(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判別することは、前記指示に基づいて、前記複数のチャネルにおける少なくとも一つのチャネルについての中心周波数およびチャネル帯域幅を決定することを含む、請求項1記載の方法。
前記指示は、複数の上りチャネル記述子であり、各上りチャネル記述子は前記複数のチャネルのうちあるチャネルに対応し、各上りチャネル識別子はその上りチャネル識別子に関連付けられたチャネルについての中心周波数と、そのチャネルについての通信プロトコルについてのシンボル・レートとを特定するデータを含む、請求項3記載の方法。
前記複数のチャネルの各チャネルについてのチャネル帯域幅は、対応するチャネルの上りチャネル記述子におけるシンボル・レートに基づいて決定される、請求項4記載の方法。
前記複数のチャネルの各チャネルについての動作周波数は、各チャネルについての中心周波数を、対応するチャネルについての決定されたチャネル帯域幅の半分に加算することによって決定される、請求項5記載の方法。
前記複数のチャネルのうち一つのチャネルについての、前記第二の周波数範囲のうち前記第一の周波数範囲よりも高い部分における周波数である周波数を使って信号を送信し、
前記第一の周波数範囲において受信される信号についての受け取り確認が受信されるかどうかを判定し、
前記受け取り確認が受信されないと判定される場合には前記第一のフィルタ構成に切り換え、
前記受け取り確認が受信されると判定される場合には前記第二のフィルタ構成に切り換えることをさらに含む、請求項9記載の方法。
前記プロセッサは、前記指示に基づいて、前記複数のチャネルにおける少なくとも一つのチャネルについての中心周波数およびチャネル帯域幅を決定する、請求項11記載の装置。
前記指示は、複数の上りチャネル記述子であり、各上りチャネル記述子は前記複数のチャネルのうちあるチャネルに対応し、各上りチャネル識別子はその上りチャネル識別子に関連付けられたチャネルについての中心周波数と、そのチャネルについての通信プロトコルについてのシンボル・レートとを特定するデータを含む、請求項13記載の装置。
前記プロセッサは、前記複数のチャネルの各チャネルについてのチャネル帯域幅を、対応するチャネルの上りチャネル記述子におけるシンボル・レートに基づいて決定する、請求項14記載の装置。
前記プロセッサは、前記複数のチャネルの各チャネルについての動作周波数を、対応するチャネルについての中心周波数を、対応するチャネルについての決定されたチャネル帯域幅の半分に加算することによって決定する、請求項15記載の装置。
前記周波数範囲の前記上り通信部分は、第一の周波数範囲または第二の周波数範囲に制限され、前記周波数範囲の前記下り通信部分は第三の周波数範囲または第四の周波数範囲に制限され、前記第二の周波数範囲は前記第一の周波数範囲を含み、かつ、前記第一の周波数範囲よりも高い上限周波数をもち、前記第三の周波数範囲は前記第一の周波数範囲より上であり、前記第四の周波数範囲は前記第三の周波数範囲より上であり、前記第一の低域通過フィルタは前記第一の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第一の高域通過フィルタは前記第三の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の低域通過フィルタは前記第二の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の高域通過フィルタは前記第四の周波数範囲の信号のみを通過させる、請求項18記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面に示される要素は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその組み合わせのさまざまな形で実装されうることは理解しておくべきである。好ましくは、これらの要素は、一つまたは複数の適切にプログラムされた汎用デバイス上におけるハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装される。該汎用デバイスは、プロセッサ、メモリおよび入出力インターフェースを含んでいてもよい。本願では、「結合された」という句は、直接接続されている、または一つまたは複数の中間構成要素を用いて間接的に接続されていることを意味するものと定義される。そのような中間構成要素は、ハードウェアおよびソフトウェアに基づく構成要素を両方含んでいてもよい。
【0011】
本稿は、本開示の原理を例解する。よって、当業者は、明示的に本稿で記載や図示されていないものの、本開示の原理を具現するものであり、その精神および範囲内に含まれるさまざまな構成を工夫できるであろうことは理解されるであろう。
【0012】
本稿に記載されるすべての例および条件付きの言辞は、本開示の原理および発明者によって当技術分野の発展のために寄与される概念の理解において読者を助ける教育目的を意図されており、そのような特定的に挙げられる例および条件に限定することなく解釈されるものとする。
【0013】
さらに、本稿において本開示の原理、側面および実施形態ならびにその具体例を記載するあらゆる陳述は、構造的および機能的な等価物の両方を包含することが意図されている。さらに、そのような等価物が現在知られている等価物および将来開発される等価物、すなわち構造に関わりなく同じ機能を実行する開発される任意の要素の両方を含むことが意図される。
【0014】
よって、当業者は、本稿で呈示されるブロック図が本開示の原理を具現する例示的なシステム・コンポーネントおよび/または回路の概念的な図を表わしていることを理解するであろう。同様に、あらゆるフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどがさまざまなプロセスを表わしており、かかるプロセスは実質的にコンピュータ可読媒体において表現されてもよく、よってコンピュータやプロセッサが明示的に示されているか否かによらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行されてもよいことも理解されるであろう。
【0015】
図面に示されるさまざまな要素の機能は、専用ハードウェアや適切なソフトウェアとの関連でソフトウェアを実行することのできるハードウェアの使用を通じて提供されてもよい。プロセッサによって提供されるとき、それらの機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有されるプロセッサによって、あるいは一部が共有されていてもよい複数の個別プロセッサによって提供されうる。さらに、用語「プロセッサ」「モジュール」または「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することのできるハードウェアのみを指すものと解釈されるべきではなく、暗黙的に、限定なしに、システムオンチップ(SoC)、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)および不揮発性記憶を含みうる。
【0016】
従来のものおよび/またはカスタムの、他のハードウェアも含まれてもよい。同様に、図面に示されるスイッチがあったとしても、それは単に概念的なものである。その機能はプログラム論理の動作を通じて、専用論理を通じて、プログラム制御と専用論理の相互作用を通じて、あるいはさらには手動で実行されてもよい。具体的な技法は、コンテキストからより個別に理解されるように実装者によって選択可能である。
【0017】
本願の実施形態では、指定された機能を実行する手段として表現または記載されたいかなる要素も、その機能を実行するいかなる仕方をも、たとえばa)その機能を実行する回路素子の組み合わせまたはb)任意の形の、したがってファームウェア、マイクロコードなどを含むソフトウェアを、当該機能を実行するためにそのソフトウェアを実行するための適切な回路と組み合わせたものを包含することが意図されている。そのような請求項によって定義される開示は、前記さまざまな記載される手段によって提供される機能性が請求項が求める仕方で組み合わされ、一緒にされるという事実にある。よって、これらの機能性を提供できる任意の手段が本願で示されている手段と等価であると見なされる。
【0018】
