近には電子キー41により認証された居住者のみが存在している場合、ステップS18をYES判定して、ステップS19に進む。人感センサ51により人の存在が検出されたり、又は人感センサ52により検出人数が1人でない場合、すなわち玄関ドア22付近に電子キー41により認証された居住者以外の人が存在している場合、ステップS18をNO判定してステップS21へ進む。
【0071】
ステップS19では、再生端末61の操作部64に設けられたメッセージ停止ボタンが押されたか否かを判定する。メッセージ停止ボタンが押された場合、YES判定してステップS21へ進む。メッセージ停止ボタンが押されていない場合、NO判定して伝言メッセージの音声再生を継続し、ステップS20へ進む。
【0072】
ステップS20では、電子キー41により認証された居住者を受信者とする伝言メッセージの音声再生が終了したか否かを判定する。伝言メッセージの音声再生が終了した場合、ステップS20をYES判定して、本処理を終了する。伝言メッセージの音声再生が終了していない場合、ステップS20をNO判定してステップS18〜S20の各処理を繰り返す。
【0073】
ステップS21では、伝言メッセージの音声再生を中断し、ステップS22へ進む。ステップS22では、伝言メッセージの件数が音声通知される。例えば、認証された居住者に対応する伝言メッセージが6件あった場合は「メッセージが6件あります」というガイドメッセージ、0件であった場合は「メッセージはありません」というガイドメッセージがスピーカ63より報知される。また、伝言メッセージの音声再生を中断した場合は、「メッセージを確認してください」というガイドメッセージでもよい。この際、表示部65には認証された居住者への伝言メッセージの件数が表示される。ガイドメッセージの報知後、本処理を終了する。
【0074】
すなわち、ステップS15,S18及びS16で再生条件記憶エリア36の状況設定エリア362に設定された条件に該当する状況であると判定されて、設定された再生方法に従って制限されて再生される。(1)「認証された居住者以外の人が玄関ドア22付近に存在する場合」はステップS15、S18により判定され、(2)「伝言メッセージが1〜5件でない場合」はステップS16により判定され、ステップS22で伝言メッセージの件数について音声通知される。また、ステップS18により、伝言メッセージの音声再生中であっても居住者以外の人の存在が検知されれば、その音声再生は中断されることとなっている。
【0075】
ステップS23では、伝言メッセージの件数を表示部65にて表示通知される。例えば、認証された居住者に対応するメッセージがなかった場合は「メッセージはありません」というガイドメッセージ、メッセージが3件あった場合は「メッセージが3件あります」というガイドメッセージが表示部65に表示されることにより報知される。ガイドメッセージの報知後、本処理を終了する。すなわち、再生条件記憶エリア36の状況設定エリア362に設定された条件(3)「認証された居住者の帰宅した時間が6〜21時以外の場合」に該当するとしてステップS14により判定される。そして、状況設定エリア362に設定された再生方法に従って、ステップS23で伝言メッセージの件数について表示通知される。
【0076】
以上のように、認証された居住者に対応する伝言メッセージを音声再生で実施するにあたって、認証された居住者の帰宅時の状況に応じて所定の条件を満たしていると判定された場合(ステップS14,S15,S16,S18)には、伝言メッセージの音声再生が伝言メッセージ件数の音声通知又は表示通知(ステップS22,S23)へと制限される。また、ステップS12のように、施錠装置23がすでに解錠状態であった場合は、伝言メッセージの再生が実施されない。よって、所定の条件に該当する場合は伝言メッセージの音声再生が実施されず、帰宅した居住者の状況に応じて再生方法が制限されている。
【0077】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0078】
本実施形態によれば、個々の居住者に対応する伝言メッセージが登録でき、居住者が帰宅した際に、その居住者に対応する伝言メッセージが音声で再生され伝達される。同居人からの伝言メッセージが自動で再生されて帰宅した居住者に伝達されるため、伝言メッセージを登録した同居人も伝え漏れ等の懸念がなく安心である。さらに、本実施形態によれば、伝言メッセージの音声再生を実施するにあたり、帰宅した居住者の帰宅時の状況に応じて伝言メッセージの再生方法を制限することができる。そのため帰宅した居住者のプライバシーに配慮できることからも好ましく、また同居人の生活リズムに合わせて利用することができ利便性に優れる。
【0079】
