(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876667
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】ステンシルとワークピースとの平面性位置合わせ
(51)【国際特許分類】
B41F 15/14 20060101AFI20210517BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20210517BHJP
B41F 15/26 20060101ALI20210517BHJP
B41F 15/36 20060101ALI20210517BHJP
B41M 1/12 20060101ALI20210517BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
B41F15/14 C
B41F15/08 303E
B41F15/26 A
B41F15/36 A
B41M1/12
H05K3/34 505D
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-208771(P2018-208771)
(22)【出願日】2018年11月6日
(65)【公開番号】特開2019-84828(P2019-84828A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2019年1月28日
(31)【優先権主張番号】1718374.0
(32)【優先日】2017年11月7日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514153171
【氏名又は名称】エーエスエム・アセンブリー・システムズ・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ウェストレイク
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・ベアハム
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・コクラム
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・スチュアート・ペイプ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ヘンリー・トーンズ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・アンドリュー・フォギー
【審査官】
亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−249347(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/119904(WO,A1)
【文献】
特開2016−175362(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第02351258(GB,A)
【文献】
特開2007−105825(JP,A)
【文献】
米国特許第04905592(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/14
B41F 15/08
B41F 15/26
B41F 15/36
B41M 1/12
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース印刷機のための位置合わせシステムであって、
使用中に実質的に平面的なステンシルを支持するためのステンシル支持体と、
使用中に平面的なワークピースをX−Y平面において支持するためのワークピース支持体であって、前記X−Y平面は、直交するX軸およびY軸を含む平面として定められている、ワークピース支持体と、
前記X軸および前記Y軸のうちの少なくとも一方を中心とした前記ステンシル支持体および前記ワークピース支持体の相対回転をもたらすように配置されたアクチュエータを含む平面性制御機構と、
を含み、
前記平面性制御機構は、前記X軸および前記Y軸の両方を中心とした前記ステンシル支持体および前記ワークピース支持体の相対回転をもたらすように配置された少なくとも2つのアクチュエータを含み、
前記平面性制御機構は、第1および第2の可動型位置合わせクランプを更に含み、前記第1および第2の可動型位置合わせクランプはそれぞれ、それぞれのアクチュエータを含み、前記ステンシル支持体と前記ワークピース支持体とのうちの少なくとも一つを含む位置合わせフレーム上のそれぞれの第1および第2の離間した場所に位置しており、
前記第1および第2の可動型位置合わせクランプのうちの少なくとも一つはクランプ組立体を含み、前記クランプ組立体は、
剛性構造体を間にクランプするための、互いに向かい合った第1および第2のクランプ表面と、
前記第1のクランプ表面が取り付けられ、前記クランプ組立体を第1の非クランプ状態と第2のクランプ状態との間で切り替えるように動作するクランプアクチュエータであって、前記クランプ状態では、前記剛性構造体は、前記第1のクランプ表面と前記第2のクランプ表面との間にクランプされ、前記切り替えは、前記クランプアクチュエータがクランプ軸に沿って前記第2のクランプ表面に向かって前記第1のクランプ表面を移動させることによってもたらされる、クランプアクチュエータと、