本開示は、信号通信デバイスにおいてフィルタ回路を制御するための装置および方法に向けられる。特に、実施形態は、DOCSIS準拠のケーブル・ネットワークにおいて使われるような、二つの異なる上り周波数範囲を使って動作できるケーブル・モデムまたはゲートウェイ・デバイスにおいて使われる上りフィルタの動作を単純化する実装を記載する。典型的なDOCSISネットワークはレガシーの5〜42MHzの上り周波数を使う可能性があり、あるいは新しい拡張された5〜85MHzの範囲(DOCSIS 3.1で実装される)を使う可能性がある。デバイスは通例、一方または他方の範囲をサポートするよう構成され、同じデバイスにおいて両方には対応しない。本願の実施形態は、デバイスまたはデバイス内のソフトウェアを入れ替えることなく、デバイスが、ネットワークが5〜42MHzの範囲で動作している場合には5〜42MHzで動作し、必要なときには5〜85MHzの範囲に切り換えることができるようにする、コスト効率のよい切り換え可能なダイプレクサー/トライプレクサー・フィルタ設計を使用する。さらに、実施形態は、信号通信デバイスのフィルタ回路におけるフィルタ構成の切り換えのための決定を含む制御機構を記述する。結果として、実装は、選択すべきフィルタ・オプションを自動検出し、デバイスとの通信の間に提供される標準的なメッセージを使って動作することができる。制御機構は、フロー制御およびネットワーク構成(たとえば、5〜42MHzまたは5〜85MHz)の経路を決定するために、ヘッドエンドまたはケーブル・モデム終端サーバー(CMTS)からの上りチャネル記述子(UCD: upstream channel descriptor)メッセージをさがす。受領されたUCDメッセージに依存して、デバイスは、使用されるべき周波数範囲を認識して、フィルタリング回路における適切なフィルタ経路および構成に切り替わることができる。
【0019】
本願の実施形態は、DOCSIS 3.1ネットワーク互換性に関して存在する上り周波数範囲問題への解決策であって、任意のDOCSISネットワーク互換通信デバイス・フロントエンド設計に簡単に統合できる低コストの、モジュラー式のアプローチを提供する。さらに、本制御機構は、フィルタ構成を変更するためにオペレーターまたは技師による介入を必要とせず、異なるフィルタ動作モードへの変更に関してユーザーおよびネットワーク・オペレーターにとって透明であり、ネットワーク・オペレーターが異なるフィルタ・オプションに切り換えることを望むときにデバイスを交換するための追加的なサービス・プロバイダー支援(たとえば「技師派遣」)を必要としない。本制御機構は、標準的なDOCSISメッセージ交換(たとえばUCD)のいくつかも、前記判定および自動検出のために利用する。
【0020】
実施形態は、DOCSISネットワークにおいて使われるゲートウェイ・デバイスの一部として動作する本開示を記述するが、他の実施形態は本開示の一つまたは複数の側面の教示に基づいて当業者によって容易に適応されることができる。たとえば、本開示は、アクセスポイント、ケーブル・モデムおよびセットトップボックスを含むがそれに限られない他のネットワーク接続されたデバイスにおけるものを含んでいてもよい。さらに、いくつかの修正により、本開示の諸側面は、異なる周波数範囲、二つより多くの周波数範囲をもつ代替的な通信ネットワーク上で動作するよう適応されてもよい。該代替的な通信ネットワークは、衛星ネットワーク、無線または地上波ネットワークおよびファイバーもしくはデジタル加入者線(DSL)ネットワークを含むがそれに限られない。
【0021】
図1に目を転じると、本開示の諸側面に基づくネットワーキング通信システム100についての典型的な構成のブロック図が示されている。例示的実施形態によれば、家庭ゲートウェイ101は高度なケーブル・ゲートウェイ、ケーブル・モデム、DSLモデムなどであり、サービス・プロバイダー110へのWANインターフェースを通じた広域ネットワーク(WAN)リンク125に結合されている。WANリンク125は、同軸ケーブル、光ファイバー・ケーブル、電話線または空中(たとえば無線または地上波)リンクを含むがそれに限られない可能な通信リンクのうちの任意の一つまたは複数でありうる。家庭ゲートウェイ101は、一つまたは複数の顧客敷地設備(CPE)デバイス180A〜Nを結合する家庭ネットワーク150にも、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)インターフェースを介して結合される。家庭ネットワーク150は好ましくは無線リンクを含むが、同軸ケーブルまたはイーサネットのような有線リンクを含んでいてもよい。CPEデバイス180A〜Nはたとえば、パーソナル・コンピュータ、ネットワーク・プリンター、デジタル・セットトップボックスおよび/またはオーディオ/ビジュアル・メディア・サーバーおよびプレーヤーを含んでいてもよい。
【0022】
サービス・プロバイダー110は、音声、データ、ビデオおよび/またはさまざまな高度なサービスのような一つまたは複数のサービスを、WANリンク125を通じて、家庭ゲートウェイ101および家庭ネットワーク150を通じてCPEデバイス180A〜Nに提供する。サービス・プロバイダー110は、動的ホスト構成プロトコル(DHCP: dynamic host configuration protocol)サーバー111およびDNSサーバー112のようなインターネット関係のサービスおよびサーバー構造を含んでいてもよく、他のサーバーおよびサービス(たとえばビデオオンデマンド、ニュース、天気)をも含んでいてもよい。これらのサーバーおよびサービスが、ハードウェアおよびソフトウェアの両方において物理的および/または仮想的に、共位置にあってもよく、あるいは広く分散していてもよいことが理解される。サービス・プロバイダー110はよく知られたプロトコル(たとえばDOCSIS)に従って通常の仕方で動作することが考えられている。例示的なケーブル用途では、サービス・プロバイダー110はたとえば、ケーブル・マルチプル・サービス・オペレーター(MSO)であってもよい。
【0023】
家庭ゲートウェイ101は、顧客の家庭の外部のWANリンク125と顧客の自宅に位置する家庭ネットワーク150との間のインターフェースのはたらきをする。家庭ゲートウェイ101はIPプロトコルにおけるパケットのような転送データ・パケットを、WANにおいて使われるフォーマットから家庭ネットワークまたはLANにおいて使われるフォーマットに変換する。家庭ゲートウェイ101は、WANと家庭ネットワーク上の一つまたは複数のデバイスとの間で、変換されたデータ・パケットを含むデータ・パケットをルーティングもする。家庭ゲートウェイ101は、有線ネットワーク接続(たとえばイーサネットまたは同軸ケーブル・マルチメディア連合(MoCa))および無線ネットワーク接続の両方のためのインターフェースを含んでいてもよい。家庭ゲートウェイ101は、WANと、アナログ電話、テレビ、コンピュータなどといった顧客の自宅で使われるCPEデバイス180A〜Nとの間での、データ、音声、ビデオおよびオーディオ通信を許容する。
【0024】
いくつかの構成では、家庭ゲートウェイ101が、何らかの通信様式で一緒に結合された二つの別個のデバイスに分割されていてもよいことが理解される。システムのWAN部分に接続された第一のデバイスは、ケーブル・モデムまたはネットワーク終端デバイス(NTD: network termination device)と称されてもよい。システムの家庭LAN部分に接続された第二のデバイスは、家庭ルーター、家庭サーバーまたは家庭ゲートウェイと称されてもよい。機能的には、後述するように、これら二つのデバイスは、家庭ゲートウェイ101と整合する仕方で動作する。
【0025】
図2は、本開示の諸側面に基づくゲートウェイ・システム200を示している。ゲートウェイ・システム200は、
図1に記載したネットワーキング通信システム100と同様の仕方で動作する。ゲートウェイ・システム200では、ネットワーク201はゲートウェイ202に結合される。ゲートウェイ202は有線電話203に接続される。ゲートウェイ202はコンピュータ205にも接続される。さらに、ゲートウェイ202は一つまたは複数のアンテナ206を使って無線インターフェースを通じてデバイス204A〜204Cとインターフェースをもつ。ゲートウェイ202は、前記一つまたは複数のアンテナ206を使ってコンピュータ205とインターフェースをもってもよい。
【0026】
特に、ゲートウェイ・システム200はケーブル・ネットワークの一部として動作し、パケット・データ・ケーブル・システムに、一つまたは複数の家庭ネットワークとインターフェースをもたせるはたらきをする。ゲートウェイ・システム200は、WANとして動作するネットワーク201と家庭ネットワーク(単数または複数)との間のインターフェースを提供するゲートウェイ202を含む。ゲートウェイ・システム200は、ゲートウェイ202を通じて接続されるときに家庭の電話として動作することができる有線のアナログ電話装置203をも含む。さらに、ゲートウェイ202は、複数の無線デバイス204A、204Bおよび204Cへの無線周波(RF)インターフェースを提供するはたらきもする。無線デバイス204A、204Bおよび204Cは、ゲートウェイ202上の一つまたは複数のアンテナ206を介して無線パケット送信を使って1.7GHzより上の周波数で動作するハンドヘルド・デバイスである。他の実施形態では、無線インターフェースをもつ他のデバイス、たとえばこれに限られないが、ルーター、タブレット、セットトップボックス、テレビジョンおよびメディアプレーヤーが使われてもよい。
