【実施例】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る組み立て式のラックについて詳細に説明する。
【0020】
本実施例に係る組み立て式のラック1は、
図1、
図2に示すように、所要本数の支柱11と、2本の支柱11を連結して長尺の連結支柱11Aを構成するための所要数の連結具21と、短サイズ、長サイズ2種類構成からなる所要数のブラケット31と、所要数の例えばゴム製の支柱脚カバー41と、所要数の棚板51と、を構成部品とし、更に付属品として組み立て時に使用する殴打部62a、62bにゴム材を用いたハンマー61を具備する構成としている。前記ハンマー61は、例えば、一方の殴打部62aに黄色の着色を施し(ホワイト製品用)、他方の殴打部62bに黒色の着色を施している(ブラック製品用)。
【0021】
図1は、8本の支柱11を用いて4個の連結具21を使用して4本の連結支柱11Aを構成し、下段に位置する4本の支柱の最下部に4個の支柱脚カバー41を各々嵌め込んでこれらを起立配置とし、また、4本の連結支柱11Aに対して、一段当たり短サイズのブラケット31を2個、長サイズのブラケット31を2個、合計で一段当たり4個ずつ用いて全体として5段にわたってこれらを水平配置に取り付け、各段の4個ずつのブラケット31上に各々一枚ずつ合計5枚の棚板51を設置して、5段の組み立て式のラック1を組み立てた例を示すものである。
【0022】
次に、
図3を参照して前記支柱11、前記連結具21の詳細、及び前記連結支柱11Aの構成例について説明する。
【0023】
前記支柱11は、一対の長尺片12、12をL型状に一体形成し、各長尺片12、12に各々
図3に示すような形状でブラケット31を強固に連結するための多数の段付き受穴13を対応配置に、かつ、長さ方向に等間隔に設け、更に、前記長尺片12の一部に壁への固定用のネジ挿通孔14を設けることにより構成している。
【0024】
前記連結具21は、
図3に示すように、連結される各支柱11、11の端部が両側から嵌着され近接連結状態で支持可能とするために、前記各長尺片12、12の嵌着用の受領域を内部に形成する一対構造の折り返し挟み込み片22、22を前記支柱11、11の各端部に外側から当接可能な形状であるL型状に一体形成している。
【0025】
また、前記一対構造の折り返し挟み込み片22、22の長さ方向中央部にその内部の受領域側に突出するストッパー突部23を設け、前記各長尺片12、12の各端部の位置規制を行いつつ一対の支柱11、11を連結具21を使用して連結し
図3下欄に示す連結支柱11Aを構成するようにしている。
【0026】
更に、前記一対構造の折り返し挟み込み片22、22における各ストッパー突部23の両側には各々受領域側にわずかに突出し、前記各長尺片12、12の一面に当接して連結支持力を高める小突部24、24を設けている。そして、前記ストッパー突部23とその両側の小突部24、24との間における折り返し挟み込み片22と長尺片12には、連結される支柱11の側辺部外部から視認可能とする略U状を呈する凹陥部25、25を設けている。
【0027】
なお、
図3においては、前記ストッパー突部23、小突部24各々をこれらの背面側から見た凹陥状態で示している。
【0028】
前記ブラケット31は、前記連結具21により連結された複数の連結支柱11Aを、前記複数の連結支柱11Aの各段付き受穴13と係合して所定間隔隔てた状態に連結する係合端部32、32を両端に有し、両係合端部32、32の間を棚板受片34をL型配置に一体的に備える連結材33により連結する構成としている。
【0029】
また、前記係合端部32、32には、各々前記連結支柱11Aの段付き受穴13に嵌め込まれ、ハンマー61による殴打力の作用により前記段付き受穴13の狭幅部分に圧接するハの字状を呈する突起部35を設けている。
【0030】
そして、前記各係合端部32、32の各突起部35を、所定の間隔をもって配置した隣り合う各連結支柱11Aの対応する各段付き受穴13に係合させ圧接状態とすることで前記各連結支柱11A相互を連結し、前記各連結材33の各棚板受片34によりその上部に設置される棚板51を支持するように構成している。
