特許第6876685号(P6876685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876685
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】ATX阻害剤としての二環式化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20210517BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20210517BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20210517BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20210517BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20210517BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20210517BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20210517BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   C07D471/04 101
   C07D487/04 137
   C07D487/04CSP
   C07D401/14
   C07D519/00 301
   C07D519/00 311
   A61K31/4439
   A61K31/4192
   A61K31/444
   C07D487/04 145
   A61P27/02
【請求項の数】32
【全頁数】70
(21)【出願番号】特願2018-515632(P2018-515632)
(86)(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公表番号】特表2018-528245(P2018-528245A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】EP2016072349
(87)【国際公開番号】WO2017050792
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2019年9月13日
(31)【優先権主張番号】15186684.5
(32)【優先日】2015年9月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】マタイ,パトリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルト,イェロム
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ディ・ジョルジオ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フンツィカー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,ペトラ
【審査官】 高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/048865(WO,A1)
【文献】 特表2010−524987(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/102817(WO,A1)
【文献】 特表2018−528243(JP,A)
【文献】 特表2018−528227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル又は置換チオフェニル−C2−6−アルキニルであり、ここで、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル及び置換チオフェニル−C2−6−アルキニルは、R、R及びRにより置換されており;
Yは、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wは、−C(O)−、−S(O)−又は−CR−であり;
は、環系B、F、L、M、O、Z、AF、AG、AH、AJ、AN、AO、AP、AQ、AR、AS、AT、AU、AV、AW、AX、AY、AZ、BA、BB、BC及びBD
【化2】


から選択され;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルアミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシであり;
及びRは、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシから選択され;
は、H又はC1−6−アルキルであり;
は、H、C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC1−6−アルコキシであり;
m、n、p及びqは、独立して、1又は2から選択され;
rは、1、2又は3である]
で示される化合物、又は薬学的に許容し得るその塩。
【請求項2】
が、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル又は置換チオフェニル−C2−6−アルキニルであり、ここで、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル及び置換チオフェニル−C2−6−アルキニルは、R、R及びRにより置換されており;
Yが、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wが、−C(O)−、−S(O)−又は−CR−であり;
が、環系B、F、L、M、O、Z、AF、AG、AH、AJ、AN、AO、AP、AQ、AR、AS、AT、AU及びAV
【化3】


から選択され;
が、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルアミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシであり;
及びRが、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシから選択され;
が、H又はC1−6−アルキルであり;
が、H、C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC1−6−アルコキシであり;
m、n、p及びqが、独立して、1又は2から選択され;
rが、1、2又は3である;
請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩。
【請求項3】
が、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、又は置換ピリジニル−C1−6−アルキルであり、ここで、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、及び置換ピリジニル−C1−6−アルキルは、R、R及びRにより置換されており;
Yが、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wが、−C(O)−又はCRであり;
が、環系M、O、Z、AJ、AN、AO、AP、AW、AX、AY、AZ、B、BA、BB、BC及びBDから選択され;
が、ハロ−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシであり;
が、H、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルであり;
が、H又はハロゲンであり;
が、H又はC1−6−アルキルであり;
が、Hであり;
m、n、p及びqが、1であり;
rが、1である;
請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩。
【請求項4】
が、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、又は置換ピリジニル−C1−6−アルキルであり、ここで、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、及び置換ピリジニル−C1−6−アルキルは、R、R及びRにより置換されており;
Yが、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wが、−C(O)−であり;
が、環系M、O、Z、AJ、AN及びAOから選択され;
が、ハロ−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシであり;
が、H、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルであり;
が、Hであり;
が、C1−6−アルキルであり;
が、Hであり;
m、n、p及びqが、1であり;
rが、1である;
請求項1又は2記載の化合物、或いは薬学的に許容し得るその塩。
【請求項5】
が、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、又は置換ピリジニル−C1−6−アルキルであり、ここで、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、及び置換ピリジニル−C1−6−アルキルは、R、R及びRにより置換されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物、或いは薬学的に許容し得るその塩
【請求項6】
が、R、R及びRにより置換されている、ピリジニル又はピリジニル−C1−6−アルキルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項7】
Yが、−OC(O)−である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項8】
が、環系M、O、Z、AJ、AN、AO、AP、AW、AX、AY、AZ、B、BA、BB、BC及びBDから選択される、請求項1、5〜7のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項9】
が、環系M、O、Z、AJ、AN及びAOから選択される、請求項1、3及び5〜8のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項10】
が、環系M、AJ及びAOから選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項11】
が、ハロ−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシである、請求項1、3及び5〜10のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項12】
が、ハロ−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシである、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項13】
が、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシである、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項14】
が、H、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルである、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項15】
が、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルである、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項16】
が、H又はハロゲンである、請求項1、3及び5〜15のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項17】
が、Hである、請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項18】
が、H又はC1−6−アルキルである、請求項1、3及び5〜17のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項19】
が、C1−6−アルキルである、請求項1〜18のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項20】
が、Hである、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項21】
m、n、p及びqが、1である、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項22】
rが、1である、請求項1〜21のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項23】
が、R、R及びRにより置換されている、ピリジニル又はピリジニル−C1−6−アルキルであり;
Yが、−OC(O)−であり;
Wが、−C(O)−であり;
が、環系M、AJ及びAOから選択され;
が、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシであり;
が、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルであり;
が、Hであり;
が、Hであり;
m、n、p及びqが、1である;
請求項1〜22のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩。
【請求項24】
以下
2−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
6−(5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸 4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル;
1−[5−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]−3−[2−[(5−メチルテトラゾール−2−イル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−1−オン;
6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,5,7,8−ヘキサヒドロ−2,6−ナフチリジン−2−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
2−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[5−クロロ−3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル;及び
5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチ
ら選択される化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項25】
以下
2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[5,6−ジクロロ−3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル;
[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]−(3−ヒドロキシ−1,2−ベンゾオキサゾール−6−イル)メタノン;
6−[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル]−1,1−ジオキソ−1,2−ベンゾチアゾール−3−オン;
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]ピペリジン−4−スルホンアミド;
2−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[5,6−ジクロロ−3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル;
2−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
7−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−2,5,6,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−オン;
6−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−2,5,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−d]ピリダジン−1−オン;
[2−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
1−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]−3−[2−[(5−メチルテトラゾール−2−イル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−1−オン;
[5−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヒドロピラゾロ[3,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
7−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−5,6,8,8a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,3−ジオン;
[2−(シクロヘキシルメトキシ)−6−シクロプロピルピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル]ピペリジン−4−スルホンアミド;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル]メタノン;
6−[[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メチル]−3H−1,3−ベンゾオキサゾール−2−オン;
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−4−フルオロピペリジン−4−スルホンアミド;及び
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル]メタノ
ら選択される化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項26】
以下
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;及び
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノ
ら選択される請求項1〜24のいずれか一項記載の化合物、又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項27】
式(III)で示される化合物の存在下での、式(II)で示される化合物の反応を含む、請求項1〜26のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を調製するためのプロセス
[式中、R、R、m、n、p及びqは、請求項1〜26のいずれか一項に定義されるとおりであり、そして、Wは、−C(O)−である]。
【化4】
【請求項28】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜26のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項29】
請求項1〜26のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩を含む医薬組成物。
【請求項30】
眼症状を処置又は予防するための、請求項29記載の医薬組成物
【請求項31】
眼症状を処置又は予防するための、請求項1〜26のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩
【請求項32】
眼症状を処置又は予防するための医薬を調製するための、請求項1〜26のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類における治療又は予防に有用な有機化合物に、そして、特に、腎臓症状、肝臓症状、炎症性の症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管の及び心血管の症状、線維性疾患、ガン、眼症状、代謝性の症状、胆汁うっ滞性の及び他の形態の慢性掻痒症、並びに急性の及び慢性の臓器移植拒絶を処置又は予防するためのオートタキシン(ATX)阻害剤(リゾホスファチジン酸(LPA)産生の阻害剤であり、したがって、LPAレベル及び関連するシグナル伝達のモジュレーターである)に関する。
【0002】
本発明は、式(I)
【化1】

[式中、
は、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル又は置換チオフェニル−C2−6−アルキニルであり、ここで、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル及び置換チオフェニル−C2−6−アルキニルは、R、R及びRにより置換されており;
Yは、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wは、−C(O)−、−S(O)−又は−CR−であり;
は、環系B、F、L、M、O、Z、AF、AG、AH、AJ、AN、AO、AP、AQ、AR、AS、AT、AU、AV、AW、AX、AY、AZ、BA、BC及びBD
【化2】


