【文献】
Francesca Persichetti et al.,Normal and Expanded Huntington's Disease Gene Alleles Produce Distinguishable Proteins Due to Translation Across the CAG Repeat,Molecular Medicine,1995年,Vol.1,No.4,p.374-383
【文献】
WARBY, S. C. et al.,Activated caspase-6 and caspase-6-cleaved fragments of huntingtin specifically colocalize in the nucleus,Human Molecular Genetics,2008年 4月29日,Vol.17, No.15,p.2390-2404
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0010】
ハンチントン病の別の治療法を提供するために、同様の手段でハンチンチンを標的とすることができる能動ワクチンおよび受動ワクチン(例えば、抗原および抗体)を本発明により提供する。ハンチントン病においては、症状が、この疾患の全身的性質を示す、免疫系、末梢組織、末梢血リンパ球(PBL)および代謝系を含む全身的変化を伴うという意識が高まっている。一例として、病理学的なハンチンチン蓄積はCNSに限定されるものではなく、末梢血細胞でも検出され得る(Weissら、2012)。初代ヒトマクロファージ/単球におけるハンチンチンの発現の低下により、自然免疫系の障害は、ハンチンチンを標的とするRNA干渉により部分的に逆転できる(Traugerら、2014)。
【0011】
血液細胞内のハンチンチンの検出の他に、可溶性ハンチンチンまたはハンチンチンフラグメントが、偶然、健常ドナーのヒト血漿プロテオームで検出され(Liu et al 2007)、またはこれまでハンチントン病に関連ないとされていた緑内障患者の血漿中でELISAにより検出された(Tezel et al 2012)。ハンチントン病における免疫系の重要な役割は認識されていたが(Ellrichmann et al., 2013)、細胞外ハンチンチンの可能性のある原因となる働きはほとんど無視されてきた。近年、血漿およびCSFハンチンチンは、単に、疾患の進行をモニタリングするための潜在的バイオマーカーとして示唆された(Weiss et al., 2014)。可能性のある病因の標的化において、疾患を進行させる細胞外ハンチンチンタンパク質は、これまで治療標的とは考えられておらず、能動的に誘導されたまたは受動的に投与された抗体が治療的利益をもたらし得るかどうかは示されていなかった。
【0012】
本発明は、ハンチントン病の新たな治療戦略、とりわけ症状の単なる制御を超える戦略を提供することを目的とする。ハンチントン病に関連する症状の発症を予防または遅延させるための手段を提供することもまた、別の目的である。
【0013】
従って、本発明は、ハンチントン病の処置のためまたはその臨床症状の発症を遅延させるためのペプチドベースのワクチンおよび抗体を提供する。従って、本発明は、治療標的としてHTTタンパク質に基づく全く新しい治療概念を提供する。本発明は、HTTペプチドベースの能動免疫化および/または抗体ベースの受動免疫化のいずれかを単独で、または組み合わせて適用することができる2つの改変型戦略を含む“抗体ベースのHTT低下戦略”を提供する。両方の戦略は、治療標的であるHTTタンパク質に関して同等であるとみなすことができる。両方の戦略はまた、病原性HTTに対抗する有効成分が、常に、最終的に、抗体(能動的に作成された抗HTT抗体または受動的に投与された抗体のいずれか)であるため、同じ(すなわち、基本的な相違のない)治療原理および作用様式でで起用される。これは、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いる能動免疫化試験および食作用試験により以下の本発明の実施例部分に既に示されており、同じ最終作用様式を明らかに証明している。本発明の両方の治療戦略は、先行技術に開示されていない。HTT抗体は、目下、科学的目的およびサンプル中のHTTを検出するためにのみ用いられている。
【0014】
本発明のワクチン接種および受動的免疫化は、ハンチントン病の治療における全く新しいアプローチであり、本発明により顕著に効果的であることが示されている。本発明で供される免疫血清およびモノクローナル抗体は、タンパク質の機能および病理において異なる役割を有することが以前に示されているハンチンチンタンパク質の部分を特異的に認識する。特に、活性ワクチンは、既報のハンチンチンタンパク質のアミノ酸位置586のプロテアーゼ切断部位の周りの所定のエピトープを標的とする抗体を誘導する。以下では、この病因学的/機能的に重要な切断領域は、“カスパーゼ領域586”と言う。Graham et al., 2006は、変異型ヒトハンチンチン導入遺伝子を保有するマウスにおける表現型を阻害する遺伝子的手段によってプロテアーゼ切断を阻止することを明らかにした。他のプロテアーゼが、インビボでこの部位での切断に関与し得ることも示されている(Wong et al. 2014)。カスパーゼ切断は細胞内過程であるため、この領域を標的とするワクチン接種戦略は、これまでに考慮されていなかったか、実証されていない。加えて、活性ワクチンは、標的タンパク質のいわゆるプロリンに富む領域内の所定のエピトープを標的とする抗体を誘導する。
【0015】
本発明で初めて、ハンチントン病を治療するために能動的または受動的ワクチン接種により血漿ハンチンチンを標的とすることが提案された。これまで、(細胞外)血漿HTTは、この疾患を処置するための標的として考慮されていなかった。さらに、作用機序モードは、インビトロでの食作用アッセイによって、ならびにワクチン接種を受けた動物におけるHTTレベルのインビボでの低下および血漿HTT標的化がヒト患者にも有益であることを示す説得力のあるP.O.C.(概念実証)を提供する動物モデルにおける表現型効果によって、本発明により当然に(ただし、本発明をそのような機序に限定されることなく)提供される。
【0016】
さらに、標的特異的免疫応答を供する特異的標的化領域およびそれに由来するペプチドは、本発明で提供され、それは、とりわけヒト個体における好適な抗体応答を惹起するための、本発明の免疫応答を惹起する医薬組成物に製剤化される。本発明の過程において、そのような免疫応答を惹起するための最も関連のあるペプチドのコアエピトープが定義されている。これらのコアエピトープ(対応するワクチン接種ペプチドのサブフラグメントに対応する)の使用は、本発明の免疫原性組成物およびワクチンの中心である。従って、特異的免疫応答を惹起するために本発明で(とりわけ、ワクチンとして)用いるペプチドは、これらのコアエピトープから構成されるか、またはそれを含み、インビボで単独または組み合わせて投与され得る。実施例部分において、本発明のそのようなペプチドは、信頼できる、かつ認可されたトランスジェニックマウスモデルにおいて有益であることがすでに示されている。さらに、HTTのカスパーゼ領域586に由来するペプチドもまた提供され、それは、免疫原性組成物として同様に使用され、また例えばカスパーゼ6または他のプロテアーゼなどのプロテアーゼ切断を阻害する抗体(AB)を提供および誘導するためにも使用される(Wong et al. 2014)。本発明のペプチドはまた、ハンチントン病の診断および治療において、とりわけ受動的ワクチン接種のために(単独で、または能動的ワクチン接種と同様の組み合わせで)、バイオマーカーの評価/発見および(コンパニオン)診断におけるHTTレベルの決定のためのツールとして、カスパーゼ6阻害アッセイ(カスパーゼ領域586でカスパーゼ切断を阻害するもの)のためのプローブとしてなどにも有用である、種々のモノクローナル抗体(mAB)を作製するためにも使用される。
【0017】
本明細書で用いる“ハンチンチン”、“ハンチンチンタンパク質”または“HTT”は、ハンチンチン遺伝子の発現産物を意味する。タンパク質の詳細は、UniProtKB/Swiss−Prot データベース(2014年5月14日に最終更新された、バージョン148)中のP42858(HD_HUMAN)で利用可能である(本明細書中に援用する)。HTTのアミノ酸位置18で始まるポリQ領域における変化のために、カスパーゼ切断部位は、UniProtデータベースエントリーにてアミノ酸584と585の間であると言われる。科学文献および本明細書では、カスパーゼ切断部位は、アミノ酸残基586と587の間(すなわち、“VLD”の後、“GTD”の前、すなわち、DとGの間)であると言われる。従って、本発明の“C6切断領域”または“C6切断領域586”は、P42858(HD_ヒト)UniProtKB/Swiss−Protデータベースエントリ中の位置584のアミノ酸に相当する。
【0018】
本発明のワクチンは、PRRドメイン(プロリンに富む領域:
Proline−
Rich
Region)と呼ばれる、ハンチンチンの、第二の機能的に定義された領域をさらに標的とする。この領域は、これまで、例えばPACSIN1(Modregger et al., 2002)などとの細胞内タンパク質相互作用に関与することが示され、細胞内環境の還元条件に抵抗性の一本鎖Fvフラグメント(Southwell et al., 2011)を用いて潜在的イントラボディ標的化領域として評価されている。
【0019】
本発明の一態様において、本発明のペプチドワクチンは、例えば実施例1に示す通り、特定の抗ハンチンチン免疫応答を誘導し、レシピエントにおいて(凝集した)ハンチンチンまたはそのフラグメントの食作用を媒介して、例えば実施例3、
図9および実施例8に示すような治療効果を提供することができ、このことは、従来技術における何らかの抗体またはワクチンに関連する方法によるハンチントン病の治療においては示されていなかった。本発明の別の態様において、本発明の抗体は、作製されたモノクローナル抗体が、例えば実施例1、4および5に示す通り、同じペプチドに由来し、同じ標的を認識するという事実に基づいて、能動免疫アプローチと同様に、ハンチンチンタンパク質に対する受動免疫のために使用することができる。
【0020】
さらに、本発明は、薬物選択のためのその抗体の使用、ならびにハンチントン病の発症を診断およびモニタリングする方法も開示する。
【0021】
本発明は、ハンチンチン由来ペプチドを含む免疫原性組成物に関し、ここで、該ペプチドは、免疫原性形態、すなわち、組成物が投与されるヒト個体において免疫応答を誘発するような形態(ヒト個体において産生されるペプチドに対する抗体の形態)で提供される。好ましくは、ペプチドは、担体、好ましくはタンパク質担体に結合されているか、または、該ペプチドを免疫原性形態で提供するために、懸濁液中、とりわけ水中油型懸濁液中に提供される。従って、本発明の“ワクチン”組成物は、 “免疫原性組成物” 、すなわち、組成物が適用されるヒト個体において免疫応答を誘発する組成物と見なすこともできる。しかしながら、ヒト個体において免疫応答を誘発する能力は、集団内で顕著に変化し得ることが知られているため、本発明の目的のためには、所定の集団の個体の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、とりわけ少なくとも50%に、本発明の免疫原性組成物の送達後の免疫反応が検出可能である、例えば、送達されたペプチドに特異的な抗体が、個体の免疫系によって形成される場合、“免疫原性組成物”と言われる。
【0022】
本発明は、好ましくはハンチントン病による症状に対するワクチン接種における使用、または該疾患の発症を遅延させるための使用のための、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)を含む、HTTタンパク質の免疫原性ペプチドを開示する。これらの配列中の“C”残基は、通常、リンカーとして用いられ(および、導入され)る。N末端またはC末端におけるこのシステインリンカー(任意の他のリンカーとして、例えば−GC、−GGC、−KC、−KCC、−KCC、−KKC、−KKG、−KCG、−KGC、−KKGC、−KKCGなど(およびそれらのN末端変異体、例えばCG−、CGG−など)または例えばペプチドp6775もしくはp6768、p9394、p9395、p9396もしくはp9397のそれぞれに使用されるようなスペーサーとしての、例えば、ベータ−アラニンまたはリシンなどのアミノ酸とシステインとの同様の組み合わせなど、あるいは免疫学的特性を妨げることなく、リンカーもしくはスペーサー機能または改善されたペプチド溶解度を提供する他の化学的部分として)は、存在するか、存在しないか、またはペプチドのC末端もしくはN末端のいずれか(すなわち、ペプチド鎖の何れかの末端)に提供されてよい。リンカーペプチドと溶解度向上剤とのかかる組み合わせは、例えばリシン誘導体p9394−p9397に提供されている。他の態様において、リンカーは、N末端またはC末端以外の他のアミノ酸位置、例えばセリン、リシン、アルギニン、チロシン、スレオニン、アスパラギンまたはグルタミン酸、アスパラギンまたはグルタミン、ヒスチジン、メチオニンなどの官能基を有するアミノ酸に提供されてもよい(とりわけ、実質的に改善された実用的な機能的特性を有する、誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94));しかしながら、かかる態様において、治療は、ペプチドの免疫学的特性がそのような結合によって顕著に妨害されないように注意しなければならない(定義されたサイズ変動の可能性については、例えばUS2010/0158933A1を参照のこと)。
【0023】
本発明は、PRRおよびc6領域に由来するペプチドを開示している。本発明のペプチドは、以下のいくつかの共通の特徴を反映する顕著に有益な技術的関係を有する:(1)本発明の全てのPRR−およびC6−由来のペプチドは、特定の免疫原性を共有する;それらのエピトープは、特に、アクセス可能である(例えば、実施例1に示す通り、N末端またはポリQ領域に由来するペプチドとは対照的に);特に、それらのエピトープの標的化は、以下の実施例部分に記載のインビボ例での機能に示されるように、HTTターゲティングにおける治療効果の達成に関連性が高い。(2)本発明のペプチドは、プロテアーゼのアクセシビリティまたはタンパク質−タンパク質相互作用などの構造的/機能的な関係性が実証されている、HTTの複数領域にマッピングされる。(3)最も重要なことは、これらの2つのエピトープのコンビナトリアル標的化は、(単一のエピトープの使用とは対照的に)効率的な治療効果を提供する。
【0024】
これに関連して、全てのHTT由来のペプチドがHTTの処置に使用できるのではないことが特記される。これは、以下の実施例部分にも示されている。実際に、あるペプチドは、他のものよりも免疫原性である。さらに、特定のペプチドの組合せ(例えば、血漿クリアランスおよび運動効果に関して、PRR−およびC6−領域ペプチドの組み合わせ)は、1つまたは複数のハンチンチンエピトープの特異的認識による増強された食作用に起因する可能性が最も高いより強い有効性を示す。本発明はまた、HTTの処置のためのペプチドの有利な組み合わせを提供する。既に記載の通り、本発明では、(治療の原則として)細胞外HTTを標的とする治療用ワクチンが提供される。HTTは常に細胞内で凝集するタンパク質として公知であるため、このことのみで、既に完全に新規な戦略である。
【0025】
本発明のペプチドおよび本発明のワクチン標的化領域は、該領域/ペプチドの(1)アクセシビリティ、および(2)免疫原性により、定義されている。加えて、ペプチドの任意の組み合わせ(以下のインビボでの実施例に示す通り)は、増強したHTTクリアランスおよび表現型の(運動および組織学的な)変化を提供する。これらの変化は、実施例に示す通り、抗ハンチンチン抗体およびFc受容体介在性食作用により説明することができる。Fc受容体介在性の食作用は、2つまたは2以上の単一エピトープに対してHTTを標的化する、より高い有効性を説明する抗原−抗体複合体の多価性を必要とする:複数のFc部分を提示する抗原/抗体複合体は、1つの単一抗体によって結合された単一のHTT分子よりも食作用によって排除される可能性が高い。
【0026】
このことは、先行技術には開示も示唆もされていなかった。例えば、WO2012/140376A1に記載される治療用ペプチドpep4およびpep42、またはMillerら (2003)に記載されるHTTのN末端に由来するペプチドは、本発明のペプチドとは異なるHTT領域に由来する。さらにより重要なことには、例えばWO2012/140376A1に記載のこれらのペプチドは、例えばワクチンなどの何らかの治療目的のために(すなわち、生体内でのB細胞免疫応答を誘導するために)意図されたり、または使用されてはいない。その代わり、WO2012/140376A1は、凝集の阻害(すなわち、HTTまたはそのフラグメントとの直接的な干渉による)に使用することができるペプチドを記載しており、それは、ワクチンに必要とされるような免疫応答の誘導には関与しない。WO2010/015592A2に記載の抗体は、FRETアッセイまたは他のインビトロの分析手段による、HTT(またはその凝集体もしくはフラグメント)の検出のためのプローブとして作製された。これらの抗体を提供する目的は、実験目的/分析目的または診断であって、治療目的ではなかった。一般に、これまで、抗HTT抗体をハンチントン病の処置のための治療目的に使用できることは、提案されてもいないし、実証されてもいない。さらに、WO2010/015592A2に記載の抗体は何れも、本発明のワクチン接種用ペプチドと重複していない。最後に、Persichettiら(1995)に記載のペプチド“HP1”および“HP12”は、ワクチン療法に使用するためではなく、試験条件下でのHTT検出(例えば、ウェスタンブロットまたはIHCによるHTT検出など)のための分析的プローブを提供するために、ポリクローナル抗血清の作製のために使用されていた。同じことが、例えば、Ko et al. (2001)に記載のような、ペプチド免疫化によってではなく、ポリQ−HTT−GST融合タンパク質によって製造されたモノクローナル抗体(例えば、MW1−8)について言える。
【0027】
従って、本発明のペプチドは、治療用ワクチンの製造に適していることが特記されることが重要であり、一方、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を製造するための先行技術文献記載のペプチドは、分析的使用または診断的使用のためのプローブを提供するように設計されている。
【0028】
従って、PRRおよびC6領域に由来する本発明のペプチドは、特に有益である。両グループ共、とりわけ配列番号1、4、16、19および28;ならびに、配列番号2、3、6−18および20−50は、高度に免疫原性である;そして、配列番号1−4は、インビボ実験でのそれらの機能的性能のために大いに好ましい。
【0029】
さらに好ましい免疫原性ペプチドは、好ましくはハンチントン病による症状に対するワクチン接種における使用、または該疾患の発症を遅延させるための使用のための、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)からなる群より選択され、ここで、N末端またはC末端システイン残基(C)は、存在しても、存在しなくてもよく、またはC末端もしくはN末端の何れかに存在してよい。
【0030】
他の好適な免疫原性ペプチドは、p6763(CaMATLEKLMKAFESLKSFQ、配列番号25)、p6764(CaKLMKAFESLKSFQ、配列番号26)、p6765(CEEQQRQQQQQQQ、配列番号27)、p6768(QQQQQQPPPPPPPPaKKKC、配列番号28)、p7541(CSEIVLD、配列番号29)、p7552(CSSEIVLD、配列番号30)、p7562(CDSSEIVLD、配列番号31)、p7563(CSDSSEIVLD、配列番号32)、p7567(CEIVLD、配列番号33)、p7568(CIVLD、配列番号34)、p7605(CSEIVL、配列番号35)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p6776b(SEIVLDGTDNQYLC、配列番号38)、p7752(CAEIVLDGTDNQYL、配列番号39)、p7753(CSAIVLDGTDNQYL、配列番号40)、p7754(CSEAVLDGTDNQYL、配列番号41)、p7755(CSEIALDGTDNQYL、配列番号42)、p7756(CSEIVADGTDNQYL、配列番号43)、p7757(CSEIVLAGTDNQYL、配列番号44)、p7758(CSEIVLDATDNQYL、配列番号45)、p7745(CSEIVLDGADNQYL、配列番号46)、p7746(CSEIVLDGTANQYL、配列番号47)、p7747(CSEIVLDGTDAQYL、配列番号48)、p7748(CSEIVLDGTDNAYL、配列番号49)、p7749(CSEIVLDGTDNQAL、配列番号50)、およびp7750(CSEIVLDGTDNQYA、配列番号51)からなる群より選択され、ここで、N末端またはC末端システイン残基(C)は、存在しても、存在しなくてもよく、またはC末端もしくはN末端の何れかに存在してよい。
【0031】
本発明によれば、免疫原性は、免疫応答を引き起こすため、例えば所定のペプチドに対する抗体を誘発するための、抗原またはエピトープなどの特定の物質の能力である。
【0032】
