特許第6877033号(P6877033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6877033-マンションの空間拡大構造 図000002
  • 特許6877033-マンションの空間拡大構造 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6877033
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】マンションの空間拡大構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/04 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   E04H1/04 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-96478(P2017-96478)
(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公開番号】特開2018-193715(P2018-193715A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】598048244
【氏名又は名称】株式会社インデックス・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】斧山 晃一
【審査官】 河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−025457(JP,U)
【文献】 実開昭63−062550(JP,U)
【文献】 特開2016−216890(JP,A)
【文献】 米国特許第06128875(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02
E04H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関からリビングルームまでの直進通路と、
直進通路の両側に用途の異なるスペースを配置してなるマンション居住空間において、
直進通路に沿って配設した一側のスペースに一側のスペース用ドアを配し、
一側のスペース用ドアの幅員は直進通路一側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設した一側のスペースの使用時には一側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放し、直進通路を一側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより一側のスペース用ドアの開放により遮断した直進通路を一側のスペースの伸延空間とし、
更には直進通路に沿って配設した他側のスペースに他側のスペース用ドアを配し、
他側のスペース用ドアの幅員は直進通路側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設した他側のスペースの使用時には他側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放し、直進通路を他側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより他側のスペース用ドアの開放により遮断した直進通路を他側のスペースの伸延空間としたことを特徴とするマンションの空間拡大構造。
【請求項2】
前記一側のスペース用ドアを前記直進通路に沿って配設したトイレルームのトイレドアとしたことを特徴とする請求項1に記載のマンションの空間拡大構造。
【請求項3】
前記他側のスペース用ドアを前記直進通路に面した脱衣場の脱衣場ドアとしたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のマンションの空間拡大構造。
【請求項4】
開放時の前記他側のスペース用ドアを直進通路の奥に配設したリビングルームの入口ドアと兼用としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいれか1項に記載のマンションの空間拡大構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション居住空間においてトイレ及び脱衣場の空間を拡大するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
単身者世帯の世帯数増加と共に専有面積の狭い住宅が増加してきている。そもそも、単身者世帯用の住宅は30m以下の住宅が多く、東京都内の物件では25m以下の物件も多いため、リラックスするのに十分な居住スペースを確保することが困難であると言われている。この現状を打開する方法としてキッチンスペースを削減して必要面積を創出する方法が各物件で採用されており、その一例として、1Rのようにキッチンをリビングルームに含む方法や、1Kのように廊下部分に省スペース化したキッチンを設け、創出されたスペースをリビングルームに充てる方法が採用されている。
【0003】
また、上記以外にも狭い空間を広い空間として活用する方法として扉を利用した空間の可変構造について下記の特許文献にて開示されている。例えば、特許文献1では、狭い住宅でも間仕切りを効率よく配置することで空間の利用効率が向上し、且つ手間の掛からない住宅の間取り変更構造について開示している。