を含み、
前記第1および第2のクランプ表面のうちの少なくとも一方は、ベアリングを含み、これによって、前記剛性構造体は、前記クランプ組立体が前記第1の非クランプ状態にあるときに前記ベアリングを介して前記クランプ表面に対して移動可能であり、
前記クランプ組立体は、前記クランプ軸に沿って、前記クランプ組立体の一部を前記第2のクランプ表面に対して移動させるために、前記第2のクランプ表面に機械的に接続された位置付けアクチュエータを更に含み、
前記クランプ組立体の前記位置付けアクチュエータは、前記位置合わせフレームの回転をもたらすように配置されており、
前記第1および第2のクランプ表面のうちの一方は、ベアリングを含み、前記第1および第2のクランプ表面のうちのもう一方は、ドーム状摩擦要素または旋回摩擦要素を含み、これによって、前記剛性構造体は、前記クランプ軸に沿ってクランプされて、前記クランプ軸に対して傾斜角で保持され得る、
位置合わせシステム。
【請求項2】
前記位置合わせフレーム上の第3の場所に位置する、固定型位置合わせクランプを含み、それによって、前記固定型位置合わせクランプは、前記位置合わせフレームのための旋回軸として作用する、請求項1に記載の位置合わせシステム。
【請求項3】
前記位置合わせフレーム上の第3の場所に位置する、第3の可動型位置合わせクランプを含む、請求項1に記載の位置合わせシステム。
【請求項4】
前記位置合わせフレームを前記X−Y平面内部で移動させるために前記位置合わせフレームと機械的に協働するX−Y位置合わせ機構をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の位置合わせシステム。
【請求項5】
固定型および可動型位置合わせクランプそれぞれは、ベアリングを各別に含み、前記固定型または可動型位置合わせクランプは、使用中に、前記それぞれのベアリングを介してそれぞれの外表面と機械的に協働して、前記X−Y平面内部での前記位置合わせフレームの移動を可能にする、請求項4に記載の位置合わせシステム。
【請求項6】
各アクチュエータは、前記それぞれの外表面に対して、かつこれに反応して、前記位置合わせフレームを移動させるように動作する、請求項5に記載の位置合わせシステム。
【請求項7】
固定型および可動型位置合わせクランプそれぞれは、前記固定型または可動型位置合わせクランプを前記外表面それぞれにクランプするように動作可能なクランプアクチュエータを含む、請求項5または6に記載の位置合わせシステム。
【請求項8】
前記位置合わせフレームは、前記ステンシル支持体を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の位置合わせシステム。
【請求項9】
前記位置合わせフレームは、前記ワークピース支持体を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の位置合わせシステム。
【請求項10】
前記位置付けアクチュエータは、線形アクチュエータを含む、請求項1に記載の位置合わせシステム。
【請求項11】
湾曲ベアリング、および使用中に前記湾曲ベアリングを駆動するための線形アクチュエータを含む、請求項10に記載の位置合わせシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の位置合わせシステムを含む、印刷機。
【請求項13】
支持構造体を含み、前記支持構造体は、当該支持構造体から突出する複数の突起を含み、前記平面性制御機構は、前記突起を介して前記支持構造体と機械的に協働する、請求項12に記載の印刷機。
【請求項14】
前記ステンシルが前記ステンシル支持体によって支持されるときに、前記X−Y平面に対する前記ステンシルの複数の点の距離を測定するためのセンサ装置をさらに含む、請求項12または13に記載の印刷機。
【請求項15】
導電媒体で平面的なワークピースを印刷する方法であって、
i)平面的なワークピースをX−Y平面において支持するためのワークピース支持体および実質的に平面的なステンシルを支持するためのステンシル支持体を有する印刷機を提供するステップと、
ii)ステンシルを前記ステンシル支持体内に入れるステップと、
iii)前記X−Y平面に対する前記ステンシルの複数の点の距離を測定するステップと、
iv)請求項1に記載の位置合わせシステムを用いて、前記ステンシルが前記X−Y平面に対して必要な向きになるまで、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方を中心として前記ワークピース支持体に対して前記ステンシル支持体を回転させるステップと、
v)ワークピースが前記ステンシルの下に位置するように前記ワークピースを前記ワークピース支持体上に載せるステップと、
vi)前記ステンシルを介して前記ワークピース上に導電媒体を印刷するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
