(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第一の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、第一の画像データと、前記第一の画像データとは別の画像データである第二の画像データと、をあらかじめ記憶しており、
前記第一の画像データは、右目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データを有する一方、前記左目用表示領域に対応する画像データが除かれており、
前記第二の画像データは、左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データを有する一方、前記右目用表示領域に対応する画像データが除かれており、
前記表示制御手段は、さらに、第三の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、さらに、前記第三の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、第三の画像データと、前記第三の画像データとは別の画像データである第四の画像データと、をあらかじめ記憶しており、
前記第三の画像データは、右目で見た時の前記第三の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ前記左目用表示領域に対応する画像データを有しており、
前記第四の画像データは、左目で見た時の前記第三の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ前記右目用表示領域に対応する画像データを有しており、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第三の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させることが可能であり、
前記第三の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記第三の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記第四の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第三の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記第三の画像データおよび前記第四の画像データのいずれか一方の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記右目用表示領域への画像の表示に用いる該画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第一の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、第一の画像データと、前記第一の画像データとは別の画像データである第二の画像データと、をあらかじめ記憶しており、
前記第一の画像データは、右目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データを有する一方、前記左目用表示領域に対応する画像データが除かれており、
前記第二の画像データは、左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データを有する一方、前記右目用表示領域に対応する画像データが除かれており、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第一の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記第一の画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記第二の画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第一の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記第一の画像データおよび前記第二の画像データのいずれか一方を用いて、前記右目用表示領域および前記左目用表示領域の双方に画像を表示させ、
遊技者が操作可能な所定の操作手段と、
前記立体画像が表示される頻度が異なる表示状態を設定する表示状態設定手段と、をさらに備え、
前記表示状態設定手段は、
前記立体画像が表示され得る第一の表示状態と、前記第一の表示状態よりも前記立体画像が表示される頻度が低い表示状態、または前記立体画像が表示されない表示状態である、第二の表示状態と、を設定可能であり、
前記所定の操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示状態または前記第二の表示状態が設定されている状態から、他方の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であり、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第一の表示状態が設定されているときには、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させる一方、
前記第二の表示状態が設定されているときには、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させ、
前記第二の表示状態には、前記立体画像が表示され得る表示状態であって前記第一の表示状態よりも前記立体画像が表示される頻度が低い第三の表示状態と、前記立体画像が表示されない第四の表示状態と、があり、
前記表示状態設定手段は、さらに、前記所定の操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示状態、前記第三の表示状態、または前記第四の表示状態が設定されている状態から、別の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であり、
前記表示制御手段は、さらに、
第二の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の表示状態が設定されているとき、および前記第三の表示状態が設定されているときに、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させ、
前記第四の表示状態が設定されているときに、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させ、
前記第二の演出画像は、前記第一の演出画像よりも有利度が高い、
ことを特徴とする遊技機。
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第一の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、所定の画像データを記憶し、
前記所定の画像データは、
右目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データと、
左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データと、を有し、
前記表示制御手段は、さらに、第三の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、さらに、前記第三の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、第三の画像データと、前記第三の画像データとは別の画像データである第四の画像データと、をあらかじめ記憶しており、
前記第三の画像データは、右目で見た時の前記第三の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ前記左目用表示領域に対応する画像データを有しており、
前記第四の画像データは、左目で見た時の前記第三の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ前記右目用表示領域に対応する画像データを有しており、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第三の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させることが可能であり、
前記第三の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記第三の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記第四の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第三の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記第三の画像データおよび前記第四の画像データのいずれか一方の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記右目用表示領域への画像の表示に用いる該画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第一の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、所定の画像データを記憶し、
前記所定の画像データは、
右目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データと、
左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データと、を有し、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第一の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記所定の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記所定の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第一の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記所定の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データ、および前記所定の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データのいずれか一方を用いて、前記右目用表示領域および前記左目用表示領域の双方に画像を表示させ、
遊技者が操作可能な所定の操作手段と、
前記立体画像が表示される頻度が異なる表示状態を設定する表示状態設定手段と、をさらに備え、
前記表示状態設定手段は、
前記立体画像が表示され得る第一の表示状態と、前記第一の表示状態よりも前記立体画像が表示される頻度が低い表示状態、または前記立体画像が表示されない表示状態である、第二の表示状態と、を設定可能であり、
前記所定の操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示状態または前記第二の表示状態が設定されている状態から、他方の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であり、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第一の表示状態が設定されているときには、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させる一方、
前記第二の表示状態が設定されているときには、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させ、
前記第二の表示状態には、前記立体画像が表示され得る表示状態であって前記第一の表示状態よりも前記立体画像が表示される頻度が低い第三の表示状態と、前記立体画像が表示されない第四の表示状態と、があり、
前記表示状態設定手段は、さらに、前記所定の操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示状態、前記第三の表示状態、または前記第四の表示状態が設定されている状態から、別の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であり、
前記表示制御手段は、さらに、
第二の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の表示状態が設定されているとき、および前記第三の表示状態が設定されているときに、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させ、
前記第四の表示状態が設定されているときに、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させ、
前記第二の演出画像は、前記第一の演出画像よりも有利度が高い、
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し、メダルの払い出し)に関して有利であることを指す。
【0010】
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0011】
本発明に係る第1の発明は、右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
上記画像表示手段を制御する表示制御手段(第2副制御基板300)と、
上記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段(CGROM330)と、を備え、
上記表示制御手段は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を上記立体画像として表示させることが可能であり、
上記画像データ記憶手段は、上記第一の演出画像を上記立体画像として表示させるための画像データとして、第一の画像データ(右目用描画データに係るCGデータ)と、上記第一の画像データとは別の画像データである第二の画像データ(左目用描画データに係るCGデータ)と、をあらかじめ記憶しており、
上記第一の画像データは、右目で見た時の上記第一の演出画像を表現するための画像データであって、上記右目用表示領域に対応する画像データを有する一方、上記左目用表示領域に対応する画像データが除かれており、
上記第二の画像データは、左目で見た時の上記第一の演出画像を表現するための画像データであって、上記左目用表示領域に対応する画像データを有する一方、上記右目用表示領域に対応する画像データが除かれていることを特徴とする遊技機である。
【0012】
また、本発明に係る第2の発明は、右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
上記画像表示手段を制御する表示制御手段(第2副制御基板300)と、
上記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段(CGROM330)と、を備え、
上記表示制御手段は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を上記立体画像として表示させることが可能であり、
上記画像データ記憶手段は、上記第一の演出画像を上記立体画像として表示させるための画像データとして、所定の画像データを記憶し、
上記所定の画像データは、
右目で見た時の上記第一の演出画像を表現するための画像データであって、上記右目用表示領域に対応する画像データと、
左目で見た時の上記第一の演出画像を表現するための画像データであって、上記左目用表示領域に対応する画像データと、を有する、
ことを特徴とする遊技機である。
【0013】
上記第1の発明および上記第2の発明によれば、開発の初期段階で上記第一の演出画像を平面画像として表示することを予定していた場合に、開発の中途段階で、CGROMの空き容量を考慮せずに、当該画像を立体画像として表示させるようにすることができる。
【0014】
なお、後述する本実施形態では、レンチキュラーレンズを用いて裸眼立体視を実現しているが、裸眼立体視を実現する方法としては、この方式に限らない。例えば、視差バリアを用いた方式等、右目で視認される画像と左目で視認される画像とに視差を発生させる方式であれば、いずれの方式を採用してもよい。
【0015】
また、「あらかじめ記憶する」とは、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMに記憶されることではなく、データの保持に電源を必要としないROMに記憶されていることを指す。
【0016】
また、上記別の画像データとは、一のアドレス指定で読み込まれる一群のデータではなく、それぞれが別のアドレス指定で読み込まれるデータ等、上記画像データ記憶手段によって異なるデータとして記憶されていることを指す。
【0017】
また、後述する本実施形態では、パチンコ機に本発明を適用した例を示すが、上記第1の発明および上記第2の発明は、所定数のメダルを使用することで複数のリールを回転させる図柄変動を実行し、当該図柄変動の結果(当該複数のリールの停止態様)に基づいてメダルを払い出すスロットマシンに適用することも可能である。
【0018】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0019】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1〜
図6を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、
図3は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、
図4は、メイン表示部81のディスプレイの構造を示す図であり、
図5は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、
図6は、遊技機10の背面図である。
なお、
図1〜
図6に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれても良い。
【0020】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称する)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0021】
図1に示すように、遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0022】
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠20の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
【0023】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。なお、本実施形態では、下球受け皿29が排出された遊技球で満タンとなったことを検知するための満タン検知センサ(図示省略)が、下球受け皿29へ遊技球を排出する下部排出口(図示省略)よりも上流に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0024】
図2に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、およびプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、およびそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(上カーソルボタン38a、下カーソルボタン38b、左カーソルボタン38c、右カーソルボタン38d)等が含まれる。各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。なお、これらの操作部は、遊技盤50の前面側に設けられている。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0025】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0026】
図1に示すように、前枠20には、3つのスピーカ33が配設されており、スピーカ33は、前枠20の上枠部32の左側に配設された左高音スピーカ33aと、前枠20の上枠部32の右側に配設された右高音スピーカ33bと、前枠20の下部に配設された低音スピーカ33cと、で構成されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれフルカラーLEDで構成された演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力または点灯もしくは消灯することができる。
【0027】
図3に示すように、演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
【0028】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる図柄列の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。なお、以降の説明では、3つの図柄列のうちの、左側の図柄列を「左の図柄列」、真ん中の図柄列を「中の図柄列」、右側の図柄列を「右の図柄列」と称する。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄の種類には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0029】
図4において、メイン表示部81のディスプレイを、左右方向の切断面であるIV−IVで切断した断面を模式的に示したIV−IV断面図に示す通り、メイン表示部81のディスプレイは、背面にバックライトBLを有する液晶パネルLCDの表面に、上下方向に延在する凸レンズが左右方向に連続的に並んだレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。これにより、本実施形態では、レンチキュラー方式による裸眼立体視を実現している。なお、本実施形態に係る裸眼立体視の原理は後述する。
【0030】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の画面領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
ここで、仮に、サブ表示部82において裸眼立体視を実現しようとすると、裸眼立体視を得られる範囲が変化し、狙った裸眼立体視を遊技者が得られない虞が大きい。そのため、本実施形態において、サブ表示部82のそれぞれには、液晶の表面にレンチキュラーレンズを設けず、当該表示部において裸眼立体視を実現していない。
【0031】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の点灯領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄および普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の点灯領域は、メイン表示部81の点灯領域よりも小さい面積になっている。さらに、図柄表示装置90は、メイン表示部81のよりも手前側に配置されている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図5に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0032】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0033】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0034】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0035】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0036】
