(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流動層(B)における前記ノズル又はアトマイザ構造(Z2)はリングラインを有し、前記ノズル又はアトマイザ構造はリングライン上に一定間隔で配置され、前記ノズル又はアトマイザ構造(Z2)は少なくとも3個のノズル又はアトマイザを有し、前記ノズル又はアトマイザは二流体噴霧ノズルであり、前記流動層(B)における前記ノズル又はアトマイザ構造(Z2)に添加された液体バインダが下部から上部に向けて噴霧される、請求項1に記載の方法。
前記凝集粒子のダスト値は3以下である、請求項1に記載の方法。なお、前記ダスト値はDIN 55992-2に基づき、SP3ダスト測定器を用いて測定された値である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、以下の手順の方法により生成される凝集粒子に関する。
(i)液体供給アトマイザ(Z1)から噴霧された液状原料を乾燥させるために、チャンバの上部に噴霧乾燥部(A)が配置された噴霧乾燥凝集装置を用いる噴霧乾燥処理の手段によって粉末状の粒子を生成する手順と、
(ii)前記噴霧乾燥凝集装置のチャンバの下部に配置された、統合された流動層(B)の内部に液体バインダと共に前記粉末状の粒子とともに噴霧し、生成時において粒子が常に流動状態であり、手順(i)で噴霧乾燥された前記噴霧乾燥部の粉末には、前記流動層(B)の下部に取り付けられたノズル又はアトマイザ構造(Z2)の手段によって、前記液体バインダが噴霧される手順と、を含む。
【0009】
驚くべきことに、生成される凝集粒子は極めて大きいことが分かった。さらに、生成される凝集粒子には固い芯部が形成されるため、本発明によって生成される凝集粒子は、ダスト値及び摩耗値が低いことが分かった。特に、粒子を常に流動状態にする循環によって、粒子同士が衝突する可能性の割合を高めている。
【0010】
粉末を再循環して凝集を可能とする代わりに、凝集は適切なバインダ液体を追加することにより、流動層にて包括的に達成される。驚くべきことに、本手順で生成される凝集粒子は、極めて大きいことが分かった。さらに、流動層(B)の底部にノズル又はアトマイザ構造(Z2)を取り付けることが、バインダ液体を噴霧する際に有用であることが分かった。さらに、循環を持続することによって、凝集粒子が衝突する確率が高まることから、短時間において大きい凝集粒子が製造されることが明らかになった。
【0011】
好ましい実施例においては、内部流動層(B)のノズル又はアトマイザ構造(Z1)は、凝集処理において噴霧されるバインダ液体またはその他の液体が供給される供給ラインにそれぞれ接続される、複数の独自に配置された複数のノズルによって構成される。さらに、供給ラインによって、噴霧される液体を各ノズルに個別に供給することができるため、必要とされる凝集粒子に応じた組成物を生成することが可能となる。ノズルの数は、噴霧塔の大きさ、達成したい生成物または生成物の品質によって、1から12の間で設定可能である。各ノズルは個別に調節することができるため、噴出された液体バインダを散布することにより、微細なミスト状の水滴から比較的に大きい液滴を放出できる。上記の水滴は、ノズルのキャップを変更し、噴霧圧を1〜6バールに調節することによって達成できる。
【0012】
特に、望ましい実施例においては、内部流動層(B)のノズル又はアトマイザ構造(Z2)は、各ノズルまたはアトマイザを均等に配置するためのリングラインを有する。このような構造は、
図4に図示されている。
【0013】
さらに好ましい実施例においては、ノズル又はアトマイザ構造(Z2)は、同心性のリングライン又はノズル又はアトマイザ構造を有する格子構造である。重要な特徴は、取り付けられるノズル又はアトマイザ構造の均一性である。本発明に開示されたノズル又はアトマイザ構造(Z2)は、個別に制御することができ、すなわち、例えばノズル又はアトマイザ構造の圧力を個別に制御または調節することが可能となる。
【0014】
このような構造は、流動層で循環する粒子が、多量の水分によって湿潤するという利点がある。さらに、このような内部流動層(B)のノズル又はアトマイザ構造(Z2)のデザインは、流動化を補助することから、大きな凝集粒子を生成する際に有用である。
【0015】
さらなる実施例においては、ノズル又はアトマイザ構造(Z2)は、少なくとも1、2、または3個のノズル又はアトマイザを有し、ノズル又はアトマイザ構造は、好ましくは前述の通りに配置され、
図4の通りに表示される。
【0016】
さらに好ましい実施例では、ノズル又はアトマイザ構造(Z2)は、少なくとも4個のノズル又はアトマイザを有し、ノズル又はアトマイザは、好ましくは前述の通りに配置され、
図4の通りに表示される。
【0017】
前述の通りにノズル及びノズルの数を構成した結果、粒子に付着することができる液体バインダの量は、各粒子に最適な吸湿を許容する。結果として、粒子は液体をより良く吸収する。処理管理、特に流動層の温度及び気流速度を制御した結果、粒子の表面のみがゆっくりと乾燥し、すなわち粘着性が長時間存続する。粘着性を有する表面が拡大した結果として、従来の処理と比較して、流動粒子の凝集が向上する。粘着性を有する表面が拡大することにより、非常に大きい凝集粒子を生成することができ、機械的安定性が向上する。