【0004】
さらに、下記特許文献2では高齢者施設等の居室に設置されるトイレ空間では、手摺、アームレス等の介護機器が取り付けられるため、居室内でのトイレ室の占有率が大きくなりトイレ室以外の居室スペースが狭くなるといった問題を含んでいる。その解消手段としてトイレ室の開口部に、外開き戸を設け、該外開き戸を開けたときに形成される間隙部を出入り口とし、この出入り口にさらに折り畳み戸を開閉可能に設けることでトイレ空間の利用時はトイレ空間を拡張して利用することができ、トイレ空間の非利用時はトイレ空間を可能な限り小さくして居室空間を広く利用できる方法について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−081975号公報
【特許文献2】特開2004−116233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようにドアを利用して各空間を利用用途に応じて区切る方法は特許文献1や特許文献2に開示されている。しかし、何れの文献も空間の仕切りドアを利用しない場合は別途収納スペースを利用して外部から見えないようにすることで美観を損なわないようにしていた。そのため、仕切りドアを利用して空間利用の多変化を実現しているにもかかわらず収納スペースという不必要な空間を提供しなければならず、狭空間のスペースの有効利用が実現できているとは言えなかった。
【0007】
そこで、本発明では上記問題に鑑みて、空間を仕切るために利用されるドアを収納スペースを必要とすることなく、利用用途に応じてドア固定位置を変更することで空間の利用方法を変更できる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の空間拡大構造は、玄関からリビングルームまでの直進通路と、直進通路の両側
に用途の異なるスペースを配置してなるマンション居住空間において、直進通路に沿って
配設した一側のスペースに一側のスペース用ドアを配し、一側のスペース用ドアの幅員は
直進通路一側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設
した一側のスペースの使用時には一側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放
し、直進通路を一側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより一側のスペース用
ドアの開放により遮断した直進通路を一側のスペースの伸延空間とし、更には直進通
路に沿って配設した他側のスペースに他側のスペース用ドアを配し、他側のスペース用ド
アの幅員は直進通路側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に
沿って配設した他側のスペースの使用時には他側のスペース用ドアの枢軸を中心として略
直角に開放し、直進通路を他側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより他側の
スペース用ドアの開放により遮断した直進通路を他側のスペースの伸延空間としたこ
とを特徴とするマンションの空間拡大構造である。
【0009】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、一側のスペース用ドアを直進通路に面したトイレルームのトイレドアとしたことを特徴とするマンションの空間拡大構造である。
【0010】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、他側のスペース用ドアを直進通路に面した脱衣場の脱衣場ドアとしたことを特徴とするマンションの空間拡大構造である。
【0011】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、開放時の他側のスペース用ドアを直進通路の奥に配設したリビングルームの入口ドアと兼用としたことを特徴とするマンションの空間拡大構造である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、本発明の空間拡大構造は、玄関からリビングルームまでの直進通路と、直進通路の両側に用途の異なるスペースを配置してなるマンション居住空間において、直進通路に沿って配設した一側のスペースに一側のスペース用ドアを配し、一側のスペース用ドアの幅員は直進通路一側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設した一側のスペースの使用時には一側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放し、直進通路を一側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより一側のスペース用ドアの開放により遮断した直進通路を一側のスペースの伸延空間とし、更には直進通路に沿って配設した他側のスペースに他側のスペース用ドアを配し、他側のスペース用ドアの幅員は直進通路側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設した他側のスペースの使用時には他側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放し、直進通路を他側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより他側のスペース用ドアの開放により遮断した直進通路を他側のスペースの伸延空間としたことにより、一側のスペースを利用する場合は一側のスペース用ドアを直進通路を遮断するように固定して、直進通路に設けた一側のスペースと直進通路とを連通することで一側のスペースを拡張して利用することができる。