特許第6876841号(P6876841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6876841
(24)【登録日】2021年4月28日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】ケーブルの撤去方法及びクロージャ
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/06 20060101AFI20210517BHJP
   H02G 15/24 20060101ALI20210517BHJP
   H02G 15/10 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   H02G1/06
   H02G15/24
   H02G15/10
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-24966(P2020-24966)
(22)【出願日】2020年2月18日
【審査請求日】2020年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】桑原 洋昌
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−213315(JP,A)
【文献】 特開平5−146026(JP,A)
【文献】 特許第6572359(JP,B1)
【文献】 米国特許第05245133(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/06
H02G 15/10
H02G 15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルで相互に接続された第1クロージャと第2クロージャのうちの第1クロージャに接続されたガス供給側のケーブルの撤去方法であって、
前記第1クロージャを解体する工程と、
前記ケーブルを前記第1クロージャから外す工程と、
前記ケーブルを把持していた端面板を新たな端面板に交換して前記第1クロージャを組み立てる工程と、
前記第1クロージャまたは前記第2クロージャのどちらか一方のガスバルブに2分岐バルブを取り付ける工程と、
前記2分岐バルブの一方の口と前記第1クロージャまたは前記第2クロージャのガスバルブとをガスパイプで接続する工程を有する
ことを特徴とするケーブルの撤去方法。
【請求項2】
前記第1クロージャを組み立てる工程と前記2分岐バルブを取り付ける工程では、ガスバルブに前記2分岐バルブを備えたスリーブ本体を用いて前記第1クロージャを組み立てる
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブルの撤去方法。
【請求項3】
心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルが接続されるクロージャであって、
ガスバルブに2分岐バルブを備えたスリーブ本体と、
前記スリーブ本体の両端に取り付けられる端面板と、を備え、
前記2分岐バルブの一方の口と前記タップケーブルで相互に接続される別のクロージャの備えるガスバルブとがガスパイプで接続されることを特徴とするクロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの撤去方法及びクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
メタルケーブルは、設備ビルから地下設備内に配設され、地上に引き上げられて電柱経由で各家庭に配線されている。地下設備内に配設されるメタルケーブルの保守では、設備ビル(局舎)からメタルケーブル内にガス(乾燥空気)を供給し、メタルケーブルの接続点に取り付けられるクロージャ内に設置された圧力発信機によりクロージャ内のガスの圧力を監視する。なお、圧力発信機が取り付けられているクロージャと圧力発信機が取り付けられていないクロージャが存在する。
【0003】
ガスの漏洩が検知されると、ガスが漏洩している可能性のある現場へ出向き、クロージャの備えるガスバルブに圧力測定器を取り付けてクロージャ内のガスの圧力を測定することで漏洩点を特定する。圧力測定器は持ち運びできる大きさの携帯タイプであり、例えばデジタルマノメータを使用する。圧力測定器は、クロージャを組み立てる際に、組み立て不良によるガス漏れの無いことを確認するためにも用いられる。
【0004】
