特許第6876919号(P6876919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876919
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】車両用シート装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/12 20060101AFI20210517BHJP
   B60N 2/14 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B60N2/12
   B60N2/14
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-129491(P2017-129491)
(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-11000(P2019-11000A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北島 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】村林 賢司
(72)【発明者】
【氏名】中川 茂
【審査官】 野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−318496(JP,A)
【文献】 特開2016−020167(JP,A)
【文献】 実開平03−124943(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置であって、
前記移動機構は、シート前後方向に配置されて、前記支持テーブルに対して上下回動可能に連結された前側リンクと後側リンクと、前記前側リンクと後側リンクとの回動自由端側をつなぐリンクで、前記シート本体を支持する支持リンクとを備えており、
前記前側リンクと前記支持テーブルとの連結位置は、前記後側リンクと前記支持テーブルとの連結位置より低い位置にあり、前記前側リンクの長さ寸法が後側リンクの長さ寸法よりも大きい値に設定されており、
前記シート本体が前記格納位置にある状態では、前記前側リンクが前記支持テーブルに対して直立し、前記後側リンクが前記支持テーブルに対してシート後方向に傾斜した状態で起立して、前記支持リンクが水平に保持されており、
前記前側リンクと前記後側リンクとがシート前方に倒伏した状態で、前記前側リンクと前記後側リンクとの回動自由端側をつなぐ前記支持リンクは前側が低くなるように傾斜し、前記後側リンクの回動中心が前記後側リンクの回動自由端側よりも高い位置にある車両用シート装置。
【請求項2】
シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置であって、
前記移動機構は、シート前後方向に配置されて、前記支持テーブルに対して上下回動可能に連結された前側リンクと後側リンクと、前記前側リンクと後側リンクとの回動自由端側をつなぐリンクで、前記シート本体を支持する支持リンクとを備えており、
前記前側リンクと前記後側リンクとがシート前方に倒伏した状態で、前記前側リンクと前記後側リンクとの回動自由端側をつなぐ仮想直線は前側が低くなるように傾斜し、前記仮想直線より下側に前記前側リンクの回動中心が位置しており、
前記シート本体が前記乗降位置にある状態では、前記支持リンクとシート前方向に倒伏した前記前側リンクと前記後側リンクとが側面視において一直線状になる車両用シート装置。
【請求項3】
シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置であって、
前記移動機構は、シート前後方向に配置されて、前記支持テーブルに対して上下回動可能に連結された前側リンクと後側リンクと、前記前側リンクと後側リンクとの回動自由端側をつなぐリンクで、前記シート本体を支持する支持リンクとを備えており、
前記前側リンクと前記支持テーブルとの連結位置は、前記後側リンクと前記支持テーブルとの連結位置より低い位置にあり、前記前側リンクの長さ寸法が後側リンクの長さ寸法よりも大きい値に設定されており、
前記シート本体が前記乗降位置にある状態では、前記支持リンクとシート前方向に倒伏した前記前側リンクと前記後側リンクとが側面視において一直線状になる車両用シート装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された車両用シート装置であって、
前記支持テーブルは、水平回転可能に構成されて、前記格納位置にある前記シート本体を車両前向きの着座位置と前記ドア開口部の方向を向く横向き位置間で回転させる車両用シート装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用シート装置であって、
