特許第6877002号(P6877002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 任天堂株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社ハル研究所の特許一覧

特許6877002情報処理システムおよび情報処理プログラム
<>
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000002
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000003
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000004
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000005
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000006
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000007
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000008
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000009
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000010
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000011
  • 特許6877002-情報処理システムおよび情報処理プログラム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6877002
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20210517BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210517BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20210517BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20210517BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20210517BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20210517BHJP
【FI】
   G06Q30/02 322
   G06Q50/10
   A63F13/69
   A63F13/792
   A63F13/30
   A63F13/822
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-219488(P2016-219488)
(22)【出願日】2016年11月10日
(65)【公開番号】特開2018-77699(P2018-77699A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391041718
【氏名又は名称】株式会社ハル研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】東藤 由実
(72)【発明者】
【氏名】大西 洋
【審査官】 菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−162889(JP,A)
【文献】 特開2009−213735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に基づいて所定の情報処理を行う情報処理システムであって、
前記ユーザによる購入に応じて、第1の仮想アイテムを、当該ユーザに付与する第1仮想アイテム付与部と、
第2の仮想アイテムを、所定の付与ルールに基づいて無料で前記ユーザに付与する第2仮想アイテム付与部と、
前記第1の仮想アイテムに関する購入情報に応じて、前記付与ルールを変更する無料付与ルール設定部とを備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記第1の仮想アイテムは、前記第2の仮想アイテムと同種である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の仮想アイテムおよび前記第2の仮想アイテムは、ともに仮想通貨、ゲーム内アイテム、仮想オブジェクト、および電子クーポンの何れかである、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記購入情報は、付与された前記第1の仮想アイテムの種類、数量、購入額、購入頻度、購入期間、購入回数、および購入時期の少なくとも何れかに関する情報である、請求項1乃至3の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記購入情報は、付与された前記第1の仮想アイテムの数量、購入額、購入頻度、購入期間、および購入回数の少なくとも何れかに関する情報であり、
前記無料付与ルール設定部は、前記購入情報が少なくとも1つの閾値に到達することに応じて、前記付与ルールを変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記無料付与ルール設定部は、前記購入情報が新たな前記閾値に到達するまでの間、設定している前記付与ルールを当該設定前の付与ルールには戻さず、当該新たな閾値に到達した場合に当該設定している付与ルールを変更する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記付与ルールは、前記第2の仮想アイテムをユーザに付与する条件とユーザに付与する前記第2の仮想アイテムの付与数、付与価値、または種類との組み合わせであり、
前記無料付与ルール設定部は、前記購入情報に応じて、前記条件、前記付与数、前記付与価値、および前記種類の少なくとも何れかを変更することによって、前記付与ルールを設定する、請求項1乃至4の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2仮想アイテム付与部は、前記第2の仮想アイテムをユーザに付与する条件が満たされる前に利用不可状態の前記第2の仮想アイテムをユーザに付与する前に表示し、当該表示後に当該条件が満たされた場合に前記第2の仮想アイテムを利用可能状態に変更する、請求項1乃至7の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理システムは、サーバと当該サーバと接続可能なクライアント装置とを含み、
前記サーバは、ユーザの購入操作に応じて、前記購入情報を設定する購入処理部を、少なくとも含み、
前記クライアント装置は、前記第2仮想アイテム付与部を、少なくとも含む、請求項1乃至8の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記付与ルールを変更するために必要となる、前記第1の仮想アイテムの購入または付与に関する購入条件を、ユーザに通知する通知部を、さらに備える、請求項1乃至9の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2仮想アイテム付与部は、所定の操作があった場合に、前記第2の仮想アイテムをユーザに付与し、
前記通知部は、前記操作があった場合に、前記購入条件をユーザに通知する、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記無料付与ルール設定部は、ユーザに付与する毎の前記第2の仮想アイテムの数量が加速度的に増えるように、前記付与ルールを変更して設定する、請求項1乃至11の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第1仮想アイテム付与部は、ユーザの前記第1の仮想アイテムの購入に上限を設ける、請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記第1の仮想アイテムは、前記第2の仮想アイテムと同じである、請求項1乃至13の何れか1つに記載の情報処理システム。
【請求項15】
ユーザの操作に基づいて所定の情報処理を行う情報処理装置に含まれるコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ユーザによる購入に応じて、第1の仮想アイテムを、当該ユーザに付与する第1仮想アイテム付与ステップと、
第2の仮想アイテムを、所定の付与ルールに基づいて無料でユーザに付与する第2仮想アイテム付与ステップと、
