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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876797
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】無線オーディオテザリングシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20210517BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20210517BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20210517BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20210517BHJP
【FI】
   H04W76/10
   H04M1/00 U
   H04W88/04
   H04W84/10 110
【請求項の数】24
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-527368(P2019-527368)
(86)(22)【出願日】2017年11月21日
(65)【公表番号】特表2019-537911(P2019-537911A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】US2017062740
(87)【国際公開番号】WO2018098136
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年7月18日
(31)【優先権主張番号】15/358,397
(32)【優先日】2016年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ウォーレン・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・エー・ブラグローヴ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ジェームズ・ディーン
(72)【発明者】
【氏名】グレイム・リード
(72)【発明者】
【氏名】ナガナゴウダ・パティル
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−196177(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0150575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線オーディオ機器テザリングシステムであって、
少なくとも1つの無線トランシーバを有する第1の中継機器を備え、
前記第1の中継機器が、第1の無線オーディオ機器との少なくとも第1の無線接続および第2の無線オーディオ機器との少なくとも第2の無線接続を確立するように構成され、
前記第1の中継機器が、前記第1の無線オーディオ機器と前記第2の無線オーディオ機器との間で第3の無線接続を確立するために、前記第2の無線オーディオ機器からの一意の識別子を受信し、前記第1の無線オーディオ機器に前記一意の識別子を送信するようにさらに構成され
前記第1の中継機器が、無線オーディオ信号を少なくとも前記第1の無線オーディオ機器にストリーミングすることができるオーディオソースをさらに含む、
ことを特徴とする無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項2】
前記第1の無線接続および前記第3の無線接続が同じチャネル上で動作する、請求項1に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項3】
前記第2の無線接続がブルートゥース低エネルギー信号を含む、請求項1に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項4】
前記第1の無線接続が前記第1の無線オーディオ機器へのブルートゥース低エネルギー信号、ブルートゥースシリアルポートプロファイル信号、またはiPodアクセサリプロファイル信号を含む、請求項3に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項5】
前記第1の中継機器が第4の無線接続を介してストリーミングオーディオデータを送信する、請求項1に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項6】
前記第4の無線接続がブルートゥース無線接続を含み、前記オーディオデータが、ブルートゥース高度オーディオ配信プロファイルを使用してストリーミングされる、請求項5に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項7】
前記第3の無線接続が、前記ブルートゥース高度オーディオ配信プロファイルを使用して前記第2の無線オーディオ機器に前記オーディオデータをストリーミングするためのブルートゥース無線信号を含む、請求項6に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項8】
少なくとも最初に前記第2の無線オーディオ機器とデジタル通信している第2の中継機器をさらに備える、請求項1に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項9】
前記第1の中継機器が、前記第2の中継機器を通して前記第2の無線オーディオ機器から前記一意の識別子を受信するように構成されている、請求項8に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項10】
前記第1の無線オーディオ機器および前記第2の無線オーディオ機器が、少なくとも1つのスピーカおよび音声データを受信するための少なくとも1つのマイクロホンを含むヘッドセットを備える、請求項1に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項11】
前記第3の無線接続が、ブルートゥースハンズフリープロファイルを使用して音声データをストリーミングするためのブルートゥース無線接続を含む、請求項10に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項12】
オーディオデータをストリーミングするための、前記第1の無線オーディオ機器と前記第2の無線オーディオ機器との間の無線接続をさらに含む、請求項11に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項13】
前記第1の中継機器がグラフィカルユーザインタフェースを介してユーザ入力を受信するように構成され、前記ユーザ入力が、前記第1の無線オーディオ機器を前記第2の無線オーディオ機器とテザリングしたいという要望を示す、請求項7に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項14】
前記第1の無線オーディオ機器および前記第2の無線オーディオ機器が、少なくとも1つのスピーカおよび音声データ受信するための少なくとも1つのマイクロホン、ヘッドホン、またはサウンドシステムを含むヘッドセットを備える、請求項7に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項15】
