(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876987
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】飲料抽出用複合混合物、飲料抽出用複合混合物の製造方法及び飲料用添加剤保持粒子
(51)【国際特許分類】
A23F 5/14 20060101AFI20210517BHJP
A23F 5/24 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
A23F5/14
A23F5/24
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-210628(P2014-210628)
(22)【出願日】2014年10月15日
(65)【公開番号】特開2016-77197(P2016-77197A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】592242486
【氏名又は名称】関根珈琲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101605
【弁理士】
【氏名又は名称】盛田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】関根 明秀
(72)【発明者】
【氏名】関根 早希
【審査官】
小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−312319(JP,A)
【文献】
特開平06−098680(JP,A)
【文献】
特開2012−187059(JP,A)
【文献】
特開平07−274835(JP,A)
【文献】
特開昭61−067443(JP,A)
【文献】
特開2001−245593(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0217420(US,A1)
【文献】
特表2005−506071(JP,A)
【文献】
特開平07−155105(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/042235(WO,A1)
【文献】
特開2001−072773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 5/00 − 5/50
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分によって抽出される成分を含み、抽出液が飲用に供される飲料抽出粒子と、
上記飲料抽出粒子から抽出された抽出液に添加される添加剤成分が保持された添加剤保持粒子とを含み、
上記飲料抽出粒子と上記添加剤保持粒子とが所定の配合割合で混合されているとともに、
上記抽出液が抽出されると同時に、上記添加剤成分が上記抽出液に添加されるように構成された、飲料抽出用複合混合物であって、
上記飲料抽出粒子は、焙煎されるとともに、所定の粒度に粉砕された珈琲挽豆であり、
上記添加剤保持粒子は、焙煎されるとともに上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成され、連続気孔を有する珈琲挽豆であり、
上記添加剤成分が添加剤原料から得られる非水溶性油脂成分中に保持されているとともに、この非水溶性油脂成分を、そのまま上記連続気孔内に含浸保持させて構成されており、
上記油脂成分を上記連続気孔内に残留させた状態で、上記添加剤成分が上記抽出液に抽出されるように構成された、飲料抽出用複合混合物。
【請求項2】
上記非水溶性油脂成分は、原材料から得られる搾り油である、請求項1に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項3】
添加剤成分が抽出される添加剤原料を所定の粒度に粉砕した添加剤原料粉粒体を含む、請求項1又は請求項2に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項4】
上記添加剤保持粒子が、成分抽出後の珈琲挽豆である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項5】
上記添加剤保持粒子の外周部に、ペースト化した添加剤原料がコーティングされている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項6】
添加剤を保持する添加剤保持粒子の外周を覆う保護コーティング層を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項7】