前記シート本体は、シートクッションとシートバックとを備え、前記シートクッションに対する前記シートバックの傾斜角度を変化させられるように構成されており、
前記移動機構の前記前側リンクと後側リンクとを起立状態からシート前方向に倒伏するように回動させる際、前記シートバックが前記シートクッションに対して後方に倒れる方向に回動する車両用シート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これに関連する車両用シート装置が特許文献1に記載されている。特許文献1の車両用シート装置100は、図12に示すように、シート本体102と、前記シート本体102を車両前向きの着座位置とドア開口部の方向を向く横向き位置間で回転させる回転テーブル104とを備えている。また、車両用シート装置100は、シート本体102を横向き位置からシート前方向(図12における左方向)に移動させる外スライド機構105と、ドア開口部の外でシート本体102を昇降させる昇降機構107とを備えている。
【0003】
外スライド機構105と昇降機構107とはラック105r,107rとピニオン108との噛合作用によりシート本体102をスライド昇降させる構成である。ここで、ピニオン108、及びピニオン108の駆動源は外スライド機構105と昇降機構107とで共用であり、シート本体102の後部下側に設けられている。また、外スライド機構105と昇降機構107とには、前記ピニオン108が噛合される専用のラック105r,107rが設けられている。そして、外スライド機構105のラック105rと昇降機構107のラック107r間で前記ピニオン108が乗り移れるように構成されている。このように、外スライド機構105と昇降機構107とのピニオン108、駆動源を共用できるため、外スライド機構105と昇降機構107とのコスト低減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−226964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した車両用シート装置100では、外スライド機構105のラック105rと昇降機構107のラック107r間でピニオン108が乗り移れるようにする必要があるため、前記ラック105r,ラック107rの製作精度、及び位置決め精度を高くする必要がある。さらに、機構も複雑なことから思いどおりにコスト低減を図るのは難しい。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シート本体のスライドと昇降とを簡単な機構により実施できるようにして製造コスト低減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置であって、前記移動機構は、シート前後方向に配置されて、前記支持テーブルに対して上下回動可能に連結された前側リンクと後側リンクと、前記前側リンクと後側リンクとの回動自由端側をつなぐリンクで、前記シート本体を支持する支持リンクとを備えており、前記前側リンクと前記支持テーブルとの連結位置は、前記後側リンクと前記支持テーブルとの連結位置より低い位置にあり、前記前側リンクの長さ寸法が後側リンクの長さ寸法よりも大きい値に設定されており、前記シート本体が前記格納位置にある状態では、前記前側リンクが前記支持テーブルに対して直立し、前記後側リンクが前記支持テーブルに対してシート後方向に傾斜した状態で起立して、前記支持リンクが水平に保持されており、前記前側リンクと前記後側リンクとがシート前方に倒伏した状態で、前記前側リンクと前記後側リンクとの回動自由端側をつなぐ前記支持リンクは前側が低くなるように傾斜し、前記後側リンクの回動中心が前記後側リンクの回動自由端側よりも高い位置にある
【0008】
本発明によると、前側リンクと支持テーブルとの連結位置は、後側リンクと前記支持テーブルとの連結位置より低い位置にあり、前記前側リンクの長さ寸法が後側リンクの長さ寸法よりも大きい値に設定されている。このため、移動機構の前側リンクと後側リンクとが起立状態からシート前方向に倒伏するように回動すると、支持リンクに支持されているシート本体はシート前方向に移動しながら下降し、シート本体12の前側が低くなるように傾斜する。そして、シート本体は前傾の状態で乗降位置に保持される。また、倒伏している前側リンクと後側リンクとが起立するように回動すると、支持リンクに支持されているシート本体はシート後方向に移動しながら上昇し、水平姿勢で格納位置に戻される。即ち、前側リンク、あるいは後側リンクを回動させる駆動源により、シート本体をシート前後方向に移動させ、さらに昇降させることができる。このため、従来のように、シート本体をシート前後方向に移動させるスライド機構と、シート本体を昇降させる昇降機構とを個別に設ける必要がなくなる。また、4節リンク機構によりシート本体をシート前後方向に移動させ、さらに昇降させるため、機構が単純化して製造コスト低減を図ることができる。