前記第1の中継機器が、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、またはサウンドシステムを備える、請求項7に記載の無線オーディオ機器テザリングシステム。
【請求項16】
無線オーディオ機器をテザリングするための方法であって、
制御情報を送信するために第1の無線オーディオ機器と第1の中継機器との間で第1の無線接続を確立するステップと、
前記第1の中継機器と第2の無線オーディオ機器との間で第2の無線接続を確立するステップと、
前記第2の無線接続を介して前記第2の無線オーディオ機器に関する一意の識別子を前記第1の中継機器において受信するステップと、
前記一意の識別子を前記第1の無線接続を介して前記第1の無線オーディオ機器に送信するステップと、
第3の無線接続を介して前記第2の無線オーディオ機器にオーディオデータをストリーミングするために、前記第1の無線オーディオ機器と前記第2の無線オーディオ機器との間で無線テザリングを開始するための指示を、前記第1の無線接続を介して前記第1の無線オーディオ機器に送信するステップと、
前記第3の無線接続を介して前記第2の無線オーディオ機器にストリーミングするために、オーディオデータを前記第1の無線オーディオ機器に送信するステップと
を含み、
前記オーディオデータが前記第1の中継機器から前記第1の無線オーディオ機器に送信されることを特徴とする無線オーディオ機器をテザリングするための方法。
【請求項17】
前記第1の無線接続および前記第3の無線接続が同じ無線チャンネル上に形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の無線接続がブルートゥース低エネルギー信号を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の無線接続がブルートゥース低エネルギー信号、ブルートゥースシリアルポートプロファイル信号、またはiPodアクセサリプロファイル信号を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の中継機器と前記第1の無線オーディオ機器との間で第4の無線接続を確立するステップをさらに含み、前記オーディオデータが、ブルートゥース高度オーディオ配信プロファイルを使用して前記第4の無線接続を介して前記第1の無線オーディオ機器に送信される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記第3の無線接続がブルートゥース無線信号であり、前記オーディオデータが、ブルートゥース高度オーディオ配信プロファイルを使用して送信される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の無線接続が広域ネットワークを介して行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
第5の無線接続を介して音声データを送信するために前記第1の無線オーディオ機器と前記第2の無線オーディオ機器との間で無線テザリングを開始するための指示を、前記第1の無線接続を介して前記第1の無線オーディオ機器に送信するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記第5の無線接続がブルートゥース無線信号であり、前記音声データが、ブルートゥースハンズフリープロファイルを使用して送信される、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の機器が単一のソースから生成された音を再生することができるように、無線オーディオ機器を互いにテザリングするためのシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2人が別々のヘッドホンで同じオーディオソースを聴きたいと思ったとき、彼らは、オーディオ信号を同時に2つの機器に送信することを可能にするスプリッタワイヤを使用してきた。しかしながら、無線接続を介して同じオーディオソースを聴くことは難しいことが判明しており、その理由は、ほとんどの市販のオーディオソースは、ステレオオーディオを高度オーディオ配信プロファイル(A2DP)を介してA2DPソースから単一のA2DPレシーバ(一組のブルートゥース(登録商標)ヘッドホンまたはスピーカなど)にストリーミングできるようにする、単一のブルートゥース(登録商標)接続を介して一度にオーディオをストリーミングすることを可能にするにすぎないからである。
【0003】
この欠点に対処するために、True Wireless機能を備えたCambridge Silicon Radio Ltd.のBlueCore5(商標) CSR8670 Multimedia Bluetooth(登録商標)などの一部のブルートゥース(登録商標)チップセットは、1対のヘッドホンが相互にテザリングすることを可能にするためのソフトウェアを実装した。そうするために、第1のヘッドホンがソースから無線オーディオストリームを受け取り、別のオーディオストリームを介して第2のヘッドホンにオーディオを再送信して、両方のヘッドホンがソース機器から同じオーディオを聴くことを可能にしている。しかしながら、一組のヘッドホンを無線でペアリングして接続するプロセスは、ヘッドホン上のボタンとして提供されているテザリング制御自体が面倒であることが判明した。したがって、複数の機器が単一のオーディオソースから生成された音をオーディオソースのテザリングアプリケーションを使用して再生することができるように、無線オーディオ機器を相互にテザリングするための使いやすいシステム、方法、および装置の必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、複数の機器がオーディオソース上のテザリングアプリケーションを使用して、オーディオソースから生成された音を再生することができるように、無線オーディオ機器を相互にテザリングするためのシステム、方法、および装置に関する。以下に述べる例および特徴はすべて、任意の技術的に可能なやり方で組み合わせることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例において、無線オーディオ機器テザリングシステムは、少なくとも1つの無線トランシーバを有する中継機器を含む。中継機器は、第1の無線オーディオ機器との少なくとも第1の無線接続および第2の無線オーディオ機器との少なくとも第2の無線接続を確立するように構成される。また、中継機器は、第2の無線オーディオ機器から、MACアドレスまたは他の一意の識別子などの無線ペアリング情報を受信し、無線ペアリング情報に基づいて第1の無線オーディオ機器と第2の無線オーディオ機器との間で第3の無線接続を確立することができるように、ペアリング情報を第1の無線オーディオ機器に送信するように構成される。一部の例では、第1の無線接続および第3の無線接続は、同じチャネル上で動作する。他の例では、中継機器は、無線オーディオ信号を少なくとも第1の無線オーディオ機器にストリーミングすることができるオーディオソースも含む。また、第2の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号であってもよい。そのような例では、第1の無線接続は、第1の無線オーディオ機器へのブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号、ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル信号、またはiPod(登録商標)アクセサリプロファイル信号であってもよい。一部の例では、第1の無線オーディオ機器および第2の無線オーディオ機器は、少なくとも1つのスピーカおよび音声データを受信するための少なくとも1つマイクロホンを含むヘッドセットであってもよい。
