(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記浸漬洗浄実施判断部は、前記入力部から入力された前記分注プローブの浸漬洗浄のタイミングにおいて、前記容器の搬入が無い場合に前記浸漬洗浄の実施が可能と判断されるまで、前記浸漬洗浄制御部に対する前記浸漬洗浄の実施の指示を待機する
請求項4に記載の自動分析装置。
分注液が貯留された複数の容器を保持する保持部と、浸漬洗浄液が貯留される浸漬洗浄液保持部と、前記保持部に保持された容器から前記分注液を採取する分注プローブを前記保持部と前記浸漬洗浄液保持部との間で移動可能に保持する駆動機構を備えた分注装置を備えた自動分析装置による自動分析方法であって、
所定のサイクルで前記保持部に保持された前記複数の容器から前記分注液を順次に採取するように、前記分注装置の前記駆動機構および前記分注プローブを制御し、
通常測定動作のための前記所定のサイクルでの制御を開始した後に、前記所定のサイクルの2倍以上のサイクル数に相当する浸漬時間を掛けて、前記分注プローブを前記浸漬洗浄液保持部に貯留された前記浸漬洗浄液中に浸漬させる浸漬洗浄を実施させるように、前記分注装置の前記駆動機構および前記分注プローブを制御する
自動分析方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の自動分析装置および自動分析方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
≪自動分析装置≫
図1は、実施形態に係る自動分析装置を示す概略構成図であり、一例として血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する生化学分析装置に本発明を適用した自動分析装置1の概略構成図である。
図1に示すように、自動分析装置1は、測定部1aと制御部1bとを備えている。
【0012】
このうち測定部1aは、例えばサンプルターンテーブル2、希釈ターンテーブル3、第1試薬ターンテーブル4、第2試薬ターンテーブル5、および反応ターンテーブル6を備えている。また測定部1aは、希釈撹拌装置11、希釈洗浄装置12、第1反応撹拌装置13、第2反応撹拌装置14、多波長光度計15、および反応容器洗浄装置16を備えている。また自動分析装置1は、検体分注装置21、希釈検体分注装置22、第1試薬分注装置23、第2試薬分注装置24、およびプローブ洗浄装置30を備えており、さらにここでの図示を省略した洗浄容器保持部を備えていてもよい。
【0013】
一方、制御部1bは、表示部41を備えたものであって、さらに以降に詳細に説明するように、入力部、記憶部、および制御部を備えている。以下、これらの構成要素の詳細を、測定部1aおよび制御部1bの順に説明する。
【0014】
<測定部1a>
[サンプルターンテーブル2]
サンプルターンテーブル2は、分注液が貯留された複数の容器を保持する保持部の一つであって、その周縁に沿って複数の検体容器P2を複数列で保持し、保持した検体容器P2を円周の双方向に搬送する構成である。このサンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。サンプルターンテーブル2に保持される各検体容器P2は、分注液として、測定対象となる検体や精度管理用のコントロール検体が貯留されたものである。サンプルターンテーブル2には、これらの各種の被測定検体が、所定の位置に保持される構成となっている。
【0015】
なお、サンプルターンテーブル2には、検体容器P2の他にも、希釈液が貯留された希釈液容器や、以降に説明する浸漬洗浄液L1が貯留された浸漬洗浄容器が保持されてもよい。浸漬洗浄液L1が貯留された浸漬洗浄容器は、以降に説明するプローブ洗浄装置30の浸漬洗浄槽32または検体容器P2と同程度の大きさのものであることとする。また以上のようなサンプルターンテーブル2は、保持した検体容器P2や他の容器を冷却する機能を有していてもよい。
【0016】
[希釈ターンテーブル3]
希釈ターンテーブル3は、分注液が貯留された複数の容器を保持する保持部の一つであって、その周縁に沿って複数の希釈容器P3を保持し、保持した希釈容器P3を円周の双方向に搬送する構成である。この希釈ターンテーブル3は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。希釈ターンテーブル3に保持される希釈容器P3には、サンプルターンテーブル2に配置された検体容器P2から吸引され、希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が分注液として注入される。なお、自動分析装置1は、希釈ターンテーブル3を備えていないものであってもよい。
【0017】
[第1試薬ターンテーブル4および第2試薬ターンテーブル5]
第1試薬ターンテーブル4は、その周縁に沿って複数の第1試薬容器P4を保持し、第2試薬ターンテーブル5は、その周縁に沿って複数の第2試薬容器P5を保持し、それぞれ保持した第1試薬容器P4および第2試薬容器P5を円周の双方向に搬送する構成である。これらの第1試薬ターンテーブル4および第2試薬ターンテーブル5は、分注液が貯留された複数の容器を保持する保持部の一つであって、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。第1試薬ターンテーブル4に保持される複数の第1試薬容器P4には、分注液として試薬ボトルから第1試薬が分注される。第2試薬ターンテーブル5に保持される第2試薬容器P5には、分注液として試薬ボトルから第2試薬が分注される。
【0018】
[反応ターンテーブル6]
反応ターンテーブル6は、希釈ターンテーブル3と、第1試薬ターンテーブル4と、第2試薬ターンテーブル5との間に配置される。この反応ターンテーブル6は、その周縁に沿って複数の反応容器P6を保持し、保持した反応容器P6を円周の双方向に搬送する構成である。この反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。反応ターンテーブル6に保持される反応容器P6には、希釈ターンテーブル3の希釈容器P3から採取した希釈検体と、第1試薬ターンテーブル4の第1試薬容器P4から採取した第1試薬、または第2試薬ターンテーブル5の第2試薬容器P5から採取した第2試薬とが、それぞれ所定量で分注される。そして、この反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬または第2試薬とが撹拌され、反応が行われる。以上のような反応ターンテーブル6は、不図示の恒温槽により、反応容器P6の温度を常時一定に保持するように構成されている。なお、自動分析装置1が希釈ターンテーブル3を備えていないものである場合、反応ターンテーブル6に保持される反応容器P6には、サンプルターンテーブル2の検体容器P2から採取した検体が分注される。