好ましくは、これらのペプチドは、少なくとも7個のアミノ酸長であり、好ましい長さは、16個まで、好ましくは14または20個のアミノ酸残基までである(例えば、7または8から20、7または8から16個など)。配列番号1から51のペプチドのN末端またはC末端の“C”は、リンカーとして提供され、それは、存在しても、存在しなくてもよく、あるいは担体への固定化を可能にする別のアミノ酸または化学的リンカーで置き換えられてよい。さらなる連結アミノ酸は、ペプチドのこの末端の、“C”(システイン残基)の直前または“C”の直後の何れかに、提供されてよい。“C”はまた、カップリングに必要でない場合、および/または免疫原性が、担体に“C”以外の手段で結合させることにより保持されている場合は、なくてもよい。あるいは、これらのペプチドのフラグメント、好ましくは7アミノ酸残基の最小の長さのフラグメント(システイン残基の前の1つまたはそれ以上のアミノ酸を削除する)もまた、本発明に従って使用することができる。あるいは、免疫原性ペプチドの免疫原性および特異性に影響を与えない極性または荷電アミノ酸を、ペプチドの溶解度を増加させるために使用することができる。従って、本発明のペプチドは、7から30個、好ましくは7から20個、より好ましくは7から16個、最も好ましくは8個のアミノ酸残基を含む。しかしながら、本発明により、より長いペプチドもまた、例えば、実施例1に示すように、抗HTT抗体誘導抗原として用いてもよい。
【0033】
別の態様において、本発明は、HTTタンパク質の少なくとも1つの免疫原性ペプチドおよび所望により1種または複数のアジュバントも含む、ハンチントン病の治療および/または予防における使用のためのペプチドベースのワクチンを提供する。本発明により、ワクチンは、特定の疾患に対する免疫を改善する生物学的製剤である。本発明により、アジュバントは、他の薬剤の効果を修飾する、例えば供給されたペプチドエピトープに対する免疫応答を増強する薬理学薬剤である。
【0034】
本発明により、該少なくとも1つの免疫原性ペプチドは、薬学的に許容される担体、好ましくはKLH(キーホールリンペットヘモシニアン)に結合されることが好ましい。一般的に、Th1応答を促進し、それによりヒトにおいてIgG1およびIgG3を優先的に誘導することができる任意の製剤が、本発明により好ましい。免疫原性ペプチドは、単離された(ペプチド)形態でワクチン中に提供されてよいか、または薬学的担体物質またはポリペプチド、脂質または炭水化物構造、とりわけペプチドリンカーまたはタンパク質担体などの他の分子に(共有結合または非共有結合で)結合されるか、もしくはそれらと複合体を形成していてよい。さらに、ペプチドリンカーまたはタンパク質担体は、例えば実施例2および3に示すように、T細胞ヘルパーエピトープから構成されるか、またはそれを含んでよい。
【0035】
好ましくは、薬学的に許容される担体である、KLH、破傷風トキソイド、アルブミン結合タンパク質、ウシ血清アルブミン、デンドリマー(MAP; Biol.Chem. 358:581)は、単独で、またはSingh & O’Hagan, 1999(具体的には、例えば、この文献の表1に記載のもの)およびO’Hagan & Valiante, 2003(具体的には、そこに記載された本来の免疫増強化合物および送達系、またはそれらの混合物、例えば、低溶解性アルミニウム組成物(例えば、水酸化アルミニウム)、MF59リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12、GM−CSF)、サポニン(例えば、QS21)、MDP誘導体、CpGオリゴ、IC31、LPS、MPL、スクアレン、D,L−アルファ−トコフェロール(例えば、リン酸緩衝生理食塩水と、水中油系で混合される)、微粒子、エマルジョン(例えば、Freund’s、SAF)、リポソーム、ビロソーム、イスコーム、渦巻状物質(cochleate)、PLG微粒子、ポロキサマー粒子、ウイルス様粒子、熱不安定エンテロトキシン(LT)、コレラ毒素(CT)、変異毒素(例えば、LTK63およびLTR72)、微粒子および/または重合リポソームを使用してもよい)に記載のアジュバント物質と組み合わせて使用される。本発明の好ましい態様において、HTTペプチド−ワクチン組成物は、水酸化アルミニウムを含む。
【0036】
本発明のペプチドおよび薬学的に許容される担体を含むワクチンは、例えば、静脈内投与(i.v.)、腹腔内投与(i.p.)、筋肉内投与(i.m.)、鼻腔内、経口、皮下などの任意の好適な適用法、および任意の好適案送達装置(O'Hagan & Valiente, 2003)により投与されてよい。
【0037】
一般的に、ワクチンは、0.1ngから10mg、好ましくは10ngから1mg、とりわけ100ngから100μgの量で本発明のHTTペプチドを含むか、あるいは、例えば100fmole(モル)から10μmole、好ましくは10pmoleから1μmole、とりわけ100pmoleから100nmoleの量で本発明のHTTペプチドを含む。
【0038】
ワクチンは、一般的な補助剤、例えば緩衝液、安定化剤などを含んでもよい。
【0039】
本発明のハンチントン病の予防は、少なくとも1つのHTTアレル中に反復されるCAG数の増加に基づくハンチントン病症状を発症しやすい個体における、運動および精神症状または免疫学的変化および代謝変化などのハンチントン病関連症状の突発発生および/または発症を予防または遅延させることと定義される。
【0040】
本発明のハンチントン病の処置は、変異HTTを有すると遺伝的に同定された個体(すなわち、少なくとも1つのHTTアレルにおいて26以上のCAGリピートを有する個体)および例えば、実施例2および3のように、その症状に基づいてハンチントン病陽性と診断され、ハンチントン病の動物モデルにおける表現型の変化を誘導することによって示されるような遺伝子型を有する個体における、舞踏様運動および精神症状を伴った運動などのハンチントン病関連運動症状、または免疫学的変化および代謝変化を改善するように定義される。
【0041】
本発明の免疫原性HTT由来ペプチドによる能動免疫化、すなわち、ワクチン接種は、HTTタンパク質標的のオプソニン化をもたらし、それによりその特異的食作用を誘導する。オプソニン作用は、抗体がハンチントンなどの抗原に結合し、それにより免疫応答のためにそれを標識する過程である。貪食細胞は、例えば実施例8において抗ハンチンチン抗体PRR13およびC6−17について実証されるとおり、免疫グロブリンのFc部分に結合し、次いで、標識された抗原を内在化する。
【0042】
本発明でとりわけ好ましいのは、ハンチントン病の予防および/または処置における使用のための、HTTまたはその天然に存在するフラグメント、とりわけハンチントン病に関連するフラグメントに対する免疫応答を誘発する少なくとも1つの免疫原性ペプチドを含むペプチドベースのワクチンであり、ここで、該HTTタンパク質の少なくとも1つの免疫原性ペプチドが、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、p8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、p6763(CaMATLEKLMKAFESLKSFQ、配列番号25)、p6764(CaKLMKAFESLKSFQ、配列番号26)、p6765(CEEQQRQQQQQQQ、配列番号27)、p6768(QQQQQQPPPPPPPPaKKKC、配列番号28)、p7541(CSEIVLD、配列番号29)、p7552(CSSEIVLD、配列番号30)、p7562(CDSSEIVLD、配列番号31)、p7563(CSDSSEIVLD、配列番号32)、p7567(CEIVLD、配列番号33)、p7568(CIVLD、配列番号34)、p7605(CSEIVL、配列番号35)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p6776b(SEIVLDGTDNQYLC、配列番号38)、p7752(CAEIVLDGTDNQYL、配列番号39)、p7753(CSAIVLDGTDNQYL、配列番号40)、p7754(CSEAVLDGTDNQYL、配列番号41)、p7755(CSEIALDGTDNQYL、配列番号42)、p7756(CSEIVADGTDNQYL、配列番号43)、p7757(CSEIVLAGTDNQYL、配列番号44)、p7758(CSEIVLDATDNQYL、配列番号45)、p7745(CSEIVLDGADNQYL、配列番号46)、p7746(CSEIVLDGTANQYL、配列番号47)、p7747(CSEIVLDGTDAQYL、配列番号48)、p7748(CSEIVLDGTDNAYL、配列番号49)、p7749(CSEIVLDGTDNQAL、配列番号50)、およびp7750(CSEIVLDGTDNQYA、配列番号51)からなる群より選択され、好ましくはp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、とりわけp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、またはこれらのペプチドの少なくとも1つを含むペプチドであり、好ましくは最大50アミノ酸残基長、より好ましくは最大30アミノ酸残基長、さらに好ましくは、最大20アミノ酸残基長、とりわけ最大16アミノ酸残基長である。本発明の特に好ましいペプチドは、6から10アミノ酸残基長、例えば7、8または9アミノ酸長、とりわけ9アミノ酸長を有し得る。
【0043】
本発明はまた、コアエピトープを含む配列番号1から51の免疫原性ペプチドのフラグメントもまた意味する。ペプチドp6771、p6773およびp7543のコアエピトープは、本発明の実施例部分で同定されている。ペプチドp6771またはp6773のコアエピトープは、それぞれ、PPQAQPL(配列番号78)、PPQAQP(配列番号79)、QPLL(配列番号80)およびPQAQPLL(配列番号81)であり、とりわけLLPQP(配列番号77)である。ペプチドp7543のコアエピトープは、QYLGLQIG(配列番号82)、YLGLQIG(配列番号83)、DNQYLGLQIG(配列番号84)、DNQYLGL(配列番号85)およびYLGLQIG(配列番号86)、とりわけQYLGLQIGである。従って、本発明の好ましい免疫原性ペプチドは、これらのコアエピトープの少なくとも1つを含み、好ましくは最大30アミノ酸残基長、好ましくは20アミノ酸残基長、とりわけ16アミノ酸残基長を有し、ここで、該ペプチドは、好ましくは特異的ハンチンチンC6切断阻害剤の作製または同定において使用され、該特異的ハンチンチンC6切断阻害剤は、好ましくは、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗血清、Fv、scFv、F(ab)、F(ab)2などのモノクローナル抗体由来フラグメントとして定義されている。
【0044】
好ましい面により、本発明は、活性ワクチンとして使用することができ、本発明で開示した免疫原性ペプチドの少なくとも2つを含む免疫原性組成物を提供する。好ましくは、組成物は、これらのペプチドの少なくとも3つ、より好ましくは、これらのペプチドの少なくとも4つ、とりわけこれらのペプチドの少なくとも5つを含む。好ましくは、2つまたはそれ以上のペプチドの少なくとも1つは、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)からなる群より選択される。“C6”領域からの少なくとも1つのペプチドと“PRR”領域からの少なくとも1つのペプチドを組み合わせることもまた好ましい(例えば、表2に記載の通り)。具体的に好ましい組み合わせは、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)と、他のペプチドのいずれか、具体的には配列番号1、2、4および5のいずれかとの組み合わせである。p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)(または、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90))とp6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)との組み合わせ、およびp7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)とp7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)との組み合わせが、とりわけ好ましい。
【0045】
別の面において、本発明は、ハンチントン病の治療および/または予防におけるワクチンとして使用するための、HTTタンパク質の少なくとも1つのペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体血清を含む薬理学的組成物を提供する。
【0046】
本発明に関して、用語“医薬品(pharmaceutical preparation)”および“薬理学的組成物”は、互換的に用いられ、ヒト個体への送達を意図され、かつそれに適する組成物を意味する。かかる調製物または組成物は、GMP(適正製造規範)に従って製造され、EMAおよびFDAにより、とりわけEMAにより必要とされる前提条件に適合するように十分に滅菌およびパッケージングされている。
【0047】
本発明によれば、ポリクローナル抗体血清の抗体は、当業者に公知の技術、例えば、親和性クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0048】
薬理学的組成物は、ポリクローナル抗体がそれに(共有結合または非共有結合で)結合されるか、またはそれと複合体を形成し得る、薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含み得る。ポリクローナル抗体を含む医薬組成物は、少なくとも1つのさらなる治療剤をさらに含み得る。
【0049】
本発明によれば、ポリクローナル抗体血清の抗体は、例えば実施例8に示すように、HTTタンパク質、凝集したHTTまたはそのフラグメントのオプソニン化および食作用などの免疫グロブリンが介在するエフェクター機能をもたらすことが好ましい。これは、可溶形態、凝集形態またはフラグメント形態の野生型および変異型ハンチンチンのブロッキング/金属イオン封鎖機能と組み合わされた、オプソニン化、食作用、補体溶解またはNK細胞死滅エフェクター機能を可能にするように、特定の糖残基によりコードされるそのFc部分に適当なプロオプソニン化食作用活性を有する免疫グロブリンを必要とする。p6773またはp7543ワクチンに由来するモノクローナル抗体によって提供される食作用活性を示す実施例を提供する(実施例8)。
【0050】
本発明の別の好ましい態様において、該薬理学的組成物中に含まれるポリクローナル抗体血清は、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、p8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、p6763(CaMATLEKLMKAFESLKSFQ、配列番号25)、p6764(CaKLMKAFESLKSFQ、配列番号26)、p6765(CEEQQRQQQQQQQ、配列番号27)、p6768(QQQQQQPPPPPPPPaKKKC、配列番号28)、p7541(CSEIVLD、配列番号29)、p7552(CSSEIVLD、配列番号30)、p7562(CDSSEIVLD、配列番号31)、p7563(CSDSSEIVLD、配列番号32)、p7567(CEIVLD、配列番号33)、p7568(CIVLD、配列番号34)、p7605(CSEIVL、配列番号35)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p6776b(SEIVLDGTDNQYLC、配列番号38)、p7752(CAEIVLDGTDNQYL、配列番号39)、p7753(CSAIVLDGTDNQYL、配列番号40)、p7754(CSEAVLDGTDNQYL、配列番号41)、p7755(CSEIALDGTDNQYL、配列番号42)、p7756(CSEIVADGTDNQYL、配列番号43)、p7757(CSEIVLAGTDNQYL、配列番号44)、p7758(CSEIVLDATDNQYL、配列番号45)、p7745(CSEIVLDGADNQYL、配列番号46)、p7746(CSEIVLDGTANQYL、配列番号47)、p7747(CSEIVLDGTDAQYL、配列番号48)、p7748(CSEIVLDGTDNAYL、配列番号49)、p7749(CSEIVLDGTDNQAL、配列番号50)およびp7750(CSEIVLDGTDNQYA、配列番号51)、好ましくはp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、とりわけp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)からなる群より選択される少なくとも1つのペプチドに対して作られる。
【0051】
本発明の別の好ましい態様において、p6773(配列番号1)およびp6771(配列番号4)の少なくとも1つのペプチドに対して作製される、該薬理学的組成物中に含まれるポリクローナル抗体血清は、例えば実施例4に示す通り、免疫血清の詳細なエピトープ分析によって例示されるようにコアエピトープ領域を包含する。単一アミノ酸置換分析に基づき、コアエピトープは、例えば実施例4で説明する通り、試験した抗体による結合を失うことなくアラニンまたはほとんどの他のアミノ酸により置換され得ないアミノ酸位置を含む。
【0052】
あるいは、または組み合わせて、該薬理学的組成物中に含まれるポリクローナル抗体血清は、ペプチドp7543によって作製された血清の詳細なエピトープ分析によって示されるように、実施例4で提供されるコアエピトープ領域を包含するペプチドp7543(配列番号3)に対して作製する。アミノ酸置換分析に基づき、ペプチド位置は、例えば実施例4で説明した通り、対応する抗体によるエピトープ認識(少なくともコアエピトープ領域内)を改変することなく置換することができない。
【0053】
あるいは、または組み合わせて、該薬理学的組成物に含まれるポリクローナル抗体血清は、例えば実施例5、
図17に記載の通り、p7564由来のmAB M1D1のコアエピトープ領域を包含するペプチドp7564(配列番号2)に対して作製され得る。
【0054】
あるいは、または組み合わせて、該薬理学的組成物に含まれるポリクローナル抗体血清は、例えば実施例4、
図11に記載の通り、コアエピトープ領域を包含するペプチドp6776(配列番号36)に対して作製され得る。
【0055】
別の面によれば、本発明は、好ましくはハンチントン病の処置における使用、または該疾患の症状の発症を遅延させるための使用のための、HTTまたはその天然に存在するフラグメントに対するモノクローナル抗体に関する。本発明のモノクローナル(ならびに、ポリクローナル)抗体は、“単離された抗体”として提供される。“単離された”抗体は、その天然環境下の成分から分離されたものである。ある態様において、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)により決定されるように、95%以上または99%以上の純度である。モノクローナル抗体については、抗体をコードする核酸も利用可能である。従って、本発明は、そのような抗体をコードする単離された核酸も包含する。“単離された”核酸とは、その天然環境の成分から分離された核酸分子を意味する。単離された核酸には、通常、核酸分子を含む細胞に含まれる核酸分子が含まれるが、該核酸分子が、染色体外に存在するか、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在するものも含まれる。“抗HTT抗体にコードされる単離された核酸”は、単一ベクターまたは別個のベクター中にかかる核酸分子(複数可)を含む、抗体重鎖および軽鎖(またはそのフラグメント)をコードする1つまたは複数の核酸分子を意味し、そのような核酸分子(複数可)は、宿主細胞中の1つまたは複数の位置に存在する。
【0056】
本明細書で用いる用語“モノクローナル抗体”とは、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を意味し、すなわち、該集団に含まれる個々の抗体は、同一であり、かつ/または、例えば、天然に生じる変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の製造中に生じる、可能性のある変異体抗体(そのような変異体は、一般にわずかに存在する)を除いて、同一のエピトープに結合する。一般的に、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。従って、“モノクローナル”なる修飾語は、抗体の実質的に均一な抗体集団から得られるという該抗体の特徴を示し、何らかの特定の方法による抗体の産生を要すると解釈されるべきではない。例えば、本発明で用いるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージ−、酵母−または哺乳動物細胞−ディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法(そのような方法およびモノクローナル抗体を作製するための他の例示的方法は本明細書に記載されている)を含むが、これらに限定されない、種々の技術によって作製できる。
【0057】
別の面において、本発明はまた、ペプチドp6773(配列番号1)内に含まれる配列“LLPQP”を有するHTTタンパク質のエピトープ、とりわけコアエピトープLLPQP(配列番号77)に結合可能な結合ドメインを有するモノクローナル抗体“PRR13”を提供する。本発明により、本発明の試験で供された、この最小限のコアエピトープ、すなわちコアエピトープLLPQP(配列番号77)に対するmABが提供される。好ましい態様において、該モノクローナル抗体は、例えば実施例5に記載の通り、ペプチド配列GYSFTDFY(配列番号54)を含む重鎖可変領域CDR1、IDPKNGDT(配列番号55)を含む重鎖可変領域CDR2、ATYYGYTMDY(配列番号56)を含む重鎖可変領域CDR3、SSVTSSY(配列番号57)を含む軽鎖可変領域CDR1、STS(配列番号58)を含む軽鎖可変領域CDR2およびHQYRRPPRT(配列番号59)を含む軽鎖可変領域CDR3を含むモノクローナル抗体(例えば、PRR13)であることを特徴とする。
【0058】