から選択され;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルアミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシであり;
及びRは、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシから選択され;
は、H又はC1−6−アルキルであり;
は、H、C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC1−6−アルコキシであり;
m、n、p及びqは、独立して、1又は2から選択され;
rは、1、2又は3である]
で示される新規な化合物、及び薬学的に許容し得る塩を提供する。
【背景技術】
【0003】
オートタキシン(ATX)は、リゾホスファチジルコリン(LPC)を生物活性シグナル伝達分子のリゾホスファチジン酸(LPA)に変換するために重要な、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ2、又はリゾホスホリパーゼDとも呼ばれる分泌酵素である。血漿LPAレベルは、ATX活性とよく相関することが示されているので、ATXは、細胞外LPAの重要なソースであると考えられている。プロトタイプATX阻害剤を用いた初期実験では、そのような化合物がマウス血漿においてLPA合成活性を阻害できることが示された。1970年代及び1980年代初頭に行われた研究は、LPAが広範な細胞応答(平滑筋細胞の収縮、血小板の活性化、細胞の増殖、ケモタキシス、及びその他を含む)を誘発できることを示した。LPAは、幾つかのGタンパク質共役型受容体(GPCR)(最初のメンバーは、元来、Edg(内皮細胞分化遺伝子)受容体又は脳室帯遺伝子−1(vzg−1)という名称であったが、現在は、LPA受容体と呼ばれている)に対するシグナル伝達を介してその作用を媒介する。プロトタイプ群は、現在、LPA1/Edg−2/VZG−1、LPA2/Edg−4、及びLPA3/Edg−7からなっている。近年、3つの更なるLPA受容体であるLPA4/p2y9/GPR23、LPA5/GPR92、及びLPA6/p2Y5が報告され、それらは、プロトタイプのLPA1〜3受容体よりもヌクレオチド選択的なプリン受容体に、より密接に関係している。ATX−LPAシグナル伝達軸は、例えば、神経系の機能、血管の発達、心血管の生理機能、生殖、免疫系の機能、慢性炎症、腫瘍の転移及び進行、臓器線維症、並びに肥満症及び/又はその他の代謝性疾患(例えば、糖尿病)を含む、広範囲にわたる生理学的な及び病態生理学的な機能に関与している。したがって、ATXの活性増大及び/又はLPAのレベル増大、LPA受容体の発現の変化、並びにLPAに対する応答の変化は、ATX/LPA軸に関する多くの様々な病態生理学的な症状の発症、進行及び/又はアウトカムに寄与し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、式(I)で示される化合物、又はそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オートタキシンの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生物活性に関連する疾患、障害又は症状を処置又は予防するために用いられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書中の、式(I)で示される化合物、又はそれらの薬学的に許容し得る塩及びエステルは、オートタキシン活性を阻害し、そのため、LPA産生を阻害し、そして、LPAレベル及び関連するシグナル伝達を調節する。本明細書中に記載されるオートタキシン阻害剤は、ATX活性及び/若しくはLPAシグナル伝達が関与するか、疾患の病因若しくは病理に関与しているか又はその他の点で疾患の少なくとも1つの徴候に関連している疾患又は症状を、処置又は防止するための薬剤として有用である。ATX−LPA軸は、例えば、血管新生、慢性炎症、自己免疫疾患、線維性疾患、ガンの及び腫瘍の転移及び進行、眼症状、代謝性の症状(例えば、肥満症及び/又は糖尿病)、胆汁うっ滞性の又は他の形態の慢性掻痒症のような症状、並びに急性の及び慢性の臓器移植拒絶に関連付けられてきた。
【0006】
本発明の目的は、式(I)で示される化合物並びにそれらの前述の塩及びエステル、並びに、治療活性物質としてのそれらの使用;該化合物を製造するためのプロセス;中間体;医薬組成物;該化合物、それらの薬学的に許容し得る塩又はエステルを含む医薬;ATXの活性及び/又はリゾホスファチジン酸(LPA)の生物活性に関連する障害又は症状を処置又は予防するための(特に、腎臓症状、肝臓症状、炎症性の症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管の及び心血管の症状、線維性疾患、ガン、眼症状、代謝性の症状、胆汁うっ滞性の及び他の形態の慢性掻痒症、並びに急性の及び慢性の臓器移植拒絶の処置又は予防における)該化合物、塩又はエステルの使用;並びに、腎臓症状、肝臓症状、炎症性の症状、神経系の症状、呼吸器系の症状、血管の及び心血管の症状、線維性疾患、ガン、眼症状、代謝性の症状、胆汁うっ滞性の及び他の形態の慢性掻痒症、並びに急性の及び慢性の臓器移植拒絶を処置又は予防するための医薬を製造するための、該化合物、塩又はエステルの使用である。より特には、式(I)で示される化合物並びにそれらの前述の塩及びエステル、並びに、治療活性物質としてのそれらの使用;該化合物を製造するためのプロセス;中間体;医薬組成物;該化合物、それらの薬学的に許容し得る塩又はエステルを含む医薬;眼症状(更に特には、緑内障)を処置又は予防するための、該化合物、塩又はエステルの使用である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
用語「C1−6−アルコキシ」は、式−O−R’(式中、R’は、C1−6−アルキル基である)で示される基を示す。C1−6−アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ及びtert−ブトキシを含む。特定の例は、メトキシである。
【0008】
用語「C2−6−アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を有する、2〜6個の炭素原子の一価の直鎖の又は分岐の炭化水素基を示す。特定の例は、エチレニルである。
【0009】
用語「C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル」は、C1−6−アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC1−6−アルコキシ基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。特定の例は、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、イソプロポキシメチル及びイソプロポキシエチルである。
【0010】
用語「C1−6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子の一価の直鎖の又は分岐の飽和炭化水素基を示す。C1−6−アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルを含む。特定のアルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル及びsec−ブチルを含む。
【0011】
用語「C1−6−アルキルアミノ」:式−NH−R’(式中、R’は、C1−6−アルキル基である)で示される基。特定のC1−6−アルキルアミノは、式−NH−R’(式中、R’は、ter−ブチルである)で示される基である。
【0012】
用語「C1−6−アルキルカルボニルアミノ」は、式−NH−C(O)−R’(式中、R’は、C1−6−アルキル基である)で示される基を示す。特定のC1−6−アルキルカルボニルアミノは、式−NH−C(O)−R’(式中、R’は、ter−ブチルである)で示される基である。
【0013】
用語「C1−6−アルキルテトラゾリル」は、1個のC1−6−アルキル基で置換されているテトラゾリル基を示す。特定のC1−6−アルキルテトラゾリルは、メチルテトラゾリルである。
【0014】
用語「C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル」は、C1−6−アルキル基の水素原子のうちの1個がC1−6−アルキルテトラゾリル基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。特定の例は、メチルテトラゾリルメチルである。
【0015】
用語「C2−6−アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を有する、2〜6個の炭素原子の一価の直鎖の又は分岐の炭化水素基を示す。
【0016】
用語「アミノ」は、−NH基を示す。
【0017】
用語「アミノスルホニル」は、−S(O)−NH基を示す。
【0018】
用語「シアノ」は、−C≡N基を示す。
【0019】
用語「C3−8−シクロアルコキシ」は、式−O−R’(式中、R’は、C3−8−シクロアルキルである)で示される基を示す。
【0020】
用語「C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC3−8−シクロアルコキシ基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。
【0021】
用語「C3−8−シクロアルキル」は、3〜8個の環炭素原子の一価の飽和の単環式の又は二環式の炭化水素基を示す。二環式は、2個の炭素原子を共有する2個の飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式シクロアルキルについての例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。二環式C3−8−シクロアルキルについての例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル又はビシクロ[2.2.2]オクタニルである。特定のC3−8−シクロアルキル基は、シクロプロピルである。
【0022】
用語「C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ」は、アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC3−8−シクロアルキル基により置き換えられている、C1−6−アルコキシ基を示す。
【0023】
用語「C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がC3−8−シクロアルキル基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。
【0024】
用語「C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ」は、式−NH−C(O)−R’(式中、R’は、C3−8−シクロアルキル基である)で示される基を示す。
【0025】
用語「ハロ−C1−6−アルコキシ」は、アルコキシ基の水素原子のうちの少なくとも1個が同一の又は異なるハロゲン原子により置き換えられている、C1−6−アルコキシ基を示す。特定の例は、トリフルオロメトキシである。
【0026】
用語「ハロゲン」及び「ハロ」は、本明細書中で互換可能に使用され、そして、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを示す。特定のハロゲンは、クロロ及びフルオロである。
【0027】
用語「ハロ−C1−6−アルキル」は、C1−6−アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個が同一の又は異なるハロゲン原子により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。特定の例は、トリフルオロメチルである。
【0028】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4〜9個の環原子の一価の飽和の又は部分不飽和の単環式又は二環式の環系を示す。二環式は、2個の環原子を共有する2個の環からなること(即ち、2個の環を分離する架橋が、単結合、又は1若しくは2個の環原子の鎖のいずれかであること)を意味する。単環式飽和ヘテロシクロアルキルについての例は、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジン−3−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−チエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル又はオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルについての例は、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニル、3−オキサ−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニル又は3−チア−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルについての例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ−オキサゾリル、テトラヒドロ−ピリジニル、又はジヒドロピラニルである。ヘテロシクロアルキル基の特定の例は、テトラヒドロピラニルである。
【0029】
用語「ヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシ」は、アルキル基の水素原子のうちの少なくとも1個がヘテロシクロアルキル基により置き換えられている、C1−6−アルコキシ基を示す。ヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシの特定の例は、テトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシ、より特には、テトラヒドロピラニルメトキシである。
【0030】
用語「ヒドロキシ」は、−OH基を示す。
【0031】
用語「ヒドロキシ−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がヒドロキシ基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。特定の例は、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルである。
【0032】
用語「フェノキシ」は、式−O−R’(式中、R’は、フェニル基である)で示される基を示す。
【0033】
用語「フェノキシ−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がフェノキシ基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。
【0034】
用語「フェニル−C2−6−アルケニル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がフェニル基により置き換えられている、C2−6−アルケニル基を示す。フェニル−C2−6−アルケニルの特定の例は、フェニルエテニルである。
【0035】
用語「フェニル−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がフェニル基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。フェニル−C1−6−アルキルの特定の例は、フェニルメチル及びフェニルエチルである。
【0036】
用語「フェニル−C2−6−アルキニル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がフェニル基により置き換えられている、C2−6−アルキニル基を示す。
【0037】
用語「ピリジニル−C2−6−アルケニル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がピリジニル基により置き換えられている、C2−6−アルケニル基を示す。
【0038】
用語「ピリジニル−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がピリジニル基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。ピリジニル−C1−6−アルキルの特定の例は、ピリジニルメチル、より特には、2−ピリジニルメチルである。
【0039】
用語「ピリジニル−C2−6−アルキニル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がピリジニル基により置き換えられている、C2−6−アルキニル基を示す。
【0040】
用語「チオフェニル−C2−6−アルケニル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がチオフェニル基により置き換えられている、C2−6−アルケニル基を示す。
【0041】
用語「チオフェニル−C1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がチオフェニル基により置き換えられている、C1−6−アルキル基を示す。
【0042】
用語「チオフェニル−C2−6−アルキニル」は、アルキル基の水素原子のうちの1個がチオフェニル基により置き換えられている、C2−6−アルキニル基を示す。
【0043】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にも又はその他の点でも非所望ではないそれらの塩を指す。該塩は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、特に、塩酸)、及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等)と形成される。加えて、これらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を付加することにより調製され得る。無機塩基から誘導される塩は、限定されるものではないが、ナトリウムの、カリウムの、リチウムの、アンモニウムの、カルシウムの、マグネシウムの塩等を含む。有機塩基から誘導される塩は、限定されるものではないが、第一級の、第二級の及び第三級のアミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂等)の塩を含む。式(I)で示される化合物の特定の薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩及びクエン酸塩である。
【0044】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)で示される化合物が、官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に変換して戻ることが可能な誘導体を提供し得ることを意味する。そのような化合物の例は、生理学的に許容し得、かつ、代謝的に不安定なエステル誘導体(例えば、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル、及びピバロイルオキシメチルエステル)を含む。加えて、インビボで一般式(I)で示される親化合物を生成することが可能な代謝的に不安定なエステルと類似する、一般式(I)で示される化合物の任意の生理学的に許容し得る等価体も本発明の範囲内である。
【0045】
用語「保護基」(PG)は、合成化学において従来それと関連する意味において、化学反応を別の保護されていない反応部位で選択的に行うことができるように、多官能性化合物中の反応部位を選択的にブロックする基を示す。保護基は、適切な時点で除去され得る。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基又はヒドロキシ保護基である。特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)及びベンジル(Bn)基である。更なる特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)及びフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である。より特定の保護基は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基である。
【0046】
略語uMは、マイクロモーラーを意味し、そして、記号μMに相当する。
【0047】
略語uLは、マイクロリットルを意味し、そして、記号μLに相当する。
【0048】
略語ugは、マイクログラムを意味し、そして、記号μgに相当する。
【0049】
式(I)で示される化合物は、幾つかの不斉中心を含有することができ、そして、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体等)、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体、又はジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0050】
Cahn−Ingold−Prelog順位則により、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置であり得る。
【0051】
また、本発明の実施態様は、本明細書中に記載されるとおりの式(I)よる化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩又はエステル、特に、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩、より特には、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物である。
【0052】
本発明の特定の実施態様は、
が、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル又は置換チオフェニル−C2−6−アルキニルであり、ここで、置換フェニル、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換フェノキシ−C1−6−アルキル、置換フェニル−C2−6−アルケニル、置換フェニル−C2−6−アルキニル、置換ピリジニル、置換ピリジニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル−C2−6−アルケニル、置換ピリジニル−C2−6−アルキニル、置換チオフェニル、置換チオフェニル−C1−6−アルキル、置換チオフェニル−C2−6−アルケニル及び置換チオフェニル−C2−6−アルキニルは、R、R及びRにより置換されており;
Yが、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wが、−C(O)−、−S(O)−又は−CR−であり;
が、環系B、F、L、M、O、Z、AF、AG、AH、AJ、AN、AO、AP、AQ、AR、AS、AT、AU及びAV
【化3】


