特許第6877040号(P6877040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6877040
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/02 20060101AFI20210517BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20210517BHJP
   B65B 9/207 20120101ALI20210517BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B65B57/02 G
   B65B57/00 H
   B65B9/207
   B65B61/02
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-553675(P2017-553675)
(86)(22)【出願日】2016年10月3日
(86)【国際出願番号】JP2016079338
(87)【国際公開番号】WO2017094341
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2019年8月26日
(31)【優先権主張番号】特願2015-235771(P2015-235771)
(32)【優先日】2015年12月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 真史
(72)【発明者】
【氏名】市川 誠
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良一
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−096837(JP,A)
【文献】 特開2013−112383(JP,A)
【文献】 特開2003−212222(JP,A)
【文献】 米国特許第06219992(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00−57/02
B65B 9/207
B65B 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の包材を筒状に成形し、前記包材に被包装物を充填して密封する製袋包装機であって、
前記包材を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記包材の被印字領域に印字する印字部と、
筒状に成形された前記包材のシール領域を横方向にシールする横シール部と、
前記搬送部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
運転停止要求に基づいて前記包材の搬送を停止させるときに、前記印字部によって第n番目(nは自然数)に印字される前記被印字領域と第n+1番目に印字される前記被印字領域との間に位置する停止可能位置で前記包材を停止させ、
運転再開要求に基づいて前記製袋包装機の運転が開始する運転再開時に、前記停止可能位置に応じて、前記横シール部が前記シール領域をシールするタイミングと、前記搬送部が前記包材を搬送するタイミングとを調整する、
製袋包装機。
【請求項2】
前記停止可能位置は、前記運転再開時の後、前記被印字領域が第1搬送速度で前記印字部を通過できる位置である、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記停止可能位置は、前記運転再開時の後、前記シール領域が第2搬送速度で前記横シール部を通過できる位置である、
請求項1または2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記運転停止要求に基づいて前記包材の搬送を停止させるときに、前記運転停止要求の信号を受信した時の前記包材の位置を基準として前記包材の停止位置をずらすように前記包材を所定の搬送量だけ搬送させた後に停止させることで、前記停止可能位置で前記包材を停止させ、
前記運転再開時の後、前記搬送量に相当する分だけ前記包材を搬送させるために必要な時間が経過した後に、前記包材の搬送を開始する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記搬送量を入力するための入力部をさらに備える、
請求項4に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の包材を連続的に搬送しながら、包材に製造年月日等を印字する機能を備える製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状の包材であるフィルムから成形された袋に、食品等の被包装物を充填して密閉包装する製袋包装機が用いられている。この製袋包装機は、シート状のフィルムを搬送しながらチューブ状に成形し、チューブ状フィルムの重なり合った縁を縦方向にシールする。次に、この製袋包装機は、チューブ状フィルムの内部に被包装物を充填して、チューブ状フィルムを横方向にシールする。次に、この製袋包装機は、横方向にシールされた部分をカッターで切断する。
【0003】
特許文献1(特開2006−36246号公報)には、印字ヘッドを備える製袋包装機が開示されている。印字ヘッドは、チューブ状に成形される前のフィルムの所定の被印字領域に、被包装物である食品の製造年月日および内容量等を印字する。この製袋包装機は、運転中にフィルムの搬送を定期的に一時停止させることで、フィルムを間欠的に搬送する。この製袋包装機は、フィルムに印字する印字動作、および、フィルムを横方向にシールする横シール動作を、フィルムの搬送が一時停止している間に行う。この製袋包装機は、印字動作および横シール動作の完了後、袋一つ分の長さだけフィルムを搬送する。