また、一側のスペースを利用しない場合は、一側のスペース用ドアを直進通路に対して遮断する方向に固定することで玄関からの冷気を遮断することができる。さらに、一側のスペース用ドアを直進通路と直進となる向きに固定することで玄関からの通気を良くすることができる。このように、一側のスペース用ドアの固定位置を変更することで温度調節するための選択性を有し利用者が適宜希望の形態とすることができる。
また、他側のスペースを利用する場合は一側のスペースを利用する場合と同様に他側のスペース用ドアを直進通路に対して遮断する方向で固定することで他側のスペースの伸延空間として直進通路を利用することができる。また、他側のスペースを利用しない場合においても、他側のスペース用ドアを直進通路に対して遮断する方向に固定することで玄関からの冷気を遮断することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、一側のスペース用ドアを直進通路に面したトイレルームのトイレドアとしたことにより、トイレルームの未使用時には該トイレドアを直進通路に対して直進方向に固定することで、トイレルームを可及的狭空間とすることができる。さらに、トイレルームの使用時には、直進通路に対して該トイレドアを遮断する方向に固定することで、直進通路空間を脱衣場の伸延空間として利用することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、他側のスペース用ドアを直進通路に面した脱衣場の脱衣場ドアとしたことにより、脱衣場の未使用時には脱衣場ドアを直進通路に対して直進方向に固定することで、脱衣場を可及的狭空間とすることができる。また、脱衣場を利用する際には脱衣場ドアを直進通路に対して遮断する方向に固定することで、直進通路空間を脱衣場の伸延空間として利用することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、開放時の他側のスペース用ドアを直進通路の奥に配設したリビングルームの入口ドアと兼用としたことにより、リビングルームへの入口ドアを別途設ける必要がなくなる。さらに、他側のスペース用ドアは、直進通路に沿って配設した他側スペースを確保する際にリビングルームの入口を閉塞する役割だけでなく、リビングルーム内の冷暖房時にも他側のスペース用ドアを利用してリビングルームに閉塞空間を形成し調節した温度が変動することを可及的に低減している。さらに、通常の1Rや1Kのマンションでは、玄関からリビングルームへと進入する道中にはスペースの関係上、リビングルームを閉塞するドアしか開閉可能な扉は存在しない。しかし、本発明では他側のスペース用ドアをリビングルームのドアとして兼用しているため、該他側のスペース用ドアと一側のスペース用ドアを直進通路に対して遮断する方向で固定することで、両方のドアの間に形成された閉塞空間を玄関からの通気を妨げる断熱空間としてリビングルーム内の温度変化が生じにくい効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態にかかる住宅の間取り変更構造の平面図である。
図2】本発明の実施形態にかかる住宅のレイアウト変更を示した平面図であり、(a)はトイレルーム、及び脱衣場を閉塞する状態にトイレドア、脱衣場ドアを配置した場合の拡大平面図であり(b)はトイレルームを開放する状態にトイレドアを配置した場合の拡大平面図である。また、(c)は脱衣場を開放する状態に脱衣場ドアを配置した場合の拡大平面図であり、(d)はトイレルームと脱衣場を開放する状態にトイレドアと脱衣場ドアを配置した場合の拡大平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、玄関からリビングルームまでの直進通路と、直進通路の両側に用途の異なるスペースを配置してなるマンション居住空間において、直進通路に沿って配設した一側のスペースに一側のスペース用ドアを配し、一側のスペース用ドアの幅員は直進通路一側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設した一側のスペースの使用時には一側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放し、直進通路を一側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより一側のスペース用ドアの開放により遮断した直進通路空間を一側のスペースの伸延空間とし、更には直進通路に沿って配設した他側のスペースに他側のスペース用ドアを配し、他側のスペース用ドアの幅員は直進通路一側端縁を枢軸とした開閉可能な略幅員とすることにより直進通路に沿って配設した他側のスペースの使用時には他側のスペース用ドアの枢軸を中心として略直角に開放し、直進通路を他側のスペース用ドアで遮断可能に構成することにより他側のスペース用ドアの開放により遮断した直進通路空間を他側のスペースの伸延空間としたことを特徴とする。
また、前記一側のスペース用ドアを前記直進通路に面したトイレルームのトイレドアとしたことを特徴とする。
また、前記他側のスペース用ドアを前記直進通路に面した脱衣場の脱衣場ドアとしたことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のマンションの空間拡大構造。
また、開放時の前記他側のスペース用ドアを直進通路の奥に配設したリビングルームの入口ドアと兼用としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいづれか1項に記載のマンションの空間拡大構造。
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明の実施形態にかかる住宅の間取り変更構造の平面図である。
【0019】
居住空間100は、図1に示しているように平面視略矩形であり、本実施形態では下端部の略中央に配設された玄関11からリビングルーム50までの間に直線状の直進通路10を有し、該直進通路10に沿った一側方に一側のスペースとしてのトイレルーム30及び調理スペース60及び洗濯機載置場70を有し、さらに、該直進通路10に沿った他側方にバスルーム80及び他側のスペースとしての脱衣場40を有している。
【0020】
従来、マンション等のトイレルーム30は部屋全体の面積を可及的に広く取るために可及的に狭空間とされている。例えば、便座式のトイレを配置したトイレルーム30では、一側のスペース用ドアとしてのトイレドア20の方向に頭を向けて着座して用を足すような細長手の空間が形成されている。従って、かかるトイレルーム30で用を足そうとした場合、着座した使用者は頭を下げた前かがみ姿勢となり、頭部がトイレドア20に当接して充分に用が足せない状態となり使用に不便を感じるトイレルーム30の構成となっていた。
【0021】
本発明のトイレルーム30は、かかる不備を解消するための一手段として考案されたものであり、かかる着座使用時に使用者が前かがみになっても、トイレドア20は開放されて、その開放先方には、直進通路10の一部となる玄関11の三和土空間12が形成されて、この玄関11の三和土空間12をトイレルーム30の伸延空間として通常のトイレルーム30の約2倍の縦長空間に変換することができる。また、トイレドア20は閉塞することにより玄関11からリビングルーム50への進行に何ら支障とならない。
なお、トイレルーム30の使用に伴う換気などは伸延空間に設置した換気装置により脱気して直進通路10としての使用に何ら支障とならないように構成している。すなわち、トイレルーム30を広く伸延空間として使用する場合は、トイレドア20を開放状態とし、かかる開放時のトイレドア20は直進通路10を閉塞してトイレルーム30と一体の伸延空間によりトイレ使用に便利な広域空間とすることができ、他方トイレ不使用時はトイレドア20を閉塞することで直進通路10は通常の廊下としての使用に何ら不都合を生起しないこととした。
【0022】
また、トイレルーム30の隣接方向には、調理スペース60と洗濯機載置場70とが配設されており、トイレルーム30に面する直進通路10は玄関11の三和土空間12(靴を脱着する空間)を備えている。
【0023】
脱衣場40は、直進通路10側に向かった平面視略矩形形状であり、直進通路10側より進入した際の正面端部に洗面台46が配設されており、脱衣場40と直進通路10との境界に開口部45と他側のスペース用ドアとしての脱衣場ドア41を備えた構成としている。
【0024】
マンション等の脱衣場40は部屋全体の面積を可及的に広く取る為に可及的に狭空間とされている。
例えば、洗面所と一体となった脱衣場40では、脱衣する際の立位姿勢においては脱衣場ドア41と当接することはないが、靴下や下着などの肌着を脱衣する際には立位状態にて前屈姿勢となるため、脱衣場ドア41と頭部、または臀部が当接する虞があり脱衣場40での着脱に不便を感じる構成となっている。
【0025】
本発明の脱衣場40は、かかる不備を解消するための一手段として考案されたものであり、かかる立位状態にて前屈姿勢となっても、脱衣場ドア41が開放されて、その開放先方には、直進通路10の一部となる方形空間13が形成されており、この方形空間13を脱衣場40の伸延空間として通常の脱衣場40の約3倍の略L字空間に変換することができる。他方、脱衣場ドア41を閉塞することにより玄関11からリビングルーム50への進行に何ら支障を来たすことがない。
なお、脱衣場40の使用に伴う換気などは脱衣場40の伸延空間である方形空間13の天井に配設された換気装置により脱気して直進通路10としての使用に何ら支障とならないように構成している。すなわち、脱衣場40を広く伸延空間として使用する場合は、脱衣場ドア41を開放状態として、かかる開放時の脱衣場ドア41は直進通路10を閉塞して脱衣場40と一体の伸延空間により脱衣場40の使用に何ら支障を来たさない広域空間とすることができる。他方、脱衣場40の不使用時は脱衣場ドア41を閉塞することで直進通路10は通常の廊下としての使用に何ら不都合を生起しないこととした。
【0026】
脱衣場40の隣接方向には、バスルーム80が配設されており、バスルーム80は平面視略矩形であり、バスタブ81と洗い場82と、隣接する脱衣場40との境界部分に開口部83とバスドア84を備えている。
【0027】
直進通路10は、終端がリビングルーム50と連通しており、直進通路10の幅員をトイレルーム30からバスルーム80に至る全幅の幅員として、玄関11の三和土空間12からリビングルーム50までの長さを適宜有した略長方形のフローリングルームとしている。
【0028】
