(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876691
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】自立的拡張状態および収縮状態を有する自己巻付編組テキスタイルスリーブならびにその構築方法
(51)【国際特許分類】
D04C 1/06 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
D04C1/06 Z
D04C1/06 A
【請求項の数】24
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-522087(P2018-522087)
(86)(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公表番号】特表2018-536101(P2018-536101A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】US2016059627
(87)【国際公開番号】WO2017075561
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2019年10月10日
(31)【優先権主張番号】15/337,472
(32)【優先日】2016年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/248,178
(32)【優先日】2015年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チョン・ホワイ
(72)【発明者】
【氏名】ティール,ジミー・イー
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ティアンキ
(72)【発明者】
【氏名】クラウザー,リー
【審査官】
橋本 有佳
(56)【参考文献】
【文献】
特表2017−533353(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0109965(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0238832(US,A1)
【文献】
実開昭48−020532(JP,U)
【文献】
国際公開第2014/123869(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04C1/00−7/00
D04G1/00−5/00
D03D1/00−27/18
H02G3/22−3/40
H05K9/00
F16L11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己巻付保護テキスタイルスリーブであって、
対向する自由縁部が両端間を長さ方向に延びる、編組された管状壁を備え、
前記壁は、前記両端間を延びる中心長手方向軸をほぼ横断する断面で見て、減少した長さで増加した断面積の第1の状態と、前記中心長手方向軸をほぼ横断する断面で見て、増加した長さで減少した断面積の第2の状態とを有し、前記壁は、さらに、前記壁に付勢を付与する編組されたヒートセットヤーンを含み、前記付勢は、外部からかけられる力がない場合に前記壁を実質的に前記第1および第2の状態にとどめさせ、前記対向する自由縁部を互いに重ね合わされた関係にする、自己巻付保護テキスタイルスリーブ。
【請求項2】
前記ヒートセットヤーンの少なくともいくつかは束状で編組され、前記束は互いに撚り合わされた複数のヤーンを含む、請求項1に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項3】
少なくともいくつかの前記束は、別の束と相互に連結されることによって形成される開口部を有する、請求項2に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項4】
前記束の少なくともいくつかは全体的に前記ヒートセットヤーンで形成されている、請求項3に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項5】
前記壁は非ヒートセット可能なヤーンを含む、請求項3に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項6】
前記非ヒートセット可能なヤーンの少なくともいくつかは前記開口部の少なくともいくつかを通って延びる、請求項5に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項7】
前記非ヒートセット可能なヤーンの少なくともいくつかは、前記束の対間で同じ撚り方向である、請求項6に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項8】
前記束の少なくともいくつかは、非ヒートセット可能なヤーンを含む、請求項3に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項9】
前記壁は非ヒートセット可能なヤーンを含む、請求項1に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項10】
前記束は、SまたはZの一方のみの撚り方向である、請求項2に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項11】
前記束は、SおよびZの反対の撚り方向である、請求項2に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項12】
前記壁は非円形の外周部を有する、請求項1に記載の自己巻付保護スリーブ。
【請求項13】
自己巻付テキスタイルスリーブを構築する方法であって、
複数のヤーンを互いに編組して、両端間を中心長手方向軸に沿って長さ方向に延びる壁を形成することを備え、前記ヤーンの少なくともいくつかは、ヒートセット可能なヤーンとして提供され、前記壁は、減少した長さで増加した断面積の第1の状態と、増加した長さで減少した断面積の第2の状態との間で移動可能であり、前記方法はさらに、
前記壁を、対向する自由縁部が前記両端間を長さ方向に延びる状態で形成することと、
前記対向する自由縁部を互いに向かって巻付け、前記壁が前記第1の状態および第2の状態のうちの一方にある状態で前記ヒートセット可能なヤーンをヒートセットして、前記壁に付勢を付与するヒートセットされたヤーンを形成することとを備え、前記付勢は、前記壁を前記中心長手方向軸の周りに自己巻付けさせて管状構成にし、前記壁を、実質的に前記第1および第2の状態の各々に、前記第1または第2の状態の他方に移動させる外部からかけられる軸方向の力がない場合において、とどめさせる、自己巻付テキスタイルスリーブを構築する方法。
【請求項14】