前記第1の仮想アイテムに関する購入情報に応じて、前記付与ルールを変更する無料付与ルール設定ステップとを実行させる、情報処理プログラム。
【請求項16】
ユーザの操作に基づいて所定の情報処理を行う情報処理システムであって、
前記ユーザによる購入を処理する購入処理部と、
前記購入処理部からユーザによる購入情報を取得する購入情報取得部と、
所定の無料特典付与ルールに基づいて、前記ユーザに所定の特典を付与する特典付与部と、
前記購入情報に応じて、前記無料特典付与ルールを変更する無料特典付与ルール設定部を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理プログラムに関し、特に例えば、ユーザの購入操作に基づいた処理を行う情報処理システムおよび情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間等の仮想世界において使用できるゲーム内通貨をユーザに付与する仕組みが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、上記特許文献1で開示されたサーバは、ゲーム進行度に応じた特典を端末装置のユーザに付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−188650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、有料アイテムを購入するゲーム等のシステムにおいて、当該有料アイテムを購入する金額が過大となってしまう可能性があり、ユーザが安心して有料アイテムの購入を利用しづらいという問題がある。しかしながら、上記特許文献1ではそういった問題は特段考慮されておらず、特許文献1のサーバは、端末装置のユーザがプレイするゲームの進行度やプレイ頻度に応じて特典を増減させているものの、特典はユーザによる有料アイテムの購入とは関連性が無い。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、ユーザの購入と特典とを結びつけることによって、ユーザの購入を加減することが可能となる情報処理システムおよび情報処理プログラムを提供することである。本発明の別の目的は、ユーザが安心して購入を行うことができる情報処理システムおよび情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は例えば以下のような構成を採用し得る。なお、特許請求の範囲の記載を解釈する際に、特許請求の範囲の記載によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解され、特許請求の範囲の記載と本欄の記載とが矛盾する場合には、特許請求の範囲の記載が優先する。
【0007】
本発明の情報処理システムの一構成例は、ユーザの操作に基づいて所定の情報処理を行う。情報処理システムは、第1仮想アイテム付与部、第2仮想アイテム付与部、および無料付与ルール設定部を備える。第1仮想アイテム付与部は、ユーザによる購入に応じて、第1の仮想アイテムを、当該ユーザに付与する。第2仮想アイテム付与部は、第2の仮想アイテムを、所定の付与ルールに基づいて無料でユーザに付与する。無料付与ルール設定部は、第1の仮想アイテムに関する購入情報に応じて、付与ルールを変更する。
【0008】
上記によれば、ユーザが第1の仮想アイテムを取得するために購入を行った場合、第2の仮想アイテムが無料で付与されるための付与ルールが変更されるため、ユーザによる購入を加減することができる。
【0009】
また、上記第1の仮想アイテムは、第2の仮想アイテムと同種でもよい。
【0010】
上記によれば、ユーザが第1の仮想アイテムを取得するために購入を行った場合、同種の仮想アイテムが無料で付与されるための付与ルールが変更されるため、当該仮想アイテムを取得したいユーザによる購入を抑制することができる。
【0011】
また、上記第1の仮想アイテムおよび第2の仮想アイテムは、ともに仮想世界で用いられる仮想通貨、ゲーム内アイテム、仮想オブジェクト、および電子クーポンの何れかでもよい。
【0012】
上記によれば、ユーザが仮想通貨、ゲーム内アイテム、仮想オブジェクト、および電子クーポンの何れか1つを取得するために購入を行った場合、同種の仮想アイテムが無料で付与されるための付与ルールが変更されるため、当該仮想アイテムを取得したいユーザによる購入を抑制することができる。
【0013】
また、上記購入情報は、付与された第1の仮想アイテムの種類、数量、購入額、購入頻度、購入期間、購入回数、および購入時期の少なくとも何れかに関する情報でもよい。
【0014】
上記によれば、購入した第1の仮想アイテムの種類または数量や購入額、購入頻度、購入期間、購入回数、または購入時期に応じて、仮想アイテムを無料で付与するための付与ルールを変更することができ、様々な購入状況に応じた付与ルールを設定することができる。
【0015】
また、上記購入情報は、付与された第1の仮想アイテムの数量、購入額、購入頻度、購入期間、および購入回数の少なくとも何れかに関する情報である。この場合、上記無料付与ルール設定部は、購入情報が少なくとも1つの閾値に到達することに応じて、付与ルールを変更してもよい。
【0016】
上記によれば、段階的な購入状況に応じて、付与ルールを変更することができる。
【0017】
また、上記無料付与ルール設定部は、購入情報が新たな閾値に到達するまでの間、設定している付与ルールを当該設定前の付与ルールには戻さず、当該新たな閾値に到達した場合に当該設定している付与ルールを変更してもよい。
【0018】
上記によれば、第1の仮想アイテムを取得するための購入を新たに行わない限り、付与ルールが変更されないため、ユーザは、一旦設定された付与ルールを容易に確保することができる。
【0019】
また、上記付与ルールは、第2の仮想アイテムをユーザに付与する条件とユーザに付与する第2の仮想アイテムの付与数、付与価値、または種類との組み合わせでもよい。この場合、上記無料付与ルール設定部は、購入情報に応じて、条件、付与数、付与価値、および種類の少なくとも何れかを変更することによって、付与ルールを設定してもよい。
【0020】
上記によれば、購入状況に応じて、無料で第2の仮想アイテムを付与する条件、付与数、付与価値、または種類を設定することができる。
【0021】
また、上記第2仮想アイテム付与部は、第2の仮想アイテムをユーザに付与する条件が満たされる前に利用不可状態の第2の仮想アイテムをユーザに付与し、当該付与後に当該条件が満たされた場合に第2の仮想アイテムを利用可能状態に変更してもよい。
【0022】
上記によれば、付与される予定の第2の仮想アイテムの内容についてユーザが把握することができる。
【0023】
また、上記情報処理システムは、サーバと当該サーバと接続可能なクライアント装置とを含んでもよい。サーバは、ユーザの購入操作に応じて、購入情報を設定する購入処理部を、少なくとも含んでもよい。クライアント装置は、上記第2仮想アイテム付与部を、少なくとも含んでもよい。
【0024】
上記によれば、クライアント装置は、サーバに接続することなく、第2の仮想アイテムをユーザに付与することができる。
【0025】
また、上記情報処理システムは、通知部を、さらに備えてもよい。通知部は、付与ルールを変更するために必要となる、第1の仮想アイテムの購入または付与に関する購入条件を、ユーザに通知する。
【0026】
上記によれば、第2の仮想アイテムの付与ルールを変更するために、どのような購入が必要であるかユーザが把握することができる。
【0027】
また、上記第2仮想アイテム付与部は、所定の操作があった場合に、第2の仮想アイテムをユーザに付与してもよい。上記通知部は、操作があった場合に、購入条件をユーザに通知してもよい。
【0028】
上記によれば、第2の仮想アイテムの付与を受けるための操作があった場合に、第2の仮想アイテムの付与ルールを変更するための情報が通知されるため、第2の仮想アイテムの付与を受けたいユーザに対して確実に情報を通知することができる。
【0029】
また、上記無料付与ルール設定部は、ユーザに付与する毎の第2の仮想アイテムの数量が加速度的に増えるように、付与ルールを変更して設定してもよい。
【0030】
上記によれば、購入に応じて無料で付与される第2の仮想アイテムが加速度的に増えるため、必要充分な付与量に到達することが容易となり、その結果、購入額を抑制することができる。
【0031】
また、上記第1仮想アイテム付与部は、ユーザの第1の仮想アイテムの購入に上限を設けてもよい。
【0032】
上記によれば、第1の仮想アイテムの購入が制限されているため、購入額を抑制することができる。
【0033】
本発明の情報処理システムの他の構成例は、ユーザの操作に基づいて所定の情報処理を行う。情報処理システムは、購入処理部、購入情報取得部、特典付与部、および無料特典付与ルール設定部を備える。購入処理部は、ユーザによる購入を処理する。購入情報取得部は、購入処理部からユーザによる購入情報を取得する。特典付与部は、所定の無料特典付与ルールに基づいて、ユーザに所定の特典を付与する。無料特典付与ルール設定部は、購入情報に応じて、無料特典付与ルールを変更する。