【0019】
[希釈撹拌装置11]
希釈撹拌装置11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置11は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有し、不図示の撹拌子を希釈ターンテーブル3に保持された希釈容器P3内に挿入し、被測定検体と希釈液を撹拌する。
【0020】
[希釈洗浄装置12]
希釈洗浄装置12は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈洗浄装置12は、以降に説明する希釈検体分注装置22によって希釈検体が吸引された後の希釈容器P3を洗浄する装置である。
【0021】
[第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14]
第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応ターンテーブル6に保持された反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬または第2試薬とを撹拌する。このような第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有し、不図示の撹拌子を反応ターンテーブル6の所定位置に保持された反応容器P6内に挿入し、希釈検体(または検体)と第1試薬または第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応を進める。
【0022】
[多波長光度計15]
多波長光度計15は、計測部であり、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計15は、反応容器P6内において第1薬液および第2薬液と反応した希釈検体に対して光学的測定を行ない、検体中の様々な成分の量を吸光度として出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
【0023】
[反応容器洗浄装置16]
反応容器洗浄装置16は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。反応容器洗浄装置16は、検査が終了した反応容器P6内を洗浄する装置である。
【0024】
[検体分注装置21]
検体分注装置21は、細管状の分注プローブとして検体プローブ21aを備え、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。検体分注装置21は、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った検体プローブ21aの先端をサンプルターンテーブル2に保持された検体容器P2内の検体中に挿入し、所定量の検体を検体プローブ21a内に吸引する。この際、サンプルターンテーブル2は、予め設定された測定プログラムにしたがって、サンプルターンテーブル2の所定位置に保持された検体容器P2を、所定の検体採取位置に移動させておく。
【0025】
また、検体分注装置21は、希釈ターンテーブル3の希釈容器P3内に検体プローブ21aの先端を挿入し、検体プローブ21a内に吸引した検体と、検体分注装置21自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)とを、希釈容器P3内に吐出する。これにより、希釈容器P3内において、被測定検体を所定倍数の濃度に希釈する。
【0026】
なお、自動分析装置1が希釈ターンテーブル3を備えていないものである場合、検体分注装置21は、反応ターンテーブル6の反応容器P6内に検体プローブ21aの先端を挿入する。そして、検体プローブ21a内に吸引した検体と、検体分注装置21自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)とを、反応容器P6内に吐出する。
【0027】
また検体プローブ21aは、ここでの図示を省略した液面検知機構を備えている。液面検知機構は、例えば液面と検体プローブ21aの先端との間の静電容量によって、検体プローブ21aの先端に対する液面の高さ位置を検知するものである。
【0028】
[希釈検体分注装置22]
希釈検体分注装置22は、細管状の分注プローブとして希釈検体プローブ22aを備え、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置されている。希釈検体分注装置22は、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った希釈検体プローブ22aの先端を、希釈ターンテーブル3の希釈容器P3内に挿入し、希釈液が充填された希釈検体プローブ22aの先端から、空気溜りを介して所定量の希釈検体を吸引する。また希釈検体分注装置22は、反応ターンテーブル6の反応容器P6内に希釈検体プローブ22aの先端を挿入し、希釈検体プローブ22a内に吸引した希釈検体を、反応容器P6内に吐出する。なお、自動分析装置1が希釈ターンテーブル3を備えていないものである場合、その自動分析装置1は希釈検体分注装置22を備えている必要はない。
【0029】
[第1試薬分注装置23]
第1試薬分注装置23は、細管状の分注プローブとして第1試薬プローブ23aを備え、反応ターンテーブル6と第1試薬ターンテーブル4の間に配置されている。第1試薬分注装置23は、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った第1試薬プローブ23aの先端を、第1試薬ターンテーブル4の第1試薬容器P4内に挿入し、希釈液が充填された第1試薬プローブ23aの先端から、空気溜りを介して所定量の第1試薬を吸引する。また第1試薬分注装置23は、反応ターンテーブル6の反応容器P6内に第1試薬プローブ23aの先端を挿入し、第1試薬プローブ23a内に吸引した第1試薬を反応容器P6内に吐出する。