から選択され;
が、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルアミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシであり;
及びRが、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル、ハロ−C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ、C3−8−シクロアルコキシ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C3−8−シクロアルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はヘテロシクロアルキル−C1−6−アルコキシから選択され;
が、H又はC1−6−アルキルであり;
が、H、C1−6−アルキル、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC1−6−アルコキシであり;
m、n、p及びqが、独立して、1又は2から選択され;
rが、1、2又は3である;
本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物、及び薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0053】
本発明の特定の実施態様は、
が、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、又は置換ピリジニル−C1−6−アルキルであり、ここで、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、及び置換ピリジニル−C1−6−アルキルは、R、R及びRにより置換されており;
Yが、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wが、−C(O)−又はCRであり;
が、環系M、O、Z、AJ、AN、AO、AP、AW、AX、AY、AZ、B、BA、BB、BC及びBDから選択され;
が、ハロ−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシであり;
が、H、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルであり;
が、H又はハロゲンであり;
が、H又はC1−6−アルキルであり;
が、Hであり;
m、n、p及びqが、1であり;
rが、1である;
本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物、及び薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0054】
本発明の特定の実施態様は、
が、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、又は置換ピリジニル−C1−6−アルキルであり、ここで、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、及び置換ピリジニル−C1−6−アルキルは、R、R及びRにより置換されており;
Yが、−OC(O)−又は−C(O)−であり;
Wが、−C(O)−であり;
が、環系M、O、Z、AJ、AN及びAOから選択され;
が、ハロ−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシであり;
が、H、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルであり;
が、Hであり;
が、C1−6−アルキルであり;
が、Hであり;
m、n、p及びqが、1であり;
rが、1である;
本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物、及び薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0055】
本発明の別の実施態様は、Rが、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、又は置換ピリジニル−C1−6−アルキルであり、ここで、置換フェニル−C1−6−アルキル、置換ピリジニル、及び置換ピリジニル−C1−6−アルキルは、R、R及びRにより置換されている、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0056】
本発明の特定の実施態様は、Rが、R、R及びRにより置換されている、ピリジニル又はピリジニル−C1−6−アルキルである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0057】
本発明の特定の実施態様は、Yが、−OC(O)−である、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0058】
本発明の別の実施態様は、Rが、環系M、O、Z、AJ、AN、AO、AP、AW、AX、AY、AZ、B、BA、BB、BC及びBDから選択される、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0059】
本発明の別の実施態様は、Rが、環系M、O、Z、AJ、AN及びAOから選択される、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0060】
本発明の特定の実施態様は、Rが、環系M、AJ及びAOから選択される、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0061】
本発明の別の実施態様は、Rが、ハロ−C1−6−アルコキシ、C3−8−シクロアルキル−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0062】
本発明の別の実施態様は、Rが、ハロ−C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルテトラゾリル−C1−6−アルキル、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0063】
本発明の特定の実施態様は、Rが、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0064】
本発明の別の実施態様は、Rが、H、ハロゲン、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0065】
本発明の特定の実施態様は、Rが、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0066】
本発明の別の実施態様は、Rが、H又はハロゲンである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0067】
本発明の別の実施態様は、Rが、Hである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0068】
本発明の別の実施態様は、Rが、H又はC1−6−アルキルである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0069】
本発明の別の実施態様は、Rが、C1−6−アルキルである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0070】
本発明の別の実施態様は、Rが、Hである、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0071】
本発明の別の実施態様は、m、n、p及びqが、1である、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0072】
本発明の別の実施態様は、rが、1である、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を提供する。
【0073】
本発明の特定の実施態様は、
が、R、R及びRにより置換されている、ピリジニル又はピリジニル−C1−6−アルキルであり;
Yが、−OC(O)−であり;
Wが、−C(O)−であり;
が、環系M、AJ及びAOから選択され;
が、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、又はテトラヒドロピラニル−C1−6−アルコキシであり;
が、ハロ−C1−6−アルキル、又はC3−8−シクロアルキルであり;
が、Hであり;
が、Hであり;
m、n、p及びqが、1である;
本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物、及び薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0074】
本明細書中に記載されるとおりの式(I)で示される化合物の特定の例は、以下
2−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
6−(5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
5−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸 4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル;
1−[5−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]−3−[2−[(5−メチルテトラゾール−2−イル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−1−オン;
6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,5,7,8−ヘキサヒドロ−2,6−ナフチリジン−2−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
2−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[5−クロロ−3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル;
5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル;
及びそれらの薬学的に許容し得る塩
から選択される。
【0075】
また本明細書中に記載されるとおりの式(I)で示される化合物の特定の例は、以下
2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[5,6−ジクロロ−3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル;
[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]−(3−ヒドロキシ−1,2−ベンゾオキサゾール−6−イル)メタノン;
6−[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−カルボニル]−1,1−ジオキソ−1,2−ベンゾチアゾール−3−オン;
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]ピペリジン−4−スルホンアミド;
2−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[5,6−ジクロロ−3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)ピリジン−2−イル]メチル;
2−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
7−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−2,5,6,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−3−オン;
6−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−2,5,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−d]ピリダジン−1−オン;
[2−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
1−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]−3−[2−[(5−メチルテトラゾール−2−イル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−1−オン;
[5−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヒドロピラゾロ[3,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
7−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−5,6,8,8a−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,3−ジオン;
[2−(シクロヘキシルメトキシ)−6−シクロプロピルピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル]ピペリジン−4−スルホンアミド;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1#H!−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル]メタノン;
6−[[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メチル]−3H−1,3−ベンゾオキサゾール−2−オン;
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−4−フルオロピペリジン−4−スルホンアミド;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル]メタノン;
及びそれらの薬学的に許容し得る塩
から選択される。
【0076】
本明細書中に記載されるとおりの式(I)で示される化合物の更なる特定の例は、以下
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル;
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メタノン;
及びそれらの薬学的に許容し得る塩
から選択される。
【0077】
本明細書中に記載されるとおりの式(I)で示される化合物を製造するためのプロセスは、本発明の目的である。
【0078】
本発明の式(I)で示される化合物の調製は、逐次的な又は収束的な合成経路で実施され得る。本発明の合成は、以下の一般スキームに示される。該反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要な技能は、当業者には公知である。エナンチオマー又はジアステレオ異性体の混合物が反応の間に生成される場合、これらのエナンチオマー又はジアステレオ異性体は、本明細書中に記載されているか又は当業者に公知の方法(例えば、(キラル)クロマトグラフィー又は結晶化等)によって分離され得る。プロセスの以下の記載において使用される置換基及び表示は、本明細書中に与えられる意味を有する。
【0079】
一般式(I)で示される化合物は、当技術分野において周知の方法を使用して、アミン前駆体及び適切な試薬から合成され得る。
【0080】
本発明の式(I)で示される化合物の調製は、逐次的な又は収束的な合成経路で実施され得る。本発明の合成は、以下の一般スキームに示される。該反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要な技能は、当業者には公知である。エナンチオマー又はジアステレオ異性体の混合物が反応の間に生成される場合、これらのエナンチオマー又はジアステレオ異性体は、本明細書中に記載されているか又は当業者に公知の方法(例えば、(キラル)クロマトグラフィー又は結晶化等)によって分離され得る。プロセスの以下の記載において使用される置換基及び表示は、本明細書中に与えられる意味を有する。
【0081】
本発明は、式(I)で示される新規な化合物を提供する
【化4】
【0082】
一般式(I)で示される化合物は、アミン前駆体及び適切な試薬から、当技術分野において周知の方法を使用して合成され得る。
【化5】
【0083】
例えば、アミンを、式R−COOH()で示される好適なカルボン酸と反応させて、式(I)で示される化合物(式中、Yは、−C(O)−である)をもたらす。該反応は、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下で行われる。
【0084】
また、アミンを、好適なアシル化試薬(例えば、式R−COCl()で示される塩化アシル)と反応させて、式(I)で示される化合物(式中、Yは、−C(O)−である)をもたらすこともできる。該反応は、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン又は4−メチルモルホリン)の存在下、0℃〜80℃の間の温度で行われる。
【0085】
或いは、アミンを、式R−O−C(O)−Cl()で示される好適なクロロギ酸エステルと、又は式()で示されるイミダゾール−1−カルボン酸エステルと反応させて、式(I)で示される化合物(式中、Yは、−OC(O)−である)をもたらす。
【化6】
【0086】
該反応は、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム)の存在下、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の間の温度で行われる。
【0087】
クロロギ酸エステルは、市販されているか、又は文献に記載されているように、式R−OHで示される対応するアルコールから、ホスゲン若しくはホスゲン等価体(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン)との反応により合成され得る。
【0088】
イミダゾール−1−カルボン酸エステルは、式R−OHで示される対応するアルコールから、1,1’−カルボニルジイミダゾールとの反応により合成される。該反応は、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はアセトニトリル)中、室温で行われる。イミダゾール−1−カルボン酸エステルは、上記されるとおり、典型的には、単離されずにアミンと直接反応させる。
【0089】
式R−OHで示されるアルコールは、市販されているか、又は本明細書中に記載されているか若しくは当技術分野において公知の方法によって製造され得る。
【0090】
カルボン酸()及びハロゲン化アシル()は、市販されているか、又は本明細書中に若しくは文献に記載されているように調製され得る。
【0091】
一般式で示されるアミンは、好適に保護された前駆体から合成される。
【化7】
【0092】
好適な保護基(PG)は、tert−ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである。中間体の脱保護は、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して行われ得る。
【0093】
例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである場合、脱保護は、1bar〜100barの間の圧力で、好適な触媒(例えば、パラジウム担持活性炭)の存在下、20℃〜150℃の間の温度で、溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)中で水素化することにより行われ得る。
【0094】
或いは、PGがtert−ブトキシカルボニルである場合、脱保護は、好適な酸(例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸)の存在下、溶媒(例えば、水、2−プロパノール、ジクロロメタン又は1,4−ジオキサン)中、0℃〜30℃の間の温度で行われ得る。
【0095】
中間体(式中、Aは、Nである)は、一般構造式6Aにより表される。
【化8】
【0096】
PGは、好適な保護基(例えば、tert−ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニル)である。
【0097】
中間体6Aは、一般式で示されるアミン前駆体から、当技術分野において公知の方法を使用して、適切な試薬との反応により製造され得る。
【化9】
【0098】
例えば、を、一般式X−CR−R)で示されるアルキル化剤(式中、Xは、脱離基(例えば、Cl、Br、I又はOSOCH)である)と反応させて、6A(式中、Wは、−CR−である)をもたらす。この反応は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン又は炭酸カリウム)の存在下、0℃〜100℃の間の温度で行われる。
【0099】
或いは、式6Aで示される化合物(式中、Wは、−CR−であり、Rは、水素、アルキル又はシクロアルキルであり、そして、Rは、Hである)については、アミンを、一般式R−C(O)−R)で示されるアルデヒド又はケトンと、還元的アミノ化反応において反応させ、6Aをもたらす。この反応は、好適な還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下、溶媒(例えば、メタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、又はそれらの混合物)中、0℃〜50℃の間の温度で行われる。
【0100】
或いは、アミンを、式R−COOH(10)で示される好適なカルボン酸と反応させて、式6Aで示される化合物(式中、Wは、−C(O)−である)をもたらす。該反応は、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下で行われる。
【0101】
或いは、アミンを、式R−SOCl(11)で示される好適な塩化スルホニルと反応させて、式6Aで示される化合物(式中、Wは、−S(O)−である)をもたらす。該反応は、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム)の存在下、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の間の温度で行われる。
【0102】
或いは、アミンを、式R−N(R10)−C(O)−Cl(12)で示される好適なN−(クロロカルボニル)アミンと反応させて、式6A(式中、Wは、−C(O)−NR10である)で示される化合物をもたらすか、又は式R−NCO(13)で示されるイソシアナートと反応させて、式6A(式中、Wは、−C(O)−NR10であり、R10は、Hである)で示される化合物をもたらす。
【0103】
或いは、アミンを、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)中で、ホスゲン又はホスゲン等価体(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式14で示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンを提供し、次いで、これを、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、式HN(R10)R15)で示されるアミンと反応させて、式6A(式中、Wは、−C(O)−NR10−である)で示される化合物をもたらす。
【化10】