遊技盤50の前面には、
図3に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0037】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0038】
図3には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0039】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応づけられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0040】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。
【0041】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0042】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応づけられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0043】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
【0044】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0045】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応づけられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
【0046】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述の各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0047】
なお、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口に入球した遊技球(以下、「アウト球」と称する)を検出するためのアウト球センサ75を備えており、当該センサの検出結果を用いて計数されたアウト球数は、ベース値を導出するために用いられる。
ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確かつ普図低確)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値であり、当該値は、後述する主制御基板モニタ97に表示される。
より具体的には、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数の60000区切りの区間でベース値を導出し、導出したベース値を次の区間に表示(例えば、アウト球数が60001〜120000の区間で導出したベース値を120001〜180000の区間で表示)する。そして、主制御基板モニタ97に表示される値は、導出したベース値の整数部分(小数点第一位を四捨五入)である。
【0048】
また、本実施形態において、遊技盤50には、上述したセンサの他に、不正に賞球を受ける不正行為を防止するために、磁気を検知するための磁気検知センサおよび電波を検知するための電波検知センサ(いずれも図示省略)が設けられている。
【0049】
遊技盤50の背面には、
図6に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300に加えて音声制御基板350が格納された第2副制御基板ケース370、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース510、払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409、および設定基板41が装着され、第1副制御基板ケース209および第2副制御基板ケース370の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して各基板が視認可能となっている。
【0050】
主制御基板100には、設定値、ベース値、および遊技停止状態の種別(詳細は後述)を表示する主制御基板モニタ97が設けられ、当該モニタは、遊技盤50の背面から視認可能となっている。また、当該モニタの表示は、主制御基板100により制御される。
【0051】
ここで、設定値とは、後述する特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)に影響を与える値である。本実施形態における設定値は、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、および設定値6の計6段階が設けられており、設定されている設定値(以下、「現在の設定値」と称する場合がある)の値が大きくなるに従って特図当否判定の有利度が高くなるように構成されており、設定値に応じた特図当否判定の詳細は、後述する。なお、設定値の段階は、複数段階あれば、6段階に限らない。
また、設定値は、後述する設定変更手段177による設定変更処理によって変更可能であり、現在の設定値は、後述する設定確認手段178による設定確認処理において確認可能である。
【0052】
また、本実施形態では、設定されている設定値、ベース値、および遊技停止状態の種別を同一の表示装置(主制御基板モニタ97)で表示しているが、これらの一部または全部を別の表示装置に表示するようにしてもよい。
【0053】
電源制御基板500には、遊技島の電源設備から供給される一次電源を遊技機10に供給するために操作される電源スイッチ40が設けられている。
【0054】
設定基板41には、後述する復電時(電源投入時)の復帰状態を決定するための操作部として、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43が設けられている。さらに、設定基板41には、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43を覆う透明性を有する設定基板カバー44がヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により開閉可能に設けられている。
なお、設定基板カバー44は、設定キースイッチ42を操作するために用いられる設定キーが挿入されている状態では、閉鎖状態にならないように構成されている。
また、設定基板カバー44は、ヒンジ機構によって開閉可能に構成されているが、上下にスライドするスライド式のカバーであってもよい。
【0055】
このように、遊技島に設置された状態では、中枠17を開放状態としなければ、遊技盤50の背面側に設けられた各操作部(電源スイッチ40、設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)の操作が困難となる。
【0056】
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、さらに、タンクレール47および払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
【0057】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0058】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図7〜
図10を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図であり、
図8は、第2副制御基板300が備える制御構成を示すブロック図である。
図9(a)は、SDRAM340のVRAM領域の構成を示す図であり、
図9(b)は、画像表示領域(画像描画領域)の構成を示す図である。さらに、
図10は、本実施形態に係る裸眼立体視の原理を示す図である。なお、
図7および
図8に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7および
図8で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0059】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0060】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、または遊技可能状態)、設定中の設定値、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
【0061】
本実施形態では、少なくとも、このような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域)に加えて、ベース値が格納される領域(RAM103のベース値に係る領域)と、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数およびRAM103の遊技に係る領域に関するバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域)と、RAM103のベース値に係る領域に関するチェックサムの補数およびRAM103のベース値に係る領域に関するバックアップフラグが格納される領域(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域)とがバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103のベース値に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と、RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
【0062】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。なお、図示は省略するが、これらのセンサ以外に、主制御基板100は、満タン検知センサ、磁気検知センサ、および電波検知センサとも電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0063】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、主制御基板モニタ97、普通電動役物ソレノイド62および特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39に対する操作を検知可能に構成されている。さらに、主制御基板100は、設定基板41と電気的に接続されており、設定キースイッチ42、およびRAMクリアスイッチ43に対する操作を検知可能に構成されている。
【0064】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
【0065】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき演出に関する各種の演算処理を行うCPU201と、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM202と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37、カーソルボタン38に電気的に接続されている。そのため、第1副制御基板200は、これらの操作部に対する操作を検知可能に構成されている。
【0066】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ表示させる画像を指示する画像制御コマンド、音声制御基板350へ出力させる音声を指示する音声制御コマンド、演出ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、および可動装飾体22やサブ表示部82等の可動体の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300および音声制御基板350と双方向通信が可能に接続されており、各制御コマンド(画像制御コマンド、音声制御コマンド)が第1副制御基板200から第2副制御基板300または音声制御基板350へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が各制御基板(第2副制御基板300、音声制御基板350)から第1副制御基板200へ送信される。
【0067】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0068】
また、第1副制御基板200は、可動装飾体22およびサブ表示部82と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22およびサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0069】
第2副制御基板300は、画像表示に係る主要な制御を実行するように構成されている。以下、
図8、
図9(a)、および
図9(b)を用いて具体的に説明する。
図8に示す通り、第2副制御基板300は、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像を描画するVDP310と、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等)のCGデータが格納されるCGROM330と、VRAM領域として使用されるSDRAM340と、で構成される。
【0070】
VDP310は、VDP310の各種設定などが格納されるシステムレジスタ311、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ312、VRAM領域の後述する画像描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部313、CGROM330に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部314、VRAM領域の後述する画像表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号および同期信号を出力する表示制御部315、表示制御部315から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して液晶表示装置(メイン表示部81、サブ表示部82)を構成する液晶パネルに出力するDAコンバータ316、DAコンバータ317などを備えている。
なお、本実施形態におけるCGデータは、キャラクタを構成する1ピクセル(画素)ごとのデータの集合体となる。
【0071】
さらに、VDP310の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバスおよびCGバスはCPUインターフェイス318を介して第1副制御基板200のCPU201と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス319を介してCGROM330に接続されている。さらに、システムバスにはシステムレジスタ311が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ312が接続されており、CPU201は、システムレジスタ311およびアトリビュートレジスタ312にアクセスできるようになっている。
そのため、CPU201は、後述する画像制御コマンドを用いて、システムレジスタ311およびアトリビュートレジスタ312に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP310を間接的に制御することができる。
【0072】
また、描画制御部313、データ転送制御部314、表示制御部315はシステムバスに接続されており、システムレジスタ311にアクセスできるようになっている。さらに、描画制御部313、データ転送制御部314はCGバスに接続されており、CGROM330、アトリビュートレジスタ312にアクセスできるようになっている。
【0073】
VDP310の内部には、VRAMバスも設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス320を介してSDRAM340と接続されている。VRAMバスには、描画制御部313、データ転送制御部314、表示制御部315が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM340のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
【0074】
また、システムレジスタ311には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における画像描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における画像表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
【0075】
CPUインターフェイス318は、1フレーム毎にCPU201に対して割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、CPU201に対して出力する。
【0076】
表示制御部315は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の画像表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、1フレーム毎に画像表示領域および画像描画領域が切り替わる、いわゆる、ダブルバッファリングを採用している。そのため、あるフレームにおいて画像描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のフレームにおいては、画像表示領域に切りわるので、前のフレームにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
【0077】
図9(a)に示す通り、VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタがCGROM330から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部313が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、および描画制御部313が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
【0078】
さらに、VRAM領域には、メイン表示部81に画像を表示するための1画面分の画像データが格納される画像表示領域と、メイン表示部81に画像を表示するための1画面分の画像データが描画される画像描画領域が割り当てられている。これら画像表示領域と画像描画領域とは、1フレーム毎に切り替わるようになっている。そのため、あるフレームにおいて画像描画領域として割り当てられた領域では画像データの描画が行われるとともに、次のフレームでは、この領域は画像表示領域に切り替わるので、前のフレームにおいて描画された画像に係る画像データがメイン表示部81に表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像データの描画が行われることとなる。
なお、VRAM領域には、メイン表示部81に対応する画像表示領域(画像描画領域)と同様に、サブ表示部82のそれぞれに対し、画像を表示するための1画面分の画像データが格納される画像表示領域と、画像を表示するための1画面の画像データが描画される画像描画領域と、が割り当てられているが、
図9(a)では、図示を省略している。
【0079】
また、
図9(b)に示す通り、画像表示領域(画像描画領域)に格納される画像データは、液晶パネルの1ピクセルあたり、R(赤)用の1バイト、G(緑)用の1バイト、およびB(青)の1バイトの合計3バイトで構成される。
そのため、画像描画領域へのキャラクタの描画は、当該キャラクタのCGデータ(1ピクセルごとのデータの集合体)をキャラクタ用バッファから読み出し、CG用バッファに保存されたパレットデータを用いて、当該CGデータをCG用バッファに描画データとして展開し、展開した描画データ(サブピクセル(R(赤)、G(緑)、またはB(青))ごとのデータの集合体)を画像描画領域に描画することで実現される。
【0080】
続いて、
図10を用いて、本実施形態に係る裸眼立体視の原理を説明する。
図4を用いて説明した通り、メイン表示部81のディスプレイは、液晶パネルLCDの表面に、上下方向に延在する凸レンズが左右方向に連続的に並んだレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。なお、
図10では、
図4と同様に、メイン表示部81のディスプレイを左右方向に切断した断面が模式的に示されており、バックライトBLの図示は省略している。
【0081】
図10に示す通り、本実施形態では、液晶パネルLCDの隣接する2つのサブピクセルの鉛直方向(上下方向)の列に対し、レンチキュラーレンズLLを構成する1つの凸レンズが対応するように、液晶パネルLCDの表面にレンチキュラーレンズLLが張り付けられている。
これにより、メイン表示部81の正面の裸眼立体視が可能な範囲内からメイン表示部81を視認した場合に、サブピクセルの鉛直方向の列である、1R、2R、3R、・・・(以下、「右目用画面領域」と称する場合がある)から出射された光が右目に入射し、サブピクセルの鉛直方向の列である、1L、2L、3L、・・・(以下、「左目用画面領域」と称する場合がある)から出射された光が、左目に入射することとなる。そのため、前者のサブピクセルに右目用の画像を表示し、後者のサブピクセルに左目用の画像を表示することで、右目で視認される画像と左目で視認される画像とに視差を発生させ、裸眼立体視が可能となる画像(以下、「立体画像」と称する場合があり、立体画像としての画像表示を、単に「立体視」と表現する場合がある)をメイン表示部81に表示させることができる。
【0082】
よって、遊技機10は、右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段(メイン表示部81)と、画像表示手段を制御する表示制御手段(VDP310)と、画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段(CGROM330)と、を備えていると換言できる。
なお、「あらかじめ記憶する」とは、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAMに記憶されることではなく、データの保持に電源を必要としないROMに記憶されていることを指す。
【0083】
なお、本実施形態において、右目用画面領域に表示させる画像と、左目用画面領域に表示される画像と、で視差を発生させなければ、立体視とならない画像(以下、「平面画像」と称するとともに、平面画像としての画像表示を、単に「平面視」と表現する場合がある)をメイン表示部81に表示させることができる。
【0084】
音声制御基板350は、第1副制御基板200からの音声制御コマンドに基づき音声演出に関する各種の演算処理を行うCPU351と、音声制御プログラムや音声データ等を記憶したROM352と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM353と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート354と、を備えており、CPU351がROM352に記憶された制御プログラムに従って音声演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。したがって、音声制御基板350は、第1副制御基板200から受信した音声制御コマンドに応じて、ROM352に記憶された音声データを読み込み、読み込んだ音声データを合成し、合成後の最終的な音声データを、増幅器を介してスピーカ33に送信し、スピーカ33に音声を出力させることができる。
