(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施する一実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
[防護器具の構成及び組み立て方法]
図1は、第1実施形態に係る防護器具の構成を示す図である。
図2は、
図1の防護器具を組み立てて、電柱(柱体)100で使用した場合の使用例を示す図である。
図1の防護器具は、
図2に示すように電柱100の外周面上に装着される防護器具であり、1つのワイヤ(線部)1と、複数の回転体(回転部)2と、締め付け金具(装着部)3と、を備える。
【0011】
ワイヤ1は、線状の形状を有し、短手方向の断面が円形の形状を有し、自身の形状を自由自在に可変可能であり、可変後の形状を維持可能な針金である。1つのワイヤ1は、複数の回転体2に連続して挿入される。ワイヤ1は、その両端を寄り合わせて1つの閉じ輪を形成することで、複数の回転体2を数珠状・輪状に連結する。
【0012】
ワイヤ1は、線部の例であり、回転体2を電柱100の外周面上に取り付け可能であれば、紐、ゴム等でもよい。その他、線状の形状を有し、短手方向の断面が円形の形状を有する棒体でもよい。棒体の場合、自身の形状を自由自在に可変することは困難であり、複数の回転体2を電柱100の外周面の曲面に沿わせることは難しいが、複数の回転体2を1列に直線状に連結した複数の棒体を、電柱100を中心に水平方向の360度方位に一定角度毎(例えば、30度毎)に設置することで、複数の回転体2を略数珠状・略輪状にすることができる。
【0013】
回転体2は、自身内部の貫通ホール(貫通孔)21に挿通されるワイヤ1を中心軸として、自体の外周に接する接線方向の力で回転する球体である。回転体2の形状が球形の場合、回転体2は、表面(曲面)の円周に接する接線方向の力で回転する。回転体2が電柱100の表面で垂直方向(
図1及び
図2のy軸方向)に回転するので、鳥獣類が電柱100によじ登ることを防止でき、電気設備を防護できる。尚、本発明において、「接線」とは、球形の表面を形成する曲面上の1点に接する接線以外に、回転体2の形状が立方体等平面を有する場合、その平面に接する接線も含まれる。
【0014】
複数の回転体2は、1つのワイヤ1により、各自の貫通ホール21に当該1つのワイヤ1をそれぞれ挿通することで、数珠状・輪状に1列に連結される。このとき、隣接する複数の回転体2は、回転力を維持するため、つまり、隣接する回転体2同士の接触を防ぐため、ミリ単位の間隙をおいて連結される。回転体2の回転力を維持するために、貫通ホール21内に潤滑剤(減摩材)を注入してもよい。
【0015】
複数の回転体2は、必ずしも数珠状・輪状に連結される必要はない。つまり、ワイヤ1の長手方向の全区間が複数の回転体2で十分に埋め尽くされている必要はなく、その長手方向の一部区間にのみ所定数の回転体2を限定的に配置してもよい。その他、電柱100を中心に水平方向の方位に応じて回転体2の数の粗密を変更してもよい。例えば、電柱100の外周面において海側の外周面に配置する数よりも、サルが生息する山側の外周面に配置する数を多くする。
【0016】
回転体2は、鳥獣類が回転体2自体を掴むことを困難にするため、球形、円柱形、円筒形、楕円形等の形状を基本形状とする。但し、回転体2は、貫通ホール21内のワイヤ1を中心に回転可能であればよく、必ずしも一部又は全部に球形や円形の形状を有する必要はない。例えば、多面体、正多面体、立方体、直方体等でもよい。立方体等の場合、サルが一部の平面に手をかける可能性はあるものの、その立方体自体が垂直方向に回転するので、手の部分が固定されず不安定になるため、立方体等であっても電柱100によじ登ることを防止できる。
【0017】