上記添加剤成分は、ナッツ類から抽出された搾り油中に含まれる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項8】
上記添加剤原料粉粒体が、ナッツ類を粉砕して構成されている、請求項3に記載の飲料抽出用複合混合物。
【請求項9】
抽出液が飲用に供される飲料抽出用複合混合物の製造方法であって、
水分によって抽出される抽出液が飲用に供される飲料抽出粒子を準備する工程と、
上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度を備え、連続気孔を有する添加剤保持粒子を準備する工程と、
上記添加剤保持粒子の上記連続気孔中に、添加剤原料から得られるとともに添加剤成分を保持する非水溶性油脂成分を、そのまま上記連続気孔内に含浸保持させる添加剤成分保持工程と、
上記飲料抽出粒子と上記添加剤保持粒子とを所定割合で混合して、飲料抽出用複合混合物を得る混合工程とを含み、
上記飲料抽出粒子は、焙煎されるとともに、所定の粒度に粉砕された珈琲挽豆であり、
上記添加剤保持粒子は、焙煎されるとともに上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成され、連続気孔を有する珈琲挽豆である、飲料抽出用複合混合物の製造方法。
【請求項10】
抽出液が飲用に供される飲料抽出粒子に配合されるとともに、上記抽出液を抽出する際に抽出される添加剤成分が保持された飲料用添加剤保持粒子であって、
上記飲料抽出粒子は、焙煎されるとともに、所定の粒度に粉砕された珈琲挽豆であり、
上記添加剤保持粒子は、焙煎されるとともに上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成され、連続気孔を有する珈琲挽豆であり、
上記添加剤成分は、添加剤原料から得られる非水溶性油脂成分中に保持されているとともに、この非水溶性油脂成分が、そのまま上記連続気孔内に含浸保持された、飲料用添加剤保持粒子。
【請求項11】
上記飲料抽出粒子が焙煎された珈琲挽豆であり、
上記飲料用添加剤保持粒子は、珈琲抽出後の珈琲挽豆の空孔に、上記添加剤を充填保持させて構成されている、請求項10に記載の飲料用添加剤保持粒子。
【請求項12】
外周に添加剤成分を含む物質がコーティングされた、請求項10又は請求項11のいずれか1項に記載の飲料用添加剤保持粒子。
【請求項13】
外周に水分を作用させることにより、破壊又は消失する保護コーティング層を備える、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の飲料用添加剤保持粒子。
【請求項14】
飲料抽出用混合物から飲料を抽出する方法であって、
上記飲料抽出用混合物は、水分によって抽出される成分を含み、抽出液が飲用に供される飲料抽出粒子と、
上記飲料抽出粒子から抽出された抽出液に添加される添加剤成分が保持された添加剤保持粒子とを含み、
上記飲料抽出粒子は、焙煎されるとともに、所定の粒度に粉砕された珈琲挽豆であり、
上記添加剤保持粒子は、焙煎されるとともに上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成され、連続気孔を有する珈琲挽豆であり、
上記添加剤成分は、添加剤原料から得られる非水溶性油脂成分中に保持されているとともに、上記非水溶性油脂成分が、そのまま上記連続気孔内に含浸保持されており、
水分を作用させることにより、上記飲料抽出成分を上記水分中に抽出すると同時に、
上記油脂成分を上記添加剤保持粒子に保持した状態で、上記添加剤成分を上記水分中に抽出する、飲料抽出混合物から飲料を抽出する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、飲用抽出用複合混合物、飲料抽出用複合混合物の製造方法及び飲料用添加剤保持粒子に関する。詳しくは、珈琲
を抽出する際に、添加剤が同時に抽出されるように構成された、飲用抽出用複合混合物等に関する。
【0002】
珈琲や紅茶に種々のフレーバが添加されて飲用に供される。上記フレーバは、一般に食品の香り、味、食感等、口に入れた時に生じる感覚を付加する添加剤をいう。珈琲の場合、たとえば、ミルク、チョコレート、ココア、シナモン、カラメル、砂糖、蜂蜜等が添加剤として用いられることが多い。
【0003】
焙煎された挽豆から抽出された直後に飲用される珈琲の場合、珈琲抽出液に、液状や粉体状の上記添加剤を添加する場合が多い。一方、珈琲豆とフレーバ原材料(添加剤成分を含む原材料)とを混合した挽豆混合体から、フレーバ成分等を添加した珈琲抽出液を得る手法や、焙煎前後の珈琲豆に、フレーバ成分を含む溶液等をスプレイ等して保持させる手法が採用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−155868号公報