【0030】
[第2試薬分注装置24]
第2試薬分注装置24は、細管状の分注プローブとして第2試薬プローブ24aを備え、反応ターンテーブル6と第2試薬ターンテーブル5の間に配置されている。第2試薬分注装置24は、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った第2試薬プローブ24aの先端を、第2試薬ターンテーブル5の第2試薬容器P5内を挿入し、希釈液が充填された第2試薬プローブ24aの先端から、空気溜りを介して所定量の第2試薬を吸引する。また第2試薬分注装置24は、反応ターンテーブル6の反応容器P6内に第2試薬プローブ24aの先端を挿入し、第2試薬プローブ24a内に吸引した第2試薬を反応容器P6内に吐出する。
【0031】
[プローブ洗浄装置30]
プローブ洗浄装置30は、検体分注装置21の検体プローブ21aの先端を浸漬洗浄するめのものであって、検体プローブ21aが移動する軌道上に配置されている。ここでは一例として、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3との間の、検体プローブ21aの軌道上に、プローブ洗浄装置30が設けられていることとする。
【0032】
図2は、実施形態に係る自動分析装置1に設けられたプローブ洗浄装置30の構成を説明する図(その1)である。また
図3は、実施形態に係る自動分析装置1に設けられたプローブ洗浄装置30の構成を説明する図(その2)である。これらの図に示すように、プローブ洗浄装置30は、洗浄槽31と、洗浄槽31に内設された浸漬洗浄槽32と、洗浄槽31の上方に配置された洗浄液供給管33とを備えている。
【0033】
−洗浄槽31−
洗浄槽31は、筒状の一方の端部を細管状に絞って排液管31aとした構成のものであって、排液管31aを下方に向けて設置されている。
【0034】
−浸漬洗浄槽32−
浸漬洗浄槽32は、浸漬洗浄液L1が貯留される浸漬洗浄液保持部の一つである。この浸漬洗浄槽32は、検体プローブ21aの先端が挿入可能な程度の径を有する筒状のものであって、洗浄槽31内に立設する状態で配置されている。浸漬洗浄槽32の下端は、浸漬洗浄液供給管32aとして洗浄槽31の外部に導出され、浸漬洗浄液供給管32aから浸漬洗浄槽32内に第1洗浄液として浸漬洗浄液L1を供給する。このような浸漬洗浄液供給管32aは、ここでの図示を省略した流量調整器が駆動機構として設けられており、浸漬洗浄液L1の供給および供給停止が自在である。
【0035】
ここで、浸漬洗浄液供給管32aから浸漬洗浄槽32内に供給される浸漬洗浄液L1は、検体プローブ21aの先端に付着する検体成分を除去するための薬液である。このような浸漬洗浄液L1は、検体の除去に効果を発揮する薬剤であり、例えば検体が血液であればタンパク質の分解除去や失活に効果を有する薬剤が用いられる。具体的には、次亜塩素酸系の薬剤や、酸性洗剤、またはアルカリ性洗剤が、浸漬洗浄液L1として用いられる。
【0036】
また浸漬洗浄槽32は、浸漬洗浄液供給管32aから浸漬洗浄槽32内に供給された浸漬洗浄液L1が浸漬洗浄槽32の上方からオーバーフローして洗浄槽31の排液管31aから排出される構成となっている。このため、浸漬洗浄槽32の上端は、洗浄槽31の上端よりも低い位置に設定されていることが好ましい。
【0037】
また
図2に示すように、浸漬洗浄槽32の高さ[h]は、検体プローブ21aの先端から、検体プローブ21aが検体容器P2内において検体に浸漬される高さ位置[A]までを、十分に浸漬洗浄槽32内の浸漬洗浄液L1に浸漬可能な大きさであることとする。つまり、浸漬洗浄槽32の高さ[h]は、浸漬洗浄槽32内の浸漬洗浄液L1に対する検体プローブ21aの浸漬距離[d]が、検体プローブ21aが検体容器P2内において検体に浸漬される高さ位置[A]を十分に超える大きさであることとする。このような浸漬洗浄槽32は、検体容器P2と同程度の大きさを有していればよいが、それ以上であってもよい。なお洗浄槽31内には、複数の浸漬洗浄槽32がもうけられていてもよい。
【0038】
−洗浄液供給管33−
洗浄液供給管33は、洗浄槽31内であって浸漬洗浄槽32の外に収容された検体プローブ21aの先端に対して、第2洗浄液としてリンス液L2をシャワー状に供給するものである。特に洗浄液供給管33は、検体プローブ21aの先端が浸漬洗浄槽32において浸漬洗浄液L1に浸漬される高さ位置[B]よりも高い位置から、検体プローブ21aに対してリンス液L2を供給する構成である。このような洗浄液供給管33は、ここでの図示を省略した流量調整器が駆動機構として設けられており、リンス液L2の供給流量の調整および供給停止が自在である。
【0039】
また洗浄液供給管33は、浸漬洗浄槽32を避けた位置において、洗浄槽31の上部から洗浄槽31内にリンス液L2をシャワー状に供給する。洗浄液供給管33から供給されるリンス液L2は、例えば純水であることとする。洗浄液供給管33から供給されたリンス液L2は、排液管31aから排出される。
【0040】
なお、ここでの図示は省略したが、希釈検体分注装置22の希釈検体プローブ22aの軌道上、第1試薬分注装置23の第1試薬プローブ23aの軌道上、および第2試薬分注装置24の第2試薬プローブ24aの軌道上にも、プローブ洗浄装置が設けられていることとする。ただし、これらのプローブ洗浄装置は、上述したプローブ洗浄装置30と同一の構成である必要はなく、例えばプローブ洗浄装置30の構成要素のうちの浸漬洗浄槽32を備えていない構成のものであってよい。
【0041】
[洗浄容器保持部]
ここでの図示は省略したが、測定部1aには、以降に説明する浸漬洗浄液L1が貯留された浸漬洗浄容器を保持するための洗浄容器保持部が設けられていてもよい。この洗浄容器保持部は、検体プローブ21aが移動する軌道上に配置されていることとする。またこの保持部に保持される浸漬洗浄容器は、浸漬洗浄槽32または検体容器P2と同程度の大きさのものであることとする。なお、この浸漬洗浄容器の洗浄容器保持部は、自動分析装置1に設けられていなくてもよく、複数個所に設けられていてもよい。