【0085】
払出制御基板400は、CPU、ROM、およびRAM(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0086】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
【0087】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図11を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図11は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図11に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図11で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて
図12〜
図15も参照することとする。
【0088】
主制御基板100は、
図11に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、および電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、
図7を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0089】
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段255に向けて送信される。
【0090】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0091】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一または複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
なお、乱数回路105は、自身が更新している複数種類の乱数が正常に更新されているか否かを監視し、乱数が正常に更新されない更新異常が発生した場合には、乱数回路105が有する特定の記憶領域に当該異常が発生したことを示す情報が書き込まれる。そのため、CPU101は、乱数回路105の更新異常が発生したことを把握可能となっている。
【0092】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、および普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2および普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。さらに、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1または特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特
図1保留カウンタおよび特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報および特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。
【0093】
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、さらに、本実施形態では、後述する普図高確中に特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定が規制されるため、当該事前判定に対応する事前判定コマンドの送信も規制される。
【0094】
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、および特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1および特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1および特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
【0095】
ここで、
図12(a)〜
図12(c)、
図13(a)、および
図13(b)は、主制御基板100で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」や「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「−」や「0」が記載された結果は当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
【0096】
特図当否判定手段131は、図柄変動ごとに、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と現在の設定値に対応する特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、ハズレのいずれに当選するかを抽選によって判定する特図当否判定を実行する。
図12(a)は、特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選テーブルは、特
図1および特
図2で共通して用いられる。当該判定で用いられる乱数の範囲は、0〜65535であるため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には205/65536(約1/319.6)、現在の設定値が設定値2である場合には210/65536(約1/312.0)、現在の設定値が設定値3である場合には215/65536(約1/304.8)、現在の設定値が設定値4である場合には220/65536(約1/297.8)、現在の設定値が設定値5である場合には225/65536(約1/291.2)、現在の設定値が設定値6である場合には230/65536(約1/284.9)の確率で大当りが導出される。
同様に、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には445/65536(約1/147.2)、現在の設定値が設定値2である場合には455/65536(約1/144.0)、現在の設定値が設定値3である場合には466/65536(約1/140.6)、現在の設定値が設定値4である場合には477/65536(約1/137.3)、現在の設定値が設定値5である場合には488/65536(約1/134.2)、現在の設定値が設定値6である場合には499/65536(約1/131.3)の確率で大当りが導出される。
このように、本実施形態では、特図低確および特図高確のそれぞれにおいて、大当りが導出される確率は設定値ごとに異なり、いずれの設定値においても、特図低確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値が、特図高確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値よりも大きくなっている。そのため、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。なお、これらの確率は、設定値の変更有無によって変化しない。
また、本実施形態では、特図低確の大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)と、特図高確で大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)の比率が、設定される設定値に関わらず一定(本実施形態では、1:約2.2)となるように抽選値が設定されており、当該比率が一定とは、大当り確率の分母(分子を1とした場合)の整数部分(小数点以下は、切り捨て、切り上げ、および四捨五入のいずれか)の比率が一定となることを指す。すなわち、前者の確率の分母と、後者の確率の分母の比率が、設定される設定値に関わらず略一定となるように抽選値が設定されていればよい。
【0097】
また、上述の遊技盤50の説明では省略したが、遊技盤50の前面には、特図低確における大当り確率および特図高確における大当り確率の設定値ごとの設計値(いずれも分子を1とした場合の確率であることが好ましい)が、前枠20が閉鎖している状態で前面側から視認可能な位置に記載されている。そのため、遊技者は、これらの確率の設計値を認識することができる。
なお、これらの確率は、設定値ごとの大当り確率をすべて記載する必要はなく、例えば、特図低確における大当り確率を「1/284.9〜1/319.6」や、特図高確における大当り確率を「1/147.2〜1/131.3」のように、設定値2〜設定値5の大当り確率を記載しないようにしてもよい。すなわち、最も高い確率と最も低い確率のみを記載するようにしてもよい。このようにすることで、確率の記載スペースを有効利用することができる。
特に、特図高確における大当り確率を記載せずに特図低確における大当り確率(特図低確における大当り確率のみ)を記載するようにしてもよく、この場合には、設定値ごとの特図低確における大当り確率をすべて記載してもよいし、一部(最も高い確率と最も低い確率)を記載するようにしてもよい。いずれの場合であっても、特図高確における大当り確率よりも遊技者が関心を持つ特図低確における大当り確率を記載しつつも、特図高確に確率の記載スペースをより有効利用することができる。また、これらの確率の記載は、メイン表示部81の表示に置き換えてもよい。
【0098】
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとなった場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図12(b)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1で大当りが導出された場合には、50/100(1/2)の確率で図柄A、40/100(1/2.5)の確率で図柄B、10/100(1/10)の確率で図柄Cが停止図柄として決定され、これらの確率は設定値に依存しない。
ここで、図柄Aは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ後述する普図高確となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数が9であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。さらに、図柄Cは、ラウンド数が16であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄である。よって、図柄Cは、ラウンド数において図柄Bよりも有利な図柄であり、図柄Bおよび図柄Cは、ラウンド数およびその後の特図抽選状態の双方において図柄Aよりも有利な図柄であると言える。
図12(c)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図2で大当りが導出された場合には、65/100(約1/1.53)の確率で図柄a、35/100(約1/2.85)の確率で図柄bが停止図柄として決定され、これらの確率も設定値に依存しない。
ここで、図柄aは、ラウンド数が16であり、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が4であり、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる通常図柄である。よって、図柄aは、ラウンド数およびその後の特図抽選状態の双方において図柄bよりも有利な図柄であると言える。
このように、本実施形態では、特
図1および特
図2のいずれにおいても、各停止図柄が導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定であり、特図停止図柄抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。また、当該確率は、設定値の変更有無によっても変化しない。
なお、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとならなかった場合には、特
図1のハズレ時は図柄D、特
図2のハズレ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する
また、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(65/100)とが異なっている(特
図1の図柄変動よりも特
図2の図柄変動が有利になっている)。詳細は省略するが、この違いは、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられたV入賞領域を通過した場合(V入賞領域に設けられたセンサが遊技球を検知した場合)に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、V入賞領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現している。
【0099】
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターンを決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態と今回の特図当否判定の結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定し、決定した特図変動パターンに基づいて変動時間を決定する。
なお、遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCが存在する。そして、上述の特図変動パターンの決定方法は、特図変動パターン導出状態PAでは特
図1の図柄変動で採用され、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCでは特
図2の図柄変動で採用され、各特図変動パターン導出状態における他方の特図の図柄変動は、特図当否判定の結果に応じてあらかじめ定められた一の特図変動パターンが決定される。
【0100】
図13(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜999である。そのため、特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000(約1/1.11)の確率で特図変動パターンHNP、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHRP、10/1000(1/100)の確率でHSP1−A、8/1000(1/125)の確率でHSP1−B、6/1000(約1/167)の確率でHSP1−C、7/1000(約1/143)の確率でHSP2−A、5/1000(1/200)の確率でHSP2−B、4/1000(1/250)の確率でHSP2−C、5/1000(1/200)の確率でHSP3−A、3/1000(約1/333)の確率でHSP3−B、2/1000(1/500)の確率でHSP3−Cが決定され、これらの確率は、現在の設定値や設定値の変更有無に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP3−Cが決定されることはない。また、詳細は
図13(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、図柄変動開始時の特
図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンASP1−A、70/1000(約1/14.3)の確率で特図変動パターンASP1−B、80/1000(1/12.5)の確率で特図変動パターンASP1−C、70/1000(約1/14.3)の確率で特図変動パターンASP2−A、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンASP2−B、130/1000(約1/7.69)の確率で特図変動パターンASP2−C、130/1000(約1/7.69)の確率で特図変動パターンASP3−A、170/1000(約1/5.88)の確率で特図変動パターンASP3−B、200/1000(1/5)の確率で特図変動パターンASP3−Cが決定され、これらの確率も、現在の設定値や設定値の変更有無に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンHNP〜特図変動パターンHSP3−Cが決定されることはない。
また、本実施形態の特図変動パターンに係る説明において、2つの特図変動パターンを、「〜」を挟んで記載した場合、
図13(a)に記載した順序に従って、手前に記載された特図変動パターンと、後に記載された特図変動パターンとの間に存在する特図変動パターンの記載を省略したものとする。
また、図示は省略するが、特図変動パターン導出状態PBおよび特図変動パターン導出状態PCにおいても、特図変動パターン導出状態PA時と同様に、特図当否判定の結果に応じて特図変動パターンを抽選する。
【0101】
図13(b)は、特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、上述の通り、当該抽選では、特
図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
まず、
図13(b)に示す通り、特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP−A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP−B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP−C、変動時間が11200msの特図変動パターンHNP−Dがあり、この順に変動時間が長い。
そして、この抽選で用いられる乱数(
図13(a)で示した抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0〜999である。そのため、特
図1保留カウンタ=3(保3)である場合には、1000/1000(1/1)の確率で特図変動パターンHNP−Aが決定され、この確率は現在の設定値や設定値の変更有無に依存しない。同様に、特
図1保留カウンタ=2(保2)である場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Aが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Bが決定され、特
図1保留カウンタ=1(保1)である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP−Aが、150/1000(約1/6.67)の確率で特図変動パターンHNP−Bが、800/1000(1/1.25)の確率で特図変動パターンHNP−Cが決定され、特
図1保留カウンタ=0(保0)である場合には、50/1000(1/20)の確率で特図変動パターンHNP−Bが、100/1000(1/10)の確率で特図変動パターンHNP−Cが、850/1000(約1/1.18)の確率で特図変動パターンHNP−Dが決定され、これらの確率も、現在の設定値や設定値の変更有無に依存しない。
このように、特図変動パターンHNPが決定された場合には、特
図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、特
図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(特
図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
なお、このような特図変動パターン(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PBや特図変動パターン導出状態PCにおいても存在し、対応する基本特図変動パターンの種類やそれぞれの長さは異なるが、その傾向(保留カウンタ(特図変動パターン導出状態PBと特図変動パターン導出状態PCでは、特
図2保留カウンタの値)の値と決定され易い特図変動パターン(変動時間)の関係性)は特図変動パターン導出状態PAと同様である。
【0102】
また、本実施形態では、上述の特図停止図柄抽選と同様に、特図変動パターン導出状態および特図当否判定の結果が同一であれば、各特図変動パターンが導出される確率は、設定される設定値によらない。
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0103】
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、当該普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、および普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率(すべての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる一方、普図低確では、1/65536の確率(すべての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率でハズレとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536でハズレとなる)ようにしてもよい。
【0104】
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選(すべての設定値で共通)によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定でハズレとなった場合には、特
図1、特
図2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0105】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選(すべての設定値で共通)によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0106】
このように、普図高確は、普図低確よりも普図当りが導出される確率が高く、普図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
また、本実施形態では、普図に関する抽選(普図当否判定、普図停止図柄抽選、および普図変動パターン抽選)のいずれにおいても各抽選結果が導出される確率は、設定値に関わらず一定であり、普図に関する抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
【0107】
なお、本実施形態は、上述の通り、設定される設定値に基づいて特図当否判定で大当りに当選する確率が定まり、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定で大当りに当選する確率が高くなることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなるように構成されているが、特図当否判定に加え、特図停止図柄抽選、普図当否判定、および普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(または判定)において有利な結果が導出される確率に設定差を設けるようにしてもよい。また、特図当否判定を含まず、特図停止図柄抽選、普図当否判定、および普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(または判定)において有利な結果が導出される確率に設定差を設けることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなる(設定される設定値に応じて有利度が異なる)ようにしてもよい。すなわち、設定される設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なるように構成されていればよい。
【0108】