【0027】
ゲートウェイ202に含まれる無線インターフェースは、Wi-Fi、すなわち電気電子技術者協会規格IEEE802.11または他の同様の無線通信プロトコルを含む一つまたは複数の無線フォーマットを受け入れてもよい。さらに、システム内の各アンテナは別個のトランシーバー回路に取り付けられてもよいことが理解される。
図2に示されるように、ゲートウェイ202は二つのアンテナを含む。デバイス204Aおよびコンピュータ205も二つのトランシーバー回路および二つのアンテナを含むが、デバイス204Bおよびデバイス204Cは一つだけの送信受信回路および一つのアンテナを含む。いくつかの代替的設計では、二つ以上のアンテナが単一のトランシーバー回路とともに含められて、該単一のトランシーバー回路によって使用されうることが可能であってもよい。
【0028】
動作では、ゲートウェイ202は、デバイス204A〜Cと、ネットワーク201を介して同定され、接続されるインターネット宛先との間で、インターネット・プロトコル(IP)サービス(たとえば、データ、音声、ビデオおよび/またはオーディオ)を提供する。ゲートウェイ202は、有線電話203とネットワーク201を通じてルーティングされる通話宛先との間で、IP音声サービスをも提供する。ゲートウェイ202はさらに、
図2に示されるような有線接続を介してまたは一つまたは複数のアンテナおよびトランシーバー回路を通じた無線接続を介して、ローカルなコンピュータ205への接続性を提供する。このように、コンピュータ205についての例示的インターフェースは、物理的に、ネットワーク201に接続するケーブル・モデムもしくはNTDと、家庭内の他のすべてのデバイスに接続する家庭ゲートウェイという二つのコンポーネントとして構成されてもよい。
【0029】
ゲートウェイ202はさらに、ネットワーク201を通じてヘッドエンドまたはCMTSとインターフェースをもつための通信フロントエンド回路を含む。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ202はさらに、同軸ケーブルを通じてMoCAプロトコルを使って家庭ネットワークまたはLANにおいて通信するための回路を含む。通信フロントエンド回路は、MoCAが含まれる場合、ダイプレクサー・フィルタまたはトライプレクサー・フィルタを含む。上り通信および下り通信信号(およびもし存在すればMoCA信号)を分離するためである。本開示に基づくダイプレクサー/トライプレクサー・フィルタの実装に関するさらなる詳細は後述する。さらに、本稿に記載される実施形態は主としてケーブル・システムにおいて使われ、特に、DOCSIS 3.1プロトコルを使うシステムにおいて使われる。本願の実施形態がケーブル/データ・プロトコルの将来の進展においても有用となる可能性が高い。よって、本開示は、データ・モデム機能を用いるゲートウェイにおいて主として使用されうるが、データ・モデム回路および機能もしくは他の任意の形の二通信機能を含む他の任意のネットワーク接続されるデバイス(たとえばケーブル・モデム、アクセスポイントなど)を含む他のデバイスも、本開示の諸側面を含みうる。
【0030】
図3に目を転じると、本開示の諸側面に基づく例示的なゲートウェイ・デバイス300のブロック図が示されている。ゲートウェイ・デバイス300は
図2に記載されるゲートウェイ202または
図1に記載される家庭ゲートウェイ101に対応しうる。ゲートウェイ・デバイス300では、入力信号はRF入力301に与えられる。RF入力301はネットワーク・インターフェース302に接続される。ネットワーク・インターフェース302は中央処理ユニット(CPU)304、たとえばプロセッサ、コントローラなどに接続される。CPU 304は電話D/Aインターフェース306、トランシーバー308、トランシーバー309、イーサネット・インターフェース310、システム・メモリ312およびユーザー・コントロール314に接続される。トランシーバー308はさらに、アンテナ320に接続される。トランシーバー309はさらに、アンテナ321に接続される。ゲートウェイ・デバイス300の完全な動作のために必要ないくつかのコンポーネントおよび相互接続は当業者によく知られていることが理解される。ゲートウェイ・デバイス300は、ケーブルまたはDSL通信ネットワークへのインターフェースとして動作することができてもよく、さらに、有線および無線の家庭ネットワークを通じて接続される一つまたは複数のデバイスへのインターフェースを提供することができてもよい。
【0031】
WAN上のケーブルまたはDSL信号のような信号は、RF入力301を通じてネットワーク・インターフェース302とインターフェースをもたされる。ネットワーク・インターフェース302は、WANに提供される信号に対するRF変調および送信機能と、WANから受信される信号に対する同調および復調機能を実行する回路類または一つもしくは複数の回路を含む。RF変調および復調機能は、ケーブルまたはDSLシステムのような通信システムにおいて一般的に使われているものと同じである。いくつかの実施形態ではネットワーク・インターフェース302はチューナーと称されることがあることを注意しておくことが重要である。かかるチューナーは、変調および送信回路および機能をも含んでいてもよいことになるが。
【0032】
CPU 304は復調されたケーブルまたはDSL信号を受け入れ、ネットワーク・インターフェース302への送達およびWANへの送信のためにゲートウェイ300においてデジタル的に処理 インターフェースする。
【0033】
システム・メモリ312は、CPU 304における処理およびIP機能をサポートし、プログラムおよびデータ情報のための記憶のはたらきもする。CPU 304からの処理されたおよび/または記憶されたデジタル・データは、イーサネット・インターフェース310との間の転送のために利用可能である。イーサネット・インターフェースは、典型的なレジスタード・ジャック(RJ: Registered Jack)型RJ-45物理インターフェース・コネクタまたは他の標準的なインターフェース・コネクタをサポートし、外部のローカル・コンピュータへの接続を許容してもよい。CPU 304からの処理されたおよび/または記憶されたデジタル・データは、インターフェース306におけるデジタルからアナログへの変換のためにも利用可能である。インターフェース306は、アナログ電話ハンドセットへの接続を許容する。典型的には、この物理的接続はRJ-11規格インターフェースを介して提供されるが、他のインターフェース規格が使われてもよい。CPU 304からの処理されたおよび/または記憶されたデジタル・データはさらに、トランシーバー308およびトランシーバー309との交換のために利用可能である。トランシーバー308およびトランシーバー309は、複数の動作およびネットワーク接続されたデバイスの両方を同時にサポートできる。CPU 304は、ユーザー・コントロール・インターフェース314を介して提供されるユーザー入力信号を受け取り、処理するようにも動作する。ユーザー・コントロール・インターフェース314は、ディスプレイおよび/またはハンドヘルド・リモコンおよび/もしくは他の型のユーザー入力装置のようなユーザー入力装置を含んでいてもよい。
【0034】
上記のように、ゲートウェイ・デバイス300は、NTDとして動作するよう構成されてもよい。この場合、CPU 304はイーサネット・インターフェース310およびシステム・メモリ312に接続するだけであってもよい。電話D/Aインターフェース306、トランシーバー308および/またはトランシーバー309は存在しなくても、あるいは使われなくてもよい。さらに、NTDは直接ユーザー・インターフェースを含まなくてもよく、よって、ユーザー・コントロール314を含まなくてもよい。さらに、NTDは、二つ以上のイーサネット・インターフェース310を含み、サポートしてもよく、それぞれのイーサネット・インターフェースを、コンテンツ・サービス・プロバイダー(単数または複数)とイーサネット・インターフェースに取り付けられた家庭ゲートウェイとの間の別個の仮想回路として動作させることができてもよい。これにより、それぞれのコンテンツ消費者のための別個のLANの生成が許容される。
【0035】