【0006】
本システムの他の例では、中継機器は、第4の無線接続を介してストリーミングオーディオデータを送信することができる。第4の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)無線接続であってもよく、オーディオデータは、ブルートゥース(登録商標)高度オーディオ配信プロファイルを使用してストリーミングされてもよい。他の例では、第3の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)高度オーディオ配信プロファイルを使用してオーディオデータを第2の無線オーディオ機器にストリーミングするためのブルートゥース(登録商標)無線信号であってもよい。また、第3の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)ハンズフリープロファイルを使用して音声データをストリーミングするためのブルートゥース(登録商標)無線接続であってもよい。そのような例では、第1の無線オーディオ機器および第2の無線オーディオ機器は、少なくとも1つのスピーカおよび音声データを受信するための少なくとも1つのマイクロホン、ヘッドホン、またはサウンドシステムを含むヘッドセットであってもよい。また、中継機器は、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、またはサウンドシステムであってもよい。
【0007】
他の例では、無線オーディオ機器テザリングシステムは、少なくとも最初に第2の無線オーディオ機器とデジタル通信している第2の中継機器を含むことができる。そのような例では、第1の中継機器は、一意の識別子などの無線ペアリング情報を第2の中継機器を通して第2の無線オーディオ機器から受信するように構成されてもよい。中継機器は、グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザ入力を受信することもでき、ユーザ入力は、第1の無線オーディオ機器を第2のオーディオ機器とテザリングしたいという要望を示す。
【0008】
制御情報を送信するために第1のオーディオソースと第1の中継機器との間で第1の無線接続を確立するステップと、第1の中継機器と第2の無線オーディオ機器との間で第2の無線接続を確立するステップと、第2の無線接続を介して第2の無線オーディオ機器に関する一意の識別子などの無線ペアリング情報を第1の中継機器において受信するステップと、第1の無線接続を介して一意の識別子などの無線ペアリング情報を第1の無線オーディオ機器に送信するステップと、第3の無線接続を介して第2の無線オーディオ機器にオーディオデータをストリーミングするために、第1の無線オーディオ機器と第2の無線オーディオ機器との間で無線テザリングを開始するための指示を、第1の無線接続を介して第1の無線オーディオ機器に送信するステップと、第3の無線接続を介して第2の無線オーディオ機器にストリーミングするためにオーディオデータを第1の無線オーディオ機器に送信するステップと、を含む、無線オーディオ機器をテザリングするための方法も提供される。一部の例では、第1の無線接続および第3の無線接続は、同じ無線チャネル上に形成される。他の例では、オーディオデータは、第1の中継機器から第1の無線オーディオ機器にも送信される。また、第2の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号であってもよく、第1の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー信号、ブルートゥース(登録商標)シリアルポートプロファイル信号、またはiPod(登録商標)アクセサリプロファイル信号であってもよい。
【0009】
一部の例では、本方法は、第1の中継機器と第1の無線オーディオ機器との間で第4の無線接続を確立するステップも含み、オーディオデータは、ブルートゥース(登録商標)高度オーディオ配信プロファイルを使用して第4の無線接続を介して第1の無線オーディオ機器に送信される。また、第3の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)無線信号であってもよく、オーディオデータは、ブルートゥース(登録商標)高度オーディオ配信プロファイルを使用して送信されてもよい。一部の例では、第2の無線接続は、広域ネットワークを介して行われてもよい。本方法は、第5の無線接続を介して音声データを送信するために第1の無線オーディオ機器と第2の無線オーディオ機器との間で無線テザリングを開始するための指示を、第1の無線接続を介して第1の無線オーディオ機器に送信するステップも含む。そのような例では、第5の無線接続は、ブルートゥース(登録商標)無線信号であってもよく、音声データは、ブルートゥース(登録商標)ハンズフリープロファイルを使用して送信されてもよい。
【0010】
プロセッサと、プロセッサと通信しているメモリと、少なくとも第1の無線オーディオ機器および第2の無線オーディオ機器と無線で通信するための、プロセッサと通信しているトランシーバと、プロセッサと通信しているディスプレイと、を有する中継機器を含む無線オーディオ機器テザリングシステムも提供され、プロセッサがユーザインタフェースを提供するように構成されている。ユーザインタフェースは、第1の無線オーディオ機器と第2の無線オーディオ機器との間のテザリング要求を開始するための少なくとも1つの選択可能なテザリングボタンを含むホーム画面を含み、テザリング画面が少なくとも第1の無線オーディオ機器および第2の無線オーディオ機器のグラフィック描写を含む。また、ユーザインタフェースは、グラフィック描写を他方にドラッグアンドドロップすることを可能にし、それによって、第1の無線機器と第2の無線機器との間で無線テザリングを開始する。
【0011】
無線ヘッドホンテザリングシステムの少なくとも1つの実施態様についての様々な態様が添付図を参照して以下で論じられる。図は、例示および説明の目的で提供されており、本開示の限定の定義としては意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。
図2】本開示の一例における互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。
図3】本開示の一例における互いにテザリングされた2つの無線サウンドシステムの概略図である。
図4】本開示の別の例における互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。
図5】本開示の別の例における互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。
図6】本開示の別の例における互いにテザリングされた1対の音声対応ヘッドセットの概略図である。
図7A】本開示の一例におけるテザリングを開始する前のテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対するホーム画面の例である。