或いは、アミンを、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)中で、ホスゲン又はホスゲン等価体(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式14で示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンにし、次いで、これを、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、式H−、H−AO、H−AX、H−AY、H−AZ、H−BA、H−BB、H−BC又はH−BDで示されるアミンと反応させて、式6A(式中、Wは、−C(O)−であり、Rは、AOAXAYAZBABBBC又はBDである)で示される化合物をもたらす。
【0104】
或いは、アミンを、式R−O−C(O)−Cl(16)で示される好適なクロロホルマートと又はイミダゾール−1−カルボン酸エステル(17)と反応させて、式6A(式中、Wは、−C(O)−O−である)で示される化合物をもたらす。該反応を、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド)中において、場合により塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下で、0℃〜100℃の間の温度で行う。
【化11】

クロロホルマート16は、市販されているか、又は本明細書中に若しくは文献に記載されているように、式R−OHで示される対応するアルコールから、ホスゲン又はホスゲン等価体(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン)との反応により調製され得る。
【0105】
イミダゾール−1−カルボン酸エステル17は、本明細書中に又は文献に記載されているように、式R−OHで示される対応するアルコールから、1,1’−カルボニルジイミダゾールとの反応により調製され得る。
【0106】
N−(クロロカルボニル)アミン12を、文献に記載されているように、対応するアミン15から、ホスゲン又はホスゲン等価体(ジホスゲン、トリホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダゾール)との反応により合成する。
【0107】
イソシアナート13は、市販されているか、又は文献に記載されているように、式R−NHで示される対応するアミンから、ホスゲン又はホスゲン等価体(例えば、ジホスゲン、トリホスゲン、1,1’−カルボニルジイミダゾール)との反応により調製され得る。
【0108】
アミン、アルキル化剤、アルデヒド/ケトン、カルボン酸10、塩化スルホニル11及びアミン15は、市販されているか、又は本明細書中に若しくは文献に記載されているように合成され得る。
【0109】
カルバマート(式中、Aは、CHであり、そして、Wは、−C(O)−N(R10)である)は、一般式6B(式中、R14は、N(R10)Rである)により表される。また、カルバマート(式中、Aは、CHであり、Wは、−C(O)−であり、そして、Rは、又はAOである)は、一般式6B(式中、R14は、AOAXAYAZBABBBC又はBDである)により表される。
【化12】
【0110】
アミド6Bを、カルボン酸18から、式HN(R10)R15)で示されるアミン、H−、H−AO、H−AX、H−AY、H−AZ、H−BA、H−BB、H−BC又はH−BDとのカップリング反応により製造する。
【化13】
【0111】
該反応を、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下で行う。
【0112】
カルボン酸18は市販されているか、又は文献に記載されているように製造され得る。
【0113】
式(I)で示される化合物(式中、Aは、Nである)は、一般式19で示されるアミン前駆体から、当技術分野において公知の方法を使用して、適切な試薬との反応により製造され得る。
【化14】
【0114】
例えば、式19で示されるアミンを、一般式X−CR−R)で示されるアルキル化剤(式中、Xは、脱離基(例えば、Cl、Br、I又はOSOCH)である)と反応させて、式(I)で示される化合物(式中、Aは、Nであり、Wは、−CR−である)をもたらす。この反応は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン又は炭酸カリウム)の存在下、0℃〜100℃の間の温度で行われる。
【0115】
或いは、式19で示されるアミンを、一般式R−C(O)−R)で示されるアルデヒド又はケトンと、還元的アミノ化反応において反応させて、式(I)で示される化合物(式中、Aは、Nであり、Wは、−CR−であり、Rは、水素、アルキル又はシクロアルキルであり、そして、Rは、Hである)をもたらす。この反応は、好適な還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下、溶媒(例えば、メタノール、酢酸、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、又はそれらの混合物)中、0℃〜50℃の間の温度で行われる。
【0116】
或いは、アミン19を、式R−COOH(10)で示される好適なカルボン酸と反応させて、式(I)で示される化合物(式中、Aは、Nであり、そして、Wは、−C(O)−である)をもたらす。該反応は、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下で行われる。
【0117】
或いは、アミン19を、式R−SOCl(11)で示される好適な塩化スルホニルと反応させて、(I)(式中、Aは、Nであり、そして、Wは、−S(O)−である)をもたらす。該反応は、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム)の存在下、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の間の温度で行われる。
【0118】
或いは、アミン19を、式R−N(R10)−C(O)−Cl(12)で示される好適なN−(クロロカルボニル)アミンと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−NR10である)で示される化合物をもたらすか、又は式R−NCO(13)で示されるイソシアナートと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−NR10であり、そして、R10は、Hである)で示される化合物をもたらす。該反応を、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、場合により塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下において、0℃〜100℃の間の温度で行う。
【0119】
或いは、アミン19を、式R−O−C(O)−Cl(16)で示される好適なクロロホルマートと又はイミダゾール−1−カルボン酸エステル(17)と反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−O−である)で示される化合物をもたらす。該反応を、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、場合により塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン)の存在下において、0℃〜100℃の間の温度で行う。
【0120】
或いは、アミン19を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)中で、ホスゲン又はホスゲン等価体(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式20で示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンを提供し、次いで、これを、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、式HN(R10)R15)で示されるアミンと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−NR10−である)で示される化合物をもたらす。
【化15】
【0121】
或いは、アミン19を、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)中で、ホスゲン又はホスゲン等価体(ジホスゲン、トリホスゲン)と反応させて、式20で示される対応するN−(クロロカルボニル)アミンにし、次いで、これを、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下において、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、式H−、H−AO、H−AX、H−AY、H−AZ、H−BA、H−BB、H−BC又はH−BDで示されるアミンと反応させて、式(I)(式中、Wは、−C(O)−であり、そして、Rは、AOAXAYAZBABBBC又はBDである)で示される化合物をもたらす。
【0122】
アミン19は、式21で示されるそれらのtert−ブチルカルバマート誘導体から、カルバマート脱保護により合成され得る。脱保護は、好適な酸(例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸)の存在下、溶媒(例えば、水、2−プロパノール、ジクロロメタン又は1,4−ジオキサン)中、0℃〜30℃の間の温度で行われ得る。
【化16】
【0123】
tert−ブチルカルバマート21は、当技術分野において周知の方法を使用して、式22で示されるアミン前駆体及び適切な試薬から合成され得る。
【化17】
【0124】
例えば、アミン22を、式R−COOH()で示される好適なカルボン酸と反応させて、式21で示される化合物(式中、Yは、−C(O)−である)をもたらす。該反応は、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下で行われる。
【0125】
また、アミン22を、好適なアシル化試薬(例えば、式R−COCl()で示される塩化アシル)と反応させて、式21で示される化合物(式中、Yは、−C(O)−である)を得ることもできる。該反応は、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン又は4−メチルモルホリン)の存在下、0℃〜80℃の間の温度で行われる。
【0126】
或いは、アミン22を、式R−O−C(O)−Cl()で示される好適なクロロギ酸エステルと、又は式で示されるイミダゾール−1−カルボン酸エステルと反応させて、式21で示される化合物(式中、Yは、−OC(O)−である)をもたらす。該反応は、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム)の存在下、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の間の温度で行われる。
【0127】
或いは、アミン22を、塩基(例えば、ピリジン)の存在下、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、−78℃〜+20℃の間の温度で、ホスゲン又はホスゲン等価体(例えば、トリホスゲン)と反応させて、対応するN−クロロカルボニルアミン22Aにすることができる。次いで、N−クロロカルボニルアミン22Aを、式R−OHで示されるアルコールと反応させて、式21で示される化合物(式中、Yは、−OC(O)−である)をもたらす。この反応は、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル又は(of)ジクロロメタン)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、ピリジン、又はポリスチレン結合2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン)の存在下、20℃〜溶媒の沸点の間の温度で行われる。
【化18】
【0128】
22で示されるアミンは、市販されているか、又は本明細書中に若しくは文献に記載されているように製造され得る。
【0129】
式(I)(式中、Aは、CHであり、そして、Wは、−C(O)−NR10−である)で示される化合物を、一般式23で示されるカルボン酸前駆体から、一般式HN(R10)R15)で示される適切なアミン試薬との反応により製造することができる。同様に、式(I)(式中、Aは、CHであり、Wは、C(O)であり、そして、Rは、AOAXAYAZBABBBC又はBDである)で示される化合物を、一般式19で示されるカルボン酸前駆体から、一般式H−、H−AO、H−AX、H−AY、H−AZ、H−BA、H−BB、H−BC又はH−BDで示される適切なアミン試薬との反応により、当技術分野において公知の方法を使用して製造することができる。
【化19】
【0130】
例えば、この反応を、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下において、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中で、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下において行う。
【0131】
式(I)(式中、Aは、CHであり、そして、Wは、−C(O)−O−である)で示される化合物は、一般式23で示されるカルボン酸前駆体から、一般式R−OHで示される適切なアルコールとの反応により、当技術分野において公知の方法を使用して製造され得る。
【0132】
例えば、この反応を、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下において、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中で、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下において行う。
【0133】
或いは、該反応を、2工程で行い、ここで、まず、カルボン酸19を、当技術分野において公知の方法及び試薬(例えば、塩化チオニル又は塩化オキサリル)を使用して、酸クロリド24に変換する。次いで、酸クロリド24を、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン又はアセトニトリル)中、場合により触媒(例えば、ピリジン又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下において、−40℃〜+100℃の間の温度で、アルコールR−OHと反応させる。
【化20】
【0134】
カルボン酸23を、対応するエステル前駆体25(式中、Rは、低級アルキル(例えば、メチル又はエチル)である)から、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して製造することができる。例えば、該反応を、塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の存在下、溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中、20℃〜100℃の間の温度において行う。
【化21】
【0135】
25で示される化合物を、式26で示されるアミン前駆体及び適切な試薬から、当技術分野において周知の方法を使用して合成することができる。
【化22】
【0136】
例えば、アミン21を、式R−COOH()で示される適切なカルボン酸と反応させて、式25(式中、Yは、−C(O)−である)で示される化合物をもたらす。該反応を、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下において、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物)中で、−40℃〜80℃の間の温度で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下において行う。
【0137】
また、アミン25を、式R−COCl()で示される塩化アシル等の好適なアシル化試薬と反応させて、式26(式中、Yは、−C(O)−である)で示される化合物をもたらすことができる。該反応を、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、塩基(例えば、トリエチルアミン又は4−メチルモルホリン)の存在下において、0℃〜80℃の間の温度で行う。
【0138】
或いは、アミン26を、式R−O−C(O)−Cl()で示される好適なクロロギ酸エステルと又は式で示されるイミダゾール−1−カルボン酸エステルと反応させて、式25(式中、Yは、−OC(O)−である)で示される化合物をもたらす。該反応を、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム)の存在下において、0℃〜溶媒又は溶媒混合物の沸点の間の温度で行う。
【0139】
或いは、アミン26を、塩基(例えば、ピリジン)の存在下において、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、−78℃〜+20℃の間の温度において、ホスゲン又はホスゲン等価体(例えば、トリホスゲン)と反応させて、対応するN−クロロカルボニルアミン26Aにすることができる。次いで、N−クロロカルボニルアミン26Aを、式R−OHで示されるアルコールと反応させて、式25(式中、Yは、−OC(O)−である)で示される化合物をもたらす。この反応を、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル又は(of)ジクロロメタン)中で、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、ピリジン、又はポリスチレン結合2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン)の存在下において、20℃〜溶媒の沸点の間の温度で行う。
【化23】
【0140】
一般式26で示されるアミンを、好適に保護された前駆体27から合成する。
【化24】
【0141】
適切な保護基(PG)は、tert−ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである。中間体27の脱保護を、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して行うことができる。
【0142】
例えば、PGがベンジルオキシカルボニルである場合、脱保護は、好適な触媒(例えば、パラジウム担持活性炭)の存在下、20℃〜150℃の間の温度で、溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)中、1bar〜100barの間の圧力での水素化により行われ得る。
【0143】
或いは、PGがtert−ブトキシカルボニルである場合、脱保護は、好適な酸(例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸)の存在下、溶媒(例えば、水、2−プロパノール、ジクロロメタン又は1,4−ジオキサン)中、0℃〜30℃の間の温度で行われ得る。
【0144】
エステル27(式中、Rは、メチル又はエチルである)を、カルボン酸18から、当技術分野において公知の方法及び試薬を使用して製造する。例えば、18を、塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下、溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、−20℃〜+30℃で、ヨウ化メチル又は臭化エチルを用いてアルキル化して、それぞれ、メチル又はエチルエステル27をもたらす。
【0145】
また、本発明の実施態様は、式(III)で示される化合物の存在下での、式(II)で示される化合物の反応を含む、上記に定義されるとおりの式(I)で示される化合物を調製するためのプロセスである;
【化25】