ステップi)は、請求項12から14のいずれか一項に記載の印刷機を提供するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ワークピースまたは前記ワークピース支持体の基準位置を測定することによって、前記印刷機をキャリブレーションするステップを含む、請求項15または16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置合わせシステム、クランプ組立体、印刷機、および平面的なワークピースを印刷するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用のスクリーン印刷機は、典型的には、角度付きブレードまたはスキージを用いてステンシルを通じて媒体(例えば、ハンダペースト)を塗布することによって、回路基板などの平面的なワークピース上に、ハンダペーストまたは導電性インクなどの印刷媒体を、塗布する。ステンシルがワークピースと正確に位置合わせするのを確実にするため、ステンシルおよびワークピース上に提供されるマーカーの、(従来はX−Y平面と示され、概ね水平である)ワークピースの平面における、相対位置が測定され、その後、位置合わせされる。1以上のカメラが使用されてマーキングの位置を光学的に測定することができる。
【0003】
典型的には、ステンシルおよびワークピースは次に、アクチュエータによってX−Y平面において位置合わせされ、このアクチュエータは、ステンシル支持体に作用して、ステンシル支持体上に支持されたステンシルをワークピースに対して移動させる。必要とされる移動の程度は、先行する光学的測定によって決定される。このような位置合わせは、通常、2つの自由度を用いて、単一のX−Y平面にわたり行われる。その後、ステンシルは、(Z軸に沿った移動として従来示されている)ワークピースに垂直な方向におけるステンシルとワークピースとの間の相対的移動をもたらすことによって、ワークピースと接触させられる(またはほとんど接触する)。
【0004】
この機能性を提供する公知の位置合わせシステム1が、
図1に概略的に示されている。ここで、システム1は、上から、X−Y平面を見下ろして示されており、X、YおよびZ軸方向が、明確にするために示されている。ステンシル支持体2が、X−Y平面においてステンシル3をステンシル支持体上に支持するために設けられる。ステンシルは、ワークピース支持体4を覆うように配置され、ワークピース支持体4の上で、ワークピースが使用中に支持される。ステンシル3およびワークピースの、X−Y平面における相対位置は、カメラシステム(不図示)によって光学的に決定される。ステンシル支持体2がX−Y平面において、印刷機に対して並進運動および回転の両方で移動され得るように、3つのアクチュエータが、印刷機上に静止して取り付けられてステンシル支持体2と機械的に協働する。2つの位置合わせアクチュエータ7、8は、ステンシル支持体2の側方エリアで作用して、ステンシル支持体2を±Y方向に移動させる。その他の位置合わせアクチュエータ9は、ステンシル支持体2の比較的中心的なエリアで作用して、ステンシル支持体2を±X方向に移動させる。アクチュエータ9が単独で起動されると、ステンシル支持体2がY軸に沿って並進運動し、アクチュエータ7および8の両方が協調して起動されると、ステンシル支持体2がX軸に沿って並進運動され得ることが分かる。ステンシル支持体2の回転、または、回転と並進運動との組み合わせは、アクチュエータ7、8、および9の組み合わせを選択的に起動することによって達成され得る。位置合わせアクチュエータ7、8、9はすべて、印刷機上、例えば、印刷機の静止構造体またはフレーム上に取り付けられることによって、固定位置で保持される。
【0005】
このシステムでは、ステンシル支持体は、ワークピース支持体に対して移動するように作動され、他のシステムでは、アクチュエータは、相対的移動を達成するためにワークピース支持体に直接作用し得る。
【0006】
位置合わせ後、印刷媒体は、媒体をステンシルの上面上に堆積させ、X−Y平面内で、またはこれに平行に上面にわたってスキージをさっと動かし、ステンシルの開口を通じて印刷媒体を送ることによって、ステンシルを通ってワークピースに塗布される。その後、ワークピースおよびステンシルは分離される。
【0007】
幅広い研究を通じて、ステンシルとワークピースとの間の分離角度の制御が印刷品質の制御にきわめて重要であることが分かっている。しかしながら、公知の印刷機には、最初の機械構築ステージ(initial machine build stage)の外側の、またはその後の手動キャリブレーション中に、平面的な位置合わせエラーを自動的に修正する能力がないという点で、問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この問題に対処し、工業用のスクリーン印刷機内部でワークピースにステンシルを印刷する(3自由度を持つ)複数面位置合わせを達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、この目的は、ステンシルがワークピースと平行になるか、または所定の角度をなすように、X軸およびY軸を中心としてステンシル支持体を選択的に回転させるのに効果的な平面性制御機構を提供することによって達成される。
【0010】
この目的はまた、位置合わせ中にステンシル支持体の回転および並進運動を可能にし、位置合わせされたときにX軸、Y軸およびZ軸に沿った局所的な移動を防ぐためにステンシル支持体をクランプするように動作可能である、クランプ組立体を提供することによって、本発明に従って達成される。
【0011】
本発明の第1の態様によると、ワークピース印刷機のための位置合わせシステムが提供され、この位置合わせシステムは、
使用中に実質的に平面的なステンシルを支持するためのステンシル支持体と、
使用中に平面的なワークピースをX−Y平面において支持するためのワークピース支持体であって、X−Y平面は、直交するX軸およびY軸を含む平面として定められている、ワークピース支持体と、