【0034】
ユーザが購入した場合、特典が無料で付与されるための付与ルールが変更されるため、ユーザによる購入を加減することができる。
【0035】
また、本発明は、上記情報処理システムに含まれる情報処理装置や当該情報処理装置に含まれるコンピュータで実行される情報処理プログラムの形態で実施されてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ユーザが第1の仮想アイテムを取得するために購入を行ったり、商品やサービス等を購入したりした場合、第2の仮想アイテムや特典が無料で付与されるための付与ルールが変更されるため、ユーザによる購入を加減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施例に係る情報処理システムの一例を示す図
図2図1の情報処理装置3の構成の一例を示すブロック図
図3図1のサーバ200の構成の一例を示すブロック図
図4】情報処理装置3の表示部35に表示されるゲーム画像の第1の例を示す図
図5】リンゴ(仮想通貨)を生み出すツリーの成長レベルとユーザの購入内容との関係を定義する成長テーブルデータの一例を示す図
図6】情報処理装置3の表示部35に表示されるゲーム画像の第2の例を示す図
図7】情報処理装置3の表示部35に表示されるゲーム画像の第3の例を示す図
図8】情報処理装置3の記憶部32に記憶される主なデータおよびプログラムの一例を示す図
図9】情報処理装置3において実行される処理の一例を示すフローチャート
図10図9のステップ43において実行される購入処理の詳細な内容の一例を示すサブルーチン
図11図9のステップ45において実行される収穫処理の詳細な内容の一例を示すサブルーチン
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照して、本発明の一実施例に係る情報処理システムについて説明する。図1に示すように、当該情報処理システムの一例である情報処理システム1は、1以上の情報処理装置3およびサーバ200が、ネットワーク100を介して接続されて構築される。
【0039】
情報処理装置3は、無線または有線通信を用いて、ネットワーク100に接続可能に構成され、サーバ200との間でクライアント−サーバシステムを構成している。例えば、情報処理装置3は、所定のアプリケーション(例えば、ゲームアプリケーション)の実行が可能である。また、情報処理装置3は、上記所定のアプリケーションを実行することによって、ネットワーク100を介して、サーバ200と接続を確立して、サーバ200との通信が可能となる。例えば、情報処理装置3は、交換可能なメモリカードや光ディスク等の記憶媒体内に記憶され、または、他の装置から受信した情報処理プログラムを実行可能である。情報処理装置3は、一般的なパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム機、携帯電話機、携帯ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)等のデバイスであってもかまわない。
【0040】
次に、図2を参照して、情報処理装置3について説明する。なお、図2は、情報処理装置3の構成の一例を示すブロック図である。図2において、情報処理装置3は、制御部31、記憶部32、プログラム格納部33、入力部34、表示部35、および通信部36を備える。なお、情報処理装置3は、制御部31を少なくとも含む情報処理装置と他の装置とを含む1以上の装置によって構成されてもよい。
【0041】
制御部31は、各種の情報処理を実行するための情報処理手段(コンピュータ)であり、例えばCPUである。例えば、制御部31は、各種の情報処理として、上記アプリケーションを実行して、後述するゲーム処理やサーバ200を介したデータ送受信処理等を実行する機能を有し、CPUが所定のプログラムを実行することによって、制御部31における各機能が実現される。
【0042】
記憶部32は、制御部31が上記情報処理を実行する際に用いる各種のデータを記憶する。記憶部32は、例えばCPU(制御部31)がアクセス可能なメモリである。
【0043】
プログラム格納部33は、プログラムを記憶(格納)する。プログラム格納部33は、制御部31がアクセス可能な記憶装置(記憶媒体)であればどのようなものであってもよい。例えば、プログラム格納部33は、制御部31を含む情報処理装置内に設けられる記憶装置であってもよいし、制御部31を含む情報処理装置に着脱自在に装着される記憶媒体であってもよい。また、プログラム格納部33は、制御部31とネットワークを介して接続される記憶装置(サーバ等)であってもよい。制御部31(CPU)は、ゲームプログラムの一部または全部を適宜のタイミングで記憶部32に読み出し、読み出されたプログラムを実行するようにしてもよい。
【0044】
入力部34は、ユーザによって操作可能な入力装置である。入力部34はどのような入力装置であってもよい。
【0045】
表示部35は、制御部31の指示にしたがって画像を表示する。なお、情報処理装置3が据置型のゲーム装置やパーソナルコンピュータで構成される場合、表示部35が情報処理装置3と別体で構成されることもあり得る。
【0046】
通信部36は、所定の通信モジュールによって構成され、ネットワーク100を介して他の機器(例えば、サーバ200)との間でデータを送受信したり、他の情報処理装置3との間でデータを送受信したりする。
【0047】
次に、図3を参照して、サーバ200について説明する。なお、図3は、サーバ200の構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
サーバ200は、通信部201、制御部202、および記憶部203を有している。通信部201は、通信パケットの送受信を行うことで、ネットワーク100を介して複数の情報処理装置3等と通信を行う。制御部202は、ユーザの購入操作に応じて、購入に関する情報を管理する処理、情報処理装置3から送信された仮想アイテム購入データを管理する処理のほか、通信部201を介して情報処理装置3等との通信リンクを確立し、ネットワーク100におけるデータ搬送制御や経路選択を行う。ここで、サーバ200が管理する購入に関する情報は、ユーザがゲームを行うために購入を行った内容やユーザが決済した現金残高やポイント残高等、ユーザが仮想アイテム(ゲーム内通貨等の仮想通貨を含む)をさらに購入する際に必要な各種情報を少なくとも含んでいる。記憶部203は、制御部202で実行されるプログラム、上記処理に必要な各種データ、情報処理装置3との通信に必要な各種データ等が記憶される。なお、ネットワーク100を用いたデータ送受信に所定のログイン処理が必要なシステムである場合、サーバ200において当該ログインしようとしているユーザが正規のユーザか否かを判別する認証処理を行ってもかまわない。また、サーバ200は、単一のサーバマシンから構成されてもいいし、複数のサーバマシンによって構成されてもよい。
【0049】
次に、情報処理装置3やサーバ200が行う具体的な処理を説明する前に、図4図7を用いて情報処理システム1において行われる処理の概要について説明する。なお、図4は、情報処理装置3の表示部35に表示されるゲーム画像の第1の例を示す図である。図5は、仮想アイテムの一例であるリンゴ(仮想通貨)を生み出すツリーの成長レベルとユーザの購入内容との関係を定義する成長テーブルデータの一例を示す図である。図6は、情報処理装置3の表示部35に表示されるゲーム画像の第2の例を示す図である。図7は、情報処理装置3の表示部35に表示されるゲーム画像の第3の例を示す図である。なお、以下の説明では、情報処理装置3において実行するアプリケーションの一例としてゲームを用いているが、情報処理装置3において他のアプリケーションを実行してもかまわない。
【0050】
図4において、情報処理装置3の表示部35には、情報処理装置3でプレイされているゲームに対応したゲーム画像が表示され、その一例としてプレイヤオブジェクトPoが相手オブジェクトHoと会話するゲームの一場面が表示されている。例えば、相手オブジェクトHoは、仮想世界において、ツリーTa付近に待機している。ここで、ツリーTaは、リンゴAgを生み出す仮想オブジェクトであり、図4の例では収穫可能なリンゴAgがツリーTaに実っている状態が表示されている。リンゴAgは、プレイヤオブジェクトPoが配置されている仮想世界における仮想通貨として利用されるものである。例えば、リンゴAgを用いることによって、仮想世界で用いる各種オブジェクト(例えば、道具、武器、衣服、食料、乗物、宝石等)を購入したり、プレイヤオブジェクトPoの能力(例えば、経験値、戦闘パラメータ、防御パラメータ、移動速度パラメータ、ライフパラメータ等)を取得したりすることができる。したがって、ユーザは、プレイヤオブジェクトPoがツリーTaに実っているリンゴAgを取得することができれば、仮想世界において有益な仮想アイテム(報酬)として利用することができる。