前記壁をレース編組機で編組することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記壁を継ぎ目のない周方向に連続する壁として編組し、次いで前記壁を長さ方向に切断して前記対向する自由縁部を形成することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記切断を行う前に前記ヒートセットすることを実施することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記切断を行った後に前記ヒートセットすることを実施することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記壁を、前記対向する自由縁部を有する実質的に平坦な層として編組することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記壁をマンドレルの周りに巻付け、次いで前記ヒートセットすることを行うことをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
非ヒートセット可能なヤーンを含む前記壁を形成することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
互いに撚り合わされたヤーンの束として前記ヤーンの少なくともいくつかを形成することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記束の少なくともいくつかを、全体的に、ヒートセット可能なヤーンで形成することをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記束の少なくともいくつかを、非ヒートセット可能なヤーン含んで形成することをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
1つの束における開口部を別の束における開口部と相互連結させて、それらの束を互いに相互固定することをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2015年10月29日に出願された米国仮出願連続番号第62/248,178号および2016年10月28日に出願された米国実用新案出願連続番号第15/337,472号の利益を主張するものであり、それらの全体をここに引用により援用する。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、一般的にテキスタイルスリーブに関し、より詳細には、自己巻付編組テキスタイルスリーブに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
編成、織製もしくは編組スリーブでのように、細長い部材をさまざまな環境条件および影響に対してテキスタイルスリーブで保護するか、または結束および引き回し目的で細長い部材を単にテキスタイルスリーブに入れることが知られている。編組スリーブの場合、編組壁は、一般に、「閉鎖」壁と呼ばれることがある周方向に連続した継ぎ目のない壁として編組されている。閉鎖された編組壁構造の1つの既知の利点は、壁の両端を手で押して圧縮された状態で物理的に保持することによって壁を細長い部材上で滑りやすくするように、壁が周方向に拡張できるということである。両端を互いに向かって押し、壁を軸方向に圧縮した状態で手で保持することにより、編組壁は、増加した直径および低減された長さを呈する。増加した直径の状態にあるとき、壁は細長い部材の上に容易に配置することができる。次に、スリーブが細長い部材の上に設置された後、設置者は壁を解放することができ、両端は自動的に互いから軸方向に離れるように撥ね、それにより、周方向に低減された直径および増加した長さを呈する。
【0004】
編組壁の直径を増減させる前述の能力は、織製スリーブのようないくつかの他の公知のタイプのスリーブ構造を超える利点を有するが、潜在的な欠点がある。すなわち、編組スリーブの直径を手で増加させる能力は、設置中に連続して外部から加えられる圧縮力を加えることを必要とし、それは困難であると分かり、したがって、設置者が細長い部材の上にスリーブを容易に設置する能力を複雑にし得る。編組スリーブが比較的長い場合、編組スリーブの設置をさらに複雑にする。比較的長いスリーブでは、スリーブをその長さに沿って折り曲げたり座屈させたりすることなく両端を互い向かってに軸方向に圧縮する必要があり、困難になる。さらに、スリーブに、その長くされた、縮径された状態を回復させるよう、壁を解放すると、壁は、交絡されたヤーンとヤーンとの間の摩擦により生じるパターン保持現象のために、その軸方向に圧縮された構成に向かって少なくとも部分的に撥ね戻る。したがって、スリーブの有効長さが意図せず減少する可能性がある。
【0005】
スリーブが保護されるべき細長い部材の周りに容易に配置されるように、互いに離れるように分離可能な、長さ方向に延びる対向する自由縁部を有するスリーブを構成することがさらに知られている。しかしながら、特にスリーブが比較的長い場合、細長い部材の周りにスリーブを組み付ける際に依然として課題が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の1つの態様に従うと、自己巻付保護テキスタイルスリーブが提供される。スリーブは、対向する自由縁部が両端間を長さ方向に延びる、編組された管状壁を含む。壁は、中心長手方向軸をほぼ横断する断面で見て、減少した長さで増加した断面積の第1の状態と、増加した長さで減少した断面積の第2の状態とを有する。壁は、さらに、壁に付勢を付与する編組されたヒートセットヤーンを含み、付勢は、壁を管状構成に自己巻付けさせ、外部からかけられる力がない場合に実質的に第1および第2の状態にとどめさせる。
【0007】
この発明の1つの態様に従うと、ヒートセットヤーンの少なくともいくつかは束状で編組され、束は螺旋状の関係で互いに撚り合わされた複数のヤーンを含む。
【0008】
本発明の別の態様によれば、少なくともいくつかの束は、別の束のループと相互連結されたループを有する。
【0009】
本発明の別の態様によれば、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかは全体的にヒートセットヤーンで形成されることができる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかは、非ヒートセット可能なヤーンおよびヒートセット可能なヤーンを含むことができる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかは、全体的に、非ヒートセット可能なヤーンで形成することができる。
【0012】
本発明の別の態様によれば、壁は、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかのループを通って交絡された非ヒートセット可能なヤーンを含むことができる。
【0013】
本発明の別の態様によれば、壁は、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかのループを通って交絡された複数の非ヒートセット可能なヤーンを含むことができる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかのループを通って交絡された非ヒートセット可能なヤーンは、並置関係で配置された複数の非ヒートセット可能なヤーンを含む束として提供することができ、束は互いとともに共通のループを通って延びている。