【0018】
これによって、循環粒子の互いの接触面積がさらに増加することから、粒子の接触面積の増加に繋がり、大きい凝集粒子を迅速に生成することが可能となる。
【0019】
他の好ましい実施例においては、内部流動層(B)のノズル又はアトマイザ構造(Z2)から噴出される液体バインダが下部から上部に向けて噴霧されるよう、ノズル又はアトマイザ構造(Z2)が配置されている。
【0020】
本発明の装置のノズル又はアトマイザの構造は、特に流動層における粒子の上方向への流動を助けることにより、流動層における粒子の分散を促すため、粒子の大きさが200μmを超えても流動層に衝突しない。特に、粒子を常に流動させる循環によって、粒子間での衝突が起こる可能性が高まる。
【0021】
本発明の更なる好ましい実施例では、ノズル又はアトマイザ構造(Z2)に配置されたノズル又はアトマイザは、圧力噴霧ノズルであり、好ましくは、二流体噴霧ノズルである。流動層における噴霧化は、好ましくは二物質ノズルによって達成される。二物質ノズルは、加圧噴霧によってノズルそのものを清掃する利点を有する。従って、流動層が原料で充填されている時に容易に発生しうる、生成時におけるノズルの詰まりが発生しない。好ましくは、圧力ノズルは乱流形成体と共に使用される。好ましくは、ノズル又はアトマイザの円筒の直径φは、0.5〜1.5mmの間であり、好ましくは0.7〜1.0mmの間である。二流体噴霧ノズルは、ノズルを通して、または流動層に対して、2種類の異なる液体及び/又は気体を放出することができるため、特に有用である。二流体噴霧ノズルから流入する空気は粒子の上方向への移動を促すことから、二流体噴霧ノズルの使用が好ましい。
【0022】
流動層(B)に配置されるノズル(Z2)には、個別に圧縮空気が供給され、各圧縮空気は減圧装置の手段によって制御されている(制御範囲は0〜10バールである)。製品及び加圧空気ラインは、好ましくはステンレススチールを有し、安全に運転するために固定されている。
【0023】
バインダは流体ベッドに、1〜10バールで10〜100リットル/L、好ましくは1〜8バールで20〜80リットル/L供給される。
【0024】
粒子の循環とノズル又はアトマイザ構造(Z2)との相互作用によって、第1に粒子間の衝突が起こる可能性を高め、同時に粒子の粘着性がある接触面積が広がることから、大きくかつ安定した凝集粒子の生成が可能となる。
【0025】
ノズル又はアトマイザ構造の設計及び制御によって、本発明によって入手可能な凝集粒子はコンパクトな安定構造を有し、同時に低いダスト値及び摩耗値を有する。
【0026】
更なる実施例では、本発明の装置は、同様に流動層(B)に取り付けられ、放出孔(H)の前方向でジグザグ分級機又は外部流動層に配置されるダム構造(G)を有する。ダム構造は流動層の充填レベルを調節し、定期的に粒子を放出し、流動層に粒子が滞留する時間を調節する。従って、本発明の装置におけるジグザグ分級機又は外部流動層は、空気分級機の役割も果たす(空気分級)。空気分級は、慣性力または重力と流体抵抗との割合を基に、気体流から粒子を分離する機械的分離方法である。空気分級は分離方法(処理工学(プロセス工学)における分離方法)であり、重力又は遠心力によって生じる分離の法則を用いている。微粒子は流れに従い、粗い粒子には慣性力が働く。
【0027】
ジグザグ分級機又は外部流動層の出力開口部の前のダム構造は、第1に、流動層の充填レベルを調節できることから、結果として滞留時間及び粒子の大きさを調節することが可能となり、第2に、粒子の一部は噴霧乾燥機の上部空間に直ちに戻るため、有用である。すなわち、粒子は全体の処理がもう一度行われる。上部空間では、スラリーが噴霧されて第1凝集が行われ、下部の流動層では、粒子がさらに凝集することから、凝集粒子の大きさが影響され、凝集処理が促進される。
【0028】
さらに、ダム構造は流動層の生成物の量を調節することから、流動層には凝集が行われるために十分な量の粒子が存在することを確認する。これによって、粒子の量に対応して流入する液体バインダの量によって、粒子の塊が生じるのを防ぐ。さらに、ダムの存在によって、流動層に必要以上の量の生成物が存在し、流動層の流動化が妨げられる状態を防ぐ。
【0029】
本発明の装置による更なる実施例では、供給アトマイザ(Z1)における入力温度は摂氏100度から220度の間であり、ジグザグ分級機における出力温度は摂氏20度から100度の間であり、スラリーの原料量は1時間辺り300〜1,200kgで、30〜200バールで噴霧される。好ましくは、入力温度は摂氏190〜200度の間であり、出力温度は摂氏80〜20度の間であり、揮発性が高い生成物の場合、入力温度は摂氏100〜130度の間であり、出力温度は摂氏50〜70度の間である。上記の温度設定は一例であり、組成物によって調節される。
【0030】
本発明の装置の更に好ましい実施例では、凝集時における流動層の温度は、摂氏5〜90度の間である。
【0031】
本発明の装置の更に好ましい実施例では、噴霧乾燥時及び凝集時における摩耗の結果として生じる装置内部の細塵は、ジグザグ分級機又は外部流動層によって、噴霧塔の上部空間に戻される。
【0032】