【0042】
<制御部1b>
図1に戻り、制御部1bは、上述した測定部1aを構成する各構成要素の駆動機構および多波長光度計15、さらに測定部1aに検体を供給するための検体供給装置100に接続されている。
【0043】
図4は、実施形態の自動分析装置1のブロック図である。以下、先に示した
図1を参照しつつ、
図4に示した制御部1bの構成を説明する。
図4に示すように、制御部1bは、表示部41、入力部42、記憶部43、および入出力制御部44を備える。これらの構成要素の詳細は、次のようである。
【0044】
[表示部41]
表示部41は、多波長光度計15による測定結果を表示する他、自動分析装置1における各種の設定情報や各種の履歴情報を表示する。この表示部41には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。各種の設定情報や各種の履歴情報の中には、以降に説明するように検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報や履歴情報を含む。また表示部41は、以降に説明するアラーム出力部を兼ねていることとする。なお、アラーム出力部は、表示部41であることに限定されることはなく、ここでの図示を省略したスピーカーであってもよく、表示部41とスピーカーの両方であってもよい。
【0045】
[入力部42]
入力部42は、自動分析装置1のオペレーターによって行われる各種の設定に関する入力やその他の入力を受け付け、入力信号を入出力制御部44に出力する。この入力部42には、例えば、マウス、キーボード、表示部41における表示面に設けられたタッチパネル等が用いられる。
【0046】
[記憶部43]
記憶部43は、例えば、HDD(Hard disk drive)や半導体メモリなどの大容量の記録装置によって構成される。この記憶部43には、次に説明する入出力制御部44が実行する各種のプログラム、および上述した各種の設定情報や各種の履歴情報が保存される。
【0047】
[入出力制御部44]
入出力制御部44は、マイクロコンピューターなどの計算機によって構成されている。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部を備え、自動分析装置1内の各部の動作を制御する。このような入出力制御部44は、表示制御部44a、測定制御部44b、浸漬洗浄実施判断部44c、および浸漬洗浄制御部44dの各部を備える。ROMおよびRAMなどの記憶部は、記憶部43であってもよい。
【0048】
−表示制御部44a−
表示制御部44aは、多波長光度計15による測定結果の他、自動分析装置1における各種の設定情報や各種の履歴情報に関する表示画面を作成し、作成した表示画面を表示部41に表示させる。各種の設定情報や各種の履歴情報の中には、検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報や履歴情報を含む。
【0049】
次に、表示制御部44aによって作成される表示画面の具体例として、検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報や履歴情報の一例を
図5〜
図10を参照して説明する。なお、検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報は、入力部42からの入力に基づく情報である。
【0050】
図5は、プローブ浸漬洗浄の動作設定(その1)を示す図である。また
図6は、プローブ浸漬洗浄の動作設定(その2)を示す図である。検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報の一つとして、これらの図に示すプローブ浸漬洗浄の動作設定がある。プローブ浸漬洗浄の動作設定は、(1)洗浄位置、(2)浸漬距離、および(3)浸漬時間の各項目である。
【0051】
(1)洗浄位置は、検体プローブ21aの浸漬洗浄を実施する洗浄位置であって、
図5に示した例ではプローブ洗浄装置30が設定されている。また、
図6に示した例では、サンプルターンテーブル2のポジション1に設定されている。ポジション1とは、サンプルターンテーブル2における検体容器P2やその他の容器の保持位置である。この保持位置は、サンプルターンテーブル2を支持する駆動機構により、検体プローブ21aの軌道上の採取位置に移動する。
【0052】
なお、自動分析装置1が、洗浄容器保持部を備えている場合、(1)洗浄位置は、洗浄容器保持部に設定される場合もある。
【0053】
(2)浸漬距離は、検体プローブ21aの浸漬洗浄液L1への浸漬距離(深さ)である。
図2を参照し、浸漬距離[d]は、検体プローブ21aが検体容器P2内において検体に浸漬される高さ位置[A]よりも十分に大きい値に設定されることとする。
図5および
図6に示した例では、浸漬距離が50mmに設定されており、検体プローブ21aの先端から50mmを浸漬洗浄液L1に浸漬させる設定となっている。
【0054】
(3)浸漬時間とは、検体プローブ21aの浸漬洗浄液L1への浸漬時間である。この浸漬時間は、自動分析装置1における通常測定動作において、検体プローブ21aによる1つの検体の吸引動作から次の検体の吸引動作までを1サイクルとした場合に、2サイクル分以上に相当する時間に設定されるところが特徴的である。図示した例では、浸漬時間が300秒に設定されており、1サイクルが3秒であれば100サイクル分に相当する時間が浸漬時間として設定されていることになる。
【0055】
図7は、プローブ浸漬洗浄の手動実施設定を示す図である。検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報の他の一つとして、
図7に示すプローブ浸漬洗浄の手動実施設定がある。プローブ浸漬洗浄の手動実施設定は、検体プローブ21aの浸漬洗浄を、予め設定されたタイミングではなくオペレーターが任意のタイミングで実施するための設定である。このようなプローブ浸漬洗浄の手動実施設定における設定事項として、通常測定動作を中断するかしないかの設定が表示される。
【0056】