【0031】
前記棚板受片34には、棚板固定用のネジ挿通孔36が設けられている。
【0032】
次に、本実施例に係る組み立て式のラック1の組み立て工程について
図4乃至
図12を参照して説明する。
【0033】
まず、
図4に示すように、前記支柱11の端部に支柱脚カバー41を嵌め込む。この工程は、一台の組み立て式のラック1を組み立てる際には4本の支柱11に対して実行する。
【0034】
次に、
図5に示すように、各々支柱脚カバー41を嵌め込んだ4本の支柱11と、短サイズのブラケット31を2個、長サイズのブラケット31を2個用意する。
【0035】
そして、前記2本の支柱11の支柱脚カバー41側近くの同一高さの各段付き受穴13に短サイズのブラケット31の各係合端部32に設けた各突起部35を嵌め込み、前記ハンマー61により前記ブラケット31の両隅部を殴打し、前記各突起部35を各段付き受穴13の狭幅部に圧接させこれらを連結状態とする。
【0036】
この工程を2回行い、短サイズのブラケット31を取り付けた2本の支柱11を2セット作成する。
【0037】
次に、
図6に示すように、短サイズのブラケット31を取り付けた2本の支柱11の2セットを長サイズのブラケット31に対応する間隔で平行配置し、2個の長サイズのブラケット31を上述した場合と同様にして対応する各支柱11に取り付け連結状態とし、合計4個のブラケット31を四角形配置に取り付け、前記4本の支柱11を起立状態とする。
【0038】
次に、
図7に示すように、前記4本の支柱11を起立状態とした状態で、各支柱11の端部(上端部)に各々4個の連結具21の片側を嵌め付け、前記ハンマー61により各連結具21の他側を殴打して各支柱11の端部を前記ストッパー突部23に突き当てる。
【0039】
次に、
図8に示すように、4個の連結具21に対してその他側に各々別の4本の支柱11の端部(下端部)を各々嵌め付け、これら各支柱11の上端部を各々前記ハンマー61により殴打して、前記各支柱の下端部を前記4個の連結具21の各ストッパー突部23に突き当てる。
【0040】
これにより、連結具21により連結状態とした四角形配置の4本の連結支柱11Aが作成される。
【0041】
次に、
図9に示すように、上述した4本の連結支柱11Aに順に所要数のブラケット31を取り付け、5段構成で棚板51の設置前のラック1を組み立てる。
【0042】
すなわち、まず4本の連結支柱11Aにおける最上段の各段付き受穴13に対して、短サイズのブラケット31を2個、長サイズのブラケット31を2個を各々既述した場合と同様にして取り付け、次に最下段の4個のブラケット31と最上段の4個のブラケット31との間に所定の感覚で3段にわたって4個ずつのブラケット31を取り付けて、合計5段構成からなる棚板51の設置前のラック1を組み立てる。
【0043】
図10は本実施例に係る前記ブラケット31の上下反転態様を示すものであり、このブラケット31は、上下反転仕様で、前記棚板受片34を上側(
図10上欄)として隣り合う前記連結支柱11A間に取り付けたり、また、前記棚板受片34を下側(
図10下欄)として隣り合う前記連結支柱11A間に取り付けたりすることが可能に構成している。
【0044】
図11は、四角形配置とした4本の連結支柱11Aに対して、このうち間隔の小さい2セットの連結支柱11A、11A間に各々前記棚板受片34を下側とした短サイズの2個のブラケット31を取り付けるとともに、前記棚板受片34を下側とした長サイズの1個のブラケット31と、前記棚板受片34を上側とした長サイズの1個のブラケット31との合計2個の長サイズのブラケット31を大きな間隔で隣り合う2本ずつの連結支柱11A、11A間に取り付け、合計4個の四角形配置の棚板受片34上に一枚の棚板51を設置した態様を示すものである。
【0045】
すなわち、