【0051】
ユーザは、入力部34を所定の操作を行うことによって、仮想世界においてプレイヤオブジェクトPoをツリーTaに近づけることができる。そして、ユーザは、プレイヤオブジェクトPoがツリーTaに近づいた状態で、入力部34を所定の操作を行うことによって、ツリーTaに実っている数だけリンゴAgを収穫することができる。
【0052】
本ゲーム例において、ツリーTaに実っているリンゴAgは、収穫してから所定時間が経過した後(例えば、12時間が経過した後)に次の収穫が可能になっている。つまり、プレイヤオブジェクトPoがリンゴAgを収穫すると、当該収穫から12時間後以降に次の収穫が可能となる。また、ツリーTaに実るリンゴAgの数は、ツリーTaの成長レベルに応じて異なっている。例えば、図5に示すように、ツリーTaの成長レベルが低いものから順に、収穫個数が5個、8個、14個、20個、30個、450個のように、ツリーTaの成長レベルが上昇することに応じて収穫個数も増加していく。したがって、仮想世界においてツリーTaを成長させることによって収穫可能なリンゴAg(仮想通貨)の個数が増加するため、ユーザは、ツリーTaを成長させることによってプレイヤオブジェクトPoを有利に行動させることができる。
【0053】
また、本ゲーム例では、ユーザは、ツリーTaから収穫したリンゴAg(仮想通貨)を無料で取得することができる。したがって、ユーザは、ツリーTaを成長させることによって、無料で取得できる仮想通貨を増やすことができる。ここで、「無料」とは、新たな購入を行うことなく仮想通貨であるリンゴAgを取得することができる状態を示している。すなわち、ゲームを行うためのソフトウェアが有料であるもの、ゲームプレイ自体が有料であるもの、ゲームにおける所定の動作が有料であるもの等であっても、さらなる購入を行うことなくリンゴAgを取得できる状態であれば、リンゴAgを無料で取得していると考えることができる。なお、後述により明らかとなるが、ユーザが現実世界のお金を用いてリンゴAgを購入する場合、購入に関する情報等を管理しているサーバ200へのアクセスが必要となる。一方、ツリーTaから収穫したリンゴAgを無料で収穫する場合、情報処理装置3からサーバ200へのアクセスが不要となる。すなわち、情報処理装置3に記憶されているデータを用いて、第2の仮想アイテムであるリンゴAgを無料で付与できる。
【0054】
また、本ゲーム例では、仮想通貨であるリンゴAgをユーザが現実世界のお金を用いて購入することもできる。例えば、ユーザが情報処理装置3を用いてリンゴAgを現実世界の通貨で購入する処理を行った場合、当該購入に伴う支払いに関する情報がサーバ200へ送信され、所定の認証処理が行われた後にサーバ200とユーザとの間で決済される。そして、リンゴAgを購入する決済が行われたことがサーバ200から通知された場合、情報処理装置3は、購入された個数分のリンゴAgを追加してプレイヤオブジェクトPoに所持させる。ここで、「購入」とは、現実世界のお金をさらに支払うことによって仮想通貨であるリンゴAgを取得することができる状態を示している。すなわち、ゲームを行うためのソフトウェアが有料であるもの、ゲームプレイ自体が有料であるもの、ゲームにおける所定の動作が有料であるもの等である場合、これらの料金にさらに現実世界のお金を支払うことによってリンゴAgを取得している状態であれば、リンゴAgを購入して取得していると考えることができる。当然ながら、ゲームを行うためのソフトウェアが無料であるもの、ゲームプレイ自体が無料であるもの、ゲームにおける所定の動作が無料であるもの等である場合、現実世界のお金を支払うことによってリンゴAgを取得している状態であれば、リンゴAgを購入して取得していると考えることができる。また、上述した現実世界の通貨で購入するとは、ユーザが事前に購入したものや事後に精算されるものによって決済されることを含んでおり、例えば、ユーザが事前に購入したプリペイドカードや事後に引き落としが行われるクレジットカードを用いて仮想通貨を購入するような形態でもよい。
【0055】
また、本ゲーム例では、購入情報の一例である購入されたリンゴAgの購入総数や購入総額に応じて、ツリーTaの成長レベルが上昇する。例えば、図5に示すように、リンゴAgを総数45個/総額50円で購入した場合、ツリーTaの成長レベルがレベル1(最低成長レベル)からレベル2に上昇し、当該成長レベルの上昇に伴って収穫個数が5個から8個に増加する。リンゴAgを総数370個/総額400円で購入した場合、ツリーTaの成長レベルがレベル2からレベル3に上昇し、当該成長レベルの上昇に伴って収穫個数が8個から14個に増加する。リンゴAgを総数930個/総額1000円で購入した場合、ツリーTaの成長レベルがレベル3からレベル4に上昇し、当該成長レベルの上昇に伴って収穫個数が14個から20個に増加する。リンゴAgを総数1650個/総額1700円で購入した場合、ツリーTaの成長レベルがレベル4からレベル5に上昇し、当該成長レベルの上昇に伴って収穫個数が20個から30個に増加する。そして、リンゴAgを総数2950個/総額3000円で購入した場合、ツリーTaの成長レベルがレベル5からレベル6(最高成長レベル)に上昇し、当該成長レベルの上昇に伴って収穫個数が30個から450個に増加する。
【0056】
このように、ゲーム内通貨(仮想通貨)であるリンゴAgを購入した場合、当該購入後に定期的に収穫可能となるリンゴAgの収穫個数も増加する。したがって、購入によってゲーム内通貨が得られるだけでなく、定期的にもらえるゲーム内通貨の量も増やすことができるため、ユーザの購入を加減することができる。また、無料で定期的にゲーム内通貨をもらう毎に、購入による有利度をユーザに意識させることも可能となる。
【0057】
なお、典型的には、購入されたリンゴAgの購入総数や購入総額に応じて、ツリーTaの成長レベルを上昇させる無料特典の変化は、当該リンゴAgを購入したユーザに対して行われる。つまり、リンゴAgを購入するユーザとツリーTaの成長レベルが上昇することによってリンゴAgの定期的な収穫個数が増加する特典が付与されるユーザとは、同じユーザとなる。例えば、リンゴAgの購入によって成長したツリーTaに他のユーザが操作するプレイヤオブジェクトが接近できる場合であっても、当該ツリーTaからリンゴAgを収穫できるプレイヤオブジェクトを、当該購入を行ったユーザが操作するプレイヤオブジェクトに限定してもよい。
【0058】
また、上述した例では、ゲーム内通貨であるリンゴAgを購入した場合、当該購入後に定期的に得られる同じリンゴAgの量が増加する例を用いたが、他の態様によって購入に対する恩恵が得られてもよい。第1の例として、ゲーム内通貨であるリンゴAgを購入した場合、当該購入後にリンゴAgが得られる周期が短く変更されてもよい。第2の例として、ゲーム内通貨であるリンゴAgが所定のイベントをクリアする(例えば、敵オブジェクトとの戦闘に勝利する、所定のクエストやミッションに成功する等)ことによって得られる場合、リンゴAgを購入することによって当該イベントのクリアによってリンゴAgが得られる個数が増加するように変更されてもよい。第3の例として、ゲーム内通貨であるリンゴAgを購入した場合、リンゴAgとは仮想世界における価値が異なる他の仮想アイテム(例えば、リンゴAg複数個分に相当する相対的に価値が高い他のゲーム内通貨やゲーム内通貨とは異なる用途となる能力向上アイテム、イベント参加権利、割引チケット等)に対する定期的な供給量を増加させてもよい。
【0059】
また、本ゲーム例では、ツリーTaの成長レベルに上限(最高成長レベル)が設けられており、収穫個数も上限が設けられている。また、最高成長レベルにおける収穫個数は、他のレベルに対して相対的に非常に多く設定されており、仮想世界でプレイヤオブジェクトPoが行動する上で充分な数を確保することができる収穫個数に設定されている。さらに、現実世界の通貨で購入可能なリンゴAgの総数(購入総額)にも上限が設けられており、ツリーTaが最高成長レベルに成長するための購入総数を上限としている。また、ツリーTaの成長レベルは、購入に応じて次のレベルに上昇することはあっても、低いレベルに下がることがないように設定してもよいため、この場合、最高成長レベルに成長したツリーTaは、その後のゲーム進行において継続的にその収穫個数が確保される。これらによって、ユーザは、購入上限額以上の購入をするようなことを考えることがなく、また購入上限額以上の購入もできないようになっているため、必要以上の購入を抑制することも可能となる。なお、本ゲーム例では、ツリーTaの成長レベルの上限において非常に多くのリンゴAgが得られるようにすること、および現実世界の通貨で購入可能なリンゴAgの総数(購入総額)に上限を設けることの少なくとも一方を行うことによって、購入を抑制する効果を得ることができる。
【0060】