X軸およびY軸のうちの少なくとも一方を中心としたステンシル支持体およびワークピース支持体の相対回転をもたらすように配置されたアクチュエータを含む平面性制御機構と、
を含む。
【0012】
本発明の第2の態様によると、クランプ組立体が提供され、このクランプ組立体は、
剛性構造体を間にクランプするための、互いに向かい合った第1および第2のクランプ表面と、
第1のクランプ表面が取り付けられ、クランプ組立体を第1の非クランプ状態と第2のクランプ状態との間で切り替えるように動作するクランプアクチュエータであって、クランプ状態では、上記剛性構造体は、第1のクランプ表面と第2のクランプ表面との間にクランプされ、上記切り替えは、クランプアクチュエータがクランプ軸に沿って第2のクランプ表面に向かって第1のクランプ表面を移動させることによってもたらされる、クランプアクチュエータと、
を含み、
第1および第2のクランプ表面のうちの少なくとも一方は、ベアリングを含み、これによって、剛性構造体は、クランプ組立体が第1の非クランプ状態にあるときに上記ベアリングを介して上記クランプ表面に対して移動可能である。
【0013】
本発明の第3の態様によると、第1の態様の位置合わせシステムを含む印刷機が提供される。
【0014】
本発明の第4の態様によると、導電媒体で平面的なワークピースを印刷する方法が提供され、この方法は、
i)平面的なワークピースをX−Y平面において支持するためのワークピース支持体および実質的に平面的なステンシルを支持するためのステンシル支持体を有する印刷機を提供するステップと、
ii)ステンシルをステンシル支持体内に入れるステップと、
iii)X−Y平面に対するステンシルの複数の点の距離を測定するステップと、
iv)ステンシルがX−Y平面に対して必要な向きになるまで、X軸およびY軸のうちの少なくとも一方を中心としてワークピース支持体に対してステンシル支持体を回転させるステップと、
v)ワークピースがステンシルの下に位置するようにワークピースをワークピース支持体上に載せるステップと、
vi)ステンシルを介してワークピース上に導電媒体を印刷するステップと、
を含む。
【0015】
本発明の他の特定の態様および特徴は、添付の特許請求の範囲に述べる。
【0016】
本発明を、(一定の縮尺でない)添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】公知の位置合わせシステムを上から概略的に示す図である。
【
図2】本発明のある実施形態による位置合わせシステムを上から概略的に示す図である。
【
図3A】プラスのY方向に沿って見た正面の視点からの、本発明による平面性位置合わせプロセスのステップのシーケンスを概略的に示す図である。
【
図3B】プラスのY方向に沿って見た正面の視点からの、本発明による平面性位置合わせプロセスのステップのシーケンスを概略的に示す図である。
【
図3C】プラスのY方向に沿って見た正面の視点からの、本発明による平面性位置合わせプロセスのステップのシーケンスを概略的に示す図である。
【
図4A】X方向に沿って見た側面の視点からの
図3A〜
図3Cのステップのシーケンスを概略的に示す図である。
【
図4B】X方向に沿って見た側面の視点からの
図3A〜
図3Cのステップのシーケンスを概略的に示す図である。
【
図4C】X方向に沿って見た側面の視点からの
図3A〜
図3Cのステップのシーケンスを概略的に示す図である。
【
図5】本発明のある実施形態による、可動型位置合わせクランプを概略的に示す図である。
【
図6】本発明のさらなる実施形態による、固定型位置合わせクランプを概略的に示す図である。
【
図7】本発明の別の実施形態による、可動型位置合わせクランプを概略的に示す図である。
【
図8】本発明のさらなる実施形態による、可動型位置合わせクランプを概略的に示す図である。
【
図9】本発明の別の実施形態による、可動型位置合わせクランプを概略的に示す図である。
【
図10】本発明のなおさらなる実施形態による、可動型位置合わせクランプを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のある実施形態による位置合わせシステム10を
図2に概略的に示す。位置合わせシステム10は、印刷機(不図示)内部に取り付けられるように構成され、印刷機は、静止支持構造体を含み、この上に、ワークピース支持体4を含む、印刷機の多くの構成要素が取り付けられる。図示する位置合わせシステム10は、
図1のものと多くの類似点を有するので、適切な場合には、同様の参照符号を保持する。特に、ワークピース支持体4、およびX−Y平面における位置合わせを決定するためのカメラシステムも、例示されたシステムに存在する。1つの相違点は、X−Y平面位置合わせアクチュエータ7’、8’、9’が
図1の配置と比べて並べ替えられていることであり、そのため、単一の位置合わせアクチュエータ7’がステンシル支持体14の相対的に中心に位置付けられてステンシル支持体14を±X方向に移動させる。残りの2つの位置合わせアクチュエータ8’、9’は、ステンシル支持体14の側方エリアで作用して、ステンシル支持体14を±Y方向に移動させる。アクチュエータ7’が単独で起動されると、ステンシル支持体14はX軸に沿って印刷機構造体に対して並進運動するが、アクチュエータ8’および9’の両方が協調して起動されるとY軸に沿って並進運動され得ることが、分かる。ステンシル支持体14の回転、または回転と並進運動との組み合わせは、アクチュエータ7’、8’、および9’の組み合わせを選択的に起動することによって達成され得る。