【0004】
また、フィルムを搬送しながらフィルムに印字することができる印字ヘッドを備える連続搬送式の製袋包装機も用いられている。連続搬送式の製袋包装機は、フィルムの内部に充填する被包装物が尽きた時、および、被包装物の計量器から運転停止要求があった時等に、フィルムの搬送を一時的に停止することがある。しかし、連続搬送式の製袋包装機は、停止しているフィルムに印字することはできない。そのため、フィルムの停止時にフィルムの被印字領域が印字ヘッド上に位置している場合、連続搬送式の製袋包装機は、その被印字領域に印字することができず、印字抜けが発生する。印字抜けを防止するためには、フィルムの被印字領域が印字ヘッド上に位置しないように、フィルムの位置を調節する必要がある。
【0005】
フィルムの位置を調整する機構として、特許文献1(特開2006−36246号公報)および特許文献2(特開平6−127533号公報)には、フィルムを間欠的に搬送する製袋包装機において、フィルムの被印字領域に正確に印字するために、印字ヘッドと横シール機構との間でフィルムを所定量だけ手繰り寄せる機構が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、フィルムのデザインは多種多様であり、フィルムの種類ごとに被印字領域の位置は異なる。そのため、フィルムを手繰り寄せて被印字領域に正確に印字することで印字抜けを防止するためには、フィルムの種類ごとに被印字領域を確認して手繰り寄せる量を設定する必要がある。また、特許文献1(特開2006−36246号公報)および特許文献2(特開平6−127533号公報)に開示されるように、フィルムを手繰り寄せる機構は、通常、複数の可動式ローラ等から構成される複雑な装置であるので、装置の大型化、および、コスト増大等の問題が発生する。
【0007】
本発明の目的は、フィルムを搬送しながらフィルムの所定の領域に正確に印字するための機構を簡素化することができる製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る製袋包装機は、シート状の包材を筒状に成形し、包材に被包装物を充填して密封する。この製袋包装機は、搬送部と、印字部と、横シール部と、制御部とを備える。搬送部は、包材を搬送する。印字部は、搬送部によって搬送される包材の被印字領域に印字する。横シール部は、筒状に成形された包材のシール領域を横方向にシールする。制御部は、搬送部を制御する。制御部は、運転停止要求に基づいて包材の搬送を停止させるときに、停止可能位置で包材を停止させる。停止可能位置は、印字部によって第n番目(nは自然数)に印字される被印字領域と第n+1番目に印字される被印字領域との間に位置する。制御部は、運転再開時には、停止可能位置に応じて、横シール部がシール領域をシールするタイミングと、搬送部が包材を搬送するタイミングとを調整する。
【0009】
この製袋包装機は、シート状の包材であるフィルムを搬送しながら、フィルム表面の被印字領域に所定の情報を印字する。製袋包装機は、運転停止要求に基づいてフィルムの搬送を停止させる。運転停止要求は、例えば、製袋包装機の運転を停止させるための制御信号である。製袋包装機は、運転再開時に正確に印字およびシールできるように、運転停止時に停止可能位置でフィルムを停止させる。また、製袋包装機は、運転再開時において、印字とシールとのタイミングを合わせるために、フィルムの搬送開始時刻を調整する。これにより、運転停止時において被印字領域が印字ヘッダ上に来た状態でフィルムの搬送が停止すること等による印字抜けが防止される。製袋包装機は、フィルムの停止位置および搬送開始時刻をソフトウェア的に制御するので、フィルムの手繰り寄せ機構等が不要である。従って、製袋包装機は、フィルムを搬送しながらフィルムの所定の領域に正確に印字するための機構を簡素化することができる。
【0010】
また、停止可能位置は、運転再開時に、被印字領域が第1搬送速度で印字部を通過できる位置であることが好ましい。
【0011】
この製袋包装機は、運転再開後、印字ヘッダ上において被印字領域を第1搬送速度で通過させる。第1搬送速度は、搬送されているフィルム表面の被印字領域に正確に印字するために必要な、フィルムの搬送速度の範囲である。従って、製袋包装機は、印字の精度を向上させることができる。
【0012】
また、停止可能位置は、運転再開時に、シール領域が第2搬送速度で横シール部を通過できる位置であることが好ましい。
【0013】
この製袋包装機は、運転再開後、シール機構においてフィルムを第2搬送速度で通過させる。第2搬送速度は、搬送されているフィルムを正確にシールするために必要な、フィルムの搬送速度の範囲である。従って、製袋包装機は、シールの精度を向上させることができる。
【0014】
また、制御部は、運転停止要求に基づいて包材の搬送を停止させるときに、包材の停止位置をずらすように包材を所定の搬送量だけ搬送させた後に停止させることで、停止可能位置で包材を停止させることが好ましい。この場合、制御部は、運転再開時には、搬送量に相当する分だけ包材を搬送させるために必要な時間が経過した後に、包材の搬送を開始することが好ましい。
【0015】
この製袋包装機は、運転停止時におけるフィルムの搬送停止、および、運転再開時におけるフィルムの搬送再開のタイミングを制御することで、印字抜けを防止できる。
【0016】
また、この製袋包装機は、搬送量を入力するための入力部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この製袋包装機は、フィルムの搬送停止および搬送再開のタイミングを設定するためのインターフェイスを備える。従って、製袋包装機の利用者は、フィルムの種類に応じて、フィルムの搬送停止および搬送再開のタイミングを適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る製袋包装機は、フィルムを搬送しながらフィルムの所定の領域に正確に印字するための機構を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態である製袋包装機の斜視図である。