大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、および大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0109】
図柄表示制御手段145は、特
図1の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特
図1および特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止(確定表示)を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
【0110】
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0111】
電動役物制御手段150は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
【0112】
また、電動役物制御手段150は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0113】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
【0114】
また、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時には、次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とする。
【0115】
また、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移については、
図14(a)および
図14(b)を参照しながら説明する。なお、
図14(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、
図14(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。
図14(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態は、特図低確かつ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態PA、特図高確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PB、および特図低確かつ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態PCで構成され、大当り遊技中を除いて特図抽選状態および普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA〜特図変動パターン導出状態PC間の遷移条件には、遷移条件(i)〜遷移条件(iii)がある。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了、遷移条件(iii)は100回目の図柄変動の終了となる。なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて通常大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCが設定される(遷移条件(iii)における図柄変動のカウントが0から開始される)こととなる。
【0116】
また、
図14(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PB、および特図変動パターン導出状態PCのそれぞれの平均変動時間(当該特図変動パターン導出状態において選択され得る特図変動パターンの変動時間に対して出現率(当該特図当否判定の結果が導出される確率に対して当該特図変動パターンの当選確率を掛け算することで導出される、任意の図柄変動において発生し得る確率)を掛け算することで導出される変動時間の総和)は、特図変動パターン導出状態PA、特図変動パターン導出状態PC、特図変動パターン導出状態PBの順に短くなる。
さらに、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAの平均変動時間と特図変動パターン導出状態PCの平均時間の差は、特図変動パターン導出状態PCの平均変動時間と特図変動パターン導出状態PBの差よりも大きい。
【0117】
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、および特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0118】
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0119】
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー状態を特定可能な情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
本実施形態において、メインエラー制御手段165によって判定されるエラー状態には、例えば、上述の更新異常の発生に基づく主基板エラー、磁気検知センサによる磁気検知に基づく磁気エラー、電波検知センサによる電波検知に基づく電波エラー、ゲートセンサ74による遊技球の検知に基づく右打ちエラー、満タン検知センサによる遊技球の検知に基づく満タンエラーなどがある。
これらのエラーの発生条件を整理すると、主基板エラーは、上述の通り、乱数回路105の更新異常を示すエラー状態であり、当該更新異常が発生した場合に発生する。続いて、磁気エラーは、磁気検知センサによる磁気検知が500ms連続で発生した場合に発生するエラー状態であり、電波エラーは、電波検知センサによる電波検知回数(直前の電源投入からの累計回数)が計5回発生した場合に発生するエラー状態である。また、右打ちエラーは、通常時(特図低確かつ普図低確)にゲートセンサ74が遊技球を3回検知した場合(当該検知回数は、最後の検知から1000ms経過でリセットされる)に発生するエラー状態であり、満タンエラーは、満タン検知センサがONとなっている場合、すなわち、満タン検知センサによって遊技球が検知されている場合に発生するエラー状態である。
【0120】
また、本実施形態では、これらのエラー状態のうち、主基板エラー、磁気エラー、電波エラーを相対的に重要度が高いエラー状態(以下、単に「重要度が高いエラー状態」と称する)として扱っている。そのため、メインエラー制御手段165は、これらの重要度が高いエラー状態が発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理に加え、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等の遊技を進行させないための処理を実行する。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過する前にセキュリティ信号をまでセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。なお、本実施形態では、磁気エラーおよび電波エラーが発生した場合には、セキュリティ信号をONにする処理を実行するも、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等の遊技を進行させないための処理を実行しないようにしてもよい。
また、これらの重要度が高いエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能なエラー報知演出が実行され、以降の説明では、これらの重要度が高いエラー状態を特定可能なエラー報知演出を、「エラー報知1」と称する場合がある。
さらに、これらの重要度が高いエラー状態は、電断復電によってのみ解除可能(当該エラー状態を終了させることが可能)であり、当該エラー状態に係るセキュリティ信号は、電断によりOFFの状態となる(電断までONの状態が維持される)。
なお、上述の重要度が高いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、他のエラー状態を設けてもよい。
【0121】
一方、相対的に重要度が低いエラー状態(以下、単に「重要度が低いエラー状態」と称する)となる右打ちエラーおよび満タンエラーは、遊技球の発射は規制されず、遊技の進行が可能な状態が維持される。なお、これらのエラー状態となった場合には、第1副制御基板200や第2副制御基板300によって、いずれのエラー状態が発生したかを特定可能なエラー報知演出が実行され、以降の説明では、これらの重要度が低いエラー状態を特定可能なエラー報知演出を、「エラー報知2」と称する場合がある。
なお、右打ちエラーは、当該エラー状態に係るエラー報知演出の実行が終了したことで終了し、満タンエラーは、満タン検知センサによって遊技球が検知されなくなることで終了する。
また、上述の重要度が低いエラー状態は一例であって、当該エラー状態として、中枠17が開放状態となったこと(中枠開扉センサ76がON)や前枠20が開放状態となったことで発生するいわゆる扉開放エラーや、大当り遊技中の大入賞口55が閉鎖状態となってから所定の時間が経過した以降に大入賞口センサ72によって遊技球が検知された場合に発生する異常入賞エラー等、他のエラー状態を設けてもよく、これらのエラー状態を設けた場合には、当該エラー状態に係るエラー報知演出を実行する。なお、扉開放エラーは、中枠17が閉鎖状態(中枠開扉センサ76がOFF)となり、かつ当該エラー状態の発生から一定時間(例えば、10秒)経過していることを条件に終了させればよく、異常入賞エラーは、上述の右打ちエラーと同様に、当該エラー状態に係るエラー報知演出の実行が終了したことで終了させればよい。
【0122】
また、本実施形態では、重要度の高低に限らず、これらのエラー状態の発生有無については、後述する遊技可能状態中に監視される。一方、後述する設定変更状態や設定確認状態では、上述の重要度が高いエラー状態の発生有無は監視されるものの、重要度が低いエラー状態の発生有無は監視されない。
【0123】
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0124】
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176、設定変更手段177、設定確認手段178、および遊技可能状態移行手段179を備える。
【0125】
復帰状態設定手段176は、復電時の復帰状態当該RAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せ、および復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて設定する復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、および遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)がある。なお、RAMクリア処理が実行された場合には、特図低確および普図低確が設定されることとなる。さらに、復電時にRAMクリア処理を伴わない場合には、電断時の状態と同じ状態が設定され、電断時が図柄変動の実行中であれば、当該図柄変動の実行が再開される。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態である。そして、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。なお、遊技停止状態には、RAM異常によるものであって主制御基板モニタ97に種別として「E1」が表示される遊技停止状態と、RAM異常以外によるものであって主制御基板モニタ97に種別として「E2」が表示される遊技停止状態がある。
また、設定変更状態とは、設定されている設定値を変更可能な復帰状態であり、設定変更状態において設定される設定値が変更された後には、遊技可能状態が設定される。さらに、設定確認状態とは、設定されている設定値を確認可能な復帰状態であり、設定確認状態の終了後には、遊技可能状態が設定される。なお、設定変更状態ではRAMクリア処理が実行されるが、設定確認状態ではRAMクリア処理が実行されない。
【0126】
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
なお、本実施形態におけるRAM異常チェックでは、ベース値に係る領域に対しても異常があるか否かが判断されるが、本実施形態における説明では、特段の説明がない限り、RAM103に異常があるとは、RAM103の遊技に係る領域に異常があることを指す。
また、復帰状態設定処理では、RAM103の遊技に係る領域に異常があり、かつRAM103のベース値に係る領域に異常がある場合に、RAM103のベース値に係る領域がクリアされるが、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば(RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かに関わらず)、RAM103のベース値に係る領域をクリアするようにしてもよい。
【0127】
設定変更手段177は、設定変更状態が設定された場合に、設定値の変更を可能とする設定変更処理を実行する。
【0128】
設定確認手段178は、設定確認状態が設定された場合に、設定値の確認を可能とする設定確認処理を実行する。
【0129】
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的には、遊技可能状態移行処理では、ベース値を主制御基板モニタ97に表示させる処理(ベース値の表示態様については、後述)、およびデバイスの初期設定が実行され、遊技可能状態移行処理では、遊技可能状態への移行を示す演出制御コマンド(遊技可能状態移行コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
【0130】
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域(ベース値に係る領域とは異なる領域)に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。また、RAM103のベース値に係る領域に対しても、RAM103のうちの遊技に係る領域と同様に、RAM103のベース値に係る領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103のベース値に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、およびRAM103のベース値に係る領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
【0131】
第1副制御基板200は、
図11に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、音声制御手段235、ランプ制御手段240、可動役物制御手段245、サブ情報記憶手段250、およびサブコマンド管理手段255を備えており、これらの手段は、
図7を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
まず、サブ情報記憶手段250は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等をRAM103の各々に対応する記憶領域に一時的に記憶する手段である。当該記憶領域には、例えば、メインコマンド管理手段170から、後述するサブコマンド管理手段255が受信した演出制御コマンドを格納する受信コマンド格納領域や、サブコマンド管理手段255から各デバイスに向けて送信される制御コマンドや制御データを格納する送信コマンド格納領域がある。なお、以降の説明では、サブコマンド管理手段255によって演出制御コマンドがサブ情報記憶手段250の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に「演出制御コマンドの受信」と表現し、サブコマンド管理手段によって制御コマンドや制御データがサブ情報記憶手段250の送信コマンド格納領域に記憶されることを、単に「制御コマンドまたは制御データの送信」と表現する場合がある。
【0132】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0133】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、および大当り演出制御手段227を備える。
【0134】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドを受信した場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBには確変モード、特図変動パターン導出状態PCには低確時短モードが対応する。
【0135】
また、演出モード制御手段221は、上述の立体視の発生頻度が異なる3種類の立体視モード(立体視ONモード、立体視OFFモード、立体視一部ONモード)を管理する。これらの立体視モードは、モードカウンタを更新するモードカウンタ更新処理、および立体視モードを設定する立体視モード設定処理の実行によって管理され、これらの処理の詳細は後述する。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、後述するリーチ図柄が立体視となり得る。
【0136】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、当該図柄変動に対応する特図変動パターンが上述の特図変動パターンHNPであった場合には、事前判定コマンドを受信した場合に演出ルートは決定せず、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン(特図変動パターンHNP−A〜特図変動パターンHNP−D)に基づいて演出ルートを決定する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
【0137】
本実施形態では、
図13(a)および
図13(b)で示した特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そして、これらの演出ルートは、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであること(大当りではないこと)を報知するハズレ演出ルートと、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する大当り演出ルートに大別される。さらに、ハズレ演出ルートには、発展演出が実行されない非発展ハズレ演出ルートと、発展演出が実行される発展ハズレ演出ルートがある。ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)となった以降に、装飾図柄の変動表示以外の演出を用いて今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出を指し、本実施形態では、互いに内容が異なる発展演出A〜発展演出Cの3種類が存在する。これらの発展演出は、大当り演出ルートにおいても実行される。以下、各特図変動パターンに対応する演出ルートの内容を説明する。
【0138】
ハズレ演出ルートに対応する発展演出A〜発展演出Cでは、各発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りでないことが報知される。一方、大当り演出ルートに対応する発展演出A〜発展演出Cでは、ハズレ演出ルートに対応する発展演出と同様に、各発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることが報知される。すなわち、発展演出A〜発展演出Cは、いずれも、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りあるか否かを報知する演出と言える。
本実施形態では、一の特図変動パターンに対して一の演出ルートが対応する。そのため、以降の説明では、特図変動パターンに対する演出ルートを、単に、特図変動パターンで表現する場合がある。なお、複数の特図変動パターン間で同一の演出ルートが対応しなければ、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
【0139】
特図変動パターンHNP−A〜特図変動パターンHNP−Dおよび特図変動パターンHRPに対応する演出ルートには、上述の非発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHNP−A〜特図変動パターンHNP−Dには、装飾図柄がリーチ状態とならずに装飾図柄がバラケ目(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止されていない状態)で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。
特図変動パターンHRPには、複数回の疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、後述する発展演出が実行されずに装飾図柄がバラケ目で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、疑似変動とは、発展演出が開始される前の期間において、一定のルールに基づいた装飾図柄の停止(例えば、「5図柄−7図柄−6図柄」のように、真ん中の図柄列に7図柄が停止した態様となる装飾図柄の停止)等で区切られる期間を指す。なお、本実施形態における疑似変動の最大回数は3回であるが、これに限らず、2以上の回数であれば、いずれの回数を採用してもよい。
【0140】
特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP3−Cには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−Cには、複数回の疑似変動を介さずに(1回の疑似変動で)装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP1−Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP1−Bには、上述の発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP1−Cには、発展演出Cが対応する。
特図変動パターンHSP2−A〜特図変動パターンHSP2−Cには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP2−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP2−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP2−Cには発展演出Cが対応する。
特図変動パターンHSP3−A〜特図変動パターンHSP3−Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP3−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP3−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP3−Cには発展演出Cが対応する。
【0141】
特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP3−Cには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cには、複数回の疑似変動を介さずに(1回の疑似変動で)装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃い(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止された状態)で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP1−Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP1−Bには、上述の発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP1−Cには、発展演出Cが対応する。