【0019】
本位置合わせシステム10では、ステンシル3をX−Y平面において支持するステンシル支持体14とワークピース支持体4とをX軸およびY軸の両方を中心として選択的に相対回転させることを可能にするための、平面性制御機構がさらに提供される。この実施形態では、ステンシル支持体14は、位置合わせフレームとして作用するように構成され、そのため、ステンシル支持体14の周りに位置付けられこれに組み込まれた3つの離間した位置合わせクランプ11、12、13によって、X軸およびY軸を中心として選択的に回転され得る。この目的で、印刷機の構造体は、これから突出するそれぞれの突起(
図5を参照)を備え、突起は、以下でさらに詳細に説明するように、それぞれの位置合わせクランプ11、12、13と機械的に協働する。この実施形態では、位置合わせクランプ11および12は、可動型位置合わせクランプであり、Z軸に沿った局所的な距離を変化させるように突起に対してステンシル支持体14を移動させる(すなわち持ち上げる)ことができ、一方、位置合わせクランプ13は固定型クランプであり、すなわち、ステンシル支持体14と、旋回点として作用する突起との間に移動をもたらすことができない。他の実施形態では、位置合わせクランプ13も移動可能であってよい。固定型位置合わせクランプおよび可動型位置合わせクランプの両方を、以下でさらに詳細に説明する。
【0020】
一対の前方の測定センサ5および一対の後方の測定センサ6が、ステンシル支持体14より上に設けられる。これらは、以下でさらに詳細に説明するように、Z方向においてステンシル支持体14上に取り付けられたステンシルの位置を決定するのに有効である。
【0021】
前述したように、この実施形態では、ステンシル支持体14は位置合わせフレームとして作用するが、ワークピース支持体4は、印刷機の構造体に対して空間的に固定されたままである。他の実施形態(不図示)では、同様に、ワークピース支持体が、位置合わせフレームとして作用するように構成され得ることに注意されたい。この場合、ワークピース支持体は、必要に応じてX軸およびY軸回りで位置合わせされ、クランプされ得、ステンシル支持体は、印刷機構造体に対して空間的に固定されたままである。
【0022】
図3A〜
図3Cは、正面の視点から、すなわちプラスのY方向に見た、
図2の器具を用いてステンシル3およびワークピースを位置合わせするための平面性位置合わせプロセスのステップのシーケンスを概略的に示す。同様に、
図4A〜
図4Cは、この同じシーケンスを、側面の視点から、すなわちX方向に沿って見て概略的に示す。したがって、
図3と
図4との比較により、位置合わせ不良の直交成分をどのように修正し得るかを示す。明確にするために、
図3および
図4の両方はXおよびY位置合わせアクチュエータを省略している。誤解を避けるために、X−Y平面内部での位置合わせは、
図1に示す先行技術のシステムで知られるのと同じように、これらのアクチュエータによって達成される。
【0023】
図3Aおよび
図4Aは、最初のステップを示し、ここでは、ワークピースはまだワークピース支持体4に載せられておらず、ステンシルもまだステンシル支持体14に載せられていない。位置合わせクランプ11、12、および13は、これらがステンシル支持体14をクランプしステンシル支持体14を印刷機に対して所定の場所にしっかりと保持するクランプ状態にさせられる。クランピングのメカニズムのさらなる詳細は以下に記載する。上面がX−Y平面を定めるワークピース支持体4は、測定センサ5および6によって行われる最初のキャリブレーション測定の基準として作用する。次に、後続の測定値が、ワークピース支持体4の決定された位置に基づいて修正され得る。測定センサ5および6が距離を測定するのに有効でなければならず、また、これを達成するのに使用され得るさまざまな技術があることが、当業者には明らかであろう。
図3および
図4に示すように、各測定センサは、レーザーデバイスであり、レーザー光を下方に発して、反射された光を検出する。しかしながら、本発明はこのように制限されるものではなく、例えば、超音波システムまたは容量性システムなどの他の測定システムが使用され得る。
【0024】
図3Bおよび
図4Bは、後続ステップを示し、ここでは、平面的なワークピース15が、X−Y平面において支持されるようにワークピース支持体4に載せられており、ステンシル3がステンシル支持体14内に入れられている。実際に、当技術分野で周知のように、ステンシル3は、DEK社のVectorGuard(登録商標)フレームシステムなど、周囲の矩形のステンシルフレーム16内部で、フレームがステンシル支持体14に接触しステンシル支持体上に載った状態で、張力を受けて保持される。
【0025】
この実施例では、ステンシル3はX方向に沿ってワークピース15と位置合わせ不良であることが、
図3Bから分かり、すなわち、ステンシル3とワークピース15との間の距離は、位置X=0において、距離X=n(n>0)における距離よりも小さい。例えば、ステンシルフレーム16の下面に張り付いた異物、例えばステンシルフレームを通って漏れた接着剤、または曲げられている損傷したフレームなど、このような位置合わせ不良のさまざまな原因があり得る。
図3Bでは、位置合わせ不良の代表的な原因が、ステンシルフレーム16とステンシル支持体14との間に位置する任意の物体であるとして、参照符号17で示されている。同様に、