図11に示す場合には、一枚の棚板51における2箇所の短辺と、1箇所の長辺との三方を各ブラケット31の連結材33で囲み、前記棚板51における残る1箇所の長辺の側方を開放状態とした体裁の良好な態様とているものである。
【0046】
また、
図12は、前記四角形配置とした4本の連結支柱11Aに対して、短サイズの2個のブラケット31と、長サイズの2個のブラケット31との合計4個のブラケット31を、いずれも前記棚板受片34を上側とした状態で上述した場合と同様にして取り付けて、合計4個の四角形配置の棚板受片34上に一枚の棚板51を設置した態様を示すものである。
【0047】
これにより、前記棚板51をフラットな状態(棚板51を棚板受片34上でフラットな状態)で設置できる。
【0048】
図13は、本実施例に係る組み立て式のラック1の分解を行う場合に生じる前記支柱11を嵌め付けた連結具21をこの支柱11から取り外す態様を示すものであり、前記連結具21が端部に嵌め付けられている前記支柱11に対して、別の支柱11を重ねてこの別の支柱11の一方の端縁を前記連結具21の折り返し挟み込み片22の端縁に当接させて、この状態で、前記別の支柱11の他方の端縁を前記ハンマー61により前記別の支柱11の長さ方向に叩き殴打力を付与することで、前記支柱11から前記連結具21を容易に離脱させることができる。
【0049】
図14は、本実施例に係る組み立て式のラック1の応用例を示すものであり、この場合には前記連結具21を使用せずに、3段の棚板51を備えるラック1Aと、2段の棚板51を備えるラック1Bとを組み立てた例を示している。
【0050】
すなわち、前記ラック1Aは、4本の支柱11と、4個の支柱脚カバーと、6個の短サイズのブラケット31と、6個の長サイズのブラケット31と、3枚の棚板51とを用いて上、中、下3段の棚板51を備えるラック1Aを組み立てたものである。
【0051】
また、前記ラック1Bは、4本の支柱11と、4個の支柱脚カバーと、4個の短サイズのブラケット31と、4個の長サイズのブラケット31と、2枚の棚板51とを用いて上、下2段の棚板51を備えるラック1Aを組み立てたものである。
【0052】
図15は、本実施例に係る組み立て式のラック1の別の応用例を示すものであり、2台の組み立て式のラック1、1を所定の間隔で、かつ、短辺側が対向するように横列配置し、例えば、2台の組み立て式のラック1、1の手前側及び奥側で対向する2本ずつの連結支柱11A、11A間に2個のブラケット31を各々両者が手前側及び奥側で水平配置、かつ、所定の高さ(例えば床面から80cm等)となるように取り付け、これら2個のブラケット31上に一枚の棚板51を設置した態様としたものである。
【0053】
このような別の応用例によれば、2台の組み立て式のラック1、1により大容量の物品収納機能を発揮させることができるとともに、前記一枚の棚板51の上面側を例えば文字記載用のデスク面等として利用できる機能をも発揮させることができる。
【0054】
以上説明した本実施例に係る組み立て式のラック1によれば、複数本の支柱11を分割態様として他の構成要素とともに梱包が小さい状態で運搬することができる。
また、前記支柱11、ブラケット31、連結材33等々を適宜選定して、使用者が好むサイズのラック1を自在に組み立て形成することができる。
【0055】
また、全体として組み立てがネジ、ボルト、ナット等を要することなく組み立てが簡略容易である。
【0056】
更に、前記連結具21により2本の支柱11を連結状態とした連結支柱11Aを作成するとき、前記連結具21における前記折り返し挟み込み片22の長さ方向中央部内にストッパー突部23を備えることから、各連結支柱11Aを正確に均等な長さとし、各段付き受穴13の位置を揃えることが容易となり、これにより、隣り合う連結支柱11Aの各段付き受穴13に取り付けるブラケット31の配置、更にはブラケット31上に設置する棚板51の配置を高精度なものとすることができ、全体として強固な物品支持構造を有する組み立て式のラック1を得ることができる。
【0057】