図2】製袋包装ユニットの概略的な構成を示す斜視図である。
図3】横シール機構を、図2の右側から見た概略的な側面図である。
図4】フィルム供給ユニットの概略的な構成を示す側面図である。
図5】製袋包装機によって搬送されるフィルムを上下方向に沿って模式的に示した図である。図5(a)〜(c)は、それぞれ、本実施形態の効果を説明するための比較例である。
図6】停止可能位置が取り得る範囲を示す。
図7】比較例としての、フィルムの手繰り寄せ機構を備えるフィルム供給ユニットの概略的な構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
(1)製袋包装機の構成
図1は、本発明の一実施形態である製袋包装機1の斜視図である。製袋包装機1は、食品等の被包装物を袋詰めするための機械である。製袋包装機1は、主として、組合せ計量ユニット2と、製袋包装ユニット3と、フィルム供給ユニット4とから構成される。
【0022】
組合せ計量ユニット2は、製袋包装ユニット3の上方に配置される。組合せ計量ユニット2は、被包装物の重量を複数の計量ホッパで計量し、所定の合計重量になるように各計量ホッパで計量された重量の値を組み合わせる。組合せ計量ユニット2は、組み合わせた所定の合計重量の被包装物を下方に排出して、製袋包装ユニット3に供給する。
【0023】
製袋包装ユニット3は、組合せ計量ユニット2から被包装物が供給されるタイミングに合わせて、被包装物を袋の中に密封して包装する。製袋包装ユニット3の詳細な構成および動作については後述する。
【0024】
フィルム供給ユニット4は、製袋包装ユニット3に隣接して設置され、袋に成形されるフィルムを製袋包装ユニット3に供給する。フィルム供給ユニット4は、フィルムが巻かれたフィルムロールがセットされている。フィルム供給ユニット4は、フィルムロールからフィルムを繰り出す。フィルム供給ユニット4の詳細な構成および動作については後述する。
【0025】
製袋包装機1は、操作スイッチ5および液晶ディスプレイ6を備える。操作スイッチ5および液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1本体の前面に取り付けられている。液晶ディスプレイ6は、操作スイッチ5の操作者が視認できる位置に配置されている、タッチパネル式のディスプレイである。操作スイッチ5および液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1に対する指示、および、製袋包装機1に関する設定を受け付ける入力装置として機能する。液晶ディスプレイ6は、製袋包装機1に関する情報を表示する出力装置として機能する。
【0026】
製袋包装機1は、制御部(図示せず)を備える。制御部は、CPU、ROMおよびRAM等から構成されるコンピュータである。制御部は、組合せ計量ユニット2、製袋包装ユニット3、フィルム供給ユニット4、操作スイッチ5および液晶ディスプレイ6に接続されている。制御部は、操作スイッチ5および液晶ディスプレイ6からの入力に基づいて、組合せ計量ユニット2、製袋包装ユニット3およびフィルム供給ユニット4を制御し、液晶ディスプレイ6に各種の情報を出力する。
【0027】
(2)製袋包装ユニットの構成
図2は、製袋包装ユニット3の概略的な構成を示す斜視図である。以下の説明において、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」および「右」からなる6つの方向を、図2に示されるように定義する。
【0028】
製袋包装ユニット3は、主として、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構17とから構成される。成形機構13は、フィルム供給ユニット4から供給されるシート状のフィルムFを筒状に成形する。プルダウンベルト機構14は、筒状に成形されたフィルムFを下方に搬送する。縦シール機構15は、筒状に成形されたフィルムFの両端部の重なり部分を、搬送方向と平行な縦方向にシールして、筒状フィルムFcを形成する。横シール機構17は、筒状フィルムFcを、搬送方向と直交する横方向にシールして、上端部および下端部が横シールされた袋Bを形成する。
【0029】
(2−1)成形機構
成形機構13は、チューブ13aとフォーマ13bとを有する。チューブ13aは、上端および下端が開口している、円筒形状の部材である。チューブ13aの上端の開口には、組合せ計量ユニット2から供給される被包装物Cが投入される。フォーマ13bは、チューブ13aを取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット4のフィルムロールから繰り出されてきたフィルムFは、チューブ13aとフォーマ13bとの間の隙間を通過する際に、チューブ13aに巻き付いて筒状に成形される。チューブ13aおよびフォーマ13bは、製造する袋Bの大きさに応じて取り替えることができる。
【0030】
(2−2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構14は、チューブ13aに巻き付いたフィルムFを吸着しながら下方に搬送する。プルダウンベルト機構14は、主として、駆動ローラ14a、従動ローラ14bおよび一対のベルト14cを有する。一対のベルト14cは、図2に示されるように、チューブ13aの左右両側においてチューブ13aを挟むように配置され、筒状に成形されたフィルムFを吸着する機構を有する。プルダウンベルト機構14は、駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって一対のベルト14cが回転駆動することで、筒状に成形されたフィルムFを下方に搬送する。