【0015】
本発明の別の態様によれば、壁は、単一の螺旋方向にのみ編組されたヒートセット可能な撚られたヤーンの束を含むことができ、それによって、スリーブの材料含量の重量およびコストを低減する。
【0016】
本発明の別の態様によれば、ヤーンの少なくともいくつかは、ヒートセットされたモノフィラメントヤーンとともに撚られるかまたは供される非ヒートセット可能なマルチフィラメントヤーンを含むことができ、それにより、壁によって提供されるカバレージ保護を高める。
【0017】
本発明の別の態様によれば、壁は、ヒートセットヤーンによって付与される付勢を克服すると、第1の状態と第2の状態との間で弾かれてとどまることができる。
【0018】
本発明の別の態様によれば、壁は、長さが減少した第1の状態における第1の直径と、長さが増加した第2の状態における第2の直径とを有することができ、第1の直径は第2の直径より大きい。
【0019】
本発明の別の態様によれば、壁は非円形の外周部を有することができ、それによって、壁が、同様に成形された非円形の構成要素に適合することを可能にする。
【0020】
本発明の別の態様によれば、対向する自由縁部は、ヒートセットヤーンを介して互いに重なる関係に付勢されることができる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、自己巻付テキスタイルスリーブを構築する方法が提供される。本方法は、複数のヤーンを互いに編組して、中心長手方向軸に沿って長さ方向に延びる壁を形成することを含む。本方法は、さらに、ヤーンの少なくともいくつかをヒートセット可能なヤーンであるとして、および壁を形成するとして、提供することを含み、壁は、減少した長さで増加した断面積の第1の状態と、増加した長さで減少した断面積の第2の状態との間で移動可能である。本方法はさらに、壁を、対向する自由縁部が壁の両端間において長さ方向に延びる状態で形成することを含む。さらに、本方法は、壁が第1の状態および第2の状態のうちの一方にある間にヒートセット可能なヤーンをヒートセットして、ヒートセットヤーンを介して壁に付勢を与えることを含み、付勢は、壁を管状構成状態に自己巻付けさせ、第1および第2の状態の各々に、壁を第1または第2の状態の他方に移動させる外部からかけられる軸方向の力がない場合に、とどめさせる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、本方法は、レース編組機を使用して壁を編組することをさらに含むことができる。
【0023】
本発明の別の態様によれば、本方法は、さらに、壁を継ぎ目のない周方向に連続する壁として編組することを含み、次いで、壁を長さ方向に切断して対向する自由縁部を形成することを含むことができる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、本方法は、継ぎ目のない周方向に連続する壁に対して切断操作を行う前にヒートセットすることを実施することをさらに含むことができる。
【0025】
本発明の別の態様によれば、本方法は、継ぎ目のない周方向に連続する壁に対して切断操作を行った後にヒートセットすることを実施することをさらに含むことができる。
【0026】
本発明の別の態様によれば、本方法は、さらに、壁を、最初に、対向する自由縁部を有する実質的に平坦な層として編組することを含むことができる。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本方法はさらに、編組された平坦な層をマンドレルの周りに巻付けること、および次いでヒートセット操作を行うことを含むことができる。
【0028】
本発明の別の態様によれば、本方法は、ヤーンの少なくともいくつかを撚り合わせることによってヤーンの束を形成すること、およびそれらの束を互いと編組することをさらに含むことができる。
【0029】
本発明の別の態様によれば、本方法は、束の少なくともいくつかにループを形成すること、および束のうちの1つからのループを束のうちの別の束のループと相互連結して、それらの束を効果的に固定することとを含むことができ、それによって、外部から加えられる軸方向の力がない場合に、管状壁を第1および第2の状態の各々にとどまるようにする付勢の効果を高めることができる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、本方法は、ヒートセット可能なヤーンを含む束の少なくともいくつかを形成することをさらに含むことができる。
【0031】
本発明の別の態様によれば、本方法は、束の少なくともいくつかを、全体的に、ヒートセット可能なヤーンで形成することをさらに含むことができる。
【0032】
本発明の別の態様によれば、本方法は、壁の熱形状保持能力を高めるために、撚られたヤーンのすべての束を、全体的に、ヒートセット可能なヤーンで形成することをさらに含むことができる。
【0033】
本発明の別の態様によれば、本方法は、壁の熱形状保持能力を最適化するために、壁全体をヒートセット可能なヤーンで形成することをさらに含むことができる。
【0034】
本発明の別の態様によれば、本方法は、壁によって提供されるカバレージ保護を向上させるために、非ヒートセット可能なヤーンを、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかと交絡させることをさらに含むことができる。
【0035】
本発明の別の態様によれば、本方法は、壁によって提供されるカバレージ保護を向上させるために、非ヒートセット可能なヤーンを、撚られたヤーンの束の少なくともいくつかのループの少なくともいくつかを通して交絡させることをさらに含むことができる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、本方法は、スリーブのカバレージ保護を向上させるために、束の少なくともいくつかを、非ヒートセット可能なヤーンを含んで形成することをさらに含むことができる。
【0037】
本発明の別の態様によれば、本方法は、スリーブのカバレージ保護を向上させるために、束の少なくともいくつかを、互いに対して並置され互いと撚り合されていない関係で配置された複数の非ヒートセット可能なヤーンを含んで、形成することをさらに含むことができる。
【0038】
本発明の別の態様によれば、本方法は、スリーブのカバレージ保護を向上させるために、非ヒートセット可能なヤーンの束を、ヤーンが互いと並置の関係において他の撚られたヤーンの束の共通のループを通して配置される状態で、延在させることをさらに含むことができる。
【0039】
本発明の別の態様によれば、本方法は、壁によって提供されるカバレージ保護を向上させるために、束の少なくともいくつかを、非ヒートセット可能なヤーンと撚られたヒートセット可能なヤーンを含んだ状態で、形成することをさらに含むことができる。
【0040】