締め付け金具3は、回転体2を電柱100の外周面上に装着する支持金具である。締め付け金具3は、例えば、2つの部品3A,3Bで構成される。その2つの部品3A,3Bは、それぞれ、電柱100の水平方向での断面の曲率と同じ曲率を持つ1つの湾曲部31と、湾曲部31の両端及び側面に形成され、自身内部の円形の挿入ホール(挿入孔)33にワイヤ1を挿入して回転体2を支持する複数の支持部32と、を備える。
【0018】
湾曲部31及び支持部32の数は、任意である。但し、鳥獣類が回転体2ではなく支持部32を把持する可能性があり、その一方で、少ないと複数の回転体2が自身の重みで垂れ下がる可能性があるので、支持部32の数は1つの防護器具あたり合計4〜6つ程度が好ましい。
【0019】
湾曲部31及び支持部32の幅(Y軸方向の長さ)は、回転体2の直径(Y軸方向の長さ)に比べて十分に小さい。この点については、
図4を用いて後述する。また、支持部32は、角のエッジ部分にR加工が施されている。これらにより、締め付け金具3の全体を複数の回転体2で覆い、外側から見え難い状態とし、かつ、鳥獣類が締め付け金具3を把持する可能性を確実に低減する。
【0020】
ワイヤ1、回転体2、締め付け金具3は、任意の素材で形成される。ワイヤ1は、金属の他、腐食性及び強度を確保するために例えばステンレスであることが好ましい。回転体2は、金属の他、設置重量を軽減するために例えばプラスチックであることが好ましい。締め付け金具3は、ワイヤ1及び回転体2を長期間維持固定するために例えば金属であることが好ましい。
【0021】
次に、防護器具の組み立て方法について説明する。
【0022】
まず、締め付け金具3を構成する2つ部品3A,3Bの各湾曲部31を電柱100の所定位置(地表面と電話線等(防護対象の電気設備)との間)にそれぞれ配置し、各湾曲部31を各湾曲部31の係止部(不図示)で互いに連結して当該所定位置に固定する。このとき、締め付け金具3は、鳥獣類の背丈よりも高い位置に固定することが好ましい。
【0023】
その後、ワイヤ1の一端を、複数の回転体2の各貫通ホール21にそれぞれ挿通し、締め付け金具3の支持部32の一の挿入ホール33に更に挿通する。この作業を数回繰り返し行い、最後にワイヤ1の両端を寄り合わせる。このとき、隣接する回転体2同士が接触しないように回転体2間に一定の間隙を設け、かつ、回転体2が締め付け金具3の湾曲部31にも接触しないように回転体2と湾曲部31の間にも一定の間隔を設けるように、各回転体2の位置を決定する。これにより、
図2に示したように、電柱100の外周面上に複数の回転体2を数珠状・輪状に配置する。
【0024】
このように、第1実施形態に係る防護器具は、線状の形状を有するワイヤ1と、自身内部の貫通ホール21に挿通されるワイヤ1を中心軸として、自体の外周に接する接線方向の力で回転する回転体2と、を備えるので、鳥獣類が電柱100によじ登ることを防止でき、電気設備を防護できる。
【0025】
また、第1実施形態に係る防護器具は、回転体2が、球形、円柱形、円筒形、楕円形のうちいずれかの形状を有するので、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0026】
尚、締め付け金具3は、新たに用意する必要はなく、電柱100に装着されている既存のものを流用してもよい。例えば、電柱100に金属製の梯子状の固定バンド等が既に装着されている場合、その固定バンド内の孔にワイヤ1を挿通することで、回転体2を電柱100に装着してもよい。その他、ワイヤ1に代えてゴムを用いる場合、ゴム自身が持つ伸縮作用により回転体2を電柱100に配置できるので、締め付け金具3は不要となる。
【0027】
[回転体及び支持部の大きさ]
図3は、
図1の防護器具の上面図である。
図3では、締め付け金具3の支持部32と、当該支持部32に隣接する1つの回転体2と、に着目している。
【0028】
支持部32の大きさがやや大きい場合、鳥獣類が回転体2ではなく当該支持部32を把持(指で掴んで)して電柱100をよじ登る可能性がある。そこで、鳥獣類が電柱100をよじ登る可能性を確実に低減するため、つまり、鳥獣類が支持部32を把持する可能性を排除するため、電柱100の外周面(基準面)から