細塵が処理工程に再循環されることによって、生成物の量のロスが最小限に抑えられ、処理中の細塵の量が減少する利点がある。さらに、細塵爆発が生じるリスクを減らし、または最小限に抑えられる利点がある。
【0033】
本発明によって生成される凝集粒子において、ダスト値は3より少なく、好ましくは2よりも少なく、特に好ましくは0.05から1.4の間である。
【0034】
本発明によって取得できる凝集粒子は、細塵に含まれるダスト値が有利に低く、低いダスト値は最適な凝集を示す。これによって、本発明によって取得可能な凝集粒子の充填、保存、輸送は実質的に改善されて促進される。
【0035】
本発明の方法によって入手できる凝集粒子は、好ましくは300g/l以上のかさ重量を持つ。
【0036】
上述のかさ重量を持つ本発明による凝集粒子は、安定した芯部を有する利点があることから、安定性、特に摩耗に対する安定性が高い。特に、閉じ込められた空気の比率が低い。
【0037】
さらに、本発明の方法によって入手可能な凝集粒子は、好ましくは粒子流動度が14以下であり、好ましくは0から14の間であり、特に好ましくは5から14の間であり、更に好ましくは7から14の間である。
【0038】
このような流動値を持つ本発明による凝集粒子は、非粘着性であり、好ましくは良い溶解性を持つ。この特性は、エンドユーズ及び用途範囲に大きな影響を与えるため、食品業界で使用される粉末及び凝集粒子にとっては特に重要である。従って、入手可能な凝集粒子は、生成物の品質の改善に繋がる。
【0039】
本発明の好ましい実施例では、本発明によって生成される凝集粒子は、自由流動性であり、細塵が発生しない形態である。このような凝集粒子は、調合が容易であり、処理に適しており、広範囲な分野において適用が可能である。
【0040】
本発明の方法によって取得可能な凝集粒子の大きさは、200μmよりも大きい。好ましくは、本発明に開示された方法によって取得可能な凝集粒子は、300μmよりも大きく、1,000μmよりも大きくなり得る。好ましくは、本発明の凝集粒子の大きさは、300μmから800μmの間であり、好ましくは400μmから700μmの間である。しかし、凝集粒子の大きさは用途に応じて異なるため、本開示における凝集粒子の大きさは制限をするものではなく、適用可能性がある実施形態の例示に過ぎない。
【0041】
本発明の装置の手段によって生成された凝集粒子の生成は、温度、圧力、流動性等の典型的な処理パラメータの対象となる。理想的には、上述の温度を調節することにより、十分なかさ重量及び粒子流動度を有し、ダスト値が低い、安定した大きい凝集粒子が生成される。すなわち、凝集粒子を生成するために調節されるパラメータは、必要な凝集に応じて変更されるため、上述のパラメータはガイドライン値であり、数値を制限するものではない。
【0042】
特に、大きい凝集粒子を生成するためには、粒子が流動性を有し、流動層において均一に分散するように内部流動層の気体を調節することが重要である。従って、ノズル又はアトマイザ構造(Z2)は重要な要素である。同様に、流動層における生成される量の制御は、大きい凝集粒子の生成に影響を与える本質的な要素である。さらに、流動層の入力及び出力における温度を制御し、例えば、バインダが直接乾燥せず粒子間が接着できないよう過度に高い温度とならないように制御して凝集を可能とし、または、生成物が液体を吸収して粒子が固まることにより流動層が故障しないよう(湿気運転)、温度を例えば過度に低い温度とならないように制御するべきである。
【0043】
本発明はさらに、本発明によって取得可能な凝集粒子に関し、凝集粒子は香料粒子である。
【0044】
特に飼料、食料品及び食品業界で使用される香料としての凝集粒子に求められる要求は非常に高い。同様に、本発明によって入手可能な香料としての凝集粒子のため、香料は特に食料品及び食品業界で使用される。さらに、香料は飼料、食料品及び食品に取り入れられることにより、改善された食味を達成し得る。
【0045】
本発明の粒子を製造するために用いられる芳香物質又は香味物質の例は、例えば、“Riechstoffe” (Odorants), in Steffen Arctander, in “Perfume and Flavor Chemicals”, self-published, Montclair, N. J. 1969; H. Surburg, J. Panten, in “Common Fragrance and Flavor Materials”, 5th edition, Wiley-VCH, Weinheim 2006に見られる。