CDRは、相補性決定領域であり、抗体の可変領域を表し、それにより抗体はその特異的エピトープに結合する。重鎖の種類と数は、それぞれ、抗体のクラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体を決定する。抗体は、ラムダまたはカッパ型であり得る2つの同一の軽鎖を含む。
【0059】
本発明によれば、モノクローナル抗体は、好ましくは、非ヒト抗体のCDRがヒト抗体フレームワークに導入され、それにより元のハイブリドーマに由来するマウス抗体の親和性および特異性が少なくとも維持され、かつヒトに対するT細胞およびB細胞の免疫原性が最小化されるように適合された改変抗体(ヒト化モノクローナル抗体)、二重特異性もしくはキメラモノクローナル抗体、Fc受容体を含むエフェクター機能または安定化機能を強化した抗体、またはエフェクター機能のためのカーゴ(cargo)もしくは診断マーカーを含む抗体である。本発明の抗体は、好ましくはヒト抗HTT抗体である。
【0060】
“ヒト抗体”は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生される抗体またはヒト抗体のレパートリーもしくは他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト供給源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、特に、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。“ヒトコンセンサスフレームワーク”は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において、最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般的に、配列のサブグループは、Kabat, E.A. et al, Sequences of Proteins of Immunoglobulin Interest, 5th ed., Bethesda MD (1991), NIH Publication 91−3242, Vols. 1−3に記載のようなサブグループである。一態様において、VLについて、サブグループは、前出のKabatらのサブグループκIである。一態様において、VHについて、サブグループは、前出のKabatらのサブグループIIIである。
【0061】
“ヒト化”抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基およびヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を意味する。“フレームワーク”または“FR”は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を意味する。可変ドメインのFRは、一般的に4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3およびFR4で構成されている。従って、HVRおよびFR配列は一般的に、VH(または、VL)において、次の順序で示される:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4。任意の態様において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、一般的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含んでいてよく、HVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全ては、非ヒト抗体のものに対応し、かつFRの全ておよび実質的に全ては、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、必要に応じて、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてよい。抗体の“ヒト化変異体”、例えば、非ヒト抗体は、ヒト化された抗体を意味する。好ましい一態様では、マウスHVRは、“ヒト化抗体”を調製するために、ヒト抗体のフレームワーク領域に移植される。マウス可変領域のアミノ酸配列は、ヒトの生殖細胞系抗体V遺伝子のコレクションに合わせて、配列同一性および相同性に基づいて選別される。アクセプター配列は、高い全体的な配列相同性および必要に応じて、アクセプター配列に既に存在する正しい天然の(canonical)残基に基づいて選択される。生殖細胞系のV遺伝子は、重鎖のHVR3の先頭までの領域、さらに軽鎖のHVR3の真ん中までのみをコードする。従って、生殖細胞系のV遺伝子の遺伝子は、Vドメイン全体に配置されているわけではない。ヒト化構築物は、ヒトフレームワーク1から3、マウスHVR、およびヒトJK4に由来するヒトフレームワーク4配列、ならびに軽鎖および重鎖のためのJH4配列をそれぞれ含む。1つの特定のアクセプター配列を選択する前に、ドナー抗体のいわゆる天然(canonical)ループ構造を決定することができる。これらの天然ループ構造は、いわゆる標準的な(canonical)位置に存在する残基の種類によって決定される。これらの位置は、HVR領域の外にあり(部分的に)、親(ドナー)抗体のHVRコンホメーションを保持するために、最終的な構築物を機能的に等価に保つ必要がある。WO2004/006955A1において、抗体をヒト化するための方法は、非ヒト成熟抗体中のHVRのカノニカル(canonical)HVR構造タイプを識別する工程;ヒト抗体可変領域用のペプチド配列ライブラリーを得る工程;該ライブラリーにおける可変領域のカノニカルHVR構造タイプを決定する工程;ならびに、カノニカルHVR構造が、非ヒトおよびヒト可変領域内の対応する位置の非ヒト抗体のカノニカルHVR構造タイプと同じであるヒト配列を選択する工程、を含むことが報告されている。まとめると、可能性のあるアクセプター配列は、全体的に高い相同性に基づいて選択され、要すれば、それに加えて、アクセプター配列に既に存在する正しい天然の残基の存在に基づいて選択される。ある場合に、単一のHVR移植は、非ヒト抗体の結合特異性の部分的な保持のみをもたらす。少なくとも幾つかの特定の非ヒトフレームワーク残基が、結合特異性を再構成するために必要であり、また、ヒトフレームワーク中にも移植されなければならない、すなわち、いわゆる“逆突然変異(back mutation)”が、非ヒトHVRの導入に加えて行われなければならないことが明らかになっている(例えば、Queen et al., PNAS 86 (1989), 10029−10033を参照のこと)。これらの特定のフレームワークアミノ酸残基は、FR−HVR相互作用に関与し、HVRの立体構造(ループ)を安定化する。ある場合には、より近似のヒト生殖細胞系配列を選択するために、フォワード変異もまた導入される。従って、“本発明の抗体のヒト化変異体”(それは、例えば、マウス由来のもの)は、VHおよびVLが上記の標準的技術によりヒト化されたマウス抗体配列に基づく抗体(HVR移植され、ならびに要すればその後に、フレームワーク領域およびHVR−H1、HVR−H2、HVR−L1またはHVR−L2中の任意のアミノ酸が変異され、一方で、HVR−H3およびHVR−L3は修飾されていない抗体を含む)を意味する。
【0062】
一般的に、マウス由来のヒト患者の処置に使用するのに適する抗体または他の厳選されたmABを開発するための技術は、十分に確立されている(Safdari et al 2013に記載)。従って、本明細書に記載の抗体は、このような検証技術、とりわけCDR移植に基づく方法(例えば、Kim & Hong Methods Mol Biol. 2012;907:237−45 [PMID: 22907355] または Whitelegg, N. & Rees, AR Antibody variable Regions: Towards a Unified modeling method. In: Methods in Molecular Biology, Biotechnology and Medicine, (Ed. Lo, B), 2004; 248:51−91に記載)、生殖細胞系ヒト化または“超ヒト化”(例えば、Pelat, T. Et al.,
Mini Rev Med Chem. 2009 Dec;9(14):1633−8を参照)、およびリサーフェイシング(resurfacing)(例えば、Mader and Kunert et al., Prot.Eng.Des.Selec. 2010, 23, 947−954に記載)を適用することにより、改善された抗体を提供するための方法を開発するために用いられる。
【0063】
本明細書で用いる“超可変領域”または“HVR”は、配列において超可変である抗体可変ドメイン領域(“相補性決定領域”または“CDR”)および/または構造的に定まったループを形成する領域(“超可変ループ”)および/または抗原接触残基を含む領域(“抗原と接触する領域”)を意味する。一般的に、抗体は、VHに3つ(H1、H2、H3)、そしてVLに3つ(L1、L2、L3)の、6つのHVRを含む。HVRの例は、本明細書に記載されている。
【0064】
本発明により、配列番号60から65のアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%)、98%)、99%)、または100%配列の同一性を有する、重鎖可変ドメイン(VH)配列および/または軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含む抗HTT抗体もまた提供される。任意の態様において、少なくとも90%>、91%>、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、対照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含むが、その配列を含む抗HTT抗体は、HTTに、とりわけ提示されるエピトープに結合する能力を保持している。任意の態様において、配列番号60から65において、合計1から10個のアミノ酸が、置換、挿入および/または欠失されている。任意の態様において、置換、挿入または欠失は、HVRの外側の領域(すなわち、FR)に生じる。
【0065】
本発明の抗HTT抗体の好ましい変異体は、
図27に記載されている(すなわち、変異体hPRR13−2から−16およびhC6−17−2から−16)。従って、H/Lフレームワーク中にアミノ酸置換を有する抗HTT抗体は、本発明に特に好ましい。さらに、これらの変異体の全ての組み合わせも特に好ましい。例えば、PRR抗体の重鎖について、1つのwt+3つの変異体が存在し、軽鎖についても、1つのwt+3つの変異体が存在する。これは、
図27の表に列記されるように4x4の変異体の可能性のある組み合わせを提供する。mAB huC6−17について、以下の組み合わせが好ましい:軽鎖:1つのwt+1つの変異体;重鎖:1つのwt+7つの変異体、合計16種の変異体。
【0066】
対照ポリペプチド配列に対する“アミノ酸配列の同一性パーセント(%)”は、配列を整列させ、必要であれば、最大の配列同一性パーセントを達成するために、ギャップを導入した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しないとした場合の、該対照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列のアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアライメントは、当技術分野の範囲内の種々の方法、例えば、公的に入手可能なコンピューターソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNもしくはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアまたはEMBOSSソフトウェアパッケージの“needle”ペアワイズ配列アライメントアプリケーションを使用することにより達成することができる。当業者であれば、配列をアラインするための適切なパラメーター(比較される配列の全長にわたって最大アライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む)を決定することができる。本発明の目的のために、しかしながら、アミノ酸配列の同一性パーセント(%)の値は、EMBOSSソフトウェアパッケージのコンピュータプログラム“needle”の配列アライメント(European Molecular Biology Laboratory; Rice et al., EMBOSS: the European Molecular Biology Open Software Suite, Trends Genet. 2000 Jun;16(6):276−7、PMID:10827456から入手可能)を用いて計算される。
【0067】
needleプログラムは、ウェブサイト
http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss needle/でアクセスすることができるが、
http://emboss.sourceforge.net/からEMBOSSパッケージの一部としてローカルインストール用にダウンロードできる。それは、多くの広く使用されているLinuxなどのUNIXオペレーティングシステム上で動作する。
【0068】
2つのタンパク質配列をアラインするために、needleプログラムは、好ましくは、以下のパラメーターを使用して実行される:
コマンドライン:needle −auto −stdout −asequence SEQUENCE_FILE_A −bsequence SEQUENCE_FILE_B −datafile EBLOSUM62 −gapopen 10.0 −gapextend 0.5 −endopen 10.0 −endextend 0.5 −aformat3 pair −sprotein1 −sprotein2(Align_format: pair Report_file: stdout)。
【0069】
所定のアミノ酸配列Aの、所定のアミノ酸配列Bに対するアミノ酸配列の同一性パーセント(%)(あるいは、所与のアミノ酸配列Bに対する、それとの、またはそれと比較して(to, with, or against)ある特定のアミノ酸配列の同一性パーセント(%)を有するか、または含む所定のアミノ酸配列Aと表現することもできる)は、以下のように計算される:
分率X/Y×100
(式中、Xは、配列アライメントプログラムneedleによって、そのプログラムによるAおよびBのアライメントにおいて完全な一致として採点されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bのア総ミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAのアミノ酸配列の同一性パーセント(%)は、Aに対するBのアミノ酸配列の同一性パーセント(%)と等しくならないことが認識される。特に別段の記載がない限り、本明細書に用いるアミノ酸配列の同一性パーセント(%)の値はすべて、すぐ前の段落に記載したように、ALIGN−2コンピュータプログラムを用いて得られる。
【0070】
任意の態様において、本発明で提供される抗体はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体が、例えば、US4,816,567A;および、Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851−6855)に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、または非ヒト哺乳動物、例えばサル由来の可変領域)およびヒト定常領域を含む。さらなる例において、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが、親抗体のものから変更されている“クラススイッチ”抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合フラグメントを含む。
【0071】
任意の態様において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。一般的に、非ヒト抗体は、親の非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低減するためにヒト化されている。一般的に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはその部分)が非ヒト抗体に由来し、そしてFR(またはその部分)がヒト抗体配列に由来する、1つまたは複数の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、場合によっては、ヒト定常領域の少なくとも一部を含み得る。ある態様において、ヒト化抗体のあるFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換されている。ヒト化抗体およびそれらを作製する方法は、例えば、WO2004/006955A1(カノニカル構造を介したアプローチ)に報告されている。
【0072】
任意の態様において、本発明で提供する抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の種々の技術を用いて作製することができる。ヒト抗体は、抗原暴露に応答して、ヒト可変領域を有する無傷のヒト抗体または無傷の抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することにより調製することができる。このような動物は、一般的に、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、または染色体外に存在するか、もしくは該動物の染色体に無作為に挿入されている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得る方法については、Lonberg, Nat. Biotech. 23 (2005) 1117−1125、XENOマウス(商標)技術を記載するUS6,075,181および6,150,584;HuMab(登録商標)技術を記載するUS5,770,429A;K−Mマウス(登録商標)技術を記載するUS7,041,870A、ならびにVelociマウス(登録商標)技術を記載するUS2007/0061900A1を参照のこと。かかる動物によって作製された無傷の抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、さらに修飾されてよい。
【0073】
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマベースの方法によって作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒトミエローマおよびマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株が記載されているヒトB細胞ハイブリドーマ技術により作製されたヒト抗体はまた、Li et al, PNAS 103(2006) 3557−3562に記載されている。さらなる方法は、例えば、US7,189,826(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載する)に記載のもの、またはトリオーマ技術によって作製されたものを含む。ヒト抗体はまた、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することにより作製され得る。その後、かかる可変ドメイン配列を、所望のヒト定常ドメインと組み合わせることができる。抗体ライブラリーからのヒト抗体の選択のための技術を以下に記載する。
【0074】
本発明の抗体はまた、1つまたは複数の所望の活性を有する抗体のためのコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、種々の方法が、ファージディスプレイライブラリーを作製し、所望の結合特性を有する抗体についてかかるライブラリーをスクリーニングするために、当技術分野において知られている。このような方法は、例えばFellouse, PNAS(2004) 12467−12472にさらに記載されている。
【0075】
特定のファージディスプレイ法では、VHおよびVL遺伝子のレパートリーを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別個にクローニングし、ファージライブラリー中に無作為に組み込み、その後、それを抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、典型的には、単鎖Fv(scFv)フラグメントまたはFabフラグメントのいずれかのような抗体フラグメントを提示する。免疫化された供給源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要がなく、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。あるいは、天然のレパートリー(例えば、ヒト由来)は、免疫化することなく、非自己およびまた自己抗原の広範囲に抗体の単一の供給源を提供するためにクローン化することができる。最後に、天然ライブラリーはまた、幹細胞から非再配列V遺伝子セグメントをクローニングし、高度に可変のCDR3領域をコードし、インビトロで再編成を達成するためにコードされるランダム配列を含むPCRプライマーを用いて、合成することができる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載するさらなる文献には、例えば、US5,750,373A、US2005/0079574A1、US2005/0119455A1、US2005/0266000A1、US2007/0117126A1、US2007/0160598A1、US2007/0237764A1、US2007/0292936A1、およびUS2009/0002360A1が含まれる。ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体フラグメントは、本明細書においてヒト抗体またはヒト抗体フラグメントとみなされる。