またこの設定画面には、プローブ浸漬洗浄を実行するための実行ボタンを表示してもよい。これにより、以降の自動分析方法において説明するように、例えばオペレーターが表示部41の画面状で実行ボタンクリックすることで、プローブの浸漬洗浄のフローが進行する構成としてもよい。なお、このようなプローブ浸漬洗浄の手動実施設定の画面は、通常測定動作のシャットダウンの画面に表示されてもよい。
【0057】
図8は、プローブ浸漬洗浄の自動実施設定を示す図である。検体プローブの浸漬洗浄に関する設定情報のさらに他の一つとして、
図8に示すプローブ浸漬洗浄の自動実施設定がある。プローブ浸漬洗浄の自動実施設定は、検体プローブ21aの浸漬洗浄を、予め設定されたタイミングで実施するための設定である。プローブ浸漬洗浄の自動実施設定の項目は、(1)実施タイミングおよび(2)通常測定動作中断の2つである。オペレーターは、入力部42からの入力により、これらを組み合わせた複数の設定を指定することができ、表示制御部44aは指定された全ての設定を表示部41に表示させる。
【0058】
図8に示した例では、設定1〜設定3の3つが設定されている場合を示している。設定1は検体プローブ21aの下端からの吸引を40回実施する毎、設定2はHbA1cの測定を30回実施する毎、設定3は前回に検体プローブ21aの浸漬洗浄を実施してから24時間毎のそれぞれのタイミングで、検体プローブ21aの浸漬洗浄を自動的に実施する設定である。なお、この設定は、各動作や所定時間の繰り返し毎に限定されることはない。例えば、検体プローブの浸漬洗浄が実施された後に、所定の動作を所定回数繰り返したタイミングであってもよい。
【0059】
図9は、プローブ浸漬洗浄の実施履歴の一例を示す図である。検体プローブの浸漬洗浄に関する履歴情報の一つとして、
図9に示すプローブ浸漬洗浄の実施履歴がある。プローブ浸漬洗浄の実施履歴は、上述したプローブ浸漬洗浄の手動実施設定および自動実施設定に従って実施されたプローブ浸漬洗浄の履歴である。この実施履歴は、以降に説明する浸漬洗浄実施判断部44cによって実施される判断において、プローブ浸漬洗浄がキャンセルされた情報も含む。
【0060】
図10は、アラームの履歴の一例を示す図である。検体プローブの浸漬洗浄に関する履歴情報の他の一つとして、
図10に示すアラームの履歴がある。アラームの履歴は、自動分析装置1による通常測定動作およびその他の動作においてアラームを出力した履歴であり、検体プローブの浸漬洗浄を実施するに際してアラームを出力した場合の履歴も含む。
【0061】
−測定制御部44b−
図4に戻り、測定制御部44bは、測定部1aを構成する各駆動機構の動作タイミングを制御すると共に、多波長光度計15での光度の測定タイミングを制御する。測定制御部44bは、サンプルターンテーブル2に保持された複数の検体容器P2から検体が所定のサイクルで順次に採取するように検体分注装置21を制御する。また測定制御部44bは、サンプルターンテーブル2に保持された各検体容器P2中の検体を所定の濃度に希釈し、その希釈検体に対して第1試薬と第2試薬とを混合して反応させ、反応させた反応液の吸光度を測定するように、各駆動機構を制御する。
【0062】
−浸漬洗浄実施判断部44c−
浸漬洗浄実施判断部44cは、測定部1aにおける通常測定動作や終了動作の実施に際し、検体プローブの浸漬洗浄を実施するか否かを判断し、実施する場合には浸漬洗浄制御部44dに対して検体プローブの浸漬洗浄の実施を指示する。また検体プローブの浸漬洗浄を実施できない場合にアラーム出力部へのアラームの出力を指示する。
【0063】
このような浸漬洗浄実施判断部44cは、記憶部43に記憶された設定情報、検体プローブ21aに設けられた液面検知機構からの信号、および検体供給装置100から自動分析装置1への検体供給情報に基づいて、これらの判断および指示を実施する。浸漬洗浄実施判断部44cによって実施される判断および指示の詳細は、次の自動分析方法において詳細に説明する。
【0064】
−浸漬洗浄制御部44d−
浸漬洗浄制御部44dは、浸漬洗浄実施判断部44cからの指示に従い、プローブ洗浄装置30および検体分注装置21の駆動機構を制御することにより、検体プローブ21aの浸漬洗浄を制御する。この浸漬洗浄制御部44dは、
図5および
図6を用いて説明したプローブ浸漬洗浄の動作設定にしたがった(1)洗浄位置、(2)浸漬距離、および(3)浸漬時間で、検体プローブ21aの浸漬洗浄を実施する。特に、(3)浸漬時間は、通常測定動作において、検体プローブ21aが複数の検体容器P2から検体を順次に採取するサイクルの2倍以上としているところが特徴的である。浸漬洗浄制御部44dによって実施される検体プローブ21aの浸漬洗浄の詳細は、次の自動分析方法において詳細に説明する。
【0065】
≪自動分析方法≫
図11は、実施形態の自動分析装置を用いた自動分析方法を示すフローチャート(その1)である。また
図12は、実施形態の自動分析装置を用いた自動分析方法を示すフローチャート(その2)である。これらの図を用いて説明する自動分析方法は、通常測定動作および終了動作の実施に際し、通常測定動作の2サイクル以上の時間を掛けて検体プローブ21aを浸漬洗浄する一連の手順である。なお、通常測定動作における1サイクルは、検体プローブ21aによる1つの検体の吸引動作から次の検体の吸引動作までの期間である。
【0066】
この手順は、
図4を用いて説明した入出力制御部44を構成するCPUが、記憶部に保存されたプログラムを実行することにより実現される。以下、
図11および
図12のフローチャートに示す順に、必要に応じて
図1〜
図10の各図を参照しつつ、自動分析装置1における制御部1bによって実施される自動分析方法を説明する。
【0067】
<ステップS1>
先ず、
図11に示すステップS1において、測定制御部44bは、測定部1aを構成する各構成要素の駆動機構および多波長光度計15の制御により通常測定動作を開始する。
【0068】
<ステップS2>
ステップS2において、浸漬洗浄実施判断部44cは、浸漬洗浄の手動入力が有るか否かを判断する。ここで浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aの浸漬洗浄の実施が、オペレーターによって手動で入力されたか否かを判断する。この判断は、例えば