図4Bは、この実施例において、ステンシル3がY方向に沿ってワークピース15と位置合わせ不良であることを示しており、すなわち、ステンシル3とワークピース15との間の距離は、位置Y=0において、距離Y=n(n>0)における距離よりも大きい。したがって、この場合、最大の位置合わせ不良は位置合わせクランプ11の近くで生じる。位置合わせ不良の程度は、前方の測定センサ5および後方の測定センサ6によって取られた測定値を比較することによって、決定される。測定センサ5、6は、X方向およびY方向の両方において離間しているので、X軸およびY軸の両方に対するステンシル3の平面性が決定され得る。
【0026】
位置合わせ不良の修正を実行するため、位置合わせクランプ11、12、および13は、非クランプ状態へと切り替えられ、この状態では、ステンシル支持体14は印刷機に対して移動可能である。
【0027】
図3Cおよび
図4Cは、位置合わせ不良の修正後の後続ステップを示す。図に示すように、この場合、固定型位置合わせクランプ13が旋回点として作用する状態で、X軸を中心としたステンシル支持体14およびワークピース支持体4の相対回転を引き起こすように、位置合わせクランプ11および12の両方が下方に(すなわちマイナスのZ方向に)移動されている。このことは、測定センサ5、6によって決定されるような、Y軸方向に沿った位置合わせ不良を修正するように作用する。さらに、位置合わせクランプ11は、Y軸を中心としたステンシル支持体14およびワークピース支持体4の相対回転を引き起こし、これによりX軸方向に沿った位置合わせ不良を修正するように、位置合わせクランプ12よりも下方に移動されている。この場合、修正の後で、ステンシル3はワークピース15と実質的に平行に置かれ、後続の印刷プロセスを実行する準備ができる。測定センサ5、6は、ワークピース15およびステンシル3の位置合わせが必要とされるとおりであることの確認を得るのに用いられてよく、必要な場合、修正を行う。X−Y平面内部での位置合わせは、この平面性位置合わせプロセスの前、後、またはその間に、行われ得る。すべての位置合わせステップの後、位置合わせクランプ11、12、および13は、これらがステンシル支持体14をクランプしてステンシル支持体14を印刷機に対して所定の場所にしっかりと保持する、クランプ状態にされる。
【0028】
前述したように、いくつかの実施形態(不図示)では、固定型位置合わせクランプ13は、例えば位置合わせクランプ11および12と同様の形態をとる、可動型位置合わせクランプと置き換えられてよい。このような配置は同様に、所望の平面性位置合わせをもたらすように、ステンシル支持体14およびワークピース支持体4の相対回転をもたらすことができ、実際、より大きな回転度が可能である。加えて、このような配置は、Z方向におけるステンシル支持体14とワークピース支持体4との間の距離が、必要に応じて調整され得る利点を有する。しかしながら、これらの利点は、結果として器具の複雑さが高まり追加の空間が必要となることによって、少なくとも部分的に相殺される。
【0029】
場合によっては、ステンシルおよびワークピースの最適な配置は平行でなくてもよいことに注意されたい。例えば、ステンシルおよびワークピースの平面をわずかに平行からずれるように設定することによって、印刷プロセス後のワークピースとステンシルとの分離が、制御されてもたらされ得る。特定の実施例として、位置合わせは、分離が前から後ろ(プラスのY方向)に、または横方向(プラスもしくはマイナスのX方向)に起こるように、設定され得る。さらに、位置合わせは、ステンシルとワークピースとの分離中に調整され得、そのため、印刷は、平行なステンシルおよびワークピースによって行われ得るが、十分な制御が後続の分離にわたって得られる。
【0030】
当業者は、位置合わせクランプ11、12、および13が以下の3つの機能を実行することを、前記の説明から認識するであろう:
i)X−Y位置合わせ中に、すなわち位置合わせクランプ11、12、および13が非クランプ状態にある間に、位置合わせフレーム(この実施形態では、ステンシル支持体14)がX−Y平面において自由に移動することを可能にする;
ii)非クランプ状態にある間にX軸およびY軸を中心とした位置合わせフレームの選択的な回転を引き起こすように位置合わせフレームに対して作用する;ならびに、
iii)ステンシル支持体14がすべての軸に対して必要とされるとおりに位置合わせされたときにしっかりとクランプされる、クランプ状態をもたらす。
【0031】
図5は、本発明のある実施形態による可動型位置合わせクランプ20の形態のクランプ組立体を概略的に示す。位置合わせクランプ20は、印刷機構造体の一部上にクランプするように配置される。図示のとおり、この構造体は、複数の剛性の突出突起21を備え、これらの構造体は、それぞれの位置合わせクランプと機械的に協働するように設けられている。各突出突起21は、X−Y平面に平行な平面内に位置するプレートの形態をとる。位置合わせクランプ20の上方部分は、突起21より上に位置付けられ、位置合わせクランプ20の下方部分は、上方部分に即して位置するように、突起21より下に位置付けられる。上方部分は、線形位置付けまたは平面性アクチュエータ22を含み、その出力部は、ボールトランスファーベアリング23に機械的に接続され、ボールトランスファーベアリング23は、突起21の上面に載り、また、上方クランプ表面として作用する。平面性アクチュエータ22は、位置合わせフレームを、すなわちこの場合はステンシル支持体14を、外表面、この場合は突起21の上面に対して、かつこれに反応して移動させるように動作する。下方部分は、線形クランプアクチュエータ24を含み、その出力部は、線形ガイド26を介して摩擦クランプ要素25に対してクランプ軸に沿って機械的に接続される。摩擦クランプ要素25は、この実施形態では、ドーム状表面を有する突出部として示されているが、摩擦クランプ要素25は、代わりに、他の形態の、角度が柔軟な表面を含み得る。摩擦クランプ要素25は下方クランプ表面として作用する。角度が柔軟な表面の使用により、突起21はクランプ軸に対して傾斜角でクランプされることが可能となる。