これらおよび他の局面、この発明の特徴および利点は、現在好ましい実施の形態および最良のモードの以下の詳細な記載、特許請求の範囲および添付の図面と関連して考慮されたときにより容易に十分に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】保護されるべき細長い部材の周りに配置されて示された、本発明の一態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの概略斜視図である。
【
図2A】平らにされた、巻き付けられていない、軸方向に圧縮された、減少した長さの第1の状態で示された、
図1の自己巻付テキスタイルスリーブの平面図である。
【
図2B】平らにされた、巻き付けられていない、軸方向に拡張された、増加した長さの第2の状態で示された、
図1の自己巻付テキスタイルスリーブの平面図である。
【
図3】軸方向に圧縮された、低減された長さの第1の状態でマンドレルの周りに巻付けられて示される、本発明の一実施形態に従って構成された、
図1の自己巻付テキスタイルスリーブの概略側面図である。
【
図4A】軸方向に圧縮された、低減された長さの第1の状態にある間に、保護されるべき細長い部材の周りに配置されて示される、
図1の自己巻付テキスタイルスリーブの概略側面図である。
【
図4B】軸方向に伸長され、長さが増加した第2の状態で、保護されるべき細長い部材の周りに配置されて示されている、
図1の自己巻付テキスタイルスリーブの概略側面図である。
【
図5】本発明の一態様に従って構成された
図1の自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図である。
【
図6A】中央に位置するコネクタを有する細長い部材の周りに配置された自己巻付テキスタイルスリーブを示す、
図4Bと同様の図である。
【
図6B】複数の中間に位置するコネクタを有する細長い部材の周りに配置された自己巻付テキスタイルスリーブを示す、
図6Aと同様の図である。
【
図7】保護されるべき細長い部材の周りに配置されて示される、本発明の別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブを示す、
図4Bと同様の図である。
【
図8A】本発明の別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8B】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8C】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8D】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8E】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8F】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8G】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8H】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図8I】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの壁の拡大断片図を示す、
図5と同様の図である。
【
図9】本発明のさらに別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、
図1ならびに
図4Aおよび
図4Bは、本発明の1つの態様に従って構成された編組された自己巻付テキスタイルスリーブ(以下、スリーブ10と呼ぶ)を示す。スリーブ10は、開放両端部16,18間において中心長手方向軸14に対してほぼ平行な関係で長さ方向に延びる対向する自由縁部13,15を有する、編組された周方向に不連続な壁12を有する。壁12は、中心長手方向軸14を概ね横断する横断面で見たときに、減少した長さL1ならびに増加した直径D1および/または増加した断面積を有する、組付け前の第1の状態を達成するよう、軸方向に圧縮可能であり(
図4A)、増加した長さL2ならびに減少した直径D2および/または減少した断面積を有する、完全に組付けられた第2の状態を達成するよう、軸方向に伸長可能である(
図1および
図4B)。壁12は、ヒートセット可能な編組ヤーン20を含み、それは、ヒートセットされると、ヒートセットヤーン20が含まれる壁12の少なくとも一部を、外部から加えられる何らかの力がない場合に、第1の状態および第2の状態のうちの選択された1つにとどまらせるかまたは実質的にとどまらせる。外部から加えられる力は、付勢を克服するよう選択的に加えられ、それにより、壁12を所望に応じて第1の状態と第2の状態との間で軸方向に伸縮させる。ヒートセットヤーン20は、壁12に付勢を付与し、外部から加えられた力を介して付勢を克服すると、壁12は、別の適切な外力によってさらなる作用を受けて異なる安定した構成に再び移動させられるまで、第1または第2の状態のいずれにせよ、その新たに選択された状態を達成し、壁12は、さらに別の適切な外力が作用するまで、実質的にその新たな安定した構成にとどまる。したがって、壁12は、双安定の、自立的に軸方向に圧縮された第1の状態および軸方向に伸長した第2状態を有するが、壁12は、両端16,18間において所望のように第1の状態と第2の状態との間で壁12の複数の異なる領域を操作することができる結果として、同数の安定な構成を呈するよう、容易に操作できることが認識されるべきである。
【0043】
壁12は、好ましくは、レース編組機上で、周方向に連続する管として、または平坦な層として編組されるが、他の編組機構も本明細書では企図される。周方向に連続した管として編組される場合には、管は、その後、たとえば、限定を伴わずに熱いナイフ、ブレードまたはワイヤなどを介して長さ方向に切断されることにより、中心長手方向軸14に概ね平行に延びる、対向する、長さ方向に延びる縁部13,15を形成する。長さ方向切断プロセスは、管状壁12を完成したスリーブ10の所望の長さに切断した後に行うことができ、または代替的に、管状壁12を長さ方向に切断して対向する縁部13、15を形成する前に管状壁12を長さ方向に切断することができる。さらに、周方向に連続する管状壁12がいつ長さ方向に切断されるかとは無関係に、壁12は、壁12を長さ方向に切断する前または壁12を所望の長さに切断した後に、減少した長さL1ならびに増加した直径D1および/または増加した断面積の第1の状態にある間に、ヒートセットすることができる。そうではなく、平坦な層として形成される場合には、平坦な層はその後、マンドレル17(
図3)の周りに巻付けられ、対向する縁部13,15は互いに向かって巻き付けられ、より好ましくは対向する縁部13,15は互いに重なる関係にされ、好ましくは減少した長さL1ならびに増加した直径D1および/または増加した断面積の第1の状態にある間にそうされ、次いで、壁12内のヒートセット可能なヤーンをマンドレル17の周りでヒートセットすることができる。
【0044】
本発明の一態様によれば、ヤーンは、ヒートセット可能なヤーンから、全体的に提供されても、または部分的にのみ提供されても、少なくとも部分的に、ヤーンの束21として編組することができ、束21は、S方向に一方のヤーンとZ方向に他方のヤーンとを互いに撚り合わせることができる複数のヤーンの端部を含み、それによりヤーンの別々の束21を単一のヤーンとして編組することができる。