ネットワーク・インターフェース302は複数のフィルタを含むフィルタ回路を含んでいてもよい。フィルタ回路は、(たとえばDOCSISプロトコルの一部として)WANにおける上りおよび下り通信のために使われる周波数範囲ならびに家庭ネットワークにおいてMoCA通信のために使われる周波数範囲内の信号をフィルタリングまたは分離するために、一つまたは複数の低域通過フィルタおよび高域通過フィルタを含んでいてもよい。ネットワーク・インターフェース302内のフィルタリング回路は、一緒に結合された低域通過フィルタおよび高域通過フィルタを含み、二つの可能な上りネットワーク構成の少なくとも一方をサポートするようフィルタ回路の再構成を提供する切り換え機構を含む。ある実施形態では、フィルタ回路は、第一のネットワーク構成をサポートする第一の構成であって、該第一のネットワーク構成における上り通信は5〜42MHz周波数範囲で行なわれる、第一の構成と、第二のネットワーク構成をサポートする第二の構成であって、該第二のネットワーク構成における上り通信は5〜85MHz周波数範囲で行なわれる、第二の構成とにおいて構成されることができる。上記の周波数範囲は単に例示的であり、本開示のフィルタ回路は、異なる周波数範囲を含む他の既存のおよび/または将来の考えられているプロトコルを受け入れるために、多くの異なる上り通信周波数範囲の間の切り換えのために適応されることができることは理解される。フィルタ回路の一つの実施形態は、
図5との関係で後述する。
【0036】
さらに、CPU 304は、サービス・プロバイダー110によって現在用いられているネットワーク構成を判別するまたは自動検出するためにネットワーク・インターフェース302とインターフェースをもつ。CPU 304がサービス・プロバイダー110によって現在用いられているネットワーク構成を判別した後、CPU 304は、判別されたネットワーク構成に基づいてフィルタリング回路のフィルタリング応答を調整するために、ネットワーク・インターフェース302内のフィルタ回路についての異なるフィルタ構成の間で切り換えることができる。ネットワーク構成がCPU 304によって判別されるのは、上り周波数通信範囲において使われている上りチャネルの指標/指示を受信することによってであることができることは理解される。ここで、該指標は、ネットワークの下り通信部分で受信される。ある実施形態では、CPU 304は、サービス・プロバイダー110によって現在用いられているネットワーク構成を判別することを、下りチャネル上でサービス・プロバイダー110によって(WANリンク125またはネットワーク201を介して)CMTSから送信され、入力301およびネットワーク・インターフェース302を介してゲートウェイ300によって受信されるUCDを集めることによって行なう。これについてはのちに詳細に述べる。
【0037】
ゲートウェイ300が最初に電源投入されてブートアップ状態が初期化されるとき、ゲートウェイ300は、UCDを集めるために、最後に使われた下りチャネルに同調することが理解される。しかしながら、最後に使われたチャネルがない場合には、ゲートウェイ300は、UCDを送信している下りチャネルをゲートウェイ300がみつけるまでそれぞれの利用可能なチャネルに同調していく。それぞれの下りチャネルがすべてのUCDを送信することは理解される。さらに、送信されるUCDの総数は各UCDに含まれるデータの一部となる。このようにして、ゲートウェイ300が単一の下りチャネルに同調することによってすべてのUCDを受信できるとき、ゲートウェイ300は、それらのUCD内のデータによって送られるUCDの量を判別することができる。
【0038】
ネットワーク構成の判別が、デバイス(たとえばゲートウェイ300)の「レンジング(ranging)」が始まる前に行なわれることも理解される。レンジングは、ゲートウェイ300のようなゲートウェイまたはモデムがゲートウェイの最低送信電力(たとえばDOCSIS 2.0および1.xモデムについては1ミリボルトを基準としたデシベルで8デシベル(dBmV)であり、DOCSIS 3.0モデムについては典型的には23dBmV)でレンジ要求(RNG-REQ: Range-Request)を送ることを始めるプロセスである。ゲートウェイ300が200msec以内にレンジ応答(RNG-RSP: Range-Response)をCMTSからから受信しない場合には、ゲートウェイ300はその送信電力を3dB増して、RNG-REQを再送信する。レンジングの間、ゲートウェイ300は、RNG-RSPがゲートウェイ300によって受信されるまでその送信電力を増し続ける。
【0039】
切り換えを通じてネットワーク・インターフェース302内のフィルタ回路におけるフィルタ構成を設定するための前記決定(the determination)は、適正な時刻に実行される。切り換えを通じてフィルタ構成を設定するための前記判別が早く実行されすぎると、いくつかの可能なUCDが判別に含まれない可能性があり、よって可能性としては誤ったフィルタ構成がCPU 304によって選択される。切り換えるための前記判別が行なわれるのが遅すぎる(たとえばレンジングの間)場合には、いくつかの上りチャネル(たとえば42から65MHzまでの間の周波数範囲にあるもの)が適正に動作しないことがありうる。
【0040】
図4に目を転じると、ゲートウェイ300内のネットワーク・インターフェース302のような通信デバイスのネットワーク・インターフェース回路またはチューナーに含まれるフィルタ回路におけるフィルタ応答を調整するための方法400のフローチャートが本開示に従って示されている。初期に、ゲートウェイ300は、段階410において、ある周波数範囲の上り通信部分での上り通信のために使われる複数のチャネルの指示を含む下りチャネル上での信号を(入力301およびネットワーク・インターフェース302を介して)受信する。ある実施形態では、受信される指示は、(のちにより詳細に述べるように)CMTSからゲートウェイ300に送られる複数のUCDであるが、使われる上りチャネルの他の指示も本開示の範囲内であると考えられる。該指示を含む信号を受信した後、CPU 304は、段階420において、信号中の複数のチャネルによって使用される周波数についての最大または最高値を判別する。ある実施形態では、該周波数についての最高値は、(のちにより詳細に述べるように)そのチャネルについての通信プロトコルのチャネル帯域幅およびシンボル・レートに基づいて決定される。次いで、段階430において、CPU 304は、ネットワーク・インターフェース302のフィルタ回路におけるフィルタ応答を、判別された最高周波数に基づいて調整する。フィルタ回路がのちにより詳細に述べられることが理解される。
【0041】
ある実施形態では、フィルタ応答がCPU 304によって調整されるのは、上り通信のための第一の周波数範囲(たとえば約5〜42MHz)のために構成された第一のフィルタ構成と、上り通信のための第二の周波数範囲(たとえば約5〜85MHz)のために構成された第二のフィルタ構成との間で切り換えることによってである。このようにして、方法400は、二つ以上の異なるネットワーク構成に適応するゲートウェイ300のような通信デバイスとともに使われることができる。たとえば、あるネットワーク構成(たとえばDOCSISの以前のバージョン)は上り通信のために第一の周波数範囲を使うことがあり、別のネットワーク構成(たとえばDOCSIS 3.1)は上り通信のために、第一の周波数範囲を拡張した第二の周波数範囲を使うことがある。
【0042】
図5に目を転じると、DOCSISネットワークにおいて動作するゲートウェイ・デバイスにおける使用のための例示的なフィルタ回路500のブロック図が示されている。フィルタ回路500は典型的には、
図3に記載したネットワーク・インターフェース302のようなネットワーク・インターフェース回路の一部として使われてもよい。フィルタ回路500は、下り通信のためのチューナーおよび復調器ならびに上り通信のための送信器に結合された別個のコンポーネントであってもよい。フィルタ回路500はDOCSISネットワークにおいて使われるものとして記載されているが、他の実施形態では、回路500は、異なる上り周波数範囲をもつネットワーク構成を用いる他のネットワークにおける使用のために構成されていてもよい。
【0043】
フィルタ回路500では、フィルタ入力501は高域通過フィルタ(HPF)505に結合される。ここで、HPF 505は低域通過フィルタ(LPF)510に結合される。フィルタ入力501は入力301と同じであってもよいことが理解される。ある実施形態では、HPF 505およびLPF 510のためのフィルタ通過帯域の端の周波数は、それぞれ約1125MHzおよび1675MHzである。LPF 510はバラン515の入力に結合され、バラン515の他方の入力は大地に結合される。バラン515のそれぞれの出力は、ゲートウェイ300のようなデバイスにおいて使われるようなMoCA回路(図示せず)に結合される。高域通過フィルタ(HPF)505、低域通過フィルタ(LPF)510およびバラン515は、フィルタ入力501と追加的なMoCA処理回路(たとえばネットワーク・インターフェース302またはCPU 304内)との間のMoCA動作のためのフィルタリングされた信号経路を提供する。
【0044】