[式中、R、R、m、n、p及びqは、上記に定義されるとおりであり、そして、Wは、−C(O)−である]。
【0146】
特に、カップリング剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート、又はブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスファート、特に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物、特に、N,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、及び/又は4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下又は非存在下、特に、4−メチルモルホリンの存在下、そして、−78℃〜還流の間、特に、−10℃〜室温の間からなる温度。
【0147】
また、本発明の目的は、治療活性物質として使用するための、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物である。
【0148】
同様に、本発明の目的は、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物及び治療上不活性な担体を含む医薬組成物である。
【0149】
本発明の特定の実施態様は、眼症状(特に、緑内障)を処置又は予防するための、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物である。
【0150】
本発明はまた、眼症状(特に、緑内障)を処置又は予防するための医薬を調製するための、本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物の使用に関する。
【0151】
また、本発明の目的は、有効量の本明細書中に記載されるとおりの式(I)による化合物を投与することを含む、眼症状(特に、緑内障)を処置又は予防するための方法である。
【0152】
腎臓症状は、これらに限定されるものではないが、タンパク尿症を伴う及び伴わない、急性腎臓損傷及び慢性腎疾患(末期腎疾患(ESRD)を含む)を含む。より詳細には、これは、低下したクレアチニンクリアランス及び低下した糸球体ろ過速度、微量アルブミン尿症、アルブミン尿症及びタンパク尿症、著しい細胞過形成を有するか又は有さない網状化した糸球体間質マトリックスの膨張を伴う糸球体硬化症(特に、糖尿病性腎症及びアミロイドーシス)、糸球体毛細血管の局所性血栓症(特に、血栓性微少血管症)、全節性のフィブリノイド壊死(global fibrinoid necrosis)、虚血性病変、悪性腎硬化症(例えば、虚血性退縮、減少した腎血流及び腎臓動脈症)、糸球体腎炎の実体におけるような、毛細血管内(内皮及び糸球体間質)及び/又は毛細血管外(半月体)細胞の膨潤及び増殖、局所分節性糸球体硬化症、IgA腎症、血管炎/全身性疾患、並びに急性の及び慢性の腎臓移植拒絶を含む。
【0153】
肝臓症状は、これらに限定されるものではないが、肝硬変、肝臓うっ血、掻痒症を含む胆汁うっ滞性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、並びに急性の及び慢性の肝臓移植拒絶を含む。
【0154】
炎症性の症状は、限定されるものではないが、関節炎、変形性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、異常な排泄障害等、並びに炎症性気道疾患(例えば、特発性肺線維症(IPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は慢性気管支喘息)を含む。
【0155】
呼吸器系の更なる症状は、限定されるものではないが、医原性の薬物誘発性線維症、職業誘発性の及び/又は環境誘発性の線維症、全身性の疾患及び血管炎、肉芽腫症(サルコイドーシス、過敏性肺炎)、膠原血管病、肺胞蛋白症、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、リンパ脈管筋腫症、遺伝病(ヘルマンスキー−パドラック症候群、結節性硬化症、神経線維腫症、代謝性蓄積症、家族性間質性肺疾患)、放射線誘発性の線維症、珪肺症、アスベスト誘発性の肺線維症、又は急性呼吸促迫症候群(ARDS)を含む、様々な病因の他の間質性肺疾患(diffuse parenchymal lung diseases)を含む。
【0156】
神経系の症状は、限定されるものではないが、神経因性疼痛、統合失調症、神経炎症(例えば、アストログリオーシス)、末梢及び/又は自律性(糖尿病性)ニューロパチー等を含む。
【0157】
血管疾患は、限定されるものではないが、アテローム性動脈硬化症、血栓性の血管症、並びに血栓性微小血管症、増殖性動脈症(例えば、粘液性の細胞外マトリックスによって取り囲まれている膨潤した筋内膜(myointimal)細胞、及び結節の肥厚)、アテローム性動脈硬化症、血管コンプライアンスの低下(例えば、硬直、心室コンプライアンスの低下、及び血管コンプライアンスの低下)、内皮の機能不全等を含む。
【0158】
心血管の症状は、限定されるものではないが、急性冠症候群、冠動脈性心疾患、心筋梗塞、動脈性及び肺高血圧症、心不整脈(例えば、心房細動)、脳卒中、並びにその他の血管損傷を含む。
【0159】
線維性疾患は、限定されるものではないが、心筋の及び血管の線維症、腎線維症、肝線維症、肺線維症、皮膚線維症、強皮症、及び被嚢性腹膜炎を含む。
【0160】
ガン、及びガン転移は、限定されるものではないが、乳ガン、卵巣ガン、肺ガン、前立腺ガン、中皮腫、神経膠腫、肝臓の癌腫、消化器ガン、並びにそれらの進行及び転移の攻撃性を含む。
【0161】
眼症状は、限定されるものではないが、増殖性及び非増殖性(糖尿病性)の網膜症、ドライ型及びウエット型の加齢性黄斑変性症(AMD)、黄斑浮腫、中枢動脈/静脈閉塞、外傷、緑内障等を含む。特に、眼症状は、緑内障である。
【0162】
代謝性の症状は、限定されるものではないが、肥満症及び糖尿病を含む。
【0163】
また、本発明の実施態様は、記載されるプロセスのいずれか1つにより製造される場合の、本明細書中に記載されるとおりの式(I)で示される化合物である。
【0164】
アッセイ手順
Hisタグを有するヒト完全長ATX及びHisタグを有しないヒト完全長ATXの生成
オートタキシン(ATX−ENPP2)のクローニング:cDNAを市販のヒト造血細胞全RNAから調製し、そして、オーバーラップPCRにおいてテンプレートとして用いて、3’−6×Hisタグを有するか又は有しない完全長ヒトENPP2 ORFを生成した。これら完全長インサートを、pcDNA3.1V5−His TOPO(Invitrogen)ベクターにクローニングした。幾つかの単一クローンのDNA配列を確認した。正確な完全長クローンからのDNAを用いてタンパク質の発現を確認するために、Hek293細胞にトランスフェクトした。コード化ENPP2の配列は、追加のC末端6×Hisタグを有するか又は有しないSwissprotに登録されているQ13822に一致する。
【0165】
ATXの発酵:20Lの制御型撹拌タンクバイオリアクター(Sartorius)における大規模一過性トランスフェクションによって、組み換えタンパク質を生成した。細胞の増殖及びトランスフェクション中、温度、撹拌速度、pH及び溶存酸素濃度を、それぞれ、37℃、120rpm、7.1及び30%DOに維持した。FreeStyle 293−F細胞(Invitrogen)を、FreeStyle 293培地(Invitrogen)の懸濁液中で培養し、そして、錯化剤としてX−tremeGENE Ro−1539(市販品、Roche Diagnostics)を用いて、上記プラスミドDNAを有する約1〜1.5×10E6細胞/mLでトランスフェクトした。細胞に濃縮栄養素溶液(J Immunol Methods, 194, (1996), 19, 1-199 (page 193))を供給し、そして、細胞を、トランスフェクションの72時間後に酪酸ナトリウム(2mM)によって誘導し、そして、トランスフェクションの96時間後に回収した。ウエスタンブロット、酵素アッセイ及び/又は分析IMACクロマトグラフィーによって、発現を分析した。フロースルー熱交換器内で細胞懸濁液を4℃まで冷却した後、Zeta Plus 60M02 E16(Cuno)及びSartopore 2 XLG(Sartorius)フィルターユニットに通して濾過することによって、細胞分離及び上清の滅菌濾過を行った。上清を、精製の前に4℃で保存した。
【0166】