玄関ドア22付近に認証された居住者以外の人の存在を検知するための検知手段として、玄関ドア22の屋外側に人感センサ51及び屋内側に人感センサ52を備えることで、認証された居住者以外の人が出入口ドア付近に存在するか否かが判断できる。
【0080】
所定の条件として、認証された居住者以外の人が玄関ドア22付近に存在する場合が設定されており、この場合は伝言メッセージの音声再生が制限される。これにより帰宅した居住者のプライバシーに配慮することができる。
【0081】
所定の条件として、予め定められた時間帯以外に前記居住者が認証された場合が設定されており、この場合は伝言メッセージの音声再生が制限される。予め定められる時間帯を同居人の起きている活動時間帯に設定すれば、同居人が就寝する時間には音声再生が制限される。よって、居住者それぞれの生活リズムに合わせて、伝言メッセージ再生システム20を設定して利用できる。
【0082】
本実施形態によれば、所定の条件を満たした場合、伝言メッセージの音声再生が制限されて伝言メッセージの件数が通知される。伝言メッセージの件数のみが通知される通知再生は、伝言メッセージの内容が音声再生されることがなく、再生時間も伝言メッセージの音声再生より短い。よってプライバシー及び同居人の生活リズムが配慮されつつ、かつ帰宅した居住者は伝言メッセージの有無を知ることができる。
【0083】
伝言メッセージは文字データ又は音声データのいずれかで登録でき、文字データからなるメッセージを音声により読み上げる音声読み上げ部38と、伝言メッセージが表示される表示部65と、が備えられている。伝言メッセージの音声再生が制限された場合の通知再生としては、音声読み上げ部38による音声通知、又は表示部65による表示通知の少なくともいずれかひとつの通知再生により実施される。通知再生が音声又は表示のいずれかを設定できるため、さらに細やかに状況に応じて配慮できる。本実施形態によれば、設定された時間帯以外となる同居人の就寝時間に帰宅した場合は表示による通知再生とすることで、同居人の就寝を妨げないよう配慮している。
【0084】
音声再生において、音声データからなる伝言メッセージはそのまま再生され、文字データからなる伝言メッセージは音声読み上げ部38により読み上げられる。そのため、帰宅した居住者が玄関部11において靴を脱ぐ等の作業中に、特に手を煩わすことなく伝言メッセージが音声再生されて伝達され、利便性に優れる。また、所定の条件により音声再生が制限された場合でも伝言メッセージを表示部65にて確認することができる。
【0085】
[第2実施形態]
図6は、伝言メッセージ再生システム20の第2実施形態における伝言メッセージの再生制御に関する構成を示す概略図である。
【0086】
第2実施形態の伝言メッセージの再生制御は、第1実施形態の伝言メッセージの再生制御とは認証手段が異なる。すなわち、第2実施形態においては、帰宅した居住者の特定を顔認証で実施する。以下に第1実施形態との相違する点を述べる。
【0087】
玄関ドア22付近の屋外側には、カメラ26が設けられている。カメラ26は、例えばデジタルカメラにより構成され、玄関ドア22付近の外壁に取り付けられている。カメラ26は、エントランススペース14において玄関ドア22付近にいる人の顔を撮影するものであり、詳しくは、玄関ドア22付近にいる人がカメラ26に顔を近づけると、その顔をカメラ26が検出して撮影を行うものとなっている。
【0088】
顔認証のための構成として、コントローラ32が設けられている。コントローラ32は、第1実施形態と同様に、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを備えるものである。コントローラ32の構成は、電子キー認証のためのID情報の代わりに顔画像が認証のために記憶部34に登録される以外は、第1実施形態におけるコントローラ32の構成と同様である。
【0089】
コントローラ32には、
図6に示すように、カメラ26が接続されている。カメラ26により人の顔が撮影されると、その顔画像がカメラ26からコントローラ32に入力される。
【0090】
制御部33は、カメラ26から入力される人の顔画像に基づいて、その人が建物10の居住者であるか否かの認証を行う。具体的には、制御部33は、その認証に際し、カメラ26から入力された人の顔画像が記憶部34に記憶されている登録顔画像と一致するか否かを判定し、判定の結果、一致する場合にその人が建物10の居住者(正規の人に相当)であると認証する。
【0091】
玄関ドア22の屋外側及び屋内側には、人感センサ51,52が設けられているが、第2実施形態においては、屋外側の人感センサ51の代わりに顔認証のためのカメラ26を兼用させてもよい。この場合、認証された居住者が玄関ドア22を開閉して玄関部11に進入した後、カメラ26はエントランススペース14における人の有無を検知し、その検知結果がコントローラ32に入力される。また、人感センサ52の代わりに、玄関ドア22の屋内側にも人数検知のためのカメラを設けてもよい。この場合、認証された居住者が玄関ドア22を開閉して玄関部11に進入した後、カメラは玄関部11に存在する人数を検知し、その検知結果がコントローラ32に入力される。