【0031】
(2−3)縦シール機構
縦シール機構15は、筒状に成形されたフィルムFを縦方向(図2では、上下方向)にシールする。縦シール機構15は、チューブ13aの正面側に配置される。縦シール機構15は、駆動機構(図示せず)によって、チューブ13aに近づくように、あるいは、チューブ13aから遠ざかるように前後方向に移動する。
【0032】
縦シール機構15が駆動機構によってチューブ13aに近づくように駆動することで、チューブ13aに巻き付いたフィルムFの縦方向の重なり部分は、縦シール機構15とチューブ13aとの間に挟まれる。縦シール機構15は、駆動機構によってフィルムFの重なり部分を一定の圧力でチューブ13aに押し付けながら加熱することで、フィルムFの重なり部分を縦方向に熱シールして、筒状フィルムFcを形成する。縦シール機構15は、フィルムFの重なり部分を加熱するヒータ、および、フィルムFの重なり部分と接触するヒータベルト等を有している。
【0033】
(2−4)横シール機構
横シール機構17は、筒状フィルムFcを横方向(図2では、左右方向)にシールする。横シール機構17は、成形機構13、プルダウンベルト機構14および縦シール機構15の下方に配置される。
【0034】
図3は、横シール機構17を、図2の右側から見た概略的な側面図である。図3において、紙面に垂直な方向は、図2における左右方向である。横シール機構17は、主として、第1回転体50aおよび第2回転体50bを備える。第1回転体50aは、筒状フィルムFcの前側に配置される。第2回転体50bは、筒状フィルムFcの後側に配置される。図3の紙面内では、第1回転体50aは、筒状フィルムFcの左側に位置し、第2回転体50bは、筒状フィルムFcの右側に位置している。
【0035】
第1回転体50aは、主として、第1回転軸53aと、第1シールジョー51aと、第2シールジョー52aとを備える。第2回転体50bは、主として、第2回転軸53bと、第1シールジョー51bと、第2シールジョー52bとを備える。第1回転体50aは、左右方向に沿って見た場合において、第1回転軸53aを回転軸として、第1回転軸53aの回転中心C1を中心に回転する。第2回転体50bは、左右方向に沿って見た場合において、第2回転軸53bを回転軸として、第2回転軸53bの回転中心C2を中心に回転する。横シール機構17を左右方向に沿って見た場合において、一対の第1シールジョー51a,51bは、互いに反対方向に同期回転し、一対の第2シールジョー52a,52bは、互いに反対方向に同期回転する。図3には、一対の第1シールジョー51a,51b、および、一対の第2シールジョー52a,52bの軌跡が鎖線で示されている。
【0036】
横シール機構17は、一対の第1シールジョー51a,51b、または、一対の第2シールジョー52a,52bによって、下方に搬送される筒状フィルムFcを、筒状フィルムFcの搬送方向と交差する横方向(図2では、左右方向)に沿って挟み込む。一対の第1シールジョー51a,51b、または、一対の第2シールジョー52a,52bは、筒状フィルムFcを挟み込みながら加熱することで、筒状フィルムFcを横方向に熱シールする。
【0037】
(3)フィルム供給ユニットの構成
図4は、フィルム供給ユニット4の概略的な構成を示す側面図である。図4の紙面内において、シート状のフィルムFは、右側(上流側)から左側(下流側)に向かって搬送される。フィルム供給ユニット4は、フィルムロールFRからフィルムFを繰り出して、フィルムFを搬送しながらフィルムFの表面に所定の情報を印字して、製袋包装ユニット3の成形機構13にフィルムFを供給する。フィルム供給ユニット4は、主として、エアシャフト21と、複数のテンションローラ22と、印字装置23と、検査装置24と、フィードローラ25とを備える。
【0038】
(3−1)エアシャフト
エアシャフト21は、シート状のフィルムFが巻き付けられたフィルムロールFRがセットされるシャフトである。エアシャフト21は、フィルムロールFRを真空吸着して固定する。エアシャフト21は、シャフト駆動モータ(図示せず)によって回転駆動する。シャフト駆動モータがエアシャフト21を回転させることにより、フィルムロールFRに巻き付けられたシート状のフィルムFが繰り出される。
【0039】
フィルム供給ユニット4においてフィルムロールFRから繰り出されたフィルムFは、最終的に製袋包装ユニット3に送られる。製袋包装ユニット3では、フィルムFは、成形機構13によって筒状に成形され、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。これにより、フィルム供給ユニット4において、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFは、繰り出された分だけ搬送される。制御部は、シャフト駆動モータを制御してエアシャフト21の回転数を変化させることにより、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFの搬送速度を調整することができる。
【0040】
(3−2)テンションローラ
テンションローラ22は、所定の位置に所定の距離間隔で配置されるローラである。テンションローラ22は、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFを屈曲させて搬送角度を変えながら、フィルムFを印字装置23へ案内する。テンションローラ22は、フィルムロールFRから繰り出されて搬送されるフィルムFに適度なテンションを与え、搬送されるフィルムFの緩みおよび蛇行を防止する。テンションローラ22の数および位置は、フィルムロールFRの位置、および、フィルムFの寸法等に応じて、任意に設定可能である。