一方、近接して設置されたクロージャでは、あるクロージャの下流の需要増に伴う心線不足に対し、別のクロージャから心線を分岐して利用することがあった。この場合、各クロージャには、上流のケーブルから別々にガスが供給されているため、ガスが混在しないように、心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルを用いてクロージャ間を相互に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6572359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、光通信の普及により、メタルケーブルの需要が減っている。そのため、同一ルート上にあるメタルケーブルについて、収容替えした上でケーブルの撤去が進められている。
【0007】
タップケーブルを用いて相互に接続したクロージャの一方からガスが供給される上流のケーブルを撤去すると、上流のケーブルを撤去したクロージャにはガスが供給されなくなる。従来は、ガスの供給ルートを確保するために、ガスを遮断するタップケーブルを撤去し、代わりにガスを遮断しないタップケーブルを新設することで、新設したタップケーブルを通じて上流のケーブルを撤去したクロージャにガスを供給していた。
【0008】
上流のケーブルを撤去した後、タップケーブルを取り換える従来の方法では、タップケーブルで接続された2つのクロージャのそれぞれを解体し、2つのクロージャのそれぞれにおいてタップケーブルの心線を接続し、さらに2つのクロージャを組み立て直す必要がある。そのため、施工費用の高額化、切替接続に伴う一時的な回線断、及び施工期間の長期化が問題となっていた。
【0009】
特許文献1の方法は、上流のケーブルを撤去した後、タップケーブルを取り換えずに、ガスバルブを2つ備えたクロージャを用いて、一方のガスバルブにガスパイプを接続してガスを供給する方法である。ガスバルブを2つ備えるので、一方のガスバルブにガスパイプを接続しても、他方のガスバルブに圧力測定器を取り付けることが可能である。特許文献1の方法は、ケーブルを撤去するクロージャのみを分解し、ガスバルブを2つ備えたクロージャを用いて組み立てるだけでよいので、作業効率を高めることができた。
【0010】
しかしながら、特許文献1の方法はガスバルブを2つ備える新たなクロージャを用意する必要があり、改善の余地が残されている。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、タップケーブルが接続されたクロージャに接続する上流側ケーブルをより簡単に撤去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様のケーブルの撤去方法は、心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルで相互に接続された第1クロージャと第2クロージャのうちの第1クロージャに接続されたガス供給側のケーブルの撤去方法であって、前記第1クロージャを解体する工程と、前記ケーブルを前記第1クロージャから外す工程と、前記ケーブルを把持していた端面板を新たな端面板に交換して前記第1クロージャを組み立てる工程と、前記第1クロージャまたは前記第2クロージャのどちらか一方のガスバルブに2分岐バルブを取り付ける工程と、前記2分岐バルブの一方の口と前記第1クロージャまたは前記第2クロージャのガスバルブとをガスパイプで接続する工程を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様のクロージャは、心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルが接続されるクロージャであって、ガスバルブに2分岐バルブを備えたスリーブ本体と、前記スリーブ本体の両端に取り付けられる端面板と、を備え、前記2分岐バルブの一方の口と前記タップケーブルで相互に接続される別のクロージャの備えるガスバルブとがガスパイプで接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タップケーブルが接続されたクロージャに接続する上流側ケーブルをより簡単に撤去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ガスを遮断するタップケーブルを用いて相互に接続したクロージャの様子を示す図である。
図2】本実施形態のクロージャを用いてケーブルを接続した様子を示す図である。
図3】本実施形態のクロージャを取り付ける手順を説明するフローチャートである。