【0092】
メッセージ記憶エリア37に格納される伝言メッセージテーブルTとしては、ID情報の代わりに顔認証の顔画像に対応させて伝言メッセージを登録する以外は、第1実施形態の伝言メッセージテーブルTの構成と同様である。
【0093】
第2実施形態において、コントローラ32の制御部33により実行される伝言メッセージ再生の制御処理の内容について、第1実施形態のフロチャート(
図5)に基づいて説明する。
【0094】
第2実施形態のフローチャートとしては、
図5のフローチャートにおいてステップS11及びS12が下記のステップS31及びS32と置き換わる以外は、
図5のフローチャートと同様である。ステップS31としては、「カメラ26により取得した顔画像が居住者の登録顔画像と一致しているか否か」が判定される。取得した顔画像が登録顔画像と一致していない場合、認証NGとしてステップS31をNO判定して本処理を終了する。取得した顔画像が登録顔画像と一致している場合、認証OKとしてステップS31をYES判定してステップS32へと進む。
【0095】
ステップS32では、「取得した顔画像の認証により解錠したか否か」が判定される。この際に取得した顔画像で解錠処理されない場合、本処理を終了する。この際に取得した顔画像で解錠処理された場合、ステップS32をYES判定して、ステップS13に進む。すなわち、ステップS12と同様に、居住者が同居人と同時に帰宅したときなど、直前に同居人により顔認証されて解錠処理をされた場合は、解錠処理が行なわれなかった居住者に対応するメッセージは再生されないこととする。
【0096】
ステップS13以降は、
図5のフローチャートに従って判定される。
【0097】
第2実施形態では認証手段として顔認証を実施することにより、電子キー41を携帯しなくても施錠装置23の施解錠を自動的に行うことができるが、それ以外は上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0098】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0099】
(1)上記実施形態では、電子キー41認証又は顔認証により帰宅した居住者を特定しているが、例えば、電子キー41認証又は顔認証ではなく、それぞれの居住者に電子タグを携帯させ、電子タグそれぞれの固有の識別情報により、居住者の特定を行ってもよい。この場合、電子タグの読取装置として本実施形態と同様の通信装置31を玄関口21の屋外側に設けることで、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0100】
(2)上記実施形態では、4つの所定の条件と、4つの伝言メッセージの再生方法とを例示したが、所定の条件及び再生方法はこれに制限されない。すなわち、本発明の特徴としては、帰宅時の状況に応じて再生方法を制限することができることであるため、その状況及び制限方法は特に限定されない。
【0101】
例えば、ある居住者において、ある特定の同居人(例えば子供)からの伝言メッセージは常に音声再生を設定することもできる。また、例えば、伝言メッセージ件数の通知再生において、伝言メッセージの件数だけでなく、伝言メッセージの送信者を音声通知又は表示通知する等を設定することもできる。また、伝言メッセージの件数のみを通知する状況では、件数ではなく伝言メッセージの有無だけを通知するようにしてもよい。
【0102】
(3)上記実施形態では伝言メッセージの受信者が特定の一人となっているが、受信者を複数とする伝言メッセージも登録されうる。例えば、受信者を複数(例えば居住者全員)とする伝言メッセージが登録されているときに、受信者の一部のみの複数の居住者が同時に帰宅した場合、伝言メッセージの音声再生が実施されるように設定してもよい。
【0103】
この場合、伝言メッセージの再生を制限する場合の条件として状況設定エリア362に設定された(1)「認証された居住者以外の人が玄関ドア22付近に存在する場合」に該当する。そのため、第1及び第2実施形態において、
図5のフローチャートのステップS15でNO判定される場合に該当する。当該実施形態においては、
図5のフローチャートにおいてステップS15でNO判定された後、後述のステップS41に進み、その後判定によってステップS42〜44へ進むが、
図5のフローチャートのステップS22へ戻る場合もある。なお、第1実施形態と第2実施形態とでは認証方法が異なるが、後述のステップS41〜44においては認証方法にかかわらず、同様に判定される。以下では、「解錠した認証された居住者」を「解錠認証者」と称し、「『解錠した認証された居住者』以外の『認証された居住者』」を、「非解錠認証者」と称する。