その例としては、例えば酪酸エチル、カプロン酸アリル、酢酸ベンジル、サリチル酸メチル等のエステル(飽和又は不飽和);例えば酪酸、酢酸、メチル酪酸、カプロン酸等の有機酸(飽和及び不飽和);例えばエタノール、プロピレングリコール、オクテノール、cis-3-ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール(飽和及び不飽和);例えばアセトアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノナジエナール、ベンズアルデヒド、3-フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド(飽和及び不飽和);例えばメントン等のケトン;例えば4-ヒドロキシ-5-メチルフラノン、3-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-2-(5H)-フラノン、2,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-2(3H)-フラノン、2(5)−エチル-4-ヒドロキシ-5(2)-メチル-3(2H)-フラノン、p-メトキシベンズアルデヒド、グアイアコール、メトキシビニルフェノール等のエーテル;例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール等のアセタール;例えばγ−デカラクトン等のラクトン;例えばリモネン、リナロール、テルピネン、テルピネオール、シトラール(ゲラニアール及びネラール)、メントール等のテルペン;例えばジメチルスルフィド、ジフルフリルジスルフィド、メチルチオプロパナール等のスルフィド及びジスルフィド;例えばメチルフランチオール等のチオール;例えばメチルピラジン、アセチルピラジン、2−プロピオニルピロリン、2−アセチルピロリン等のピラジン及びピロリンが挙げられる。
【0046】
さらに芳香物質又は香味物質の例は、例えば、アセトフェノン、カプロン酸アリル、α−イオノン、β−イオノン、アニスアルデヒド、酢酸アニシル、ギ酸アニシル、ベンズアルデヒド、ベンゾチアゾール、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル
、酪酸ブチル、カプロン酸ブチル、ブチリデンフタリド、カルボン、カンフェン、カリオフィレン、シネオール、酢酸シンナミル、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、酢酸シトロネリル、酢酸シクロヘキシル、シモール、ダマスコン、デカラクトン、ジヒドロクマリン、アントラニル酸ジメチル
、ドデカラクトン、酢酸エトキシエチル
、酪酸エチル、カプリン酸エチル、カプロン酸エチル、クロトン酸エチル、エチルフラネオール、エチルグアヤコール、イソ酪酸エチル、イソバレリアン酸エチル、乳酸エチル、メチル酪酸エチル、プロピオン酸エチル、ユーカリプトール、オイゲノール、エチルヘプチラート、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、γ−デカラクトン、ゲラニオール、酢酸ゲラニル
、グレープフルーツアルデヒド、ジヒドロジャスモン酸メチル(例えばHedion(登録商標))、ヘリオトロピン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、trans−2−ヘプテナール、cis−4−ヘプテナール、trans−2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセノール、trans−2−ヘキサン酸、trans−3−ヘキサン酸、酢酸cis−2−ヘキセニル、酢酸cis−3−ヘキセニル、カプロン酸cis−3−ヘキセニル、カプロン酸trans−2−ヘキセニル、ギ酸cis−3−ヘキセニル、酢酸cis−2−ヘキシル、酢酸cis−3−ヘキシル、酢酸trans−2−ヘキシル、ギ酸cis−3−ヘキシル、パラ−ヒドロキシベンジルアセトン、イソアミルアルコール、イソバレリアン酸イソアミル、酪酸イソブチル、イソブチルアルデヒド、イソオイゲノールメチルエーテル、イソプロピルメチルチアゾール、ラウリン酸、レブリン酸(leavulinic acid)、リナロール、リナロールオキシド、酢酸リナリル、メントール、メントフラン、アントラニル酸メチル、メチルブタノール、メチル酪酸、酢酸2−メチルブチル、カプロン酸メチル、桂皮酸メチル、5−メチルフルラール、3,2,2−メチルシクロペンテノロン、6,5,2−メチルヘプテノン
、ジャスモン酸メチル、メチル酪酸2−メチル、2−メチル−2−ペンテン酸、チオ酪酸メチル、3,1−メチルチオヘキサノール、酢酸3−メチルチオヘキシル、ネロール、酢酸ネリル、trans,trans−2,4−ノナジエナール、2,4−ノナジエノール、2,6−ノナジエノール
、ノートカトン、δ−オクタラクトン、γ−オクタラクトン、2−オクタノール、3−オクタノール、1,3−オクテノール、酢酸1−オクチル、酢酸3−オクチル、パルミチン酸、パラアルデヒド、フェランドレン、ペンタンジオン、酢酸フェニルエチル、フェニルエチルアルコール