図4】本実施形態のクロージャを用いてケーブルを接続した別の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1を参照し、心線を接続し、ガスを遮断するタップケーブルを用いて相互に接続した地下のクロージャについて説明する。図1の左側が上流(設備ビル側であってガス供給側)で、右側が下流(ユーザ宅側)である。
【0018】
図1では、クロージャ5A,5BがタップケーブルC5を用いて相互に接続されている。タップケーブルC5には、ガスダム7が取り付けられて、ガスを遮断している。
【0019】
クロージャ5Aでは、ケーブルC1の心線とケーブルC2の心線が接続され、クロージャ5Bから分岐したタップケーブル5Cの心線とケーブルC2の心線も接続されている。クロージャ5AにはケーブルC1を通じてガスが供給される。クロージャ5Aに供給されたガスは、ケーブルC2を通じて後段のクロージャにも供給される。
【0020】
クロージャ5Bでは、ケーブルC3の心線とケーブルC4の心線が接続され、ケーブルC3の一部の心線はタップケーブルC5に分岐している。クロージャ5BにはケーブルC3を通じてガスが供給される。クロージャ5Bに供給されたガスは、ケーブルC4を通じて後段のクロージャにも供給される。
【0021】
クロージャ5A,5Bを接続するタップケーブルC5にはガスダム7が取り付けられているので、クロージャ5AにケーブルC1で供給されるガスとクロージャ5BにケーブルC3で供給されるガスとを混在させることなく、ケーブルC3の一部の心線を、タップケーブルC5を介してケーブルC2の心線に接続できている。
【0022】
クロージャ5A,5Bは、ガスバルブ54を備えており、このガスバルブ54に圧力測定器を取り付けて各クロージャ5A,5B内のガスの圧力を測定できる。
【0023】
図2を参照し、本実施形態のクロージャ1について説明する。図2の上側のクロージャ1は、ケーブルC1を撤去後の本実施形態のクロージャであり、下側のクロージャ5Bは図1のクロージャ5Bと同じである。図の左側が上流で、右側が下流である。
【0024】
図1の状態で、ケーブルC1を撤去すると、クロージャ5Aにガスが供給されなくなる。そこで、図2に示す本実施形態のクロージャ1のガスバルブに2分岐バルブ14を備え、2分岐バルブ14の一方の口14Aにガスパイプ3を接続してクロージャ1内にガスを供給し、2分岐バルブ14の他方の口14Bはキャップで塞いでおく。クロージャ1内のガスの圧力を測定するときは、キャップを外して2分岐バルブの口14Bに圧力測定器を取り付ける。これにより、ガスを供給していたケーブルC1が撤去されても、ガスパイプ3から2分岐バルブ14とガスバルブを介してガスが供給されるとともに、2分岐バルブ14の他方の口14Bに圧力測定器を取り付け可能であり、クロージャ1内のガスの圧力を測定できる。
【0025】
クロージャ1では、クロージャ5Bから分岐したタップケーブルC5の心線とケーブルC2の心線が接続される。クロージャ1とクロージャ5Bは、ガスパイプ3で接続される。ガスパイプ3は、クロージャ1の2分岐バルブ14の一方の口14Aとクロージャ5Bのスリーブ本体52に配置されたガスバルブ54に取り付けられる。ケーブルC3からクロージャ5Bに供給されたガスは、ガスパイプ3を経由し、クロージャ1に供給される。クロージャ1に供給されたガスは、ケーブルC2を通じて後段のクロージャにも供給される。
【0026】
続いて、クロージャ1の構成について説明する。
【0027】
クロージャ1は、内部にケーブルC2とタップケーブルC5の接続部を収納する円筒形状であり、半円筒形状のスリーブ本体11,12と、クロージャ1の軸方向の両端に設けられる端面板13と、クロージャ1を側面方向から押圧して固定する複数のステンレスバンド15を備える。
【0028】
半円筒形状のスリーブ本体11,12を組み合わせてクロージャ1の側面を形成する。スリーブ本体11,12のつなぎ目には、スリーブガスケット(図示せず)が配置される。
【0029】
スリーブ本体12は、2分岐バルブ14を取り付けたガスバルブを備える。ガスバルブは、クロージャ1内の空間に通じる通気口である。2分岐バルブ14の一方の口14Aにガスパイプ3を接続する。2分岐バルブ14の他方の口14Bには、クロージャ組み立て時のガス漏洩確認時に、圧力測定器を取り付けることができる。通常時、2分岐バルブ14の他方の口14Bは閉じた状態である。2分岐バルブ14の口14A,14Bのいずれにガスパイプ3を接続してもよい。
【0030】
