特許第6877103号(P6877103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6877103
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 9/20 20060101AFI20210517BHJP
   A47B 17/02 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   A47B9/20
   A47B17/02
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-148449(P2016-148449)
(22)【出願日】2016年7月28日
(65)【公開番号】特開2018-15298(P2018-15298A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】北田 一彦
(72)【発明者】
【氏名】水口 正夫
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0230992(US,A1)
【文献】 特開2016−042985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面上に互いに間隔をあけて設置された一対の側部材と、
前記一対の側部材を互いに連結する連結部材と、
前記一対の側部材および前記連結部材によって囲まれる空間内に配置され、上下方向に伸縮可能に構成された昇降ユニットと、
前記一対の側部材の間に配置され、前記昇降ユニット上に支持された天板と、
を備え、
前記連結部材は、
前記一対の側部材の下部同士を連結する下部連結部材と、
前記下部連結部材よりも後方に配置され、前記一対の側部材の後部同士を連結する後部連結部材と、
を有し、
前記昇降ユニットは、
前記下部連結部材の上面に下端部が固定されるとともに、前記後部連結部材に対して幅方向および前後方向への動きが拘束されるように固定された第一筒状体と、
前記第一筒状体の内部に収納可能かつ前記第一筒状体に対して上下方向に移動可能に構成され、前記天板を支持する第二筒状体と、
を有する
什器。
【請求項2】
請求項に記載の什器であって、
前記一対の側部材および前記後部連結部材の少なくとも一方は、平板状のパネルである
什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや公共施設などでは、各種作業を行うことのできる天板を備えたデスクやテーブル、作業台、実験台などの什器が用いられている。天板を備えた什器において、使用者の姿勢や体格、性別、好みなどによって、作業のしやすい天板の高さは個々に異なっている。天板の高さが一定である什器ではこのような実情に対応できないため、天板の高さを上下方向に変更可能に構成された什器が広く用いられている。
【0003】
例えば特許文献1および2には、天板の高さを上下方向に変更可能な什器が記載されている。特許文献1に記載された机は、上下および前面が開放したコ字形側枠と、コ字形側枠の内側に配置された天板と、を備える。コ字形側枠の両側壁には、上下方向に延びる2本の長孔が形成されている。高さ調整用の操作ハンドルである回転把手には螺軸が取り付けられており、螺軸は長孔を挿通して天板の側面に埋め込まれたナットに螺合している。回転把手を操作して天板と側壁とを締め付けることにより、天板が強固に支持され、また回転把手を操作して締め付けを緩めることにより、天板を長孔に沿って上下に移動させることができる。
【0004】
また、特許文献2に記載された学習机は、後端間を固定幕板で連結された二つの脚板と、両脚板で支持された天板と、を備える。天板は、支持枠の両側に設けられたスライドレールに支持されており、スライドレールの後部に支持部材が固定されている。支持部材は下方に延びる垂直部を有し、この垂直部にローラが設けられている。ローラは、脚板の上部内側面に形成された縦溝に上下転動可能に係合している。これにより、天板は、支持枠を介して支持部材によって昇降可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭49−1204号公報