ATXの精製:0.02%の最終濃度になるようにBrij 35を添加することによって、かつ、1M HClを用いてpHを7.0に調整することによって、20リットルの培養上清を限外濾過用に調整した。次いで、まず上清を0.2μm Ultran−Pilot Open Channel PESフィルター(Whatman)に通してマイクロ濾過し、その後、30kDaの分子量カットオフ(MWCO)を有するUltran−Pilot Screen Channel PESフィルター(Whatman)に通して1リットルに濃縮した。IMACクロマトグラフィーの前に、1mMの最終濃度になるようにNiSOを添加した。次いで、きれいにした上清を、50mM NaHPO(pH7.0)、0.5M NaCl、10%グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaNで予め平衡化しておいたHisTrapカラム(GE Healthcare)に適用した。該カラムを、それぞれ、20mM、40mM及び50mM イミダゾールを含有する同じバッファーを用いて段階的に洗浄した。次いで、15カラム容量での0.5M イミダゾールへの直線勾配を用いて、タンパク質を溶離した。ATXを含有する画分をプールし、そして、30kDaのPESフィルター膜を備えるAmiconセルを用いて濃縮した。20mM BICINE(pH8.5)、0.15M NaCl、10%グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN中、Superdex S−200 prep grade(XK 26/100)(GE Healthcare)でのサイズ排除クロマトグラフィーによって、該タンパク質を更に精製した。精製後のタンパク質の最終収量は、培養上清1リットル当たりATX 5〜10mgであった。該タンパク質を−80℃で保存した。
【0167】
ヒトATX酵素阻害アッセイ
特異的に標識した基質アナログ(MR121基質)を用いた蛍光消光アッセイにより、ATX阻害を測定した。このMR121基質を得るために、BOC及びTBSで保護された6−アミノヘキサン酸(R)−3−({2−[3−(2−{2−[2−(2−アミノ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−プロピオニルアミノ]−エトキシ}−ヒドロキシ−ホスホリルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル(Ferguson et al., Org Lett, 2006, 8 (10), 2023)のエタノールアミン側の遊離アミンをMR121フルオロフォア(CAS 185308-24-1、1−(3−カルボキシプロピル)−11−エチル−1,2,3,4,8,9,10,11−オクタヒドロ−ジピリド[3,2−b:2’,3’−i]フェノキサジン−13−イウム)で標識し、次いで、脱保護の後、アミノヘキサン酸側をトリプトファンで続いて標識した。
【0168】
アッセイワーキング溶液を以下のとおり調製した:
アッセイバッファー(50mM Tris−HCl、140mM NaCl、5mM KCl、1mM CaCl、1mM MgCl、0.01% Triton−X−100、pH8.0;
ATX溶液:ATX(ヒトHisタグ化)ストック溶液(20mM ビシン(pH8.5)、0.15M NaCl、10%グリセロール、0.3% CHAPS、0.02% NaN中 1.08mg/mL)、アッセイバッファー中 1.4〜2.5×最終濃度に希釈;
MR121基質溶液:MR121基質ストック溶液(DMSO中 800μM MR121基質)、アッセイバッファー中 2〜5×最終濃度に希釈。
【0169】
試験化合物(DMSO中 10mMストック、8μL)を384ウェルサンプルプレート(Corning Costar #3655)中に入れ、そして、DMSO 8μLで希釈した。O行に至るまでcpd溶液 8μLを次の行に移すことによって、行方向の段階希釈液を調製した。化合物溶液及び対照溶液を5回混合し、そして、2μLを384ウェルアッセイプレート(Corning Costar #3702)に移した。次いで、15μLの41.7nM ATX溶液を添加(最終濃度 30nM)し、5回混合し、次いで、30℃で15分間インキュベートした。MR121基質溶液 10μLを添加(最終濃度 1μM)し、30回混合し、次いで、30℃で15分間インキュベートした。次いで、蛍光を、2分毎に1時間測定し(Perkin Elmerプレート:ビジョンマルチモードリーダー);光強度:2.5%;露光時間:1.4秒、フィルター:Fluo_630/690nm)、そして、これら計測値からIC50値を計算した。
【表1】
【0170】
本明細書中に記載されるとおりの式(I)で示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩又はエステルは、0.00001μM〜1000μMの間のIC50値を有し、特定の化合物は、0.0005μM〜500μMの間のIC50値を有し、更なる特定の化合物は、0.0005μM〜50μMの間のIC50値を有し、より特定の化合物は、0.0005μM〜5μMの間のIC50値を有する。これら結果は、上記酵素アッセイを用いることによって得られた。
【0171】
式(I)で示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、(例えば、医薬調製物の形態で)医薬として使用され得る。医薬調製物は、体内に(例えば、経口的に(例えば、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬ゼラチンカプセル剤及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で)、経鼻的に(例えば、点鼻スプレーの形態で)、直腸的に(例えば、坐剤の形態で)、又は局所的に眼に(液剤、軟膏剤、ゲル剤又は水溶性ポリマーインサートの形態で))投与され得る。しかし、投与は、非経口的に(例えば、筋肉内、静脈内又は眼内に(例えば、無菌の注射液剤の形態で))も達成され得る。
【0172】
式(I)で示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬ゼラチンカプセル剤、注射液剤又は局所的な製剤を製造するために、薬学的に不活性な無機の又は有機の補助剤と共に加工され得る 乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等は、例えば、錠剤、糖衣剤及び硬ゼラチンカプセル剤用のそのような補助剤として使用され得る。
【0173】
軟ゼラチンカプセル剤に好適な補助剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体物質及び液状ポリオール等である。
【0174】
液剤及びシロップ剤の製造に好適な補助剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコース等である。
【0175】
注射液剤に好適な補助剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0176】
坐剤に好適な補助剤は、例えば、天然油又は硬化油、ロウ、脂肪、半固体の又は液体のポリオール等である。
【0177】
局所眼科製剤に好適な補助剤は、例えば、シクロデキストリン、マンニトール、又は当技術分野で公知のその他の多くの担体及び賦形剤である。
【0178】
更に、医薬調製物は、保存剤、可溶化剤、増粘物質、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味料、浸透圧を変えるための塩、バッファー、マスキング剤、又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、更なる他の治療的に価値のある物質を含有することもできる。
【0179】
用量は、広い範囲で変えることができ、当然ながら、各特定の症例における個々の要求に適合される。一般的に、経口投与の場合には、体重1kg当たり約0.1mg〜20mg(好ましくは、体重1kg当たり約0.5mg〜4mg(例えば、一人当たり約300mg))の一日用量を、好ましくは1〜3回の個々の用量に分割し、それは例えば、適切であるならば、同じ量からなることができる。局所投与の場合には、製剤は0.001重量%〜15重量%の医薬を含有することができ、必要とされる用量(0.1〜25mgの間であることができる)を、1日当たりに若しくは1週間当たりに1回の用量によるか、又は1日当たりに複数回の用量(2〜4回)によるか、或いは1週間当たりに複数回の用量によるかのいずれかで、投与することができる しかし、それが必要であることが示される場合、本明細書中に与えられた上限又は下限を超えることができることは明らかである。
【0180】
本発明を、本明細書中の以下に実施例により説明するが、これらは限定的な性質を有するものではない。
【0181】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーを、本明細書中に記載される方法により、又は当業者に公知の方法(例えば、キラルクロマトグラフィー又は結晶化等)により得ることができる。
【0182】
実施例
そうではないと特定されない場合、全ての実施例及び中間体を窒素雰囲気下で調製した。
【0183】
略語:aq.=水性;CAS−RN=Chemical Abstracts Service登録番号;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;MS=質量スペクトル;sat.=飽和
【実施例】
【0184】
実施例1
2−[(5R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル
【化26】