また、シート本体が格納位置にある状態で、後側リンクが支持テーブルに対してシート後方向に傾斜しているため、後側リンクをシート前方向に倒伏させる場合にはシート本体の重力に抗して後側リンクを回動させる必要がある。したがって、シート本体を自重により安定的に格納位置(水平位置)に保持できる。
【0009】
請求項2の発明は、シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置であって、前記移動機構は、シート前後方向に配置されて、前記支持テーブルに対して上下回動可能に連結された前側リンクと後側リンクと、前記前側リンクと後側リンクとの回動自由端側をつなぐリンクで、前記シート本体を支持する支持リンクとを備えており、前記前側リンクと前記後側リンクとがシート前方に倒伏した状態で、前記前側リンクと前記後側リンクとの回動自由端側をつなぐ仮想直線は前側が低くなるように傾斜し、前記仮想直線より下側に前記前側リンクの回動中心が位置しており、前記シート本体が前記乗降位置にある状態では、前記支持リンクとシート前方向に倒伏した前記前側リンクと前記後側リンクとが側面視において一直線状になる
【0010】
請求項3の発明は、シート本体と、車室内で前記シート本体を支持する支持テーブルと、前記シート本体を前記支持テーブル上の格納位置と車両のドア開口部の乗降位置間で移動させる移動機構とを備える車両用シート装置であって、前記移動機構は、シート前後方向に配置されて、前記支持テーブルに対して上下回動可能に連結された前側リンクと後側リンクと、前記前側リンクと後側リンクとの回動自由端側をつなぐリンクで、前記シート本体を支持する支持リンクとを備えており、前記前側リンクと前記支持テーブルとの連結位置は、前記後側リンクと前記支持テーブルとの連結位置より低い位置にあり、前記前側リンクの長さ寸法が後側リンクの長さ寸法よりも大きい値に設定されており、前記シート本体が前記乗降位置にある状態では、前記支持リンクとシート前方向に倒伏した前記前側リンクと前記後側リンクとが側面視において一直線状になる
【0011】
請求項4の発明によると、支持テーブルは、水平回転可能に構成されて、格納位置にあるシート本体を車両前向きの着座位置と前記ドア開口部の方向を向く横向き位置間で回転させる。
【0013】
請求項5の発明によると、シート本体は、シートクッションとシートバックとを備え、前記シートクッションに対する前記シートバックの傾斜角度を変化させられるように構成されており、移動機構の前側リンクと後側リンクとを起立状態からシート前方向に倒伏するように回動させる際、前記シートバックが前記シートクッションに対して後方に倒れる方向に回動する。このため、シート本体が前傾の状態で乗降位置に保持される際に、シートバックが乗員の乗降の妨げにならない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、シート本体のスライドと昇降とを簡単な機構により実施できるため、製造コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態1に係る車両用シート装置においてシート本体が車両前向きの着座位置にある状態の模式斜視図である。
図2】前記車両用シート装置においてシート本体がドア開口部の乗降位置にある状態の模式側面図である。
図3】前記車両用シート装置の全体側面図である。
図4】前記車両用シート装置の動作側面図である。
図5】前記車両用シート装置の動作側面図である。
図6】前記車両用シート装置の4節リンク機構の分解斜視図である。
図7】前記車両用シート装置の4節リンク機構の側面図である。
図8】前記車両用シート装置の4節リンク機構の動作側面図である。
図9】前記車両用シート装置の4節リンク機構の動作側面図である。
図10】前記車両用シート装置の4節リンク機構における駆動装置の分解斜視図である。
図11】前記車両用シート装置の格納ストッパを表す側面図である。
図12】従来の車両用シート装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態1]
以下、図1図11に基づいて、本発明の実施形態1に係る車両用シート装置の説明を行なう。本実施形態に係る車両用シート装置は、図1等に示すように、乗用車Cの助手席等に使用されるシート装置である。ここで、図中に示す前後左右及び上下は、車両用シート装置10を備える乗用車Cの前後左右及び上下に対応している。また、図中のシート前後、シート左右は、車両用シート装置10のシート本体12における前後左右に対応している。
【0017】
<車両用シート装置10の概要について>