図7B】本開示の一例におけるテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対する音楽共有画面の例である。
図7C】本開示の一例におけるテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対する接続警告画面の例である。
図7D】本開示の一例におけるテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対する機器照会画面の例である。
図7E】本開示の一例におけるテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対するテザリング画面の例である。
図7F】本開示の一例におけるテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対するハンドシェイク画面の例である。
図7G】本開示の一例におけるテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対するペアリング画面の例である。
図7H】本開示の一例におけるテザリングが達成された後のテザリングプログラムのためのグラフィカルユーザインタフェースに対するホーム画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、本開示を例示的な実施態様に限定することが意図されていないことを理解されたい。それとは反対に、以下の説明は、記載された主題の精神および範囲に含まれ得るような代替形態、修正形態、および均等物を包含することが意図されている。
【0014】
図1は、公知の方法を使用して、互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。本例では、オーディオソース5は、A2DPプロファイルを介してオーディオ信号を転送するように構成された第1のブルートゥース(登録商標)接続7を介してマスターヘッドホン1とペアリングさせることができる。オーディオソース5としては、スマートフォン(図1に示すような)、タブレット、ラップトップ、または他のオーディオ機器などの、A2DPプロファイル(または同様のプロファイル)を介してオーディオをストリーミングすることができる任意のブルートゥース(登録商標)対応機器を使用することができる。マスターヘッドホン1は、別のA2DP対応無線ヘッドホンとテザリングすることができるブルートゥース(登録商標)チップセットを装備したブルートゥース(登録商標)対応無線ヘッドホンであってもよい。ブルートゥース(登録商標)チップセットは、例えば、True Wireless機能を有するCambridge Silicon Radio Ltd.のBlueCore5(商標) CSR8670 Multimedia Bluetooth(登録商標)であってもよい。図1に示すように、第2の対のヘッドホン3も設けることができる。スレーブヘッドホン3も、A2DP機能を有する1対のブルートゥース(登録商標)対応無線ヘッドホンであってもよい。一部の例では、スレーブヘッドホン3も、別のA2DP対応無線ヘッドホンとテザリングすることができるブルートゥース(登録商標)チップセットを含むことができる。
【0015】
また、マスターヘッドホン1およびスレーブヘッドホン3は、マスターヘッドホン1がスレーブヘッドホン3にテザリングすることを可能にする、ビーコンボタン11および照会ボタン13などのテザリングセッションを可能にするための一連のボタンまたは他の入力を含むことができる。本例では、スレーブヘッドホン3のユーザがマスターヘッドホン1にテザリングしたいと思う場合、彼または彼女は、他のブルートゥース(登録商標)対応機器によってスレーブヘッドホン3を発見可能にするためにビーコンボタン11を押すことができる。また、マスターヘッドホン1のユーザがテザリングしたいと思う場合は、彼または彼女は、マスターヘッドホン1を照会モードにする照会ボタン13を押すことができ、それによってマスターヘッドホン1は、ブルートゥース(登録商標)接続を介してスレーブヘッドホン3などのすべての利用可能な機器と接続することを試みる。
【0016】
マスターヘッドホン1がスレーブヘッドホン3を発見すると、スレーブヘッドホン3は、ブルートゥース(登録商標)信号9を介してサービス発見プロトコル(SDP)レコードをマスターヘッドホン1に送信する。SDPレコードは、第2のブルートゥース(登録商標)接続15を完了するために、スレーブヘッドホン3がTrue Wireless機能をサポートするという表示を含む、スレーブヘッドホン3に関する必要な情報をすべて含む。SDPレコードが送信されると、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3は、第2のブルートゥース(登録商標)接続15を介してペアリングし、A2DP接続を確立することができる。
【0017】
第2のブルートゥース(登録商標)接続15を確立すると、オーディオ信号、例えば音楽が第1のブルートゥース(登録商標)接続7を介してオーディオソース5からマスターヘッドホン1にストリーミングされ得る。次いで、マスターヘッドホン1は、第2のブルートゥース(登録商標)A2DP接続15を介して同じストリーミングオーディオ情報をスレーブヘッドホン3にストリーミングすることができる。当業者には理解されるように、マスターヘッドホン1内のブルートゥース(登録商標)チップセットは、オーディオ信号をスレーブヘッドホン3に送信するのに必要な遅延を提供するために、例えばマスターヘッドホン1においてオーディオ再生をバッファリングすることによって、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間でオーディオ再生を同期させるソフトウェアを含むこともできる。
【0018】
図2は、本開示の一例において、ビーコンボタン11および照会ボタン13を使用することなどによって、機械的な発見およびペアリングを必要とせずに互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。本例では、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間のペアリングは、オーディオソース5によって達成され制御され得る。本例では、オーディオソースは、マスターヘッドホン1にテザリングするために、およびユーザからの入力を受け取って別の機器へのテザリングを開始するために利用可能な場合がある、任意の利用可能な無線機器をモニタするためのBose Connectアプリケーションなどのテザリングソフトウェアを装備することができる。図示するように、テザリングソフトウェアを装備することができるオーディオソース5は、第1のブルートゥース(登録商標)接続7を介してマスターヘッドホン1とペアリングすることができる。再び、ブルートゥース(登録商標)接続7は、A2DPプロファイルまたはデジタルオーディオをストリーミングするための任意の他の適切な無線プロファイルを介してオーディオ信号を転送するように構成されてもよい。マスターヘッドホン1も、True Wireless機能を有するCambridge Silicon Radio Ltd.のBlueCore5(商標) CSR8670 Multimedia Bluetooth(登録商標)などの、他のA2DP対応ブルートゥース(登録商標)機器とテザリングするように構成されたブルートゥース(登録商標)チップセットを含むことができる。スレーブヘッドホン3も、A2DP機能を有する1対のブルートゥース(登録商標)対応無線ヘッドホンであってもよく、別のA2DP対応無線ヘッドホンとテザリングすることができるブルートゥース(登録商標)チップセットを含むこともできる。