【特許文献2】特開平11−46871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、製造コストを抑えたり、製品デザインの統一感を図ったりするために、部材の共通化が進められている。しかしながら、天板が昇降可能に構成された什器と天板の高さが固定された什器とで部材の共通化を図る場合に、上述した特許文献1および2に記載された什器では、天板を昇降動作させるため機構が側壁や脚板( 側部材)の内部に設けられているため、これらの部材を共通化することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、天板が昇降可能に構成された什器と天板の高さが固定された什器との間で側部材を共通化することが可能な什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、什器は、設置面上に互いに間隔をあけて設置された一対の側部材と、前記一対の側部材を互いに連結する連結部材と、前記一対の側部材および前記連結部材によって囲まれる空間内に配置され、上下方向に伸縮可能に構成された昇降ユニットと、前記一対の側部材の間に配置され、前記昇降ユニット上に支持された天板と、を備え、前記連結部材は、前記一対の側部材の下部同士を連結する下部連結部材と、前記下部連結部材よりも後方に配置され、前記一対の側部材の後部同士を連結する後部連結部材と、を有し、前記昇降ユニットは、前記下部連結部材の上面に固定されるとともに、前記後部連結部材に対して幅方向および前後方向への動きが拘束されるように固定された第一筒状体と、前記第一筒状体の内部に収納可能かつ前記第一筒状体に対して上下方向に移動可能に構成され、前記天板を支持する第二筒状体と、を有する。

【0009】
このような什器によれば、天板は、一対の側部材および連結部材によって囲まれる空間内に配置された昇降ユニット上に支持されており、この昇降ユニットが上下方向に伸縮することによって、昇降動作することができる。よって、天板を昇降動作させるための機構を一対の側部材や連結部材の内部に設ける必要がないので、天板の高さが固定された什器との間でこれらの部材を共通化することができる。
また、一対の側部材の後部同士を後部連結部材で連結し、かつ一対の側部材の下部同士を下部連結部材で連結しているので、一対の側部材、後部連結部材、および下部連結部材から構成される連結構造体を堅牢に構成することができる。昇降ユニットは、この堅牢な連結構造体に固定されているので、昇降ユニットの上下方向への伸縮動作に伴う前後左右への振れを防止できるとともに、昇降ユニット上に支持された天板の振れを防止することができる。
また、昇降ユニットの下端部は下部連結部材の上面に固定されているので、昇降ユニットの下端部を設置面上に接地させるために下部連結部材に開口を形成することによる下部連結部材の強度低下を生じさせることがない。よって、連結構造体の強度を維持することができる。
また、第一筒状体の上部が後部連結部材に固定されているので、昇降ユニットは天板により近い位置で連結構造体に固定されている。したがって、昇降ユニットの伸縮動作に伴う天板の振れ、および伸縮動作の停止後における天板の振れをより確実に防止することができる。
【0012】
上記の什器において、前記一対の側部材および前記後部連結部材の少なくとも一方は、平板状のパネルであってもよい。
【0013】
このような什器によれば、一対の側部材および後部連結部材の少なくとも一方は平板状のパネルであるので、天板の下方の空間を遮蔽することができる。また、一対の側部材および後部連結部材の両方がパネルである場合には、各側部材と後部連結部材との接触面積を大きくすることができるので、連結構造体をより堅牢に構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
上記の什器によれば、天板の高さが固定された什器との間で側部材を共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態に係る什器を一部破断して示す斜視図である。
図2】前記什器の正面図である。
図3】前記什器において天板が下方に移動した状態を示す正面図である。
図4】前記什器の平面図である。
図5図3に対応する前記什器の右側面図である。
図6】前記什器の構成を一部省略して示す斜視図である。
図7】前記天板の外側端部を拡大して示す断面図である。
図8】本発明の第二実施形態に係る什器を一部破断して示す斜視図である。
図9】前記什器の構成を一部省略して示す斜視図である。
図10】前記什器において天板が下方に移動した状態の正面図である。
図11】前記什器の平面図である。
図12図10に対応する前記什器の右側面図である。
図13】本発明の第三実施形態に係る什器を一部破断して示す斜視図である。
図14】前記什器において天板が下方に移動した状態の正面図である。
図15】前記什器の平面図である。
図16図14に対応する前記什器の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図7を参照して説明する。なお、以下の説明では、本実施形態に係る什器1が記載台である例を示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでない。
【0021】