、イソバレリアン酸フェニルエチル、ピペロナール、プロピオンアルデヒド、酪酸プロピル、プレゴン、プレゴール、シネンサール、スルフロール、テルピノレン、8,3−チオメンタノン、4,4,2−チオメチルペンタノン、チモール、δ−ウンデカラクトン、γ−ウンデカラクトン、バレンセン、吉草酸、バニリン、アセトイン、エチルバニリン、エチルバニリンイソブチラート(=3−エトキシ−4−イソブチリルオキシベンズアルデヒド)、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及びその誘導体(ここで好ましくはホモフラネオール(=2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン)、ホモフロノール(=2−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及び5−エチル−2−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン)、マルトール及びマルトール誘導体(ここで好ましくはエチルマルトール)、クマリン及びクマリン誘導体、γ−ラクトン(ここで好ましくはγ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン)、δ−ラクトン(ここで好ましくは4−メチルδ−デカラクトン、マッソイアラクトン、δ−デカラクトン、ツベロラクトン)、ソルビン酸メチル、ジバニリン、4−ヒドロキシ−2(又は5)−エチル−5(又は2)−メチル−3(2H)フラノン、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテノン、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、酢酸イソアミルエステル、酪酸エチルエステル、酪酸n−ブチルエステル、酪酸イソアミルエステル、3−メチル−酪酸エチルエステル、n−ヘキサン酸エチルエステル、n−ヘキサン酸アリルエステル、n−ヘキサン酸n−ブチルエステル、n−オクタン酸エチルエステル、エチル−3−メチル−3−フェニルグリシダート、エチル−2−trans−4−cis−デカジエノアート、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,1−ジメトキシ−2,2,5−トリメチル−4−ヘキサン、2,6−ジメチル−5−ヘプテン−1−アール、フェニルアセトアルデヒド、2−メチル−3−(メチルチオ)フラン、2−メチル−3−フランチオール、ビス(2−メチル−3−フリル)ジスルフィド、フルフリルメルカプタン、メチオナール、2−アセチル−2−チアゾリン、3−メルカプト−2−ペンタノン、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2,4,5−トリメチルチアゾール、2−アセチルチアゾール、2,4−ジメチル−5−エチルチアゾール、2−アセチル−1−ピロリン、2−メチル−3−エチルピラジン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−エチル−3,6−ジメチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、3−イソプロピル−2−メトキシピラジン、3−イソブチル−2−メトキシピラジン、2−アセチルピラジン、2−ペンチルピリジン、(E,E)−2,4−デカジアナール、(E,E)−2,4−ノナジエナール、(E)−2−オクテナール、(E)−2−ノネナール、2−ウンデセナール、12−メチルトリデカナール、1−ペンテン−3−オン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン、グアヤコール、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−5−エチル−2(5H)−フラノン、シンナムアルデヒド、シンナミルアルコール、サリチル酸メチル、イソプレゴール並びにこれらの物質の(ここでは明示的に収載しない)立体異性体、エナンチオマー、位置異性体、ジアステレオマー、cis/trans−異性体及びエピマー
が挙げられる。
【0047】
用語「食品」または「食料品」は、2002年1月28日発効のREGULATION (EC) No. 178/2002 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL(EC規則)に従って食品とされている製品を包含する。上述の規則によると、「食品」は、加工され、一部加工され、または加工されていない、人間によって消化され、または合理的に消化されることを期待された如何なる物質または製品を含む意味である。
【0048】
本発明によると、用語「食品」または「食料品」は、保健食品も指す。
【0049】
当業者であれば、異なる実施例における保健食品を承知しており、精通している。これらは、とりわけ、ビタミン及び/またはミネラルを含み、人体及び動物に栄養を十分与えるために使用される。特に、このような保健食品は、栄養が不健全な場合において、欠乏症状が起こることを予防できる。これら保健食品は、少なくとも様々な病気の発症を遅らせることができる。このような保健食品は、処方箋によって入手可能である。
【0050】
本発明は更に、本発明に開示された飼料、食料品、または食料製品を製造するために生成された凝集粒子として使用する方法に関する。
【0051】
本発明によって入手できる凝集粒子は、好ましくは中間体生成物であり、好ましくは凝集粒子の香料として、食品分野の最終生成物として使用し得る。好ましくは、食品は例えば、パン、乾燥ビスケット、ケーキ、他のペーストリー、長期保存用の焼き食品、または例えば、クラッカー、大麦ロール、ビスケット、ポテトクリスプまたはコーンチップス等の焼き食品