図1および
図4A〜
図4Bに示す実施形態は、少なくとも部分的に、個々の束21が互いに編組された状態で構成することができ、各束21は、複数の、ヤーンの対として示される(
図5)、互いに撚り合わされたヤーンを含む。意図される用途に所望される場合、ヤーンの2つより多い端部を互いに束ねることができることを認識すべきである。撚られたヤーンの個々の束21は、単一のSもしくはZ方向に、またはSおよびZの両方の方向に編組することができる(Sは第1の螺旋方向を表し、Zは反対の螺旋方向を表す)。束21は、それぞれの撚られたヤーンの対21の各々内に形成された相互に連結された周方向に閉じた開口部またはループ22によって交差位置で相互に連結されるように示されており、したがって、束ねられたヤーン21の個々の対は、それらが互いから分離できないように効果的に相互に連結され、一緒に固定される。ループ22の相互連結は、ヒートセットヤーン20に与えられる付勢の効果を非常に大きくして、壁12を第1および第2の双安定状態の間で移動させ、また、拡大された開口部が、相対的にシフトされたヤーン間に形成されることを防止するようにさらに作用しながら、壁12または壁12の一部を選択された状態に維持することを容易にする。しかしながら、ヤーンは一緒に連結されることなく編組され得ることが本明細書において企図され、ただし、上述の安定状態ははるかに顕著ではない可能性があることが理解される。
【0045】
上述したように、壁12を、周方向に連続する継ぎ目のない管として、または材料の平坦な層としてかどうかにかかわらず、編組すると、たとえば、限定ではなく、約0.1〜0.40mmの直径を有するナイロン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などからのヒートセット可能なモノフィラメントおよび/またはヒートセット可能なマルチフィラメントとして提供されることができるヒートセット可能なヤーン20は、次いで、壁12が、たとえば、完全にまたは少なくとも部分的に軸方向に圧縮され、長さが低減された状態など(
図3)、選択された構成にある間に、ヒートセットされる。上述したように、継ぎ目のない管状壁12として構成される場合には、対向する縁部13,15を形成するよう壁12を長さ方向に切断する前または後にヒートセットプロセスを実施することができるが、壁12を切断した後に実施する場合、対向する縁部13,15は、平坦な層について上述したのと同様の重なる関係に巻き付けられ得、それにより、ヒートセット可能なヤーン20をヒートセットした後に、対向する縁部13,15の強化された重なりを提供するように作用して縁部13,15を周方向に閉じた構成に付勢し、それにより壁12を自己巻付性にする。継ぎ目のない周方向に管状の壁として形成される場合、長さ方向の切断プロセスの結果、対向する縁部13,15は切断されたヤーンを有することをさらに注記すべきであるが、加熱されたブレードまたはワイヤで切断される場合、ヤーンは切断された縁部13,15で互いに融着し、それにより、ほつれを防止するように作用し得ることが企図される。そうではなく、平坦な壁12として編組される場合、ヤーンは、縁部13,15の一方または両方において、SからZへ、および/またはその逆に、螺旋方向を逆転させるように編組することができ、それによって、強化されたほつれに強い抵抗性の完全性および平滑性を有する縁部13,15を形成することができる。
【0046】
低減された長さL1、増加した断面積の、第1の状態と、増加した長さL2、減少した断面積の、第2の状態との間の最大のばね付勢のために、壁12全体は、例示として、限定なしに、
図5に示されているようなヒートセット可能なモノフィラメント20の撚り束から形成され得るが、たとえば、強化されたカバレージ、熱的、音響的または電磁的干渉(EMI)のような、磨耗以外の追加の種類の保護を提供することが所望される場合、ヤーンの少なくともいくつかは、非ヒートセット可能なヤーン24(
図7)として提供することができ、たとえば、鉱物繊維、たとえば、玄武岩、シリカ、セラミックもしくは繊維ガラスなど、または可撓性のある導電性フィラメント、たとえばワイヤ、金属被覆されたポリマーヤーンフィラメントからなど、または別のヤーンフィラメントとともに供されるかもしくはそれと撚られる導電性フィラメントもしくは非導電性フィラメント、たとえばヒートセット可能もしくは非ヒートセット可能なモノフィラメントおよび/もしくはマルチフィラメントを含むハイブリッドヤーンであってもよい。このように、個々の撚り束21は、充分なヒートセット可能なヤーン20が壁12をその第1および第2の位置に維持するのに必要な付勢を与えるよう含まれる限り、所望の数のヤーン20のヒートセット可能な端部と、所望の数のヤーン24の非ヒートセット可能な端部とを含み得る。壁12が、非ヒートセット可能なヤーン24の端部の数に対して、相対的に低い割合の数のヒートセット可能なヤーン20の端部を含む場合、たとえば限定としてではなく50%未満の含量を含む場合、個々のヒートセット可能なヤーン20の直径を増加でき、それにより、直径範囲の上限にあることができ、ヒートセット可能なヤーン20を直径範囲の下限に向かって与えた場合と比較して、増加した付勢を与えることができる。
【0047】
上述したように、ヒートセット可能なヤーン20をヒートセットする前に、壁12の両端16,18は、壁12が、その、径方向に拡張された、増加した直径D1および/または増加した断面積(すなわち、中心長手方向軸14を概ね横断する横断面で見て、壁12によって境界付けられた領域)で、低減された長さL1の、第1の状態にされるまで、互いに向かって軸方向に圧縮され、次いで、適切な程度の熱が、ヒートセット可能なヤーン20に与えられ、それによってヒートセット可能なヤーン20をヒートセットさせる。(対向する縁部13,15が互いに重なる関係にある間にヒートセットされる場合に、)ヒートセットされると、その対向する縁部13,15が互いに重なる関係で付勢されて、壁12を自己巻付壁にすることとは別に、壁12は、軸方向に延長された長さL2、減少した直径D2および/もしくは減少した断面積を有する、選択された使用中の第2の状態構成において(
図1および
図4)、または軸方向に低減された長さL1、径方向に拡張された直径D1および/もしくは増加した断面積(
図4A)を有する、組付け前の第1の状態構成において、壁12を維持しようとする、ヒートセットヤーン20によって付与される付勢を達成する。スリーブ10がどの状態にあるかに関係なく、スリーブ10は、ヒートセットヤーン20によって加えられる付勢を克服するのに十分な外部から加えられる軸方向の力が加えられるまで、その状態のままである。スリーブ10の概ね中心長手方向軸14の方向に沿って適切な力が壁12に加えられると、軸方向の力の作用を受ける壁12の部分またはセクションは、弾かれ、撥ねて、壁12を一方の状態から他方の状態に移動させ、壁12は、第1の状態から第2の状態に向かうのであれ、またはその逆であれ、適切な外部の軸方向に加えられる力が再び作用するまで、その選択された状態のままである。このように、壁12の全長は、減少した長さの第1の状態もしくは増加した長さの第2の状態の一方にされ得、または壁12の任意の数の個別の長さ方向に延びる部分もしくはセグメントを操作して前述の第1の状態と第2の状態との間において所望のように変化できることが認識されるべきである。したがって、壁12の、軸方向に延びる、互いに隣接するセグメントは、所望の場合には、互いに異なる第1および第2の状態の1つにとどまるよう付勢され得、それによって、壁12はその長さに沿って変動する外形を呈することができる。