図1の水平方向(
図3の垂直方向)に突出する支持部32及び回転体2の突出量を調整する。
【0029】
例えば、回転体2に挿通されたワイヤ1の短手方向の中心から当該回転体2の高さが、支持部32の高さよりも高くなるように、回転体2と支持部32の大きさを決定する。より具体的には、
図3に示すように、回転体2の半径をRr、ワイヤ1の半径をRw、支持部32の挿入ホール33の半径をRh、支持部32の外端部から挿入ホール33までの最短距離をdとした場合、「Rr>>(Rh+d)>Rw」の条件を満たすように回転体2と支持部32の大きさを設計する。
【0030】
このように、第1実施形態に係る防護器具は、回転体2の半径Rrが、支持部32の挿入ホール33の半径Rhと支持部32の外端部から挿入ホール33までの最短距離との総距離(Rh+d)よりも大きいので、鳥獣類が支持部32を把持する可能性を低減できる。それ故、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0031】
ここまで、
図3を参照しながら、
図1の水平方向における支持部32及び回転体2の高さについて説明した。しかし、鳥獣類が支持部32の上端部に手をかけて電柱100をよじ登る可能性が残る。そこで、続いては、電柱100へのよじ登り防止効果を更に高めるため、
図1の垂直方向における、湾曲部31並びに支持部32、及び回転体2の高さについて説明する。
【0032】
図4は、
図1の防護器具の側面図である。
図4では、締め付け金具3の湾曲部31及び支持部32と、当該支持部32に隣接する1つの回転体2と、に着目している。ここでは、
図1の垂直方向(
図4の垂直方向)の上方向に突出する湾曲部31、支持部32、回転体2の突出量を調整する。例えば、
図4に示すように、回転体2の半径をRr、湾曲部31及び支持部32の各上端部から中心までの距離をWとした場合、「Rr>>W」の条件を満たすように回転体2と湾曲部31及び支持部32との大きさを設計する。
【0033】
このように、第1実施形態に係る防護器具は、回転体2の半径をRrが、湾曲部31及び支持部32の各上端部から中心までの距離Wよりも大きいので、鳥獣類が湾曲部31及び支持部32の各上端部に手をかける可能性を低減できる。それ故、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0034】
[防護器具の使用例(応用例)]
図5は、
図1の防護器具を複数用意し、電柱100に対して、その複数の防護器具を垂直方向に並列に配置した場合の使用例を示す図である。複数のワイヤ1は、複数の回転体2をそれぞれ挿通し、一定間隔で並列に配置される。複数の回転体2は、左右及び上下で隣接かつ非接触の状態で密に配置される。2次元状に配置される複数の回転体2は、行列状(マトリクス状)に配置される。単位面積あたりの密度を高めるため、複数の回転体2を千鳥状に配置してもよい。鳥獣類の種類や手の大きさに応じて、単位面積あたりの回転体2の数を異にしてもよい。例えば、防護器具自体の大きさを全体的に小さく設計し、所定面積に含まれる回転体2の数を多くする。これにより、鳥獣類の手足が回転体2に接する接合面の大きさを最大化する。その他、上述した通り、回転体2は、球形に限らず円柱形や円筒形でもよい。この場合、並列に配置された複数の防護器具は、プールのコースを仕切る複数のコースロープのようになり、その回転体2は、コースロープフロートのようになる。
【0035】
このように、第1実施形態に係る防護器具は、複数のワイヤ1が、複数の回転体2を挿通して一定間隔で並列に配置され、複数の回転体2は、隣接かつ非接触の状態で配置されているので、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0036】
複数の防護器具を垂直方向に単純に並列に配置した場合、