車両用シート装置10は、図1図2等に示すように、シート本体12と、そのシート本体12を車室内の着座位置とドア開口部Dの乗降位置間で移動させるシート移動装置200とから構成されている。シート本体12は、シートクッション14とシートバック16とを備えており、前記シートクッション14とシートバック16との連結位置にシートバック16の傾斜角度(リクライニング角度)を調整するリクライナ18が設けられている。シート移動装置200は、図3図5に示すように、車両フロアF上に設置された前後スライド機構20と、その前後スライド機構20の前後スライドベース21上に設置された回転機構30と、その回転機構30の回転テーブル35上に設置された4節リンク機構40とを備えている。そして、4節リンク機構40の支持リンク45等によってシート本体12が下方から支持されている。
【0018】
<前後スライド機構20について>
前後スライド機構20は、車室内でシート本体12を車両前後方向に移動させる機構である。前後スライド機構20は、図3等に示すように、車両フロアFの固定ベース23上で車両前後方向に延びる左右一対の固定側レール22と、左右一対の固定側レール22に沿って摺動する左右の摺動体22sとを備えている。そして、左右の摺動体22sが前後スライドベース21の下面に固定されている。また、固定ベース23と前後スライドベース21間には、固定ベース23に対して前後スライドベース21を前後スライドさせるための駆動部(図示省略)が設けられている。
【0019】
<回転機構30について>
回転機構30は、シート本体12を車両前向きの着座位置とドア開口部D側を向く横向き位置との間で約100°水平回転させる機構である。回転機構30は、図3等に示すように、前後スライドベース21上に固定された内輪31と、内輪31に対して回転可能に支持された外輪33と、外輪33上に固定された回転テーブル35とを備えている。そして、前後スライドベース21上に内輪31に対して外輪33を回転させる駆動部(図示省略)が設けられている。即ち、回転機構30は、回転テーブル35上の格納位置にあるシート本体12を車両前向きの着座位置とドア開口部D側を向く横向き位置間で水平回転させられるように構成されている。このように、前記回転テーブル35が本発明の支持テーブルに相当する。
【0020】
<4節リンク機構40について>
4節リンク機構40は、シート本体12を格納位置(前記横向き位置)とドア開口部Dの乗降位置間で移動させる機構であり、回転テーブル35の幅方向両側(シート左側と右側)とにそれぞれ設けられている。4節リンク機構40は、図3図5に示すように、シート本体12をシート前方向に移動させながら下降させ、さらにシート本体12を徐々に前傾させられるように構成されている。回転テーブル35上には、図6に示すように、幅方向両側(シート左右)にシート前側が低くシート後側高い山形の側壁部35wが設けられており、左右の側壁部35wが4節リンク機構40の固定リンクを構成している。
【0021】
そして、回転テーブル35における左右の側壁部35wのシート前端部35fには、前側リンク44の一端部44dが上下回動可能な状態で連結されている。また、左右の側壁部35wの後部位置の頂部35tには後側リンク43の一端部43dが上下回動可能な状態で連結されている。即ち、前側リンク44と回転テーブル35の側壁部35wとの連結位置は、後側リンク43と回転テーブル35の側壁部35wとの連結位置よりも低い位置にある。さらに、前側リンク44の長さ寸法は後側リンク43の長さ寸法よりも大きく設定されており、両リンク43,44が起立した状態で前側リンク44と後側リンク43との回動自由端側(他端部)はほぼ等しい高さになる。
【0022】
前側リンク44の他端部44u(回動自由端側)は、図6図7に示すように、支持リンク45の中央部45cに上下回動可能な状態で連結されており、後側リンク43の他端部43u(回動自由端側)が前記支持リンク45の後端部45bに上下回動可能な状態で連結されている。そして、図7に示すように、前側リンク44が回転テーブル35に対して直角に起立した状態で、後側リンク43が回転テーブル35に対して後方に傾斜した状態で起立し、支持リンク45が水平に保持される。左右の支持リンク45の後端部は、図6に示すように、後梁部46によって連結されており、これにより平面コ字形の架台が形成される。そして、平面コ字形に形成された左右の支持リンク45と後梁部46とによってシート本体12が下方から支持されている。
【0023】
<4節リンク機構40の駆動装置50について>
回転テーブル35上には、左右の4節リンク機構40の後側リンク43を同時に上下回動させる駆動装置50が設置されている。駆動装置50は、図10に示すように、回転テーブル35上を横断するように配置された直線状のドライブシャフト51を備えており、前記ドライブシャフト51の一端側と他端側とがそれぞれ左右の後側リンク43の係合溝43mと係合している。ドライブシャフト51は、補強ブラケット52によって補強されている。補強ブラケット52は、ドライブシャフト51と平行に設けられた補強板52bと、補強板52bとドライブシャフト51とを長さ方向において複数箇所で連結する連結板52cとから構成されている。
【0024】