、麦ロール、ポテトチップスまたはコーンチップス(例えばトルティーヤチップ)、小麦粉製品(例えばペーストリースティック、クルトン、パンチップ、ラスク、押出され、または押出されていないクリスプ・ブレッド)、 菓子類(例えばチョコレート、チョコレートバー製品、その他のバー製品、フルーツガム、硬い又は柔らかいキャラメル、チューイングガム)、アルコール飲料及び非アルコール飲料(例えば珈琲、紅茶、アイスティー、ワイン、ワイン含有製品、ビール、ビール含有飲料、リキュール、シュナップ、ブランデー、(炭酸飲料)果実を主成分とするソフトドリンク(炭酸飲料)、等張性飲料(炭酸飲料)、ソフトドリンク(炭酸飲料)、ネクター、スプリッツァ、果実および野菜ジュース)、果実または野菜ジュース配合物、即席飲料または即席粉末(例えば、インスタントココア飲料、インスタント紅茶飲料、インスタントコーヒー飲料、インスタントフルーツ飲料)、肉製品(例えば、ハム、生または保蔵処理されたソーセージ加工物、香辛料添加またはマリネ化した生または保蔵処理された肉製品)、卵または卵製品(例えば、乾燥卵製品、乾燥卵白、乾燥卵黄)、シリアル製品(例えば、朝食用シリアル、ミューズリバー、予め調理した即席米飯製品)、乳製品(例えば、ミルク飲料、バターミルク飲料、アイスクリーム、ヨーグルト、ケフィール、カテージチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、乾燥ミルク粉末、ホエー、ホエー飲料、バター、バターミルク、部分的または完全に加水分解されたミルクタンパク質を含む製品)、大豆タンパク質または他の大豆タンパク質画分から製造した製品(例えば、豆乳およびこれから製造した製品、大豆タンパクを含有する果物ジュース、大豆レシチンを含有する配合物、例えば豆腐、テンペーまたはこれらから製造した発酵製品)、他の植物タンパクソース、例えばオーツ麦タンパク飲料、果物加工物(例えば、ジャム、フルーツアイスクリーム、フルーツソース、フルーツフィリング)、野菜加工物(例えば、ケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、調理済み野菜、野菜の漬物、保存野菜)、スナック物品(例えば、焼いたまたは揚げたポテトチップスまたはポテト製品、トウモロコシまたはピーナッツを主成分とする押出し製品)、油脂を主成分とする製品または対応する乳製品(例えば、マヨネーズ、レムラード、ドレッシング)、他の直ぐに食することができる食事またはスープ(例えば、粉末スープ、インスタントスープ、調理済みスープ)、スパイス、調味料混合物および特に、例えばスナック食品用途において使用される粉末調味料の群から選択される。
【0052】
従って、本発明の好ましい実施形態は、本開示の方法で生成される凝集粒子であり、凝集粒子は飼料、食料品、食品に後程供給される中間体である。さらに好ましい実施例では、本発明で取得可能な凝集粒子は、香料としての特性を有する粒子である。
【0053】
本開示の用語「飼料」とは、動物が消費し得る如何なる飼料である。
【0054】
本開示の用語「動物」とは、以下の動物並びにこれらの種族、亜種を指すが、これらの動物に限定されるものではない:魚、ハムスター、ノウサギ、イエネコ、犬、猫、ウサギ、マウス、モルモット、ヘビ、爬虫類、スパイダー、ラット、チンチラ、昆虫、例えばリャマ及びアルパカ等の全てのラクダ科の動物;例えば馬、子馬(ポニー等)、トナカイ、牛、乳牛、羊、豚、ヤギ、ダニ、ミツバチ、カイコ、ヒトコブラクダ、エルク、象、ドンキー、ラクダ、ミンク、ヌートリア、フェレット;例えば伝書鳩、カナリア、インコ、オウム、セキセイインコ、パロット、九官鳥、ホシムクドリ、カラス、ファルコン等の亜種、その他の猛禽類、鶏、アヒル、キジ、カモ、走禽類、ホロホロチョウ、ヤマウズラ、鳩、七面鳥、ウズラ等の全ての鳥及び鶏肉加工類(古顎類及び新顎類を含む)。
【0055】
本発明の好ましい実施例は、以下の群から選択される一般的な飼料である:高でんぷんの飼料、油分含有飼料、グリーン飼料、吸水飼料、乾燥飼料、栄養補助飼料、無機質飼料、濃厚飼料、基礎飼料、補助飼料及び有効成分を含有する飼料、飼料用糖蜜、繊維質飼料、手をつけていない、または僅かにカットされた植物、高水分含有飼料、高栄養飼料、ペレット飼料、ミューズリ飼料、準備飼料、完全飼料、単一成分飼料、例えば穀物粒及びその製品並びに副産物、穀実用マメ科作物及びその製品並びに副産物、脂肪種子及び脂肪果実、他の脂肪性植物及びその製品並びに副産物、発酵物及び蒸留物の副産物、塊茎及び根及びその製品並びに副産物、その他の種、果実と植物及びその製品並びに副産物、乳製品、無機質、魚及びその他魚介類、その製品並びに副産物、動物タンパク、動物タンパク製品及びその製品並びに副産物、食品と同一の物質、食品工業的に生成された製品及び副産物、微生物からのタンパク質製品、メチオニンのヒドロキシルアナログ及びその塩、アミノ酸及びその塩、尿酸及びその誘導体、アンモニウム塩、その他のNPN化合物。
【0056】
<凝集粒子の生成方法>
本発明は、さらに、以下の手順により、平均粒子径が200μmよりも大きく、好ましくは300μmよりも大きい凝集粒子を生成する方法に関する。
(i)液体供給アトマイザ(Z1)によって噴霧される液体原料を乾燥するために、チャンバの上部に噴霧乾燥部(A)を有する噴霧乾燥凝集装置の内部で噴霧乾燥処理の手段によって、粉末状の粒子を生成する手順と、