【0076】
任意の態様において、本明細書に記載の抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性は、少なくとも2つの異なる部位に結合特異的を有するモノクローナル抗体である。任意の態様において、結合特異性の1つは、HTTに対してであり、他方は、例えば、任意の他の抗原に対するものである。二重特異性抗体はまた、HTTを発現する細胞に細胞傷害剤を局在化するのに使用され得る。二重特異性抗体は完全長抗体または抗体フラグメントとして調製することができる。多重特異性抗体を作製するための技術としては、限定されるものではないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え共発現(WO93/08829A、US5,731,168A)を含む。多重特異性抗体はまた、抗体のFcヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果を操作することにより(WO2009/089004A);2つまたはそれ以上の抗体またはフラグメントを架橋することにより(例えば、US4,676,980A);ロイシンジッパーを用いて、二重特異性抗体を作製することにより;二重特異性抗体フラグメントを産生するための“二重特異性抗体”技術を用いることにより(例えば、Holliger et al, PNAS 90(1993) 6444−6448);および、単鎖Fv(sFv)二量体を用いて;および、三重特異性抗体を作製することによっても、作製することができる。“オクトパス抗体”を含む3つ以上の機能的抗原結合部位を有するように操作された抗体もまた、本発明に包含される(例えば、US2006/0025576A1)。本明細書で用いる抗体またはフラグメントにはまた、HTTに結合し、ならびに別の異なる抗原に結合する、抗原結合部位を含む“2重作用(Dual Acting)Fab”または“DAF”も含まれる(例えば、US2008/0069820A1を参照のこと)。本発明の抗体またはフラグメントにはまた、WO2009/080251A、WO2009/080252A、WO2009/080253A、WO2009/080254A、WO2010/112193A、WO2010/115589A、WO2010/136172A、WO2010/145792A、およびWO2010/145793Aに記載の多重特異性抗体も含まれる。
【0077】
任意の態様において、本明細書に記載の抗体のアミノ酸配列変異体が意図される。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適当な修飾を導入すること、またはペプチド合成により、製造することができる。かかる修飾には、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基の欠失、および/または挿入および/または置換が含まれる。欠失、挿入および置換の任意の組み合わせにより、最終構築物に到達することができ、最終的な構築物は、所望の特徴、例えば抗原結合特性を有する。
【0078】
任意の態様において、1つまたはそれ以上のアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異誘発のための目的の部位には、HVRおよびFRが含まれる。保存的置換は、“好ましい置換”の見出しを付した、以下の表に示される。より実質的な変化は、アミノ酸側鎖クラスを参照して以下に提供される。アミノ酸置換は、目的の抗体に導入されてよく、製品は、所望の活性、例えば保持された/改善された抗原結合性、低減された免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCついてスクリーニングされた。
【0080】
アミノ酸は、共通の側鎖特性に応じてグループ分けすることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gin;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
(6)芳香族性:Trp、Tyr、Phe。
【0081】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスに交換することを必要とする。置換変異体の一種は、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基の置換を含む。一般的には、さらなる試験のために得られた変異体(複数可)は、親抗体と比較し、特定の生物学的特性(例えば、増大した親和性、免疫原性の低下)における修飾(例えば、改善)を有しており、および/または実質的に親抗体の特定の生物学的特性を保持しているであろう。例示的な置換変異体は、例えば、本明細書に記載のものなどのファージディスプレイベースの親和性成熟技術を用いて、都合よく作製され得る、親和性成熟抗体である。簡潔には、1つ以上のHVR残基を変異させ、変異体抗体は、ファージ上に提示され、特定の生物学的活性(例えば結合親和性)についてスクリーニングされる。改変(例えば、置換)は、例えば、抗体の親和性を向上させるために、HVRにおいて行われてもよい。このような改変は、HVR“ホットスポット”中、すなわち、体細胞成熟過程中に高頻度で突然変異を受けるコドンによってコードされた残基、および/またはSDR(−CDR)に行われ得て、結果として生じた変異体VHまたはVLの結合親和性が試験される。親和性成熟は、二次ライブラリーから構築し、再選択することによって行われる。親和性成熟のいくつかの態様では、多様性は、種々の方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、またはオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)のいずれかによって成熟のために選択された可変遺伝子に導入される。その後、二次ライブラリーが作成される。ライブラリーは、その後、所望の親和性を有する任意の抗体変異体を同定するためにスクリーニングされる。多様性を導入する別の方法は、いくつかのHVR残基が(例えば、一度に4−6残基)が無作為化されたHVR指向のアプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発またはモデリングを用いて、特に同定することができる。特に、CDR−H3およびCDR−L3は、標的とされることが多い。
【0082】
任意の態様において、置換、挿入または欠失は、そのような改変が、実質的に抗原に結合する抗体の能力を低下させない限り、1つまたは複数のHVR内に存在してよい。例えば、実質的に結合親和性を低下させない保存的改変(例えば、本明細書で提供される、保存的置換)が、HVRに存在してよい。このような改変は、HVRの“ホットスポット”またはSDR外であり得る。上記の変異体VHおよびVL配列の特定の態様では、各HVRのいずれかは改変されていないか、または1個、2個もしくは3個以下のアミノ酸置換を含む。突然変異誘発のために標的とすることができる抗体の残基または領域の同定のための有用な方法は、“アラニンスキャニング突然変異”と呼ばれる。この方法では、標的残基(例えば、Arg、Asp、His、LysおよびGluなどの荷電残基)の残基または群を同定し、中性アミノ酸または負荷電アミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)によって置換して、抗原と抗体の相互作用が影響を受けるかどうかを決定する。さらなる置換は、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入することができる。あるいは、またはさらに、抗原−抗体複合体の結晶構造は、抗体と抗原との間の接触点を同定する。このような接触残基および隣接残基は、置換の候補として標的化または除去することができる。変異体は、それらが所望の特性を含むかどうかを決定するためにスクリーニングされ得る。アミノ酸配列挿入には、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の1残基から100以上の残基を含むポリペプチドの長さの範囲の融合体、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入変異体には、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPTのための)またはポリペプチドに対する抗体のN末端またはC末端への融合が含まれる。
【0083】
ハンチンチンのPRR(プロリンに富む領域)部位は、タンパク質のポリQ配列の近隣に位置している。PRR領域がハンチンチンタンパク質と機能的に関連することが文献から公知である(Modregger et al 2002)。細胞内ハンチンチンのPRR領域を標的とする組み換えscFvライブラリーに由来する細胞内抗体(intrabody)は、HTTタンパク質の変異型の細胞内ターンオーバーを選択的に増加させることにより、ハンチントン病の動物モデルにおいて有益であることが示されている(Southwell et al., 2011)。PRR領域に隣接するポリプロリンストレッチを認識するモノクローナル抗体は、プローブとして既報である(Ko et al. 2001による、mAB MW7)が、ヒトプロテオーム内のハンチンチンに対してユニークではなく、ポリプロリンストレッチからなるそのエピトープの低複雑度(low complexity)であるため、ハンチントン病における治療上の使用は検討されておらず、また実証されてもいない。より一般的には、抗体またはワクチンによるハンチンチンの能動的または受動的標的化は、ハンチンチンが細胞内標的にのみ適した細胞内標的と見なされていたため、これまでは考慮されてこなかった。5以上の連続するプロリンを有するエピトープに結合するモノクローナル抗体MW7(Ko et al., 2001)とは対照的に、本発明のmAB PRR13は、複雑なエピトープを有し、例えば実施例5に示す通り、p6773上に含まれるそのコアエピトープに特異的かつ選択的に結合する。
【0084】
本発明によれば、ハンチントン病の予防および/または処置に用いる医薬組成物におけるモノクローナル抗体の使用がとりわけ好ましい。本発明によれば、モノクローナル抗体を含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含んでいてよい。さらに、本発明のモノクローナル抗体を含む医薬組成物は、治療剤をさらに含んでいてよいか、または治療剤と物理的に結合されていてよい。このような医薬組成物はまた、アジュバント、好ましくは水酸化アルミニウム共に製剤化されてもよい。
【0085】
別の態様において、本発明は、例えば実施例4に示す通り、p7543の配列(配列番号3)または好ましくはC6−17のコアエピトープを有するHTTタンパク質ンペプチドに結合可能な結合ドメインを有するモノクローナル抗体を提供する。好ましい態様において、該モノクローナル抗体は、例えば実施例5に示す通り、GYTFTEYT(配列番号66)を含む重鎖可変領域CDR1、INPNNGGT(配列番号67)を含む重鎖可変領域CDR2、ASLDGRDY(配列番号68)を含む重鎖可変領域CDR3、QSLLNSRTRKNY(配列番号69)を含む軽鎖可変領域CDR1、WAS(配列番号70)を含む軽鎖可変領域CDR2およびKQSYNLLT(配列番号71)を含む軽鎖可変領域CDR3、を含むモノクローナル抗体(例えば、C6−17)であることを特徴とする。
【0086】
本発明により、カスパーゼ領域586は、カスパーゼ6およびカスパーゼ2、8または10などの他のプロテアーゼによるプロテアーゼ切断に感受性であるハンチンチンタンパク質の位置586で、これまでに定義されたカスパーゼ切断部位の周囲のHTTタンパク質上の領域と称される(Wong et al. 2014)。この領域内のプロテアーゼ切断の病因的役割は、Grahamら(2006年)により既報であり、結果として生じたハンチンチンフラグメントの予防または低減が有益であると認識されている。本発明において、例えば実施例1および7に示す通り、この領域に由来する特定のペプチドが、同じ領域に由来する隣接ペプチドよりもハンチンチンに対して予想外に強力にアクセス可能な抗体を誘導できることが実証されている。これらのペプチドにより作製された抗体は、まだ同定されていないエピトープをマスキンし、それによってプロテアーゼ切断を防止することができる。従って、実施例7によるカスパーゼ領域586由来の切断阻害抗体は、部位特異的プロテアーゼ切断阻害剤としても定義される。
【0087】
さらに別の態様において、本発明は、好ましくはハンチントン病の処置における使用のための、例えば実施例5、
図17に示す通り、p7564の配列(配列番号2)または好ましくはM1D1のエピトープを有するHTTタンパク質のペプチドに結合可能な結合ドメインを有するモノクローナル抗体を提供する。好ましい態様において、該モノクローナル抗体は、例えば実施例5に記載の、モノクローナル抗体(例えば、M1D1)であることを特徴とし、それは、GFTFNTYA(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR1、IRSKSNNYAT(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR2、VRHGEYGNPWFAY(配列番号74)を含む重鎖可変領域CDR3、QSLVHSNGNTY(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR1、KVS(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR2およびSQSTHVPYT(配列番号77)を含む軽鎖可変領域CDR3、を含む。
【0088】
ヒトプロテオーム内に高頻度で発生するペプチド
583IVLD
586に由来する従来技術のモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体(Warby et al., 2008)とは対照的に、抗体M1D1は、例えば実施例4、
図12および実施例5、
図17に示す通り、カスパーゼにより切断されたハンチンチンタンパク質に対して高い特異性を提供することにより、ヒトRefSeqタンパク質データベース内でユニークである、遊離C末端アスパラギン酸を含むハンチンチン由来配列SSEIVLDからなるコアエピトープを認識する。Warbyらの抗体とは対照的に、本発明の抗体はより特異的である。それはまた、“IVLD”とは異なるコアエピトープを有する(実施例1、
図3参照)。この高い特異性はまた、“IVLD”(Warbyによる)が、ヒトプロテオーム内で数100回生じるが、一方、M1D1エピトープは、BLAST−RefSeq分析によりたった1回のみであるという事実による。本発明で提供されるM1D1は、ユニークなCDRのアイソタイプIgMとは異なるクローンである。
【0089】
好ましい態様により、本発明の抗体は、以下のVHおよびVLアミノ酸配列を含む:
>C6−17 VHコンセンサス アミノ酸配列:
MGWSCIMLFLLSGTAGVLSEVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGKSLEWIGGINPNNGGTRYNQKFKGKATLTVDRSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCASLDGRDYWGQGTTLTVSSAKTTAPSVFPLA(配列番号60)
> C6−17 VLコンセンサス アミノ酸配列:
MVLMLLLLWVSGTCGDIVMSQSPSSLAVSAGEKVTMSCKSSQSLLNSRTRKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYSCKQSYNLLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPK(配列番号61)。
【0090】
好ましい態様により、本発明の抗体は、以下のVHおよびVLアミノ酸配列を含む:
>PRR13 VHコンセンサス アミノ酸配列:
MGWSWVMLFLLSGTGGVLSEVQLQQSAPELVKPGASVKMSCKASGYSFTDFYMKWVKQSHGKGLEWIGDIDPKNGDTFYNQKFKGRATLTVDKSSSTAYMQLNSLTTEDSAVYYCATYYGYTMDYWGQGTSVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYF(配列番号62)
>PRR13 VLコンセンサス アミノ酸配列:
MDFQVQIFSFLLISASVIMSRGQIVLTQSPAIMSASLGERVTMTCTASSSVTSSYLHWYQQKPGSSPKLWIYSTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCHQYRRPPRTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPR(配列番号63)。
【0091】
好ましい態様により、本発明の抗体は、以下のVHおよびVLアミノ酸配列を含む:
>M1D1 VHコンセンサス アミノ酸配列:
MDFGLSWVFFVVFYQGVHCEVQLVESGGGLVQPKGSLKLSCAASGFTFNTYAMNWVRQAPGKGLEWVARIRSKSNNYATYYADSVKDRFTISRDDSQSMLYLQMNNLKTEDTAMYYCVRHGEYGNPWFAYWGQGTLVTVSAESQSFPNVFPL(配列番号64)
>M1D1 VLコンセンサス アミノ酸配列:
MKLPVRLLVLMFWIPASSSDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPYTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPK(配列番号65)。
【0092】
好ましい態様により、本発明の抗体は、ヒト化抗体、とりわけ以下のVHおよびVLアミノ酸配列を含む抗体である:
> hPRR13 VL(重鎖可変領域):
EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCTASSSVTSSYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCHQYRRPPRTFGGGTKLEIKR(配列番号95)
> hPRR13 VH(重鎖可変領域):
EVQLVESGPEVKKPGATVKISCKVSGYTFTDFYMKWVQQAPGRGLEWMGDIDPKNGDTFYNQKFKGRVTMTADTSTGTAYMQLSSLTSEDTAVYFCASYYGYTMDYWGQGTTVTVAS(配列番号96)
> hC6−17 VL(軽鎖可変領域):
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSRTRKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCKQSYNLLTFGGGTKLEIK(配列番号97)
> hC6−17 VH(重鎖可変領域):
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTEYTMHWVRQAPGRGLEWMGGINPNNGGTRYNQKFKGRVTMTRDTSIRTAYVELSRLTSDDTAVYYCASLDGRDYWGQGTLVTVSS](配列番号98)。
【0093】
本発明の抗体はまた、例えばグリコシル化の修飾または他の修飾などにより、例えば改善されたオプソニン食作用活性を提供するのに適している、抗体薬物複合体(すなわち、例えばmABの食作用特性を増強する活性を提供する分子に結合された複合体)として提供されてよい。従って、本明細書で用いる用語“抗体”は、HTT、とりわけHTTの特定のエピトープ(または、その天然に存在するフラグメント)に特異的な抗体を意味する。本発明はまた、本明細書に記載されるHTTまたはHTTエピトープに対する結合能を有するHTT結合タンパク質、例えば足場(scaffold)抗原結合タンパク質にも関する。足場抗原結合タンパク質は、当技術分野で公知であり、例えば、フィブロネクチンであり、設計されたアンキリン反復タンパク質(DARPin)は、抗原結合ドメインのための代替的足場として使用されている。一態様において、足場HTT結合タンパク質は、CTLA−4(Evibody);リポカリン;プロテインAのZドメインのようなプロテインAに由来する分子(Affibody, SpA)、A−ドメイン(Avimer/Maxibody);GroEIおよびGroESなどのヒートショックプロテイン;トランスフェリン(トランスボディー);アンキリン反復タンパク質(DARPin);ペプチドアプタマー;C型レクチンドメイン(テトラネクチン);ヒトγ−クリスタリンおよびヒトユビキチン(アフィリン);PDZドメイン;ヒトプロテアーゼ阻害剤のスコーピオントキシンクニッツ型ドメイン(scorpion toxinkunitz type domain);ならびに、フィブロネクチン(アドネクチン)からなる群より選択され;それらは、天然リガンド以外のリガンドへの結合を可能にするために、タンパク質工学に付されている。
【0094】
本発明の抗体は、他のmAB投薬レジメンから公知であるか、または所与の個体について具体的に評価され最適化された、任意の好適な投与量で投与され得る。例えば、本発明のmABは、1mgから10g、好ましくは50mgから2g、特に100mgから1gの量で投与量形態として提供され得る(または、その投与量で適用される)。通常の投与量はまた、患者の体重1kg当たりに基づいて決定することができ、例えば、好ましい投与量は、体重1kg当たり、0.1mgから100mg、とりわけ1から10mg(投与期間あたり)の範囲である。