特図変動パターンASP2−A〜特図変動パターンASP2−Cには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP2−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP2−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP2−Cには発展演出Cが対応する。
特図変動パターンASP3−A〜特図変動パターンASP3−Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP3−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP3−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP3−Cには発展演出Cが対応する。
【0142】
このように、本実施形態では、特図変動パターンHSP1−Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1−Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1−Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1−Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1−Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1−Cに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2−Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2−Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2−Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2−Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2−Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2−Cに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3−Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3−Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3−Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3−Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3−Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3−Cに対応する演出ルートを、対応づけている(対応づけられた演出ルートの演出同士の内容が開始から終了間際まで一致する)。そのため、発展演出A〜発展演出Cが実行される図柄変動において、遊技者に大当り当選の期待感を抱かせることができる。そして、発展演出A〜発展演出Cが実行される演出ルートが決定される上述の特図変動パターンは、大当りを期待させる特図変動パターンとなる。
【0143】
また、
図13(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−B)、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−C)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−B)、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−C)の順に決定され易くなる。そのため、発展演出A、発展演出B、発展演出Cの順に大当り当選の期待感を高めることができる。
【0144】
さらに、
図13(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP2−A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP3−A)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP2−A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP3−A)の順に決定され易くなる。そのため、疑似変動の回数が多くなるにつれて大当り当選の期待感を高めることができる。
【0145】
また、上述の通り、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−C、および特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cでは、1回の疑似変動でリーチ状態となり、特図変動パターンHSP2−A〜特図変動パターンHSP2−C、および特図変動パターンASP2−A〜特図変動パターンASP2−Cでは、2回の疑似変動でリーチ状態となり、特図変動パターンHSP3−A〜特図変動パターンHSP3−C、および特図変動パターンASP3−A〜特図変動パターンASP3−Cでは、3回の疑似変動でリーチ状態となる。
そのため、リーチ状態となるまでの時間は、1回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターン(特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−C、および特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−C)、2回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターン(特図変動パターンHSP2−A〜特図変動パターンHSP2−C、および特図変動パターンASP2−A〜特図変動パターンASP2−C)、3回の疑似変動でリーチ状態となる特図変動パターン(特図変動パターンHSP3−A〜特図変動パターンHSP3−C、および特図変動パターンASP3−A〜特図変動パターンASP3−C)の順に長くなる。
【0146】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
【0147】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0148】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドを受信した場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)を、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
【0149】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドを受信した場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。
具体的には、図柄B、図柄C、および図柄aには奇数図柄揃いを、図柄Aと図柄bには偶数図柄揃いを、図柄Dと図柄cにはバラケ目を、対応させている。
特に、特図当否判定の結果が大当りとなった場合(特図変動パターンASP1〜特図変動パターンASP3が決定された場合)には、同一の図柄で構成される停止図柄の組合せが装飾図柄の最終的な停止図柄の組合せとして決定され、特図当否判定の結果がハズレであり、かつ上述のリーチ状態が発生する演出ルートに対応する特図変動パターン(特図変動パターンHRP〜特図変動パターンHSP3−C)が決定された場合には、左図柄と右図柄が同一で中図柄が異なる停止図柄の組合せが最終的な停止図柄の組合せとして決定される。これにより、これらの特図変動パターンが決定された場合には、リーチ状態が発生することとなる。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0150】
また、装飾図柄制御手段226は、リーチ状態が発生することとなる停止図柄の組合せが決定された場合には、決定された特図変動パターンを用いた抽選によってリーチ状態を構成する図柄の図柄表示種別を決定する図柄表示種別抽選を実行する。さらに、装飾図柄制御手段226は、図柄表示種別抽選によって決定された図柄表示種別を参照した立体視実行抽選が実行され、当該抽選では、リーチ状態を構成する図柄をリーチ状態発生時に上述の立体視とするか否かが決定される。なお、以降の説明では、リーチ状態を構成する図柄を、単に、「リーチ図柄」と称し、これらの処理を含むリーチ態様決定処理の詳細は、後述する。
【0151】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドを受信した場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0152】
通常演出制御手段220は、通常演出制御手段220が備える上述の手段によって決定された演出の内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づく画像の表示を指示する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。
【0153】
特に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合(後述する設定変更開始コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定変更中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知演出は、当該設定変更状態が終了して遊技可能状態となる場合(後述する設定変更終了コマンドが送信された場合)に終了する。同様に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合(後述する設定確認開始コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定確認中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知演出は、当該設定確認状態が終了して遊技可能状態となる場合(設定確認終了コマンドが送信された場合)に終了する。なお、これらの報知演出の詳細は省略するが、当該報知演出は現在の設定値を特定不可能な(特定可能な態様ではない)報知演出であり、当該報知演出を実行する演出デバイスは問わない。このようにすることで、設定値の変更や設定値の確認に対する作業効率及びセキュリティを高めることができる。
また、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴う場合)には、RAMクリア処理を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴わない場合)には、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。なお、これらの演出データには、画像に係る演出データが含まれず、音声に係る演出データが含まれる。また、これらの報知演出は、設定変更状態を経由して遊技可能状態となった場合、設定確認状態を経由して遊技可能状態となった場合にも実行され、これらの報知演出の違いによっても、設定変更状態を経由したか、設定確認状態を経由したかを判断させることができる。
さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、後述する設定変更処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。なお、この演出データには、画像に係る演出データ、および音声に係る演出データの双方が含まれる。
また、これらの報知演出の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましい。
【0154】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドを受信した場合に、当該エラーコマンドで特定されるエラーを報知するエラー報知演出に係る演出データを読み出し、読み出した演出データに画像に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づく画像の表示を指示する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。以下、
図15を用いて、当該演出データに基づいて実行されるエラー報知演出の詳細を説明する。なお、
図15は、エラー報知演出を構成する画像および音声の詳細を示す表である。
【0155】
まず、上述のエラー報知1である、主基板エラーに係る主基板エラー報知、磁気エラーに係る磁気エラー報知、電波エラーに係る電波エラー報知について説明する。
図15に示す通り、主基板エラー報知は、上述の通り、乱数回路105の更新異常が発生した場合(当該エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合)に実行されるエラー報知演出である。当該エラー報知演出では、「主基板エラー」との文字がメイン表示部81に表示されるとともに、「主基板に異常を検知しました」との音声がスピーカ33からループ再生で出力される。
磁気エラー報知は、上述の通り、磁気検知センサによって磁気が検知された場合(当該エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合)に実行されるエラー報知演出である。当該エラー報知演出では、「磁気センサエラー」との文字がメイン表示部81に表示されるとともに、「磁気センサが反応しました」との音声(以下、「磁気エラー報知音」と称する)がスピーカ33からループ再生で出力される。
電波エラー報知は、上述の通り、電波検知センサによって電波が検知された場合(当該エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合)に実行されるエラー報知演出である。当該エラー報知演出では、「電波センサエラー」との文字がメイン表示部81に表示されるとともに、「電波センサが反応しました」との音声(以下、「電波エラー報知音」と称する)がスピーカ33からループ再生で出力される。
【0156】
続いて、上述のエラー報知2である、右打ちエラーに係る右打ちエラー報知、および満タンエラーに係る満タンエラー報知について説明する。
図15に示す通り、右打ちエラー報知は、上述の通り、通常時(特図低確かつ普図低確)にゲートセンサ74が遊技球を3回検知した場合(当該エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合)に実行されるエラー報知演出である。当該エラー報知演出では、「左打ちに戻してください」との文字がメイン表示部81に表示されるとともに、「左打ちに戻してください」との音声(以下、「右打ちエラー報知音」と称する)がスピーカ33から1回再生で出力される。
満タンエラー報知は、上述の通り、満タン検知センサがONとなっている場合(当該エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合)に、第1副制御基板200によって実行されるエラー報知演出である。当該エラー報知演出では、「球を抜いてください」との文字がメイン表示部81に表示されるとともに、「球を抜いてください」との音声(以下、「満タンエラー報知音」と称する)がスピーカ33から1回再生で出力される。
【0157】
なお、本実施形態では、メインエラー制御手段165によってすべてのエラー状態の判定が行われるが、セキュリティ信号の出力を伴う重要度が高いエラー状態以外のエラー状態の判定については、当該エラー状態の判定に係るセンサの状態を含むコマンドを主制御基板100から受信するように構成し、サブエラー制御手段230によって判定するようにしてもよい。
また、上述のエラー報知演出の説明において、演出ランプ35の点灯態様の詳細の説明は省略したが、これらのエラー報知演出では、それぞれに対応する態様で演出ランプ35が点灯する。
【0158】
音声制御手段235は、読み出した演出データに音声に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて音声制御コマンドを生成し、当該コマンドを音声制御基板350に送信する。
【0159】
ランプ制御手段240は、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいてROM202から演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信し、演出ランプ35の点灯を制御する。
【0160】
可動役物制御手段245は、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてROM202から可動装飾体22およびサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22およびサブ表示部82へ送信し、可動装飾体22およびサブ表示部82の可動を制御する。
【0161】
サブ情報記憶手段250は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0162】
サブコマンド管理手段255は、上述の通り、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段250の受信コマンド格納領域に記憶させる。さらに、サブ情報記憶手段250の送信コマンド格納領域に制御コマンドや制御データが記憶されている場合には、当該制御コマンドまたは当該制御データを、対応する基板やデバイスに向けて送信する。なお、各制御コマンドや制御データは、原則として、サブ情報記憶手段250の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0163】
以上説明した通り、本実施形態に係る遊技機10は、メイン表示部81に立体画像を表示可能に構成され、立体画像の表示に係る種々の機能を有する。また、本実施形態では、上述の通り、リーチ図柄が立体視となり得る。そのため、以降の説明では、リーチ図柄の表示を例に挙げ、本実施形態に係る立体画像の表示に係る種々の機能を説明する。
【0164】
<リーチ図柄の立体視について>
まず、
図16〜
図19を用いて、平面視および立体視のリーチ図柄の態様を説明する。
図16(a)〜
図16(c)は、平面視の装飾図柄を示す図であり、
図16(d)〜
図16(f)は、立体視の装飾図柄を示す図である。さらに、
図17(a)〜
図17(d)は、図柄表示種別としてノーマル図柄が決定されている場合におけるリーチ図柄の立体視の流れを、
図18(a)〜
図18(d)は、図柄表示種別としてチャンス図柄が決定されている場合におけるリーチ図柄の立体視の流れを、
図19(a)〜
図19(d)は、図柄表示種別としてスーパーチャンス図柄が決定されている場合におけるリーチ図柄の立体視の流れを、示す図である。
【0165】
詳細は後述するが、本実施形態において、図柄表示種別には、ノーマル図柄、チャンス図柄、およびスーパーチャンス図柄があり、
図16(a)には、平面視のノーマル図柄の7図柄が、
図16(b)には、平面視のチャンス図柄の7図柄が、
図16(c)には、平面視のスーパーチャンス図柄の7図柄が示されている。
具体的には、
図16(b)に示すチャンス図柄は、7図柄の手前に「CHANCE」の文字が配置された平面図柄であり、
図16(c)に示すスーパーチャンス図柄は、7図柄の手前に「SUPERCHANCE」の文字が配置された平面図柄であり、これらの図柄は、これらの文字が配置されても模した数字が識別可能となっている。なお、
図16(a)に示す平面視のノーマル図柄も同様に、模した数字が識別可能となっている。
【0166】
また、
図16(d)には、立体視のノーマル図柄の7図柄が、
図16(e)には、立体視のチャンス図柄の7図柄が、
図16(f)には、立体視のスーパーチャンス図柄の7図柄が示されている。
具体的には、
図16(b)および
図16(c)と同様に、
図16(e)に示すチャンス図柄は、7図柄の手前に「CHANCE」の文字が配置された立体図柄であり、
図16(f)に示すスーパーチャンス図柄は、7図柄の手前に「SUPERCHANCE」の文字が配置された立体図柄であり、これらの図柄は、これらの文字が配置されても模した数字が識別可能となる。なお、
図16(d)に示す立体視のノーマル画像も同様に、模した数字が識別可能となっている。
【0167】
このように、本実施形態では、ノーマル図柄、チャンス図柄、およびスーパーチャンス図柄は、互いに異なる態様であり、それぞれの図柄は、立体視および平面視のいずれにおいても、模した数字(特図当否判定の結果に対応した画像)が識別可能となっている。これにより、これらの図柄を遊技者に認識させ易くすることができる。
なお、上述した具体例では、7図柄を例に挙げたが、本実施形態では、他の装飾図柄についても同様に、ノーマル図柄、チャンス図柄、およびスーパーチャンス図柄が存在し、それぞれの図柄に対して立体視および平面視による表示が可能となっている。そして、停止される装飾図柄の種類は、上述の通り、特図当否判定の結果に対応する。
【0168】
続けて、本実施形態におけるリーチ図柄の立体視の流れを説明する。
図17(a)には、図柄変動が開始された直後のメイン表示部81の画面領域が示されており、当該画面領域には、背景画像として、草原を模した草原画像sgと、太陽を模した太陽画像tgと、が平面画像として表示されるとともに、これらの背景画像の手前で、すべての図柄列が変動表示されている。
図17(b)は、
図17(a)の後の状態であり、
図17(b)には、メイン表示部81の画面領域に、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgが引き続き表示されるとともに、左の図柄列にノーマル図柄の7図柄が平面視で停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている様子が示されている。
図17(c)は、
図17(b)の後の状態であり、
図17(c)には、メイン表示部81の画面領域に、左の図柄列および右の図柄列の双方にノーマル図柄の7図柄が停止表示されたリーチ状態が発生した瞬間が示されており、これらの7図柄はいずれも平面視となっている。なお、この状態において、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgは引き続き表示されており、草原画像sgは、当該リーチ状態を構成する平面視の7図柄の後ろに重ねて表示されている一方、太陽画像tgは、これらの7図柄とは重ならないように表示されている。
図17(d)は、
図17(c)の後の状態であり、
図17(d)には、
図17(c)と同様に、メイン表示部81の画面領域に、ノーマル図柄の7図柄で構成されたリーチ状態が発生している様子が示されているが、これらの7図柄は、
図17(c)とは異なり、いずれも立体視となっている。なお、この状態において、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgは引き続き表示されており、
図17(c)と同様に、草原画像sgは、当該リーチ状態を構成する立体視の7図柄の後ろに重ねて表示されている一方、太陽画像tgは、これらの7図柄とは重ならないように表示されている。
このように、本実施形態では、ノーマル図柄で構成されたリーチ状態が発生した後に、当該リーチ状態に係るリーチ図柄が、平面視から立体視に変化し得る。なお、
図17(d)に示す通り、ノーマル図柄のリーチ図柄が平面視から立体視に変化するタイミングでは、「リーチ」との音声がスピーカ33から出力される。
【0169】