(ii)液体バインダと一緒に粉末状の粒子を噴霧する手順と、を有し、チャンバの下部に配置され、噴霧乾燥凝集装置の統合された流動層(B)の内部で、液体バインダと共に粉末状の粒子とを噴霧し、手順(i)における噴霧乾燥部の粉末領域は、流動層(B)の下部に取り付けられたノズル又はアトマイザ構造(Z2)によって、液体バインダと共に噴霧され、生成時において粒子を常に移動させる手順と、を含む。
【0057】
その他の噴霧乾燥凝集装置の構造については上述の通りである。
【0058】
好ましい実施例においては、噴霧乾燥凝集装置は、流動層(B)に統合され、放出孔(H)の前方向からジグザグ分級機に配置されたダム構造(G)を有する。
【0059】
このような方法によって、平均粒子径が200μmよりも大きく、好ましくは300μmよりも大きく、さらに600μmから最大径1,000μmの凝集粒子を生成する事が可能となり、これまで不可能であった食品分野における要件を満たしうる。
【0060】
<凝集粒子の生成方法>
香料が添加された凝集粒子を生成する。ここで、装置の上部チャンバにおいて、噴霧乾燥によって一次粒子が生成され、その後粒子は装置の下部において液体バインダに噴霧される。ここで、処理工程を安定的に行うために、十分な量の一次粒子が流動層に常に供給されることを確認する。
【0061】
噴霧塔から入力される空気の温度は、摂氏160〜200度の間である。流動層の温度は摂氏30〜50度の間に制限されることから、噴霧されたバインダが分散する結果、十分な時間で一次粒子が凝集する。ここで、過度に高い温度に設定すると乾燥する率が高まり、結果として噴霧された分散物の凝集が開始する前に粒子の表面が乾燥することとなる。
【0062】
この処理は、噴霧塔が流動層のレベルに満たされるまで、標準状態で開始される。これは、ダムが当初から閉じている状態で達成され得る。次に、「液体バインダ」が流動層に供給され、ダムが開放される。この液体は、スラリーのみ、又は、−粒子の表面に追加の密閉層が必要とされ、高い機械的安定性が望まれる場合−、例えばデキストロース、ソルビトール、マンニトール等、接着性が高い低分子物質と混合されてもよい。希望する粒子の特性によっては、水分または水蒸気によって水気を与えてもよい。
【0063】
流動層に液体バインダが噴霧されるノズルは、流動層に著しく微細なミストを噴霧する、小口径二物質ノズルである。前述のノズルから噴霧される気流は、粒子の流動化に貢献し、粒子が均一に濡れることを保証し、塊が生じることなく凝集が行われる。
【0064】
図1は、本発明に基づき、大きな凝集粒子を生成する凝集噴霧乾燥装置の個別の技術的特徴の位置を明確にするものである。
【0065】
<凝集粒子のノズル又はアトマイザ構造の効果>
凝集粒子を生成し、内部流動層(b)のノズル又はアトマイザ構造(z)の効果が試験された。結果は、以下の表1の通りである。
【表1】
【0066】
圧力が低くなるにつれて、大きい液滴が生成され、液滴の分布の均一性が保たれない。これによって、凝集が早くなり得る。しかし、圧力が低いとノズルから出なくなるリスクがあり(例えばノズルに詰まりが発生する)、粒子の密度が著しく上昇し、粒子が不十分に舞い上がり、結果として流動層の損傷に繋がる。従って、圧力は一次粒子及び液体バインダの供給量に応じて調節されるべきである。この最適化は、それぞれの形態において行われる(噴霧塔、流動層の大きさ、一次粒子の原料の量など)。
【0067】
<凝集粒子の密度及び形態の決定>
I)凝集粒子の大きさ
本発明に基づいて生成された凝集粒子の大きさは、レーザー回折手段を用いて測定される。
【0068】
レーザー回折法の原理は、明確に適応性が高い技術であり、原則として全ての材料のサイズを測定する手段を備えている。この技術の条件は、各相が他の相とは光学的に分離され、溶媒がレーザーの波長に対して透明である点である。これは、材料の屈折率及び周辺の溶媒が異ならなければならない事を意味している。
【0069】
この測定は、粉末またはエマルジョン/サスペンションに対応するモジュールの手段を用いて、サンプルをレーザー光線に投入する方法によって達成される。次に、粒子によって分散された光が検知される。本システムから放射される全てのレーザー出力が測定され、サンプルの濃度が推測される。
【0070】
粒径測定に使用される機器(分散ユニットScirocco2000を有するMalvernからのMastersizer2000)によって、最大2mmの大きさの粒子が測定できる。上述の機器を使用することにより、粉末に0から4バールの圧力分散を与えることが可能となる。しかし、フィード中において、圧力を設定する際に衝突板に対する吸引が行われることから、機器を破壊しないように注意を要する。
【0071】
II)凝集粒子の構造の決定
本発明によって生成された凝集粒子の構造は、ルーペ手段によって黒色のサンプル板によって特定される(Will製、カメラ有り)。
【0072】
乾燥した香料またはフレーバーティーの混合物等に使用されている組成物の構造をよく特定するために、使用にはルーペが用いられる。ここで、サンプルは7〜45倍に拡大して分析することが可能である。
【0073】
図2及び