図1は、什器1を一部破断して示す斜視図である。図2は、什器1の正面図である。図3は、什器1において天板40が下方に移動した状態を示す正面図である。図4は、什器1の平面図である。図5は、図3に対応する什器1の右側面図である。図6は、什器1の構成を一部省略して示す斜視図である。図7は、天板40の外側端部を拡大して示す断面図である。なお、図2以降の図では、什器1の後述する掲示板71およびサイドスクリーン72を省略して示している。
【0022】
図1から図6に示すように、什器1は、一対の側部材10、10と、連結部材20と、昇降ユニット30と、天板40と、を備えている。
【0023】
一対の側部材10、10は、設置面F上に設置面Fに対して平行な一方向(以下、この方向を幅方向Dhと適宜称する。)に互いに間隔をあけて設置されている。本実施形態では、一対の側部材10、10は、上下方向Dvに延びる平板状に形成された一対の側部パネル11、11である。一対の側部パネル11、11は、幅方向Dhに互いに向かい合うように配置されている。また、一対の側部パネル11、11は、設置面Fに平行で幅方向Dhに直交する方向(以下、この方向を前後方向Dfと適宜称する。)に平行に配置されている。各側部パネル11の下端面には、側部パネル11の高さ及びレベルの調整を行うアジャスター12が設けられている。
【0024】
連結部材20は、一対の側部材10、10を互いに連結している。連結部材20は、後部連結部材21と下部連結部材22とを有している。
【0025】
後部連結部材21は、下部連結部材22よりも後方に配置され、一対の側部パネル11、11の後部11r、11r同士を連結している。本実施形態では、後部連結部材21は、平板状のパネルであり、一対の側部パネル11、11の間の空間を覆うように配置されている。幅方向Dhにおける後部連結部材21の両端部は、一対の側部パネル11、11の後部11r、11rに不図示のビスなどによってそれぞれ固定されている。後部連結部材21の上端の上下方向のDh位置は、一対の側部パネル11、11の上端の上下方向Dvの位置と合わせられている。
【0026】
また、後部連結部材21は、連結金具23を介しても一対の側部パネル11、11の後部11r、11rとそれぞれ連結されている。連結金具23は、側部パネル11の後部11rにおいて上下方向Dvの中央部分に配置されている。連結金具23は、一端部をビスで側部パネル11の内側面11sに固定されるとともに、他端部をビスで後部連結部材21の前面21fに固定されている。これにより、後部連結部材21と一対の側部パネル11、11との連結の強度を向上させている。
【0027】
下部連結部材22は、一対の側部パネル11、11の下部11b、11b同士を連結している。下部連結部材22は、幅方向Dhおよび前後方向Dfに延びる平板状に形成され、後部連結部材21の前面21f側に配置されている。幅方向Dhにおける下部連結部材22の両端部は、一対の側部パネル11、11の下部11b、11bに不図示のビスなどによってそれぞれ固定されている。
【0028】
上述した一対の側部パネル11、11、後部連結部材21、および下部連結部材22によって、連結構造体50が構成されている。連結構造体50は、一対の側部パネル11、11の後部11r、11r同士を後部連結部材21で連結し、かつ一対の側部パネル11、11の下部11b、11b同士を下部連結部材22で連結することによって、堅牢な構造体に構成されている。
【0029】
昇降ユニット30は、一対の側部材10、10および連結部材20によって囲まれる空間S内に配置され、上下方向Dvに伸縮可能に構成されている。本実施形態では、昇降ユニット30は、一対の側部パネル11、11の間の中央であって、後部連結部材21の前面21f側に配置されている。
【0030】
昇降ユニット30は、下部筒状体(第一筒状体)31aと、中間筒状体31bと、上部筒状体(第二筒状体)31cと、を有している。下部筒状体31a、中間筒状体31b、および上部筒状体31cは、それぞれ上下方向Dvに延びる四角形筒状に形成されている。中間筒状体31bは、下部筒状体31aの内部に収納可能であり、下部筒状体31aに対して上下方向Dvに移動可能に構成されている。上部筒状体31cは、中間筒状体31bの内部に収納可能であり、下部筒状体31aおよび中間筒状体31bに対して上下方向Dvに移動可能に構成されている。昇降ユニット30が有するモータ等の駆動機構(不図示)により、下部筒状体31aに対して中間筒状体31b及び上部筒状体31cをそれぞれ上下方向Dvに移動させることで、昇降ユニット30を上下方向Dvに伸縮させることができる。
【0031】
本実施形態では、昇降ユニット30は、連結構造体50に固定されている。昇降ユニット30の下端部30b、すなわち下部筒状体31aの下端部は、不図示のボルトによって下部連結部材22の上面22tに固定されている。また、昇降ユニット30の下部筒状体31aの上部は、支持ブラケット32によって後部連結部材21に固定されている。