図18(a)には、図柄変動が開始された直後のメイン表示部81の画面領域が示されており、当該画面領域には、背景画像として、草原画像sgと、太陽画像tgと、が平面画像として表示されるとともに、これらの背景の手前で、すべての図柄列が変動表示されている。
図18(b)は、
図18(a)の後の状態であり、
図18(b)には、メイン表示部81の画面領域に、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgが引き続き表示されるとともに、左の図柄列にチャンス図柄の7図柄が平面視で停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている様子が示されている。
図18(c)は、
図18(b)の後の状態であり、
図18(c)には、メイン表示部81の画面領域に、左の図柄列および右の図柄列の双方にチャンス図柄の7図柄が停止表示されたリーチ状態が発生した瞬間が示されており、これらの7図柄はいずれも平面視となっている。なお、この状態において、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgは引き続き表示されており、草原画像sgは、当該リーチ状態を構成する平面視の7図柄の後ろに重ねて表示されている一方、太陽画像tgは、これらの7図柄とは重ならないように表示されている。
図18(d)は、
図18(c)の後の状態であり、
図18(d)には、
図18(c)と同様に、メイン表示部81の画面領域に、チャンス図柄の7図柄で構成されたリーチ状態が発生している様子が示されているが、これらの7図柄は、
図18(c)とは異なり、いずれも立体視となっている。なお、この状態において、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgは引き続き表示されており、
図18(c)と同様に、草原画像sgは、当該リーチ状態を構成する立体視の7図柄の後ろに重ねて表示されている一方、太陽画像tgは、これらの7図柄とは重ならないように表示されている。
このように、本実施形態では、チャンス図柄で構成されたリーチ状態が発生した後に、当該リーチ状態に係るリーチ図柄が、平面視から立体視に変化し得る。なお、
図18(d)に示す通り、チャンス図柄のリーチ図柄が平面視から立体視に変化するタイミングでも、「リーチ」との音声がスピーカ33から出力される。
【0170】
図19(a)には、図柄変動が開始された直後のメイン表示部81の画面領域が示されており、当該画面領域には、背景画像として、草原画像sgと、太陽画像tgと、が平面画像として表示されるとともに、これらの背景の手前で、すべての図柄列が変動表示されている。
図19(b)は、
図19(a)の後の状態であり、
図19(b)には、メイン表示部81の画面領域に、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgが引き続き表示されるとともに、左の図柄列にスーパーチャンス図柄の7図柄が平面視で停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている様子が示されている。
図19(c)は、
図19(b)の後の状態であり、
図19(c)には、メイン表示部81の画面領域に、左の図柄列および右の図柄列の双方にスーパーチャンス図柄の7図柄が停止表示されたリーチ状態が発生した瞬間が示されており、これらの7図柄は、いずれも平面視となっている。なお、この状態において、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgは引き続き表示されており、草原画像sgは、当該リーチ状態を構成する平面視の7図柄の後ろに重ねて表示されている一方、太陽画像tgは、これらの7図柄とは重ならないように表示されている。
図19(d)は、
図19(c)の後の状態であり、
図19(d)には、
図19(c)と同様に、メイン表示部81の画面領域に、スーパーチャンス図柄の7図柄で構成されたリーチ状態が発生している様子が示されているが、これらの7図柄は、
図19(c)とは異なり、いずれも立体視となっている。なお、この状態において、平面視の草原画像sgおよび太陽画像tgは引き続き表示されており、
図19(c)と同様に、草原画像sgは、当該リーチ状態を構成する立体視の7図柄の後ろに重ねて表示されている一方、太陽画像tgは、これらの7図柄とは重ならないように表示されている。
このように、本実施形態では、スーパーチャンス図柄で構成されたリーチ状態が発生した後に、当該リーチ状態に係るリーチ図柄が、平面視から立体視に変化し得る。なお、
図19(d)に示す通り、スーパーチャンス図柄のリーチ図柄が平面視から立体視に変化するタイミングでも、「リーチ」との音声がスピーカ33から出力される。
【0171】
以上説明した通り、本実施形態では、リーチ図柄は、当該リーチ図柄の図柄表示種別に関わらず、平面視から立体視に変化し得る。
なお、図示は省略するが、リーチ図柄は、平面視から立体視に変化せず、平面視が維持される場合があり、平面視から立体視に変化する場合、および平面視が維持される場合のいずれとするかは、後述するリーチ態様決定処理によって定まる。
【0172】
よって、遊技機10において、表示制御手段は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させることが可能であると換言できる。
【0173】
また、上述の通り、本実施形態では、立体視のリーチ図柄は、平面視の草原画像sgの手前に表示される。そのため、リーチ図柄の立体視を際立たせ、リーチ図柄を認識させ易くすることができる。
【0174】
ところで、上述のスピーカ33から出力される「リーチ」との音声は、左高音スピーカ33aと右高音スピーカ33bから出力され(左高音スピーカ33aと右高音スピーカ33bとから同一の音声が出力され)、低音スピーカ33cからは当該音声とは異なる音声が出力される。
これにより、 リーチ図柄の立体視を遊技者に認識させ易くし、遊技の興趣を高めることができる。
なお、同一の音声とは、出力される音声を文字で表記した場合に同一の表記となる等、遊技者が同じ音声として認識できる音声を指し、ステレオ再生時に左右のスピーカから出力される音声の違い程度は、本実施形態における同一の音声の範疇に入る。
一方、異なる音声とは、出力される音声を文字で表記した場合に異なる表記になる等、遊技者が異なる音声として認識できる音声を指す。
【0175】
さらに、スピーカ33から出力される「リーチ」との音声は、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する場合と、リーチ図柄が平面視から立体視に変化せずに平面視が維持される場合と、で、その態様が異なる。
具体的には、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する場合には、左高音スピーカ33aから「リーチ」との音声の出力が開始された後に、当該音声に遅れて右高音スピーカ33bから同一の音声である「リーチ」との音声の出力が開始される。一方、リーチ図柄が平面視から立体視に変化せずに平面視が維持される場合には、左高音スピーカ33aおよび右高音スピーカ33bから「リーチ」との音声の出力が同時に開始される。
これにより、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する場合に、音に立体感を出すことができる。
【0176】
なお、当該効果を奏するにあたり、本実施形態では、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する場合と、リーチ図柄が平面視から立体視に変化せずに平面視が維持される場合と、で、左高音スピーカ33aおよび右高音スピーカ33bから出力される音声を同一の音声(「リーチ」との音声)としているが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、前者の場合の音声を、「チャンス」との音声とし、後者の場合の音声を、「リーチ」との音声とする等、前者の場合の音声と、後者の場合の音声と、を異ならせるようにしてもよい。
すなわち、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する場合に対応する音声と、リーチ図柄が平面視から立体視に変化せずに平面視が維持される場合に対応する音声を、は、同一の音声であってもよいし、異なる音声であってもよい。
【0177】
<リーチ態様決定処理について>
次に、
図20〜
図22を用いて、リーチ図柄の図柄表示種別を決定する図柄表示種別抽選や、リーチ図柄を立体視とするか否かを決定する立体視実行抽選等を含む、リーチ態様決定処理の詳細を説明する。
図20は、リーチ態様決定処理のフローを示す図であり、
図21は、図柄表示種別用の抽選テーブルを模式的に示す図である。また、
図22(a)は、大当り時の立体視実行抽選用の抽選テーブルを、
図22(b)は、ハズレ時の立体視実行抽選用の抽選テーブルを示す図である。なお、リーチ態様決定処理は、リーチ状態が発生することとなる停止図柄の組合せが決定された場合に実行される。
【0178】
最初のステップS102では、リーチ図柄の図柄表示種別を決定する図柄表示種別抽選を実行する。なお、当該抽選の詳細は、
図21に示す抽選テーブルを用いて後述する。
ステップS104では、図柄表示種別抽選によって決定された図柄表示種別を設定する。
ステップS106では、リーチ図柄を立体視とするか否かを決定する立体視実行抽選を実行する。なお、当該抽選の詳細は、
図22(a)および
図22(b)に示す抽選テーブルを用いて後述する。
ステップS108では、実行抽選に当選したか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS110に進み、当該条件が充足されなかった場合にはリーチ態様決定処理を終了する。
ステップS110では、立体視モードが立体視OFFであるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合(立体視モードが立体視ONまたは立体視一部ONである場合)にはステップS112に進み、当該条件が充足された場合にはリーチ態様決定処理を終了する。
ステップS112では、立体視モードが立体視一部ONであるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS114に進み、当該条件が充足されなかった場合(立体視モードが立体視ONである場合)にはステップS116に進む。
ステップS114では、リーチ図柄の図柄表示種別がノーマル図柄であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS116に進み、当該条件が充足された場合にはリーチ態様決定処理を終了する。
ステップS116では、リーチ図柄の立体視を決定する。これにより、リーチ図柄は、平面視から立体視に変化することとなる(立体視となる)。
【0179】
続けて、図柄表示種別抽選の詳細を説明する。
図21に示す通り、図柄表示種別には、ノーマル図柄、チャンス図柄、およびスーパーチャンス図柄があり、決定された特図変動パターンを参照した抽選により、これらの図柄表示種別から一の図柄表示種別が決定される。なお、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜999である。
具体的には、特図変動パターンHRPが決定された場合には、1000/1000(1/1)の確率でノーマル図柄が決定され、チャンス図柄およびスーパーチャンス図柄は決定されない。
特図変動パターンHSP1−Aが決定された場合には、800/1000(1/1.25)の確率でノーマル図柄が、175/1000(約1/5.71)の確率でチャンス図柄が、25/1000(1/40)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP1−Bが決定された場合には、775/1000(約1/1.29)の確率でノーマル図柄が、200/1000(1/5)の確率でチャンス図柄が、25/1000(1/40)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP1−Cが決定された場合には、750/1000(約1/1.33)の確率でノーマル図柄が、225/1000(約1/4.44)の確率でチャンス図柄が、25/1000(1/40)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP2−Aが決定された場合には、750/1000(約1/1.33)の確率でノーマル図柄が、200/1000(1/5)の確率でチャンス図柄が、50/1000(1/20)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP2−Bが決定された場合には、725/1000(約1/1.38)の確率でノーマル図柄が、225/1000(約1/4.44)の確率でチャンス図柄が、50/1000(1/20)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP2−Cが決定された場合には、700/1000(約1/1.43)の確率でノーマル図柄が、250/1000(1/4)の確率でチャンス図柄が、50/1000(1/20)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP3−Aが決定された場合には、700/1000(約1/1.43)の確率でノーマル図柄が、200/1000(1/5)の確率でチャンス図柄が、100/1000(1/10)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP3−Bが決定された場合には、675/1000(約1/1.48)の確率でノーマル図柄が、225/1000(約1/4.44)の確率でチャンス図柄が、100/1000(1/10)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンHSP3−Cが決定された場合には、650/1000(約1/1.54)の確率でノーマル図柄が、250/1000(1/4)の確率でチャンス図柄が、100/1000(1/10)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP1−Aが決定された場合には、650/1000(約1/1.54)の確率でノーマル図柄が、225/1000(約1/4.44)の確率でチャンス図柄が、125/1000(1/8)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP1−Bが決定された場合には、625/1000(1/1.6)の確率でノーマル図柄が、250/1000(1/4)の確率でチャンス図柄が、125/1000(1/8)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP1−Cが決定された場合には、600/1000(約1/1.67)の確率でノーマル図柄が、275/1000(約1/3.64)の確率でチャンス図柄が、125/1000(1/8)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP2−Aが決定された場合には、500/1000(1/2)の確率でノーマル図柄が、300/1000(約1/3.33)の確率でチャンス図柄が、200/1000(1/5)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP2−Bが決定された場合には、475/1000(約1/2.11)の確率でノーマル図柄が、325/1000(約1/3.08)の確率でチャンス図柄が、200/1000(1/5)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP2−Cが決定された場合には、450/1000(約1/2.22)の確率でノーマル図柄が、350/1000(約1/2.86)の確率でチャンス図柄が、200/1000(1/5)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP3−Aが決定された場合には、350/1000(約1/2.86)の確率でノーマル図柄が、350/1000(約1/2.86)の確率でチャンス図柄が、300/1000(約1/3.33)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP3−Bが決定された場合には、325/1000(約1/3.08)の確率でノーマル図柄が、375/1000(約1/2.67)の確率でチャンス図柄が、300/1000(約1/3.33)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
特図変動パターンASP3−Bが決定された場合には、300/1000(約1/3.33)の確率でノーマル図柄が、400/1000(1/2.5)の確率でチャンス図柄が、300/1000(約1/3.33)の確率でスーパーチャンス図柄が、決定される。
【0180】
このように、本実施形態では、図柄表示種別抽選において、特図当否判定の結果が大当りとなる場合に決定される特図変動パターン(特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP3−C)が決定された場合には、特図当否判定の結果がハズレとなる場合に決定される特図変動パターン(特図変動パターンHRP〜特図変動パターンHSP3−C)よりも、図柄表示種別として、ノーマル図柄が決定され難く、チャンス図柄およびスーパーチャンス図柄が決定され易い傾向となっている。
また、図柄表示種別抽選において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合には、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合よりも、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合には、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合よりも、図柄表示種別として、ノーマル図柄が決定され難く、チャンス図柄およびスーパーチャンス図柄が決定され易い傾向となっている。
さらに、図柄表示種別において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合には、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合よりも、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合には、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターンが決定される場合よりも、図柄表示種別として、ノーマル図柄が決定され難く、チャンス図柄およびスーパーチャンス図柄が決定され易い傾向となっている。
したがって、チャンス図柄およびスーパーチャンス図柄は、ノーマル図柄よりも有利度(大当り当選期待度)が高い図柄表示種別と言える。
【0181】
また、対応する(疑似変動回数が一致し、かつ実行される発展演出の種類が一致する)特図変動パターンのうちの特図当否判定の結果が大当りとなる特図変動パターンが決定された場合における、チャンス図柄またはスーパーチャンス図柄が決定される際にスーパーチャンス図柄が占める割合は、当該対応する特図変動パターンのうちの特図当否判定の結果がハズレとなる特図変動パターンが決定された場合における同割合よりも大きくなる(例えば、疑似変動の回数が3回であり、かつ発展演出Cが実行される特図変動パターンを例に挙げると、大当りとなる場合には300/700(約1/2.33)となり、ハズレとなる場合における100/350(1/3.5)よりも大きい)。
そのため、スーパーチャンス図柄は、チャンス図柄よりも有利度が高い図柄表示種別であると言える。
【0182】
続けて、立体視実行抽選の詳細を説明する。
図22(a)および
図22(b)に示す通り、立体視実行抽選では、特図当否判定の結果に加え、図柄表示種別抽選によって決定された図柄表示種別が参照される。なお、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜999である。
具体的には、
図22(a)に示す通り、特図当否判定の結果が大当りとなった場合において、図柄表示種別としてノーマル図柄が決定された場合には、50/1000(1/20)の確率で立体視実行抽選に当選し、950/1000(約1/1.05)の確率で当該抽選に非当選となる。
特図当否判定の結果が大当りとなった場合において、図柄表示種別としてチャンス図柄が決定された場合には、300/1000(約1/3.33)の確率で立体視実行抽選に当選し、700/1000(約1/1.43)の確率で当該抽選に非当選となる。
特図当否判定の結果が大当りとなった場合において、図柄表示種別としてスーパーチャンス図柄が決定された場合には、500/1000(1/2)の確率で立体視実行抽選に当選し、500/1000(1/2)の確率で当該抽選に非当選となる。
【0183】
また、
図22(b)に示す通り、特図当否判定の結果がハズレとなった場合において、図柄表示種別としてノーマル図柄が決定された場合には、立体実行抽選に当選しない。
特図当否判定の結果がハズレとなった場合において、図柄表示種別としてチャンス図柄が決定された場合には、150/1000(約1/6.67)の確率で立体視実行抽選に当選し、850/1000(約1/1.18)の確率で当該抽選に非当選となる。
特図当否判定の結果がハズレとなった場合において、図柄表示種別としてスーパーチャンス図柄が決定された場合には、250/1000(1/4)の確率で立体視実行抽選に当選し、750/1000(約1/1.33)の確率で当該抽選に非当選となる。
【0184】
このように、本実施形態では、ノーマル図柄が決定された場合、チャンス図柄が決定された場合、スーパーチャンス図柄が決定された場合のそれぞれにおいて、特図当否判定の結果が大当りとなった場合に、特図当否判定の結果がハズレとなった場合よりも、立体視実行抽選に当選する確率(リーチ図柄が立体視となる割合)が高くなる。
これにより、遊技の興趣を高めることができる。
【0185】
また、本実施形態では、ノーマル図柄が決定された場合、チャンス図柄が決定された場合、スーパーチャンス図柄が決定された場合の順に、立体視実行抽選に当選する確率が高くなる。これによっても、遊技の興趣を高めることができる。
【0186】
<立体視モードについて>
次に、
図23〜
図26を用いて、立体視モードの詳細を説明する。
なお、
図23(a)は、立体視モード別の立体視の発生頻度の高低を示した図であり、
図23(b)は、立体視モードに関する表示内容を示す図である。
また、
図24は、モードカウンタ更新処理のフローを、
図25は、立体視モード設定処理のフローを、示す図であり、これらの処理は、演出モード制御手段221によって実行される。
さらに、
図26(a)および
図26(b)は、モード選択規制期間を示す図である。
【0187】
図23(a)に示す通り、立体視モードには、立体視ON、立体視一部ON、および立体視OFFがあり、これらの立体視モードでは、立体視の発生頻度が異なる。具体的には、立体視ON、立体視一部ON、立体視OFFの順に、立体視の発生頻度が高く、立体視OFFでは、立体視が発生しなくなる。
【0188】
図23(b)に示す通り、立体視モードに関する内容は、左サブ表示部82bに表示される。当該表示内容としては、現在設定されている立体視モード、選択可能な立体視モード、現在選択されている立体視モードを、特定可能とするものがあり、立体視モードの更新に係る処理の詳細は後述するが、立体視モードを選択可能な状態(以下、「モード選択状態」と称する)へは、カーソルボタン38の操作によって移行し、その後の新たな(特図の)図柄変動の開始で、直前に選択されていた立体視モードが設定される。
具体的には、
図23(b)の左側に示す通り、現在設定されている立体視モードを特定可能とする画像(この例では、立体視ONに対応する立体視ON対応画像mag)が、左サブ表示部82bの設定立体視モード表示領域821に表示される。この状態でカーソルボタン38が操作されると、
図23(b)の右側に示す状態となる。