フィルタ入力501はLPF 520にも結合される。LPF 520は、MoCA信号とDOCSIS信号との間の信号分離を提供する。ある実施形態では、LPF 520のためのフィルタ通過帯域の端の周波数は1002MHzである。LPF 520は、たとえば単極双投スイッチのようなスイッチ525に結合される。スイッチ525は二つの切り換え可能な出力、出力526および出力527を含む。出力526は下り(DS: downstream)HPF 530および上り(US: upstream)LPF 535に結合される。出力527はUS LPF540およびDS HPF545に結合される。US LPF 535およびUS LPF 540の出力はスイッチ550の切り換え可能な入力に結合される。ここで、US LPF 535は入力551に結合され、US LPF 540は入力552に結合される。DS HPF 530およびDS HPF 545の出力はスイッチ555の切り換え可能な入力に結合される。ここで、DS HPF 530は入力556に結合され、DS HPF 545は入力557に結合される。スイッチ550および555は単極双投スイッチとして示されているが、他のスイッチング構成および/またはデバイスも本開示の範囲内であると考えられる。ゲートウェイ300において、スイッチ555の出力は、(たとえばネットワーク・インターフェース302またはCPU 304内の)追加的な下り回路のための接続点を提供し、スイッチ550の出力は、(たとえばネットワーク・インターフェース302またはCPU 304内の)追加的な上り回路のための接続点を提供する。
【0045】
スイッチ525、550および555のそれぞれは、スイッチに対する動作スイッチング制御を提供するために制御入力(図示せず)を含む。制御入力は、それらのスイッチのそれぞれの一つにまたは全部に提供される一つまたは複数の信号であってもよく、主制御ユニット(たとえばCPU 304)によって生成され、提供されてもよい。たとえば、CPU 304は、出力526を介してLPF 520をDS HPF 530およびUS LPF 535に結合する、あるいは出力527を介してLPF 520をUS LPF 540およびDS HPF 545に結合するよう、スイッチ525に一つまたは複数の信号を提供してもよい。CPU 304はさらに、入力551を介してUS LPF 535をゲートウェイ300内の上り回路に結合する、あるいは入力552を介してUS LPF 540をゲートウェイ300内の上り回路に結合するよう、スイッチ550に一つまたは複数の信号を提供してもよい。CPU 304はさらに、入力556を介してDS HPF 530をゲートウェイ300内の下り回路に結合する、あるいは入力557を介してDS HPF 545をゲートウェイ300内の下り回路に結合するよう、スイッチ555に一つまたは複数の信号を提供してもよい。
【0046】
DS HPF 530/US LPF 535のフィルタ構成(すなわち第一のフィルタ構成)およびUS LPF 540/DS HPF 545のフィルタ構成(すなわち第二のフィルタ構成)は、CPU 304が、二つの可能な上り通信周波数範囲の一方を受け入れるフィルタ構成に切り換えることを許容しつつ、共通の諸インターフェースにおいて一緒に接続されている諸フィルタ要素の間の最小限の相互作用をも保証する。たとえば、ある実施形態では、DS HPF 530/US LPF 535およびUS LPF 540/DS HPF 545のフィルタ構成は、上り通信のために5〜42MHz範囲を使う古いDOCSISプロトコル(すなわちDOCSIS 3.1より前のプロトコル)がWAN上のサービス・プロバイダー110によって使われている場合、CPU 304が、DS HPF 530/US LPF 535フィルタ構成に切り換えることを許容するよう構成される。DOCSISプロトコルを使うネットワークにおいて使うために意図されている実施形態では、US LPF 535およびDS HPF 530のためのフィルタ通過帯域の端の周波数はそれぞれ42MHzおよび54MHzであり、DS HPF 545およびUS LPF 540のためのフィルタ通過帯域の端の周波数はそれぞれ108MHzおよび85MHzであることは理解される。
【0047】
再び
図5を参照すると、CMTSによってWANを介してゲートウェイ300に送られ、ネットワーク・インターフェース302を介してCPU 304に提供されたUCDに基づいて、CPU 304が、上り通信が5〜42MHz周波数範囲で行なわれていると判別する場合、CPU 304は、LPF 520をDS HPF 530およびUS LPF 535にスイッチ525の出力526を介して結合するようスイッチ525に信号を提供することができる。さらに、CPU 304は、US LPF 535をスイッチ550の入力551を介してゲートウェイ300内の上り回路に結合するようスイッチ550に信号を提供することができ、CPU 304は、DS HPF 530をスイッチ555の入力556を介してゲートウェイ300内の下り回路に結合するようスイッチ555に信号を提供することができる。CPU 304によってスイッチ525、550および555に送られる信号は、信号がUS LPF 540およびDS HPF 545(すなわち第二のフィルタ構成)ではなくDS HPF 530およびUS LPF 535に提供される第一のフィルタ構成を与える。このようにして、入力501を介して受領され、LPF 520においてフィルタリングされた信号(すなわち、1002MHzより下の信号)はDS HPF 530およびUS LPF 535に提供される。DS HPF 530は54MHzより上の信号のみを通過させ、該54MHzより上の信号をスイッチ555の入力556を介してゲートウェイ300内の下り回路に提供する。US LPF 535は42MHzより下の信号のみを、スイッチ550の入力551を介してゲートウェイ300内の上り回路に通す。
【0048】
あるいはまた、CMTSによってWANを介してゲートウェイ300に送られ、ネットワーク・インターフェース302を介してCPU 304に提供されたUCDに基づいて、CPU 304が、上り通信が5〜85MHz周波数範囲で行なわれている(すなわち、DOCSIS 3.1プロトコルがサービス・プロバイダーによって使われている)と判別する場合、CPU 304は、LPF 520をUS LPF 540およびDS HPF 545にスイッチ525の出力527を介して結合するようスイッチ525に信号を提供することができる。さらに、CPU 304は、US LPF 540をスイッチ550の入力552を介してゲートウェイ300内の上り回路に結合するようスイッチ550に信号を提供することができ、CPU 304は、DS HPF 545をスイッチ555の入力557を介してゲートウェイ300内の下り回路に結合するようスイッチ555に信号を提供することができる。CPU 304によってスイッチ525、550および555に送られる信号は、信号がDS HP 530およびUP LPF 535(すなわち第一のフィルタ構成)ではなくUS LPF 540およびDS HPF 545に提供される第二のフィルタ構成につながる。このようにして、入力501を介して受領され、LPF 520においてフィルタリングされた信号(すなわち、1002MHzより下の信号)はUS LPF 540およびDS HPF 545に提供される。US LPF 540は85MHzより下の信号のみをスイッチ550の入力552を介してゲートウェイ300内の上り回路に通す。DS HPF 545は108MHzより上の信号のみを、スイッチ555の入力557を介してゲートウェイ300内の下り回路に通す。
【0049】
図6に目を転じると、ゲートウェイ300のような通信デバイスにおいてフィルタリング回路を制御するための方法600が、本開示に従って示されている。プロセス600における段階は、ゲートウェイ300における下り通信の初期化の間にCMTSによってWANを介してゲートウェイ300に送られるUCDを受信し、識別することに基づいて
図5におけるフィルタリング回路500を制御するための一つの実装を与える。
【0050】
初期に、段階602において、ゲートウェイ300のような通信デバイスが初期化され、ブートアップ・フェーズが始まる。ゲートウェイ300が初期化されるとき、ゲートウェイ300は、最後に使われた下り通信チャネル(あるいはまた、最後に使われた下り通信チャネルがない場合には、ゲートウェイ300によって見出される最初の有効な下り通信チャネル)に同調する。ゲートウェイ300がすでに稼働している間にネットワーク構成が変更された場合、ゲートウェイ300は再初期化されて、最後に使われた下り通信チャネル(あるいはまた、最後に使われた下り通信チャネルがない場合には、ゲートウェイ300によって見出される最初の有効な下り通信チャネル)に同調することが理解される。前述したように、CMTSは複数のUCDをWANを通じてゲートウェイ300に下り送信する。CMTSは各UCDを、CMTSによって選ばれるあらかじめ決定された時間間隔で送信する。たとえば、CMTSは2秒毎に一つのUCDを送ってもよい。各UCDは上り通信チャネルに対応し、そのUCDに関連付けられている上り通信チャネルに関する情報を含んでいる。CMTSは、使用されているネットワークに含まれているそれぞれの上り通信チャネルについてUCDを送る。すべてのUCDはすべての下り通信チャネル上で送信されることが理解される。