【0041】
テンションローラ22の少なくとも一部は、上下方向に移動可能であってもよい。テンションローラ22を移動させることで、テンションローラ22によって案内されるフィルムFにかかるテンションを調整することができる。この場合、制御部は、テンションローラ22の上下方向の変位量に基づいて、フィルムFのテンション状態を検出する。そして、制御部は、検出されたテンション状態に基づいて、フィルムFにかかるテンションが所定の範囲内になるように、シャフト駆動モータを制御してフィルムFの搬送速度を調整する。
【0042】
(3−3)印字装置
印字装置23は、主として、印字ヘッド23aと、印字ローラ23bとを備える。印字ヘッド23aは、搬送されているフィルムFの表面に所定の印字情報を印字する。印字情報は、フィルムFの表面の所定の被印字領域に印字される。印字情報は、例えば、被包装物Cが食品である場合、被包装物Cの製造年月日および消費期限である。印字情報は、制御部から印字装置23に送信される。印字ヘッド23aは、フィルムFに向かって押し当てられたり、フィルムFから離れたりするように移動可能である。しかし、印字ヘッド23aは、フィルムFの搬送方向に沿って移動可能ではない。
【0043】
印字ローラ23bは、印字ヘッド23aと対向して配置されるローラである。搬送されるフィルムFは、印字ヘッド23aと印字ローラ23bとの間を通過する。印字ローラ23bは、印字ヘッド23aがフィルムFの表面と対向するように、フィルムFの位置を微調整する。これにより、印字ヘッド23aは、搬送されるフィルムFの被印字領域に納まるように印字情報を印字することができる。
【0044】
(3−4)検査装置
検査装置24は、印字装置23の下流側の近傍に設置される。検査装置24は、フィルムFの被印字領域に印字情報が正確に印字されているか否かを検査する。検査装置24は、発光素子および受光素子から構成される光センサである。搬送されるフィルムFは、発光素子と受光素子との間を通過する。発光素子は、フィルムFの被印字領域に光を照射する。受光素子は、被印字領域で反射した光を検知して、被印字領域に印字された印字情報の位置等を検出する。
【0045】
なお、検査装置24は、光学カメラであってもよい。この場合、検査装置24は、搬送されるフィルムFの被印字領域を撮像して取得した画像を解析することで、被印字領域に印字情報が正確に印字されているか否かを検査する。
【0046】
(3−5)フィードローラ
フィードローラ25は、フィルム供給ユニット4において搬送されるフィルムFを所定の方向に導くためのローラである。図4に示されるフィルム供給ユニット4は、1つのフィードローラ25を備える。このフィードローラ25は、テンションローラ22と印字装置23との間に配置され、印字装置23がある方向にフィルムFを導く。フィードローラ25の数および位置は、フィルム供給ユニット4の構成等に応じて、任意に設定可能である。なお、フィルム供給ユニット4は、その構成によっては、フィードローラ25を備えていなくてもよい。
【0047】
(4)製袋包装機の動作
(4−1)全体的な動作
最初に、製袋包装機1が被包装物Cを袋Bに密封する動作の概略について説明する。フィルム供給ユニット4から製袋包装ユニット3に供給されたフィルムFは、チューブ13aに巻き付けられて筒状に成形され、プルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。チューブ13aに巻き付けられた筒状のフィルムFは、上下方向に延びる両端部が重ね合わせられている。筒状に成形されたフィルムFの重なり部分は、縦シール機構15によって縦方向にシールされ、筒状フィルムFcが形成される。
【0048】
縦シールされた筒状フィルムFcは、チューブ13aから抜けて、横シール機構17まで下方に搬送される。横シール機構17は、一対の第1シールジョー51a,51b、または、一対の第2シールジョー52a,52bによって、筒状フィルムFcを挟み込んで横シールする。このとき、筒状フィルムFcの横シールされた部分の下方では、被包装物Cが封入された袋Bが形成されている。一方、筒状フィルムFcの横シールされた部分の上方では、組合せ計量ユニット2によって計量された被包装物Cがチューブ13a内を落下して、筒状フィルムFcの中に投入される。
【0049】
また、筒状フィルムFcが横シールされるタイミングに合わせて、第1シールジョー51aまたは第2シールジョー52aに内蔵されているカッター(図示せず)によって、筒状フィルムFcの横シールされた部分が横方向に切断される。これにより、被包装物Cが封入された袋Bは、後続の筒状フィルムFcから切り離される。
【0050】
以上のようにして、被包装物Cが封入された袋Bは、連続的に製造される。製造された袋Bは、その後、ベルトコンベア(図示せず)等によって、厚みチェッカーおよび重さチェッカー等の装置に移送される。
【0051】
(4−2)フィルム供給ユニットの詳細な動作
次に、フィルム供給ユニット4が製袋包装ユニット3にフィルムFを供給する動作の詳細について説明する。フィルム供給ユニット4は、エアシャフト21に固定されたフィルムロールFRからフィルムFを繰り出して、フィルムFを成形機構13に供給する。フィルム供給ユニット4は、最初に、フィルムロールFRから繰り出されたフィルムFをテンションローラ22で導きながら搬送する。次に、フィルム供給ユニット4は、フィードローラ25によって方向転換したフィルムFを搬送しながら、印字装置23によってフィルムFの被印字領域に印字情報を印字する。次に、フィルム供給ユニット4は、検査装置24によって、フィルムFの被印字領域に印字情報が正確に印字されているか否かを検査する。次に、フィルム供給ユニット4は、製袋包装ユニット3の成形機構13にフィルムFを送る。