【特許文献2】特開2000−50800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
珈琲挽豆等の粉粒体に水や温湯を作用させて抽出した飲料に添加される添加剤は、液状、又は容易に溶解する粉状に加工できることが必要である。このため、添加剤成分を抽出することが困難なものや、液状化あるいは粉状化するのが困難なものは添加剤として使用することが困難であった。
【0006】
また、天然のフレーバ成分(添加剤成分)は、そのまま液状化あるいは粉状化することが困難な場合が多い。このため、乳化剤、調粘度、賦形剤等のフレーバ成分に関係ない加工用の添加剤が必要となる。ところが、これら加工用の添加剤によって、フレーバ成分の機能が低下したり、珈琲飲料の風味が損なわれることが多い。
【0007】
また、たとえば、香りに係るフレーバ成分は精製して抽出されたものが多く、添加料が極めて少量である。このため、水分等の増量剤や賦形剤が必要であり、しかもこれらの割合が非常に大きくなってしまう。また、増量剤等のフレーバ成分に関係のない添加剤を添加すると、珈琲自体の風味を大きく低下させる恐れがある。
【0008】
さらに、添加剤は、各々特性が異なる。たとえば、水溶性のものや、油脂状のものが存在する。特に、添加されるフレーバ成分が上記油脂中に保持されている場合が多い。水溶性の添加剤は珈琲抽出液に比較的容易に混合するが、油脂状の添加剤をそのまま珈琲抽出液等に添加すると、珈琲抽出液の表面に油分が浮遊して香味等のフレーバ成分を珈琲抽出液の全体に分散させるのが困難である。たとえば、アーモンド等のナッツ類では、搾り油中にフレーバ成分が含有されている場合が多いが、この搾り油を珈琲抽出液等に加えると、油脂が表面に浮遊して見栄えが悪くなるばかりでなく、香り成分がすぐに飛んでしまう。また、アーモンドの風味を、珈琲抽出液に均一に添加することは困難である。一方、フレーバ成分を含む油脂を精製してフレーバ成分のみを抽出することも考えられるが、油脂に含まれるフレーバ成分を十分に抽出するのは困難であり、また、上述したように増量剤や乳化剤等の添加剤が必要になる。
【0009】
一方、固体のフレーバ原材料を粉砕して珈琲挽豆等に混合し、飲料を抽出すると同時にフレーバ成分を抽出することも考えられる。しかしながら、珈琲挽豆等に直接混合できるフレーバ原材料は限られている。
【0010】
また、上記添加剤を保存したり、上記珈琲に添加する際に、別途保存容器等が必要になる。このため、取り扱いが面倒になる場合がある。また、複数の添加剤を添加する場合には、複数の容器が必要になる。
【0011】
本願発明は、上記課題を解決するために案出されたものであって、乳化剤や賦形剤等を用いることなく、種々の添加剤を必要量添加できるとともに、複数種類の添加剤を所望量配合して添加することもできる飲料抽出用複合混合物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、水分によって抽出される成分を含み、抽出液が飲用に供される飲料抽出粒子と、上記飲料抽出粒子から抽出された抽出液に添加される添加剤成分が保持された添加剤保持粒子とを含み、上記飲料抽出粒子と上記添加剤保持粒子とが所定の配合割合で混合されているとともに、上記抽出液が抽出されると同時に、上記添加剤成分が上記抽出液に添加されるように構成された、飲料抽出用複合混合物
に関するものである。本願発明では、上記飲料抽出粒子は、焙煎されるとともに、所定の粒度に粉砕された珈琲挽豆であり、上記添加剤保持粒子は、焙煎されるとともに上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成され、連続気孔を有する珈琲挽豆である。上記添加剤成分が添加剤原料から得られる非水溶性油脂成分中に保持されているとともに、この非水溶性油脂成分を、そのまま上記連続気孔内に含浸保持させて構成されており、上記油脂成分を上記連続気孔内に残留させた状態で、上記添加剤成分が上記抽出液に抽出されるように構成され
ている。
【0013】
添加剤保持粒子に添加剤を保持させ、飲料抽出液を抽出するのと同時に添加剤を抽出することにより、従来の抽出手法や器具等を変更することなく、飲料抽出液を抽出することが可能となる。また、添加剤を保存する容器等を別途必要とすることもなくなる。このため、添加剤を添加した飲料をより手軽に得ることができる。
【0014】