【0051】
ゲートウェイ302の初期化に際して、段階604において、ゲートウェイ300のネットワーク・インターフェース302は、(上記したように)有効な下り通信チャネルに同調し、同調された下り通信チャネル上でCMTSによって送られたUCDを受信する。受信されたUCDはCPU 304に与えられることが理解される。段階606では、CPU 304はUCDのすべてが受信されたかどうかを、UCD内のデータに基づいて判定する。ここで、先述したように、各UCDは、送られることになるUCDの総数を示すデータを含んでいる。段階606においてCPU 304がまだすべてのUCDが受信されていないと判定する場合、ゲートウェイ300は段階604においてUCDの収集を続ける。しかしながら、段階606においてCPU 304がすべてのUCDが受信されたと判定する場合には、段階608において、CPU 304は、それぞれの受信されたUCDに関連付けられた上りチャネルについての動作周波数を判別する。
【0052】
例示的なUCDに存在する情報の一部を下記に示す。
【0053】
DOCSIS規格のUCDメッセージ:
MMM型:UCD
上りチャネルID(HEX)=01
構成変更カウント=3
ミニ・スロット・サイズ=64
下りチャネルID(HEX)=0B
シンボル・レート=1(160000シンボル毎秒)
上り周波数=26750000Hz
。
【0054】
上記の例示的なUCD情報において見られるように、UCDは、そのUCDに関連付けられた上りチャネルのシンボル・レートおよび「上り周波数」を含む。ここで、UCD情報における「上り周波数」は、上りチャネルの中心周波数を表わす。ある実施形態では、CPU 304が上りチャネルに関連付けられたUCDを受信するとき、CPU 304は、そのUCDに関連付けられた上りチャネルの動作周波数を、上りチャネルの中心周波数およびチャネル帯域幅に基づいて、判別する。シンボル・レート情報は、UCDに関連付けられた上りチャネルについての動作の最大または最高周波数を決定するために、CPU 304によって使われてもよい。たとえば、5120メガシンボル毎秒(Msps)は6.4MHzのチャネル帯域幅を占める(上りについて25%の超過帯域幅)。160Kspsは200KHzチャネル帯域幅を占める。一般的な公式は、UCDに関連付けられている上りチャネルについてのUCDに見出されるシンボル・レートに、1.25を乗算して、上りチャネルについての占有されるチャネル帯域幅を得るというものである。ひとたび上りチャネル帯域幅が計算されたら、UCDに関連付けられた上りチャネルの動作周波数は、CPU 304によって、中心周波数に、占有されるチャネル帯域幅の半分を加算することによって計算されることができる。換言すれば、各チャネルについての動作周波数は次の公式によって決定される。
【0055】
動作周波数=(0.5)×(チャネル帯域幅)+(中心周波数)
ここで、チャネル帯域幅=(1.25)×(シンボル・レート)。
【0056】
段階608では、CPU 304は、それぞれの受信されたUCDに含まれるシンボル・レートおよび中心周波数を使って、上記の仕方でそれぞれの受信されたUCDに対応する上りチャネルの動作周波数を決定しうる。次いで、段階610では、CPU 304は、受信されたすべてのUCDの最高または最大動作周波数(すなわち、段階608で決定された最高の周波数)を決定してもよい。
【0057】
段階612では、CPU 304は、最高動作周波数が第一の値より大きいかどうかを判定してもよい。ある実施形態では、第一の値は42MHzである。段階612においてCPU 304が最高動作周波数が第一の値(たとえばある実施形態では42MHz)より大きくないと判定する場合には、CPU 304は、段階614において、ネットワーク・インターフェース302内のフィルタリング回路(
図5に示し、上記で述べた)を調整して、第一のフィルタ構成を達成してもよい。上記のように、第一のフィルタ構成が達成されるのは、CPU 304が、LPF 520をDS HPF 530およびUS LPF 535に(スイッチ525の出力526を介して)結合し、DS HPF 530を(スイッチ555の入力556を介して)ゲートウェイ300内の下り回路に、US LPF 535を(スイッチ550の入力551を介して)ゲートウェイ300内の上り回路に結合するようスイッチ525、550および555に信号を提供するときである。このようにして、54MHzより上の信号がゲートウェイ300内の上り回路に提供され、42MHzより下の信号が、より古いDOCISISプロトコル(すなわち、DOCISIS 3.1より前のプロトコル)と整合するゲートウェイ300内の下り回路に提供される。
【0058】
あるいはまた、段階612においてCPU 304が最高動作周波数が第一の値(たとえばある実施形態では42MHz)より大きいと判定する場合には、CPU 304は、段階616において、ネットワーク・インターフェース302内のフィルタリング回路を調整して、第二のフィルタ構成を達成してもよい。上記のように、第二のフィルタ構成が達成されるのは、CPU 304が、LPF 520をUS LPF 540およびDS HPF 545に(スイッチ525の出力527を介して)結合し、US LPF 540を(スイッチ550の入力552を介して)ゲートウェイ300内の上り回路に、DS HPF 545を(スイッチ555の入力557を介して)ゲートウェイ300内の下り回路に結合するようスイッチ525、550および555に信号を提供するときである。このようにして、85MHzより下の信号がゲートウェイ300内の上り回路に提供され、108MHzより上の信号が、DOCISIS 3.1プロトコルと整合するゲートウェイ300内の下り回路に提供される。
【0059】
CPU 304がチューナー302内のフィルタリング回路を調整して、段階614で第一のフィルタ構成を達成するか段階616で第二のフィルタ構成を達成するかした後、CPU 304は、段階618においてレンジング・フェーズ(前述)を開始してもよい。適正なフィルタ構成の解析および決定(段階508〜516)が、段階618においてレンジングを開始する前に、完了されることが理解される。
【0060】
CPU 304のようなコントローラにおいてプロセス600を実装するためのソフトウェア・コードの一部を下記に示す。
【0061】
【表1】
本開示の別の実施形態では、ネットワーク構成において使われている適正な上り通信周波数範囲を判別するために、フィルタ回路500および方法600とともに追加的な試験条件が使われることができることが理解される。追加的な試験条件は段階610と段階612の間に実装されてもよく、あるいは段階612と並列に実装されてもよいことが理解される。追加的な試験条件を実装するとき、CPU 304は上の(非レガシーの)上り帯域(すなわち42〜85MHzの周波数範囲)において(ネットワーク・インターフェース302を介して)CMTSにメッセージを送信する。その周波数範囲における上りチャネルがCMTSによって使われるかどうかを判定するためである。ある実施形態では、該メッセージは、前記上の帯域のチャネルにおいて送信される。次いで、CPU 304は、その上りチャネルが上り通信のために使われていることを示す、CMTSからの応答または受け取り確認を受信するのを待つ。CPU 304によって送られた前記メッセージを受け取り確認するCMTSからの応答を受信しないことは、その周波数における上りチャネルが、「利用可能」であるものの、CMTSによって使われていないことを示す。その周波数における上りチャネルを使わないことまたは受け取り確認しないことは、この周波数範囲における周波数が実は、周波数の下り部分の一部として機能しており、このチャネルで上り送信が実行されたらネットワーク通信との干渉が起こりうることの指標を提供しうる。CPU 304は、CPU 304によって送られたメッセージを受け取り確認する応答が受信されない場合、ネットワークにおける下り通信との潜在的な干渉を防止するために、第一のフィルタ構成を選択するよう構成される。さらに、CPU 304は、CPU 304によって送られたメッセージを受け取り確認する応答が受信される場合には、第二のフィルタ構成を選択するよう構成される。
【0062】
ある実施形態では、方法が提供される。本方法は、フィルタ回路におけるフィルタ応答を調整するために使われてもよい。本方法は、通信装置によって実装されてもよく、周波数範囲の上り通信部分において上り通信信号を送信するために使われる複数のチャネルの指示を含む信号を受領し、前記指示に基づいて前記複数のチャネルによって使われる周波数の最大値を判別し、通信デバイスにおいて前記上り通信信号を下り通信信号から分離するために使われるフィルタ回路におけるフィルタ応答を、前記判定された最大周波数に基づいて調整することを含む。