【0052】
製袋包装機1の制御部は、運転停止要求に基づいて運転を停止する。運転停止要求は、例えば、フィルムFの被印字領域Rに印字情報が正確に印字されていないことを検査装置24が判定した場合、組合せ計量ユニット2によって計量される被包装物Cがなくなった場合、および、製袋包装機1の利用者が製袋包装機1の運転停止ボタンを押した場合に、制御部に送信される信号である。また、製袋包装機1の制御部は、製袋包装機1が運転を停止している時に、運転再開要求に基づいて運転を再開する。運転再開要求は、例えば、フィルムFの被印字領域Rに印字情報が正確に印字されていないことにより製袋包装機1が運転を停止していた場合に、被印字領域Rに印字情報が正確に印字されるようにフィルムFの位置が調整されて、製袋包装機1の利用者が製袋包装機1の運転開始ボタンを押したときに、制御部に送信される信号である。
【0053】
制御部は、運転停止要求の信号を受信すると、組合せ計量ユニット2、製袋包装ユニット3およびフィルム供給ユニット4を制御して、製袋包装機1の運転を停止させる。具体的には、制御部は、組合せ計量ユニット2による被包装物Cの計量動作、製袋包装ユニット3による被包装物Cの包装動作、および、フィルム供給ユニット4によるフィルムFの供給動作を適切なタイミングで停止させる。
【0054】
その後、制御部は、運転再開要求の信号を受信すると、組合せ計量ユニット2、製袋包装ユニット3およびフィルム供給ユニット4を制御して、製袋包装機1の運転を開始させる。具体的には、制御部は、組合せ計量ユニット2による被包装物Cの計量動作、製袋包装ユニット3による被包装物Cの包装動作、および、フィルム供給ユニット4によるフィルムFの供給動作を適切なタイミングで再開させる。
【0055】
制御部は、運転停止要求に基づいてフィルム供給ユニット4によるフィルムFの供給動作を停止させるとき、停止可能位置でフィルムFの搬送を停止させる。停止可能位置は、製袋包装機1の運転再開時において印字装置23が被印字領域Rに印字情報を正確に印字できるような、フィルムFの停止位置である。停止可能位置は、印字装置23によって第n番目(nは自然数)に印字される被印字領域Rと、印字装置23によって第n+1番目に印字される被印字領域Rとの間に位置する。
【0056】
次に、停止可能位置について、図面を参照しながら説明する。図5は、製袋包装機1によって搬送されるフィルムFを上下方向に沿って模式的に示した図である。図5において、フィルムFの搬送方向は、紙面の上から下に向かう方向である。図5には、フィルムFの搬送方向が下向きの矢印で示されている。図5には、1つの袋Bに相当する単位領域Xが連なったフィルムFが示されている。隣り合う単位領域Xの境界は、点線で示されている。各単位領域Xには、被印字領域Rが示されている。印字情報が未だに印字されていない被印字領域Rは白い楕円で示され、印字情報が既に印字されている被印字領域Rは黒い楕円で示されている。図5には、印字位置P1と横シール位置P2とが示されている。印字位置P1は、フィルム供給ユニット4の印字装置23がフィルムFに印字する位置である。横シール位置P2は、製袋包装ユニット3の横シール機構17がフィルムFを横シールする位置である。図5において、隣り合う単位領域Xの境界は、横シール機構17が正常に横シールできる位置である。横シール位置P2より下流側では、フィルムFは袋Bに成形されている。図5には、フィルムFの位置が互いに異なる複数のパターンが図5(a)〜(c)として示されている。図5(a)〜(c)は、本実施形態の効果を説明するための比較例である。
【0057】
上述したように、印字装置23は、搬送されているフィルムFに印字情報を印字する。印字装置23の印字ヘッド23aは、フィルムFの搬送方向に沿って移動可能ではないので、印字装置23は、停止しているフィルムFには印字情報を印字できない。また、印字装置23がフィルムFの被印字領域Rに正確に印字するためには、フィルムFの搬送速度が所定の範囲内である必要がある。例えば、フィルムFの搬送速度が十分ではない場合には、印字装置23は、フィルムFの被印字領域Rに正確に印字することができない。以下、印字装置23がフィルムFの被印字領域Rに正確に印字するために必要なフィルムFの搬送速度の範囲を、第1搬送速度と呼ぶ。言い換えると、被印字領域Raが正確に印字されるためには、被印字領域Raが印字位置P1を通過する時のフィルムFの速度が、第1搬送速度に達している必要がある。
【0058】
図5(a)は、制御部が運転停止要求の信号を受信して、ある被印字領域Raが印字位置P1と重なっている状態でフィルムFが停止している状態を示す。この被印字領域Raは、印字装置23によって印字情報が全く印字されていないか、印字情報が一部のみ印字されている。この場合、運転再開時において、印字位置P1にある印字装置23は、被印字領域Raに印字情報を正確に印字することができない。なぜなら、運転再開後に被印字領域Raが印字位置P1を通過する時のフィルムFの速度は、第1搬送速度に達しないからである。
【0059】
図5(b)は、制御部が運転停止要求の信号を受信して、ある被印字領域Rbの下流側近傍に印字位置P1が位置している状態でフィルムFが停止している状態を示す。この被印字領域Rbは、印字装置23によって印字情報が全く印字されていない。この場合、運転再開時において、印字位置P1にある印字装置23は、被印字領域Rbに印字情報を正確に印字することができない。なぜなら、運転再開後に被印字領域Rbが印字位置P1を通過する時のフィルムFの速度は、第1搬送速度に達しないからである。
【0060】