【0032】
支持ブラケット32は、板状部材を折り曲げて下部筒状体31aを囲むように下部筒状体31aの外周に沿う形状に形成されている。すなわち、支持ブラケット32は、前後方向Dfに延びる一対の側部分と、幅方向Dhに延びて一対の側部分の前端部同士を連結する前部分と、を有している。一対の側部分の後端部には、それぞれ幅方向Dhの外側に向かってに延びる突出片が設けられている。各突出片は、ビスによって後部連結部材21の前面21fに固定されている。このような構成によって、下部筒状体31aは、後部連結部材21に対して幅方向Dhおよび前後方向Dfへの動きが拘束されるように固定されている。
【0033】
天板40は、一対の側部材10、10の間に配置され、昇降ユニット30上に支持されている。本実施形態では、天板40は、一対の側部パネル11、11の間であって、後部連結部材21の前面21f側に配置されている。また、天板40は、一対の側部パネル11、11および後部連結部材21に対して間隔をあけて配置されている。
【0034】
天板40は、幅方向Dhおよび前後方向Dfに広がる作業面である上面40tを有している。また、天板40は、天板支持部材41を介して、昇降ユニット30の上部筒状体31cに支持されている。天板支持部材41は、上部筒状体31cの上端部に不図示のボルトによって固定されているとともに、天板40の下面40uの後部に不図示のビスによって固定されている。昇降ユニット30が上下方向Dvに伸縮することで、天板40が上下方向Dvに昇降する。
【0035】
天板40の下面40uには、下面40uから下方に延びる幕板42が取り付けられている。幕板42は、天板支持部材41および昇降ユニット30の前方に配置されている。幕板42の背面42rには、ブラケット43を介して昇降ユニット30の伸縮動作を制御する制御ユニット33が配置されている。
【0036】
制御ユニット33は、不図示の接続ケーブルによって昇降ユニット30の上部筒状体31cに接続されている。また、後部連結部材21において下部筒状体31aの下部の真後ろにあたる位置には、不図示の配線挿通孔が形成されている。制御ユニット33に電力を供給するための不図示の電源ケーブルは、制御ユニット33からこの配線挿通孔を通って外部の電源に接続されている。
【0037】
天板40の外側端部である、後端部40rならびに幅方向Dhの端部である左側端部40pおよび右側端部40qには、遮蔽部材60がそれぞれ取り付けられている。遮蔽部材60は、天板40の上面40t以下の高さに配置され、弾性変形可能に構成されている。より具体的には、遮蔽部材60は、上下方向Dvと、天板40の外側端部と連結構造体50とが対向する方向と、に弾性変形可能である。遮蔽部材60として、後端部40rには遮蔽部材60a取り付けられ、左側端部40pには遮蔽部材60bが取り付けられ、右側端部40qには遮蔽部材60cが取り付けられている。遮蔽部材60a、60b、60cは、それぞれ同様に構成されている。
【0038】
遮蔽部材60aは、後端部40rと後部連結部材21との間に配置され、後端部40rから後部連結部材21に向かって延びている。また、遮蔽部材60aは、幅方向Dhに連続する後端部40rの全長にわたって設けられている。
【0039】
遮蔽部材60bおよび遮蔽部材60cは、左側端部40pと対向する側部パネル11との間および右側端部40qと対向する側部パネル11との間にそれぞれ配置されている。遮蔽部材60bは、左側端部40pから対向する側部パネル11に向かって延びており、遮蔽部材60cは、右側端部40qから対向する側部パネル11に向かって延びている。また、遮蔽部材60bおよび遮蔽部材60cは、それぞれ前後方向Dfに連続する左側端部40pおよび右側端部40qの全長にわたって設けられている。
【0040】
図7は天板40の外側端部の拡大図として、天板40の右側端部40qを正面から見た断面図を示している。図7に示すように、遮蔽部材60cは、硬性の第一部材61と、軟性の第二部材62と、から構成されている。第一部材61は、右側端部40qの側面に固定されている。第二部材62は、第一部材61の上端部から対向する側部パネル11に向かって延びている。
【0041】
このように構成された遮蔽部材60によって、天板40と一対の側部パネル11、11との間の隙間および天板40と後部連結部材21との間の隙間を塞ぐことができるので、これらの隙間から天板上の物品が落下することを防止できる。また、遮蔽部材60は、弾性変形可能に構成されているので、天板40の昇降動作時に遮蔽部材60が一対の側部パネル11、11や後部連結部材21と接触したとしても遮蔽部材60が弾性変形するため、天板40の昇降動作を妨げることがない。
【0042】