【0104】
図5のフローチャートのステップS15でNO判定された場合、ステップS41に進み、ステップS41では、解錠認証者を受信者とする伝言メッセージのうち、受信者を複数とする伝言メッセージがあるか否かが判定される。ステップS41がNO判定の場合はステップS22へ進む。なお、解錠認証者を受信者とする伝言メッセージがない場合もNO判定となり、ステップS22へ進む。受信者を複数とする伝言メッセージがあった場合、ステップS42へ進む。
【0105】
ステップS42では、非解錠認証者の存在が検知されたか否かが判定される。非解錠認証者がいなかった場合、NO判定をしてステップS22へ進む。非解錠認証者がいた場合、YES判定してステップS43へ進む。
【0106】
ステップS43では、非解錠認証者を受信者とする伝言メッセージがあるか否かが判定される。非解錠認証者を受信者とする伝言メッセージがない場合は、NO判定をしてステップS22へ進み、解錠認証者に対する伝言メッセージ件数の音声通知が再生される。非解錠認証者を受信者とする伝言メッセージがある場合、ステップS44に進む。
【0107】
ステップS44では、解錠認証者及び非解錠認証者を受信者とする伝言メッセージが音声再生される。
【0108】
当該実施形態では、居住者全員へ宛てた伝言メッセージがあった場合に、居住者が複数で同時に帰宅した際にも伝言メッセージが音声再生される。家族間又は同居する居住者同士においては居住者全員で情報共有をしたい伝達事項もあるため、当該実施形態ではプライバシーも配慮しつつ利便性にも優れる。
【0109】
(4)上記(3)の実施形態において、居住者以外の人を検知した場合は音声再生が制限される設定をさらに追加してもよい。この場合、第2実施形態においては、顔認証用のカメラ26により撮影された顔画像において、顔認証部に登録されていない顔画像が含まれている場合は再生不可とすればよい。
【0110】
例えば、上記(3)の実施形態のフローチャートのステップS43で、非解錠認証者を受信者とする伝言メッセージがある場合、ステップS51に進む。ステップS51では、登録されていない顔画像が含まれているか否かが判定され、登録されていない顔画像が含まれていない場合は、NO判定をしてステップS44に進む。登録されていない顔画像が含まれている場合は、ステップS22又はステップS23へ進み、解錠認証者に対する伝言メッセージ件数の音声通知又は表示通知が再生されるようにしたらよい。
【0111】
第1実施形態において当該設定を実施する場合は、例えば、顔認証用のカメラを玄関ドア22付近の屋外側に備え、そのカメラにより撮影された人の顔画像に基づいて、その人が予め登録された登録者であるか否かの認証を行う顔認証部を備えるとよい。そうすることで、上記のステップS51の判定ができる。
【0112】
(5)上記実施形態では所定の条件として設定されていないが、所定の条件として「来客中である場合」を設定してもよい。第1実施形態において来客中であることを検知するためには、例えば、顔認証用のカメラを玄関ドア22付近の屋外側と、エントランススペース14との2か所に備え、そのカメラにより撮影された人の顔画像に基づいて、その人が予め登録された登録者であるか否かの認証を行う顔認証部を備えるとよい。
【0113】
玄関ドア22付近の屋外側に設けられたカメラは、玄関ドア22から建物10内に入る人を撮影するために玄関口21の屋外側方向(エントランススペース14方向)にレンズが向けられている。エントランススペース14に設けられたカメラは、玄関ドア22から出てきた人を撮影するために玄関口21の方向にレンズが向けられている。
【0114】
玄関口21の屋外側に設けられたカメラにより撮影された顔画像において、顔認証部に登録されていない顔画像が含まれていた場合、「来客中」と判断される。そして、登録されていない顔画像は来客者の顔画像としていったん登録される。その後、エントランススペース14に設けられたカメラにより、玄関ドア22から出てきた人が撮影され、撮影された顔画像の認証により、来客者の顔画像に登録された顔画像と一致することで、「来客中」の処理が終了する。
【0115】
第2実施形態においては、顔認証用のカメラをエントランススペース14に備えることで当該実施形態が実施される。すなわち、第2実施形態で述べられたカメラ26と、コントローラ32の記憶部34とにより、登録された顔画像でない「来客者」を判断し、エントランススペース14に設けられたカメラにて来客者の帰宅を検知すればよい。
【0116】