【0095】
特に好ましい二重特異性抗体は、本明細書で定義されるように、2以上のHTTエピトープ、とりわけPRRドメインおよびカスパーゼ領域586ドメインの両方に対する結合領域を含む。
【0096】
別の面において、本発明は、切断されたハンチンチンまたはそのフラグメントまたはそれに由来するペプチド 対 切断されていないハンチンチンまたはそのフラグメントまたはそれに由来するペプチドの検出に基づく薬物スクリーニング用プローブとしての使用のためのモノクローナル抗体を提供する。原則として、M1D1は、p7605とは対照的にペプチドp7564を検出することができ(それぞれ、実施例5、
図16および17に示す通り)、それ故に、ハンチンチンタンパク質のこの領域の関連アスパラギン酸部位586でプロテアーゼ活性を定量する手段を提供する。
【0097】
切断されたHTT 対 切断されていないHTTの分別検出を可能にする薬剤スクリーニングのためのプローブとして本発明により開示されるmAB M1D1を用いることが、とりわけ好ましい。本発明による、例えば実施例10で提供されるカスパーゼ6切断アッセイに基づき、ハンチンチンのカスパーゼ領域586に特異的に結合するABまたは他の阻害分子をスクリーニングすることが可能であり(
図18に例示されるように)、それにより、一般的にこの部位に対するプロテアーゼ(すなわち、この位置(aa586)にアクセス可能なプロテアーゼ、すなわち、この位置(かつ、HTTタンパク質の他の部位ではない)を標的とするプロテアーゼ)のアクセスを阻害する。このアッセイにおいて、M1D1は、アスパラギン酸(位置586)で酵素的に切断されたか、または実施例のように切断阻害剤によって切断から保護された、ハンチンチンとそのフラグメントとを区別するためのプローブとして用いられる。例えば、本発明の実施例に記載のカスパーゼ切断阻害アッセイにおいて、C6−17(およびいくつかのポリクローナル抗体−
図19に示す通り)は、プロトタイプの阻害剤である。かかるアッセイまたはスクリーニング法におけるC6−17(または、その誘導体、とりわけ細胞内誘導体)のこの機能的阻害活性の使用は、本発明の対象である。例えば、カスパーゼ6阻害剤のスクリーニングにおいて、M1D1は、プローブであってよく、C6−17は、プロトタイプの阻害剤であり得る。
【0098】
ハンチンチンタンパク質のこの領域でのカスパーゼ切断阻害のためのプロトタイプの阻害剤として、すなわち、実施例7に示す通り、阻害剤スクリーニングアッセイのベンチマーク目的のための陽性対照阻害剤として、または例えば実施例7に示す通り、ハンチンチンのカスパーゼ切断586領域に特異的な、抗体誘導型の形態における切断阻害剤の誘導体化のための基礎として、mAB C6−17を使用することがとりわけ好ましい。
【0099】
さらに別の態様において、本発明は、以下の工程を含む、哺乳動物におけるハンチントン病のインビトロでの診断法を提供する:ハンチントン病を診断するため、疾患の進行をモニターするため、あるいは、該サンプル中のHTTレベルまたは酵素的に切断されたHTTが、健常個体またはハンチントン病により遺伝的な影響を受けない個体の対照サンプルと比較して増加する場合、バイオマーカーとしてHTTを使用するために、本発明の抗体、とりわけ抗体PRR13、M1D1およびC6−17を用いて、哺乳動物のサンプル中の遊離の、凝集した、複合体化したまたはフラグメント化したHTTのレベルを決定する工程。本発明の過程においては、ハンチントン病の病変もまた、血漿および他の体液および組織材料中に存在するHTTの(低い)量と相関することが示された。このような(低い)HTTレベルの変化の決定は、本発明の抗体を用いて可能であることが判明したが、もちろん、HTTレベルの変化を疾患および疾患状態に相関させることは、本発明の開示後の他の技術においても可能となっている。従って、本発明のツールを用いて疾患の診断が可能となったたけでなく、疾患の処置をモニターすることも可能となった。
【0100】
従って、本発明は、以下の工程を含む、哺乳動物におけるハンチントン病のインビトロでの診断のための方法を提供する:
− 抗体PRR13、M1D1またはC6−17を単独で、または組み合わせて用いて、哺乳動物のサンプル中の野生型または変異型ハンチンチンまたはそのフラグメントのレベルを決定する工程;
− 該サンプル中の野生型または変異型ハンチンチンのレベルが、ハンチントン病に遺伝的に影響を受けない健康な個体の対照サンプルと比較して増加する場合、ハンチントン病と診断する工程;
− そして、必要に応じて、とりわけハンチンチンを低下する療法の過程において、好ましくは能動的または受動的ワクチン接種から選択される、顕在化前および顕性のハンチントン病患者のサンプル中のハンチンチンを低減する治療戦略の効果をモニタリングする工程。
【0101】
本発明により、サンプル中の変異型HTTレベルの決定は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合免疫アッセイ(EIA)、樹脂およびビーズなどの他の表面および担体上の免疫沈降法、質量分析、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのアッセイ、ウェスタンブロット、またはFRETベースのアッセイもしくは好適な造影法(例えば、PET、SPECT)などの免疫組織化学分析および免疫蛍光ベースの分析ならびにフローサイトメトリーまたは当業者に公知の任意の他の技術などの免疫沈降アッセイまたは捕捉ベースのアッセイを主に伴う。本発明のmAbに加えて、他のHTT抗体(例えば、先行技術において既に報告されているもの)もまた、そのような診断アッセイに組み込むことができる。
【0102】
本発明により、サンプルは、好ましくは、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、尿、唾液、汗もしくは涙液、または他の体液もしくは組織抽出物および細胞抽出物、とりわけ、そこで(変異型)ハンチンチン発現および構造が変化する、脳組織、筋肉組織および血液由来細胞から得られる。
【0103】
本発明により、哺乳動物としては、ヒトが特に好ましい。
【0104】
さらに、本発明は、以下の工程を含む、哺乳動物における能動的または受動的ワクチン接種を表すような、ハンチントン病のステージまたはハンチンチンを標的とする新しい治療の効果をインビトロで決定するための方法を提供する:
− 抗体PRR13、M1D1またはC6−17を単独で、または組み合わせて用いて、哺乳動物のサンプル中の野生型または変異型ハンチンチンまたはそのフラグメントのレベルを決定する工程(これらの抗体は、ハンチンチンタンパク質またはそのフラグメントを捕捉し、検出するために、次いで、生化学的手段、質量分析または他の分析法による検出のために、単独で、または組み合わせて用いられ得る);そして
−ハンチントン病のステージを決定する工程。
【0105】
かかる決定は、所定の患者におけるHTTレベルによっても可能である:これは、所定の患者のHTTレベル(の変化)を経時的に比較すること(同じ個体における相対的決定)により疾患の進行をモニターするために使用することができるだけでなく、疾患ステージの初期診断(患者のコホートと既知の疾患状態を有する患者のコホートとの相関の絶対的決定)にも使用できる。“HTTレベルの変化”は、−少なくとも長期に亘る処置における−例えば、本発明により処置された患者の血漿HTTレベルが下がる(例えば、
図9に示す通り)ような、HTTレベルの低下であり得る。しかしながら、一部の患者またはある疾患ステージにおいて、処置の開始時での、HTTレベルの増加が生じ得る可能性もある。それにもかかわらず、これは、例えば抗体が、血漿中のタンパク質を逆説的に安定化させることができるが、同時にその病理学的活性を阻止するため、処置の成功の指標でもある。この場合、HTTに対するABが投与されているが、標的化血漿HTTの逆説的な初期増加が観察され得る。この現象は、例えば、抗IgE処置後の逆説的なIgEの増加に見られた。別の例は、安定化によって予想外の増加またはその成長促進作用をもたらす成長ホルモンに対する抗体である。
【0106】
さらに、本発明は、以下の工程を含む、哺乳動物において、ハンチントン病の進行をモニターするため、またはハンチントン病の治療の有効性をモニターするための方法を提供する:
− 本発明のPRR13、M1D1およびC6−17を用いて、哺乳動物のサンプルにおける変異型HTTレベルを決定する工程、および
− 変異型HTTの得られたレベルを、変異型HTTレベルの最初の測定で、好ましくは疾患関連症状の診断時の測定で得られた変異型HTTのレベルと比較することにより、ハンチントン病の進行またはハンチントン病の処置の効果を決定する工程であって、ここで、HTTレベルの変化(“変化”とは、通常、上記で説明する通り、少なくとも長期的なHTTレベルの低下である。)は、治療の成功の指標であり、好ましくは治療の予後目標および調整のために使用される指標である。
【0107】
また、この方法は、本発明において抗HTTワクチンの効果が初めて示されたため、本発明により可能になっている。これらのインビトロスタッギング/モニタリング法においてもまた、本発明のmAbに加えて、他のHTT抗体(例えば、先行技術において既に報告されているもの)もまた、そのようなアッセイに組み込むことができる。
【0108】
本発明のこれらの方法において、“健常”と“病的”HTT(すなわち、“野生型”または“変異型”HTT)とを区別することは重要ではない。これは、これらの2つの形態を区別できない(また、両形態に結合する)抗体は、HTTレベルを決定するために使用することができ、一般的にこれらの方法において好ましいことを意味する。
【0109】
別の態様において、本発明は、ハンチントン病の予防または処置のための医薬の製造のための、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、p8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、p6763(CaMATLEKLMKAFESLKSFQ、配列番号25)、p6764(CaKLMKAFESLKSFQ、配列番号26)、p6765(CEEQQRQQQQQQQ、配列番号27)、p6768(QQQQQQPPPPPPPPaKKKC、配列番号28)、p7541(CSEIVLD、配列番号29)、p7552(CSSEIVLD、配列番号30)、p7562(CDSSEIVLD、配列番号31)、p7563(CSDSSEIVLD、配列番号32)、p7567(CEIVLD、配列番号33)、p7568(CIVLD、配列番号34)、p7605(CSEIVL、配列番号35)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p6776b(SEIVLDGTDNQYLC、配列番号38)、p7752(CAEIVLDGTDNQYL、配列番号39)、p7753(CSAIVLDGTDNQYL、配列番号40)、p7754(CSEAVLDGTDNQYL、配列番号41)、p7755(CSEIALDGTDNQYL、配列番号42)、p7756(CSEIVADGTDNQYL、配列番号43)、p7757(CSEIVLAGTDNQYL、配列番号44)、p7758(CSEIVLDATDNQYL、配列番号45)、p7745(CSEIVLDGADNQYL、配列番号46)、p7746(CSEIVLDGTANQYL、配列番号47)、p7747(CSEIVLDGTDAQYL、配列番号48)、p7748(CSEIVLDGTDNAYL、配列番号49)、p7749(CSEIVLDGTDNQAL、配列番号50)、p7750(CSEIVLDGTDNQYA、配列番号51)、好ましくはp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、とりわけp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)からなる群より選択されるハンチンチンのカスパーゼ領域586または別のHTT領域の少なくとも1つの免疫原性ペプチドの使用を提供する。
【0110】
好ましくは、これらのペプチドは、少なくとも7アミノ酸長であり、好ましい長さは、16アミノ酸残基まで、好ましくは14アミノ酸残基まで、または20アミノ酸残基(例えば、7または8から20、7または8から16など)であり得る。従って、本発明のペプチドは、7から30個のアミノ酸残基、好ましくは7から20個のアミノ酸残基、より好ましくは7から16個のアミノ酸残基、最も好ましくは8個のアミノ酸残基を含む。しかしながら、本発明により、より長いペプチドもまた、抗HTT抗体により誘導される抗原として用いられてもよい。
【0111】
好ましい態様において、本発明は、上記で定義したハンチンチンのカスパーゼ領域586の少なくとも1つの免疫原性ペプチドを含む、ハンチントン病の予防および/または処置における使用のためのペプチドベースのワクチンに関する。
【0112】
免疫原性ペプチドは、単離された(ペプチド)形態でワクチン中に提供され得るか、または医薬担体物質またはポリペプチド、脂質または炭水化物構造、とりわけペプチドリンカーまたはタンパク質担体などの他の分子に(共有結合または非共有結合で)結合されているか、もしくはそれと複合体を形成し得る。さらに、ペプチドリンカーまたはタンパク質担体は、T細胞ヘルパーエピトープから構成されるか、またはそれを含み得る。
【0113】
別の面において、本発明は、上記で特定されたハンチンチンのカスパーゼ領域586の免疫原性ペプチドに関し、ここで、該ペプチドは、例えば実施例7に示される通り、特定のハンチンチンカスパーゼ領域586切断阻害剤の作製または同定のために使用される。本発明により、かかる特定のハンチンチンカスパーゼ領域586切断阻害剤は、抗体および抗血清およびscFv、Fab、Fd、Fab’、F(ab’)2、scFAB、細胞内抗体(イントラボディー)またはFv、または任意の他の形態、とりわけ本明細書に記載の好ましい形態のいずれかなどのそれらに由来する構造体と定義される。
【0114】
本発明の特に好ましい態様において、ハンチンチン(HTT)のカスパーゼ領域586を標的とする抗体または抗原結合分子は、例えば実施例2および3に示される通り、上記のハンチンチンのカスパーゼ領域586の少なくとも1つの免疫原性ペプチドまたは組合せを含む上記の特定のペプチドベースのワクチンを用いる免疫化により作製される。
【0115】
本発明により、かかる抗体または抗原結合分子は、ハンチントン病の予防および/または処置において使用される薬理学的組成物に主に使用される。
【0116】
本発明は、以下の実施例および図面にさらに開示されているが、それらに限定されることはない。
【実施例】
【0139】
実施例
実施例1:ハンチンチンのN末端を標的とする候補ワクチンペプチドの同定
ワクチンおよび動物の免疫化
ワクチンペプチドを、システインを介したペプチドカップリングのための標準的な推奨手順に従って、アミン−スルフヒドリル架橋リンカーとしてGMBS(Thermo/Pierce、カタログ番号22309)を用いてKLH担体に結合させた。結合ペプチドを、注射当たり、200μl容量中に30μgの結合したペプチドを用いて、水酸化アルミニウムゲルアジュバント(1μg/mlの終濃度;アルヒドロゲル;Brenntag、カタログ番号21645−51−2)を用いて製剤した。免疫化は、一般的に、メスのBALB/cマウスに上記の製剤を用いて行った(一般的に、1群当たり5匹のマウス、10週齢)。対照群は、非結合KLHおよび/またはPBSおよびアジュバントのみを用いて免疫化した。動物を、2週間の一定の間隔で3〜6回ワクチン接種し、血漿または血清を、各接種(boost)の一日前および最後の採血にて採取した。
【0140】
ペプチドELISA.
マウスにおけるワクチンにより誘発される免疫応答を、抗凝固剤としてヘパリンを用いてELISAにより決定した。ELISAプレート(Nunc Maxisorb)を、システイン含有ペプチドが安定なチオエーテル結合により結合された担体としてマレイミド活性化されたBSAでコーティングした。滴定のために、血漿希釈液を添加し、ペプチド特異的抗体を、ストレプトアビジン−POD(Roche、カタログ番号1089153)と組み合わせた検出抗体としてビオチン化抗マウスIgG(Southern Biotech、カタログ番号1034−08)によって定量化し、次いで、ABTSを用いて色素反応させた。EC50値を、GraphPad Prism(GraphPad Software)を用いて4パラメータロジスティック曲線近似を用いて決定した。
【0141】
N末端ハンチンチンフラグメントrecHTT610を含む細胞抽出物の作製
2つのC末端V5タグにより伸長されたヒトハンチンチンタンパク質のN末端610アミノ酸のコーディング領域を含むDNAを合成し、XbaIおよびBamHI制限部位により真核発現ベクターpCDH−EF1−MCS IRES Puro(SBI;カタログ番号CD532A1)中にクローニングして、プラスミドprecHTT610を得た。クローニング法は、制限消化およびライゲーション反応(NEBクイックリガーゼキット;カタログ番号M2200L)、細菌の形質転換、その後のクローン選択および分析を含んで、製造者により示される通り、本質的に、標準的な分子生物学的手順に従って行った。アガロースゲルからのDNAフラグメント調製物を、標準的なDNA精製キット(Quiagen;カタログ番号27106)を用いて行った。HEK293フリースタイル細胞(Invitrogen;カタログ番号R790−07)を、製造者により示される通りに培地中で培養し、precHTT610(または、対照として空のベクター)をMAXreagent(Invitrogen;カタログ番号16447−100)およびOptimem(Gibco;カタログ番号31985)を用いて一過的にトランスフェクトした。トランスフェクションの24−48時間後に、NP−40抽出バッファー(150mM NaCl、1% NP−40、50mM Tris pH8)を用いて細胞溶解して、HEK細胞溶解物を得て、アリコートに分け、−80℃で貯蔵した。タンパク質濃度を、Qubit(Invitrogen;カタログ番号Q32866)を製造業者の指示書に従って用いて測定した。
【0142】
タンパク質捕捉ELISAによるハンチンチンの検出
N末端フラグメントHTT610への抗体の結合を、50μlの1:5000希釈したウサギ抗V5 mAB(Sigma、カタログ番号V8137)でコーティングしたMaxisorb(商標)ELISAプレート(Thermo;カタログ番号439454)を用いて、、ブロッキングバッファー(PBS、1%BSA、0.1%Tween 20)でブロッキングし、マウス抗HTT血清のいくつかの希釈液(1:100;1:300および1:900)または対照としてmAB2166(1:2000希釈;Millipore、カタログ番号MAB2166)と共に室温にて1時間インキュベート後に、HEK細胞抽出物からの組み換えハンチンチン(100ng/μl総タンパク質)を捕捉して、標準的タンパク質捕捉ELISA法により決定した。ELISAインキュベーション、洗浄および検出法を、標準的な手順に従って行った。
【0143】
血漿からの抗体の親和的精製
ヨードアセチル活性化磁気ビーズ(BcMag(商標);Biocloneカタログ番号FG−102)を、製造業者のプロトコルに従ってシステイン含有ペプチドと結合させた。室温で2時間血漿/mABをインキュベーション後、ビーズを高塩緩衝液(350mMの最終NaCl濃度に添加された、PBS、0,2% トライトンX−100)で洗浄し、結合抗体を酸溶出により回収した(100mM グリシン;pH2,8で、4溶出工程)。75mM HEPES pH8の終濃度で中和したのち、抗体を、100μl容量のSpin−X UF500チューブ(Corning、カタログ番号CLS431478)に濃縮し、タンパク質濃度を、タンパク質抽出物について記載の通りに測定した。
【0144】
結果:
ハンチンチンペプチドでワクチン接種したマウスからの免疫血清は、ハンチンチンタンパク質のポリプロリンに富む領域(PRR)およびカスパーゼ領域586(C6)に由来するペプチドワクチンが、一般的に、それぞれタンパク質のポリグルタミン(ポリQ)またはN末端領域(最初の17アミノ酸を含む)に由来する相当するペプチドよりもペプチドELISA分析(
図1)においてより高い力価を提供することを示す。タンパク質ELISA(
図2)により分析するとき、PRR由来免疫血清およびカスパーゼ領域586由来免疫血清は、特異的かつ免疫原性のワクチンペプチド候補の定義を可能とする免疫ペプチドのペプチド配列に応じて、抗ハンチンチンタンパク質シグナル強度(
図4)およびタンパク質特異性(
図2)に違いを示す。ペプチドp7564は、C末端にアスパラギン酸を含むハンチンチン配列を特異的に認識する免疫血清を誘導し(
図3)、それにより、位置586にてハンチンチンのカスパーゼ切断により生成された疾患特異的なハンチンチンのネオエピトープに対する手段を提供する。
図1:ELISAによる免疫力価分析は、ヒトハンチンチンのPRR領域およびカスパーゼ領域586に由来する候補ペプチド(それぞれ、PRRおよびC6として示される)が、平均力価が1:10000未満であるポリグルタミン領域またはN末端由来ペプチド(それぞれ、polyQおよびNterとして示される)で免疫化した動物とは対照的に、ペプチドワクチンにより免疫化したマウスにおいて1:10000以上の平均力価を提供することを明らかにする。力価は、5つの個々の血清からの平均EC50を表す;エラーバーは、標準偏差を示す。
【0145】
図2:ヒトハンチンチンのPRRおよびカスパーゼ領域586に由来する候補ペプチドワクチンからのマウス免疫血清を、一時的にトランスフェクトしたHEK細胞の抽出物から捕捉された組み換え610アミノ酸N末端ハンチンチンフラグメントに対するタンパク質捕捉ELISAによりスクリーニングした。抗ハンチンチン(“recHTT610”)およびバックグラウンドシグナル(“CTRL”)は、ペプチドELISA(