天板40の上面40tの後部には、帳票収納ユニット70が設けられている。幅方向Dhにおける帳票収納ユニット70の両端側には、帳票入れが設けられている。帳票収納ユニット70の中央部分には、朱肉、印鑑拭き、時計、およびごみ箱が設けられている。
【0043】
帳票収納ユニット70の中央部分の内部には、昇降ユニット30の制御ユニット33に不図示の接続ケーブルで接続されたアンテナ部34が設けられている。アンテナ部34は、使用者が操作する不図示の無線通信機と無線通信が可能に構成されている。使用者が無線通信機に対して所定の操作を入力すると、無線通信により無線通信機からアンテナ部34に操作信号が送信され、さらに接続ケーブルを介してアンテナ部34から制御ユニット33にこの操作信号が送信される。制御ユニット33は、無線通信機から操作信号を受信すると、受信した信号に基づいて昇降ユニット30に昇降動作を実行させる指令信号を出力する。昇降ユニット30は、指令信号を受け取ると、その指令信号に応じて上下方向Dvに伸縮動作する。これにより、天板40が上下方向Dvに昇降する。
【0044】
帳票収納ユニット70の後方には、後部連結部材21から帳票収納ユニット70よりも上方に延びる掲示板71が設けられている。掲示板71は、帳票収納ユニット70よりも上方に配置された掲示部71aを有している。掲示板71の下部は、後部連結部材21の背面にビスによって固定されている。また、一対の側部パネル11、11の上端部11t、11tには、上方に延びるサイドスクリーン72が取付け金具を介してそれぞれ取り付けられている。
【0045】
本実施形態によれば、什器1は、設置面F上に互いに間隔をあけて設置された一対の側部材10、10と、一対の側部材10、10を互いに連結する連結部材20と、一対の側部材10、10および連結部材20によって囲まれる空間S内に配置され、上下方向Dvに伸縮可能に構成された昇降ユニット30と、一対の側部材10、10の間に配置され、昇降ユニット30上に支持された天板40と、を備える。
【0046】
上述した構成によれば、天板40は、一対の側部材10、10および連結部材20によって囲まれる空間S内に配置された昇降ユニット30上に支持されており、この昇降ユニット30が上下方向に伸縮することによって、昇降動作することができる。よって、天板40を昇降動作させるための機構を一対の側部材10、10や連結部材20に設ける必要がないので、天板の高さが固定された什器との間でこれらの部材を共通化することができる。
【0047】
また、連結部材20は、一対の側部材10、10の下部同士を連結する下部連結部材22と、下部連結部材22よりも後方に配置され、一対の側部材10、10の後部同士を連結する後部連結部材21と、を有している。一対の側部材10、10、後部連結部材21、および下部連結部材22によって、連結構造体50が構成されている。昇降ユニット30は、連結構造体50に固定されている。
【0048】
上述した構成によれば、一対の側部材10、10の後部同士を後部連結部材21で連結し、かつ一対の側部材10、10の下部同士を下部連結部材22で連結しているので、一対の側部材10、10、後部連結部材21、および下部連結部材22から構成される連結構造体50を堅牢に構成することができる。昇降ユニット30は、この堅牢な連結構造体50に固定されているので、昇降ユニット30の上下方向Dvへの伸縮動作に伴う前後左右への振れを防止できるとともに、昇降ユニット30上に支持された天板40の振れを防止することができる。
【0049】
また、一対の側部材10、10は、平板状に形成された一対の側部パネル11、11であり、後部連結部材21は、平板状のパネルである。
【0050】
上述した構成によれば、一対の側部材10、10および後部連結部材21は平板状のパネルであるので、天板40の下方の空間を遮蔽することができる。また、一対の側部材10、10および後部連結部材21の両方がパネルであるため、各側部材10、10と後部連結部材21との接触面積を大きくすることができるので、連結構造体50をより堅牢に構成することができる。
【0051】
また、昇降ユニット30の下端部30bは、下部連結部材22の上面22tに固定されている。このため、昇降ユニット30の下端部30bを設置面F上に接地させるために下部連結部材22に開口を形成することによる下部連結部材22の強度低下を生じさせることがない。よって、連結構造体50の強度を維持することができる。
【0052】
また、昇降ユニット30は、連結構造体50に固定された下部筒状体31aと、下部筒状体31aの内部に収納可能かつ下部筒状体31aに対して上下方向に移動可能に構成され、天板40を支持する上部筒状体31cと、を有している。下部筒状体31aの上部は、後部連結部材21に固定されている。
【0053】