2分岐バルブ14の口14A,14Bは、ガスパイプ3の継ぎ手と互換性があるとよい。2分岐バルブ14の口14A,14Bのサイズとガスパイプ3の継ぎ手のサイズが異なる場合は、継ぎ手のサイズを変換するアタッチメントをガスパイプ3に取り付けるとよい。
【0031】
クロージャ1の両端の端面板13のそれぞれは、ケーブルC2とタップケーブルC5を通す貫通孔を備える。ケーブルC2およびタップケーブルC5を端面板13に通す際、ケーブルC2およびタップケーブルC5には、貫通孔との間の隙間を塞ぐエアタイトテープが巻きつけられる。端面板13は、貫通孔を分割する半円形状の部材をボルトなどで接合して形成される。端面板13とスリーブ本体11,12のつなぎ目つまり端面板13の外周部には、端面板ガスケット(図示せず)が配置される。端面板13は、スリーブ本体11,12とは別の部品であるため、通すケーブルの本数やサイズに応じたものを任意に選択して用いることができる。
【0032】
ステンレスバンド15は、スリーブ本体11,12の外周に巻きつけられ、ネジ(図示せず)で締め付けられる。ステンレスバンド15は、スリーブ本体11,12の外周を押圧して固定する。
【0033】
従来のクロージャ5Bも本実施形態のクロージャ1と同様に、スリーブ本体51,52、端面板53、及びステンレスバンド55を備える。スリーブ本体52はガスバルブ54を備える。
【0034】
ガスバルブ54にガスパイプ3を接続すると、クロージャ5B内のガス圧を測定するための圧力測定器を取り付けることができないが、クロージャ1,5Bは、ガスパイプ3で接続されているのでクロージャ1,5B内のガス圧はほぼ同じである。クロージャ1に圧力測定器を取り付けることでクロージャ1とクロージャ5B内のガス圧を測定できる。また、クロージャ5Bに2分岐バルブを取り付けて、2分岐バルブの一方の口にガスパイプ3を接続し、他方の口に圧力測定器を取り付けてクロージャ5B内のガス圧を測定してもよい。これにより、クロージャ5Bを解体することなく、クロージャ5B内のガス圧を測定できる。
【0035】
次に、図1のケーブルC1を撤去し、本実施形態のクロージャ1を取り付ける手順を説明する。
【0036】
図3は、本実施形態のクロージャ1を取り付ける手順を説明するフローチャートである。
【0037】
まず、撤去するケーブルC1を把持する図1のクロージャ5Aを解体し、ケーブルC1を取り外す(ステップS1)。
【0038】
クロージャ5Aを解体する際、ケーブルC2を通した端面板53はそのまま使用できるので、下流側の端面板53からはケーブルC2を外さなくてよい。クロージャ5Aの下側のスリーブ本体51をそのまま使用してもよい。したがって、クロージャ5Aを解体する際には、ステンレスバンド55を外し、上側のスリーブ本体52を取り除き、ケーブルC1を通した上流側の端面板53を分解すればよい。
【0039】
クロージャ5Aの解体後、ケーブルC1とケーブルC2の心線の接続を外し、ケーブルC1を撤去する。タップケーブルC5とケーブルC2の心線は接続したままとする。
【0040】
続いて、クロージャ1を組み立てる(ステップS2)。クロージャ1の上側のスリーブ本体12は、解体したクロージャ5Aのスリーブ本体52をそのまま用いてもよい。以下、クロージャ1の組み立てについて説明する。
【0041】
タップケーブルC5の端面板13を取り付ける箇所にエアタイトテープを巻き付ける。端面板13は新たなもの(貫通孔が一つのもの)へ交換する。タップケーブルC5が貫通孔を通るように端面板13の半円形部材を接合して、タップケーブルC5に端面板13を取り付ける。端面板13の外周に端面板ガスケットを取り付ける。
【0042】
端面板13に下側のスリーブ本体11(クロージャ5Aのスリーブ本体51をそのまま用いてもよい)をあてがい、スリーブ本体11,12のつなぎ目にスリーブガスケットを取り付けて、スリーブ本体12をスリーブ本体11にかぶせる。
【0043】
ステンレスバンド15をスリーブ本体11,12の外周に巻き付け、ステンレスバンド15のネジを締める。
【0044】
以上の工程でクロージャ1を組み立てることができる。クロージャ1の組み立て後は、クロージャ1にガスを封入した後、石けん液を用いて漏洩箇所がないか確認する。
【0045】
続いて、スリーブ本体12の備えるガスバルブに2分岐バルブ14を取り付ける(ステップS3)。ステップS2でクロージャ1を組み立てる前にガスバルブに2分岐バルブ14を取り付けてもよい。クロージャ1ではなく、クロージャ5Bのガスバルブ54に2分岐バルブ14を取り付けてもよい。この場合、クロージャ1のガスバルブとクロージャ5Bのガスバルブ54に取り付けた2分岐バルブ14の一方の口14Aにガスパイプ3が接続される。