【0063】
もう一つの実施形態では、前記指示は、前記通信デバイスの初期化の間に前記周波数範囲の下り通信部分において受信される。
【0064】
さらなる実施形態では、前記判別することは、前記指示に基づいて、前記複数のチャネルにおける少なくとも一つのチャネルについての中心周波数およびチャネル帯域幅を決定することを含む。
【0065】
もう一つの実施形態では、前記指示は、複数の上りチャネル記述子であり、各上りチャネル記述子は前記複数のチャネルのうちあるチャネルに対応し、各上りチャネル識別子はその上りチャネル識別子に関連付けられたチャネルについての中心周波数と、そのチャネルについての通信プロトコルについてのシンボル・レートとを特定するデータを含む。
【0066】
さらなる実施形態では、前記複数のチャネルの各チャネルについてのチャネル帯域幅は、対応するチャネルの上りチャネル記述子におけるシンボル・レートに基づいて決定される。
【0067】
もう一つの実施形態では、チャネル帯域幅は、シンボル・レートに、上り超過帯域幅因子を乗算することによって決定される。たとえば、上り超過帯域幅因子は1.25に等しくてもよい。
【0068】
さらなる実施形態では、前記複数のチャネルの各チャネルについての動作周波数は、各チャネルについての中心周波数を、対応するチャネルについての決定されたチャネル帯域幅の半分に加算することによって決定される。
【0069】
もう一つの実施形態では、前記最大値は、前記複数のチャネルのチャネル全部についての最高の動作周波数を判別することによって決定される。
【0070】
さらなる実施形態では、提供される本方法はさらに、前記最大値が第一の値より大きいかどうかを判定することを含み、前記調整することは、前記最大値が前記第一の値より大きくない場合には第一のフィルタ構成に切り換え、前記最大値が第一の値より大きい場合には第二のフィルタ構成に切り換えることを含む。前記第一のフィルタ構成および前記第二のフィルタ構成は、周波数の異なる範囲をフィルタリングするよう動作し、前記第一のフィルタ構成は第一の高域通過フィルタおよび第一の低域通過フィルタを含み、前記第二のフィルタ構成は第二の高域通過フィルタおよび第二の低域通過フィルタを含む。
【0071】
もう一つの実施形態では、前記上り通信部分は、第一の周波数範囲または第二の周波数範囲に制限され、前記第二の周波数範囲は前記第一の周波数範囲を含み、かつ、前記第一の周波数範囲よりも高い上限周波数をもち、前記下り通信部分は第三の周波数範囲または第四の周波数範囲に制限され、前記第一の低域通過フィルタは前記第一の周波数範囲の信号のみを通過させ、第一の高域通過フィルタは前記第三の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の低域通過フィルタは前記第二の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の高域通過フィルタは前記第四の周波数範囲の信号のみを通過させる。
【0072】
さらなる実施形態では、提供される本方法はさらに、前記複数のチャネルのうち一つのチャネルについての、前記第二の周波数範囲のうち前記第一の周波数範囲よりも高い部分における周波数である周波数を使って信号を送信し、前記第一の周波数範囲において受信される信号について受け取り確認が受信されるかどうかを判定し、前記受け取り確認が受信されないと判定される場合には前記第一のフィルタ構成に切り換え、前記受け取り確認が受信されると判定される場合には前記第二のフィルタ構成に切り換えることを含む。
【0073】
ある実施形態では、ネットワークに結合されたネットワーク・インターフェースを含む装置が提供される。前記ネットワーク・インターフェースは、ある周波数範囲の上り通信部分において前記ネットワークと当該装置との間で通信される信号を、前記周波数範囲の下り通信部分において前記ネットワークと当該装置との間で通信される信号から分離するフィルタ回路を含み、前記ネットワーク・インターフェースはさらに、前記周波数範囲の前記下り通信部分において前記ネットワークを通じて通信される信号を受信し、前記信号は、周波数範囲の前記上り通信部分において上り通信信号を送信するために使われる複数のチャネルの指示を含み、当該装置はさらに、前記ネットワーク・インターフェースに結合された処理回路を含み、前記処理回路は、前記受信された信号における前記指示に基づいて前記周波数範囲の前記上り通信部分において前記複数のチャネルによって使われる周波数についての最大値を判別し、前記フィルタ回路におけるフィルタ応答を、前記判別された最大値に基づいて調整する。
【0074】
もう一つの実施形態では、前記指示は、当該装置の初期化の間に前記周波数範囲の下り通信部分において前記ネットワーク・インターフェースによって受信される。
【0075】
さらなる実施形態では、前記プロセッサは、前記指示に基づいて、前記複数のチャネルにおける少なくとも一つのチャネルについての中心周波数およびチャネル帯域幅を決定する。
【0076】
もう一つの実施形態では、前記指示は、複数の上りチャネル記述子であり、各上りチャネル記述子は前記複数のチャネルのうちあるチャネルに対応し、各上りチャネル識別子はその上りチャネル識別子に関連付けられたチャネルについての中心周波数と、そのチャネルについての通信プロトコルについてのシンボル・レートとを特定するデータを含む。
【0077】
さらなる実施形態では、前記プロセッサは、前記複数のチャネルの各チャネルについてのチャネル帯域幅を、対応するチャネルの上りチャネル記述子におけるシンボル・レートに基づいて決定する。
【0078】
もう一つの実施形態では、前記プロセッサは、チャネル帯域幅を、シンボル・レートを1.25倍することによって決定する。
【0079】
さらなる実施形態では、前記プロセッサは、前記複数のチャネルの各チャネルについての動作周波数を、対応するチャネルについての中心周波数を、対応するチャネルについての決定されたチャネル帯域幅の半分に加算することによって決定する。
【0080】
もう一つの実施形態では、前記プロセッサは、前記最大値を、前記複数のチャネルのチャネル全部についての最高の動作周波数を判別することによって決定する。
【0081】
さらなる実施形態では、提供される装置は、第一の高域通過フィルタおよび第一の低域通過フィルタを有する第一のフィルタ構成および第二の高域通過フィルタおよび第二の低域通過フィルタを有する第二のフィルタ構成を備えたフィルタを含む。前記プロセッサはさらに、前記フィルタ応答を調整することを、前記最大値が第一の値より大きいかどうかを判定し、前記最大値が第一の値より大きくない場合には第一のフィルタ構成に切り換え、前記最大値が第一の値より大きい場合には第二のフィルタ構成に切り換えることによって行なう。
【0082】
もう一つの実施形態では、前記周波数範囲の前記上り通信部分は、第一の周波数範囲または第二の周波数範囲に制限され、前記周波数範囲の前記下り通信部分は第三の周波数範囲または第四の周波数範囲に制限され、前記第二の周波数範囲は前記第一の周波数範囲を含み、かつ、前記第一の周波数範囲よりも高い上限周波数をもち、前記第三の周波数範囲は前記第一の周波数範囲より上であり、前記第四の周波数範囲は前記第三の周波数範囲より上であり、前記第一の低域通過フィルタは前記第一の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第一の高域通過フィルタは前記第三の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の低域通過フィルタは前記第二の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の高域通過フィルタは前記第四の周波数範囲の信号のみを通過させる。
【0083】
さらなる実施形態では、前記プロセッサは、前記複数のチャネルのうち一つのチャネルについての、前記第二の周波数範囲のうち前記第一の周波数範囲よりも高い部分における周波数である周波数を使って、前記ネットワーク・インターフェースを介して信号を送信し、前記第一の周波数範囲において受信される信号について受け取り確認が受信されるかどうかを判定し、前記受け取り確認が受信されないと判定される場合には前記第一のフィルタ構成に切り換え、前記受け取り確認が受信されると判定される場合には前記第二のフィルタ構成に切り換える。
【0084】
上記の記述において明示的に指示されている場合のほかは、図示および記述されるさまざまな事項は交換可能である、すなわちある実施形態に示される事項は別の実施形態に組み込まれてもよいことが理解される。
【0085】
本稿では本開示の教示を組み込む実施形態が詳細に示され、説明されているが、当業者は、やはりこれらの教示を組み込んでいる数多くの他の変形実施形態を容易に考案できる。信号通信デバイスにおいてフィルタ回路を制御するための方法および装置の好ましい実施形態を記述してきたが、上記の教示に照らして当業者によって修正および変更ができることを注意しておく。よって、開示される開示の具体的な実施形態において、付属の請求項に概説される開示の範囲内である変更がなされてもよいことが理解される。