また、駆動装置50は、軸心が水平になるように配置された円板部54と、その円板部54を軸心回りに回動させるモータ55、及び歯車機構56とからなる駆動源を備えている。円板部54には、円周方向における一箇所にU字形の切欠54cが形成されており、その切欠54cにドライブシャフト51の長さ方向における中央部が径方向から嵌合している。これにより、駆動装置50の駆動源のモータ55が回転すると、円板部54が軸心回りに回動し、水平に保持されたドライブシャフト51が円板部54の軸心を中心に円弧運動するようになる。ここで、円板部54の軸心と後側リンク43の一端部43d(回転中心43d)とは同軸に保持されている。
【0025】
駆動装置50のドライブシャフト51が係合する後側リンク43の係合溝43mは、図7に示すように、ドライブシャフト51が径方向から嵌め込まれるようにU字形の切欠状に形成されている。そして、係合溝43mは、後側リンク43の回動中心43dの近傍でその回動中心43dを通る直線に沿って形成されており、前記回動中心43dと反対側が開放されている。ここで、後側リンク43の幅寸法は、係合溝43mの深さ寸法を考慮して前側リンク44の幅寸法の約2倍程度に設定されている。
【0026】
そして、図7に示す状態から駆動装置50の円板部54が左回動すると、ドライブシャフト51が円板部54の軸心回りに左回動方向に円弧運動して後側リンク43を回動中心43d回りに左回動させる。これにより、図8に示すように、4節リンク機構40の前側リンク44と後側リンク43とが前方に徐々に倒伏し、支持リンク45及びシート本体12がシート前方向に移動しながら下降し、さらに徐々に前傾するようになる。そして、図9に示すように、4節リンク機構40の前側リンク44と後側リンク43とが支持リンク45とほぼ一直線になる位置まで倒伏した段階で、駆動装置50が停止し、4節リンク機構40の左回動が止められる。
【0027】
また、図9に示す状態から駆動装置50の円板部54が右回動すると、ドライブシャフト51が円板部54の軸心回りに右回動方向に円弧運動して後側リンク43を回動中心43d回りに右回動させる。これにより、図8に示すように、4節リンク機構40の前側リンク44と後側リンク43とが徐々に起立し、支持リンク45及びシート本体12がシート後方向に移動しながら上昇する。さらに、シート本体12は前傾の状態から徐々に水平状態まで戻るようになる。そして、図7に示すように、シート本体12が水平な横向き位置まで戻された状態で、図11に示すように、駆動装置50の補強ブラケット52の受け部Bが回転テーブル35の後壁部35sのストッパSに当接して、4節リンク機構40の右回動が止められる。また、シート本体12が水平な横向き位置(格納位置)まで戻された状態で、シートロック装置(図示省略)が動作し、シート本体12が回転テーブル35にロックされる。
【0028】
<車両用シート装置10の動作について>
次に、車両用シート装置10の動作について説明する。先ず、車室内の着座位置(図1参照)にあるシート本体12をドア開口部Dの乗降位置(図2参照)まで移動させる場合について説明する。ここで、シート本体12が車室内にある状態では、シート本体12は回転テーブル35の格納位置にあって、前記シートロック装置がロック状態に保持されている。また、図11に示すように、駆動装置50の補強ブラケット52の受け部Bが回転テーブル35の後壁部35sのストッパSに当接している。これにより、4節リンク機構40は、図7に示すように、前側リンク44が回転テーブル35に対して直角に起立した状態で、後側リンク43が回転テーブル35に対して後方に傾斜した状態で起立し、支持リンク45、及びシート本体12が水平に保持されている。
【0029】
この状態で、図1に示すように、乗用車Cのドア(図示省略)が開放され、降車スイッチ(図示省略)が操作されると、先ず、前後スライド機構20が動作して回転テーブル35及びシート本体12が回転位置まで車両前後方向にスライドする。次に、回転機構30が動作して回転テーブル35が水平回転し、シート本体12が車両前向きの着座位置からドア開口部D側を向いた横向き位置(図3参照)まで回転する。そして、この状態で、前記シートロック装置のロック状態が解除される。
【0030】
次に、4節リンク機構40の駆動装置50が駆動され、ドライブシャフト51が左回動方向に円弧運動して後側リンク43を回動中心43d回りに左回動させる。これにより、図4図5に示すように、4節リンク機構40の前側リンク44と後側リンク43とが前方に徐々に倒伏し、支持リンク45及びシート本体12がシート前方に移動しながら下降し、さらに徐々に前傾するようになる。そして、シート本体12の前傾に伴って、リクライナ18が動作してシートバック16がシートクッション14に対して後方に傾斜する。このようにして、図5に示すように、4節リンク機構40の前側リンク44と後側リンク43とが支持リンク45とほぼ一直線になる位置まで倒伏すると、駆動装置50が停止してシート本体12は乗降位置に保持される。