上述した構成によれば、下部筒状体31aの上部が後部連結部材21に固定されているので、昇降ユニット30は天板40により近い位置で連結構造体50に固定されている。したがって、昇降ユニット30の伸縮動作に伴う天板40の振れ、および伸縮動作の停止後における天板40の振れをより確実に防止することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、昇降ユニット30の下端部30bは下部連結部材22の上面22tに固定されていたが、これに限らない。例えば、下部連結部材22に上下方向Dvに貫通する開口部が形成されており、昇降ユニット30がその開口部を挿通して、昇降ユニット30の下端部30bが直接設置面Fに接地していてもよい。また、この場合には、設置した昇降ユニット30の下端部30bにアジャスターを設けることが望ましい。
【0055】
また、上述した帳票収納ユニット70の構成は一例であり、これに限られるものではない。
【0056】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図8から図12を参照して説明する。本実施形態に係る什器2は、一対の昇降ユニット30、30を備える点で、第一実施形態に係る什器1と異なっている。なお、上述した第一実施形態に係る什器1と同様の構成を有する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0057】
図8は、什器2を一部破断して示す斜視図である。図9は、什器2の構成を一部省略して示す斜視図である。図10は、什器2において天板40が下方に移動した状態の正面図である。図11は、什器2の平面図である。図12は、図10に対応する什器2の右側面図である。
【0058】
図8から図12に示すように、一対の昇降ユニット30、30は、幅方向Dhに間隔をあけて配置されており、一対の側部パネル11、11にそれぞれ近接する位置に配置されている。一対の昇降ユニット30、30の下端部30b、30bは、それぞれ不図示のボルトによって下部連結部材22の上面22tに固定されている。
【0059】
一対の昇降ユニット30、30の下部筒状体31a、31aの上部は、それぞれ支持ブラケット36A、36Bによって一対の側部パネル11、11および後部連結部材21に固定されている。なお、支持ブラケット36A、36Bは、第一実施形態に係る什器1の連結金具23の機能も兼ねている。このため、本実施形態に係る什器2には、連結金具23は設けられていない。支持ブラケット36A、36Bは、上下方向Dvおよび前後方向Dfに平行な平面に対して互いに対称に構成されているので、以下では支持ブラケット36Bの構成についてのみ説明する。
【0060】
支持ブラケット36Bは、幅方向Dhに延びる板状の後部部材36iと、後部部材36iの右端部から前後方向Dfに延びる板状の側部部材36jと、後部部材36iの上端部から前後方向Dfに延びる板状の上部部材36kと、を有している。側部部材36jの上端部と上部部材36kの右端部とは、互いに連続している。よって、支持ブラケット36Bは、正面視において側部部材36jと上部部材36kとがL字状に形成され、平面視において後部部材36iと側部部材36jとがL字状に形成され、側面視において後部部材36iと上部部材36kとがL字状に形成されている。
【0061】
後部部材36iは、不図示のビスによって後部連結部材21に固定されている。側部部材36jは、不図示のビスによって側部パネル11に固定されている。これによって、後部連結部材21と側部パネル11との連結の強度を向上させている。
【0062】
上部部材36kは、平面視において昇降ユニット30の外形寸法よりも大きい外形寸法を有している。また、上部部材36kには、昇降ユニット30の幅方向Dhおよび前後方向Dfへの動きを拘束可能なように、平面視において昇降ユニット30の下部筒状体31aの外形寸法よりもわずかに大きい開口寸法を有する貫通孔が形成されている。昇降ユニット30は、上部部材36kの貫通孔を挿通するように配置され、下部筒状体31aの上部が上部部材36kの貫通孔内に位置するように配置されている。支持ブラケット36Bは、上述したように側部パネル11および後部連結部材21に固定されているので、下部筒状体31aは、側部パネル11および後部連結部材21に対して幅方向Dhおよび前後方向Dfへの動きが拘束されるように固定されている。
【0063】
本実施形態に係る什器2では、天板40は、第一実施形態に係る什器1の天板支持部材41に代えて、天板支持部材46を介して、一対の昇降ユニット30、30の上部筒状体31c、31cに支持されている。天板支持部材46は、前後方向Dfに延びる一対の側部フレーム46a、46aと、幅方向Dhに延びる連結フレーム46bと、を有している。一対の側部フレーム46a、46aは、それぞれ一対の昇降ユニット30、30の上部筒状体31c、31c上に配置され、上部筒状体31c、31cの上端部に不図示のボルトによって固定されている。連結フレーム46bは、一対の側部フレーム46a、46aの前端部同士を連結している。天板支持部材46は、不図示のビスによって天板40の下面40uに固定されている。