【0048】
ヒートセットすることに先立って、スリーブの壁12は、軸方向に、低減された長さL1の、第1の状態に圧縮される間に、壁12の外周部を円形以外の形状にすることができる。したがって、外周部は、中心長手方向軸14に対して略横断した横断面で見て非円形形状に形成することができる。非円形形状は、正方形、長方形、三角形、または任意の多角形、非円形形状など、特定の最終用途に有益であり得るような任意の所望の形状とすることができる。次いで、壁12を低減した長さL1の第1の状態に形成し、壁12の外周部を所望の断面形状に構成すると、壁12に熱を加えてヒートセットをヒートセット可能なヤーン20に付与することができ、それによって、壁12に双安定機能を提供すると共に、外周部を、横断面で見て、円形であれ、または非円形であれ、選択された形状に形成することができる(
図9)。
【0049】
ワイヤハーネス、導管その他などのような、束ねられ保護されるべき細長い部材23の周りのスリーブ10の組付け中において、壁12は、その中心長手方向軸14に沿って軸方向に圧縮されて完全にまたは部分的に圧縮された第1状態にされることができ、壁12を異なる構成に移動させるのに十分な外部からの力がない場合、壁12は第1の状態にとどまるか、または実質的に第1の状態にとどまる。壁12が約2フィート以上といったように比較的長い場合、壁12の全体が少なくとも部分的に軸方向に圧縮されるまで、長さ方向に延びる別個の領域を軸方向に圧縮することができ、それによって、壁12の全長を、第1の、軸方向に圧縮された状態に変換することを容易にする。このように、スリーブ10は、増加した直径D1および/または増加した断面積を呈し、それにより、対向する縁部13,15を互いから離れるように広げることによって、壁12をより容易に開き、保護すべき細長い部材23の周り、およびそれに取り付けられる任意の拡大されたコネクタまたは取付具26の周りに配置することができる。次いで、径方向に拡張した壁12を細長い部材23の周りに配置すると、両端部16,18の少なくとも一方を他方から離れるように軸方向に引っ張るなどして、軸方向に加えられる引っ張り力を壁12に加えることができ、それによって、壁12を、
図4Bに概略的に示されるように、例示として、限定を伴わずに、軸方向に延在させて、径方向に拡張された、長さの低減された第1の状態から、径方向に収縮された、長さの増加した第2の状態に、弾かせるかまたは撥ねさせる。壁12のどの部分も、望むならば、他の部分を、第1の、軸方向に圧縮され、径方向に拡張された状態に残しながら、所望に応じて、低減された長さ状態L1から長くされ得ることが認識されるべきである。このように、任意の所望の軸方向長さにわたって延びるように編組することができる壁12は、保護すべき細長い部材23の所望の長さにわたって軸方向に延ばすことができる。壁12は、増加した長さL2、減少した直径D2、および/または減少した断面積の、第2の状態に移動される状態では、壁12は、たとえばワイヤハーネスなどの細長い部材23を所望の外皮に収容することができ、細長い部材23を所望に応じてきちんと結束および引き回すことができる。さらに、編組壁12が細長い部材23を束ねるように作用することに加えて、特に複数の個々の露出したワイヤを有するワイヤハーネスの場合、壁12は、特に、ヒートセット可能なヤーン20がモノフィラメントとして提供される場合には、細長い部材23を磨耗から保護するよう作用する。意図される用途に必要なカバレージを提供するよう、必要に応じて1インチ当たりのピック数を提供できることが認識されるべきである。そのため、必要なカバレージがより少ない場合は、1インチあたりのピック数を減らすことができ、カバレージがさらに必要な場合は、1インチあたりのピック数を増やすことができる。さらに、インチ当たりのピック数は、意図される用途に望まれるように、壁12の長さにわたって変動させることができる。カバレージがより小さいと、壁12を通して見ることの恩恵が得られ、それによって、例として、そして限定なしに、別個のワイヤの個々の色のような、スリーブ内の内容を見ることができる。そうではなく、増加したカバレージが提供される場合、汚染の侵入に対する追加保護または強化された音響および/もしくは熱的保護が与えられ得る。
【0050】
図6Aにおいて、スリーブ10は、両端部コネクタ26間において中央に位置するコネクタ26を有する細長い部材23の周りに延びるように示されている。スリーブ10の長さの一部に亘って第1の状態で局所的に拡張されたままであるスリーブ10の能力は、壁12が中央コネクタ26を収容することを可能にし、スリーブ10の残りの部分は、組み付けで、容易に、長さ方向に、第2の状態に延ばされ得る。
図6Bに示すように、スリーブ10の両端部16,18間に、任意の数の、第1の状態の拡張領域および第2の状態の収縮領域を所望のように形成することができることが認識されるべきであり、細長い部材23は、スリーブ10内において受けられるべき複数の中間コネクタ26を含み、それによって、スリーブ10が、スリーブ10の長さに沿って細長い部材23の複数の異なる径方向の寸法および起伏を収容し、それらに適合することを可能にする。
【0051】
図7には、本発明の別の態様に従って構成された自己巻付テキスタイルスリーブ110が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に100を加えたものが使用されている。スリーブ110は、上述したように、ヒートセット可能なヤーン120を含む、参照番号112で総称的に識別される、編組された巻付可能な壁を有し、ヒートセットされると、壁112に付勢を与え、それは、壁112を、上述したように、選択された第1および第2の状態にとどめさせ、さらには、対向する縁部113,115が互いに重ね合わされた関係にある間にヒートセットされる場合には、対向する縁部113,115を互いに重なる関係にするよう、付勢を付与することができる。したがって、壁112を動かす何らかの外部から加えられる力がなければ、壁112は第1および第2の状態のうちの選択された状態にとどまる。上述したように、外部から加えられる力を、壁112に、その全体または個別の領域において選択的にかけることにより、壁112またはその一部を第1および第2の状態のうちの一方から他方へ所望のように移動させることができる。スリーブ110の壁112は、ヒートセット可能なヤーン120と編組される非ヒートセット可能なヤーン124をさらに含む。非ヒートセット可能なヤーン124は、所望のタイプの保護を提供するために、上述した非ヒートセット可能な材料からのマルチフィラメントヤーンおよび/またはモノフィラメントヤーンとして提供することができる。マルチフィラメントヤーンとして提供される場合には、細長い部材23を外部のデブリからの汚染から保護するよう強化されたカバレージが提供される。さらに、マルチフィラメントは、スリーブ110に対する柔軟性を高め、それによって、隣接する物体に対する壁112の摩耗効果を低減する。壁112のために複数の編組パターンが企図されており、それらの実施形態は後述する。