3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル塩酸塩(中間体4;50mg、111μmol)、4−メチルモルホリン(56.3mg、557μmol)及び(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸(CAS-RN 1588500-12-2;18.6mg、111μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(42.4mg、111μmol)を加えた。澄明な黄色の溶液を室温で撹拌し、次に、18時間後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチル/2−メチルテトラヒドロフラン 4:1との間で分配した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液及びブラインで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(46mg、74%)を得た。白色の泡状物、MS:562.3(M+H)
【0185】
以下の実施例を、実施例1と同様にして、3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル塩酸塩を適切なアミンにより、及び(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸を適切なカルボン酸により置き換えて、生成した。
【表2】



【0186】
実施例2
2−(1,4,6,7−テトラヒドロトリアゾロ[4,5−c]ピリジン−5−カルボニル)−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボン酸[3−(2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル
【化27】

3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル二塩酸塩(中間体4;75mg、139μmol)及びピリジン(66mg、834μmol)のジクロロメタン(2mL)中の淡黄色の溶液に、0℃でトリホスゲン(18.6mg、62.6μmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液を滴下して加えた。30分後、氷浴を取り外し、次に、2時間後、反応混合物を1M塩酸水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。残留物をジクロロメタン(2mL)中に溶解し、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジン(CAS-RN 706757-05-3;18.2mg、139μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(53.9mg、417μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に加えた。15分後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチル/2 メチルテトラヒドロフラン 4:1との間で分配した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液及びブラインで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(37mg、47%)を得た。黄色の泡状物、MS:563.2(M+H)
【0187】
以下の化合物を、実施例2と同様にして、3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル塩酸塩を適切なアミン1により、及び4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−c]ピリジンを適切なアミン2により置き換えて、生成した。
【表3】





【0188】
実施例3
5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル
【化28】

(1−トリチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メタノール(CAS-RN 88529-86-6;46.2mg、135μmol)のアセトニトリル(3mL)中溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(21.9mg、135μmol)を加えた。反応物を50℃で2時間撹拌し、次に、トリエチルアミン(68.5mg、677μmol)及び(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ピリジン−4−イル)(5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H,3H,4H)−イル)メタノン(中間体2;50mg、135μmol)を加え、反応混合物を18時間加熱還流した。冷却後、トリフルオロ酢酸(309mg、2.71mmol)を加え、次に、3時間後、反応混合物をエバポレートし、そして、残留物を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(11mg、16%)を生成した。白色の固体、MS:495.2(M+H)
【0189】
実施例4
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル]ピペリジン−4−スルホンアミド
【化29】

1−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル)ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩(中間体5;52mg、155μmol)、4−メチルモルホリン(94mg、929μmol)及び2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチン酸(CAS-RN 1810776-23-8;42.9mg、155μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(58.9mg、155μmol)を加えた。澄明な黄色の溶液を室温で撹拌し、次に、39時間後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液及びブラインで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(84mg、97%)を得た。白色の泡状物、MS:559.3(M+H)
【0190】
以下の実施例を、実施例4と同様にして、1−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル)ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩(中間体5)を適切なアミンにより置き換えて、生成した。
【表4】
【0191】
実施例5
6−[[5−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル]メチル]−3H−1,3−ベンゾオキサゾール−2−オン
【化30】

[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−(2,3,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル)メタノン(中間体2;50mg、122μmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に、2−オキソ−3H−1,3−ベンゾオキサゾール−6−カルボアルデヒド(CAS-RN 54903-15-0;25.1mg、146μmol)、酢酸(14.6mg、244μmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(33.6mg、158μmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌し、次に、2時間後、反応混合物を1M炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(39mg、62%)を得た。オフホワイトの固体、MS:517.3(M+H)
【0192】
実施例6
1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−4−フルオロピペリジン−4−スルホンアミド
【化31】
【0193】
工程1:1−[2−[2−シクロプロピル−6−(テトラヒドロピラン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−4−フルオロ−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−スルホンアミド
0℃で、[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−(2,3,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル)メタノン(中間体2;165mg、402μmol)及び4−メチルモルホリン(122mg、1.21mmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液に、トリホスゲン(59.6mg、201μmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液を滴下して加えた。30分後、氷浴を取り外し、次に、2時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。残留物をジクロロメタン(4mL)中に溶解し、4−フルオロ−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩(中間体6;110mg、240μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(92.9mg、719μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液に加えた。18時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を飽和塩化アンモニウム溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(152mg、77%)を得た。淡黄色の泡状物、MS:818.4(M+H)
【0194】
工程2:1−[2−[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−4−フルオロピペリジン−4−スルホンアミド
トリフルオロ酢酸(1.54g、13.5mmol)を、1−[2−[2−シクロプロピル−6−(テトラヒドロピラン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニル]−1,3,4,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−5−カルボニル]−4−フルオロ−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−スルホンアミド(138mg、169μmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に室温で加え、次に、50℃で6時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 95:5:0.25)で、標題化合物(70mg、72%)を生成した。淡黄色の泡状物、MS:578.3(M+H)
【0195】
実施例7
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−[5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−イル]メタノン
【化32】