図5(c)は、制御部が運転停止要求の信号を受信して、ある被印字領域Rc1の上流側近傍に印字位置P1が位置している状態でフィルムFが停止している状態を示す。この被印字領域Rc1は、印字装置23によって印字情報が印字されている。被印字領域Rc1と上流側で隣り合う被印字領域Rc2は、印字装置23によって印字情報が印字されていない。この場合、運転再開時において、印字位置P1にある印字装置23は、被印字領域Rc2に印字情報を正確に印字することができる。なぜなら、運転再開後に被印字領域Rc2が印字位置P1を通過する時のフィルムFの速度は、第1搬送速度に達するからである。
【0061】
図5(a)および図5(b)に示されるように、制御部が運転停止要求の信号を受信した際に、運転再開後に印字位置P1を被印字領域Rが初めて通過する時のフィルムFの速度が第1搬送速度に達しない位置でフィルムFが停止した場合、印字装置23は、その被印字領域Rに印字情報を正確に印字することができない。一方、図5(c)に示されるように、制御部が運転停止要求の信号を受信した際に、運転再開後に印字位置P1を被印字領域Rが初めて通過する時のフィルムFの速度が第1搬送速度に達する位置でフィルムFが停止した場合には、印字装置23は、被印字領域Rbに印字情報を正確に印字することができる。上述の停止可能位置は、図5(c)に示されるようなフィルムFの停止位置である。すなわち、停止可能位置は、運転再開後に印字位置P1を被印字領域Rが初めて通過する時のフィルムFの速度が第1搬送速度に達する位置である。
【0062】
停止可能位置は、所定の範囲をとり得る。図6は、停止可能位置が取り得る範囲を示す。図6には、図5と同様に、フィルムFが上下方向に沿って模式的に示されている。図6には、フィルムFの搬送方向が下向きの矢印で示されている。図6において、ハッチングされた印字可能領域RPは、フィルムFが停止可能位置で停止した場合に印字位置P1がとり得る範囲である。すなわち、制御部が運転停止要求の信号を受信してフィルムFの搬送が停止した時に、印字位置P1が印字可能領域RPにある場合に、フィルムFは停止可能位置にある。
【0063】
印字可能領域RPの最も下流側の位置は、被印字領域Rの最も上流側の位置と同じである。フィルムFの搬送方向における印字可能領域RPの寸法RLは、運転再開後におけるフィルムFの加速度に依存する。運転再開後におけるフィルムFの加速度が大きいほど、運転再開後に印字位置P1を被印字領域Rが初めて通過する時のフィルムFの速度が第1搬送速度に達するまでの時間が短い。そのため、運転再開後におけるフィルムFの加速度が大きいほど、印字可能領域RPの寸法RLは長くなる。印字可能領域RPの寸法RLが長いほど、その印字可能領域RPと、その上流側において最も近い被印字領域Rとの間の距離が短い。
【0064】
本実施形態では、製袋包装機1の制御部は、運転停止要求の信号を受信した場合に、印字装置23の印字ヘッド23aの位置が停止後のフィルムFの被印字領域Rと重ならないように、フィルムFの停止位置を自動的に調整する。具体的には、制御部は、図6に示される印字可能領域RPに印字ヘッド23a(印字位置P1)が納まるように、必要に応じて、所定のフィルム搬送量だけフィルムFを通常よりも余分に搬送して、フィルムFの停止位置をずらす。これにより、制御部が運転停止要求の信号を受信した場合に、図5(a)および図5(b)に示されるような位置でフィルムFが停止することが防止される。これにより、製袋包装機1は、運転再開後においてフィルムFの被印字領域Rに印字情報が正常に印字されない印字抜けの発生を防止することができる。
【0065】
なお、製袋包装機1の制御部は、運転停止要求の信号を受信してフィルムFの停止位置をずらす必要があり、かつ、印字位置P1(印字ヘッド23aの位置)が印字可能領域RPにない場合、図6に示される停止可能位置P3に印字位置P1が位置するように、フィルムFの停止位置をずらすことが好ましい。停止可能位置P3は、印字ヘッド23aの現在位置である印字位置P1の上流側に最も近い印字可能領域RPの最も下流側の位置である。この場合、制御部がフィルムFの停止位置をずらす量が最も小さくなる。図6には、停止可能位置P3までフィルムFの位置をずらした場合におけるフィルム搬送量FSが示されている。
【0066】
また、製袋包装機1の制御部は、製袋包装機1の運転再開時において、フィルムFの位置に応じて、横シール機構17がフィルムFを横シールするタイミングと、フィルム供給ユニット4がフィルムFの搬送を開始するタイミングとを調整する。具体的には、制御部は、製袋包装機1の運転再開時において、運転停止時におけるフィルム搬送量に相当する分だけフィルムFを搬送させるために必要な時間が経過した後に、フィルムFの搬送を開始する。例えば、制御部は、運転停止要求の信号を受信した時に、通常よりも50mmだけフィルムFを余分に搬送して、フィルムFの停止位置をずらしたと仮定する。ここで、上述のフィルム搬送量は、50mmである。この場合、制御部は、製袋包装機1の運転再開時において、フィルムFが停止状態から50mmだけ搬送されるために要する時間だけ待機した後に、フィルムFの搬送を再開する。
【0067】
(5)特徴