図1に表示)に見られるように、均一な抗ペプチドシグナル分布にも関わらず異なるペプチド間で異なる。棒グラフは、1:100の血清希釈で、それぞれ組み換えハンチンチン(OD[recHTT610抽出物];薄い灰色の棒グラフ)または対照抽出物(OD[モックをトランスフェクトした対照(ctrl)抽出物];濃い灰色の棒グラフ)の何れかに対して試験した、5つの集められた免疫血清それぞれのシグナルを表す。
【0146】
図3:免疫ペプチドp6776に対して惹起された5つの個々の免疫血清は、免疫ペプチドに対して同等の抗ペプチドELISA力価を提供する(logEC50として示される)。
【0147】
図4:抗ペプチド力価(
図3に示す)とは対照的に、同じ免疫血清は、タンパク質捕捉ELISA(OD;抗recHTT610)により測定される抗組み換えハンチンチンシグナルにおいて相違を示し、標的タンパク質に関して免疫応答の個人差が実証されるが、ペプチドに対しては変動しないことが実証される。このことは、治療用ワクチンペプチド選択のために、抗ペプチド力価よりも抗組み換えHTTシグナルが重要であることを強調する。
【0148】
実施例2:変異体ヒトハンチンチンの第一エクソンを過剰発現するトランスジェニックR6/1マウスのペプチド免疫は、大脳基底核内の神経病理学的マーカーに反映された有益な変化を提供する。
比較的強力なプロモーターの下でのヒト変異ハンチンチンのエクソン1を発現するR6/1マウス(Bard et al. 2014およびそこに引用される文献)は、実施例1に記載の通りに、8、10、14および24週でワクチン接種を受けた。力価をモニターするために、血漿を、8、16、28および32週目に採取した。
【0149】
免疫組織化学
免疫組織化学による分析は、本質的に、大脳基底核のタンパク質検出マーカーとして抗体EM48、SY38、GFAPおよびNeuN(Millipore、それぞれカタログ番号MAB5374、MAB5258、AB5804およびMAB377)を用いて、Mandler et al. 2014 [PMID: 24525765]に記載の通りに行った。
【0150】
結果:
ペプチドワクチンで免疫化した6月齢のトランスジェニックR6/1マウスの大脳基底核の免疫組織化学的分析は、変異ヒトハンチンチンの第一エクソンの過剰発現を示した。ペプチドワクチン接種の効果は、ペプチドp6771およびp6773で免疫化ものと、対照群(KLH、PBS)とを組織病理学的に比較した。明確な神経保護およびおよびシナプスでのハンチンチン減少効果は、PRR由来ワクチンでのワクチン接種に際して観察された。
【0151】
図5:KLH担体もしくはPBSで処理したR6/1マウスまたはKLH担体で処理した野生型マウスと比較したとき、ペプチドワクチン(p6771、p6773)で処理したR6/1マウスにおいてハンチンチンシグナル(EM48)の変化はなかった(数字は、ハンチンチン特異的mAB EM48を用いて修正した光学密度[COD]である;エラーバー=標準偏差;n=10)。
【0152】
図6:対照的に、変異型ヒトHTT(EM48でマーク)を含むシナプトフィジンでマークされたシナプス(mAB SY38を用いて)は、KLHで処理したR6/1マウスと比較したとき、ペプチドワクチンで処理したR6/1マウス(p6771、p6773)において顕著に減少した(p=0,001)(スチューデントのt検定;処理群あたり、n=10匹の動物)。数字は、EM48シグナルと共局在するSY38陽性シナプスの比率(%)を示す(エラーバー=標準偏差;COD=修正光学密度)。
【0153】
図7:ニューロン特異的なマーカーNeuNを用いて、R6/1マウスは、KLHまたはPBSで処理した対照群と比較したとき、ペプチドワクチン処理群(p6771、p6773)において大脳基底核に有意な神経保護効果を表す(それぞれ、p=0,002およびp=0,01。スチューデントのt検定;n=10).Wt KLH=野生型対照;数字は、修正光学密度(COD)を示す;エラーバー=標準偏差。
【0154】
図8:大脳基底核のGFAP染色は、tそれぞれKLHおよびPBS対照と比較したとき、ペプチドワクチン処理したR6/1動物(p6771、p6773)におけるアストログリア活性化の有意でない減少を示す(COD=修正光学密度;wt KLH=野生型対照;エラーバー=標準偏差)。
【0155】
実施例3:組合せワクチン処置は、4−12月齢の動物におけるロータロッド試験によって測定されるように運動の改善と合わて、YAC128トランスジェニックマウスにおける減少した血漿ハンチンチンレベルをもたらす。
YAC128マウスの免疫化
全長の変異型ヒトハンチンチンを発現するYAC128マウス(Bard et al. 2014およびそこに引用される文献を参照のこと)およびWT対照同腹子の5つのコホートは、合計150匹のYAC128および合計25匹のWTから構成した。WTマウスを、KLH対照で処理した。YAC128マウスを、5つの実験ペプチド処理群およびKLH対照群を含む6つの処理群に分けた。マウスを、実施例1に記載の通りに、1、2、3、6および9月齢で皮下注射によって処理した。組み合わせワクチンについては、1用量当たり30μgの総ペプチド量を、200μlの用量当たり各15μg+15μgの2つのペプチドを組み合わせることによって維持した。
【0156】
ワクチン処理したYAC128マウスにおける血漿ハンチンチンレベルの決定
血漿ハンチンチンレベルは、Weissら(2009)によって既報の2つの検出抗体間の比をもたらすFRET(フェルスター共鳴エネルギー転移)ベースの検出アッセイによって決定した[PMID:19664996]。
【0157】
ロータロッド試験
2月齢のYAC128マウスを、毎分18回転の一定のスピード(RPM)で回転棒(Ugo Basille)上にて3日連続して訓練した。マウスは、1時間の試行間間隔(inter−trial interval;ITI)で1日当たり3x120秒の訓練試行を受けた。ロッドから落ちたマウスは、試行中に直ちに交換した。各訓練試行についての最初の落下までの時間と落下数を記録した。各マウスについて3回の試行の平均値を記録した。2から12月齢の2月間隔での縦ロータロッド試験のために、5RPMから40RPMで300秒以上の加速プログラムを使用した。マウスは、1時間のITIで3回の試験を受け、最初の落下までの時間記録した。3回の試験の平均値を記録した。
【0158】
結果:
図9:それぞれwtおよびYAC128トランスジェニック動物における、単回ワクチン処理、組合せワクチン処理または担体対照(KLH)処理の12月後での、FRET分析による血漿ハンチンチン決定。PRRおよびカスパーゼ領域586領域からのペプチドワクチンを用いた(それぞれ、p6771およびp7564&p7543)。血漿ハンチンチンの有意な減少は、担体対照処理(KLH)の血漿ハンチンチンレベルと比較したとき、ペプチドの組合せp7543+p7564またはp7543+p6771を用いる併用処理により達成され得る(それぞれ、p<0,001およびp<0,01;スチューデントのt検定;処理群あたりn=25匹の動物)。数字は、相対単位(FRET)を示す;エラーバーは標準偏差を示す。
【0159】
図10:落下までの時間(秒単位の平均値として示す;一群あたりn=25匹の動物)を測定する、処理および対照YAC128マウスにおけるロータロッド試験を、記載される通り、種々の単一および組合せペプチドワクチンで処置されたトランスジェニックYAC128マウスにおいて、4、6、8、10および12月(“平均M4”−“平均M12”と示される)に行った。特に、組み合わせワクチン群“p7543+7564”および“p7543+p6771”は、それぞれ単一のペプチドで処理された群p7543、p6771および7564と比較したとき、この試験において全体的に優れた性能を示した。運動の改善は、担体対照群と比較したとき、組み合わせワクチン群p7543+7564においてM4−M10で有意に改善された(それぞれ、p<0,03、0,02、0,01;スチューデントのt検定、n=25)。この知見は、
図9に記載の、血漿ハンチンチン低下と一致する。
【0160】
実施例4:ペプチドp6773、p7564およびp7543での免疫化によって得られたモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体のエピトープマッピング
コアエピトープの決定
ペプチドエピトープマッピングを、実施例1に記載の通りにELISAにより、あるいはStadler et al. 2008に記載のペプチドマイクロアレイおよびペプチドマイクロアレイと組み合わせた単一アミノ酸置換スキャニングを適用することにより、力価値(OD[EC50])の決定によってアラニン置換スキャニングを用いて行った。簡潔には、ペプチドの各位置での単一アラニン置換を含むペプチドをアレイ上にスポットし、単一の位置での置換によるシグナルの欠失を、蛍光標識された二次抗体とLI−COR Biosciences社によるOdysseyイメージングシステムとの組み合わせによって決定した。これは、エピトープへのペプチドの各個々のアミノ酸の寄与の評価を可能にした。この方法を用いて、元の免疫化ペプチドのマッピングに加えて、各個々の位置についての単一のアラニン置換変異体もマッピングするか、またはペプチドをマイクロアレイ上にスポットし、それぞれモノクローナル抗体または免疫血清をハイブリダイズさせて試験した。アラニン置換されたペプチドから得られたシグナルが、元の免疫ペプチドからのシグナルの70%未満まで低下したとき、それぞれのアラニン置換されたアミノ酸位置を、コアエピトープの一部として定義した。個々の血清またはmABから得られたコアエピトープ配列を以下に記載する。
【0161】
結果:
ポリクローナル、アフィニティー精製された抗体およびモノクローナル抗体を、PRR領域由来のペプチド(p6771およびp6773を含む)およびカスパーゼ領域586由来のペプチド(p7543およびp6776を含む)で免疫した個々のマウスから誘導した。エピトープを、アラニンスキャニングを用いてマッピングした。簡潔には、個々の血清およびモノクローナル抗体のエピトープを、ペプチドマイクロアレイまたは常套のペプチドELISAの何れかを用いて各位置についての単一アミノ酸置換を有するペプチドに対する抗体を試験することにより決定した(
図11に例示の通り)。
【0162】
単一アミノ酸置換スキャニングによって決定されるような、PRR領域由来のペプチドp6771およびp6773についてのペプチドおよびエピトープアライメント:
LPQPPPQAQPLLPC......免疫ペプチドp6771
LPQPPPQAQPLLPQPQPC..免疫ペプチドp6773
..........LLPQP.....mAB PRR13についてマッピングされたエピトープ
....PPQAQPL.........ポリクローナルp6773血清1についてマッピングされたエピトープ
....PPQAQP..........ポリクローナルp6773血清2についてマッピングされたエピトープ
........QPLL........ポリクローナルp6773血清3についてマッピングされたエピトープ
.....PQAQPLL........ポリクローナルp6773血清4についてマッピングされたエピトープ
(配列番号1、4および77−81)。
【0163】
p7543ワクチンのペプチドおよびエピトープアライメントは、単一アミノ酸置換スキャニングによって決定されるように、ポリクローナル免疫血清およびmAB C6−17を誘導した。
GTDNQYLGLQIG
C 免疫ペプチドp7543
QYLGLQIG モノクローナルAB C6−17についてマッピングされたエピトープ
YLGLQIG ポリクローナルp7543血清1についてマッピングされたエピトープ
DNQYLGLQIG ポリクローナルp7543血清2についてマッピングされたエピトープ
DNQYLGL ポリクローナルp7543血清3についてマッピングされたエピトープ
YLGLQIG ポリクローナルp7543血清4についてマッピングされたエピトープ
(配列番号3および82−86)。
【0164】
アスパラギン酸586にわたるカスパーゼ領域586に由来するペプチドについてのペプチドアライメントおよびエピトープアライメント:
【0165】
図11:5つのp6776ワクチンにより誘導された免疫血清のコアエピトープを、単一アミノ酸のアラニン置換を含む記載されるペプチドを用いるペプチドELISAによりアラニン置換スキャニングによって決定した。5つの血清(濃色から淡色の棒グラフで示される)を、記載の通り、アラニン置換ペプチドにハイブリダイズさせた(ペプチド配列について、表1参照)。その結果、5匹の動物のうち2匹が、それぞれアラニン置換ペプチドp7754、p7756、p7757およびp7758によりシグナルの減少を示し、それによって、ポリクローナル抗血清についてのアミノ酸配列IVLDを有するコアエピトープを示す。数字は、力価OD(logEC
50)の比率を示している[Ala置換ペプチド:wt−ペプチド]。
【0166】
p7564により誘導された抗血清およびmAB M1D1のエピトープマッピングは、実施例5、
図17に提供される。
【0167】
図12:mAB M1D1は、切断されていないrecHTT610よりも強力に、C末端に遊離アスパラギン酸586を有する組み換えハンチンチンフラグメントを特異的に認識する。タンパク質ELISAを、610および586アミノ酸長の組み換えハンチンチン(それぞれ、HTT610およびHTT586)を用いて行った(実施例1に記載の通りに)。値は、mAB M1D1シグナル(OD;実施例1で説明した通りの、タンパク質捕捉ELISA)と、mAB 2166対照抗体シグナルとの比を示す。値は、タンパク質ローディング対照として両フラグメント中に存在する内部エピトープを認識する対照mAB 2166に対して正規化した。
【0168】
実施例5:モノクローナル抗体PRR13、C6−17およびM1D1の生成および特性化
モノクローナル抗体
モノクローナル抗体の製造および単離のために、ClonaCell−HYハイブリドーマクローニングキット(STEMCELL technologies、カタログ番号28411)を製造業者の指示書に従って用いた。簡潔には、ハイブリドーマの融合を、HAT選択下で骨髄腫細胞株SP2−0を用いて実施し、最初に、上清を、それぞれ免疫ペプチドおよびバックグラウンド決定のための無関係の対照ペプチドを用いてペプチドELISAによってスクリーニングした。M1D1の場合に、遊離C末端アスパラギン酸を含むペプチドp6776に対するELISAを、実施例5に記載の通り、遊離C末端アスパラギン酸を含む切断されたペプチドに対する特異性を決定するために用いた。候補mABを、記載の通りに親和的に精製し、実施例に記載の通りにタンパク質ELISAによりrecHTT610に対して試験した。スクリーニングした融合クローンの数は、一般的に、各融合についてそれぞれ500個であった。VLおよびVH領域のスクリーニングについて、融合クローンからmRNAを抽出し、オリゴ(dT)プライマーを用いて逆転写し、そして可変ドメインプライマーを用いてPCR増幅して、VHおよびVL領域の両方を増幅させた。VHおよびVL生成物を、標準的なPCRクローニング法(Invitrogen、カタログ番号K4560−01)を用いてクローニングし、TOP10細胞中に形質転換し、PCRにより陽性の形質転換体をスクリーニングした。選択したコロニーを採取し、ABI3130xl遺伝子分析器でのDNA配列決定により分析した。
【0169】
抗体のアフィニティー精製
mABおよびポリクローナル抗体を、ハイブリドーマ上清(SN)および血漿のそれぞれから、製造業者のプロトコルに従ってシステイン含有ペプチドが結合されているBcMag(商標)ヨードアセチルにより活性化した磁気ビーズ(Bioclone、FG−102)を用いて単離した。室温で2時間、血漿/SNのインキュベーション後、ビーズを高塩緩衝液(PBS、0.2% トライトンX−100、350mMの終濃度までNaClを添加)で洗浄し、結合した抗体を酸性溶出緩衝液(Thermo、カタログ番号21004)で4回溶出した。HEPES pH8(75mMの終濃度)で中和後、溶出された抗体を濃縮し、緩衝液を、Spin−X UF500チューブ(Corning、CLS431478)を用いて100μl容量のPBSに交換した。抗体濃度を、Qubitシステム(Invitrogen、CatNr.Q32866)を製造業者の指示書に従って用いて測定した。
【0170】
結果:
抗体PRR13は、ペプチドp6773を免疫原として用いるハイブリドーマ技術によって生成された。ペプチドp6773は、実施例2に示す通りR6/1トランスジェニック動物の能動免疫において有益な神経保護効果を示し、p6771と重複するワクチン候補の1つである。PRR13を、
図11に示す通り、PRRに由来するペプチドを認識する候補mABを予め選択された9つから選択した。
図13に列記した候補mABのうち、PRR13を、
図12に示す通り、組み換えHTT610にハイブリダイズしたとき、その好ましいシグナル/ノイズ比に基づいて選択した。
【0171】
図13:ペプチドp6773で免疫化したマウスに由来するハイブリドーマからの上清は、ペプチドELISAによって試験したとき、9つの予めスクリーニングした候補クローンのうち7つで、免疫ペプチドの強力な認識を提供する。
【0172】
図14:特異的抗ペプチドシグナル(
図11)とは対照的に、9つのmAB候補のうち2つのみ、すなわちPRR13およびPRR18のみが、recHTT610捕捉ELISA(実施例1で説明した通り)により試験したとき、組み換えハンチンチンを特異的に認識する。これらの2つの候補は、優れたシグナル対ノイズ比(すなわち、>=4;計算されたreHTT610特異的シグナル:HEK対照抽出物)を提供し、PRR13を、エピトープの特徴付け(実施例4を参照)および可変鎖配列決定(以下参照)のために選択した。PRR13を、IgGサブタイプマウスIgG2aとして決定した。
【0173】
>PRR13 VH コンセンサス アミノ酸配列(配列番号62):
MGWSWVMLFLLSGTGGVLSEVQLQQSAPELVKPGASVKMSCKASGYSFTDFYMKWVKQSHGKGLEWIGDIDPKNGDTFYNQKFKGRATLTVDKSSSTAYMQLNSLTTEDSAVYYCATYYGYTMDYWGQGTSVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYF
>PRR13 VL コンセンサス アミノ酸配列(配列番号63):
MDFQVQIFSFLLISASVIMSRGQIVLTQSPAIMSASLGERVTMTCTASSSVTSSYLHWYQQKPGSSPKLWIYSTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCHQYRRPPRTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPR。
【0174】
抗体C6−17を、免疫原としてペプチドp7543を用いてハイブリドーマ技術によって作製した。ペプチドp7543は、実施例3に示されているように、YAC128トランスジェニック動物において有益な治療効果を示した。抗recHTT610シグナルは、
図13に示すように、このスクリーニングからの4つの予め選択されたmAB間で同等であったが、シグナル対ノイズ比は、recHTT610捕捉ELISA(実施例1に記載の通りに行う)を示す
図14に示す通り、これらの候補間で有意に異なった。その特異性およびIgGサブタイプ(マウスIgG2aとして決定される)に基づいて、C6−17を、エピトープの特徴付け(実施例4を参照)および可変鎖配列決定のために選択した。
【0175】
図15:ペプチドp7543で免疫化したマウスに由来する4つの予め選択された抗ハンチンチンmABの特異性分析。4つのmAB候補体の値は、対照抽出物に対する組み換えハンチンチン特異的OD−シグナル(実施例1に記載の通りタンパク質捕捉ELISAにより決定される)のシグナル対ノイズ比を示す。mAB C6−17は、最良のシグナル対ノイズ比を提供する。
【0176】
>C6−17 VH コンセンサス アミノ酸配列(配列番号60):
MGWSCIMLFLLSGTAGVLSEVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGKSLEWIGGINPNNGGTRYNQKFKGKATLTVDRSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCASLDGRDYWGQGTTLTVSSAKTTAPSVFPLA
> C6−17 VL コンセンサス アミノ酸配列(配列番号61):
MVLMLLLLWVSGTCGDIVMSQSPSSLAVSAGEKVTMSCKSSQSLLNSRTRKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYSCKQSYNLLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPK。
【0177】
抗体M1D1を、免疫原としてペプチドp7564を用いてハイブリドーマ技術によって作製した。ペプチドp7564は、実施例3に記載の通り、YAC128トランスジェニック動物において有益な治療効果を示すワクチン候補の一部である。モノクローナル抗体M1D1を、実施例1、
図3に示す通り、例えばp6776などの配列に包含されるこのアスパラギン酸残基を含むペプチドに対する、C末端に遊離アスパラギン酸を含むペプチドへの結合のディファレンシャルスクリーニングによって選択した。“切断された”配列に対するその特異性に基づいて、モノクローナル抗体M1D1を、さらなるエピトープの特徴付けおよび可変鎖配列決定のために選択した。それをマウスIgMと表記し、それは、カスパーゼ6またはアミノ酸位置D586を切断する任意の他のプロテアーゼによるタンパク質または対応するペプチド配列の切断の際に生成されるヒトハンチンチンフラグメントのネオエピトープに結合する。
【0178】