【0031】
ドア開口部Dの乗降位置にあるシート本体12を車室内の着座位置まで移動させる場合には、乗車スイッチ(図示省略)を操作する。これにより、図5の状態から駆動装置50のドライブシャフト51が右回動方向に円弧運動して後側リンク43を回動中心43d回りに右回動させる。これにより、図4等に示すように、4節リンク機構40の前側リンク44と後側リンク43とが徐々に起立し、支持リンク45及びシート本体12がシート後方に移動しながら上昇し、さらにシート本体12が前傾の状態から徐々に水平に戻される。そして、シート本体12が水平に戻されるのに伴って、リクライナ18が動作してシートバック16がシートクッション14に対して徐々に起立する。
【0032】
そして、図3に示すように、シート本体12が水平な横向き位置まで戻された状態で、図11に示すように、駆動装置50の補強ブラケット52の受け部Bが回転テーブル35の後壁部35sのストッパSに当接して、4節リンク機構40の右回動が止められる。また、シートロック装置(図示省略)が動作することで、シート本体12が回転テーブル35にロックされる。次に、回転機構30、及び前後スライド機構20が動作することでシート本体12が着座位置まで戻される。このように、前記4節リンク機構40が本発明の移動機構に相当する。
【0033】
<本実施形態に係る車両用シート装置10の長所について>
本実施形態に係る車両用シート装置10によると、前側リンク44と回転テーブル35との連結位置は後側リンク43と回転テーブル35との連結位置より低い位置にあり、前側リンク44の長さ寸法が後側リンク43の長さ寸法よりも大きい値に設定されている。このため、4節リンク機構40(移動機構)の前側リンク44と後側リンク43とが起立状態からシート前方向に倒伏するように回動すると、支持リンク45に支持されているシート本体12はシート前方向に移動しながら下降し、シート本体12の前側が低くなるように前傾する。そして、シート本体12は前傾の状態で乗降位置に保持される。また、倒伏している前側リンク44と後側リンク43とが起立するように回動すると、シート本体12はシート後方向に移動しながら上昇し、水平姿勢で横向き位置に戻される。即ち、前側リンク44、あるいは後側リンク43を回動させる駆動装置50により、シート本体12をシート前後方向に移動させ、さらに昇降させることができる。このため、従来のように、シート本体12をシート前後方向に移動させるスライド機構と、シート本体12を昇降させる昇降機構とを個別に設ける必要がなくなる。また、4節リンク機構40によりシート本体12をシート前後方向に移動させ、さらに昇降させるため、機構が簡単化して製造コスト低減を図ることができる。
【0034】
また、シート本体12が横向き位置にある状態では、前側リンク44が回転テーブル35に対して直立し、後側リンク43が回転テーブル35に対してシート後方向に傾斜した状態で起立して、支持リンク45が水平に保持されている。このように、後側リンク43が回転テーブル35に対してシート後方向に傾斜しているため、後側リンク43をシート前方向に倒伏させる場合にはシート本体12の重力に抗して後側リンク43を回動させる必要がある。したがって、シート本体12を自重により安定的に横向き位置(水平位置)に保持できる。また、シート本体12が前傾の状態で乗降位置に保持される際に、シートバック16がシートクッション14に対して後方に傾斜するため、シートバック16が乗員の乗降の妨げにならない。また、駆動装置50のドライブシャフト51により幅方向両側の後側リンク43を回動させる構成のため、一台の駆動源でバランス良く幅方向両側の後側リンク43を回動させられるようになる。
【0035】
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、駆動装置50としてドライブシャフトにより幅方向両側の後側リンク43を回動させる構成を例示したが、例えば、ドリブンギヤとピニオンと噛合作用により幅方向両側の後側リンク43を個別に回動させるようにすることも可能である。また、本実施形態では、後側リンク43を駆動装置50により回動させる例を示したが、前側リンク44を駆動装置50により回動させる構成でも可能である。
【符号の説明】
【0036】
10・・・車両用シート装置
12・・・シート本体
14・・・シートクッション
16・・・シートバック
18・・・リクライナ
35・・・回転テーブル(支持テーブル)
40・・・4節リンク機構(移動機構)
43・・・後側リンク
43m・・係合溝
44・・・前側リンク
45・・・支持リンク
50・・・駆動装置
51・・・ドライブシャフト
54・・・円板部
54c・・切欠
55・・・モータ(駆動源)
56・・・歯車機構(駆動源)
D・・・・ドア開口部
図1
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図12