【0046】
ステップS2,S3では、ガスバルブが2分岐バルブ14を備えたスリーブ本体12を用いてクロージャ1を組み立ててもよい。
【0047】
クロージャ1を組み立てた後、クロージャ1とクロージャ5Bをガスパイプ3で接続する(ステップS4)。具体的には、クロージャ1のガスパイプ3の一端を2分岐バルブ14の一方の口14Aに接続し、ガスパイプ3の他端をクロージャ5Bのガスバルブ54に接続する。
【0048】
ガスパイプ3を接続後は、ケーブルC3を通じて供給されたガスがガスパイプ3を通じてクロージャ1にも供給され、ケーブルC2を通じてクロージャ1の後段のクロージャにも供給される。一定期間後には、ガス圧が安定する。
【0049】
このように、ケーブルC1を撤去する際、本実施形態のクロージャ1を用いることにより、ケーブルC1を把持するクロージャ5Aの解体および組立てのみで、他方のクロージャ5Bの解体および組立てが不要となる。タップケーブルC5をそのまま利用し、ガス遮断しないタップケーブルを新設しないので、心線の切り替え接続が不要である。さらに、特許文献1の技術で用いたガスバルブを2つ備えた新たなクロージャが不要である。
【0050】
次に、本実施形態のクロージャ1を用いてケーブルを接続した別の状態について説明する。
【0051】
図4は、タップケーブルC5を残されるケーブルC2と同じ端面板53に通した例を示す図である。
【0052】
図1では、タップケーブルC5は、撤去対象のケーブルC1と同じ端面板53を通していたが、タップケーブルC5を下流側のケーブルC2と同じ端面板53を通すこともある。この場合、本実施形態のクロージャ1を取り付ける際、ケーブルC2およびタップケーブルC5のいずれも撤去しないので、ケーブルC2およびタップケーブルC5を通した端面板53をそのまま使用する。ケーブルC1を撤去した側からはケーブルを通さないので、ケーブルを通す貫通孔を備えていない端面板13を取り付ける。図2とは取り付ける端面板13が異なるだけである。
【0053】
本実施形態では、クロージャ5A,5Bを接続しているタップケーブルC5をそのまま利用するので、タップケーブルC5を通していた場所に関わらず適用できる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルC5で相互に接続されたクロージャ5A,5Bのうちのクロージャ5Aに接続されたガス供給側のケーブルC1を撤去する際、クロージャ5Aを解体してケーブルC1をクロージャ5Aから外し、ケーブルC1を把持していた端面板53を新たな端面板13に交換するとともに、ガスバルブに2分岐バルブ14を備えたスリーブ本体12を用いてクロージャ1を組み立てて、2分岐バルブ14の一方の口14Aとクロージャ5Bのガスバルブ54とをガスパイプ3で接続することにより、ガスを遮断するタップケーブルC5をそのまま利用できる。そのため、クロージャ5Bの解体および組立て、並びに心線の切り替え接続工程が不要であり、工期が短縮され、施工効率の向上を期待できる。残されるクロージャ5Bは解体しないのでクロージャ5Bの下流のユーザは通信断およびガス供給断もない。
【0055】
また、新たな必要最低限の部材は、ケーブルC1を把持していた端面板53の交換用の端面板13、2分岐バルブ14、およびガスパイプ3だけなので、経費削減効果が期待できる。
【符号の説明】
【0056】
1…クロージャ
11,12…スリーブ本体
13…端面板
14…2分岐バルブ
14A,14B…2分岐バルブの口
15…ステンレスバンド
3…ガスパイプ
5A,5B…クロージャ
51,52…スリーブ本体
53…端面板
54…ガスバルブ
55…ステンレスバンド
7…ガスダム
【要約】
【課題】タップケーブルが接続されたクロージャに接続する上流側ケーブルをより簡単に撤去する。
【解決手段】心線を接続するがガスを遮断するタップケーブルC5で相互に接続されたクロージャ5A,5Bのうちのクロージャ5Aに接続されたガス供給側のケーブルC1を撤去する際、クロージャ5Aを解体してケーブルC1をクロージャ5Aから外し、ケーブルC1を把持していた端面板53を新たな端面板13に交換するとともに、ガスバルブに2分岐バルブ14を備えたスリーブ本体12を用いてクロージャ1を組み立てて、2分岐バルブ14の一方の口14Aとクロージャ5Bのガスバルブ54とをガスパイプ3で接続する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4