所定の条件として「来客中である場合」を設定した場合の伝言メッセージの再生方法としては、例えば、伝言メッセージ件数の表示通知としたり、伝言メッセージの再生不可(再生を実施しない)とする等の制限を適宜設定すればよい。所定条件として「来客中である場合」が設定され「来客中である」として処理されている間は、他の居住者が帰宅してきても伝言メッセージの音声再生が設定された制限された再生方法となる。
【0117】
この場合のフローチャートとしては、
図5のフローチャートのステップS13でYES判定された場合に、ステップS61へ進む以外は
図5のフローチャートと同様である。当該実施形態においてステップS13でYES判定された場合、ステップS61へ進み、ステップS61で来客中であるか否かが判定される。来客中でない場合は、ステップS14へ進み、来客中である場合は、ステップS23(又はステップS22)へ進む。
【0118】
上記のようにして「来客中」であることを判断した場合、来客者がリビング等の玄関部11ではない場所に滞在していても伝言メッセージの再生が制限される。すなわち、居住者として登録されていない顔画像が確認された場合は、その滞在場所にかかわらず伝言メッセージの再生が制限されるため、居住者のプライバシーがより配慮されうる。
【0119】
なお、上記ではエントランススペース14に顔認証用のカメラを設けたが、来客中であることが判断できればこれに制限されず、例えば再生端末61の操作部64に、伝言メッセージ再生不可とする再生OFFボタンを設け、来客の際にはそのボタンを押して再生不可の処理を実施してもよい。この場合は、来客者が帰宅した場合は再生OFFボタンを再度押して、再生OFFを解除する。
【0120】
(6)上記実施形態では、再生端末61の操作部64に伝言メッセージの音声再生を停止するための停止ボタンを設け、これにより伝言メッセージの音声再生が中断可能であるとしたが、例えば、音声認識により伝言メッセージの音声再生を中断させてもよい。音声認識手段をコントローラ32に設けて、再生端末61のマイク62により音声コマンドとして「ストップ」との音声が入力されると、伝言メッセージの音声再生を中断する。当該実施形態では、両手がふさがっていても伝言メッセージの音声再生を中断させることができる。
【0121】
(7)上記実施形態では、建物10の居住者同士の伝言メッセージ再生システム20として説明したが、携帯電話端末71及びパソコン端末72から伝言メッセージサーバ70を介して伝言メッセージを登録できるため、その登録者は特に限定されない。また、例えば居住者でなかったとしても、第1実施形態においては、固有のID情報を有する電子タグ等を携帯している人(以下、人C)であれば、当該ID情報を指定して伝言メッセージテーブルTに登録することで、同様に人Cに対応する伝言メッセージを再生端末61から再生することができる。第2実施形態においては、予め顔画像を記憶部34に登録した人(以下、人D)であれば、当該顔画像を指定して伝言メッセージテーブルTに登録することで、同様に人Dに対応する伝言メッセージを再生端末61から再生することができる。
【0122】
(8)上記実施形態では、人感センサ51,52により認証された居住者以外の人の存在を検知したが、例えば、玄関ドア22付近の屋外側及び屋内側にカメラを設け、カメラにより撮影された画像の画像処理により認証される居住者以外の人の検知(例えば人数検知)をしてもよい。
【0123】
(9)上記実施形態では、パソコンのメールシステム73においてメールを未読にすることで伝言メッセージサーバ70へ送信されることを述べた。例えば伝言メッセージ再生システム20の他の機能として、登録された伝言メッセージについて、登録有効期間や再生有効回数を予め設定しておき、登録有効期間を経過した場合や、再生有効回数だけ再生された場合には、該伝言メッセージを自動消去してもよい。
【0124】
また、居住者がマイク62に吹き込んで伝言メッセージを登録するだけでなく、予め登録された定型の伝言メッセージの複数のうち、いずれか選択された伝言メッセージを登録するようにしてもよい。
【0125】
(10)上記第1実施形態では、電子キー41認証及び電子キー41の操作部44を用いた遠隔操作により施解錠される施錠装置23を説明したが、例えば、電子キー41認証及び以下のようなタッチセンサへの接触により施解錠される施錠装置23であってもよい。
【0126】
例えば、玄関ドア22の屋外側の面に設けられたドアノブにタッチセンサが内蔵され、電子キー41がユーザのID情報を送信している状態で、電子キー41を携帯した居住者がドアノブに触れると施錠又は解錠が行われる。当該形態における施錠装置23では、施錠装置23が解錠された状態で、電子キー41を携帯した居住者がドアノブに触れると、施錠装置23が施錠される。また、施錠装置23が施錠されている状態で、電子キー41を携帯した居住者がドアノブに触れると、施錠装置23は解錠される。タッチセンサは、例えば、静電容量タッチセンサである。