【0032】
この実施形態では、位置合わせクランプ20は、一部のみを
図5で見ることができる、ステンシル支持体14に組み込まれ、そのため、ステンシル支持体14は、位置合わせクランプ20のためのヨークとして作用する。クランプアクチュエータ24および平面性アクチュエータ22の両方は、印刷機にまたはこれから離れて設けられ、かつ前方の測定センサ5および後方の測定センサ6(
図2を参照)から測定情報を受信するのに構成された、コンピュータ、プロセッサなどといった別個の制御手段(不図示)によって制御される。
【0033】
位置合わせ中、ステンシル支持体14が印刷機内に入れられると、各位置合わせクランプは非クランプ状態に切り替えられる。この状態では、各位置合わせクランプのボールトランスファーベアリング23は、それぞれの突起21に載り、この上で自由に回転することができ、そのため、ステンシル支持体14はX−Y平面において位置合わせされることが可能となる。ステンシル支持体14の平面性は、測定センサから受信した出力に基づいて制御手段によって決定されるような、必要な位置に到達するまでZ軸に沿ってステンシル支持体14を上昇または下降させるように、平面性アクチュエータ22を動作させることによって、位置合わせされる。その後、ステンシル支持体14のクランピングが、クランプ状態に切り替えることによってもたらされる。この趣旨で、クランプアクチュエータ24は、ステンシル支持体14の平面に垂直であるクランプ軸に沿って摩擦クランプ要素25を上方に移動させるように動作され、この移動は、線形ガイド26によりガイドされる。この上方への移動は、突起21が摩擦クランプ要素25とボールトランスファーベアリング23との間にしっかりとクランプされるまで、続けられる。
【0034】
図6は、本発明のさらなる実施形態による固定型位置合わせクランプ30を概略的に示す。この位置合わせクランプ30は、
図5の可動型位置合わせクランプ20と共通する多くの部品を有し、参照符号は、必要に応じて保持されている。固定型位置合わせクランプ30の下方部分は、可動型位置合わせクランプ20の下方部分と同一である。しかし、ここでは、平面性アクチュエータは設けられておらず、代わりに、ボールトランスファーベアリング23が静止ナット31上に取り付けられている。
【0035】
この固定型位置合わせクランプ30では、クランピングは、可動型位置合わせクランプ20の場合と同じようにもたらされ、そのため、クランプアクチュエータ24は、突起21が摩擦クランプ要素25とボールトランスファーベアリング23との間にクランプされるように動作される。この配置では、固定型位置合わせクランプ30は、ステンシル支持体14のための旋回点として有効に作用する。
【0036】
図7は、本発明の別の実施形態による可動型位置合わせクランプ40を概略的に示す。この位置合わせクランプ40は、
図5の可動型位置合わせクランプ20と共通する多くの部品を有し、参照符号は、必要に応じて保持されている。位置合わせクランプ40は、ここでは、摩擦材が設けられた足部42を有する玉継手41の形態の回転可能要素と摩擦クランプ要素25が置き換えられている点で、先に説明した位置合わせクランプ20とは異なる。この位置合わせクランプ40は、前述したような位置合わせクランプ20と同じように動作される。
【0037】
図8は、本発明のさらなる実施形態による可動型位置合わせクランプ50を概略的に示す。この位置合わせクランプ50は、
図5の可動型位置合わせクランプ20と共通する多くの部品を有し、参照符号は、必要に応じて保持されている。明確にするために、ステンシル支持体14はこの図面から省略されている。この位置合わせクランプ50では、クランプアクチュエータ24は、突起21の下方表面に直接作用するように配置されている。クランピングを助けるため、摩擦材が、クランプアクチュエータ24の上方合わせ面に適用され得る。位置合わせクランプ50の上方部分はエアベアリング51を含み、エアベアリング51は、旋回要素、すなわち回り継手52を介して、平面性アクチュエータ22に取り付けられる。線形ガイド53が、動作中にステンシル支持体を正確に持ち上げるために、エアベアリング51および回り継手52の装置をガイドするよう設けられる。クランピングを助けるため、摩擦材が、エアベアリング51の下方合わせ面に適用され得る。このような回り継手の取り付けの使用により、突起は、クランプ軸に沿ってクランプされて、クランプ軸に対して傾斜角で保持されることが可能となる。
【0038】
位置合わせクランプ50の動作は、
図5および
図7を参照して先に説明したものと同じである。この実施形態では、位置合わせクランプ50の上方部分は摩擦クランプ要素も玉継手も含んでいないが、エアベアリング51によりもたらされる低摩擦により必要な移動は可能であることに注意されたい。
【0039】