図16:ペプチドELISA(実施例1で説明した通り)による“切断された”ペプチドp7564に対する特異性の決定による、予め選択されたmABのスクリーニング。例えば、M1−C2とは対照的に、mAB M1D1は、最も好ましいp7564対p6776のODシグナル比を示す。従って、M1D1は、位置586でのタンパク質分解的切断によって生成されるネオエピトープに特異的である。p7564のC末端アスパラギン酸は、カスパーゼ6および可能性のある他のカスパーゼにより生成されたC末端切断点に対応する。従って、実施例3に示すように、治療的に有益なペプチドp7564を用いて作製されたポリクローナル抗血清と同様にこの部位での特異的切断を検出するための手段が提供される。
【0179】
図17:mAB M1D1は、遊離C末端アスパラギン酸を含む少なくとも7AA長のカスパーゼ6切断領域からのハンチンチンペプチドを認識する。これとは対照的に、より短いペプチドまたは遊離C末端アスパラギン酸を有さないペプチドは、M1D1によって認識されないか、またはごく弱い認識であり、これにより、切断されたヒトハンチンチンタンパク質の遊離アミノ酸位置586などの遊離COOH末端アスパラギン酸を有する切断された配列に対するこのモノクローナル抗体の特異性が実証される(棒グラフは、1ng/μlのmAB濃度でのペプチドELISAからのODを示す;ペプチドの名称は左から右へ、以下の通りである:p7564、p7562、p7552、p7541、p7567、p7568、p7605、p6777)。
【0180】
>M1D1 VH コンセンサス アミノ酸配列(配列番号64):
MDFGLSWVFFVVFYQGVHCEVQLVESGGGLVQPKGSLKLSCAASGFTFNTYAMNWVRQAPGKGLEWVARIRSKSNNYATYYADSVKDRFTISRDDSQSMLYLQMNNLKTEDTAMYYCVRHGEYGNPWFAYWGQGTLVTVSAESQSFPNVFPL
>M1D1 VL コンセンサス アミノ酸配列(配列番号65):
MKLPVRLLVLMFWIPASSSDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPYTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPK。
【0181】
実施例6:カスパーゼ切断部位阻害剤
インビトロカスパーゼ切断阻害アッセイ
カスパーゼ6阻害アッセイを、Maxisorb ELISAプレート(Thermo; 439454)を用いて、そこに50μlの20nM BSA結合ペプチド(
図18に示す)を室温で1時間コーティングし、次いで150μlのブロッキング緩衝液(PBS、1%BSA、0.1%Tween 20)で1時間処理して、室温にて1時間、示す通りそれぞれ、アフィニティー精製したポリクローナル血清(3ng/μl)またはアフィニティー精製したmAB(10ng/μl)と共にインキュベートして行った。洗浄緩衝液(PBS、0.1%BSA、0.1%Tween 20)で数回洗浄後、1xカスパーゼ6緩衝液(BioVision; 1068−80)で希釈した5Uカスパーゼ6酵素(Enzo;BML SE170−5000)を各ウェルに添加し、37℃にて30分間インキュベートした。カスパーゼアクセス可能性の程度を反映するカスパーゼ6ペプチド切断により生成された新たに曝露されたエピトープの定量化を、遊離C末端アスパラギン酸含有エピトープの検出のためにペプチドp7564により誘導される抗体を用いて、実施例1に記載の通りにELISAにより行った。
【0182】
結果:
ヒトハンチンチンのカスパーゼ領域586を標的とするポリクローナル抗血清を、
図19に示すペプチドを含むペプチドワクチンにより産生した。カスパーゼ領域586に由来する全ての候補ペプチドが同等の抗ペプチド力価を誘導する(実施例1に例示されるように)としても、相対的なカスパーゼ6阻害は、ペプチド配列およびエピトープ依存的様式において変化し、それによって、この領域由来のペプチド誘発抗体間のエピトープアクセス可能性および結合特性の違いを実証する。特に、カスパーゼ切断部位586にわたるペプチド、特にp6776およびp6777(
図18に示す)、およびカスパーゼ切断部位586のC末端にわたるペプチド、例えばそれぞれp8855、p8862&p7543およびp8869(
図19に示す)などは、カスパーゼ切断阻害アッセイによって決定されるような有効なカスパーゼ6阻害剤を提供する。ペプチドp8868、p8869、p8870およびp8871によって誘導された抗体の阻害効果と、それぞれペプチドp7543、p8864、p8865およびp8866によって誘導された抗体の阻害効果を比較するとき、得られた抗体の阻害活性は、システインのN末端またはC末端位置に実質的に影響を受けず、それ故に、固定化リンカー位置に関して柔軟性を示唆することが実証され得る。実施例3にて実証されたインビボ効果および実施例11にて実証されたインビトロ食作用活性を組み合わせたこれらのインビトロ機能活性に基づき、これらのペプチドは、受動的または能動的免疫化、血漿アフェレシスおよびこの領域に結合する競合的切断阻害剤を含む、本特許出願で開示された抗体ベースの戦略の機能的に関連する標的化ドメインを表す。
【0183】
図18:カスパーゼ領域586にわたるハンチンチン配列特異的プロテアーゼ阻害剤をスクリーニングための、インビトロカスパーゼ6切断阻害アッセイ。カスパーゼ領域586にわたるプレート固定化標的ペプチドを、陰性対照としてアフィニティー精製したポリクローナル抗体p6776、p6777およびp7565(それぞれ3ng/μlの濃度で)と共に、またはp7543によるペプチド免疫化に由来するモノクローナル抗体C6−17と共に、インキュベートした。mAB C6−17を、プロトタイプの対照阻害剤として10ng/μlの濃度で用いた。抗体−保護された標的ペプチドを、カスパーゼ6酵素と共にインキュベートし、次いで、標的ペプチドのタンパク質切断効率を検出した。切断されたペプチドを、実施例5、
図18に記載されるように記載されたハンチンチン配列を切断されていないハンチンチン配列と区別することができるプローブとしてmAB M1D1を用いて検出した。左の数図は、%切断を示し、保護しなければ100%切断されるが、mAB C6−17およびポリクローナル抗体p6776およびp6777は、標的ペプチドをカスパーゼのアクセスから保護することにより、示される通り切断を低減することを示唆する。
【0184】
図19:最も効率的なカスパーゼ部位阻害剤のスクリーニングのための18種のポリクローナル血清および対照としてのmAB C6−17のインビトロカスパーゼ6切断阻害アッセイ。アッセイを
図18に示す通りに正確に行ったが、相対カスパーゼ切断活性は、試験した各個々の抗体の標的結合シグナルに関して示した。従って、値は、相対カスパーゼ部位阻害(
図10に記載のような%切断)と、ペプチドELISAによって決定された標的ペプチド結合(OD;
図1に記載の通り)との比を示す。このスクリーニングは、それらのシステイン位置に関してのみでなく同等の活性および免疫原性に関しても、それぞれペプチドp7543、p8864、p8865およびp8866とは異なる、ペプチドp8868、p8869、p8870およびp8871によって実証される通り、末端システインの位置にかかわらず、カスパーゼ部位586切断を阻害することができるポリクローナル抗体を作製可能ないくつかのペプチドを同定した。ペプチド基質に対する抗体の比較的均一な結合にもかかわらず(実施例1、
図1に示す通り)、ペプチドの免疫原に依存的な様式で誘導された抗体間では、切断阻害が異なった。
【0185】
実施例7:実施例2(
図6)および3(
図9)のそれぞれで試験したような、ヒトHTTに由来する免疫原性ペプチドに対して特異的なワクチン誘導抗体のインビボ作用機序を裏付ける、mAB PRR13およびC6−17のそれぞれについてのインビトロ食作用活性を示すインビトロ食作用アッセイ
【0186】
インビトロ食作用アッセイ:
マクロファージの単離およびインビトロでの分化を、本質的に、例えばZhang et al. 2008 [PMID: 19016445]に記載の通りに行った。簡潔には、8から12週齢のBALB/cマウスからの大腿骨および脛骨に由来する骨髄細胞を、2−3個の直径10cmの細胞培養皿に一皿当たり20−30x10
6細胞の密度で分け、20ng/ml M−CSF(RD−Systems、カタログ番号:416−ML−010)の存在するRPMI/10%FCS+P/S中で4日間分化させ、5日目に24ウェル組織培養プレートに150.000細胞/ウェルの密度で再分配して9日目まで置いた。食作用の24時間前に、細胞を、500μlのM−CSF不含有のRPMI培地+10%FCS+P/S中で飢餓状態にした。食作用を、製造業者の指示書に従い、C末端ビオチニル化ペプチドp9304およびp9305(p9304(C6):b−GGGDYKDDDDKGAVTPSDSSEIVLDGTDNQYLGLQIGQPQDG(配列番号52);p9305(PRR):b−GGGDYKDDDDKGPPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPG(配列番号53))のそれぞれを用いてコーティングした、ストレプトアビジンでコートした常磁性ミクロスフェア(Bang Laboratories、カタログ番号:CP01F)を用いて行い、希釈緩衝液中の10ng/μlの抗体と共に室温で1時間インキュベートし、次いで、350mMの最終塩濃度までNaClを添加したPBSで洗浄し、PBSで洗浄し、最後に、RPMI培地中に再懸濁液した。その後、抗体でコーティングした蛍光ペプチドビーズを、37℃で1時間、分化したマクロファージに添加して(0,5ugビーズ/ウェルを含む200ulの容量)、食作用によるインビトロでの取り込みを可能にした。氷冷したPBSで細胞を洗浄し、掻き集めた後、細胞をFACS緩衝液(1xPBS+1%BSA)で洗浄し、蛍光シグナルを標準FACS法により分析した。細胞の分化効率を、製造業者によって提案されたプロトコルに基づいて、抗F4/80(Biolegend、カタログ番号:B123109)および抗CD11b(Biolegend、カタログ番号:B101219)マーカー抗体を用いて並行してモニターした。
【0187】
結果:
図20:ヒトハンチンチンを認識する、PRR領域およびカスパーゼ切断586領域に由来するモノクローナル抗体PRR13およびC6−17のそれぞれの食作用活性を示すインビトロ食作用アッセイ。ペプチドp9304(カスパーゼ切断586領域由来;右パネル)およびp9305(PRR領域由来;左パネル)を、方法に示されるように、蛍光ストレプトアビジンビーズ上に固定し、5ng/μlの抗体と共にインキュベートし、そしてインビトロでMCSFにより分化させた骨髄由来初代マウスマクロファージにトランスファーした(7日間)。ビーズと共に1時間インキュベーション後、細胞をFACS分析により特異的ビーズ取り込みについて測定した。mAB PRR13(左パネル)およびC6−17(右パネル)は、アイソタイプコントロール抗体(すなわち、マウスIgG2a)と比較したとき、ビーズの食作用の増加を示す。
【0188】
表1:使用に好ましいペプチド(ペプチド名/ペプチド領域/ペプチド配列(Cは、担体タンパク質にカップリングするためのものであり;ペプチドのN末端またはC末端に提供され得る)、遊離C末端アスパラギン酸がエピトープに必要とされるp7564、p7541、p7552、p7562、p7563、p7567またはp7568を除く);ペプチドリストは、名称、タンパク質領域へのマッピング(領域:Nter=N末端、ポリQ=ポリグルタミンストレッチ、PRR=ポリプロリンに富む領域、Ex1=エクソン1へのマッピング、C6=カスパーゼ切断586領域)およびアミノ酸配列(一文字コード;Nter>Cter;a=ベータ−アラニン;b=ビオチン)を示す。
【0189】
実施例8:本発明のペプチドの改変された変異体
以下の実施例は、ペプチドの構造的または化学的修飾が、ペプチドの溶解性を改善し、それによりワクチン適用のための免疫原性、エピトープ特性または免疫応答の質に負の影響を与えることなく、ワクチン製造および品質管理に必要な合成、精製、カップリングまたは分析を容易にすることができるという証拠を提供する。
【0190】
一例として、C末端またはN末端リシンを、溶解性が改善したプロトタイプの候補ペプチドp7543に付加した。本明細書に記載の通り、例えばペプチドp9394(KTDNQYLGLQIGKC)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC)またはp9397(KDNQYLGLQIKKGC)における、1つまたは複数の末端リシンの付加は、水溶性を改善させる。ペプチドの溶解性を、検査により、“不溶”、“中間”(すなわち、14krpmでRTにて5分間遠心後にペレットが観察される)および“透明”(すなわち、遠心分離後にペレットは観察されない)に分類した。ペプチドp7543は、中間の水溶性を有したが、ペプチドp9394、p9395、p9396およびp9397は、透明であり、良好な水溶性を示した。同様の溶解性の改善が、ペプチドエピトープおよび免疫原性に影響を及ぼすことなく、例えばペプチドへの他の荷電アミノ酸(例えば、アルギニン)の付加またはPEG修飾の付加などの、水溶性を改善するために一般に使用される他のペプチド修飾を用いて達成され得る。
【0191】
本実施例は、本発明のペプチドのリシン修飾変異体の特徴付けを示す。改善された溶解性を有する実験的に決定されたリシン変異体には、例えば水溶性を改善するために1つまたは複数のN末端またはC末端付加リシンを含む、p9394(KTDNQYLGLQIGKC)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC)またはp9397(KDNQYLGLQIKKGC)が含まれる。
【0192】
図21:
a):C末端修飾ペプチドp9395(実施例の通り)で免疫化された5匹の動物(M1−M5)からの免疫血清は、免疫化ペプチド(p9395)へのそれらの結合と比較した場合、元の野生型配列ペプチド(p7543)よりも強い結合を示す。結果を
図21に示す。Y軸は、実施例1で行ったペプチドELISAのEC50値を示す。
【0193】
図22:
b):種々の末端修飾されたペプチドワクチン(例えば、p9397、p9395、p9396など)により作製された免疫血清は、示す通り、p7543免疫血清または対照mAB 2166(1:2000)と同じシグナル強度で組み換えHTTタンパク質を認識する。結果を
図22に示す。Y軸は、実施例1に記載の様にELISA分析によるrecHTT610タンパク質に対する抗体シグナル(OD)を示す。
【0194】
図23:
c):ペプチドELISA(x軸上に示されたペプチド配列;上記のペプチドELISA)による12merシングルステップペプチドウォークを用いるp7543およびp9395免疫化マウスからの免疫血清のエピトープ分析は、ペプチドp7543とそのリシン含有変異体p9395とのエピトープの一致を確認する。結果を
図23に示す。y軸は、標準ペプチドELISAから得られたEC50値を示す。
【0195】
図24:
d):p7543およびその変異体p9395での免疫化から誘導された血清のビオチン/ストレプトアビジン固定化組み換えHttタンパク質(タンパク質ELISAにおけるrecHtt610)に対するオフレートの比較(x軸は、標準法[以下参照]に従って、ラベルフリー表面プラズモン共鳴[SPR]により決定されたオフレートを示す;それぞれ5匹の動物、それぞれ−1から−5と記載される)。結果を
図24に示す。結論として、ペプチドp9353に由来する免疫血清は、p7543に由来する免疫血清(平均5,97E−04)よりも遅いオフレート値(平均1,66E−04)を示す。y軸は、計算したオフレート値を示す。
【0196】
方法(
図24について):SPRを、BiaCore 2000装置を用いて行った。C末端ビオチン標識ペプチドを推奨される方法に従って固定化した;チップ表面上の非特異的結合を避けるために、2x100μlの1μMの遊離D−ビオチンを添加してブロッキングした。分析物の添加を、ランニングバッファーとしてHBS緩衝液(pH7,4)を用いて、25℃の分析温度にて30μl/分の流速を用いて行った。80μlの各hu AB−SNサンプルを希釈せずに添加して、滅菌濾過した(0,22μm);マウス対照mABを2μg/mlの濃度で添加したとき、解離時間は500秒であった。チップ表面を、15μlの10mMグリシン(pH2,1)を添加し、その後中和して再形成させた。センサーグラムは、対照フローセル(flow cell)1からのシグナルがペプチド固定化フローセルのシグナルから差し引かれるという点で、対照を差し引かれた。空のSNからの曲線を、バックグラウンド減算に使用した。BiaEvaluationソフトウェアのLangmuir 1:1解離モデルを、オフレート決定のために使用した。
【0197】
図25:
e):実施例7に記載のインビトロカスパーゼ6阻害アッセイを用いた、修飾ペプチド免疫血清(p9395)とp7543免疫血清とのインビトロ機能性の比較。IgGアイソタイプ対照は、バックグラウンド阻害活性を決定する;mAB C6−17を陽性対照として用いた。結果を
図25に示す。結論として、p9395免疫血清は、p7543血清(5匹の動物からの平均31,8%)より効果的に阻害する(5匹の動物からの免疫血清により平均14,2%阻害、y軸上に表示)。これらのインビトロ阻害活性は、ELISAによって決定されたSPRおよび組み換えHTTタンパク質結合データにより決定された上記オフレートと一致する。
【0198】
図26:
f):下記のインビトロ食作用アッセイを用いた、修飾ペプチド免疫血清(p9395)とp7543免疫血清とのインビトロ機能性の比較。結果を
図26に示す。p9395で免疫化した動物からの5つの血清の混合物は、食作用活性を示し(MFIとして表示;y軸上に表示)、5匹の非特異的に免疫化された動物に由来する血清の混合物と比較したとき、末端を修飾されたペプチドにより産生された免疫血清の食作用活性を確認する。
【0199】
実施例9:抗体のヒト化
a)元の抗体PRR13およびhC6−17それぞれの抗体のヒト化を、以下のように行った:重鎖および軽鎖可変領域のプロトタイプのフレームワークを、hPRR13−1から−16のシリーズおよびhC6−17−1から−16のシリーズそれぞれの作製に使用した。該シリーズは、
図27に示す通り、重鎖(指定されたフレームワークH)および/または軽鎖(指定されたフレームワークL)中に1つまたは複数のアミノ酸位置に修飾を含むプロトタイプの変異体を含む。数字は、以下のヒト化抗体に示される、フレームワーク領域内のアミノ酸の位置を反映している。
hPRR13シリーズ軽鎖可変領域
[EIVLTQSPSSLSASVGDRVTITCTASSSVTSSYLHWYQQKPGKAPKLLIYSTSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCHQYRRPPRTFGGGTKLEIKR];
hPRR13重鎖可変領域
[EVQLVESGPEVKKPGATVKISCKVSGYTFTDFYMKWVQQAPGRGLEWMGDIDPKNGDTFYNQKFKGRVTMTADTSTGTAYMQLSSLTSEDTAVYFCASYYGYTMDYWGQGTTVTVAS];
hC6−17軽鎖可変領域
[DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSRTRKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCKQSYNLLTFGGGTKLEIK];
hC6−17重鎖可変領域
[QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTEYTMHWVRQAPGRGLEWMGGINPNNGGTRYNQKFKGRVTMTRDTSIRTAYVELSRLTSDDTAVYYCASLDGRDYWGQGTLVTVSS]。
【0200】
方法:ヒトvLCおよびvHC配列を合成し、発現ベクターpFUSE2ss CLg−hk(EcoRI/NheI)およびpFUSEss CHIg−hG1(EcoRI/BsiWI)中にクローニングした。クローニング法は、制限消化およびライゲーション反応(NEB Quick ligase kit;カタログ番号M2200L)、細菌の形質転換、その後のクローン選択および分析を含む、製造者によって示されるような、本質的に標準的な分子生物学的手順に従って行った。アガロースゲルからのDNAフラグメントの調製を、標準的なDNA精製キット(Quiagen;カタログ番号27106)を用いて行った。HEK293フリースタイル細胞(Invitrogen;カタログ番号R790−07)を製造者によって示されル通りに培地中で増殖させ、表に示すようなhu AB重鎖および軽鎖ベクターの異なる組み合わせで一過的に同時トランスフェクトした。細胞培養SNを、トランスフェクションの24から48時間後に集め、1:30に濃縮し、その後、Spin−X UF500チューブ(Corning、CLS431478)を用いて緩衝液を交換した(PBS)。濃縮ヒト抗体−SNを、インビトロにおいてELISAを用いてペプチドおよびタンパク質結合について試験した(実施例1の通り)。さらなる特徴付けを、本実施例9を通して示される通りに行った。
【0201】
図28:
b)例としては、示されるフレームワーク変異体を含むヒト化mAB PRR13誘導体hPRR13−10、hPRR13−12およびhPRR13−14によるrecHTT610タンパク質の認識を、タンパク質ELISA(実施例1と同様に行った;
図28参照。Y軸は、rec Htt610結合活性を示す[OD])により実証することができる。
【0202】
図29
c):一例として、a)に記載の通りに修飾されたhC6−17シリーズからのヒト化抗体は、インビトロで食作用活性を維持する。インビトロ食作用アッセイを上記の通りに行い、インキュベートしないビーズ(ABなし)または無関係のアイソタイプ対照ビーズ(IgG)とは対照的に、mAB hC6−17−6−インキュベートしたビーズは、インビトロで効率的に貪食され、それ故に、抗体によるHTT認識に基づいてHTT特異的機能性を維持する実施例を提供することを示す(
図29)。
【0203】
【表2】
【表3】
【0204】
能動的ワクチン接種にとりわけ好ましい(“++ active vacc.”)
能動的ワクチン接種に好ましい(“+ active vacc.”)