トイレルーム30は、平面視略長方形状であり、直進通路10の一端部に位置する玄関11の三和土空間12に隣接している。トイレルーム30と三和土空間12の境界部分には略矩形の開口部31が設けられており、該開口部31には略同一形状のトイレドア20を配設している。
【0029】
トイレドア20は、短手方向の一側方にトイレドア20を固定するための枢軸24を備え、他側方に回動自在の自由端25を備えている。該自由端25はトイレルーム30の未使用時にトイレドア20を直進通路10の直進方向に固定するための係止部21を備えている。また、自由端25はトイレルーム30の使用時にトイレドア20を直進通路10の遮断方向に固定するための係止部22を備えている。また、トイレドア20の自由端25はトイレルーム30に隣接する洗濯機載置場70の前面を塞ぐ回動端部23まで回動できる。すなわち、トイレルーム30の開口部31を出発点として玄関11の三和土空間12に向けて回動を開始して最終的には回動端部23まで枢軸24を基点として180度回転できる。
【0030】
また、係止部21にトイレドア20を固定した場合は、トイレドア20が玄関11を含む直進通路10を形成する壁面となり、直進通路10を使用する際に何ら不都合を生起することなく通常の廊下として使用できる。
【0031】
また、係止部22にトイレドア20を固定した場合は、玄関11の三和土空間12とトイレルーム30とが連通した閉空間を形成し、トイレルーム30の伸延空間として玄関11の三和土空間12が利用できる。
【0032】
バスルーム80は、平面視略矩形であり同じく平面視略矩形のバスタブ81と洗い場82と、隣接する脱衣場40との境界に略矩形の開口部83を有し、該開口部83に開口部83と略同一形状のバスドア84を形成することで隣接する脱衣場40への出入りが可能となっている。
【0033】
脱衣場40は、平面視略矩形の空間であり一端部に洗面台46を配設して、他端部に隣接する直進通路10との境界に略矩形の開口部45を有しており、該開口部45に略同一形状の脱衣場ドア41を備えている。
【0034】
脱衣場ドア41は、短手方向の一側方に固定するための枢軸44を備え、他側方に回動自在な自由端47を備えている。該自由端47は脱衣場40の未使用時に脱衣場ドア41を直進通路10の直進方向に固定するための係止部42に固定される。また、該自由端47は脱衣場40の使用時に脱衣場ドア41を直進通路10の遮断方向に固定するための係止部43に固定される。
【0035】
すなわち、係止部42に脱衣場ドア41を固定した場合は、脱衣場ドア41が直進通路10を形成する壁面の一部となり玄関11からリビングルーム50までの通路の直進性を確保できる。
【0036】
また、係止部43に脱衣場ドア41を固定した場合は、直進通路10を遮断する方向に固定されるため、脱衣場40と直進通路10とが連通して閉空間を形成することで、脱衣場40の伸延空間として直進通路10が利用できる。
【0037】
かかるように構成されたトイレドア20と脱衣場ドア41により直進通路10を区画することで各ドア20、41の間には方形空間13が形成される。この各ドア20,41間に形成された方形空間13は脱衣場40の空間と連通した多目的空間(例えば、洗濯作業、調理作業等の作業空間)として利用できる。
【0038】
また、各ドア20,41の間に方形空間13を形成する場合は、該方形空間13が脱衣場40と連通した閉空間を形成していることからバスルーム80からの湿気を解放するための脱気空間として利用されてもよく、方形空間13の天井面に脱気装置(図示せず)を備えていてもよい。
【0039】
また、トイレドア20を係止部22に固定して形成されたトイレルーム30と玄関11の三和土空間12の連通した閉空間には、トイレルーム30の天面、または側面に脱臭のための脱気用換気装置(図示せず)が備え付けられている。
【0040】
上記した、トイレルーム30の伸延空間と脱衣場40の伸延空間との併用に伴う直進通路10の多用途な利用形態としては、トイレドア20と脱衣場ドア41の多様な変形操作により種々の空間形成が可能となり、空間の利用目的や利用空間の各種の形態に応じて多種のドア操作を考えることができる。
【0041】
例えば、図2(a)〜(d)においては、各ドアの多様な操作変形を組み合わせることにより上記の有効なスペース利用を考慮することができる。
【0042】
また、図中、三和土空間12の一側縁部には細長い床部が直進通路10に連なって設けられている。また、直進通路10、リビングルーム50、トイレルーム30、脱衣場40の床部は全てフローリングとしている。
【0043】
かかるように構成することで、空間を区切るために利用されるドアの収納スペースを必要とすることなく、利用用途に応じて各ドアの固定位置を変更することで、同一の空間でありながら異なる利用方法が実現できる手段を提供することができる。
【0044】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
100 居住空間
10 直進通路
11 玄関
12 三和土空間
13 方形空間
20 トイレドア
21 係止部
22 係止部
23 回動端部
24 枢軸
25 自由端
30 トイレルーム
31 開口部
40 脱衣場
41 脱衣場ドア
42 係止部
43 係止部
44 枢軸
45 開口部
46 洗面台
47 自由端
50 リビングルーム
60 調理スペース
70 洗濯機載置場
80 バスルーム
81 バスタブ
82 洗い場
83 開口部
84 バスドア
図1
図2