また、上述した例では、購入情報の一例である購入されたリンゴAgの購入総数や購入総額が閾値に到達することに応じて、その後に得られるリンゴAgの収穫個数が増加するが、他の購入情報が少なくとも1つの閾値に到達することに応じてリンゴAgの収穫個数が増加してもよい。第1の例として、リンゴAgとは異なる他の仮想アイテム(例えば、リンゴAg複数個分に相当する相対的に価値が高い他のゲーム内通貨やゲーム内通貨とは異なる用途となる仮想アイテム)が購入された購入総数や購入総額に応じて、その後に得られるリンゴAgの収穫個数が増加してもよい。第2の例として、購入されたリンゴAgの購入期間(例えば、リンゴAgを購入している期間の長さ、リンゴAgの利用権利が付与される期間の長さ、リンゴAgを最初に購入してから最新の購入までの期間の長さ等)、購入頻度(例えば、リンゴAgを最初に購入してから次に購入するまでの期間の長さ、所定の期間中にリンゴAgを購入した回数)、または購入回数に応じて、その後に得られるリンゴAgの収穫個数が増加してもよい。第3の例として、購入されたリンゴAgの購入時期(例えば、キャンペーン期間中など、特定期間中の購入)に応じて、その後に得られるリンゴAgの収穫個数が増加してもよい。
【0061】
また、図4に示すように、プレイヤオブジェクトPoがツリーTaに近づいた状態で、ツリーTaに実っているリンゴAgを収穫する操作が行われると、仮想世界において当該収穫作業を担っている相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに話しかけるイベントが行われる。このイベントでは、次の段階の成長レベルにツリーTaを成長させるためには、どのようにリンゴAgを購入すればよいか、すなわちどのような購入を行えばよいか、ユーザに対してアドバイスが行われる。以下、当該イベントによるユーザへのアドバイスを、成長アドバイス通知と記載することがある。
【0062】
例えば、上記成長アドバイス通知の一例として、図4の例では、相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに対して「あと、100個リンゴを買うと大きな木に育つよ。」と話しかけている。このようなアドバイスによって、ユーザは、定期的に得られるリンゴAgの収穫個数を増やすために、ツリーTaを次の段階に成長させるためには、リンゴAgを100個購入する必要があることを認識することができる。また、このイベントは、リンゴAgを収穫するための操作に応じて行われるため、リンゴAgを得たいユーザに対しては適切なタイミングでのアドバイスになるとともに、リンゴAgを必要としているユーザには必ず通知されることになる。
【0063】
また、図6に示すように、ツリーTaに実っていたリンゴAgの収穫が終わると、上記収穫作業を担っている相手オブジェクトHoが次に収穫が可能となるタイミングをプレイヤオブジェクトPoに教えるイベントが行われる。以下、当該イベントによるユーザへのアドバイスを、収穫アドバイス通知と記載することがある。
【0064】
例えば、上記収穫アドバイス通知の一例として、図6の例では、相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに対して「次の収穫は12時間後だよ。」と話しかけている。このようなアドバイスによって、ユーザは、定期的に収穫可能なリンゴAgの次の収穫可能時期を認識することができる。また、このイベントは、リンゴAgを収穫した直後に行われてもよいため、リンゴAgをさらに得たいユーザに対しては適切なタイミングでのアドバイスになるとともに、リンゴAgを必要としているユーザには毎回通知されることになる。
【0065】
また、図7に示すように、収穫可能なリンゴAgがツリーTaに実っていない場合、ツリーTaには、収穫可能な成熟状態のリンゴAgとは異なる表示態様で表示された未熟状態のリンゴAiが表示される。例えば、未熟状態のリンゴAiは、成熟状態のリンゴAgとは異なる色、異なるサイズ、または異なる形状でツリーTa上に表示されることによって、まだ収穫可能ではないことが示される。
【0066】
このような収穫できないリンゴAiが表示されている状態において、プレイヤオブジェクトPoがツリーTaからリンゴAiを収穫しようとした場合も、収穫アドバイス通知がユーザにアドバイスされる。例えば、未熟状態のリンゴAiが表示された状態で収穫操作が行われた場合、上記収穫作業を担っている相手オブジェクトHoによって収穫ができないことが通知されるとともに、次に収穫が可能となるタイミングをプレイヤオブジェクトPoに教えるイベントが行われる。例えば、図7の例では、相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに対して「まだ、収穫できないよ。次の収穫は2時間後だよ。」と話しかけることによって、収穫アドバイス通知が行われている。このようなアドバイスによって、ユーザは、リンゴAgがいつでも収穫できるものではないことを知るとともに、リンゴAgが次に収穫可能となるタイミングを認識することができる。
【0067】
次に、情報処理システム1において行われる処理の詳細を説明する。まず、図8を参照して、情報処理装置3の処理において用いられる主なデータについて説明する。なお、図8は、情報処理装置3の記憶部32に記憶される主なデータおよびプログラムの一例を示す図である。
【0068】
図8に示すように、記憶部32のデータ記憶領域には、操作データDa、サーバデータDb、購入対象データDc、仮想アイテムデータDd、収穫データDe、成長テーブルデータDf、購入フラグデータDg、ユーザIDデータDh、および画像データDi等が記憶される。なお、記憶部32には、図8に示す情報に含まれるデータの他、実行するアプリケーションで用いるデータ等、処理に必要なデータが記憶される。また、記憶部32のプログラム記憶領域には、情報処理プログラムを構成する各種プログラム群Paが記憶される。
【0069】
操作データDaは、ユーザが情報処理装置3を操作した操作情報を示すデータである。例えば、操作ボタン等を操作したことを示す操作データは、情報処理装置3が処理する時間単位(例えば、1/60秒)毎に取得され、当該取得に応じて操作データDaに格納されて更新される。
【0070】
サーバデータDbは、ユーザがサーバ200との間で購入を行った際の購入に関する内容を示すデータであり、ユーザが仮想アイテムを購入する操作を行ったことに応じてサーバ200から適宜取得される。
【0071】
購入対象データDcは、仮想世界において利用される各種仮想アイテムやパラメータの内、現実世界のお金を用いて購入可能な対象を示すデータである。
【0072】
仮想アイテムデータDdは、仮想世界において利用される仮想アイテムの一例であるリンゴAgを、プレイヤオブジェクトPoが所持している状況を示すデータである。仮想アイテムデータDdは、所持数データDd1および購入総数データDd2等を含んでいる。所持数データDd1は、プレイヤオブジェクトPoが所持しているリンゴAgの数を示すデータである。購入総数データDd2は、ユーザが購入したリンゴAgの総数を示すデータである。
【0073】
収穫データDeは、リンゴAgを収穫することに関するデータである。収穫データDeは、成長レベルデータDe1、収穫可能時期データDe2、および収穫可否データDe3等を含んでいる。成長レベルデータDe1は、リンゴAgを実らせるツリーTaの成長レベル(リンゴAgの収穫可能数)を示すデータである。収穫可能時期データDe2は、ツリーTaからリンゴAgが収穫可能となる時期を示すデータである。収穫可否データDe3は、ツリーTaからリンゴAgが収穫可能であるか否かを示すデータである。
【0074】
成長テーブルデータDfは、ツリーTaの成長レベルに対応する収穫個数、購入総額、および購入総数等を示すデータである。
【0075】
購入フラグデータDgは、リンゴAgを購入する処理が行われている場合にオンに設定される購入フラグを示すデータである。
【0076】
ユーザIDデータDhは、情報処理装置3を用いて購入する際に用いられるユーザの識別が可能となるユニークな符号(ユーザID)を示すデータであり、例えばユーザ識別のための標識となる文字列であるアカウントIDを示すデータである。
【0077】
画像データDiは、仮想オブジェクト、文字、および背景等配置したゲーム画像を生成して表示部35に表示するためのデータである。
【0078】
次に、図9図11を参照して、情報処理装置3において行われる処理の詳細を説明する。なお、図9は、情報処理装置3において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10は、図9のステップ43において実行される購入処理の詳細な内容の一例を示すサブルーチンである。図11は、図9のステップ45において実行される収穫処理の詳細な内容の一例を示すサブルーチンである。ここで、図9図11に示すフローチャートにおいては、情報処理システム1における処理のうち、仮想世界において用いられる仮想アイテムの一例であるリンゴAgを取得する処理について主に説明し、これらの処理と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図9図11では、制御部31が実行する各ステップを「S」と略称する。