mAB作製に好ましい(“mAB generation”)
C6切断阻害に好ましい(“C6阻害”)。
【0205】
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【0206】
従って、以下の態様は、本発明の好ましい態様と定義され得る:
1.好ましくは、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、p8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、p6763(CaMATLEKLMKAFESLKSFQ、配列番号25)、p6764(CaKLMKAFESLKSFQ、配列番号26)、p6765(CEEQQRQQQQQQQ、配列番号27)、p6768(QQQQQQPPPPPPPPaKKKC、配列番号28)、p7541(CSEIVLD、配列番号29)、p7552(CSSEIVLD、配列番号30)、p7562(CDSSEIVLD、配列番号31)、p7563(CSDSSEIVLD、配列番号32)、p7567(CEIVLD、配列番号33)、p7568(CIVLD、配列番号34)、p7605(CSEIVL、配列番号35)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p6776b(SEIVLDGTDNQYLC、配列番号38)、p7752(CAEIVLDGTDNQYL、配列番号39)、p7753(CSAIVLDGTDNQYL、配列番号40)、p7754(CSEAVLDGTDNQYL、配列番号41)、p7755(CSEIALDGTDNQYL、配列番号42)、p7756(CSEIVADGTDNQYL、配列番号43)、p7757(CSEIVLAGTDNQYL、配列番号44)、p7758(CSEIVLDATDNQYL、配列番号45)、p7745(CSEIVLDGADNQYL、配列番号46)、p7746(CSEIVLDGTANQYL、配列番号47)、p7747(CSEIVLDGTDAQYL、配列番号48)、p7748(CSEIVLDGTDNAYL、配列番号49)、p7749(CSEIVLDGTDNQAL、配列番号50)、およびp7750(CSEIVLDGTDNQYA、配列番号51)からなる群より選択される、より好ましくは、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)からなる群より選択される、とりわけp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)からなる群より選択される、HTTタンパク質の免疫原性ペプチドであって、ここで、N末端またはC末端のシステイン残基(C)は、存在しても、存在しなくてもよく、またはC末端もしくはN末端のいずれかに提供されてよいか;または、該ペプチドは、これらのペプチドの少なくとも1つと配列番号1から51とを含み、好ましくは最大50アミノ酸残基の長さ、より好ましくは、最大30アミノ酸残基の長さ、さらに好ましくは最大20アミノ酸残基の長さ、とりわけ最大16アミノ酸残基の長さである、HTTタンパク質の免疫原性ペプチド。
【0207】
2.ハンチンチン(HTT)タンパク質の少なくとも1つの免疫原性ペプチド、好ましくは態様1に記載のペプチドから選択される少なくとも1つのペプチド、および要すれば、1個または複数のアジュバントを含む、ハンチントン病の治療および/または予防における使用のためのペプチドベースのワクチン。
3.少なくとも1つの免疫原性ペプチドが、薬学的に許容される担体、好ましくはKLHに結合されていることを特徴とする、態様2に記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
4.ワクチンが、静脈内投与、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与のために製剤化されることを特徴とする、態様2または3に記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
5.ワクチンが、アジュバント、好ましくは水酸化アルミニウムを用いて製剤化されることを特徴とする、態様2から4のいずれかに記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
6.少なくとも1つのペプチドが、ワクチン中に、0.1ngから10mg、好ましくは10ngから1mg、特に100ngから100μgの量で含まれていることを特徴とする、態様2から5のいずれかに記載のペプチドベースのワクチン。
【0208】
7.HTTタンパク質の少なくとも1つの免疫原性ペプチドが、態様1に記載の群から選択され、好ましくは、組み合わせが、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)(または、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90))と、配列番号1、2、4および5から選択される少なくとも1つのペプチドとの組み合わせであり、とりわけ、組み合わせが、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)およびp6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)またはp7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)およびp7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)を含むか、またはそれからなり、ここで、N末端またはC末端システイン残基(C)が、存在しても、存在しなくてもよく、またはC末端もしくはN末端のいずれかに提供されてよい、態様2または6に記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
8.HTTの“C6”領域由来の少なくとも1つのペプチドおよびHTTの“PRR”領域由来の少なくとも1つのペプチドを含むことを特徴とし、好ましくは該少なくとも1つのペプチドが、表2に記載される群からそれぞれ選択される、態様2から7のいずれかに記載のペプチドベースのワクチン。
9.態様1に記載の免疫原性ペプチド、またはLLPQP(配列番号77)、PPQAQPL(配列番号78)、PPQAQP(配列番号79)、QPLL(配列番号80)およびPQAQPLL(配列番号81)、とりわけLLPQP、およびQYLGLQIG(配列番号82)、YLGLQIG(配列番号83)、DNQYLGLQIG(配列番号84)、DNQYLGL(配列番号85)およびYLGLQIG(配列番号86)、とりわけQYLGLQIGであって、好ましくは最大30アミノ酸残基の長さ、好ましくは20アミノ酸残基の長さ、より好ましくは16アミノ酸残基の長さ、とりわけ6から10アミノ酸長であるものからなる群より選択されるコアペプチドを含むか、またはそれからなる免疫原性ペプチドを含む製剤。
【0209】
10.個体、とりわけハンチントン病を有する個体において免疫応答を誘発するのに使用するためものであることを特徴とする、態様9に記載の製剤。
11.態様2から8のいずれかに記載のペプチドベースのワクチンを含むことを特徴とする、態様9または10に記載の製剤。
12.個体、とりわけハンチントン病を有する個体において抗HTT抗体を誘発するのに使用ためのものであることを特徴とする、態様9から11のいずれかに記載の製剤。
13.抗HTT抗体の製剤と組み合わせて、好ましくは別個の投与法で個体に投与されることを特徴とする、態様9から12のいずれかに記載の製剤。
14.ハンチントン病の治療および/または予防においてワクチンとして使用するための、HTTタンパク質の少なくとも1つの免疫原性ペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体を含む薬理学的組成物。
16.p6773の配列(配列番号1)を有するHTTタンパク質のペプチド、とりわけコアエピトープLLPQP(配列番号77)に結合することができる結合ドメインを有するモノクローナル抗体。
【0210】
17.該モノクローナル抗体が、GYSFTDFY(配列番号54)を含む重鎖可変領域CDR1、IDPKNGDT(配列番号55)を含む重鎖可変領域CDR2、ATYYGYTMDY(配列番号56)を含む重鎖可変領域CDR3、SSVTSSY(配列番号57)を含む軽鎖可変領域CDR1、STS(配列番号58)を含む軽鎖可変領域CDR2、およびHQYRRPPRT(配列番号59)を含む鎖可変領域CDR3を含むことを特徴とし、好ましくはモノクローナル抗体PRR13である、態様16に記載のモノクローナル抗体
18.該モノクローナル抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体またはキメラモノクローナル抗体である、態様16または17に記載のモノクローナル抗体。
19.ハンチントン病の予防および/または処置において使用される医薬組成物における使用のための、態様16から18のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
20.該組成物が薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含むことを特徴とする、態様19に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
【0211】
21.該組成物が、少なくとも1つのさらなる治療剤をさらに含むことを特徴とする、態様19または20に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
22.該組成物が、静脈内投与、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与のために製剤化されることを特徴とする、態様19から21のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
23.モノクローナル抗体が、食作用を増強する分子に結合されていることを特徴とする、態様19から22のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
【0212】
24.モノクローナル抗体が、該組成物中に、1mgから10g、好ましくは50mgから2g、特に100mgから1gの量で含まれることを特徴とする、態様19から23のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
25.p7543の配列(配列番号3)を有するHTTタンパク質のペプチドに結合することができる結合ドメインを有する、モノクローナル抗体。
26.該モノクローナル抗体が、GYTFTEYT(配列番号66)を含む重鎖可変領域CDR1、INPNNGGT(配列番号67)を含む重鎖可変領域CDR2、ASLDGRDY(配列番号68)を含む重鎖可変領域CDR3、QSLLNSRTRKNY(配列番号69)を含む軽鎖可変領域CDR1、WAS(配列番号70)を含む軽鎖可変領域CDR2、およびKQSYNLLT(配列番号71)を含む軽鎖可変領域CDR3を含むことを特徴とし、該抗体が好ましくはモノクローナル抗体C6−17である、態様25に記載のモノクローナル抗体。
【0213】
27.該モノクローナル抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体またはキメラモノクローナル抗体であり、好ましくはHTTのPRR領域に対して特異性を有する二重特異性抗体であり、とりわけ態様16から24のいずれかに記載の抗体が含まれる、態様25または26に記載のモノクローナル抗体。
28.ハンチントン病の予防および/または処置において使用される医薬組成物に使用するための、態様25から27のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
29.該組成物が、薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含むことを特徴とする、態様28に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
30.該組成物が、少なくとも1つのさらなる治療剤をさらに含むことを特徴とする、態様28または29に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
31.該組成物が、静脈内投与、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与のために製剤化されることを特徴とする、態様28から30のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
32.モノクローナル抗体が、食作用を増強する分子に結合されていることを特徴とする、態様28から31のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
33.モノクローナル抗体が、該組成物中に、1mgから10g、好ましくは50mgから2g、特に100mgから1gの量で含まれることを特徴とする、態様28から32のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
34.好ましくはハンチントン病の処置における使用のための、p7564の配列(配列番号2)を有するHTTタンパク質のペプチドに結合することができる結合ドメインを有する、モノクローナル抗体。
【0214】
35.該モノクローナル抗体が、GFTFNTYA(配列番号72)を含む重鎖可変領域CDR1、IRSKSNNYAT(配列番号73)を含む重鎖可変領域CDR2、VRHGEYGNPWFAY(配列番号74)を含む重鎖可変領域CDR3、QSLVHSNGNTY(配列番号75)を含む軽鎖可変領域CDR1、KVS(配列番号76)を含む軽鎖可変領域CDR2、およびSQSTHVPYT(配列番号77)を含む軽鎖可変領域CDR3を含むことを特徴とし、該抗体が好ましくはモノクローナル抗体M1D1である、態様34に記載のモノクローナル抗体。
36.該モノクローナル抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体またはキメラモノクローナル抗体である、態様34または35に記載のモノクローナル抗体。
37.ハンチントン病の予防および/または処置において使用される医薬組成物に使用するための、態様34から36のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
38.該組成物が、薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含むことを特徴とする、態様37に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
39.該組成物が、少なくとも1つのさらなる治療剤をさらに含むことを特徴とする、態様37または38に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
40.該組成物が、静脈内投与、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与のために製剤化されることを特徴とする、態様37から39のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
【0215】
41.モノクローナル抗体が、食作用を増強する分子と結合されていることを特徴とする、態様37から40のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
42.モノクローナル抗体が、該組成物中に、1mgから10gの量で含まれることを特徴とする、態様37から41のいずれかに記載の使用のためのモノクローナル抗体。
43.モノクローナル抗体が、該組成物中に、50mgから2g、特に100mgから1gの量で含まれることを特徴とする、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
44.モノクローナル抗体が、該組成物中に、100mgから1gの量で含まれる、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
45.モノクローナル抗体がポリクローナル抗体である、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
46.モノクローナル抗体がモノクローナル抗体である、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
47.モノクローナル抗体がヒトモノクローナル抗体である、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
48.モノクローナル抗体が、ヒト化モノクローナル抗体である、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
49.モノクローナル抗体が、二重特異性モノクローナル抗体である、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
50.モノクローナル抗体が、HTTに対して二重特異性を有する、二重特異性のモノクローナル抗体である、態様42に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
【0216】
51.モノクローナル抗体が、PRRに対する結合領域またはC6に対する結合領域を有する二重特異性モノクローナル抗体である、態様50に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
52.モノクローナル抗体が、PRRに対する結合領域およびC6に対する結合領域を有する二重特異性モノクローナル抗体である、態様50に記載の使用のためのモノクローナル抗体。
53.薬剤巣クローニングにおいてプローブとして使用するための、モノクローナル抗体M1D1。
54.HTTのカスパーゼ切断領域アミノ酸位置586に対するプロテアーゼのアクセスを阻害する分子をスクリーニングするための、態様53に記載の使用のためのモノクローナル抗体M1D1。
【0217】
55.哺乳動物のハンチントン病のインビトロ診断法であって、
− 抗体PRR13、M1D1またはC6−17を単独で、または組み合わせて用いて、哺乳動物のサンプル中の野生型(wt)または変異ハンチンチンまたはそれらのフラグメントのレベルを決定する工程;
− 該サンプル中の野生型または変異ハンチンチンのレベルが、ハンチントン病の遺伝的影響がない健康な個体の対照サンプルと比較して、変化している場合、ハンチントン病と診断する工程;
− そして、必要に応じて、事前マニフェストまたはマニフェストハンチントン病患者サンプルにおけるハンチンチン低下治療戦略の効果をモニタリングする工程(ここで、該治療戦略は、好ましくは、とりわけハンチンチン低下治療の過程で、能動または受動ワクチン接種から選択される)
を含む、診断法。
56.サンプル中の野生型または変異ハンチンチンまたはそのフラグメントのレベルの決定が、免疫沈降または捕捉ベースのアッセイ、好ましくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合免疫アッセイ(EIA)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのアッセイ、ウェスタンブロット、または免疫組織化学分析および免疫蛍光分析またはイメージング法、好ましくはPETまたはSPECTおよびフローサイトメトリーを伴う、態様55に記載の方法。
57.該サンプルが、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、尿、唾液、汗、または涙液、または組織抽出物もしくは細胞抽出物である、態様55または56に記載の方法。
58.該哺乳動物がヒトである、態様55から57のいずれかに記載の方法。
【0218】
59.哺乳動物におけるハンチントン病のステージのインビトロ決定法であって、
− 抗体PRR13、M1D1またはC6−17を単独で、または組み合わせて用いて、哺乳動物のサンプル中の野生型または変異ハンチンチンまたはそれらのフラグメントのレベルを決定する工程;
− ハンチントン病のステージを決定する工程;および
− ハンチンチン低下治療のHTTレベルへの影響を決定する工程
を含む、方法。
60.サンプル中の野生型または変異ハンチンチンまたはそれらのフラグメントのレベルの決定が、免疫沈降または捕捉ベースのアッセイ、好ましくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合免疫アッセイ(EIA)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのアッセイ、ウェスタンブロット、または免疫組織化学分析および免疫蛍光分析またはイメージング法、好ましくはPETまたはSPECTおよびフローサイトメトリーを伴う、態様59に記載の方法。
61.該サンプルが、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、尿、唾液、汗、または涙液、または組織抽出物もしくは細胞抽出物である、態様59または60に記載の方法。
62.該哺乳動物がヒトである、態様59から61のいずれかに記載の方法。
【0219】
63. ハンチントン病の進行のモニター法または哺乳動物におけるハンチントン病の処置の有効性のモニター法であって、
− 抗体PRR13、M1D1およびC6−17を単独で、または組み合わせて用いて、哺乳動物のサンプル中の変異HTTのレベルを決定する工程:および
− 変異ハンチンチンまたはそのフラグメントの得られたレベルを、最初の測定で、好ましくは疾患関連症状の診断時点で得られた変異ハンチンチンまたはそのフラグメントのレベルと比較することにより、ハンチントン病の進行またはハンチントン病の処置の有効性を決定する工程(ここで、HTTレベルの低下は、処置の成功の指標である。)
を含む、モニター法。
64.サンプル中の変異HTTのレベルの決定が、免疫沈降または捕捉ベースのアッセイ、好ましくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合免疫アッセイ(EIA)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのアッセイ、ウェスタンブロット、または免疫組織化学分析および免疫蛍光分析またはイメージング法、好ましくはPETまたはSPECTおよびフローサイトメトリーを伴う、態様63に記載の方法。
65.該サンプルが、脳脊髄液(CSF)、血液、血漿、血清、尿、唾液、汗、または涙液、または組織抽出物もしくは細胞抽出物である、態様63または64に記載の方法。
66.該哺乳動物がヒトである、態様63から65のいずれかに記載の方法。
【0220】
67.ハンチントン病の予防または処置のための医薬の製造を目的とする、p6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p7543a(DNQYLGLQIC;配列番号88)、とりわけ誘導体p9394(KTDNQYLGLQIGKC;配列番号91)、p9395(GTDNQYLGLQIGKKC;配列番号92)、p9396(KTDNQYLGLQIKKGC;配列番号93)、p9397(KDNQYLGLQIKKGC;配列番号94);p7543b(TDNQYLGLQIC;配列番号89)、p7543c(TDNQYLGLQIGC;配列番号90)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、p8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、p6763(CaMATLEKLMKAFESLKSFQ、配列番号25)、p6764(CaKLMKAFESLKSFQ、配列番号26)、p6765(CEEQQRQQQQQQQ、配列番号27)、p6768(QQQQQQPPPPPPPPaKKKC、配列番号28)、p7541(CSEIVLD、配列番号29)、p7552(CSSEIVLD、配列番号30)、p7562(CDSSEIVLD、配列番号31)、p7563(CSDSSEIVLD、配列番号32)、p7567(CEIVLD、配列番号33)、p7568(CIVLD、配列番号34)、p7605(CSEIVL、配列番号35)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p6776b(SEIVLDGTDNQYLC、配列番号38)、p7752(CAEIVLDGTDNQYL、配列番号39)、p7753(CSAIVLDGTDNQYL、配列番号40)、p7754(CSEAVLDGTDNQYL、配列番号41)、p7755(CSEIALDGTDNQYL、配列番号42)、p7756(CSEIVADGTDNQYL、配列番号43)、p7757(CSEIVLAGTDNQYL、配列番号44)、p7758(CSEIVLDATDNQYL、配列番号45)、p7745(CSEIVLDGADNQYL、配列番号46)、p7746(CSEIVLDGTANQYL、配列番号47)、p7747(CSEIVLDGTDAQYL、配列番号48)、p7748(CSEIVLDGTDNAYL、配列番号49)、p7749(CSEIVLDGTDNQAL、配列番号50)、およびp7750(CSEIVLDGTDNQYA、配列番号51)、好ましくはp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、p8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)、p8855(SDSSEIVLDGTDC、配列番号6)、p8858(EIVLDGTDNQYLC、配列番号7)、p8859(IVLDGTDNQYLGC、配列番号8)、p8860(VLDGTDNQYLGLC、配列番号9)、p8861(LDGTDNQYLGLQC、配列番号10)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC、配列番号11)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ、配列番号12)、p8868(CGTDNQYLGLQIG、配列番号13)、p8870(CDNQYLGLQIGQP、配列番号14)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ、配列番号15)、p6772(CPQLPQPPPQAQPLLP、配列番号16)、p8864(TDNQYLGLQIGQC、配列番号17)、p8865(DNQYLGLQIGQPC、配列番号18)、p6775(PPPQLPQPPPQAQPLLPQPQPaC、配列番号19)、p8854(PSDSSEIVLDGTC、配列番号20)、p8856(DSSEIVLDGTDNC、配列番号21)、p8857(SEIVLDGTDNQYC、配列番号22)、p8866(NQYLGLQIGQPQC、配列番号23)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC、配列番号24)、とりわけp6773(LPQPPPQAQPLLPQPQPC、配列番号1)、p7564(CPSDSSEIVLD、配列番号2)、p7543(GTDNQYLGLQIGC、配列番号3)、p6771(LPQPPPQAQPLLPC、配列番号4)、p6776(CSEIVLDGTDNQYL、配列番号36)、p6777(CSDSSEIVLDGTDN、配列番号37)、およびp8346(CGPAVAEEPLHRP、配列番号5)からなる群より選択される少なくとも1つの免疫原性ペプチド(ここで、N末端またはC末端システイン残基(C)は、存在しても、存在しなくてもよく、またはC末端もしくはN末端のいずれかに提供されてよい。)の使用。
【0221】
68.態様67に記載のHTTタンパク質の少なくとも1つの免疫原性ペプチドを含む、ハンチントン病の予防および/または処置における使用のためのペプチドベースのワクチン。
69.少なくとも1つの免疫原性ペプチドが、薬学的に許容される担体、好ましくはKLHに結合されていることを特徴とする、態様68に記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
70.ワクチンが、静脈内投与、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与用に製剤化されることを特徴とする、態様68または69に記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
71.ワクチンが、アジュバント、好ましくは水酸化アルミニウムを用いて製剤化されることを特徴とする、態様68から70のいずれかに記載の使用のためのペプチドベースのワクチン。
72.少なくとも1つのペプチドが、ワクチン中に、0.1ngから10mg、好ましくは10ngから1mg、特に100ngから100μgの量で含まれていることを特徴とする、態様68から70のいずれかに記載のペプチドベースのワクチン。
73.該ペプチドが、特異的ハンチンチンC6切断阻害剤の作製または同定のために使用される、態様67に記載の免疫原性ペプチド。
74.該特異的ハンチンチンC6切断阻害剤が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗血清、Fv’、scFv’、F(ab)、F(ab)2などのモノクローナル抗体由来のフラグメントとして定義される、態様73に記載の免疫原性ペプチド。
【0222】
75.態様68に記載のペプチドベースのワクチンを用いる免疫化により産生されたHTTのカスパーゼ領域586 C6領域を標的とする抗体または抗原結合分子、とりわけp7564(CPSDSSEIVLD)、p7543(GTDNQYLGLQIGC)、p8855(SDSSEIVLDGTDC)、p8858(EIVLDGTDNQYLC)、p8859(IVLDGTDNQYLGC)、p8860(VLDGTDNQYLGLC)、p8861(LDGTDNQYLGLQC)、p8862(DGTDNQYLGLQIGC)、p8869(CTDNQYLGLQIGQ)、p8868(CGTDNQYLGLQIG)、p8870(CDNQYLGLQIGQP)、p8871(CNQYLGLQIGQPQ)、p8864(TDNQYLGLQIGQC)、p8865(DNQYLGLQIGQPC)、p8854(PSDSSEIVLDGTC)、p8856(DSSEIVLDGTDNC)、p8857(SEIVLDGTDNQYC)、p8866(NQYLGLQIGQPQC)、およびp8867(QYLGLQIGQPQDC)からなる群より選択されるペプチド(ここで、N末端またはC末端システイン残基(C)は、存在しても、存在しなくてもよく、またはC末端もしくはN末端のいずれかに提供されてよい。)。
76.該抗体がポリクローナル抗体である、態様75に記載の抗体。
77.該抗体がモノクローナル抗体である、態様75に記載の抗体。
78.抗体が、食作用特性を増強する分子に結合されていることを特徴とする、態様75または77に記載の抗体または抗原結合分子。
79.ハンチントン病の予防および/または処置において使用される薬理学的組成物に使用するための、態様75から78のいずれかに記載の抗体または抗原結合分子。
80.組成物がさらに、薬学的に許容される担体または賦形剤を含むことを特徴とする、態様79に記載の使用のための抗体または抗原結合分子。
81.組成物が、少なくとも1つのさらなる治療剤をさらに含むことを特徴とする、態様79または80に記載の使用のための抗体または抗原結合分子。
82.ワクチンが、静脈内投与、皮下投与、皮内投与または筋肉内投与用に製剤化されることを特徴とする、態様79から81のいずれかに記載の使用のための抗体または抗原結合分子。
83.ポリクローナル抗体が、ワクチン中に、0.1mgから100mg、好ましくは0.5mgから20mg、特に1mgから10mgの量で含まれていることを特徴とする、態様79から82のいずれかに記載の使用のための抗体または抗原結合分子。