【0019】
本例では、マスターヘッドホン1がA2DPブルートゥース(登録商標)接続を介してオーディオソースとペアリングしている間、マスターヘッドホン1は、二次ブルートゥース(登録商標)信号17を介してBose Connectアプリケーションなどのオーディオソース5上で動作するテザリングソフトウェアとの通信を同時に維持している。二次信号は、ブルートゥース(登録商標)接続7と共存することができ、マスターヘッドホン1とオーディオソース5との間で制御情報を転送することができる任意のブルートゥース(登録商標)信号であってもよい。一部の例では、二次ブルートゥース(登録商標)信号17は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)信号、シリアルポートプロファイル(SPP)信号、iPod(登録商標)アクセサリプロファイル(iAPまたはiAP2)信号、あるいはそれらの任意の組合せであってもよい。スレーブヘッドホン3は、スレーブヘッドホン3がオーディオソース5によって発見されることを可能にする広告パケット19を、BLEを介して持続的または周期的に送信することができる。次いで、オーディオソース5上のテザリングソフトウェアを使用して、ユーザは、図7A図7Hに関して以下で論じるように、ビーコンボタン11または照会ボタン13(本例では使用されないがヘッドホン上に依然として存在していてもよい)を押す代わりに、グラフィカルユーザインタフェースを介してテザリングセッションを開始することができる。次いで、ユーザの選択に基づいて、オーディオソース5は、BLEを介して接続する圏内にあるスレーブヘッドホン3などの利用可能なブルートゥース(登録商標)A2DP対応ヘッドホンのスキャンを開始することができる。オーディオソースは、テザリングが可能な機器を、例えばTrue Wireless機能を使用して検索するようにさらに構成されてもよい。以下で説明するように、オーディオソース5がスレーブヘッドホン3を識別すると、テザリングソフトウェアは、グラフィカルユーザインタフェースを介して利用可能な機器のリストをユーザに表示するように構成されてもよい。また、テザリングソフトウェアは、マスターヘッドホン1(または任意の他の一次機器)とテザリングするための関連する機器を識別して表示のみをするためのロジックを含むことができる。例えば、一
次接続された機器がヘッドセットである場合、追加のヘッドセットのみが表示されるのに対して、デスクトップサウンドシステムまたはホームシアターシステムは、そのような例では表示されないことがある。
【0020】
ユーザが、スレーブヘッドホン3などのリストされた利用可能な機器とテザリングすることを望む場合、このスレーブヘッドホン3は、オーディオソース5上のテザリングソフトウェアのグラフィカルユーザインタフェースを介して選択されてもよい。ユーザがスレーブヘッドホン3のグラフィック表現を選択すると、機器の一意の識別子に対する要求がBLE信号19を介してオーディオソースからスレーブヘッドホン3に送信され得る。次いで、スレーブヘッドホン3は、同じBLE信号19を介して、スレーブヘッドホン3のブルートゥース(登録商標)アドレスまたはMACアドレスを含む必要なテザリング情報で応答することができる。次いで、オーディオソース5上で動作するテザリングソフトウェアは、選択された機器とのテザリングを開始するための命令と共に、この情報を、二次ブルートゥース(登録商標)信号17を介してマスターヘッドホン1に中継するように構成され得る。そうするために、当業者にはよく知られているように、マスターヘッドホン1は、ブルートゥース(登録商標)ハンドシェイク手順を開始するためにマスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間でシリアルポートプロファイル(SPP)接続9を確立することができ、その結果、2つのヘッドホン間のペアリングおよび第2のA2DP接続15の確立がもたらされる。したがって、A2DP接続は、オーディオソース5上で動作するテザリングソフトウェアの指示および制御の下で確立され得る。
【0021】
第2のブルートゥース(登録商標)接続を確立すると、オーディオ信号を、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間で共有することができる。オーディオ信号、例えば音楽を、第1のブルートゥース(登録商標)接続7を介してオーディオソース5からマスターヘッドホン1にストリーミングすることができる。次いで、マスターヘッドホン1は、第2のブルートゥース(登録商標)A2DP接続15を介してスレーブヘッドホン3に同じストリーミングオーディオ情報をストリーミングすることができる。当業者には理解されるように、マスターヘッドホン1内のブルートゥース(登録商標)チップセットは、オーディオ信号が2人のユーザによって同時に聴こえるようにオーディオ信号をスレーブヘッドホン3に送信するのに必要な遅延を提供するために、例えば、マスターヘッドホン1においてオーディオ再生をバッファリングすることによって、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間でオーディオ再生を同期させるソフトウェアを含むこともできる。
【0022】
一部の例では、上記のテザリングシステムを使用して、選択されたスレーブヘッドホン3がマスターヘッドホン1と同じ領域内にあると検出された場合、スレーブヘッドホン3に自動的にテザリングすることができる。例えば、最初のまたは後続のテザリングセッション中に、マスターヘッドホン1のユーザは、スレーブヘッドホン3がテザリングの圏内にあると検出された場合はいつでも、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間でテザリングを自動的に開始するために、オーディオソース5上で動作するテザリングソフトウェアを介してオプションを選択することができる。その後、テザリングソフトウェアは、スレーブヘッドホン3によって送信されているBLE広告パケットを間断なくまたは周期的にスキャンする。検出された場合、テザリングソフトウェアは、上述した同じプロセスを使用してテザリングを自動的に開始するように構成されてもよい。
【0023】