【0064】
また、第一実施形態に係る什器1では、昇降ユニット30の制御ユニット33は、天板40の幕板42の背面42rに配置されていたが、本実施形態に係る什器2では、制御ユニット33は、連結フレーム46bの内部に配置されている。
【0065】
本実施形態に係る什器2においても、上述した第一実施形態に係る什器1と同様の効果を得ることができる。
【0066】
なお、本実施形態において、什器2に、支持ブラケット36A、36Bの上部部材36kと下部連結部材22の上面22tとの間に配置され、昇降ユニット30の下部筒状体31aを覆うように形成されたカバー部材が設けられていてもよい。
【0067】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について、図13から図16を参照して説明する。本実施形態に係る什器3は、第二実施形態に係る什器2の一対の昇降ユニット30、30の向きを上下逆さまに配置した点で、第二実施形態に係る什器2と異なっている。なお、上述した第一実施形態に係る什器1または第二実施形態に係る什器2と同様の構成を有する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
図13は、什器3を一部破断して示す斜視図である。図14は、什器3において天板40が下方に移動した状態の正面図である。図15は、什器3の平面図である。図16は、図14に対応する什器3の右側面図である。
【0069】
図13から図16に示すように、什器3は、第二実施形態に係る什器2の一対の昇降ユニット30、30に代えて、一対の昇降ユニット130、130を備えている。昇降ユニット130は、上述した昇降ユニット30と同様の構成を有しており、昇降ユニット30を上下逆さまに配置したものである。このため、昇降ユニット130の下端部130bとなる上部筒状体31cが、下部連結部材22の上面22tに固定されている。また、昇降ユニット130の上端部となる下部筒状体31aが、天板40に固定されている。なお、本実施形態では、天板40は、第二実施形態に係る什器2の天板支持部材46を備えておらず、天板支持部材46を介さずに、一対の昇降ユニット130、130の下部筒状体31a、31aに支持されている。
【0070】
また、本実施形態に係る什器3には、支持ブラケット36A、36Bは設けられていない。このため、第一実施形態に係る什器1と同様に、什器3には、側部パネル11と後部連結部材21とを連結する連結金具23が設けられている。
【0071】
什器3において、一対の昇降ユニット130、130の後方であって下部連結部材22の上面22tには、幅方向Dhに延びる内部空間を有する収納部80が設けられている。収納部80内には、昇降ユニット130の制御ユニット33が配置されている。制御ユニット33から延びる不図示の接続ケーブルは、収納部80の前面に形成された配線挿通孔81を通って、各昇降ユニット130に接続されている。このように、接続ケーブルが収納部80内に隠れているので、連結構造体50内の空間で上下方向Dvに延伸することがなく、接続ケーブルが使用者の身体に絡まるなどの可能性を低減することができる。
【0072】
本実施形態に係る什器3においても、上述した第一実施形態に係る什器1および第二実施形態に係る什器2と同様の効果を得ることができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0074】
上述した各実施形態では、一対の側部材10、10は平板状に形成された一対の側部パネル11、11であるとしたが、これに限らず、各側部材10はパネル状でなくてもよい。例えば、側部材10は、簀子状に形成されていてもよい。同様に、後部連結部材21は、平板状のパネルであるとしたが、これに限らず、例えば簀子状に形成されていてもよい。
【0075】
また、上述した各実施形態では、下部連結部材22は一つ設けられていたが、これに限らない。下部連結部材22は、例えば、前後方向Dfに複数並べて設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1、2、3 什器
10 側部材
11 側部パネル
20 連結部材
21 後部連結部材
22 下部連結部材
30、130 昇降ユニット
31a 下部筒状体(第一筒状体)
31c 上部筒状体(第二筒状体)
40 天板
50 連結構造体
60 遮蔽部材
Df 前後方向
Dh 幅方向
Dv 上下方向
F 設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16