図23(b)の右側に示す状態では、立体視ON対応画像mag、立体視一部ONに対応する立体視一部ON対応画像mbg、立体視OFFに対応する立体視OFF対応画像mcgが、左サブ表示部82bの選択立体視モード表示領域822表示され、現在選択されている立体視モードを特定可能とする画像(この例では、立体視ON対応画像mag)を囲うように選択されていることを特定可能とする選択特定画像ksgが表示されている。なお、
図23(b)の右側に示す状態で新たな図柄変動が開始された場合には、
図23(b)の左側における設定立体視モード表示領域821に立体視ON対応画像magが表示された状態となる。
このように、本実施形態では、現在設定されている立体視モードを特定可能とする画像を表示することで、当該立体視モードを遊技者が認識できるようにしている。さらに、本実施形態では、選択可能な立体視モードを特定可能とする画像(本実施形態では、立体視ON対応画像mag〜立体視OFF対応画像mcgであるが、現在選択されている立体視モード(この例では、立体視ON対応画像mag)だけを表示するようにしてもよい)、および選択されている立体視モードを特定可能とする画像(選択特定画像ksg)を表示することで、遊技者に任意の立体視モードを選択させることができる。
【0189】
続けて、モードカウンタを更新するモードカウンタ更新処理、および立体視モードを設定する立体視モード設定処理の詳細を説明する。なお、モードカウンタ更新処理は、カーソルボタン38(38a、38b、38c、または38d)が操作された場合に実行され、立体視モード設定処理は、モード選択状態において変動開始コマンドを受信した場合に、実行される。
【0190】
図24に示すモードカウンタ更新処理の最初のステップS202では、モード選択規制期間であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS204に進み、当該条件が充足された場合にはモードカウンタ更新処理を終了する。よって、モード選択規制期間では、後述するモード選択状態が設定されず、立体視モードの更新が不可能となる。
ステップS204では、モード選択状態であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS206に進み、当該条件が充足された場合にはステップS208に進む。
ステップS206では、モード選択状態を設定(開始)する。なお、上述の通り、当該状態では、左サブ表示部82bの選択立体視モード表示領域822に、選択可能な立体視モードを特定可能とする画像(立体視ON対応画像mag〜立体視OFF対応画像mcg)、および現在選択されている立体視モードを特定可能とする画像(選択特定画像ksg)が表示される。
ステップS208では、モードカウンタが1加算される。ここで、モードカウンタとは、選択されている立体視モードを特定するためのカウンタであり、当該カウンタの値1、2、3の順に、立体視ON、立体視一部ON、立体視OFFが対応する。
ステップS210では、モードカウンタ=4であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS212に進み、当該条件が充足されなかった場合にはモードカウンタ更新処理を終了する。
ステップS212では、モードカウンタ=1とし、モードカウンタ更新処理を終了する。これにより、選択されている立体視モードが一周した場合に、最初に選択されていた立体視モードが選択されている状態となる。
【0191】
図25に示す立体視モード設定処理の最初のステップS302では、モードカウンタ=1であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS304に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS306に進む。
ステップS304では、モードカウンタ=1となっているため、立体視モードに、立体視ONを設定する。
ステップS306では、モードカウンタ=2であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS308に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS310に進む。
ステップS308では、モードカウンタ=2となっているため、立体視モードに、立体視一部ONを設定する。
【0192】
ステップS310では、モードカウンタ=3となっているため、立体視モードに、立体視OFFを設定する。
【0193】
ステップS312では、立体視モード選択状態(の設定)を終了し、立体視モード設定処理を終了する。
【0194】
このように、本実施形態では、モード選択規制期間以外において、新たにカーソルボタン38が操作されると、モードカウンタ更新処理が実行され、モード選択状態が設定されるとともに、モードカウンタが1加算される。そして、カーソルボタン38が操作されるごとに、モードカウンタ更新処理が実行され、モードカウンタが1加算される。その後、新たに図柄変動が開始される(変動開始コマンドを受信する)と、立体視モード設定処理が実行され、現在のモードカウンタの値に対応する立体視モードが設定される。
すなわち、本実施形態では、モード選択規制期間を除いて、図柄変動中、または図柄変動が実行されていない期間ごとに、設定される立体視モードを遊技者に対して任意に選択させることができる。
なお、本実施形態では、モードカウンタが更新されても即座に立体視モードが更新されないが、モードカウンタの更新と同時に立体視モードを更新するようにしてもよい。
【0195】
よって、遊技機10は、遊技者が操作可能な所定の操作手段(カーソルボタン38)と、立体画像が表示される頻度が異なる表示状態を設定する表示状態設定手段(演出モード制御手段221)と、を備え、表示状態設定手段は、立体画像が表示され得る第一の表示状態(立体視ON)と、第一の表示状態よりも立体画像が表示される頻度が低い表示状態、または立体画像が表示されない表示状態である、第二の表示状態(立体視一部ONまたは立体視OFF)と、を設定可能であり、所定の操作手段の操作に基づいて、第一の表示状態または第二の表示状態が設定されている状態から、他方の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であると換言できる。
【0196】
さらに、遊技機10において、第二の表示状態には、立体画像が表示され得る表示状態であって第一の表示状態よりも立体画像が表示される頻度が低い第三の表示状態(立体視一部ON)と、立体画像が表示されない第四の表示状態(立体視OFF)と、があり、表示状態設定手段は、所定の操作手段(カーソルボタン38)の操作に基づいて、第一の表示状態、第三の表示状態、または第四の表示状態が設定されている状態から、別の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であると換言できる。
【0197】
なお、本実施形態では、RAMクリア処理が実行されたか否かに関わらず、復電によって遊技可能状態が設定された場合(遊技可能状態移行コマンドを受信した場合)には、演出モード制御手段221は、立体視モードを初期化(立体視ONを設定)する。
【0198】
さらに続けて、
図26(a)および
図26(b)を用いて、モード選択規制期間の詳細について説明する。
図26(a)に示す通り、本実施形態では、立体視モードの更新が不可能となるモード選択規制期間は、図柄変動中に電断復電した場合に設定される。具体的には、復電して遊技可能状態が設定されてから、電断時に実行されていた図柄変動が終了するまでモード選択規制期間が設定される。なお、
図26(a)においてハッチングが施されている期間は、
図26(b)も含め、モード選択規制期間が設定されていない期間を指す。
これにより、電源投入時の画像表示に係る処理負担を軽減することができる。
【0199】
なお、当該効果を奏するにあたり、本実施形態では、モード選択規制期間においても、カーソルボタン38に対する操作の有無を判定し、モードカウンタ更新処理自体(モードカウンタ更新処理の一部)は実行されるが、モード選択規制期間においてカーソルボタン38に対する操作の有無自体を判定しないようにしてもよいし、カーソルボタン38に係るセンサの状態を見にいかないようにしてもよい。すなわち、モード選択規制期間では、立体視モードの更新に係る処理(モードカウンタ処理および立体視モード設定処理)の一部または全部が実行不可能となっていればよい。
【0200】
よって、遊技機10において、表示状態設定手段(演出モード制御手段221)は、図柄変動の実行中に電断し、中断されていた図柄変動がその後の復電によって再開されたときには、再開された該図柄変動において、所定の操作手段(カーソルボタン38)の操作に基づく表示状態切換制御(モードカウンタ処理および立体視モード設定処理)の一部または全部を実行不可能であると換言できる。
【0201】
一方、
図26(b)に示す通り、本実施形態では、図柄変動が実行されていない状態で電断復電した場合には、モード選択規制期間が設定されず、復電して遊技可能状態が設定されれば、立体視モードの更新が可能となる。
【0202】
<リーチ図柄の立体視の実行有無について>
以上説明した通り、本実施形態では、リーチ態様決定処理、モードカウンタ更新処理、および立体視モード設定処理によって、リーチ図柄が立体視となるか、リーチ図柄が立体視とならずに平面視が維持されるか、が決定される。
以下、
図27〜
図29を用いて、立体視モードおよび図柄表示種別の組合せごとのリーチ図柄の態様の変化をまとめる。
図27(a)〜
図27(c)は、立体視モードが立体視ONである場合のリーチ図柄の態様を、
図28(a)〜
図28(c)は、立体視モードが立体視一部ONである場合のリーチ図柄の態様を、
図29(a)〜
図29(c)は、立体視モードが立体視OFFである場合のリーチ図柄の態様を、示す図である。なお、これらの図では、立体視実行抽選に当選したことを前提としている。
【0203】
図27(a)は、立体視モードが立体視ONであり、かつリーチ図柄がノーマル図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合には、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する。
図27(b)は、立体視モードが立体視ONであり、かつリーチ図柄がチャンス図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合にも、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する。
図27(c)は、立体視モードが立体視ONであり、かつリーチ図柄がスーパーチャンス図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合にも、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する。
【0204】
このように、本実施形態では、立体視モードが立体視ONである場合には、立体視実行抽選に当選しさえすれば、リーチ図柄の図柄表示種別に関わらず、リーチ図柄が、平面視から立体視に変化する。
【0205】
図28(a)は、立体視モードが立体視一部ONであり、かつリーチ図柄がノーマル図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合には、リーチ図柄が立体視とならずに平面視が維持される。
図28(b)は、立体視モードが立体視一部ONであり、かつリーチ図柄がチャンス図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合には、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する。
図28(c)は、立体視モードが立体視一部ONであり、かつリーチ図柄がスーパーチャンス図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合にも、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する。
【0206】
このように、本実施形態では、立体視モードが立体視一部ONである場合には、立体視実行抽選に当選しても、リーチ図柄がノーマル図柄の場合には、当該リーチ図柄が、立体視とならずに平面視が維持される。一方、リーチ図柄がチャンス図柄またはスーパーチャンス図柄である場合には、立体視実行抽選に当選しさえすれば、当該リーチ図柄が、平面視から立体視に変化する。
【0207】
図29(a)は、立体視モードが立体視OFFであり、かつリーチ図柄がノーマル図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合には、リーチ図柄が立体視とならずに平面視が維持される。
図29(b)は、立体視モードが立体視OFFであり、かつリーチ図柄がチャンス図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合にも、リーチ図柄が立体視とならずに平面視が維持される。
図29(c)は、立体視モードが立体視OFFであり、かつリーチ図柄がスーパーチャンス図柄である場合のリーチ図柄の態様の変化が示されており、この場合にも、リーチ図柄が立体視とならずに平面視が維持される。
【0208】
このように、本実施形態では、立体視モードが立体視OFFである場合には、立体視実行抽選に当選しても、リーチ図柄の図柄表示種別に関わらず、リーチ図柄が、平面視とならずに平面視が維持される。
【0209】
以上説明した通り、本実施形態では、立体視モードが立体視ONである場合には、リーチ図柄の図柄表示種別に関わらず、リーチ図柄が、平面視から立体視に変化する(立体視となる)。
また、立体視モードが立体視OFFの場合には、リーチ図柄の図柄表示種別に関わらず、リーチ図柄が、立体視とならずに平面視が維持されることとなる(立体視とならずに平面視となる)。
さらに、立体視モードが立体視一部ONである場合において、リーチ図柄の図柄表示種別がノーマル図柄である場合には、リーチ図柄が立体視とならずに平面視が維持される一方、リーチ図柄の図柄種別がノーマル図柄以外である場合(チャンス図柄またはスーパーチャンス図柄である場合)には、リーチ図柄が平面視から立体視に変化する。
そして、上述の通り、立体視モードは、カーソルボタン38の操作によって切り替え可能に構成されている。そのため、遊技者の嗜好に合わせてリーチ図柄が立体視となる頻度を設定することができる。
【0210】
よって、遊技機10において、表示制御手段(第2副制御基板300)は、第一の表示状態(立体視ON)が設定されているときには、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させる一方、第二の表示状態(立体視一部ONまたは立体視OFF)が設定されているときには、第一の演出画像を立体画像として表示させずに平面画像として表示させると換言できる。
【0211】
特に、本実施形態では、リーチ図柄の図柄表示種別がチャンス図柄である場合において、立体視モードが立体視一部ONである場合には、リーチ図柄が立体視となる一方、リーチ図柄の図柄表示種別がチャンス図柄である場合において、立体視モードが立体視OFFである場合には、リーチ図柄が立体視とならずに平面視となる。
そして、上述の通り、チャンス図柄は、ノーマル図柄よりも有利度が高い図柄表示種別である。そのため、遊技者の嗜好に合わせてリーチ図柄が立体視となる頻度をきめ細かく設定可能にしつつも、有利度が高いリーチ図柄を認識させ易くすることができる。
【0212】
よって、遊技機10において、表示制御手段(第2副制御基板300)は、第二の演出画像(チャンス図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させるときと、第二の演出画像を立体画像として表示させずに平面画像として表示させるときと、があり、第一の表示状態(立体視ON)が設定されているとき、および第三の表示状態(立体視一部ON)が設定されているときに、第二の演出画像を立体画像として表示させ、第四の表示状態(立体視OFF)が設定されているときに、第二の演出画像を立体画像として表示させずに平面画像として表示させ、第二の演出画像は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)よりも有利度が高い、と換言できる。
【0213】
<リーチ図柄に係る画像データの描画、および当該画像データに要する描画データについて>
次に、
図30〜
図33を用いて、リーチ図柄に係る画像データの描画、および当該画像データに要する描画データを説明する。
なお、
図30は、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合の画像データの描画を示す図であり、
図31は、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示する場合の画像データの描画を示す図である。さらに、
図32は、スーパーチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合の画像データの描画を示す図であり、
図33は、スーパーチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示する場合の画像データの描画を示す図である。
【0214】
図30に示す通り、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合には、SDRAM340のCG用バッファに展開された左目用描画データを、画像描画領域の左目用の画面領域に対応する領域に描画し、同じくSDRAM340のCG用バッファに展開された右目用描画データを、画像描画領域の右目用画面領域に対応する領域に描画し、当該画像描画領域が画像表示領域に切り替わることで、当該画像描画領域に描画されたリーチ図柄に係る画像がメイン表示部81の画面領域に表示されることとなる。ここで、左目用描画データとは、立体視を実現するために左目に視認させる必要がある描画データであり、右目用描画データとは、立体視を実現するために右目に視認させる必要がある描画データである。
具体的には、
図30に示す矢印の通り、画像描画領域の1段目では、隣接する2ピクセル分の左目用描画データのすべてを、画像描画領域の4ピクセル分の左目用描画データに対応する領域にサブピクセル単位で描画するとともに、隣接する2ピクセル分の右目用描画データのすべてを、当該画像描画領域の4ピクセル分の右目用描画データに対応する領域にサブピクセル単位で描画する描画処理を実行し、当該描画処理を、1段目に対して順次実行し、2段目以降も同様の描画を実行する。
【0215】
このように、本実施形態において、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる左目用描画データは、右目用画面領域に対応する描画データが除かれ、かつ当該リーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる右目用描画データは、左目用画面領域に対応する描画データが除かれている。すなわち、当該リーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる左目用描画データおよび右目用描画データのそれぞれは、最終的に画像描画領域に描画される画像データのデータ容量の半分のデータ容量で構成される。
そのため、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いるCGデータのデータ容量を、画像を平面画像として表示する場合に用いるCGデータのデータ容量と同等にすることができる。
これにより、開発の初期段階でノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示することを予定していた場合に、開発の中途段階で、CGROMの空き容量を考慮せずに、当該画像を立体画像として表示させるようにすることができる。
なお、CG用バッファに展開された描画データのデータ容量は、展開される前のCGROM330に記憶されたCGデータのデータ容量と比例関係にあり、当該効果を奏するにあたっては、CGOM330からCG用バッファに展開する方法は特に限定されない。
【0216】
よって、遊技機10において、画像データ記憶手段(CGROM330)は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させるための画像データとして、第一の画像データ(右目用描画データに係るCGデータ)と、第一の画像データとは別の画像データである第二の画像データ(左目用描画データに係るCGデータ)と、をあらかじめ記憶しており、第一の画像データは、右目で見た時の第一の演出画像を表現するための画像データであって、右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に対応する画像データを有する一方、左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に対応する画像データが除かれており、第二の画像データは、左目で見た時の第一の演出画像を表現するための画像データであって、左目用表示領域に対応する画像データを有する一方、右目用表示領域に対応する画像データが除かれていると換言できる。
ここで、別の画像データとは、一のアドレス指定で読み込まれる一群のデータではなく、それぞれが別のアドレス指定で読み込まれるデータ等、上記画像データ記憶手段によって異なるデータとして記憶されていることを指す。
【0217】
続いて、
図31に示す通り、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示する場合には、SDRAM340のCG用バッファに展開された左目用描画データを、画像描画領域の左目用の画面領域に対応する領域、および画像描画領域の右目用画面領域に対応する領域の双方に描画し、当該画像描画領域が画像表示領域に切り替わることで、当該画像描画領域に描画されたリーチ図柄に係る画像がメイン表示部81の画面領域に表示されることとなる。
具体的には、
図31に示す矢印の通り、画像描画領域の1段目では、隣接する2ピクセル分の左目用描画データのすべてを、画像描画領域の4ピクセル分のすべての領域にサブピクセル単位で描画する描画処理を実行し、当該描画処理を、1段目に対して順次実行し、2段目以降も同様の描画を実行する。そのため、左目用描画データは、サブピクセル単位で2回描画されることとなる。
【0218】
これにより、上述した開発の中途段階でのメリットを享受しつつも、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示させることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、本実施形態とは異なり、SDRAM340のCG用バッファに展開された右目用描画データを、画像描画領域の左目用の画面領域に対応する領域、および画像描画領域の右目用画面領域に対応する領域の双方に描画するようにしてもよい。
【0219】
よって、遊技機10において、表示制御手段(第2副制御基板300)は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させるときと、第一の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させるときと、があり、第一の演出画像を立体画像として表示させるときには、第一の画像データに係る画像を、右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に表示させ、かつ第二の画像データに係る画像を、左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に表示させる一方、第一の演出画像を平面画像として表示させるときには、第一の画像データおよび第二の画像データのいずれか一方を用いて、右目用表示領域および左目用表示領域の双方に画像を表示させると換言できる。
【0220】
続いて、
図32に示す通り、スーパーチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合には、SDRAM340のCG用バッファに展開された左目用描画データを、画像描画領域の左目用の画面領域に対応する領域に描画し、同じくSDRAM340のCG用バッファに展開された右目用描画データを、画像描画領域の右目用画面領域に対応する領域に描画し、当該画像描画領域が画像表示領域に切り替わることで、当該画像描画領域に描画されたリーチ図柄に係る画像がメイン表示部81の画面領域に表示されることとなる。