【0079】
なお、図9図11に示すフローチャートにおける各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えておよび/または代えて別の処理が実行されてもよい。また、本実施例では、上記フローチャートの各ステップの処理を制御部31(CPU)が実行するものとして説明するが、上記フローチャートにおける一部のステップの処理を制御部31(CPU)が実行し、その他のステップの処理を制御部31(CPU)以外のプロセッサや専用回路が実行するようにしてもよく、上記フローチャートにおける全部のステップの処理を制御部31(CPU)以外のプロセッサや専用回路が実行するようにしてもよい。
【0080】
また、図9図11に示すフローチャートは、リンゴAgを取得するイベント順を説明するための処理順序を主に説明し、情報処理装置3が処理する時間単位毎に行われる処理については省略している。例えば、入力部34から操作データを取得して操作データDaを更新する処理(操作データ取得処理)、ツリーTaが配置された仮想世界を更新して表示部35に表示する処理(収穫可否設定処理、表示制御処理)、およびリンゴAgを取得するイベントとは異なるその他の処理等については、図9図11に示すフローチャートから省略している。
【0081】
ここで、上記操作データ取得処理は、情報処理装置3が処理する時間単位毎に、制御部31が入力部34から操作データを取得して操作データDaを更新する。
【0082】
上記収穫可否設定処理は、情報処理装置3が処理する時間単位毎に、制御部31がツリーTaの収穫可否を設定する。例えば、上記収穫可否設定処理において、制御部31は、収穫可能時期データDe2を参照することによって、次にリンゴAgが収穫可能状態となる時期を取得する。そして、制御部31は、上記時間単位毎にその時点が上記収穫可能状態となる時期である場合、ツリーTaを収穫不能状態から収穫可能状態に変更して収穫可否データDe3を更新する。
【0083】
上記その他の処理は、例えば、情報処理装置3が処理する時間単位毎に、制御部31が操作データDaに応じて仮想世界においてプレイヤオブジェクトPoを動作させたり、所定のアルゴリズムに基づいて他のオブジェクトを動作させたりする処理を行う。
【0084】
上記表示制御処理は、情報処理装置3が処理する時間単位毎に、制御部31が表示部35に仮想世界を表示する。例えば、制御部31は、情報処理(ゲーム処理)を行うための各パラメータ(例えば、プレイヤオブジェクトPoや他のオブジェクトの位置や姿勢を示すデータや仮想カメラの位置や姿勢を示すデータ)に基づいて仮想世界を構築し、当該仮想世界を示す画像を表示部35に表示する処理を行う。また、制御部31は、後述する各ステップにおける処理結果に応じた仮想世界画像を生成したり、当該処理結果に応じた画像を生成したりして、当該画像を表示部35に表示する処理を行う。また、制御部31は、収穫可否データDe3が収穫可能状態を示している場合、成長レベルデータDe1が示す成長レベルでリンゴAgが実ったツリーTaを仮想世界に配置して仮想世界の画像を生成する。また、制御部31は、収穫可否データDe3が収穫不可状態を示している場合、成長レベルデータDe1が示す成長レベルで収穫できないリンゴAi(図7参照)が表示されたツリーTaを仮想世界に配置して仮想世界の画像を生成する。なお、ツリーTaからリンゴAgが収穫された直後(収穫後、所定時間以内)である場合、何もリンゴが生えていないツリーTa(図6参照)を仮想世界に配置して仮想世界の画像を生成してもよい。
【0085】
図9図11に示すフローチャートにおける各ステップの処理を実行する場合、制御部31のCPUは、記憶部32のメモリ等を初期化し、プログラム格納部33から情報処理プログラムをメモリに読み込む。そして、CPUによって当該情報処理プログラムの実行が開始される。図9図11に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
【0086】
図9において、制御部31は、初期設定を行い(ステップS40)、次のステップに処理を進める。例えば、上記初期設定では、制御部31は、以下の情報処理(ゲーム処理)を行うための各パラメータを初期設定する。また、上記初期設定において、制御部31は、ゲームを行う仮想世界を構築し、当該仮想世界においてプレイヤオブジェクトPo、ツリーTa、相手オブジェクトHo等をそれぞれ所定の状態で所定の配置位置に配置する。また、上記初期設定において、制御部31は、情報処理装置3を操作しているユーザのユーザIDを必要に応じて設定し、ユーザIDデータDhを更新する。
【0087】
次に、制御部31は、ゲーム内通貨の一例であるリンゴAgを購入する処理を行うか否かを判定する(ステップS42)。例えば、制御部31は、操作データDaを参照して、ユーザが入力部34を用いてリンゴAgの購入を行う操作を行った場合や、購入フラグデータDgが示す購入フラグがオンに設定されている場合、リンゴAgの購入処理を行うと判定する。そして、制御部31は、購入処理を行う場合、ステップS43に処理を進める。一方、制御部31は、購入処理をしない場合、ステップS44に処理を進める。
【0088】
ステップS43において、制御部31は、リンゴAgの購入処理を行い、ステップS49に処理を進める。以下、図10を参照して、上記ステップS43において行われるリンゴAgの購入処理について説明する。
【0089】
図10において、制御部31は、リンゴAgの購入総数が購入可能な上限に到達しているか否かを判定する(ステップS81)。例えば、制御部31は、購入総数データDd2を参照して、ユーザが現在までに購入したリンゴAgの購入総数を取得する。そして、制御部31は、ユーザの購入総数が購入可能な上限(例えば、成長テーブルデータDfが示す最高成長レベルに対応する購入総数。図5の例では2950個)に到達していない場合、上記ステップS81において否定判定し、ステップS82に処理を進める。一方、制御部31は、ユーザの購入総数が購入可能な上限に到達している場合、上記ステップS81において肯定判定し、ステップS91に処理を進める。
【0090】
ステップS82において、制御部31は、購入フラグをオンに設定し、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、購入フラグがオフに設定されている場合、購入フラグをオンに設定して購入フラグデータDgを更新する。
【0091】
次に、制御部31は、サーバ200と接続してサーバ200との間でデータ通信を開始して(ステップS83)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、サーバ200からユーザの購入に関する情報を取得してサーバデータDbを更新する。一例として、購入に関する情報は、ユーザが当該ゲームを行うために購入を行った内容やサーバ200との間でユーザが決済した現金残高やポイント残高等、ユーザが仮想アイテムをさらに購入する際に必要な各種情報を含んでいる。
【0092】
次に、制御部31は、購入対象リストを表示部35に表示して(ステップS84)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、本ゲームにおいてユーザが購入可能な仮想アイテムの種別、数量、および金額(ポイント数)をリスト状に記載した購入対象リストを生成して表示部35に表示することによって、ユーザが購入可能な仮想アイテムの選択肢を提示する。例えば、リンゴAgが購入可能な仮想アイテムに含まれている場合、リンゴAgの購入個数に対応する購入金額(購入ポイント数)が表示部35に提示される。なお、上記ステップS84において購入対象リストを表示部35に表示する際、表示部35に成長アドバイス通知を表示してもよい。このように、仮想アイテムの購入を検討する場面において、次の段階の成長レベルにツリーTaを成長させるためのアドバイスをユーザに対して行うことによって、購入後に定期的にもらえるリンゴAgの数を考慮しながら、仮想アイテムの購入を行うことが可能となる。
【0093】
次に、制御部31は、ユーザが購入を選択したか否かを判定する(ステップS85)。例えば、制御部31は、操作データDaを参照して、ユーザが入力部34を用いてリンゴAgの購入を決定する操作を行った場合、ステップS86に処理を進める。一方、制御部31は、リンゴAgの購入を決定する操作を行っていない場合、ステップS93に処理を進める。
【0094】
ステップS86において、制御部31は、ユーザが購入を決定したリンゴAgが購入可能か否かを判定する。例えば、制御部31は、サーバデータDbを参照して、ユーザが購入を決定したリンゴAgを購入できる現金残高やポイント残高が確保されている場合、上記ステップS86において肯定判定する。そして、制御部31は、ユーザが購入を決定したリンゴAgが購入可能である場合、ステップS87に処理を進める。一方、制御部31は、ユーザが購入を決定したリンゴAgが購入不可能である場合、ステップS92に処理を進める。
【0095】
ステップS87において、制御部31は、ユーザが購入を決定したリンゴAgに対する決済を行い、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、ユーザが購入を決定したリンゴAgの数量や購入金額(ポイント数)等をサーバ200へ送信し、サーバ200から購入許可を示すデータを受信することによって、決済処理を完了させる。
【0096】
次に、制御部31は、購入物を追加する処理を行い(ステップS88)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、所持数データDd1が示すリンゴAgの所持数に、上記ステップS87で決済されたリンゴAgの購入数量を加算し、加算後の数量を所持数として所持数データDd1を更新する。また、制御部31は、購入総数データDd2が示すリンゴAgの購入総数に、上記ステップS87で決済されたリンゴAgの購入数量を加算し、加算後の数量を購入総数として購入総数データDd2を更新する。また、制御部31は、成長テーブルデータDfを参照して、新たに算出されたリンゴAgの購入総数がツリーTaの次の成長レベルに成長させる数値か否かを判定する。そして、制御部31は、ツリーTaを次の成長レベルに成長させる数値である場合、当該新たな成長レベルを用いて成長レベルデータDe1を更新する。
【0097】
なお、上記ステップS88においてツリーTaを次の成長レベルに成長させる購入総数となった場合、ユーザに対してツリーTaが次の段階に成長したことを通知する成長通知を表示部35に表示してもよい。このように、仮想アイテムの購入された場面において、次の段階の成長レベルにツリーTaが成長したことをユーザに対して通知することによって、購入によって定期的にもらえるリンゴAgの数が増えたことを実感させることができる。また、上記ステップS88においてツリーTaを次の成長レベルに成長レベルデータDe1を更新された場合、ツリーTaからリンゴAgが収穫できる状態に設定してもよい。この場合、制御部31は、ツリーTaを次の成長レベルに成長させる数値である場合、収穫可否データDe3が示す状態を収穫可能状態として更新する。
【0098】
次に、制御部31は、購入によって購入物が追加されたことを示す通知を行い(ステップS89)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、当該購入処理によってリンゴAgが100個購入された場合、プレイヤオブジェクトPoが所持しているリンゴAgが100個増えたことを示す通知を表示部35に表示する。
【0099】
次に、制御部31は、購入フラグをオフに設定して(ステップS90)、当該サブルーチンによる処理を終了する。例えば、制御部31は、購入フラグデータDgが示す購入フラグをオフに設定して、購入フラグデータDgを更新する。
【0100】
一方、上記ステップS86において、ユーザが購入を決定したリンゴAgが購入不可能であると判定した場合、制御部31は、購入不可である旨の通知を行い(ステップS92)、上記ステップS90に処理を進める。例えば、制御部31は、購入不可である理由(例えば、現金残高やポイント残高が不足している等)とともに、購入できないことを示す通知を表示部35に表示する。なお、上記ステップS92において、ユーザが購入不可である理由を解消した場合(例えば、サーバ200にアクセスして現金残高やポイント残高を補充した場合)、上記ステップS87に処理を進めてリンゴAgの購入に関する決済処理を行ってもよい。
【0101】
また、上記ステップS85において、ユーザがリンゴAgの購入を決定する操作を行っていないと判定した場合、制御部31は、ユーザがリンゴAgの購入を見送る決定をしたか否かを判定する(ステップS93)。例えば、制御部31は、操作データDaを参照して、ユーザが入力部34を用いてリンゴAgの購入を見送ることを決定する操作を行った場合、上記ステップS90に処理を進める。一方、制御部31は、リンゴAgの購入を見送ることを決定する操作を行っていない場合、そのまま当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0102】
また、上記ステップS81において、リンゴAgの購入総数が購入可能な上限に到達していると判定した場合、制御部31は、リンゴAgの購入上限に到達している旨を通知して(ステップS91)、上記ステップS90に処理を進める。例えば、制御部31は、ツリーTaが最高成長レベルまで既に成長しており、リンゴAgをさらに購入することができない旨の通知(例えば、リンゴAgが売り切れであることを示す通知)を表示部35に表示する。
【0103】
図9に戻り、上記ステップS42においてリンゴAgを購入する処理を行わないと判定した場合、制御部31は、リンゴAgを収穫する処理を行うか否かを判定する(ステップS44)。例えば、制御部31は、操作データDaを参照して、ユーザが入力部34を用いてリンゴAgを収穫する操作を行った場合、上記ステップS44において肯定判定する。そして、制御部31は、収穫処理を行う場合、ステップS45に処理を進める。一方、制御部31は、収穫処理をしない場合、ステップS49に処理を進める。
【0104】
ステップS45において、制御部31は、リンゴAgを収穫する処理を行い、ステップS48に処理を進める。以下、図11を参照して、上記ステップS45において行われるリンゴAgの収穫処理について説明する。
【0105】
図11において、制御部31は、前回の収穫時に対してツリーTaが成長したか否かを判定する(ステップS101)。例えば、制御部31は、前回の収穫処理から成長レベルデータDe1が示す成長レベルが新たな成長レベルに更新されている場合、前回の収穫時に対してツリーTaが成長したと判定する。そして、制御部31は、前回の収穫時に対してツリーTaが成長した場合、ステップS102に処理を進める。一方、制御部31は、前回の収穫時に対してツリーTaが成長していない場合、ステップS103に処理を進める。
【0106】
ステップS102において、制御部31は、ツリーTaが次の成長レベルに成長したことを通知し、ステップS103に処理を進める。例えば、制御部31は、リンゴAgを購入したことによってツリーTaが次の成長レベルに成長したことを通知する成長通知を、相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに教えるイベントを表示部35に表示する。
【0107】
ステップS103において、制御部31は、ツリーTaがリンゴAgを収穫できる状態であるか否かを判定する。例えば、制御部31は、収穫可否データDe3を参照して、ツリーTaが収穫可能状態に設定されているか否かを判定する。そして、制御部31は、ツリーTaがリンゴAgを収穫できる状態である場合、ステップS104に処理を進める。一方、制御部31は、ツリーTaがリンゴAgを収穫できない状態である場合、ステップS108に処理を進める。
【0108】
ステップS104において、制御部31は、成長アドバイス通知を行って、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、次の段階の成長レベルにツリーTaを成長させるためにはどのようにリンゴAgを購入すればよいか、相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoにアドバイスするイベント(成長アドバイス通知;図4参照)を表示部35に表示する。
【0109】
次に、制御部31は、収穫物を追加する処理を行い(ステップS105)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、所持数データDd1が示すリンゴAgの所持数に、ツリーTaに実っているリンゴAgの数(すなわち、成長テーブルデータDfが示すツリーTaの成長レベルに対応する収穫個数)を加算し、加算後の数量を所持数として所持数データDd1を更新する。また、制御部31は、収穫可否データDe3が示す状態を収穫不能状態として収穫可否データDe3を更新して、仮想世界において収穫不能状態にツリーTaを変更して表示部35に表示する。また、制御部31は、次にリンゴAgが収穫可能状態となる時期を設定し、当該時期を用いて収穫可能時期データDe2を更新する。
【0110】
次に、制御部31は、収穫によって収穫物が追加されたことを示す通知を行い(ステップS106)、次のステップに処理を進める。例えば、制御部31は、当該収穫処理によってリンゴAgが20個収穫された場合、プレイヤオブジェクトPoが所持しているリンゴAgが20個増えたことを示す通知を表示部35に表示する。
【0111】
次に、制御部31は、収穫アドバイス通知を行って(ステップS107)、当該サブルーチンによる処理を終了する。例えば、制御部31は、次に収穫が可能となるタイミングを相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに教えるイベント(収穫アドバイス通知;図6参照)を表示部35に表示する。
【0112】
一方、ステップS103においてツリーTaがリンゴAgを収穫できない状態であると判定した場合、制御部31は、収穫アドバイス通知を行って(ステップS108)、当該サブルーチンによる処理を終了する。例えば、制御部31は、収穫ができないことが通知されるとともに、次に収穫が可能となるタイミングを相手オブジェクトHoがプレイヤオブジェクトPoに教えるイベント(収穫アドバイス通知;図7参照)を表示部35に表示する。
【0113】
図9に戻り、上記ステップS44においてリンゴAgを収穫する処理を行わないと判定した場合、制御部31は、情報処理(ゲーム処理)を終了するか否かを判断する。情報処理を終了する条件としては、例えば、情報処理を終了させる条件が満たされたことや、ユーザが情報処理を終了する操作を行ったこと等がある。制御部31は、情報処理を終了しない場合に上記ステップS42に戻って処理を繰り返し、情報処理を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0114】
このように、情報処理システム1における情報処理装置3およびサーバ200の処理によれば、ユーザがゲーム内通貨の一例であるリンゴAgを購入した場合、当該リンゴAgを無料で定期的に収穫する収穫個数が増加するため、ユーザによる購入を加減することができる。その一方で、ゲーム内通貨の一例であるリンゴAgを購入する個数や無料で定期的に収穫可能となる収穫個数が制限されているとともに、最大となる収穫個数がゲームプレイを行う上で充分な個数に設定されているため、購入額を抑制することもできる。
【0115】
なお、上述した情報処理装置3において行われる処理においては、各イベントが行われる前後にユーザ操作を要求されてもかまわない。例えば、次のイベントに進めるために所定の操作を必要とする場合、各イベント(例えば、ユーザに対して各種通知を行うイベント)を行う前および/または各イベントを行う後にユーザからの所定の操作を待って、次のイベントや処理に進むように処理手順を構成してもよい。また、上記処理について、情報処理装置3およびサーバ200の何れが実行するかについては任意であり、図9図11に示した処理や情報処理装置3が処理する時間単位毎に行う処理の少なくとも一部をサーバ200によって実行してもよい。
【0116】
また、上述した実施例では、仮想世界を用いてプレイされるゲームにおいて、ゲーム内通貨を購入することに応じて、当該ゲーム内通貨を無料で付与される付与個数や付与周期等の付与ルールが変更される例を用いたが、ゲームにおける他の報酬が付与される付与ルールが変更されてもよい。一例として、仮想世界を用いてプレイされるゲームにおいて、ゲーム内通貨を購入することに応じて、当該ゲーム内通貨とは別の仮想アイテムを無料で付与される付与個数や付与周期等の付与ルールが変更されてもよい。他の例として、仮想世界を用いてプレイされるゲームにおいて、当該ゲームにおける他の報酬(例えば、プレイヤオブジェクトの能力を向上させるパラメータ等)を購入することに応じて、当該報酬を無料で付与される付与数(例えば、敵との戦闘やゲーム回数によって付与されるパラメータ値)や付与周期(例えば、パラメータが定期的に上昇するプレイ時間周期)等の付与ルールが変更されてもよい。
【0117】
また、本実施例は、上記ゲームアプリケーションとは異なるオンラインショッピングアプリケーション等を用いる場合において、無料で付与されるユーザ報酬やユーザ特典に適用してもよい。例えば、情報処理装置3およびサーバ200を介して、ユーザが商品やサービス等を購入(例えば、現実の商品やサービスを購入するショッピング)可能であり、当該商品やサービスの購入の有無とは別に、商品やサービス等の購入に使用できるショッピングアプリケーション内の電子クーポン(例えば、金券や割引券等)を無料でユーザに定期的に配布されるような仕組みがある場合、当該金券や割引券がユーザに配布されるルールが商品やサービス等の購入に応じて変更されてもよい。具体的には、上記仕組みにおいて、ユーザが商品やサービス等を購入した購入情報に応じて、上記無料で定期的に配布される金券や割引券の配布枚数、配布周期、特典金額、対象商品および対象サービス等が変更されてもよい。このような仕組みであっても、ユーザが商品やサービス等を購入した場合、当該購入に使用できる金券や割引券の無料配布ルールが変更されるため、ユーザによる購入を加減することができる。
【0118】
また、上述した説明では情報処理を情報処理装置3およびサーバ200で行う例を用いたが、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行ってもかまわない。例えば、情報処理装置3がさらに他の装置(例えば、別のサーバ、他のゲーム装置、他の携帯端末)と通信可能に構成されている場合、上記情報処理における処理ステップは、さらに当該他の装置が協働することによって実行してもよい。また、サーバ200で行われている処理の一部を情報処理装置3や他の装置で行うことも考えられる。このように、上記情報処理における処理ステップの少なくとも一部を他の装置で行うことによって、上述した情報処理と同様の処理が可能となる。また、上述した情報処理は、少なくとも1つの情報処理装置とサーバとにより構成される情報処理システムに含まれる1つのプロセッサまたは複数のプロセッサ間の協働により実行されることが可能である。また、上記実施例においては、情報処理装置3の制御部31やサーバ200の制御部202が所定のプログラムを実行することによって、上述したフローチャートによる処理が行われたが、情報処理装置3が備える専用回路やサーバ200が備える専用回路によって上記処理の一部または全部が行われてもよい。
【0119】
ここで、上述した変形例によれば、いわゆるクラウドコンピューティングのシステム形態や分散型の広域ネットワークおよびローカルネットワークのシステム形態でも本発明を実現することが可能となる。例えば、分散型のローカルネットワークのシステム形態では、据置型の情報処理装置(据置型のゲーム装置)と携帯型の情報処理装置(携帯型のゲーム装置)との間で上記処理を協働により実行することも可能となる。なお、これらのシステム形態では、上述した各ステップの処理をどの装置で行うかについては特に限定されず、どのような処理分担をしたとしても本発明を実現できることは言うまでもない。
【0120】
また、上述した情報処理で用いられる処理順序、設定値、判定に用いられる条件等は、単なる一例に過ぎず他の順序、値、条件であっても、本実施例を実現できることは言うまでもない。
【0121】
また、上記情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)は、外部メモリ等の外部記憶媒体を通じて情報処理装置3やサーバ200に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じて情報処理装置3やサーバ200に供給されてもよい。また、上記プログラムは、情報処理装置3内部やサーバ200内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、上記プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、不揮発性メモリの他に、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、などでもよい。また、上記プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記プログラムを記憶する揮発性メモリでもよい。このような記憶媒体は、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体ということができる。例えば、コンピュータ等に、これらの記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、上述で説明した各種機能を提供させることができる。
【0122】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施例の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、ユーザの購入を加減すること等を目的として、情報処理システムおよび情報処理プログラム等として有用である。
【符号の説明】
【0124】
1…情報処理システム
3…情報処理装置
31、202…制御部
32、203…記憶部
33…プログラム格納部
34…入力部
35…表示部
36、201…通信部
100…ネットワーク
200…サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11