【0052】
図8Aに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁212の一実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に200を加えたものが使用されており、簡略化のために壁212の拡大断片部分が示されているが、壁212の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁212は、非ヒートセット可能なヤーン224を含み、それらは、ヒートセット可能なヤーン220と撚り合わせられた関係で束ねられて個別の束221を形成するように示されており、単一の非ヒートセット可能なヤーン224が、単一のヒートセット可能なヤーン220と撚り合されるとして示されているが、これは例示であり、限定ではない。個別の束221は互いに編組されて壁212の全体を形成し、本発明の別の態様に従って、各束のループ222の各々は別の束221のループ222と相互連結されるように示される。このように、束221の各々は、ヒートセット可能なヤーン220がヒートセットされると付勢を与えることができる一方、各束はまた、非ヒートセット可能なヤーン224、たとえば比較的嵩のあるマルチフィラメントなどを含むことにより、より大きなカバレージ保護を与えるという、二重の利点を提供する。
【0053】
図8Bには、
図7のスリーブ110の自己巻付壁312の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用された同じ参照番号に300を加えたものが使用されており、壁312の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁312の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁312は、非ヒートセット可能なヤーン324を含み、それらは互いと撚り合わされる関係で束ねられて、全体的に、撚られた非ヒートセット可能なヤーンからなる個別の束321′を形成し、個別の束321′は、ヒートセット可能なヤーン320のみからなる束など、ヒートセット可能なヤーン320を含む他の束321″と編組でき、各束321′、321″のループ322の各々は、本発明の別の態様に従って、他の束321′、321″のループ322と相互連結されるよう示される。非ヒートセット可能なヤーン324の撚り束321′およびヒートセット可能なヤーン320の撚り束321″は、S方向およびZ方向の各々において互い違いに示されている。
【0054】
図8Cに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁412の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に400を加えたものが使用されており、壁412の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁412の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁412は、非ヒートセット可能なヤーン424のみを含む束421′を含み、個別の束421′は、ヒートセット可能なヤーン420と非ヒートセット可能なヤーン424との両方を含む他の束421と編組することができ、各束420,421′のループ422の各々は、別の束420,421′のループ422と相互連結されているものとして示されている。この実施形態では、束421は、全体的に第1のSまたはZ螺旋方向に延びるように示されており、束421′は全体的に束421に対して反対の第2のSまたはZ螺旋方向に延びるように示されている。したがって、ヒートセット可能なヤーン420の使用が低減され、それによって、非ヒートセット可能なヤーン424によって提供されるカバレージの程度が増し、さらにスリーブ110の可撓性の程度が増加する。
【0055】
図8Dに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁512の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に500を加えたものが使用されており、壁512の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁512の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁512は、
図4Bに示すスリーブに関して上述したように、ヒートセット可能なヤーン520のみを含む撚り束521を含み、束521は、S方向およびZ方向の両方に延びるように示されており、加えて、壁512はまた、S方向およびZ方向の両方に延びる撚られていない非ヒートセット可能なヤーン524を含む。撚られていない非ヒートセット可能なヤーン524は、並置されたヤーンの対状態で編組されて示され、各対は、撚り束521の共通のループ522を通過する。撚られていない非ヒートセット可能なヤーン524の各々の編組は、S方向に延びるヤーン524の各々が、S方向に延びる束521間を束521と共螺旋状に延び、Z方向に延びるヤーン524の上下を交互にうねり、さらに、ループ522の領域内において対応するヒートセット可能なヤーン520の上下を交互にうねるように、行なわれる。同様に、Z方向に延びるヤーン524の各々は、Z方向に延びる束521間を束521と共螺旋状に延び、S方向に延びるヤーン524の上下を交互にうねり、さらに、ループ522の領域内において対応するヒートセット可能なヤーン520の上下を交互にうねる。図面に見られるように、各ヤーン520,524は、1本のヤーンの上にうねり、次いで、次のヤーンの下にうねり、それによって、もちろん、編組であるが、平織に見られるであろうようなパターンに類似した平編組を形成する。非ヒートセット可能なヤーン524の存在は、スリーブ110に柔軟性、可撓性および増加したカバレージ保護を提供するように機能し、それにより、スリーブ110への汚染の侵入に対する保護を強化し、および耐衝撃性を強化する。図示された実施形態では、非ヒートセット可能なヤーン524の単一の対が、隣接するヒートセット可能な束521間を、S方向およびZ方向の両方において、延びる。
【0056】