本実施例に係る組み立て式のラック1は、前記ブラケット31の係合端部32には、前記連結支柱11A(又は支柱11)の段付き受穴13に嵌め込まれ、ハンマー61による殴打力の作用により段付き受穴13の狭幅部分に圧接するハの字状の突起部35を具備することから、ネジ等を使用することなく前記ブラケット31の係合端部32を前記連結支柱11A(又は支柱11)に強固に取り付けることができる。
【0058】
本実施例に係る組み立て式のラック1によれば、ブラケット31の連結材33は、L型配置に設けた棚板受片34を上側に向ける配置と、前記棚板受片34を下側に向ける配置との上下反転設置可能であることから、前記ブラケット31、前記棚板51の前記連結支柱11A(又は支柱11)に対する取り付け態様を2態様とした多様化が可能となる。
【0059】
本実施例によれば、前記棚板51は上面、下面の色を異ならせた仕様でリバーシブル使用可能であることから、前記棚板51の外観態様を周囲環境に応じて2種類に異ならせた組み立て式のラック1を実現できる。
【0060】
本実施例によれば、前記支柱11には壁への固定用のネジ挿通孔14が、ブラケット31の棚板受片34には棚板固定用のネジ挿通孔36が各々設けられていることから、この組み立て式のラック1を壁へ固定したり、ブラケット31と棚板51とを固定したりすることができ、一層強固な物品支持機能を発揮する組み立て式のラック1を実現することができる。
【0061】
次に、
図16乃至
図18を参照して前記支柱11の変形例である支柱11B、及び前記連結具21の変形例である連結具21Aについ説明する。
【0062】
変形例である前記連結具21Aは、前記連結具21より簡略化した構成としたものであり、
図16、
図17に示すように、既述した連結具21の場合と同様に、連結される各支柱11B、11Bの端部が両側から嵌着され近接連結状態で支持可能とするために、前記各長尺片12、12嵌着用の受領域を内部に形成する一対構造の折り返し挟み込み片22、22を前記支柱11B、11Bの各端部に外側から当接可能な形状であるL型状に一体形成するとともに、前記凹陥部25を省略した構成としている。
【0063】
また、前記一対構造の折り返し挟み込み片22、22の長さ方向中央部にその内部の受領域側に突出するストッパー突部23を設け、前記各長尺片12、12の各端部の位置規制を行いつつ一対の支柱11B、11Bを連結具21Aを使用して連結し
図17下欄に示す連結支柱11Cを構成するようにしている。
【0064】
更に、前記一対構造の折り返し挟み込み片22、22における各ストッパー突部23の両側には各々受領域側にわずかに突出し、前記各長尺片12、12の一面に当接して連結支持力を高める小突部24を設けている。
【0065】
変形例である前記支柱11Bは、前記支柱11の場合と同様に、一対の長尺片12、12をL型状に一体形成し、各長尺片12、12に各々ブラケット31を強固に連結するための多数の段付き受穴13Aを対応配置に、かつ、長さ方向に等間隔に設け、更に前記長尺片12の一部に壁への固定用のネジ挿通孔14を設けることにより構成している。
【0066】
変形例である前記支柱11Bにおける段付き受穴13Aは、
図18に部分拡大して示すように、中央部に前記ブラケット31の係合端部32が挿入可能な広幅穴部37を具備し、この広幅穴部37の前記長尺片12の長さ方向両側に前記広幅穴部37より狭幅の狭幅部分を形成する例えば幅を2段階に異ならせた2段構成の段付き穴部38を対称配置に備える構成とし、また、前記支柱11Bの端部に支柱脚カバー41を装着する構成している。
【0067】
図16、
図17に示す連結支柱11C、連結具21Aを使用した場合においても、既述した実施例の場合と同様な組み立て工程の基に前記組み立て式のラック1を組み立てることができる。
【0068】
また、前記段付き受穴13Aを具備する支柱11Bを使用する場合においては、前記広幅穴部37の両側に段付き穴部38を設けていることから、前記支柱11Bにより連結支柱11Cを構成する場合、この支柱11Bの長さ方向反転使用も可能となり、連結支柱11C組み立て時の利便性が向上する。