本願発明では、添加剤保持粒子が、珈琲挽豆等の飲料抽出粒子に均一に混合された状態で、飲料抽出液及び添加剤成分を抽出することができる。このため、飲料抽出液中に、添加剤成分を均一に分散させることが可能となる。特に、添加剤原料から搾った油脂中に香料等の添加剤成分が保持されているような場合、油分を添加剤保持粒子、飲料抽出粒子、あるいは紙フィルターに保持させた状態で、上記油分に含まれる上記添加剤成分(フレーバ成分)を抽出液に添加することが可能となる。このため、添加剤成分を含む油分が、抽出液の表面に浮遊するのを防止し、あるいは浮遊量を減少させることができる。しかも、上記油脂が保持された添加剤保持粒子が、飲料抽出粒子に均一に混合された状態で水分が作用させられるため、水分と接する油脂の表面積が非常に大きくなり、添加剤成分(フレーバ成分)を効率よく抽出することが可能となる。
【0015】
また、添加剤保持粒子を、飲料抽出粒子に混合して抽出するだけで、所望の添加剤を所望量添加した飲料抽出液を得ることができる。このため、好みに応じて複数種類の添加剤を配合した飲料を容易に得ることもできる。
【0016】
さらに、抽出時に用いられる水分(水、温湯、熱湯)によって、添加剤成分が飲料抽出液に直接添加される。このため、乳化剤、調粘剤、賦形剤等を用いることなく、添加剤を飲料抽出液に添加することが可能となる。したがって、飲料の風味を損ねる成分が混入することもない。また、添加剤の添加量がきわめて少量であっても、増量剤等を用いることなく、容易に添加することが可能となる。
【0017】
上記飲料抽出粒子
として、焙煎した珈琲挽豆
を採用することができる。また、上記飲料抽出粒子の粒度も特に限定されることはない。たとえば、珈琲の場合、パーコレータ、ネルドリップ、ペーパー、サイフォン、エスプレッソ、ターキッシュ等の、種々の抽出方法に対応した種々の粒度の珈琲挽豆に適用することができる。また、ストレート珈琲のみならず、複数種類の挽豆を用いたブレンド珈琲の挽豆に本願発明を適用できる。
【0018】
上記添加剤保持粒子
として、抽出時に、珈琲挽豆等の飲料抽出粒子から抽出される抽出液の品質を低下させる成分が浸出したり、逆に、添加剤成分(フレーバ成分)が吸着されたりしない材料から添加剤保持粒子を形成するのが望ましい。なお、抽出液の品質を低下させることのない成分が浸出することは許容される。
【0019】
上記添加剤保持粒子の粒度及び形態は、特に限定されることはない。上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成されるのが好ましい。添加剤保持粒子の直径が、飲料抽出粒子の平均直径となるように構成することができる。さらに、添加剤保持粒子の直径やその分布が、上記飲料抽出粒子と同等になるように構成するのが好ましい。飲料抽出粒子と同じ粒度で形成することにより、抽出液を抽出する水分を上記飲料抽出粒子に作用するのと同様に、上記添加剤保持粒子に作用させることが可能となる。このため、抽出手法や手順等を変更することなく、抽出液を抽出することができる。
【0020】
上記添加剤保持粒子
の外周部に添加剤成分又は添加剤成分を含む物質をコーティングすることにより、添加剤を保持させること
もできる
。
【0021】
添加剤保持粒子を採用することにより、添加剤を安定的に保持できるとともに、飲料抽出液を抽出するのと同様に添加剤を抽出することができる。特に、多孔質状の添加剤保持粒子を採用することにより、孔内に多量の添加剤を保持することが可能となる。
【0022】
また、添加剤保持粒子に、非水溶性の油脂成分からなる添加剤をそのまま保持させることができるため、調粘剤、賦形剤、増量剤等用いる必要がない。このため、飲料抽出液の風味等を阻害することなく、添加剤を添加することが可能となる。また、添加剤保持粒子の配合割合を調節することにより、抽出液に対する添加剤の添加量を容易に調節することができる。さらに、少量あるいは微量の添加剤を抽出液に添加することも容易になる。しかも、上記非水溶性油脂成分を、熱等を加えることなくそのまま保持させることができるため、添加剤成分の一部が消失したり、変質することはない。
【0023】
さらに、添加剤保持粒子を、飲料抽出粒子に均一に混合させた状態で飲料及び添加剤を同時に抽出できるため、添加剤を抽出液に均一に分散させた状態で添加することが可能となる。また、油脂状の添加剤成分であっても、乳化剤を用いることなくフレーバ成分を抽出液に均一に添加することが可能となる。
【0024】
上記添加剤保持粒子
として、焙煎されるとともに上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度で形成され、連続気孔を有する珈琲挽豆を採用できる。添加剤保持粒子の空孔率は特に限定されることはないが、15〜80%のものを採用するのが好ましい。