具体的には、
図32に示す矢印の通り、画像描画領域の1段目では、隣接する4ピクセル分の左目用描画データの一部を、画像描画領域の4ピクセル分の左目用描画データに対応する領域にサブピクセル単位で描画するとともに、隣接する4ピクセル分の右目用描画データ一部を、当該画像描画領域の4ピクセル分の右目用描画データに対応する領域にサブピクセル単位で描画する描画処理を実行し、当該描画処理を、1段目に対して順次実行し、2段目以降も同様の描画を実行する。
【0221】
このように、本実施形態において、スーパーチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる左目用描画データは、右目用画面領域に対応する描画データが除かれ、かつ当該リーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる右目用描画データは、左目用画面領域に対応する描画データが除かれている。すなわち、当該リーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる左目用描画データおよび右目用描画データのそれぞれは、最終的に画像描画領域に描画される画像データのデータ容量と同等のデータ容量で構成される。
【0222】
続いて、
図33に示す通り、スーパーチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示する場合には、SDRAM340のCG用バッファに展開された左目用描画データを、画像描画領域の左目用の画面領域に対応する領域、および画像描画領域の右目用画面領域に対応する領域の双方に描画し、当該画像描画領域が画像表示領域に切り替わることで、当該画像描画領域に描画されたリーチ図柄に係る画像がメイン表示部81の画面領域に表示されることとなる。
具体的には、
図33に示す矢印の通り、画像描画領域の1段目では、隣接する4ピクセル分の左目用描画データのすべてを、画像描画領域の4ピクセル分のすべての領域にサブピクセル単位で描画する描画処理を実行し、当該描画処理を、1段目に対して順次実行し、2段目以降も同様の描画を実行する。なお、当該描画処理では、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示する場合とは異なり、左目用描画データは、サブピクセル単位で1回描画される。
【0223】
これにより、上述した開発の中途段階でのメリットを享受できないが、スーパーチャンス図柄に係るリーチ図柄を平面画像として表示する場合に、当該画像をより鮮明にすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、本実施形態とは異なり、SDRAM340のCG用バッファに展開されたスーパーチャンス図柄に係る右目用描画データを、画像描画領域の左目用の画面領域に対応する領域、および画像描画領域の右目用画面領域に対応する領域の双方に描画するようにしてもよい。
【0224】
よって、遊技機10において、表示制御手段(第2副制御基板300)は、第三の演出画像(スーパーチャンス図画に係るリーチ図柄)を立体画像として表示させることが可能であり、画像データ記憶手段(CGROM330)は、第三の演出画像を立体画像として表示させるための画像データとして、第三の画像データ(右目用描画データに係るCGデータ)と、第三の画像データとは別の画像データである第四の画像データ(左目用描画データに係るCGデータ)と、をあらかじめ記憶しており、第三の画像データは、右目で見た時の第三の演出画像を表現するための画像データであって、右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に対応する画像データを有し、かつ左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に対応する画像データを有しており、第四の画像データは、左目で見た時の第一の演出画像を表現するための画像データであって、左目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ右目用表示領域に対応する画像データを有しており、表示制御手段は、第三の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させることが可能であり、第三の演出画像を立体画像として表示させるときには、第三の画像データのうちの右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、右目用表示領域に表示させ、かつ第四の画像データのうちの左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、左目用表示領域に表示させる一方、第三の演出画像を平面画像として表示させるときには、第三の画像データおよび第四の画像データのいずれか一方の画像データのうちの右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、右目用表示領域に表示させ、かつ右目用表示領域への画像の表示に用いる当該画像データのうちの左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、左目用表示領域に表示させると換言できる。
【0225】
特に、本実施形態では、上述の通り、スーパーチャンス図柄は、ノーマル図柄やチャンス図柄よりも有利度が高い図柄表示種別である。そのため、有利度が高い図柄表示種別に係るリーチ図柄を鮮明に表示し、遊技の興趣を高めることができる。
【0226】
<イレギュラー発生時のリーチ図柄の態様について>
次に、
図34(a)〜34(c)を用いて、リーチ図柄を立体画像として表示している場合に、エラー報知演出が実行された場合や、電断復電が発生した場合等のイレギュラーが発生した場合の、当該リーチ図柄の態様について説明する。
なお、
図34(a)〜
図34(c)は、リーチ図柄を立体画像として表示している場合を示す図であり、
図34(a)は、エラー報知2が発生した場合を、
図34(b)は、エラー報知1が発生した場合を、
図34(c)は、電断復電が発生した場合を、示している。
【0227】
図34(a)〜
図34(c)の左側は、
図19(d)と同じ状態であり、メイン表示部81の画面領域では、リーチ図柄が立体画像として表示されるとともに、草原画像sgおよび太陽画像tgが平面画像として表示されている。なお、当該状態は、図柄変動の実行中となる。
この時、上述のエラー報知2が発生した場合には、
図34(a)の右側に示す通り、メイン表示部81の画面領域では、エラー報知2に係る画像が平面画像として新たに表示されるが、リーチ図柄は立体画像として表示されるとともに、草原画像sgおよび太陽画像tgも平面画像として表示されている。
【0228】
一方、
図34(a)に示す状態と同じ状態である、
図34(b)の左側に示す状態において、上述のエラー報知1が発生した場合には、
図34(b)の右側に示す通り、メイン表示部81の画面領域では、エラー報知1に係る画像が平面画像として新たに表示される。この時、リーチ図柄は立体視から平面視に変化、すなわち、立体視のリーチ図柄の表示が中止されている。なお、草原画像sgおよび太陽画像tgは平面視のまま維持されている。
【0229】
また、
図34(a)に示す状態と同じ状態である、
図34(c)の左側に示す状態において、電断復電が発生した場合には、
図34(c)の右側に示す通り、メイン表示部81の画面領域では、リーチ図柄は立体視から平面視に変化、すなわち、立体視のリーチ図柄の表示が中止されるとともに、草原画像sgおよび太陽画像tgの表示が中止されている。なお、この時、メイン表示部81の画面領域には、「復帰中」との文字が平面画像として表示される。
【0230】
このように、本実施形態では、図柄変動中のリーチ図柄が立体画像として表示されている期間に電断復電した場合には、立体視の当該リーチ図柄の表示が中止される。そのため、電源投入時の画像表示に係る処理負担を軽減することができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、リーチ図柄を平面画像としても表示させないようにしてもよい。
【0231】
さらに、上述の通り、本実施形態では、図柄変動中のリーチ図柄が立体画像として表示されている期間に電断復電した場合には、当該期間において表示されていた平面画像の表示が中止され、代わりに、当該平面画像とは異なる平面画像(「復帰中」との文字)が表示される。
これにより、電断前に表示され、復電時に表示が中止された平面画像が表示されなくなったことを認識させ易くし、電断復電が発生したことを遊技者に認識させ易くすることができる。
【0232】
また、上述の通り、図柄変動の実行中にRAMクリア処理を伴わない電断復電が発生した場合には、実行中の図柄変動が再開される。そのため、当該図柄変動における特図当否判定の結果は維持され、当該図柄変動の有利度は変化しない。
これにより、立体視のリーチ図柄の表示が中止された場合であっても、遊技者に残念感を与えないようにすることができる。
なお、当該効果を奏するにあたっては、立体視のリーチ図柄の表示が中止される条件は、電断復電に限らない、例えば、上述のモードカウンタの更新と同時に立体視モードを更新する変形例に係るカーソルボタン38の操作等、RAMクリア処理を伴わない条件であれば、いずれの条件であってもよい。
【0233】
また、本実施形態では、図柄変動の実行中に電断復電した場合には、電断復電時に表示されていた立体画像の表示が中止されるだけでなく、再開した当該図柄変動における立体画像の新たな表示も規制される。ただし、再開した当該図柄変動の次に開始される図柄変動からは立体画像が表示され得る。
【0234】
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
【0235】
まず、本実施形態では、ノーマル図柄またはチャンス図柄に係るリーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる左目用描画データに係るCGデータと、当該リーチ図柄を立体画像として表示する場合に用いる右目用描画データに係るCGデータと、を別のデータとしてCGROM330に記憶させていた。しかし、これらのCGデータを一のデータとしてCGROM330に記憶させるようにしてもよく、このようにしても、上述した開発の中途段階でのメリットを享受することができる。
【0236】
よって、遊技機10において、画像データ記憶手段(CGROM330)は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させるための画像データとして、所定の画像データを記憶し、所定の画像データは、右目で見た時の第一の演出画像を表現するための画像データであって、右目用表示領域に対応する画像データと、左目で見た時の第一の演出画像を表現するための画像データであって、左目用表示領域に対応する画像データと、を有すると換言できる。
【0237】
さらに、遊技機10において、表示制御手段(第2副制御基板300)は、第一の演出画像(ノーマル図柄で構成されるリーチ図柄)を立体画像として表示させるときと、第一の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させるときと、があり、第一の演出画像を立体画像として表示させるときには、所定の画像データのうちの右目用表示領域(右目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に対応する画像データに係る画像を、右目用表示領域に表示させ、かつ所定の画像データのうちの左目用表示領域(左目に入射する光を出力するサブピクセルの鉛直方向の列)に対応する画像データに係る画像を、左目用表示領域に表示させる一方、第一の演出画像を平面画像として表示させるときには、所定の画像データのうちの右目用表示領域に対応する画像データ、および所定の画像データのうちの左目用表示領域に対応する画像データのいずれか一方を用いて、右目用表示領域および左目用表示領域の双方に画像を表示させると換言できる。
【0238】
また、本実施形態では、レンチキュラーレンズを用いて裸眼立体視を実現しているが、裸眼立体視を実現する方式としては、この方式に限らない。
例えば、
図35に示す通り、鉛直方向(上下方向)のスリットが設けられた視差バリアSBを用いて、右目用画面領域(
図35に示す、1R、2R、3R、・・・)から出射された光が右目に入射し、左目用画面領域(
図35に示す、1L、2L、3L、・・・)から出射された光が左目に入射するようにする方式等、右目で視認される画像と左目で視認される画像とに視差を発生させる方式であれば、いずれの方式を採用してもよい。
【0239】
さらに、本実施形態では、2視差となる裸眼立体視を採用したが、2視差に限らず、視差数は任意に設定してよい。
また、本実施形態では、右目用画面領域と当該右目用画面領域に対応する左目用画面領域との並ぶ方向を鉛直方向としたが、レンチキュラーレンズにおける凸レンズの並ぶ方向と合わせて当該方向を斜め方向としてもよい。
【0240】
また、本実施形態において、右目で視認される画像と左目で視認される画像とに視差を発生させるにあたり、当該画像において視差が発生しない部分、すなわち、右目用画面領域に対応する画像データの一部と、左目用画面領域に対応する画像データであって当該右目用画面領域に対応する画像データの一部に対応する画像データとが、同一のデータとなる場合があってもよい。
【0241】
よって、遊技機10において、前記第一の画像データの一部の第一の単位画像データと、前記第二の画像データの当該第一の単位画像データに対応する第二の単位画像データとが、同一の単位画像データとなると換言できる。
【0242】
また、上述の本実施形態では、リーチ画像を、立体画像または平面画像として表示するが、立体画像として表示する画像の種類は問わない。ただし、図柄変動中に表示される画像であることが好ましく、大当り等の特典に係る有利度を示唆する画像であることがより好ましい。
なお、本実施形態において、リーチ画像は、立体画像として表示される前に平面画像として表示されるが、当該平面画像としての表示がなくてもよい。
【0243】
また、本実施形態およびその変形例における確率、割合、頻度の高低は、各関係性が担保されていれば、低い方が当選しないようにしてもよいし、高い方が必ず当選するようにしてもよい。いずれの場合も抽選自体を行わないようにしてもよい。
さらに、本実施形態において図示した抽選テーブルにおける各抽選値は一例であって、抽選テーブル同士の大小関係が維持されていれば、各抽選値は当該範囲において任意の値を採用してもよい。
【0244】
また、上述の説明では、復電時のRAMクリアスイッチ43の態様を参照して復電時の復帰状態を決定しているが、復電時からのRAMクリアスイッチ43の連続操作時間が規定時間(例えば、3s)を超えるか否かを参照するようにしてもよい。このようにすれば、誤ったRAMクリア処理の発生をより抑えることができる。
【0245】
また、上述の説明では、復電時の復帰状態を決定するにあたり、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)を参照していたが、当該状態を参照せずに復帰状態を設定するようにしてもよい。この場合には、一律に、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)の場合に従って復電時の復帰状態を設定すればよい。
【0246】
また、主制御基板モニタ97に表示する遊技機の性能に関する表示としては、上述のベース値に限らず、いわゆる「役物比率」や「役物連続比率」等の遊技機の性能(設計値)を評価するための指標であれば、いずれの指標を採用してもよい。
【0247】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0248】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0249】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第一の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、第一の画像データと、前記第一の画像データとは別の画像データである第二の画像データと、をあらかじめ記憶しており、
前記第一の画像データは、右目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データを有する一方、前記左目用表示領域に対応する画像データが除かれており、
前記第二の画像データは、左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データを有する一方、前記右目用表示領域に対応する画像データが除かれていることを特徴とする遊技機。
(2)
上記(1)に記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第一の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記第一の画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記第二の画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第一の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記第一の画像データおよび前記第二の画像データのいずれか一方を用いて、前記右目用表示領域および前記左目用表示領域の双方に画像を表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
(3)
上記(2)に記載の遊技機であって、
遊技者が操作可能な所定の操作手段と、
前記立体画像が表示される頻度が異なる表示状態を設定する表示状態設定手段と、を備え、
前記表示状態設定手段は、
前記立体画像が表示され得る第一の表示状態と、前記第一の表示状態よりも前記立体画像が表示される頻度が低い表示状態、または前記立体画像が表示されない表示状態である、第二の表示状態と、を設定可能であり、
前記所定の操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示状態または前記第二の表示状態が設定されている状態から、他方の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であり、
前記表示制御手段は、
前記第一の表示状態が設定されているときには、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させる一方、
前記第二の表示状態が設定されているときには、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
(4)
上記(3)に記載の遊技機であって、
前記第二の表示状態には、前記立体画像が表示され得る表示状態であって前記第一の表示状態よりも前記立体画像が表示される頻度が低い第三の表示状態と、前記立体画像が表示されない第四の表示状態と、があり、
前記表示状態設定手段は、前記所定の操作手段の操作に基づいて、前記第一の表示状態、前記第三の表示状態、または前記第四の表示状態が設定されている状態から、別の表示状態が設定されている状態に切り換えることが可能であり、
前記表示制御手段は、
第二の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の表示状態が設定されているとき、および前記第三の表示状態が設定されているときに、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させ、
前記第四の表示状態が設定されているときに、前記第二の演出画像を前記立体画像として表示させずに前記平面画像として表示させ、
前記第二の演出画像は、前記第一の演出画像よりも有利度が高い、
ことを特徴とする遊技機。
(5)
上記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示制御手段は、第三の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第三の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、第三の画像データと、前記第三の画像データとは別の画像データである第四の画像データと、をあらかじめ記憶しており、
前記第三の画像データは、右目で見た時の前記第三の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ前記左目用表示領域に対応する画像データを有しており、
前記第四の画像データは、左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データを有し、かつ前記右目用表示領域に対応する画像データを有しており、
前記表示制御手段は、
前記第三の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させることが可能であり、
前記第三の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記第三の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記第四の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第三の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記第三の画像データおよび前記第四の画像データのいずれか一方の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記右目用表示領域への画像の表示に用いる該画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
(6)
右目に入射させる画像を表示する右目用表示領域と、左目に入射させる画像を表示する左目用表示領域と、で構成される表示領域を有し、視差による立体視を可能とする立体画像を表示させることが可能な画像表示手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記画像表示手段に画像を表示させるための画像データをあらかじめ記憶した画像データ記憶手段と、を備え、
前記表示制御手段は、第一の演出画像を前記立体画像として表示させることが可能であり、
前記画像データ記憶手段は、前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるための画像データとして、所定の画像データを記憶し、
前記所定の画像データは、
右目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記右目用表示領域に対応する画像データと、
左目で見た時の前記第一の演出画像を表現するための画像データであって、前記左目用表示領域に対応する画像データと、を有する、
ことを特徴とする遊技機。
(a)
前記表示制御手段は、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときと、前記第一の演出画像を視差が生じない平面画像として表示させるときと、があり、
前記第一の演出画像を前記立体画像として表示させるときには、前記所定の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記右目用表示領域に表示させ、かつ前記所定の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データに係る画像を、前記左目用表示領域に表示させる一方、
前記第一の演出画像を前記平面画像として表示させるときには、前記所定の画像データのうちの前記右目用表示領域に対応する画像データ、および前記所定の画像データのうちの前記左目用表示領域に対応する画像データのいずれか一方を用いて、前記右目用表示領域および前記左目用表示領域の双方に画像を表示させる、
ことを特徴とする遊技機。
(b)
前記第一の画像データの一部の第一の単位画像データと、前記第二の画像データの該第一の単位画像データに対応する第二の単位画像データとが、同一の単位画像データとなる、
ことを特徴とする遊技機。