図3は、本発明によって生成された凝集粒子と既知の方法で生成された凝集粒子との比較を示している。本発明に基づいて生成された凝集粒子は、場合によっては、標準粒子の2倍以上(約600μmまたはそれ以上)になり得る。同時に、これらは顕著に密集しており、安定した構造を持つ。
結果は表1に示す。
【0074】
<乾燥した生成物の摩耗性>
摩耗試験は、破壊試験機によって実施される。
この分析方法では、生成物に対して移動中に発生する機械的ストレスを与え、その後の生成についてシミュレーションしている。
【0075】
分析時において、集合体としての生成物に対し、回転運動及び自由落下が実施されるため、安定性が無い生成物は破壊され、または端部にすり減りが起こる。このすり減りは、実際の製品の破壊に繋がる細破片、またはその後の生成において使用できない部分である。破壊試験機を使用した摩耗試験は、以下の条件下で実施される。
【表2】
【0076】
機械的に安定性が高い標準粒子も含め、全てのサンプルに対し、摩擦による粒子の大きさの減少が見られた。しかし、d(50)μmの強い機械ストレスを与えた後であっても、本発明の方法で生成された粒子の大きさは、300〜600μmの範囲であることが判明した(表3を参照)。
【0077】
<凝集粒子の流動性の判定>
凝集粒子の流動性は、粉末流動解析器を用いて測定される。この方法によって、粉末の流動性を測定することができる。
【0078】
粉末のサンプルはシリンダー容器に入れられる。傾いた撹拌ブレードが回転する撹拌機は、サンプルを上下に移動する。この移動は、所定の角度及び所定の速度で行われる。粉末の抵抗を受けることにより、流動値であるFFC値を測定することが可能となる。
【0079】
流動値は生成時において、またはクライアントに対し、移動時及び放出時の処理に重要な要素である。
【0080】
この測定方法の利点は、従来の安息角手法では不可能であった、自由流動しない粉末についても数値化することができる。
【0081】
凝集粒子の流動性は、FFC値で測定される。
FFC値は以下の通りである。
0<FFC<11 … 自由に流動する
11<FFC<14 … 容易に流動する
14<FFC<16 … 粘着性がある
16<FFC<19 … 粘着性が高い
FFC>19 … 硬い
【0082】
表2によると、本発明の方法に基づいて生成された凝集粒子は、全て「自由に流動する」に分類される。
【0083】
<凝集粒子のダスト値の判定>
生成された凝集粒子のダスト値は、液滴法に従い、DIN 55992-2に基づき、SP3ダスト測定器を用いて測定された。
【0084】
定義された量のサンプル物質は、垂直パイプの供給システムに投入された。測定の開始と同時に、供給システムが突然開放し、サンプルが下部パイプの底面に入る。粒子が底面に衝突すると、粒子の一部は底面に残留するが、他の空気中の粒子は底面の真上の衝突ゾーンにあたる。前述の衝突ゾーンにおいて、レーザー光源及び光電セルを使用し、所定の時間(30秒)、光減衰を測定する光減衰は、サンプルのダスト反応を測定する。
【0085】
細塵の発生は、二次汚染又は人体の機能に障害を与えることから、例えば生成時に大きな役割を果たす。充填処理時においても、細塵が発生するとパッケージを適切に熱密封し、またはラベルを貼付することができなくなるから、細塵が一切発生してはならない。
【0086】
ダスト値の基準は以下の通りである。
500 … 著しく高いダスト値
150 … 高いダスト値
30 … 通常のダスト値
5 … 低いダスト値
<2 … 著しく低いダスト値
【0087】
本発明の方法によって生成された凝集粒子のダスト値は著しく低いことから、上述の流動性については、粘着性が高い製品が生成されることが期待される。しかし、流動性の測定器と併用すると、粉末の粘着性が高いことから、ダストが極めて少ない。比較される凝集粒子は、いずれも高いダスト値を有する(表3)。
【表3】
【0088】
本発明の装置における生成塔で生成された上述の凝集粒子5を除き、凝集粒子1〜4及び6は、試験塔で生成された。
A=商用されている技術手段によって生成された凝集粒子(統合された凝集によって噴霧された)。
V*=本発明の噴霧造粒法で生成された凝集粒子と対応する大きさのうち安定している凝集粒子
【表4】
【0089】
<気候室での気候試験>
乾燥した香料は砂糖を含有するマトリックスによって構成される。香料はその吸湿性から、温度と湿度との組み合わせに敏感に反応する。しかし、これらの香料は処理時及び適用時に物理的ストレスに頻繁に露出されることから、その適用性については、開発時などの早い段階で試験されるべきである。
【0090】
例えば、乾燥した香料と混合した茶は、一般的には厚紙に封入されてキッチンで保存されるため、保存時には比較的に高い湿度において、室温で保存される。さらに、乾燥した香料は世界中で販売されるため、他の気候帯で販売される場合でも、その気候帯の一般的な湿度及び温度において、最低限の品質及び安定性が保証されなければならない。気候室では、高い室温及び温度における気候室での保存のシミュレーションが行われる。結果は表5において示す。
なお、枠内の数字は、重量(g)変化である。
【0091】
対応する香料が使用された(上述の方法による生成)本発明の凝集粒子は、従来の方法である噴霧乾燥手段によって生成された凝集粒子(V*)と比較された。