いくつかの付記を記載しておく。
〔付記1〕
周波数範囲の上り通信部分において上り通信信号を送信するために使われる複数のチャネルの指示を含む信号を受信し(410);
前記指示に基づいて前記複数のチャネルによって使われるすべての周波数のうちの最大周波数値を判別し(420);
通信デバイスにおいて前記上り通信信号を下り通信信号から分離するために使われるフィルタ回路におけるフィルタ応答を、前記判別された最大周波数値に基づいて調整する(430)ことを含む、
方法。
〔付記2〕
前記指示は、前記周波数範囲の下り通信部分において受信される(604)、付記1記載の方法。
〔付記3〕
前記判別すること(420)は、前記指示に基づいて、前記複数のチャネルにおける少なくとも一つのチャネルについての中心周波数およびチャネル帯域幅を決定することを含む、付記1記載の方法。
〔付記4〕
前記指示は、複数の上りチャネル記述子であり、各上りチャネル記述子は前記複数のチャネルのうちあるチャネルに対応し、各上りチャネル識別子はその上りチャネル識別子に関連付けられたチャネルについての中心周波数と、そのチャネルについての通信プロトコルについてのシンボル・レートとを特定するデータを含む、付記3記載の方法。
〔付記5〕
前記複数のチャネルの各チャネルについてのチャネル帯域幅は、対応するチャネルの上りチャネル記述子におけるシンボル・レートに基づいて決定される、付記4記載の方法。
〔付記6〕
チャネル帯域幅は、シンボル・レートに、超過アップロード帯域幅因子を乗算することによって決定される、付記5記載の方法。
〔付記7〕
前記複数のチャネルの各チャネルについての動作周波数は、各チャネルについての中心周波数を、対応するチャネルについての決定されたチャネル帯域幅の半分に加算することによって決定される、付記5記載の方法。
〔付記8〕
前記最大値は、前記複数のチャネルのチャネル全部についての最高の動作周波数を判別する(610)ことによって決定される(420)、付記7記載の方法。
〔付記9〕
前記最大値が第一の値より大きいかどうかを判定する(612)ことをさらに含み、前記調整することは、前記最大値が前記第一の値より大きくない場合には第一のフィルタ構成に切り換え、前記最大値が第一の値より大きい場合には第二のフィルタ構成に切り換えることを含み、前記第一のフィルタ構成は第一の高域通過フィルタおよび第一の低域通過フィルタを含み、前記第二のフィルタ構成は第二の高域通過フィルタおよび第二の低域通過フィルタを含む、付記1記載の方法。
〔付記10〕
前記上り通信部分は、第一の周波数範囲または第二の周波数範囲に制限され、前記第二の周波数範囲は前記第一の周波数範囲を含み、かつ、前記第一の周波数範囲よりも高い上限周波数をもち、前記下り通信部分は第三の周波数範囲または第四の周波数範囲に制限され、前記第一の低域通過フィルタは前記第一の周波数範囲の信号のみを通過させ、第一の高域通過フィルタは前記第三の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の低域通過フィルタは前記第二の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の高域通過フィルタは前記第四の周波数範囲の信号のみを通過させる、付記9記載の方法。
〔付記11〕
前記複数のチャネルのうち一つのチャネルについての、前記第二の周波数範囲のうち前記第一の周波数範囲よりも高い部分における周波数である周波数を使って信号を送信し;
前記第一の周波数範囲において受信される信号についての受け取り確認が受信されるかどうかを判定し;
前記受け取り確認が受信されないと判定される場合には前記第一のフィルタ構成に切り換え;
前記受け取り確認が受信されると判定される場合には前記第二のフィルタ構成に切り換えることをさらに含む、
付記10記載の方法。
〔付記12〕
ネットワークに結合されたネットワーク・インターフェース(302)を有する装置(300)であって:
前記ネットワーク・インターフェース(302)は、ある周波数範囲の上り通信部分において前記ネットワークと当該装置との間で通信される信号を、前記周波数範囲の下り通信部分において前記ネットワークと当該装置との間で通信される信号から分離するフィルタ回路(500)を含み、前記ネットワーク・インターフェース(302)はさらに、周波数範囲の前記上り通信部分において上り通信信号を送信するために使われる複数のチャネルの指示を受信し;
当該装置はさらに、前記ネットワーク・インターフェース(302)に結合された処理回路(304)を有し、前記処理回路(304)は、前記受信された信号における前記指示に基づいて前記周波数範囲の前記上り通信部分において前記複数のチャネルによって使われるすべての周波数のうちの最大周波数値を判別し、前記フィルタ回路(500)におけるフィルタ応答を、前記判別された最大周波数値に基づいて調整する、
装置。
〔付記13〕
前記指示は、前記周波数範囲の前記下り通信部分において前記ネットワーク・インターフェース(302)によって受信される、付記12記載の装置。
〔付記14〕
前記プロセッサ(304)は、前記指示に基づいて、前記複数のチャネルにおける少なくとも一つのチャネルについての中心周波数およびチャネル帯域幅を決定する、付記12記載の装置。
〔付記15〕
前記指示は、複数の上りチャネル記述子であり、各上りチャネル記述子は前記複数のチャネルのうちあるチャネルに対応し、各上りチャネル識別子はその上りチャネル識別子に関連付けられたチャネルについての中心周波数と、そのチャネルについての通信プロトコルについてのシンボル・レートとを特定するデータを含む、付記14記載の装置。
〔付記16〕
前記プロセッサ(304)は、前記複数のチャネルの各チャネルについてのチャネル帯域幅を、対応するチャネルの上りチャネル記述子におけるシンボル・レートに基づいて決定する、付記15記載の装置。
〔付記17〕
前記プロセッサ(304)は、チャネル帯域幅を、シンボル・レートに超過アップロード帯域幅因子を乗算することによって決定する、付記16記載の装置。
〔付記18〕
前記プロセッサ(304)は、前記複数のチャネルの各チャネルについての動作周波数を、対応するチャネルについての中心周波数を、対応するチャネルについての決定されたチャネル帯域幅の半分に加算することによって決定する、付記16記載の装置。
〔付記19〕
前記プロセッサ(304)は、前記最大値を、前記複数のチャネルのチャネル全部についての最高の動作周波数を判別することによって決定する、付記18記載の装置。
〔付記20〕
前記フィルタ(500)は、第一の高域通過フィルタ(530)および第一の低域通過フィルタ(535)を有する第一のフィルタ構成および第二の高域通過フィルタ(540)および第二の低域通過フィルタ(545)を有する第二のフィルタ構成をさらに含み、前記プロセッサ(304)は、前記最大値が第一の値より大きいかどうかを判定し、前記最大値が第一の値より大きくない場合には第一のフィルタ構成に切り換え、前記最大値が第一の値より大きい場合には第二のフィルタ構成に切り換えることによって前記フィルタ応答を調整する、付記12記載の装置。
〔付記21〕
前記周波数範囲の前記上り通信部分は、第一の周波数範囲または第二の周波数範囲に制限され、前記周波数範囲の前記下り通信部分は第三の周波数範囲または第四の周波数範囲に制限され、前記第二の周波数範囲は前記第一の周波数範囲を含み、かつ、前記第一の周波数範囲よりも高い上限周波数をもち、前記第三の周波数範囲は前記第一の周波数範囲より上であり、前記第四の周波数範囲は前記第三の周波数範囲より上であり、前記第一の低域通過フィルタ(535)は前記第一の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第一の高域通過フィルタ(530)は前記第三の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の低域通過フィルタ(540)は前記第二の周波数範囲の信号のみを通過させ、前記第二の高域通過フィルタ(545)は前記第四の周波数範囲の信号のみを通過させる、付記20記載の装置。
〔付記22〕
前記プロセッサ(304)は:
前記複数のチャネルのうち一つのチャネルについての、前記第二の周波数範囲のうち前記第一の周波数範囲よりも高い部分における周波数である周波数を使って、前記ネットワーク・インターフェース(302)を介して信号を送信し;
前記第一の周波数範囲において受信される信号についての受け取り確認が受信されるかどうかを判定し;
前記受け取り確認が受信されないと判定される場合には前記第一のフィルタ構成に切り換え;
前記受け取り確認が受信されると判定される場合には前記第二のフィルタ構成に切り換える、
付記13記載の装置。