【0025】
飲料抽出粒子として珈琲挽豆を利用する場合、上記添加剤保持粒子として、成分抽出後の珈琲挽豆、又は成分抽出前の珈琲挽豆を採用することができる。焙煎後の珈琲挽豆は、比較的大きな空孔率(15〜80%)を有する連続気孔を有する多孔質体である。さらに、珈琲成分抽出後の珈琲挽豆は、さらに気孔率が大きくなる。このため、これら珈琲挽豆粒子の空孔に添加剤成分を保持させることができる。しかも、飲料抽出に用いる飲料抽出粒子と同じ種類の珈琲挽豆を添加剤保持粒子として利用することにより、抽出液の風味を低下させる成分が浸出する恐れも少なくなる。また、抽出後の珈琲挽豆を利用することにより、これまで廃棄されていた資源の再利用を図ることにもなる。
【0026】
添加剤の種類は抽出される飲料に応じて選択することができる。また、上記添加剤成分が添加剤原料から得られる非水溶性油脂成分に保持されるものであれば、他の添加剤成分を加えることもできる。たとえば、珈琲の場合、アーモンド等のナッツフレーバ成分、あるいは果実類のフレーバ成分を含む添加剤に加えて、ミルク、砂糖や蜂蜜等の糖分等を添加できる。また、紅茶の場合、ミルク成分、糖分、レモンやハーブ成分を含む添加剤を採用できる。上記添加剤の形態も特に限定されることはない。たとえば、天然原料から抽出した添加剤をそのまま利用できる。また、そのまま抽出飲料に添加できなかった添加剤を採用することもできる。たとえば、ナッツ類から得られる搾り油を、上記添加剤保持粒子に保持させ、油分を上記添加剤保持粒子に保持させた状態で、すなわち、油分が抽出液に流出するのを防止し、あるいは流出する量を減少させながら、油分中の添加剤成分(フレーバ成分)を飲料抽出液に添加することも可能となる。
【0027】
上記添加剤保持粒子の外周部に、ペースト化した添加剤原料をコーティング等して保持させることができる。たとえば、ナッツ類を細かく粉砕すると、油成分が多いためペースト化される場合が多い。このような油脂成分が多い添加剤を、抽出された後の飲料抽出液にそのまま添加すると、粉体粒子が油脂分とともに抽出液表面に浮くため見栄えが悪く、また、油脂中の添加剤成分(フレーバ成分)を飲料抽出液に分散させることが困難な場合がある。上記添加剤保持粒子にペースト化した添加剤原料を保持させることにより、固形成分と油脂成分からなる添加剤と、と水分との接触面積が大きくなり、ペーストを構成する固形成分や油脂中の添加剤成分(フレーバ成分)を効率よく抽出液に添加することが可能となる。また、固形成分や油脂を上記添加剤保持粒子に保持させた状態で、添加剤成分(フレーバ成分)を抽出液に添加することも可能となる。このため、飲料抽出液の表面に油脂等が浮くことなく、目的とする添加剤成分(フレーバ成分)を飲料抽出液に添加することも可能となる。また、油脂に含まれない添加剤成分(フレーバ成分)を抽出液に添加することも可能となり、これまでにない風味の飲料を提供することが可能となる。
【0028】
また、種々の添加剤成分をマイクロカプセル化した後に、上記添加剤保持粒子に保持させることもできる。マイクロカプセル化した添加剤を添加剤保持粒子に保持させることにより保存性を高めることができる。マイクロカプセルを構成するカプセル材料を、上記添加剤保持粒子に保持させた状態で温水等が作用させて破壊できるように構成することにより、上記カプセル材料を抽出液に混合しないように構成することも可能となる。上記マイクロカプセルとして、食品用に提供されている種々の材料を採用することができる。
【0029】
さらに、添加剤を保持させた添加剤保持粒子の外周を覆う保護コーティング層を設けることもできる。上記保護コーティング層を設けることにより、添加剤の変質や揮散を効果的に防止することが可能となり、保存性が高まる。また、上記保護コーティング層を構成する材料を、水分で破壊されることにより添加剤が放出されるとともに、上記添加剤や飲料抽出粒子を漉すフィルターによって飲料中に混合することを防止することもできる。
【0030】
添加剤を保持させた添加剤保持粒子に加えて、添加剤成分が抽出される添加剤原料を所定の粒度に粉砕した添加剤原料粉粒体を含むように構成することもできる。たとえば、添加剤原料から抽出された添加剤や精製された添加剤では、微妙な風味を引き出すことができない添加剤成分(フレーバ成分)を添加する場合に効果的である。たとえば、アーモンド等のナッツフレーバは、添加剤成分を完全に抽出して添加剤を形成するが困難である。一方、固体状の粒子のみから必要な量のフレーバ成分を飲料に添加するのは困難である。このようなフレーバ成分を添加する場合、上記添加剤原料粉粒体と、添加剤原料から抽出した添加剤を保持させた上記添加剤保持粒子とを組み合わせるのが効果的である。