5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル(中間体7;72mg、192μmol)のイソプロパノール(1mL)中の無色の溶液に、塩酸(イソプロパノール中 5〜6M)(1.07mL、5.4mmol)を加え、次に、6時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中に溶解し、トリエチルアミン(116mg、1.15mmol)及びクロロトリメチルシラン(25mg、230μmol)を室温で加えた。10分後、2−シクロプロピル−6−(テトラヒドロピラン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニルクロリド(192μmol)及びジクロロメタン(2mL)の溶液を、撹拌した褐色の懸濁液に0℃で加えた。反応物を40℃で15時間撹拌し、次に、飽和塩化アンモニウム水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 95:5:0.25)で、標題化合物(15mg、15%)を得た。白色の泡状物、MS:535.3(M+H)
【0196】
2−シクロプロピル−6−(テトラヒドロピラン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボニルクロリドの調製
塩化オキサリル(37.3mg、288μmol)を、0℃で2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−カルボン酸(CAS-RN 1810776-23-8;53.2mg、192μmol)のジクロロメタン(2mL)中の撹拌した溶液に加えた。触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(701μg、9.59μmol)を加えた。室温で1時間撹拌して、粗塩化カルボニルを得、これを実施例7において用いた。
【0197】
中間体
中間体1
3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸 4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル塩酸塩
【0198】
工程1:4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2,5(1H,3H)−ジカルボン酸 2−tert−ブチル 5−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)
[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタノール(CAS-RN 1736-74-9;233mg、1.21mmol)のアセトニトリル(10mL)中溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(197mg、1.21mmol)を加えた。反応物を50℃で3時間加熱し、次に、トリエチルアミン(736mg、7.28mmol)及び3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩(CAS-RN 1208929-16-1;315mg、1.21mmol)を加え、反応混合物を更に15時間加熱還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液との間で分配した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 95:5:0.25)で、標題化合物(458mg、88%)を得た。褐色の半固体、MS:446.1(M+NH
【0199】
工程2:3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸 4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル塩酸塩
4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2,5(1H,3H)−ジカルボン酸 2−tert−ブチル 5−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)(452mg、1.06mmol)の2−プロパノール(3mL)中の褐色の溶液に、塩酸溶液(2−プロパノール中 5〜6M、5.91mL、29.5mmol)を加えた。溶液を16時間撹拌し、次に、減圧下で濃縮した。残留物をtert−ブチルメチルエーテル中でトリチュレートし、沈殿物を濾過により集めて、標題化合物(350mg、91%)を生成した。淡褐色の固体、MS:329.1(M+H)
【0200】
中間体2
[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−(2,3,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル)メタノン
【0201】
工程1:5−(6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル
3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩(CAS-RN 1208929-16-1;300mg、1.16mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、4−メチルモルホリン(584mg、5.78mmol)、6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸(CAS-RN 150190-28-6;218mg、1.16mmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(483mg、1.27mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、次に、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル、勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 90:10:0.25)で、標題化合物(390mg、86%)を生成した。白色の泡状物、MS:372.2(M+H)
【0202】
工程2:5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル
5−(6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル(385mg、985μmol)、炭酸カリウム(272mg、1.97mmol)及び4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン(459mg、1.97mmol)のアセトニトリル(8mL)中混合物を、90℃で48時間加熱し、次に、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 95:5:0.25)に付して、標題化合物(390mg、84%)を得た。白色の泡状物、MS:470.3(M+H)
【0203】
工程3:[2−シクロプロピル−6−(オキサン−4−イルメトキシ)ピリジン−4−イル]−(2,3,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル)メタノン
トリフルオロ酢酸(1.41g、12.3mmol)を、5−(2−シクロプロピル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)イソニコチノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル(386mg、822μmol)のジクロロメタン(8mL)中溶液に室温で加え、次に、5時間後、溶液を濃縮し、そして、残留物をジクロロメタンと2M水酸化ナトリウム水溶液との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、エバポレートして、標題化合物(298mg、98%)を生成した。オフホワイトの泡状物、MS:370.2(M+H)
【0204】
以下の中間体を、中間体2と同様にして、4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピランを適切なハロゲン化物により置き換えて、生成した。
【表5】
【0205】
中間体3
3−[2−[(5−メチルテトラゾール−2−イル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(2,3,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル)プロパン−1−オン
【0206】
工程1:5−(3−(2−((5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル
標題化合物を、中間体2、工程1と同様にして、6−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−カルボン酸を3−(2−((5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸(CAS-RN 1646783-83-6)により置き換えて、生成した。淡黄色のガム状物、MS:505.4(M−H)
【0207】
工程2:3−[2−[(5−メチルテトラゾール−2−イル)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−(2,3,4,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピロール−5−イル)プロパン−1−オン
トリフルオロ酢酸(1.84g、16.1mmol)を、5−(3−(2−((5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノイル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル(573mg、1.07mmol)のジクロロメタン(5mL)中溶液に室温で加え、次に、4時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 95:5:0.25〜90:10:0.25)で、標題化合物(344mg、79%)を生成した。淡黄色の泡状物、MS:407.2(M+H)
【0208】
以下の中間体を、中間体3と同様にして、3−(2−((5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸を適切なカルボン酸により置き換えて、生成した。
【表6】
【0209】
中間体4
3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル塩酸塩
【0210】
工程1:5−(クロロカルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル
3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩(CAS-RN 1208929-16-1;800mg、3.08mmol)及びピリジン(1.34g、16.9mmol)のジクロロメタン(12mL)中の淡褐色の混合物に、0℃でトリホスゲン(411mg、1.39mmol)のジクロロメタン(7mL)中溶液を滴下して加えた。30分後、氷浴を取り外し、次に、1時間後、反応混合物を1M塩酸水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、エバポレートして、標題化合物(844mg、100%)を得た。黄色の固体、MS:217.0(M+H−イソブテン)
【0211】
工程2:4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2,5(1H,3H)−ジカルボン酸 2−tert−ブチル 5−((3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル)
5−(クロロカルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル(834mg、3.06mmol)のアセトニトリル(60mL)中溶液に、N−(2−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピバルアミド(中間体9;650mg、2.35mmol)及びPS−BEMP(CAS-RN 1446424-86-7;2.58g)を加えた。橙色の懸濁液を還流まで加熱し、68時間撹拌した。不溶性固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄した。PS−トリスアミン(CAS-RN 1226492-10-9;860mg、2.35mmol)を濾液に加え、反応混合物を室温で4時間撹拌し、次に、不溶性物質を濾過により除去して、濾液をエバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 95:5:0.25)で、標題化合物(935mg、78%)を得た。淡黄色の泡状物、MS:513.2(M+H)
【0212】
工程3:3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル塩酸塩
4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2,5(1H,3H)−ジカルボン酸 2−tert−ブチル 5−((3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル)(925mg、1.80mmol)の淡黄色の2−プロパノール(5mL)中溶液に、塩酸(2−プロパノール中 5〜6M、10.1mL、50.5mmol)を室温で加え、次に、14時間後、溶液をエバポレートし、そして、残留物をtert−ブチルメチルエーテル中でトリチュレートした。沈殿物を濾過により集めて、標題化合物(762mg、94%)を得た。淡褐色の固体、MS:411.3(M−H)
【0213】
以下の中間体を、中間体4と同様にして、3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩を適切なアミンにより、及びN−(2−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピバルアミドを適切なアルコールにより置き換えて、生成した。
【表7】
【0214】
中間体5
1−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル)ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩
【0215】
工程1:5−(4−スルファモイルピペリジン−1−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
標題化合物を、実施例1と同様にして、3,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸(3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル塩酸塩(中間体4)をピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩(CAS-RN 1251923-46-2)により、及び(R)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸を2−tert−ブトキシカルボニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸(CAS-RN 1049874-41-0)により置き換えて、生成した。白色の泡状物、MS:398.3(M−H)
【0216】
工程2:1−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニル)ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩
標題化合物を、中間体1、工程2と同様にして、4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2,5(1H,3H)−ジカルボン酸 2−tert−ブチル 5−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)を5−(4−スルファモイルピペリジン−1−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルにより置き換えて、生成した。淡赤色の固体、MS:300.1(M+H)
【0217】
以下の中間体を、中間体5と同様にして、ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩を適切なアミンにより置き換えて、生成した。
【表8】
【0218】
中間体6
4−フルオロ−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩
【0219】
工程1:4−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]スルファモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−スルファモイルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(CAS-RN 1415929-10-0;995mg、3.39mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中溶液に、水素化ナトリウム(285mg、7.11mmol)を加えた。淡黄色の懸濁液を室温で15分間撹拌し、次に、1−(クロロメチル)−4−メトキシ−ベンゼン(CAS-RN 824-94-2;1.05g、6.44mmol)を加えた。反応物を室温で3時間撹拌し、次に、氷に注ぎ、そして、飽和塩化アンモニウム水溶液で酸性化した。水相を酢酸エチルで抽出した。次に、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 100:5:0.25)で、標題化合物(1.53g、89%)を得た。白色の固体、MS:527.3(M+Na)
【0220】
工程2:4−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]スルファモイル]−4−フルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]スルファモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(909mg、1.80mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の澄明な無色の溶液を−70℃まで冷却し、ブチルリチウム溶液(ヘキサン中 1.6M;1.35ml、2.16mmol)をゆっくりと加えた。色が淡赤色に変わり、そして、反応物を−70℃で30分間撹拌した。次に、N−フルオロベンゼンスルホンイミド(CAS-RN 133745-75-2;625mg、1.98mmol)のテトラヒドロフラン(7mL)中溶液を、−70℃未満でゆっくり加えた。2時間撹拌した後、色が黄色に変わり、そして、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水をゆっくり加えて反応を停止させた。酢酸エチルを加え、有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン/ヘプタン 4:1〜ジクロロメタン)で、標題化合物(707mg、75%)を得た。オフホワイトの固体、MS:545.3(M+Na)
【0221】
工程3:4−フルオロ−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピペリジン−4−スルホンアミド塩酸塩
標題化合物を、中間体1、工程2と同様にして、4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2,5(1H,3H)−ジカルボン酸 2−tert−ブチル 5−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)を4−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]スルファモイル]−4−フルオロ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルにより置き換えて、生成した。白色の固体、MS:423.2(M+H)
【0222】
中間体7
5−(3−ヒドロキシ−5,7−ジヒドロ−4H−[1,2]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−6−カルボニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチル
塩化オキサリル(72.9mg、563μmol)を、2−tert−ブトキシカルボニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸(CAS-RN 1049874-41-0;100mg、375μmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に0℃で加えた。次に、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(1.3mg、18μmol)を加え、氷浴を取り外した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液を、4,5,6,7−テトラヒドロイソオキサゾロ[5,4−c]ピリジン−3−オール塩酸塩(CAS-RN 64603-91-4;66.2mg、375μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(485mg、3.75mmol)中の撹拌した懸濁液に0℃でゆっくり加えた。10分後、氷浴を取り外し、反応物を室温で40時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール 9:1)で、標題化合物(77mg、55%)を得た。白色の泡状物、MS:320.1(M+H−イソブテン)
【0223】
中間体8
2−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イソニコチン酸
【0224】
工程1:2−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−4−カルボン酸メチル
標題化合物を、中間体2、工程2と同様にして、4−(ヨードメチル)テトラヒドロ−2H−ピランをトリフルオロメタンスルホン酸 2,2,2−トリフルオロエチル(CAS-RN 6226-25-1)により置き換えて、生成した。白色の固体、MS:276.1(M+H)
【0225】
工程2:2−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イソニコチン酸
2−シクロプロピル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−4−カルボン酸メチル(255mg、927μmol)のテトラヒドロフラン(2.5mL)及びエタノール(2.5mL)中の無色の溶液に、1M水酸化リチウム一水和物水溶液(CAS-RN 1310-66-3;1.85mmol)を加えた。反応物を室温で6時間撹拌し、次に、氷に注ぎ、そして2M塩酸水溶液でpH1まで酸性化した。水相を酢酸エチルで抽出した。次に、有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、エバポレートして、標題化合物(217mg、90%)を生成した。白色の固体、MS:260.1(M−H)−。
【0226】
中間体9
N−(2−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピバルアミド
【0227】
工程1:3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル
3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル(CAS-RN 866775-17-9;2.00g、8.63mmol)のピリジン(25mL)中の褐色の溶液に、塩化ピバロイル(2.08g、17.3mmol)を0℃で加えた。20分後、氷浴を取り外した。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を1M塩酸水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ジクロロメタン〜ジクロロメタン/メタノール/25%アンモニア水溶液 100:5:0.25)で、標題化合物(2.46g、92%)を得た。淡黄色の固体、MS:305.1(M+H)
【0228】
工程2:N−(2−(ヒドロキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピバルアミド
3−ピバルアミド−5−(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル(2.45g、8.05mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)中の澄明な淡黄色の溶液に、塩化カルシウム(1.79g、16.1mmol)及びエタノール(60mL)の溶液を加え、次に、水素化ホウ素ナトリウム(914mg、24.2mmol)を、30分間かけて3回に分けて加えた。白色の懸濁液を室温で90分間撹拌し、次に、酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、エバポレートした。クロマトグラフィー(シリカゲル;勾配 ヘプタン/酢酸エチル 4:1〜1:1)で、標題化合物(1.97g、89%)を得た。淡黄色の粘性油状物、MS:277.1(M+H)
【0229】
以下の中間体を、中間体9と同様にして、3−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ピコリナートを適切な出発物質により置き換えて、生成した。
【表9】
【0230】
実施例A
式(I)で示される化合物は、自体公知の方法で、以下の組成の錠剤を製造するための活性成分として使用され得る:
1錠当たり
活性成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
トウモロコシデンプン 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0231】
実施例B
式(I)で示される化合物は、自体公知の方法で、以下の組成のカプセル剤を製造するための活性成分として使用され得る:
1カプセル当たり
活性成分 100.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
乳糖 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg