(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のショーケースが並設されている場合、前記駆動部は、各ショーケースごとに一つ設けられ、又は、複数のショーケースに対して一つ設けられていることを特徴とする請求項2記載のショーケース。
前記ファンによる送風量は可変可能であり、前記風防シートの上端部が高い位置に位置する場合には送風量を少なくすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のショーケース。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたショーケースにおいては、風防の素材がガラスであって位置固定して設けられており、ショーケースへの買物客の接近状況に応じて高さを適宜調節することはできない。
【0006】
商品陳列室内からの冷気の漏れ出しを抑制する効果を高めるためには、風防の高さを高くすることが望ましい。しかし、風防の高さを高くすると、商品陳列室内からの商品の取出し性能が低下するという問題がある。また、風防が高いと、買物客が持っている買物籠が風防に当たって風防が破損しやすくなるという問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ショーケース内を循環する冷気が商品陳列室内から漏れ出すことを抑制し、冷気を生成するために要する消費エネルギーの低減を図ることである。また、店舗内におけるコールドアイルの発生を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るショーケースは、内部に商品陳列部を有し、正面に開口部を有するショーケース本体と、前記ショーケース本体の内周に沿って形成され、正面側上部に下向きに開口する吹出口を有して正面側下部に上向きに開口する吸込口を有する通風路と、前記通風路内に配置され、この通風路内に前記吸込口から前記吹出口に向かう空気の流れを発生させるファンと、前記通風路内に配置され、この通風路内を流れる空気を冷却する冷却器と、 前記開口部を開閉する位置に配置され、下端部が水平方向の軸心を有する巻取り軸に巻き取られ、上端部が上下方向にスライド可能な巻取り方式の風防シートと、ショーケースへの買物客の接近状況、
温度や湿度等の店内環境、店内の繁閑状況の何れかを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記風防シートを上下方向にスライドさせる駆動部と、
を有し、前記風防シートはその上端部を上方にスライドさせた任意の位置で保持可能であり、スライドして保持された前記風防シートにより前記開口部が閉止され或いは前記開口部の下端位置が前記商品陳列部内の商品を前記開口部から取り出し可能な範囲内で上下方向に変更されることを特徴とする。
【0009】
また、前述のショーケースにおいて、前記ショーケース本体の上部に配置される前記駆動部と、前記ショーケース本体に設けられ、上下方向に延びる左右一対のガイドレールと、前記ガイドレール内に上下方向スライド可能に配置され、上端部が前記駆動部に連結され、下端部が前記風防シートの両端側上部に連結されるワイヤと、を有することが望ましい。
【0010】
また、前述のショーケースにおいて、複数のショーケースが並設されている場合、前記駆動部は、各ショーケースごとに一つ設けられ、又は、複数のショーケースに対して一つ設けられていることが望ましい。
【0011】
また、前述のショーケースにおいて、前記吸込口の上部に設けられる筒状の回転式フィルタと、前記巻取り軸の回転に伴って前記フィルタが回転するように前記巻取り軸と前記フィルタとを連結する連結機構と、前記回転式フィルタの外周面に当接するブラシと、を有することが望ましい。
【0012】
また、前述のショーケースにおいて、前記ファンによる送風量は可変可能であり、前記風防シートの上端部が高い位置に位置する場合には前記ファンによる送風量を少なくすることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るショーケースは、開口部を開閉する位置に巻取り方式の風防シートが配置されている。そして、この風防シートは、下端部が水平方向の軸心を有する巻取り軸に巻き取られ、この巻き取りに応じて上端部が上下方向にスライド可能に設けられている。そして、ショーケースへの買物客の接近状況、店内環境、店内の繁閑状況の何れかが検出部により検出されると、その検出結果に基づいて駆動部が駆動される。駆動部が駆動されて風防シートが巻取り軸に巻き取られることにより、風防シートの上端部が下方へスライドし、開口部の下端位置が低くなるとともに開口部の上下方向の開口幅が広くなる。これにより、買物客は商品陳列室内の商品を開口部から取り出し易くなる。一方、駆動部が駆動されて風防シートが巻取り軸から引き出されることにより、風防シートの上端部が上方へスライドし、開口部の下端位置が高くなるとともに開口部の上下方向の開口幅が狭くなる。これにより、商品陳列室内の冷気が開口部から漏れ出すことを抑制できる。そして、冷気を生成するために要する消費エネルギーの低減を図ることができ、また、漏れ出した冷気により店舗内にコールドアイルが発生することを防止できる。
【0014】
また、風防シートを上下方向にスライドさせる場合には、駆動部を駆動させ、ワイヤを上下方向にスライドさせることにより容易に行うことができる。
【0015】
また、複数のショーケースが並設されている場合においては、駆動部を複数のショーケースごとに一つ設けるようにしてもよく、風防シートを上下方向にスライドさせるために必要となる駆動部の消費エネルギーを低減することができる。
【0016】
また、吸込口から吸い込まれる空気中に含まれている細かい塵埃は、回転式フィルタに付着する。そして、風防シートが上下方向へスライドすることにより巻取り軸が回転すると、巻取り軸と連結機構を介して連結されている回転式フィルタが回転する。回転式フィルタが回転することにより、回転式フィルタに付着している塵埃がブラシにより除去される。除去された塵埃は塊りとなって落下し、ドレン孔から流出し、又は、ドレン孔を覆うドレンスクリーンに引っ掛かって清掃時に除去される。これにより、空気中の塵埃が吸込口に詰まることや吹出口に詰まることを防止できる。
【0017】
また、風防シートの上端部が高い位置に位置している場合には、吹出口から風防シートの上端部までの距離が短くなっている。これにより、ファンによる冷気の送風量を少なくしても、吹出口から吹出す冷気のエアカーテンは崩れることなく風防シートの上端部まで到達する。そして、商品陳列室内の冷却性能が維持され、ファンを駆動するエネルギーを低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第一の実施形態について、
図1ないし
図4に基いて説明する。
図1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されるショーケース1を示す断面側面図である。このショーケース1は、断面形状コの字型に形成されたショーケース本体2を有している。ショーケース本体2の内部には、商品陳列室3が設けられている。ショーケース本体2の正面には、開口部4が設けられている。また、商品陳列室3内には、上下方向に沿って複数段の商品陳列棚5が設けられている。
【0020】
ショーケース本体2内には、その内周面に沿って通風路6が形成されている。通風路6の一端には、ショーケース本体2の正面側上部に位置して下向きに開口する吹出口7が設けられている。通風路6の他端には、ショーケース本体2の正面側下部に位置して上向きに開口する吸込口8が設けられている。通風路6内には、吸込口8から空気を吸込み、その空気が吹出口7から吹出すように空気の流れを発生させるファン9が配置されている。さらに、通風路6内には、通風路6内を流れる空気を冷却する冷却器10が配置されている。
また、ショーケース本体2には、開口部4を開閉する位置に巻取り方式の風防シート11が設けられている。風防シート11の下端部は、水平方向の軸心を有して軸心回りに回転可能な巻取り軸12に巻き取られている。風防シート11の上端部は、上下方向にスライド可能に設けられている。風防シート11の上端部が上下方向にスライドすることにより、開口部4の下端位置が上下方向に移動するとともに、開口部4の上下方向の開口幅が変化するようになっている。
【0021】
巻取り軸12の内部には、巻取りバネ13が設けられている。この巻取りバネ13は、風防シート11の上端部が上方へスライドする方向に巻取り軸12が回転した場合、縮む方向へ巻き取られる。そして、巻き取られた巻取りバネ13は、巻取り軸12を逆向きに回転させる向きに付勢する。
【0022】
ショーケース本体2の上部には、駆動部であるモータ14が配置されている。また、ショーケース1の正面側には、ショーケース1への買物客の接近状況を検出する検出部である人感センサ(図示せず)が配置されている。モータ14は、人感センサの検出結果に基づいて駆動され、その駆動により風防シート11が上下方向にスライドする。ショーケース本体2の左右両側には、
図2に示すように、上下方向に延びる一対のガイドレール15が設けられている。これらのガイドレール15内には、上下方向スライド可能にワイヤ16が配置されている。ワイヤ16の上端部はモータ14の回転軸14aに連結されたワイヤリール17に巻き取られている。ワイヤ16の下端部は、風防シート11の両端側上部に連結されている。
【0023】
なお、本実施形態では、検出部としてショーケース1への買物客の接近状況を検出する人感センサを用いている。しかし、この検出部としては、温度や湿度等の店内環境を検出するセンサ、店内の繁閑状況を検出するセンサを用い、そのセンサの検出結果に応じてモータ14を駆動させるようにしてもよい。
【0024】
吸込口8の下部には、吸込口8の横幅方向と略同じ長さ寸法を有する筒状の回転式フィルタ18が設けられている。この回転式フィルタ18はメッシュを円筒状に丸めたものであり、水平方向を向けた軸心回りに回転可能に設けられている。
図4に示すように、巻取り軸12の両端にはプーリ19が連結され、回転式フィルタ18の両端にはプーリ20が連結されている。これらのプーリ19、20の間にはベルト21が巻回され、これらのプーリ19、20とベルト21とにより、巻取り軸12の回転に伴って回転式フィルタ18を回転させる連結機構22が構成されている。
【0025】
回転式フィルタ18の下方には、ブラシ取付台23に取付けられたブラシ24が配置されている。ブラシ24の先端部は回転式フィルタ18の外周面に当接されている。
【0026】
通風路6の底部には、ショーケース1内で生じた水や洗浄水を排水するためのドレン孔25が設けられている。ドレン孔25の上端部には、異物がドレン孔25内に入り込むことを防止するためのドレンスクリーン26が着脱可能に取付けられている。
【0027】
なお、本実施の形態では、プーリ19、20とベルト21とを巻取り軸12の左右両端側に設けた場合を例に挙げて説明したが、これらのプーリ19、20とベルト21とは、巻取り軸12の片側にのみ設けてもよい。
【0028】
ファン9による送風量は可変可能であり、風防シート11の上端部が高い位置に位置する場合には、送風量を少なくするように構成されている。送風量を少なくする具体的な方法としては、ファン9の回転数を下げることや、ファン9が複数設けられている場合には駆動させるファン9の数を減らすことが挙げられる。また、送風量を少なくしている場合に商品陳列室3内の温度が上昇したときは、送風量を元に戻して商品陳列室3内の温度を下げるようにすることが望ましい。
【0029】
なお、本実施形態のショーケース1では、風防シート11をスライドさせるモータ14がショーケース1に設けられている場合を例に挙げて説明している。しかし、複数のショーケース1が並設されている場合には、複数のショーケース1ごとに1つのモータ14を設けてもよい。そして、複数のショーケース1の風防シート11を一つのモータ14でスライドさせることにより、風防シート11をスライドさせるために必要となるモータ14の消費エネルギーを減らすことができる。
【0030】
このような構成において、このショーケース1では、ファン9が駆動されることにより吸込口8から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は通風路6内を
図1の矢印で示す方向に流れ、吹出口7から下向きに吹出す。なお、吹出口7から吹出した空気は、再び吸込口8から吸い込まれる。そして、通風路6内を流れる空気は、冷却器10により冷却されて冷気となり、この冷気によって商品陳列室3内の商品が冷却される。
【0031】
次に、このショーケース1では、必要に応じて風防シート11を上下方向にスライドさせることができる。風防シート11のスライドは、モータ14を駆動させる(オン・オフさせる)ことにより行われる。
【0032】
モータ14がオンされて回転駆動されると、ワイヤ16は上向きに引っ張られてワイヤリール17に巻き取られる。これにより、風防シート11が上向きにスライドする。風防シート11が上向きにスライドする場合、巻取り軸12は風防シート11が引き出される方向に回転する。そして、風防シート11が上向きにスライドすることにより、開口部4の下端位置(風防シート11の上端部)が次第に高くなるとともに開口部4の上下方向の開口幅が次第に狭くなる。風防シート11が上向きにスライドする方向へ巻取り軸12が回転すると、その回転に伴って巻取りバネ13が巻かれる。そして、モータ14をオフにして回転を停止させ、その回転停止状態でモータ14をロックすると、風防シート11はスライドした位置で保持される。
【0033】
その後、モータ14のロック状態を解除すると、巻かれていた巻取りバネ13の力が解放され、巻取り軸12が逆向きに回転する。巻取り軸12が逆向きに回転することにより、風防シート11は巻取り軸12に巻き取られる。風防シート11が巻取り軸12に巻き取られることにより、風防シート11の上端部が下方にスライドし、開口部4の下端位置(風防シート11の上端部)が次第に低くなるとともに開口部4の上下方向の開口幅が広くなる。
【0034】
なお、本実施の形態では、風防シート11を上方へスライドさせる場合にはモータ14の力で行い、風防シート11を下方へスライドさせる場合には戻しバネ13の力で行うようにしている。しかし、戻しバネ13に代えて他のモータを用いてもよい。さらに、風防シート11の上下方向へのスライドを1つのモータを用いて行い、そのモータを正転又は逆転させるようにしてもよい。
【0035】
図3(a)は、風防シート11の上端部が最も下方位置にスライドしている状態を示している。この状態は、ショーケース1の前方に買物客が接近している場合である。この状態では、買物客が商品陳列室3内から商品を取り出す際に風防シート11は邪魔にならず、買物客は商品陳列室3内から容易に商品を取り出すことができる。また、買物客が持っている買物籠が風防シート11に当たることを防止できる。
【0036】
図3(b)は、
図3(a)の状態からモータ14を駆動させ、風防シート11を上向きにスライドさせた状態を示している。
【0037】
図3(c)は、風防シート11を
図3(b)に示す位置よりも上方にスライドさせた状態を示している。開口部4の下端位置は、
図3(c)の場合は
図3(b)の場合より高くなるとともに、開口部4の上下方向の開口幅は、
図3(c)の場合は
図3(b)の場合より狭くなっている。なお、
図3(a)に示す状態から
図3(b)又は
図3(c)に示す状態への風防シート11の切換えは、ショーケース1の前方に買物客が近接していない状況を人感センサが検出した場合、その検出結果に基づいてモータ14が駆動されることにより行われる。
【0038】
風防シート11が
図3(b)又は
図3(c)に示すように上方位置にスライドすることにより、開口部4の下端位置が高くなるとともに開口部4の上下方向の開口幅が狭くなる。これにより、商品陳列室3内の冷気が開口部4から漏れ出すことが抑制される。そして、冷気を生成するために要する消費エネルギーの低減を図ることができる。さらに、漏れ出した冷気が店舗内の床面上に溜まるコールドアイルの発生を防止することができる。
【0039】
風防シート11を
図3(b)に示す位置にスライドさせるか、又は、
図3(c)に示す位置にスライドさせるかは、季節や商品陳列室3内に陳列されている商品の種類や数量等によって適宜設定することができる。例えば、冷気の漏れ出しをより少なくして商品陳列室3内の保冷効果を高めたい場合には、
図3(c)に示す高い位置まで風防シート11をスライドさせる。
【0040】
一方、
図3(b)又は
図3(c)に示す状態から
図3(a)に示す状態への切換えは、人感センサがショーケース1の前方に買物客が接近している状況を検出した場合に行われる。人感センサの検出結果に基づいてモータ14のロック状態が解除され、ロック状態の解除により巻取りバネ13の力で巻取り軸12が回転される。この回転により、風防シート11が巻取り軸12に巻き取られ、下方へスライドする。
【0041】
図3(d)は、風防シート11を最も高い位置までスライドさせて開口部4を閉止した状態を示している。この風防シート11は、いわゆるナイトカバーとして使用されており、夜間における商品陳列室3内の保冷状体を長時間に亘って維持することができる。
【0042】
風防シート11が上下方向にスライドすることに伴って上下方向にスライドするワイヤ16は、ガイドレール15内に配置されている。このため、スライドするワイヤ16がショーケース1の周囲に位置する様々な部材、例えば、買物客が持っている買物籠やバッグ等に当たることが防止される。
【0043】
風防シート11が上下方向へスライドする場合、それに伴って巻取り軸12が回転する。そして、巻取り軸12の回転に伴い、巻取り軸12と連結機構22を介して連結されている回転式フィルタ18が回転する。回転式フィルタ18が回転することにより、回転式フィルタ18に付着している塵埃がブラシ24により除去される。回転式フィルタ18から除去された塵埃は、塊りとなって通風路6の底面上に落下し、ドレン孔25から水と共に流出し、又は、ドレン孔25を覆うドレンスクリーン26に引っ掛かって清掃時に除去される。これにより、空気中の塵埃が吸込口8に詰まることや吹出口7に詰まることが防止される。
【0044】
また、風防シート11の上端部が高い位置に位置している場合には、ファン9の駆動による冷気の送風量を少なくすることができる。これは、吹出口7から風防シート11の上端部までの距離が短くなり、吹出口7から吹出す冷気の送風量が少なくても、冷気のエアカーテンが崩れることなく冷気が風防シート11の上端部まで到達するからである。そして、冷気の送風量を少なくしても商品陳列室3内の冷却性能を維持することがてき、ファン9を駆動するための消費エネルギーが低減される。