図3は、本開示のさらなる例において、互いにテザリングされた1対の無線スピーカの概略図である。本例では、A2DPブルートゥース(登録商標)信号は、マスターサウンドシステム21とスレーブサウンドシステム23との間で確立されてもよい。マスターシステムおよびスレーブシステムは両方とも、例えば、True Wireless機能を有するCambridge Silicon Radio Ltd.の BlueCore5(商標) CSR8670 Multimedia Bluetooth(登録商標)などのテザリングを可能にするブルートゥース(登録商標)チップセットを同様に装備することができる。テザリングは、本例でも、図2を参照して先に論じた例と同じように進行する。ここでは、マスターサウンドシステム21は、A2DPブルートゥース(登録商標)接続を介してオーディオソース5とペアリングされ、また二次ブルートゥース(登録商標)信号17を介して、Bose Connectアプリケーションなどの、オーディオソー上で動作するテザリングソフトウェアとの通信を維持している。スレーブサウンドシステム23は、スレーブサウンドシステム23がオーディオソース5によって発見されることを可能にする広告パケット19を、BLEを介して持続的または周期的に送信することができる。次いで、オーディオソース5上のテザリングソフトウェアを使用して、ユーザは、図7A図7Hを参照して以下で論じるように、グラフィカルユーザインタフェースを介してテザリングセッションを開始することができる。次いで、ユーザの選択に基づいて、オーディオソース5は、例えばTrue Wireless機能を使用してテザリングが可能な、スレーブサウンドシステム23などの、BLEを介して接続する圏内にある利用可能なブルートゥース(登録商標)A2DP対応機器のスキャンを開始することができる。オーディオソース5がスレーブサウンドシステム23を、テザリングをサポートしていると識別すると、テザリングソフトウェアは、スレーブサウンドシステム23を含む利用可能な機器のリストをユーザに表示することができる。一部の例では、テザリングソフトウェアは、マスターサウンドシステム21(または任意の他の一次機器)とテザリングするための関連する機器を識別して表示のみをするためのロジックを含むこともできる。例えば、一次接続機器がサウンドシステムの場合、追加のサウンドシステムのみを表示することができるが、ヘッドセットは、本例では表示されないことがある。
【0024】
ユーザが、スレーブサウンドシステム23などのリストされた利用可能な機器とテザリングすることを望む場合、この機器は、オーディオソース5上のテザリングソフトウェアのグラフィカルユーザインタフェースを介して選択されてもよい。ユーザがスレーブサウンドシステム23のグラフィック表現を選択すると、機器の一意の識別子に対する要求がBLE信号19を介してスレーブサウンドシステム23に送信され得る。次いで、スレーブサウンドシステム23は、そのブルートゥース(登録商標)アドレスを含む必要なテザリング情報で応答することができる。次いで、オーディオソース5上で動作するテザリングソフトウェアは、選択された機器とのテザリングを開始するための命令と共に、二次ブルートゥース(登録商標)信号17を介してこの情報をサウンドシステム21に中継することができる。そうするために、マスターサウンドシステム21は、当業者にはよく知られているように、ブルートゥース(登録商標)ハンドシェイク手順を開始するためにマスターヘッドホン1とスレーブサウンドシステム23との間でシリアルポートプロファイル(SPP)接続9を確立することができ、結果として2つのサウンドシステム間のペアリングおよびA2DP接続15の確立がもたらされる。
【0025】
第2のブルートゥース(登録商標)接続15を確立すると、オーディオ信号を、図1および図2に関して上述したのと同じやり方でマスターサウンドシステム21とスレーブサウンドシステム23との間で共有することができる。オーディオ信号、例えば音楽を第1のブルートゥース(登録商標)接続7を介してスマートフォンなどのオーディオソース5からマスターサウンドシステム21にストリーミングすることができる。次いで、マスターサウンドシステム21は、第2のブルートゥース(登録商標)A2DP接続15を介してスレーブサウンドシステム23に同じストリーミングオーディオ情報をストリーミングすることができる。当業者には理解されるように、マスターサウンドシステム21内のブルートゥース(登録商標)チップセットは、テザリングされたサウンドシステム間でオーディオ再生を同期させるためのソフトウェアを含むこともできる。
【0026】
図4は、本開示の別の例において、代替のプロセスによって互いにテザリングされた1対の無線ヘッドホンの概略図である。本例では、一部の例では両方ともスマートフォンであってもよい第1のオーディオソース5および第2のオーディオソース25を含む2つのオーディオソースが設けられてもよい。各オーディオソースは、ネットワーク接続31および33を介して、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク35への有線あるいは無線接続をそれぞれ有することができる。ネットワーク35は、ローカルWi-Fiネットワーク、インターネットなどの広域ネットワーク、または第1のオーディオソース5と第2のオーディオソース25との間で通信リンクを確立するための任意の他の手段であってもよい。この通信リンクを使用して、オーディオソース5および第2のオーディオソース25は、スレーブヘッドホン3がBLEを介して広告パケット19を送信する必要なしに、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3が互いにテザリングすることを可能にする情報を共有することができる。本例では、第2のオーディオソース25は、A2DPプロファイルを介してオーディオ信号を転送するように構成されているブルートゥース(登録商標)接続27を介してスレーブヘッドホン3に最初に接続されてもよい。スレーブヘッドホン3は、先に論じたように、二次ブルートゥース(登録商標)信号17と同じ特性を有する別の二次ブルートゥース(登録商標)信号29を介して、Bose Connectアプリケーションなどの、第2のオーディオソース25上で動作するテザリングソフトウェアとの通信を同時に維持することもできる。
【0027】
この構成では、第1のオーディオソース5のユーザは、グラフィカルユーザインタフェース内でスレーブヘッドホン3のグラフィック表現を選択することによって、第1のオーディオソース5上で動作するテザリングプログラムを介してテザリングを開始することができる。接続を開始するために必要な許可およびブルートゥース(登録商標)アドレスを受信するために、テザリングソフトウェアは、ネットワーク35を介して第2のオーディオソース25に信号を送信して、第1のオーディオ機器のユーザがヘッドホンをテザリングしたいことを示すことができる。この通信は、テザリングアプリケーションのためのユーザのレジストリに基づいて当業者には知られているやり方で送信することができる。第2のユーザが第2のオーディオソース25上で動作するテザリングソフトウェアを介してテザリングを承認すると、第2のオーディオソースは、スレーブヘッドホン3のブルートゥース(登録商標)アドレスを含む必要なテザリング情報を送信することによって応答することができる。次いで、オーディオソース5上で動作するテザリングソフトウェアは、選択された機器とのテザリングを開始するための命令と共に、二次ブルートゥース(登録商標)信号17を介してこの情報をマスターヘッドホン1に中継するように構成されてもよい。
【0028】
次いで、マスターヘッドホン1は、先に論じた同じやり方でスレーブヘッドホン3とテザリングすることができる。当業者にはよく知られているように、マスターヘッドホン1は、ブルートゥース(登録商標)ハンドシェイク手順を開始するためにマスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3との間でSPP接続9を確立することができる。この結果として、2つのヘッドホン間のペアリングおよびA2DP接続15の確立がもたらされる。したがって、A2DP接続は、第1のオーディオソース5および第2のオーディオソース25上で動作するテザリングソフトウェアの指示および制御の下に確立され得る。一部の例では、テザリングを試みる前に、スレーブヘッドホン3がマスターヘッドホン1と通信することができることを判定するためにBLE信号19を依然として利用することができる。他の例では、(例えば図5に示すように)BLE信号19が不要なことがあり、マスターヘッドホン1とスレーブヘッドホン3とが遠く離れ過ぎてテザーを開始することができない場合、テザリングは、単に失敗する。