図7に示したプローブ浸漬洗浄の手動実施設定の画面において、実施のボタンがクリックされたか否かによってなされる。浸漬洗浄実施判断部44cは、手動入力が有る(YES)と判断した場合には、入力されたプローブ浸漬洗浄のタイミングが今であると判断してステップS3に進む。一方、手動入力が無い(NO)と判断した場合には、ステップS101に進む。
【0069】
<ステップS101>
ステップS101において、浸漬洗浄実施判断部44cは、浸漬洗浄の自動実施設定が有るか否かを判断する。この際、浸漬洗浄実施判断部44cは、記憶部43に記憶されている各種の設定情報の中に、例えば
図8に示したプローブ浸漬洗浄の自動実施設定が有るか否かを判断する。そして自動実施設定が有る(YES)と判断した場合には、次のステップS102に進む。一方、自動実施設定が無い(NO)と判断した場合には、ステップS2に戻る。
【0070】
<ステップS102>
ステップS102において、浸漬洗浄実施判断部44cは、プローブ浸漬洗浄の自動実施設定の何れか(
図8の設定1〜設定3)で設定されたタイミングに達しているか否かを判断する。そして何れかのタイミングに達した(YES)と判断した場合には、ステップS3に進む。一方、何れのタイミングにも達していない(NO)と判断した場合には、ステップS2に戻る。
【0071】
<ステップS3>
ステップS3において、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aの浸漬洗浄の実施が可能な状態であるか否かを判断する。この際、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体供給装置100から自動分析装置1への検体の搬入情報、または測定制御部44bが有する検体の受付情報に基づいて、浸漬洗浄の実施が可能な状態であるか否かを判断する。
【0072】
この場合、検体供給装置100から自動分析装置1への検体の搬送が無い場合には、検体プローブ21aの浸漬洗浄の実施が可能な状態である(YES)と判断し、
図12に示すステップS4に進む。一方、自動分析装置1の測定部1aへの検体の搬送が有り、以降も通常測定動作が連続する場合には、検体プローブ21aの浸漬洗浄の実施が可能な状態ではない(NO)と判断してステップS103に進む。
【0073】
<ステップS103>
ステップS103において、浸漬洗浄実施判断部44cは、記憶部43に記憶されている各種の設定情報の中に、通常測定動作中断の設定がなされているか否かを判断する。この際、浸漬洗浄実施判断部44cは、ステップS2において手動入力が有る(YES)とした場合であれば、例えば
図7に示したプローブ浸漬洗浄の手動実施設定において通常測定動作中断をする設定となっているか否かを判断する。一方、ステップS102において自動実施設定の何れかのタイミングに達した(YES)とした場合であれば、ステップS102でタイミングに達した(YES)と判断された設定において、通常測定動作中断をする設定となっているか否かを判断する。
【0074】
浸漬洗浄実施判断部44cは、以上の判断において、通常測定動作中断の設定がなされている(YES)と判断した場合には、ステップS104に進む。一方、通常測定動作中断の設定がなされていない(NO)と判断した場合には、ステップS105に進む。
【0075】
<ステップS104>
ステップS104において、浸漬洗浄実施判断部44cは、測定制御部44bに対して通常測定動作の中断を指示する。これにより、測定制御部44bは、通常測定動作を中断する。
【0076】
<ステップS105>
一方、ステップS105において、浸漬洗浄実施判断部44cは、表示制御部44aに対して浸漬洗浄不可のアラームの出力を指示する。これにより、表示制御部44aは、アラーム出力部としての表示部41に浸漬洗浄不可のアラームを表示させる。この場合、例えば
図10に示すように、アラームの履歴の表示画面に浸漬洗浄不可の内容を表示し、これをアラーム出力とする。
【0077】
<ステップS106>
ステップS106において、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aの浸漬洗浄の実施が可能な状態であるか否かを判断する。この際、浸漬洗浄実施判断部44cは、ステップS3と同様に、検体供給装置100から自動分析装置1への検体の搬入情報、または測定制御部44bが有する検体の受付情報に基づいて、浸漬洗浄の実施が可能な状態であるか否かを判断する。
【0078】
ここでは、浸漬洗浄の実施が可能な状態である(YES)と判断されるまで、ステップS106を繰り返すことにより、浸漬洗浄の実施が可能な状態となるまで待機する。そして、浸漬洗浄の実施が可能な状態である(YES)と判断された場合に、
図12に示す次のステップS4に進む。
【0079】
<ステップS4>
ステップS4において、浸漬洗浄実施判断部44cは、浸漬洗浄液が必要量有るか否かを判断する。この際、浸漬洗浄実施判断部44cは、先ず検体プローブ21aを設定された洗浄位置に移動する。この洗浄位置は、検体プローブ21aの浸漬洗浄を実施する位置であり、
図5または
図6を用いて説明したプローブ浸漬洗浄の動作設定の(1)洗浄位置である。
【0080】
図5に示すように、(1)洗浄位置が、プローブ洗浄装置30に設定されている場合には、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aをプローブ洗浄装置30の浸漬洗浄槽32の上部に移動させる。また自動分析装置1が、洗浄容器保持部を備えていて、(1)洗浄位置が、洗浄容器保持部に設定されている場合であれば、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aを洗浄容器保持部の上部に移動させる。
【0081】
一方、
図6に示すように、(1)洗浄位置が、サンプルターンテーブルに設定されている場合には、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aをサンプルターンテーブル2の検体採取位置に移動させる。これと同時に、浸漬洗浄実施判断部44cは、サンプルターンテーブル2のポジション1およびポジション1に保持された浸漬洗浄容器を、所定の検体採取位置に移動させる。
【0082】