【0031】
本願発明に係る飲料抽出用複合混合物は、水分によって抽出される抽出液が飲用に供される飲料抽出粒子を準備する工程と、上記飲料抽出粒子とほぼ同じ粒度を備え、連続気孔を有する添加剤保持粒子を準備する工程と上記添加剤保持粒子の上記連続気孔中に、添加剤原料から得られるとともに添加剤成分を保持する非水溶性油脂成分を、そのまま上記連続気孔内に含浸保持させる添加剤成分保持工程と、上記飲料抽出粒子と上記添加剤保持粒子とを所定割合で混合して、飲料抽出用複合混合物を得る混合工程とを含んで製造される。
【0032】
上記飲料抽出粒子を準備する工程は、飲料の種類に応じて種々の工程が行われる。たとえば、珈琲の場合、焙煎工程、粉砕工程等が含まれる。また、紅茶では、乾燥工程、醗酵工程等が含まれる。
【0033】
上記添加剤保持粒子を準備する工程は、添加剤保持粒子の製造工程等を含んで構成される。天然材料から形成される添加剤保持粒子の場合、乾燥工程や、エキスを抽出して多孔質化する工程等が含まれる。
【0034】
添加剤成分保持工程として、種々の工程を採用することができる。液状の添加剤を保持させる場合、含浸工程やコーティング工程を採用することができる。また、香り成分等の場合、蒸着工程を採用することもできる。また、保持量を増加させるため、添加剤成分保持工程に減圧工程を含ませることもできる。
【0035】
さらに、上記添加剤を保持させた添加剤保持粒子の外周に保護層を設ける保護層形成工程を含ませることもできる。
【発明の効果】
【0036】
種々の添加剤を、賦形剤や増量剤を用いることなく飲料抽出液に添加することができるとともに、従来の抽出手法や器具を変更することなく、飲料を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本願発明に係る飲料抽出用複合混合物から飲料を抽出している状態を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る飲料抽出用複合混合物の状態を模式的に示す拡大図である。
【
図3】第2の実施形態に係る飲料抽出用複合混合物の状態を模式的に示す拡大図である。
【
図4】第3の実施形態に係る飲料抽出用複合混合物の状態を模式的に示す拡大図である。
【
図5】本願発明に係る飲料抽出用複合混合物の製造方法の概要を示すフローチャートである。
【
図6】珈琲飲料抽出用複合混合物に本願発明を適用した場合の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本願発明に係る実施形態を図に基づいて説明する。
【0039】
図1は、紙フィルターとドリッパを用いて珈琲を抽出する場合に本願発明を適用したものである。
【0040】
円錐台形状の凹部を有するドリッパ2をサーバ4上に載置し、上記ドリッパ2内に紙フィルター3をセットするとともに、紙フィルター3内に珈琲挽豆を所要人数分入れる。上記ドリッパ2の上方から、ポット12を用いて熱湯11を注ぐことにより、サーバ4内に珈琲抽出液10が抽出される。
【0041】
図2に示すように、本実施形態では、従来の珈琲挽豆5に添加剤保持粒子6を所定の割合で混合した珈琲抽出用複合混合物1を用いることにより、添加剤を添加した珈琲抽出液10を得るようにしている。
【0042】
上記珈琲挽豆5は、焙煎された珈琲豆を所定の粒度に粉砕して得られる。上記珈琲挽豆5の粒度は特に限定されることはない。珈琲豆の種類、抽出方法、使用器具に応じて種々の粒度のものを採用することができる。たとえば、本実施形態のような紙フィルターを用いて抽出する場合、粒子径が0.5〜1.0mm程度の珈琲挽豆が用いられる。なお、珈琲挽豆についてのJIS規格は存在しないが、米国商務省が推薦する珈琲メッシュ粒度規格が存在する。
【0043】
上記珈琲挽豆5の種類も特に限定されることはない。1種類の挽豆から構成されるストレート珈琲用の挽豆や、複数種類の挽豆を配合して構成されるブレンド珈琲用の挽豆を採用することができる。
【0044】
上記添加剤保持粒子6は、連続気孔を有する多孔質体から形成される
。本実施形態では、添加剤としてアーモンド油を使用するとともに、上記添加剤保持粒子として、珈琲挽豆粒子を利用している。珈琲挽豆は焙煎されているため、水分等の揮発成分が除去された多孔質体である。このため、多孔質の空孔内に種々の添加剤を保持させることができる。また、珈琲成分を抽出した後の珈琲挽豆は気孔率が大きくなり、より多量の添加剤成分を保持させることができる。なお、上記珈琲挽豆として、15〜80%の空孔率を有するものを採用するのが好ましい。上記空孔率は、焙煎度合等に応じて調節することができる。なお、吸着能力が低い活性炭等の多孔質粒子を採用することもできる。