【0029】
他の例では、オーディオ機器のテザリングのための本明細書に記載されたシステム、方法、および装置は、2つの音声対応ヘッドセット間の音声接続を確立するために利用することができる。図6は、1対の音声対応ヘッドセットの概略図を示し、それぞれが互いにテザリングされた1対のスピーカおよび音声データを受信するためのマイクロホンを含む。本例では、マスターヘッドセット37およびスレーブヘッドセット39は、例えば、上記の図2図4、または図5に関して前述したシステムおよび方法を使用して、互いにテザリングされてもよい。しかしながら、マスターヘッドセット37とスレーブヘッドセット39との間のハンドシェイクプロセス中に、A2DP接続15に加えて、マスターヘッドセット37とスレーブヘッドセット39との間でハンズフリープロファイル(HFP)(または他の無線チャンネル)接続41も確立することができる。したがって、本開示は、マスターヘッドセット37とスレーブヘッドセット39との間の、並列HFPおよびA2DP接続も可能にし、A2DPチャネルに沿った音楽信号およびHFPチャネルに沿った音声データの同時送信を可能にする。一部の例では、音声および音楽データは、一度に1つだけ送信されてもよいが、他の例では、音声および音楽は、同時に送信され、ユーザが無線で同じ音楽を一緒に聴きながら会話することを可能にする。
【0030】
また、当業者は、テザリングされたヘッドセット間のデータ転送がオーディオおよび音声データに限定されず、テザリングされたヘッドセット間でやり取りするのに有用な可能性がある任意の情報も含むことができることを理解されるであろう。例えば、テザリング後、ヘッドセットは、ヘルスデバイスプロファイル(HDP)またはメッセージアクセスプロファイル(MAP)を介して2つのヘッドセット間で、生体認証センサから導出された心拍数または他のデータを共有することができる。また、ユーザは、自分のヘッドセットまたはスマートフォンなどの二次機器など、他のユーザに関連付けられた機器上に表示するために音楽メタデータを交換することができる。そのような情報は、例えば、オーディオ/ビデオ遠隔制御プロファイル(AVRCP)を介して交換されてもよい。他の例では、テザー接続は、1人のユーザが、マスターヘッドセットに対してなされた設定変更に基づいてスレーブヘッドセットの設定を変更することを可能にし得る。そのような制御データは、例えば、AVRCPまたはSPPプロファイルを介して転送されてもよい。
【0031】
図7A図7Hは、本開示の一例において、オーディオ機器をテザリングする際にユーザを支援するためのグラフィカルユーザインタフェースを表す。例示的なグラフィカルユーザインタフェースは、スマートフォン、タブレット、またはラップトップコンピュータなどの二次コンピューティング機器上に提示するように構成されてもよい。図7A図7Hは、例えば、スマートフォン上のグラフィカルユーザインタフェースの構成を示す。
【0032】
図7Aは、テザー接続を確立する前のグラフィカルユーザインタフェースに対する例示的なホーム画面100を示す。図示するように、ホーム画面は、マスター機器103に関連付けられた名前と共に、現在接続されているマスター機器101のグラフィック描写を含むことができる。名前は、製造業者に関連付けられた名前またはブランド名であってもよく、あるいはユーザ定義されてもよい。ホーム画面上の様々なボタンおよびスライダは、バージョン番号、契約条件、プライバシーポリシーなどの、アプリケーション自体に関する情報および任意の他のアプリケーションに関連する情報にアクセスするための、アプリケーション情報アイコン102などのグラフィカルユーザインタフェースの制御機構にアクセスすることができる。また、設定ボタン105は、ユーザがマスター機器に関連付けられた機器設定、例えば、機器の名前、サウンドイコライザ、機器のファームウェア状態、およびマスター機器に関連付けられた任意の他の選択可能な機能にアクセスすることを可能にし得る。
【0033】
電源インジケータ107は、マスター機器についての現在のバッテリ状態に関連付けられた数値描写およびグラフィック描写の両方を提供する。スライダ109は、ノイズキャンセルヘッドホンの場合、ヘッドホンを通過する周囲音の量を調整するための周囲認識制御を提供する。ホーム画面100の一番下に示されるステータスバー111は、現在接続されているオーディオソース、現在マスター機器にストリーミングされている任意のオーディオ情報に関するメタデータを、ストリーミングを開始および停止するための再生/一時停止ボタンと共に示すツールバーを提供する。しかしながら、当業者に知られているような、スキップ機能およびスキャン機能などの他のオーディオ制御ボタンがステータスバー111内に設けられていてもよい。また、音量スライダ113は、ユーザがマスター機器に関連付けられた音量を制御することを可能にし得る。無線接続ボタン115は、ユーザが、マスター機器と現在のオーディオソースとの間の現在の接続を確認することを可能にし、ユーザが、マスター機器の接続を他の利用可能な機器またはオーディオソース間で切り替えるために他の利用可能なオーディオソースを選択することを可能にすることもできる。テザリングボタン117は、テザリングプロセスを開始し、それによって、グラフィカルユーザインタフェースを使用しておよび本開示に従って、第2のスレーブ機器が検出され、マスター機器にテザリングされ得る。
【0034】
一部の例では、テザリングボタン117がユーザによって選択された後、グラフィカルユーザインタフェースは、一連の中継画面を表示することができる。図7Bは、中継画面がホーム画面100から移動しつつあり、テザリングプロセスを開始したことをユーザに知らせる音楽共有画面119を示す。次いで、ユーザは、続行ボタン120を選択することによって続行することを選択することができ、またはキャンセルボタン121を選択することによってテザリング要求をキャンセルすることができる。続行ボタンが選択された場合、ユーザに第2の中継画面が提示されてもよく、この画面は、例えば図7Cに示すような接続警告画面123であってもよい。接続警告画面123は、テザリングプロセスを進めることによりオーディオソースへの現在の無線接続が中断される可能性をユーザに知らせ、彼らが、続行ボタン120を選択することによって、またはキャンセルボタン121を用いてテザー要求をキャンセルすることによって進めたいかを再度確認するようにユーザに尋ねることができる。一部の例では、音楽共有画面119および接続警告画面は、必要ではないことがあり、ホーム画面100上のテザリングボタン117を選択することによってテザリングプロセスをすぐに開始することができる。
【0035】
図7Dは、機器照会画面125を示す。テザリングプロセスが開始されると、マスターオーディオ機器が前もって接続されていた現在のオーディオソースまたは二次コンピューティング機器は、何らかの潜在的なスレーブオーディオ機器が存在し二次コンピューティング機器と通信することができるかどうかの判定を開始する。機器照会画面は、無線照会が行なわれていることを暗示するグラフィカル照会インジケータ127を含むことができる。グラフィカル照会インジケータ127は、静的または動画式であってもよい。機器照会画面は、機器照会プロセスが遅れる場合、またはユーザがテザリング要求をキャンセルしたい場合、テザリング要求をキャンセルするためのキャンセルボタン121も含むことができる。