以上の後、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aに設けられた液面検知機構を用いて検体プローブ21aの下方に配置された浸漬洗浄槽32または浸漬洗浄容器内の液面の高さを検知する。そして、検知した液面の高さにより、浸漬洗浄液が必要量有るか否かを判断する。ここで必要量とは、浸漬洗浄液L1に対する検体プローブ21aの浸漬距離[d]が、検体プローブ21aが検体容器P2内において検体に浸漬される高さ位置[A]を超える量、または超える量に対してある程度の許容範囲を持たせた、それよりも少ない量であってもよい。
【0083】
浸漬洗浄実施判断部44cは、以上の手順により、浸漬洗浄液が必要量有る(YES)と判断した場合には、ステップS5に進む。一方、浸漬洗浄液が必要量無い(NO)と判断した場には、ステップS107に進む。
【0084】
<ステップS107>
ステップS107において、浸漬洗浄実施判断部44cは、表示制御部44aに対して浸漬洗浄液不足のアラームの出力を指示する。これにより、表示制御部44aは、アラーム出力部としての表示部41に浸漬洗浄不足のアラームを表示させる。この場合、例えば
図10に示すように、アラームの履歴の表示画面に、アラームの内容を表示する。その後はステップS6に進む。
【0085】
<ステップS5>
ステップS5において、浸漬洗浄実施判断部44cは、浸漬洗浄制御部44dに対して検体プローブ21aの浸漬洗浄処理の実施を指示する。これにより、浸漬洗浄制御部44dは、検体プローブ21aの浸漬洗浄の一連の処理を実施する。
図13は、自動分析方法におけるプローブの浸漬洗浄処理の手順を示すフローチャートである。この図に示すように、浸漬洗浄制御部44dは、次のように検体プローブ21aの浸漬洗浄処理を実施する。
【0086】
[ステップS501]
ステップS501において、浸漬洗浄制御部44dは、検体プローブ21aの浸漬洗浄を実施する。この際、浸漬洗浄制御部44dは、先ず検体プローブ21aを降下させる。これにより、
図2に示したように、浸漬洗浄槽32または浸漬洗浄容器内の浸漬洗浄液L1内に、検体プローブ21aの先端を所定の浸漬距離[d]で所定の浸漬時間だけ浸漬させる。この浸漬距離[d]および浸漬時間は、
図5または
図6を用いて説明したプローブ浸漬洗浄の動作設定の(2)浸漬距離および(3)浸漬時間である。
【0087】
また浸漬洗浄制御部44dは、浸漬洗浄液L1による洗浄効果を高めることを目的として、上述のように検体プローブ21aを浸漬洗浄液L1に浸漬させた状態で、検体プローブ21aを上下方向および水平方向の少なくとも一方に震動させてもよい。さらに浸漬洗浄制御部44dは、この状態で検体プローブ21aへの浸漬洗浄液L1の吸引・吐出を繰り返してもよい。また、検体プローブ21aの振動および検体プローブ21aへの浸漬洗浄液L1の吸引・吐出を実施する場合には、何れを先に実施してもよい。
【0088】
なお、このステップS501は、浸漬洗浄槽32内の浸漬洗浄液L1を入れ替えて繰り返し実施してもよいし、複数の浸漬洗浄槽32を有する場合には異なる浸漬洗浄槽32内においてそれぞれ実施してもよい。また、このステップS501は、異なる浸漬洗浄容器内においてそれぞれ実施してもよし、浸漬洗浄槽32と浸漬洗浄容器内の浸漬洗浄液L1内で複数回実施してもよい。いずれの場合であっても、浸漬洗浄液L1は、同じ種類のものであってもよいし異なる種類のものであってもよい。
【0089】
[ステップS502]
ステップS502において、浸漬洗浄制御部44dは、検体プローブ21aを浸漬洗浄槽32または浸漬洗浄容器内の浸漬洗浄液L1から取り出す。そして、浸漬洗浄槽32の外のプローブ洗浄装置30の洗浄槽31内に移動させる。
【0090】
[ステップS503]
ステップS503において、浸漬洗浄制御部44dは、洗浄槽31内の検体プローブ21aに対して、洗浄液供給管33からリンス液L2をシャワー状に供給し、検体プローブ21aをリンス洗浄する。この際、洗浄液供給管33は、
図3に示したように、検体プローブ21aの先端が浸漬洗浄に際して浸漬洗浄液L1に浸漬される高さ位置[B]よりも高い位置から、検体プローブ21aに対してリンス液L2を供給する。
【0091】
また浸漬洗浄制御部44dは、検体プローブ21aの内部水を洗浄槽31内に吐出させ、検体プローブ21aの内壁を洗い流す。
【0092】
[ステップS504]
ステップS504において、浸漬洗浄制御部44dは、検体プローブ21aを洗浄槽31内から移動させる。
【0093】
[ステップS505]
ステップS505において、浸漬洗浄制御部44dは、検体プローブ21aの浸漬洗浄に浸漬洗浄槽32を使用したか否かを判断する。浸漬洗浄制御部44dは、ステップS501で実施した浸漬洗浄が浸漬洗浄槽32において実施された場合には、プローブ浸漬洗浄に浸漬洗浄槽32を使用した(YES)と判断し、ステップS506に進む。
【0094】
一方、浸漬洗浄制御部44dは、ステップS501で実施した浸漬洗浄が、サンプルターンテーブル2または洗浄容器保持部に保持された浸漬洗浄容器において実施された場合には、浸漬洗浄に浸漬洗浄槽32を使用していない(NO)と判断し、一連の浸漬洗浄処理を終了させる。そして、
図12に示したステップS6に進む。
【0095】
[ステップS506]
ステップS506において、浸漬洗浄制御部44dは、浸漬洗浄槽32内の浸漬洗浄液L1をオーバーフローさせて置換する。その後、一連の浸漬洗浄処理を終了させる。そして、
図12に示したステップS6に進む。
【0096】
なお、浸漬洗浄実施判断部44cは、上述した一連の浸漬洗浄処理の最中に、検体供給装置100から自動分析装置1への検体の搬入情報、または測定制御部44bから検体の受付情報が入った場合には、浸漬洗浄処理が終了するまで測定制御部44bに対して、通常測定動作の開始を保留して一時停止させておく。
【0097】
<ステップS6>
ステップS6において、浸漬洗浄実施判断部44cは、記憶部43に対して浸漬洗浄の履歴の保存を指示する。これにより、記憶部43には、例えば
図9に示したように、検体プローブの浸漬洗浄を実施した場合、または検体プローブの浸漬洗浄をキャンセルした場合の実施状況の履歴が、日時情報および実施指示内容と共に保存される。
【0098】
<ステップS7>