図8Eに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁612の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に600を加えたものが使用されており、壁612の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁612の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁612は、構造が壁512と同様であるが、撚り束が全体的にヒートセット可能なヤーンで形成されるのではなく、S方向またはZ方向の少なくとも一方において延び、S方向およびZ方向の両方向に延びるとして示されている撚り束621は、ヒートセット可能なヤーン620が非ヒートセット可能なヤーン624と撚り合わせられて与えられる。それ以外は、壁612は、壁512について上述したように、撚られていない非ヒートセット可能なヤーン624を含む。したがって、壁612は、ヒートセット可能なヤーン620の存在がわずかに減少し、それによって、ヒートセット時に付与される付勢を小さくし、そして、非ヒートセット可能なヤーン624の存在をわずかに増加させ、それによって、壁512と比較して、カバレージおよび耐衝撃性を向上させる。
【0057】
図8Fに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁712の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に700を加えたものが使用されており、壁712の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁712の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁712は、構造が壁512と同様であるが、1対の撚られていない非ヒートセット可能なヤーンがヒートセット可能なヤーン720の各撚り束721間を延びるのではなく、2つの別個の撚られていない非ヒートセット可能なヤーン724の対が、ヒートセット可能なヤーン720の各撚り束721間を延びる。壁512と同様に、各ヤーン720,724は、1本のヤーンの上にうねり、次いで、次のヤーンの下にうねり、それによって、もちろん、編組であるが、平織に見られるであろうようなパターンに類似した平編組を形成する。ヒートセットされる束721間において延びる非ヒートセット可能なヤーン724の数は、意図される用途の要件に応じて、図示のものとは異なり得ることを認識すべきである。したがって、さらに強化されたカバレージ保護および耐衝撃性が所望される場合には、より多くの非ヒートセット可能なヤーン724を含めることができる。
【0058】
図8Gに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁812の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に800を加えたものが使用されており、壁812の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁812の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁812は、構造が壁612と同様であるが、1対の撚られていない非ヒートセット可能なヤーンがヒートセット可能なヤーンおよび非ヒートセット可能なヤーンの各撚り束間を延びるのではなく、2つの別個の撚られていない非ヒートセット可能なヤーン824の対が、ヒートセット可能なヤーンおよび非ヒートセット可能なヤーン820、824の各撚り束821間を延びる。壁512と同様に、各ヤーン820、824は、1本のヤーンの上にうねり、次いで、次のヤーンの下にうねり、それによって、もちろん、編組であるが、平織に見られるであろうようなパターンに類似した平編組パターンを形成する。ヒートセットされる束821間において延びる非ヒートセット可能なヤーン824の数は、意図される用途の要件に応じて、図示のものとは異なり得ることを認識すべきである。したがって、さらに強化されたカバレージ保護および耐衝撃性が所望される場合には、より多くの非ヒートセット可能なヤーン824を含めることができる。
【0059】
図8Hに示すように、
図7のスリーブ110の自己巻付壁912の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に900を加えたものが使用されており、壁912の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁912の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁912は、SまたはZ螺旋方向の一方のみに延びるヒートセット可能なヤーン920の撚り束921と、SおよびZ螺旋方向の両方に延びる撚られていない非ヒートセット可能なヤーン924とを含む。ヒートセット可能なヤーン920とは反対のSまたはZ方向に延びる非ヒートセット可能なヤーン924は、上述したのと同様に、撚り束921のループ922を対状態で通って延び、各対の一方の非ヒートセット可能なヤーン924は、ループ922の一方側の上下を、各対の他方の非ヒートセット可能なヤーン924は、対応のループ922の対向側の上下を、図示されるように交互に延びる。ヒートセット可能なヤーン920と同じSまたはZ方向に延び、それによってそれと平行および共螺旋状である非ヒートセット可能なヤーン924は、もちろん、編組であるが、平織に見られるであろうように、ヒートセット可能なヤーン920を横断して延びるヒートセット可能なヤーン920の上下を延びる。図示された実施形態では、合計6つの非ヒートセット可能なヤーンが、近隣の撚り束921間を延びて示されているが、その数は、意図される用途のカバレージおよび耐衝撃性の必要性に応じて、より多数またはより少数であり得ることがここにおいて企図される。
【0060】
図8Iには、
図7のスリーブ110の自己巻付壁1012の別の実施形態が示されており、同様の特徴を識別するために、上で使用されたのと同じ参照番号に1000を加えたものが使用されており、壁1012の拡大された断片部分が簡略化のために示されているが、壁1012の残りの部分は同じであることが理解されるべきである。壁1012は壁912に類似しており、S螺旋方向またはZ螺旋方向の一方にのみ延びる撚り束1021と、S螺旋方向とZ螺旋方向との両方に延びている撚られていない非ヒートセット可能なヤーン1024とを含む。壁912とは対照的に、撚り束1021は、ヒートセット可能なヤーン1020と撚られた非ヒートセット可能なヤーン1024を含む。したがって、壁912と比較して、壁1012に含まれるヒートセット可能なヤーンの量は少なくなるが、しかしながら、壁912と比較して、壁1012には、より多くの非ヒートセット可能なヤーン1024が含まれる。したがって、壁1012は僅かにより多くの可撓性があり、カバレージ保護の面積はより大きいが、第1状態と第2状態との間で撥ねる能力はわずかに低下する。それ以外は、壁1021は、壁912について上述したものと同じである。
【0061】
上記の教示に照らして、本発明の多くの修正物および変形物が可能である。さらに、本発明のさまざまな態様に従って構成された編組管状自己巻付壁は、保護部材、結束部材、または新規な物品をも含む多数の用途を呈することができることが、例示として、限定を伴わずに認識されるべきである。したがって、本発明は、具体的に記載されたものとは異なる態様で実施することができ、本発明の範囲は、任意の最終的に許可される特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。