図5に示したように、各締め付け金具3の支持部32が垂直方向で連なる状態になる。この場合、支持部32の総面積がn倍(nは2以上の自然数)に大きくなり、鳥獣類により把持される面積領域が大きくなる。そこで、
図6に示すように、上下で隣接する防護器具の各支持部32の位置を垂直方向でずらして非連続状態とする。
【0037】
このように、第1実施形態に係る防護器具は、上下で隣接する防護器具の各支持部32が垂直方向でずらして非連続に位置決めされるので、複数の防護器具を垂直方向に並列したことで支持部32の総面積が大きくなる状態を排除できる。それ故、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0038】
[第2実施形態]
[防護器具の構成及び組み立て方法]
図5及び
図6の場合、電柱100に対して複数の防護器具を個々にそれぞれ装着しているので、時間経過に伴い、いずれかの防護器具がずり落ち、隣接する防護器具間の間隙が不均一になり、複数の回転体2の密の状態が疎になる可能性がある。そこで、第2実施形態では、連結金具4を備える。
【0039】
図7は、第2実施形態に係る防護器具の構成を示す図である。
図8は、
図7の防護器具を組み立てて、電柱100で使用した場合の使用例を示す図である。
図7の防護器具は、
図1に示した第1実施形態の構成に対して、
図1の防護器具を複数並列に連結する連結金具4を更に備える。
【0040】
連結金具4は、複数のワイヤ1をそれぞれ挿通するための複数の挿入ホール41を有する板状の金具である。連結金具4は、複数の防護器具の各ワイヤ1を当該複数の挿入ホール41にそれぞれ挿通することで、その複数の防護器具を垂直方向に並列に連結する。このとき、並列に連結される複数の防護器具のうち最上段の防護器具のみを電柱100に固定すれば足りるため、複数の防護器具に係る複数の締め付け金具3のうち少なくとも1つの締め付け金具3のみ使用してもよい。
図7と
図8では、最上段と最下段の2つの防護器具の締め付け金具3のみを使用し、2段目と3段目の2つの防護器具の締め付け金具3は使用しない場合を例示している。
【0041】
このように、第2実施形態に係る防護器具は、複数の挿入ホール41を有する連結金具4を更に備えるので、時間が経過しても防護器具間の間隙が大きくなる状態を防止可能となる。これにより、複数の回転体2を常に密に配置可能となるので、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0042】
[防護器具の使用例(応用例)]
図9は、
図8の防護器具を複数用意し、電柱100に対して、その複数の防護器具を垂直方向に並列に配置した場合の使用例を示す図である。
図9では、連結金具4で連結された4つの防護器具を1セットとし、合計2セットの防護器具を例示している。1セットに含まれる複数の回転体2が左右及び上下で隣接かつ非接触の状態で密に配置されるとともに、1セット目の防護器具の最下段の回転体2と2セット目の防護器具の最上段の回転体2とについても隣接かつ非接触の状態で密に配置される。
【0043】
ここで、mセット(mは2以上の自然数)の防護器具を垂直方向に単純に並列に配置した場合、連結金具4が垂直方向で連続する状態になる。この場合、連結金具4の総面積がm倍に大きくなり、鳥獣類により把持される面積領域が大きくなる。そこで、
図9に示したように、上下で隣接するセット同士の防護器具の各連結金具4の位置を垂直方向でずらして非連続状態とする。
【0044】
このように、第2実施形態に係る防護器具は、4つの防護器具(1セット)を複数垂直方向に並列に配置し、各セットに含まれる複数の回転体2を左右及び上下で隣接かつ非接触の状態で密に配置するとともに、pセット目(pは1以上の自然数)の防護器具の最下段の回転体2とp+1セット目の防護器具の最上段の回転体2とについても隣接かつ非接触の状態で密に配置するので、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0045】