【0045】
本実施形態で用いる添加剤としてのアーモンド油は、たとえば、焙煎したアーモンド豆を搾ることにより得ることができる。珈琲に風味を付加する添加剤成分(アーモンドフレーバ)は、上記アーモンド油中に含まれる成分である。従来、上記アーモンド油等から精製されたエッセンス成分を溶剤に含ませたフレーバエッセンスが提供されている。しかし、アーモンドの微妙な風味を珈琲に添加することはできなかった。アーモンド油を珈琲に直接添加することもできるが、油分が珈琲抽出液の表面に浮遊するため見栄えが悪く、また、フレーバ成分を珈琲抽出液中に分散させることは困難であった。
【0046】
上記アーモンド油は焙煎された珈琲豆の表面特性と相性がよく、焙煎した珈琲豆をアーモンド油に浸漬することにより、容易に珈琲豆内の空孔に充填することができる。また、珈琲成分を抽出した後に乾燥させた珈琲挽豆を用いることにより、より多量のアーモンド油を充填することができる。
図2に示すように、添加剤7としてのアーモンド油は、添加剤保持粒子6としての珈琲挽豆中の空孔7に保持される。さらに、上記アーモンド油に加えてバター等を添加剤として添加することもできる。アーモンド油とバターは相性が良く、より風味のよい珈琲飲料を得ることができる。たとえば、アーモンド油とバターとを2:1の配合割合(質量割合)で混合した添加剤を採用することができる。
【0047】
アーモンド油を充填した珈琲豆を粉砕することにより得られる添加剤保持粒子6を、珈琲挽豆5に所定量配合する。配合割合は特に限定されることはないが、珈琲飲料抽出用複合混合物の全体の5容量%〜25容量%混合するのが好ましい。なお、上記配合割合は、上記添加剤保持粒子に保持させることができる添加剤の量に応じて変更することができる。
【0048】
図1に示す珈琲飲料抽出用複合混合物1に、ポット12から温水を注ぐと、上記珈琲挽豆5から珈琲エキスが抽出されるとともに、上記添加剤保持粒子6に保持されたアーモンド油の添加剤成分(フレーバ成分)が抽出される。
【0049】
図1及び
図2に示すように、上記珈琲挽豆5と上記添加剤保持粒子6は、上記ドリッパ2内で均一に混合されているため、上記珈琲挽豆5から抽出される珈琲成分と、上記添加剤保持粒子6に保持された添加剤成分(フレーバ成分)とが同時に抽出されるとともに、添加剤成分(フレーバ成分)が均一に添加された珈琲抽出液10を得ることができる。なお、アーモンド油から抽出される添加剤成分は、香り成分と味覚成分を含むものである。
【0050】
しかも、上記アーモンド油のフレーバ成分以外の油脂成分の多くは、抽出後の上記添加剤保持粒子6内に保持され、あるいは紙フィルター3によって濾過される。このため、抽出液10の表面に油脂成分が浮遊することは少なく、アーモンド油のフレーバ成分を効率よく、珈琲抽出液10に添加することが可能となる。
【0051】
図3に本願発明の第2の実施形態に係る珈琲飲料抽出用複合混合物1を示す。本実施形態では、上記アーモンド油を充填した添加剤保持粒子6の外周に、アーモンドペーストからなるコーティング層8を設けている。
【0052】
上記アーモンドペーストは、上記アーモンド豆を微粒子化することにより得ることができる。アーモンドフレーバは、複雑な組成から構成されているため、すべてのフレーバ成分を、アーモンド油に含ませた状態で抽出することが困難な場合がある。上記ペーストはアーモンド豆の固形成分を含むため、これまで添加するのが困難であったアーモンドのフレーバ成分を珈琲抽出液に添加することが可能となった。しかも、ポット12から注がれる水分(熱湯)が均一に添加物保持粒子の表面に作用するため、コーティング層8との接触面積が非常に大きくなり、アーモンドフレーバを効率よく抽出液に抽出することができる。なお、アーモンドペーストの粘度等を調節するとともに風味を向上させるため、バターを添加することもできる。
【0053】
さらに、
図4に示す実施形態では、アーモンド豆を所定の粒度に粉砕して構成される添加剤原料粉粒体9を、珈琲飲料抽出用複合混合物1に所定量混合している。
【0054】
上記添加剤保持粒子にコーティングされるペーストは、アーモンド中の油脂成分によってペースト化されているため、上記添加剤保持粒子6の外周にコーティングできる量が限られる。また、油脂成分によって固形成分が囲まれてしまうため、珈琲抽出液に添加できるフレーバ成分が少なくなる。上記添加剤原料粉粒体9は、比較的大きな粒状であるため、上記アーモンド油、上記アーモンドペーストから珈琲抽出液に添加することが困難なフレーバ成分を珈琲抽出液に添加することが可能となる。上記添加剤原料粉粒体9の粒度も特に限定されることはない。添加剤原料の種類形態に応じて粒度を設定できる。アーモンド豆等のナッツ類を採用した場合、1mm〜3mmの粒径に粉砕したものを採用するのが好ましい。粒径が1mm未満では、油分が抽出されて粒子表面を覆うため、固形状態で抽出できるフレーバ成分の抽出量が少なくなる。一方、3mmを越えると、粒子内部のフレーバ成分を抽出するのが困難になる。
【0055】
図5に、本実施形態に係る飲料抽出用複合混合物の製造方法の概要を示す。上述した飲料抽出用複合混合物1は、飲料抽出粒子準備工程S1と、添加剤保持粒子準備工程S2と、添加剤成分保持工程S3と、これら飲料抽出粒子と上記添加剤保持粒子とを所定の配合割合で混合する混合工程とを含んで製造される。
【0056】
図6に、上記飲料抽出用複合混合物1の製造方法を珈琲飲料抽出用複合混合物に適用した場合の製造工程の概要をフローチャートで示す。
【0057】
珈琲豆は、珈琲豆焙煎工程S21において加熱ローストされる。焙煎程度は、珈琲豆の種類や飲用者の嗜好、抽出手法に応じて設定することができる。
【0058】
上記珈琲豆焙煎工程S21を終えた珈琲豆は、一部が粉砕工程S26において、所定の粒度に粉砕されて珈琲エキスが抽出される珈琲飲料抽出粒子として用いられる。本実施形態では、
図5に示す添加剤成分保持工程S3として、残りの一部の珈琲豆にアーモンド油を含浸させるアーモンド油含浸工程S25が行われる。上記アーモンド油含浸工程S25は、焙煎した珈琲豆をアーモンド油に浸漬することにより行うことができる。上記アーモンド油含浸工程S25において、上記珈琲挽豆1Kgグラムに対して20〜80gのアーモンド油を含浸させるのが好ましい。粘度を調節して珈琲豆にアーモンド油が含浸されやすくするとともに、風味を向上させる目的でバターを10〜40g配合することもできる。
【0059】
上記アーモンド油は、アーモンド豆を焙煎する焙煎工程S23と、焙煎されたアーモンド豆からアーモンド油を搾るアーモンド油抽出工程S24を行うことにより得ることができる。上記アーモンド油を得る工程は上記工程に限定されることはなく、種々の手法を用いて行うことができる。
【0060】
アーモンド油を含浸させた珈琲豆は、粉砕工程S27において上記珈琲飲料抽出粒子と同じ粒度に粉砕されて、添加剤保持粒子として用いられる。
【0061】
上記添加剤保持粒子としての珈琲豆を利用する場合、予め珈琲エキス抽出工程S22において珈琲エキスを抽出しておくことができる。珈琲豆から珈琲エキスを取り除くことにより、空孔率の大きな多孔質体を得ることができる。上記珈琲エキス抽出工程S22は、水分や種々の溶剤を用いて行うことができる。なお、上記珈琲エキス抽出工程S22及び上記アーモンド油含浸工程S25を、粉砕工程S27の後に行うこともできる。
【0062】
本実施形態では、添加剤としてアーモンド油を含浸させた添加剤保持粒子の外周に、アーモンドペーストをコーティングする添加剤コーティング工程S29が行われる。上記アーモンドペーストは、上記アーモンド焙煎工程において得られた焙煎アーモンド豆を、0.05〜0.5mmの粒子径に粉砕することにより得ることができる。
【0063】
上記添加剤コーティング工程S29は、アーモンドペーストと上記添加剤保持粒子とを所定の温度で混合した後、冷却することにより行うことができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、上記珈琲飲料抽出粒子と上記添加剤保持粒子に加え、アーモンド原料粉末を配合する。上記アーモンド原料粉末は、上記アーモンド焙煎工程23で得られた焙煎アーモンド豆をアーモンド原料粉砕工程S30において粉砕することにより得ることができる。アーモンド原料粉末の粒子径は、0.5〜3mmに設定するのが好ましい。
【0065】
上記各工程において得られた珈琲飲料抽出粒子、添加剤保持粒子及びアーモンド原料粉末が、混合工程S31において所定の配合割合で配合される。これにより、珈琲飲料抽出用複合混合物S32が形成される。
【0066】
本願発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
乳化剤や賦形剤等を用いることなく、種々の添加剤を必要量添加できるとともに、複数種類の添加剤を所望量配合して添加することもできる飲料抽出用複合混合物を提供できる。
【符号の説明】
【0068】
1 飲料抽出用複合混合物
2 ドリッパ
3 紙フィルタ
4 サーバ
5 飲料抽出粒子(珈琲挽豆)
6 添加剤保持粒子
7 空孔(添加剤)
8 コーティング層
9 添加剤原料粉粒体
10 珈琲抽出液
11 熱湯
12 ポット
26 添加剤保持粒子
28 添加剤層
29 保護コーティング層