【0036】
図7Eは、機器照会期間中に識別された任意の利用可能な機器の結果を提示するテザリング画面131を示す。一部の例では、図示するように、テザリング画面は、機器名などの機器識別子129と共に、潜在的なスレーブ機器127の選択可能な描写を提示することができる。マスター機器101のグラフィック描写も、マスター機器識別子103の有無にかかわらずテザリング画面上に提示することができる。任意のさらに利用可能なスレーブ機器も、二次機器タッチスクリーン上で左右にスワイプすることによって見ることができる。サイクルインジケータ132は、マスター機器がテザーすることができる利用可能な潜在的なスレーブ機器のキュー(queue)を表す。所望のスレーブ機器が識別されると、ユーザは、潜在的なスレーブ機器127の選択可能な描写をマスター機器101のグラフィック描写の方にドラッグアンドドロップすることによってテザリングを開始することができ、このマスター機器101に対して、二次コンピューティング機器が無線テザリングを開始する。再び、ユーザは、キャンセルボタン121を選択することによってテザリング要求をキャンセルすることができる。
【0037】
図7Fは、テザリングプロセスが行なわれ、無線接続がマスター機器とスレーブ機器との間で形成されている間に、中継画面として現われることがあるハンドシェイク画面133を表す。図示するように、ハンドシェイク画面は、無線ハンドシェイクがマスター機器とスレーブ機器との間で現在行なわれていることを示唆する設定において、スレーブ機器127のグラフィック描写と共にマスター機器101のグラフィック描写を提供することができる。再び、ハンドシェイク画面は、動画式または静的であってもよい。また、画面は、選択されたオーディオ機器が現在接続しているテキスト形式のインジケータを含んでも含まなくてもよい。グラフィカルユーザインタフェースの一部の例では、ハンドシェイク画面133は、必要でないことがあり、一部の例では、この画面は、省略されてもよい。
【0038】
図7Gは、ペアリング画面135を表し、この画面135は、マスター機器とスレーブ機器とが前もって互にペアリングされなかった場合に、場合によっては現われることがある。そのような場合は、将来のテザリングセッションがグラフィカルユーザインタフェースの使用を通して自動的に進行することが可能になるように、ユーザが従来のやり方で、機器を手動でペアリングすることが必要な場合がある。そのような場合、ペアリング画面135は、ユーザへのガイダンス、および手動ペリングモードを有効にするやり方についての指示を提供することができる。例えば、ペアリング画面135は、ユーザがマスター機器とスレーブ機器との手動ペアリングをどのように開始することができるかを説明するグラフィカルな指示139および/またはテキスト形式の指示141を含むことができる。手動ペアリングが達成されると、ユーザは、戻るボタン137を選択してハンドシェイク画面133に戻ることができる。あるいは、ユーザは、キャンセルボタン121を選択することによってテザリング要求をキャンセルすることができる。
【0039】
図7Hは、マスターオーディオ機器とスレーブオーディオ機器との間で無線テザリングが達成された後のホーム画面100を表す。本例では、ホーム画面100は、外観および利用可能な機能の点で、無線テザリングが達成される前と実質的に同様である。再び、ホーム画面100は、マスター機器103、アプリケーション情報アイコン102、設定ボタン105、電源インジケータ107、スライダ109、ステータスバー111、および音量スライダ113に関連付けられた名前と共に、現在接続されているマスター機器101のグラフィック描写を含む。ここで、これらのボタンおよびスライダは、マスター機器およびスレーブ機器の両方に関するオーディオ情報の再生を制御することができる。しかしながら、一部の例では、無線接続ボタン115およびテザリングボタン117は、テザリングが達成された後は、もはや利用可能ではない場合があり、代わりに、スレーブアイコン143によって置き換えられることがある。スレーブアイコン143は、マスター機器からスレーブ機器を解除するための選択可能なボタンを提供する。テキスト形式の共有インジケータ145は、テザリング機能がアクティブになっているかどうかなどのテザリング機能の状態、およびマスター機器がテザリングされている任意の機器のアイデンティティに関する文書表示も提供する。解除されると、ホーム画面100は、上記の図7Aに関して前述したように、無線接続ボタン115およびテザリングボタン117をもう一度含むことができる。
【0040】
開示された主題は、ある特定の例示的な実施態様の点から本明細書に記載されているが、当業者は、開示された主題に対してその範囲から逸脱することなく、様々な修正および改善を行うことができることを認識されるであろう。そのため、開示された主題が任意の他の可能な置換および組合せを有する他の実施態様も特に対象としていると認識されるように、開示された主題の範囲内で、以下で請求され、上で開示された特定の特徴を他のやり方で互いに組み合わせることができる。開示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、開示された主題のシステムおよび方法において様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、開示された主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正形態および変形形態を含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0041】
1 マスターヘッドホン
3 スレーブヘッドホン
5 オーディオソース
7 ブルートゥース(登録商標)接続
9 SPP接続
11 ビーコンボタン
13 照会ボタン
15 A2DP接続
17 二次ブルートゥース(登録商標)信号
19 広告パケットまたはBLE信号
21 マスターサウンドシステム
23 スレーブサウンドシステム
25 オーディオソース
27 ブルートゥース(登録商標)接続
29 二次ブルートゥース(登録商標)信号
31 ネットワーク接続
33 ネットワーク接続
35 ネットワーク
37 マスターヘッドセット
39 スレーブヘッドセット
41 ハンズフリープロファイル接続
100 ホーム画面
101 マスター機器
102 アプリケーション情報アイコン
103 マスター機器識別子
105 設定ボタン
107 電源インジケータ
109 スライダ
111 ステータスバー
113 音量スライダ
115 無線接続ボタン
117 テザリングボタン
119 音楽共有画面
120 続行ボタン
121 キャンセルボタン
123 接続警告画面
125 機器照会画面
127 グラフィカル照会インジケータ
129 機器識別子
131 テザリング画面
132 サイクルインジケータ
133 ハンドシェイク画面
135 ペアリング画面
137 戻るボタン
139 グラフィカルな指示
141 テキスト形式の指示
143 スレーブアイコン
145 共有インジケータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H