製袋包装機1は、運転停止要求の信号を制御部が受信した場合におけるフィルムFの停止位置、および、運転再開要求の信号を制御部が受信した場合におけるフィルムFの搬送開始時刻をソフトウェア的に制御して、印字抜けを防止する。そのため、製袋包装機1は、印字抜けを防止するための特別な機構を要しない。このような機構は、例えば、フィルムFの手繰り寄せ機構である。図7は、比較例としての、フィルムの手繰り寄せ機構を備えるフィルム供給ユニットの概略的な構成を示す側面図である。図7は、図4に示されるフィルム供給ユニット4に手繰り寄せ機構30が取り付けられた構成を示す。図7に示されるように、手繰り寄せ機構30は、通常、可動式ローラ31aを少なくとも含む複数のローラ31から構成される複雑な装置である。図7において、可動式ローラ31aを上下に移動させてフィルムFを手繰り寄せることで、フィルムFの停止位置が調整される。しかし、フィルムFのデザインは多種多様であり、フィルムFの種類ごとに被印字領域Rの位置は異なる。そのため、手繰り寄せ機構30を用いる場合、フィルムFの種類ごとに被印字領域Rを確認して、可動式ローラ31aの位置および手繰り寄せる量を設定する必要がある。これにより、手繰り寄せ機構30をフィルム供給ユニットに取り付ける場合、製袋包装機1の大型化、および、コスト増大等の問題が発生する。一方、本実施形態の製袋包装機1は、図7に示されるような手繰り寄せ機構30を必要としない。従って、製袋包装機1は、フィルムFを搬送しながらフィルムFの被印字領域Rに正確に印字情報を印字するための機構であるフィルム供給ユニット4を簡素化することができる。
【0068】
また、製袋包装機1の制御部は、運転停止時にフィルムFの停止位置を所定のフィルム搬送量だけずらした場合、運転再開時において、フィルム搬送量に相当する時間だけフィルムFの搬送開始を遅らせる。制御部が、運転停止時にフィルムFの停止位置をずらした場合、運転再開時においても、フィルム搬送量だけフィルムFが通常よりも余分に搬送されている状態にある。この場合、運転再開時において横シール機構17がフィルムFを正常に横シールするためには、フィルムFをずらした分であるフィルム搬送量だけフィルムFを短く送り出す必要がある。この処理を行わない場合、すなわち、運転再開時にただちにフィルムFの搬送を開始する場合、誤った位置(図5において、隣り合う単位領域Xの境界以外の位置)でフィルムFが横シールされるおそれがある。この不具合の発生を防止するために、製袋包装機1の制御部は、運転再開時におけるフィルムFの搬送再開のタイミングを適切に制御する。
【0069】
(6)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0070】
(6−1)変形例A
実施形態では、製袋包装機1の制御部は、運転停止要求の信号を受信した場合に、運転再開後に印字位置P1を被印字領域Rが初めて通過する時のフィルムFの速度が第1搬送速度に達するように、フィルムFの停止位置を自動的に調整する。
【0071】
しかし、制御部は、さらに、運転停止要求の信号を受信した場合に、運転再開後において、隣り合う単位領域Xの境界の位置がシール位置P2を初めて通過する時のフィルムFの速度が所定の第2搬送速度に達するように、フィルムFの停止位置を自動的に調整してもよい。シール位置P2は、筒状に成形されたフィルムFが横シール機構17によって横シールされる位置である。隣り合う単位領域Xの境界の位置は、上述したように、横シール機構17が正常にフィルムFを横シールできる位置である。
【0072】
横シール機構17は、下方に搬送される筒状フィルムFcを、一対の第1シールジョー51a,51b、または、一対の第2シールジョー52a,52bによって、筒状フィルムFcを挟み込んで横シールする。一対のシールジョーは、互いに逆方向に同期回転して筒状フィルムFcを上方から挟み込む。そのため、横シール機構17は、下方に搬送されていない筒状フィルムFc、および、搬送速度が十分でない筒状フィルムFcを正確に横シールすることができない。そのため、横シール機構17が筒状フィルムFcを横シールするためには、フィルム供給ユニット4によって搬送されるフィルムFの搬送速度が所定の範囲内である必要がある。第2搬送速度は、横シール機構17が筒状フィルムFcを正確に横シールするために必要なフィルムFの搬送速度の範囲である。
【0073】
従って、本変形例の製袋包装機1は、制御部が上述の制御を行うことで、運転再開後において、横シール機構17に筒状フィルムFcを正確に横シールさせて、横シールの精度を向上させることができる。
【0074】
(6−2)変形例B
実施形態では、製袋包装機1の制御部は、運転停止要求の信号を受信した場合に、運転再開後に印字位置P1を被印字領域Rが初めて通過する時のフィルムFの速度が第1搬送速度に達するように、フィルムFの停止位置を自動的に調整する。具体的には、制御部は、図6に示される印字可能領域RPに印字ヘッド23a(印字位置P1)が納まるように、所定のフィルム搬送量だけフィルムFを通常よりも余分に搬送することで、フィルムFの停止位置をずらす。
【0075】
しかし、製袋包装機1は、フィルム搬送量を入力するための入力部をさらに備えてもよい。入力部は、例えば、操作スイッチ5および液晶ディスプレイ6である。製袋包装機1の利用者は、入力部を用いてフィルム搬送量を入力することで、フィルム供給ユニット4によって搬送されるフィルムFの搬送停止および搬送再開のタイミングを設定することができる。フィルムFの搬送停止および搬送再開のタイミングは、フィルムFの種類、および、被印字領域Rの位置によって異なる。従って、製袋包装機1の利用者は、フィルムFの種類、および、被印字領域Rの位置に応じて、フィルムFの搬送停止および搬送再開のタイミングを適切に設定することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 製袋包装機
5 操作スイッチ(入力部)
6 液晶ディスプレイ(入力部)
13 成形機構
14 プルダウンベルト機構
15 縦シール機構
17 横シール機構(横シール部)
21 エアシャフト(搬送部)
23 印字装置(印字部)
24 検査装置
B 袋
C 被包装物
F フィルム(包材)
Fc 筒状フィルム(チューブ状の包材)
R 被印字領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2006−36246号公報
【特許文献2】特開平6−127533号公報
図1
図2
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図7