ステップS7において、浸漬洗浄実施判断部44cは、測定制御部44bからの情報に基づいて、測定終了の指示があるか否かを判断する。測定終了の指示がある(YES)と判断した場合にはステップS8に進む。一方、測定終了の指示がない(NO)と判断した場合には、
図11のステップS1に戻り、再び通常測定動作を開始する。
【0099】
<ステップS8>
ステップS8において、浸漬洗浄実施判断部44cは、検体プローブ21aの浸漬洗浄にサンプルターンテーブル2の浸漬洗浄容器を使用したか否かを判断する。浸漬洗浄実施判断部44cは、ステップS5の浸漬洗浄処理においての浸漬洗浄がサンプルターンテーブル2の浸漬洗浄容器において実施された場合には、浸漬洗浄容器を使用した(YES)と判断し、ステップS9に進む。一方、浸漬洗浄実施判断部44cは、ステップS5において浸漬洗浄が、プローブ洗浄装置30の浸漬洗浄槽32または洗浄容器保持部に保持された浸漬洗浄容器において実施された場合には、サンプルターンテーブル2の浸漬洗浄容器を使用していない(NO)と判断し、ステップS10に進む。
【0100】
<ステップS9>
ステップS9において、浸漬洗浄実施判断部44cは、ステップS5の浸漬洗浄処理において用いたサンプルターンテーブル2の浸漬洗浄容器を、所定の容器取り出し位置に移動させる。これにより、測定を終了させる前に、オペレーターは、浸漬洗浄液L1を収容した浸漬洗浄容器を、サンプルターンテーブル2から取り出すことが可能になる。その後はステップS10に進む。
【0101】
<ステップS10>
ステップS10において、浸漬洗浄実施判断部44cは、測定制御部44bに対して、所定の測定終了動作を実施させ、一連の自動分析処理を終了させる。
【0102】
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態によれば、通常測定動作の際の2サイクル以上の時間をかけて、検体プローブ21aを浸漬洗浄液L1に対して浸漬させた浸漬洗浄を実施する構成であるため、拭き取り用の洗浄部材を用いることなく検体プローブ21aに付着した汚れを効果的に除去することが可能である。この結果、自動分析装置1のランニングコストの低減を図ることが可能である。また、検体のキャリーオーバーや、これによる検体の汚染を防止することでき、測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0103】
≪変形例≫
なお、以上の実施形態においては、ステップS4において浸漬洗浄液が必要量無い(NO)と判断した場合に、検体プローブ21aの浸漬洗浄をキャンセルする構成とした。しかしながら、
図5で示したように、(1)洗浄位置が、プローブ洗浄装置30の浸漬洗浄槽32であれば、ステップS4において浸漬洗浄液が必要量無い(NO)と判断した後に、浸漬洗浄実施判断部44cは、浸漬洗浄槽32に浸漬洗浄液供給管32aから必要量の浸漬洗浄液L1を供給し、その後ステップS5に進む構成としてもよい。また
図6で示したように(1)洗浄位置がサンプルターンテーブル2であるか、または洗浄容器保持部に保持された浸漬洗浄容器であれば、浸漬洗浄実施判断部44cは、オペレーターによる浸漬洗浄容器内の浸漬洗浄液L1の追加を待機し、その後ステップS5に進む構成としてもよい。
【0104】
また以上の実施形態においては、検体プローブ21aを洗浄するためのプローブ洗浄装置30が浸漬洗浄槽32を備えている構成を説明した。しかしながら、プローブ洗浄装置30は、浸漬洗浄槽32を備えていなくてもよい。この場合、検体プローブ21aの浸漬洗浄は、サンプルターンテーブル2または洗浄容器保持部に保持された浸漬洗浄容器内の浸漬洗浄液L1によって実施すればよい。
【0105】
さらに以上の実施形態においては、分注プローブの浸漬洗浄処理として、検体プローブ21aの浸漬洗浄処理を例示して説明を行った。しかしながら、本発明の自動分析方法における分注プローブの浸漬洗浄処理は、検体プローブに限定されることはなく、他の分注プローブに対しても広く適用可能である。
【0106】
また上述した実施の形態においては、
図7に示したプローブ浸漬洗浄の手動実施設定と、
図8に示したプローブ浸漬洗浄の自動実施設定との両方で設定できる構成とした。しかしながら、本発明の自動分析方法における分注プローブの浸漬洗浄処理においては、何れか一方のみで分注プローブの浸漬洗浄処理の実施のタイミングを設定する構成であってもよい。
【0107】
またさらに以上の実施形態においては、ステップS5における洗浄処理の実施を実行する前に、入力部42からのオペレーターによる手動入力によって、洗浄処理の実施をキャンセルできる構成としてもよい。この場合の一例として、(a)ステップS3とステップS4との間、(b)ステップS105とステップS106との間、(c)ステップS104とステップS4との間、(d)ステップS4が開始されてからステップS5が終了するまでの間の少なくとも1カ所に、浸漬洗浄のキャンセル指示が手動入力されたか否かのキャンセル入力の判断ステップを追加する。
【0108】
上記(a),(b)に追加したキャンセル入力の判断ステップにおいて、浸漬洗浄のキャンセル指示が手動入力された(YES)と判断された場合には、ステップS2に戻る。
【0109】
上記(c)に追加したキャンセル入力の判断ステップにおいて、浸漬洗浄のキャンセル指示が手動入力された(YES)と判断された場合には、直前のステップS104において通常測定動作が中断されているため、ステップS1に戻る。
【0110】
上記(d)に追加したキャンセル入力の判断ステップにおいて、浸漬洗浄のキャンセル指示が手動入力された(YES)と判断された場合には、直前のステップS4においてプローブの先端が洗浄液に浸漬されている可能性がある。このため、プローブのリンス洗浄と、浸漬洗浄液のオーバーフロー交換を実施した後に、ステップS1に戻る。この場合、
図13を用いて説明したステップS502〜ステップS506までを実施すればよく、その後ステップS1に戻る構成とすればよい。
【0111】
一方、上記(a)〜(d)に追加したキャンセル入力の判断ステップにおいて、浸漬洗浄のキャンセル指示が手動入力されていない(NO)と判断された場合には、次のステップに進む構成とすればよい。
【0112】
また上述した浸漬洗浄のキャンセル指示が手動入力された場合には、例えば浸漬洗浄実施判断部44cが、検体プローブの浸漬洗浄が手動入力によってキャンセルされた履歴を保存する構成としてもよい。