【0045】
本発明の第二の実施形態を
図5に基いて説明する。なお、第一の実施形態で説明した構成と同じ構成は同じ符号で示し、説明は省略する。
図5は、ショーケースの一例であるウォークインショーケース27を示している。このウォークインショーケース27は、矩形状のショーケース本体28を有し、ショーケース本体28の正面側には商品陳列部である陳列用ラック29が配置されている。ショーケース本体28の背面側には、保管用ラック30が設けられている。
【0046】
陳列用ラック29には上下方向に沿って複数段の棚板31が設けられ、これらの棚板31上に販売する商品が陳列されている。保管用ラック30には、棚板31上に陳列する商品が保管されていてる。陳列用ラック29と保管用ラック30との間には、保管用ラック30の商品を棚板31上に陳列する作業を行うための作業スペース32が設けられている。なお、陳列用ラック29の背面側には、背面側ドア33が開閉可能に設けられている。この背面側ドア33は、通常時には閉止されており、棚板31上に商品を陳列する場合に開放される。
【0047】
ショーケース本体28の正面側には、買物客が棚板31上から商品を取り出すための開口部34が形成されている。
【0048】
ショーケース本体28内には、このショーケース本体28内で空気が循環する通風路35が形成されている。なお、作業スペース32はこの通風路35の一部とされている。通風路35の一端には、ショーケース本体28の正面側上部に位置して下向きに開口する吹出口36が設けられている。通風路35の他端には、ショーケース本体28の正面側下部に位置して上向きに開口する吸込口37が設けられている。通風路35内には、吸込口37から空気を吸込み、その空気が吹出口36から吹出すように空気の流れを発生させるファン38a、38bが配置されている。さらに、通風路35内には、通風路35内を流れる空気を冷却する冷却器39が配置されている。
また、ショーケース本体28には、開口部34を開閉する位置に巻取り方式の風防シート11が設けられている。この風防シート11は、開口部34の横幅寸法より僅かに大きな横幅寸法を有している。風防シート11の下端部は、水平方向の軸心を有して軸心回りに回転可能な巻取り軸12に巻き取られている。風防シート11の上端部は、上下方向にスライド可能に設けられている。風防シート11の上端部が上下方向にスライドすることにより、開口部34の下端位置が上下方向に移動するとともに、開口部34の上下方向の開口幅が変化するようになっている。
【0049】
ショーケース本体28の上部には、モータ14が配置されている。このモータ14はワイヤ16を介して風防シート11の上端部に連結されている。そして、モータ14が駆動されることにより、風防シート11が上下方向にスライドし、開口部34の上下方向の開口幅が変化する。
【0050】
このような構成において、このウォークインショーケース27では、買物客がショーケース本体28に接近しているか否か、店内環境や店内の繁閑状況等に応じてモータ14を駆動させ、風防シート11を上下方向にスライドさせることができる。そして、風防シート11を上方へスライさせることにより、ショーケース本体28外への冷気の漏れ出しを抑制することができる。この抑制により、冷気を生成するために要する消費エネルギーの低減を図ることができる。さらに、漏れ出した冷気が店舗内の床面上に溜まるコールドアイルの発生を防止することができる。一方、風防シート11を下方へスライドさせることにより、買物客が棚板31上の商品を容易に取り出すことができるようになる。
【課題】ショーケース内を循環する冷気が商品陳列室外に漏れ出すことを抑制し、冷気を生成するために要する消費エネルギーの低減を図り、店舗内におけるコールドアイルの発生を防止する。
【解決手段】ショーケース本体2の内周に沿って通風路6が形成されている。通風路は、正面側上部に位置して下向きに開口する吹出口7と、正面側下部に位置して上向きに開口する吸込口8とを有する。通風路内には、吸込口から吹出口に向かう空気の流れを発生させるファン9と、通風路内を流れる空気を冷却する冷却器10とが配置されている。さらに、開口部を開閉する位置に配置され、下端部が水平方向の軸心を有する巻取り軸12に巻き取られ、上端部が上下方向にスライド可能な巻取り方式の風防シート11と、ショーケースへの買物客の接近状況等を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて風防シートを上下方向にスライドさせる駆動部14とを有する。