また、第2実施形態に係る防護器具は、上下で隣接するセット同士の防護器具の各連結金具4を垂直方向でずらして非連続に位置決めするので、複数のセットの防護器具を垂直方向に並列したことで連結金具4の総面積が大きくなる状態を排除できる。それ故、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0046】
[ワイヤの結線方法(各実施形態で共通)]
ワイヤ1や紐等で回転体2を固定する場合、必ず結び目がでる。また、結び目の数が増えると、鳥獣類に掴まれる可能性が高くなる。そこで、結び目を鳥獣類に捕まれる可能性を低減するため、1つのワイヤ1を用いて一筆書きの要領で複数の防護器具を連結する。これにより、結び目の数を削減する。
【0047】
図10は、ワイヤ1の結線方法を示す図である。
図10では、4つの防護器具が垂直方向に並列に配置されている。
図10を参照しながら、具体例を説明する。
【0048】
まず、ワイヤ1の一端を、最上段の支持金具5の挿入ホール51に挿入させる。
【0049】
次に、そのワイヤ1の一端を、1段目の表側の支持部32Aの挿入ホールに挿通させ、その後に裏側の支持部32Bの挿入ホールに挿通させる。その後、そのワイヤ1の一端を、2段目の裏側の支持部32Cの挿入ホールに挿通させ、その後に表側の支持部32Dの挿入ホールに挿通させる。
【0050】
次に、そのワイヤ1の一端を、3段目の表側の支持部32Eの挿入ホールに挿通させ、その後に裏側の支持部32Fの挿入ホールに挿通させる。その後、そのワイヤ1の一端を、4段目の裏側の支持部32Gの挿入ホールに挿通させ、その後に表側の支持部32Hの挿入ホールに挿通させる。その後、そのワイヤ1の一端を、4段目の裏側の支持部32Gの挿入ホールに再度挿通させる。
【0051】
次に、そのワイヤ1の一端を、3段目の裏側の支持部32Fの挿入ホールに再度挿通させ、その後に表側の支持部32Eの挿入ホールに再度挿通させる。その後、そのワイヤ1の一端を、2段目の表側の支持部32Dの挿入ホールに再度挿通させ、その後に裏側の支持部32Cの挿入ホールに再度挿通させる。
【0052】
次に、そのワイヤ1の一端を、1段目の裏側の支持部32Bの挿入ホールに再度挿通させ、その後に表側の支持部32Aの挿入ホールに再度挿通させる。その後、そのワイヤ1の一端を、支持金具5の挿入ホール51に再度挿入させる。
【0053】
最後に、ワイヤ1の両端を寄り合わせて閉じる。
【0054】
このように、第1実施形態及び第2実施形態に係る防護器具は、1つのワイヤ1を用いて全ての防護器具を連結するので、ワイヤ1の結び目を1つにすることができ、結び目を鳥獣類が把持する可能性を低減できる。
【0055】
[効果]
本実施形態によれば、線状の形状を有するワイヤ1と、自身内部の貫通ホール21に挿通されるワイヤ1を中心軸として、自体の外周に接する接線方向の力で回転する回転体2と、を備えるので、鳥獣類が電柱100によじ登ることを防止でき、電気設備を防護できる。
【0056】
本実施形態によれば、複数のワイヤ1が、複数の回転体2を挿通して一定間隔で並列に配置され、複数の回転体2は、隣接かつ非接触の状態で配置されているので、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0057】
本実施形態によれば、回転体2の半径が、支持部32の挿入ホール33の半径と支持部32の外端部から挿入ホール33までの最短距離との総距離よりも大きいので、鳥獣類が支持部32を把持する可能性を低減できる。それ故、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。
【0058】
本実施形態によれば、回転体2が、球形、円柱形、円筒形、楕円形のうちいずれかの形状を有するので、鳥獣類が電柱100によじ登ることをより確実に防止でき、電気設備をより確実に防護できる。