図9は、本発明の別の実施形態による可動型位置合わせクランプ60を概略的に示す。この位置合わせクランプ60は、
図8の可動型位置合わせクランプ50と共通する多くの部品を有し、参照符号は、必要に応じて保持されている。明確にするために、ステンシル支持体14はこの図面から省略されている。この実施形態では、位置合わせクランプ50の線形ガイド53は、回り継手52と平面性アクチュエータ22とを機械的に接続する、精密度ガイド(precision guide)61の使用によって置き換えられている。例えばボールスプラインを含み得る、精密度ガイド61は、外部ガイド構造体を必要とせずに、エアベアリング51の移動を正確にガイドする。
【0040】
図10は、本発明のなおさらなる実施形態による可動型位置合わせクランプ70を概略的に示す。
図10では、突起21が回転した状態で示されていることに注意されたい。この位置合わせクランプ70は、
図5の可動型位置合わせクランプ20と共通する多くの部品を有し、参照符号は、必要に応じて保持されている。明確にするために、ステンシル支持体14はこの図面から省略されている。位置合わせクランプ70の上方部分は、平面性アクチュエータ22の出力部に機械的に接続されたボールトランスファーベアリング71を含む。位置合わせクランプ70の下方部分は、突起21の回転を可能にするためにコレット装置の形態の回転可能要素を含む。クランプアクチュエータ24は、円錐台状の突出部の形態をとる、コレットエキスパンダ74に機械的に接続される。これは、旋回コレット72と協働し、旋回コレット72は、円錐台状の凹部を有する円筒体の形態をとり、円錐台状の凹部は、コレットエキスパンダ74を受容すると共にこれらの間での相対的移動を可能にするようなサイズである。旋回コレット72は、その遠位端部に、摩擦板73を有し、摩擦板73は、使用中に突起21の下方表面に接触する。
【0041】
前述した実施形態は、単に例示的なものであり、本発明の範囲内での他の可能性および代替案が当業者には明らかであろう。例えば、前述した実施形態は、ステンシル支持体の下方に位置するクランプアクチュエータを示し、平面性アクチュエータがステンシル支持体の上方に位置している。この配置は逆にしてもよく、それにより平面性アクチュエータがステンシル支持体の下方に位置し、クランプアクチュエータがステンシル支持体の上方に位置することが、当業者には明らかであろう。
【0042】
前述した実施形態は線形アクチュエータの使用を開示する。Z軸に沿った移動をもたらす他の形態のアクチュエータを代わりに使用してもよい。例えば、水平な移動が、当技術分野で既知であるようなカム装置もしくはウェッジ、ハサミ型機構、または電気駆動装置のいずれかを用いて垂直な移動に変換される、「Zリフト」の配置が、線形アクチュエータに取って代わり得る。
【0043】
アクチュエータ移動の直線性は、Z方向における移動の成分が生成される限り必須ではなく、そのため線形アクチュエータは、代わりに湾曲ベアリングを通じて駆動され得る。
【0044】
前述した実施形態は、それぞれが平面性アクチュエータを含む複数の位置合わせクランプが設けられ、位置合わせフレームの周りで離間している、位置合わせシステムを開示する。代わりに、単一の線形アクチュエータが、Z軸に沿って、共通の部材を駆動し、これが位置合わせフレームの2つの離間した係合表面を支持する、システムを使用することが可能である。この共通の部材は、2つの係合表面の相対高さを、ひいては位置合わせフレームの回転を制御するように、第2のアクチュエータによって、駆動され、例えば、回転され得る。
【0045】
先に示唆したように、前述した特定の実施形態では、位置合わせフレームは、ステンシル支持体を含む。しかしながら、同時に、位置合わせフレームは、ワークピース支持体も含んで、ステンシル支持体およびワークピース支持体の相対回転をもたらすことができる。
【0046】
4つの測定センサの代わりに、1つまたは2つの可動型センサを使用でき、これは、第1の位置で測定を行い、その後第2の位置へと移動して、第2の測定を行う。このような実施形態では、各測定センサは、ワークピース支持体の上で、これに対して移動し得るガントリー上に取り付けられ得る。
【0047】
前述した実施形態では、印刷機は、ワークピース支持体の基準位置を測定することによってキャリブレーションされ、それによって、これは基準として使用される。あるいは、ワークピースの基準位置が、このように測定および使用され得る。
【符号の説明】
【0048】
1 公知の位置合わせシステム
2 ステンシル支持体
3 ステンシル
4 ワークピース支持体
5 前方の測定センサ
6 後方の測定センサ
7,8 X位置合わせアクチュエータ
9 Y位置合わせアクチュエータ
7’ X位置合わせアクチュエータ
8’,9’ Y位置合わせアクチュエータ
10 位置合わせシステム
11,12,13 Z位置合わせクランプ
14 ステンシル支持体
15 ワークピース
16 ステンシルフレーム
17 位置合わせ不良の原因
20,40,50,60,70 可動型位置合わせクランプ
21 突起
22 平面性アクチュエータ
23 ボールトランスファーベアリング
24 クランプアクチュエータ
25 摩擦クランプ要素
26 線形ガイド
30 固定型位置合わせクランプ
31 静止ナット
41 玉継手
51 エアベアリング
52 回り継手
53 線形ガイド
54 摩擦材
61 精密度ガイド
71 ボールトランスファーベアリング
72 旋回コレット
73 摩擦板
74 コレットエキスパンダ