【課題を解決するための手段】
【0008】
それに対して、冒頭の段落に記載されているようなタイプの照明装置が、2500乃至20000Kの範囲内の相関色温度(CCT)を持つ白色発光スペクトルの光源光を生成するよう構成される光源を有すると共に、460乃至490nmの波長範囲内の第1発光ピークと430乃至460nmの波長範囲内の第2発光ピークの割合に関する前記光源光の調整のために照明素子を制御するよう構成される制御ユニットを有し、前記照明素子が、調整可能な光フィルタ、切り替え可能な照明素子、及び調光可能な照明素子のうちの少なくとも1つであり、前記第1発光ピークと前記第2発光ピークの割合の調整による前記白色発光スペクトルのCCTのシフトが、490nmより長い波長範囲内の発光スペクトルの調節によって元に戻される。
【0009】
制御される典型的な照明素子は、調光可能な青色照明素子、切り替え可能な青色照明素子、及び調整可能な青色光フィルタのうちの少なくとも1つである。好ましくは、前記照明素子は、前記光源の調光可能な照明素子、及び/又は前記光源の切り替え可能な照明素子である。その場合、前記照明素子は、好ましくは、動作中、460乃至490nmの波長範囲内に第1最大発光ピークを持つ光を発する第1照明素子と、動作中、430乃至460nmの波長範囲内に第2最大発光ピークを持つ光を発する第2照明素子とを有する。前記発光素子を制御する前記制御ユニットは、例えば、スイッチ、電源つまみ、パルス幅変調(PWM)ユニット、振幅変調(AM)ユニット、電流制御ユニットであり得る。前記フィルタを制御する方法は、可変電圧源を介するもの、前記光源によって発せられるような、前記フィルタを通過する光の伝搬方向に対して横方向の可変厚み又はドープ密度を持つフィルタの横方向シフトであり得る。
【0010】
前記照明装置は、更に、前記白色発光スペクトルのCCTが、前記第1発光ピークと前記第2発光ピークの割合の調整によって影響を及ぼされない、又は換言すれば、原因として、前記調整と関連づけられないことを特徴とする。この効果を達成するため、前記照明装置の前記センサは、初期スペクトルのスペクトル組成を測定し、それから前記CCTを計算する。その後、後続の光スペクトルのスペクトルは、より長い波長範囲、即ち、前記スペクトルの緑色乃至赤色部分における発光強度において、前記初期スペクトルと前記後続のスペクトルとの間の前記第2発光ピークにおける差異によってもたらされる前記CCTに対する影響及び/又は前記CCTのシフトを補償する且つ/又は元に戻すよう適応される。それは、ユーザが、エネルギ効率の良い照明から、前記青色障害リスクを制限する、より安全で、より健康に良い照明に切り替えることを望む又は必要とする場合に、ユーザに喜ばれ、前記切り替えは、前記発光スペクトルの前記CCTを変えずに、前記第1発光ピークと前記第2発光ピークの異なる割合を含む。これは、とりわけ、同じ部屋に2人の人間がいる場合に、喜ばれ、前記切り替えが、第1の人間のためになされるとき、前記CCTは一定のままであることから、前記切り替えは、第2の人間によって気づかれない。
【0011】
既知の作業灯などの現在の白色LEDランプは、通常、蛍光体によって白色光に変換される450nmのピーク波長を持つ青色励起LEDを用いる。この選択は、多くの顧客にとって重要な製品特性である、最も高い効率の白色光を得るために、なされている。このような既知の照明装置には、2つの重要な不利な点がある。なぜなら、450nmの波長における青色LEDピークは、
− 人間の目が損傷を受けやすい波長幅415nm乃至455nmとのかなりの重なり、即ち、前記青色障害リスク
− 人間の生物学的刺激(biological stimulation)であって、その感度は約475nmにおいてピークに達する生物学的刺激に関与している波長範囲450乃至500nmにおいて最大化されないエネルギ含量を持つからである。
【0012】
本発明は、両極端においては、430乃至460nmの前記第2波長範囲内に青色ピークを持つ、エネルギ効率は良いが、青色障害リスクを伴う照明の第1動作状態、又は460乃至490nmの前記第1波長範囲内に青色ピークを持つ、効率は劣るが、安全で、健康に良く、生物学的刺激を伴う照明の第2動作状態の、用いられ得る調整可能な/調節可能なスペクトルを持つ照明装置の使用について述べている。実験から、例えば、460乃至490nmの前記第1波長範囲内にピーク波長を持つ青色LEDを有する照明装置は、前記青色障害リスクを30%減らし、前記生物学的刺激を20%増やすと考えられる。しかしながら、前記照明装置は、430乃至460nmの前記第2波長範囲内に発光ピークを持つ青色LEDを備える照明装置と比べて、20%のエネルギ効率低下をもたらす。
【0013】
2つの極端な動作状態の間の更により顕著な相違を得るため、前記照明装置は、前記第1発光ピークが、465乃至475nmの波長範囲内にあり、前記第2発光ピークが、445乃至455nmの波長範囲内にあること、例えば、前記第2動作状態においては、発光ピークが約475nmにあり、前記第1動作状態においては、発光ピークが約450nmにあることを特徴とする。475nm青色LED励起及び450nm青色LED励起の場合の損傷を比較することにより、青色放射線に起因する目の損傷の相対障害リスクに関して実施された、様々なCCT値に対するEssilor-fit感度曲線での計算は、放射線障害の、2700Kにおける29%削減乃至6500Kにおける34%削減が得られることを明らかにした。
【0014】
前記第1動作状態と前記第2動作状態との間の選択を可能にするため、前記照明装置は、例えば、
− 前記ユーザが、「エネルギ効率の良い光」と「健康に良い光」との間の選択をすることができる、ユーザインタフェース(=UI)、例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、又は遠隔制御装置若しくは壁取り付け制御装置、
− センサ及び/又はクロック入力に基づいて「エネルギ効率の良い光」と「健康に良い光」との間の選択をする照明システムによって、制御されることができ、
− センサは、存在を検出するもの、人間の群集の動きの速度を検出するもの、及び人間の滞在時間を検出するものであってもよく、
− クロックは、昼の時間と夜の時間との間の識別をすることができる。
【0015】
前記選択は、2つの、例えば固定された、動作状態、「エネルギ効率の良い光」及び「健康に良い光」の間でなされ得る。その場合、一般に白色光を備えるこのような照明システムは、2つの固定された設定、即ち、
− 設定1:460nmと490nmとの間の青色光の、430nmと460nmとの間の青色光と比べて相対的に高い寄与、
− 設定2:460nmと490nmとの間の青色光の、430nmと460nmとの間の青色光と比べて相対的に低い寄与を持つ。
【0016】
前記システムは、様々な状況のために、前記設定1と前記設定2との間の切り替えをすることができ、例えば、
概日リズムを保つ手助けするための時刻の関数としての前記設定1と前記設定2との間の変更、
より少ない活性化(energizing)が必要とされるときには、より暖かい色及びより少ない光量が一般に用いられるので、前記光強度を弱める又は前記CCTを下げるときの、前記設定1から前記設定2への切り替え、
活性化とラベル表示されているUI制御入力を増大させるときの、前記設定2から前記設定1への切り替え、
例えば知覚対象がよりはっきりと見えることによる目の心地よさの改善をするとラベル表示されているUI制御入力を作動させるときの、前記設定2から前記設定1への切り替え、
より多くのエネルギ節約が必要とされる場合の、前記設定2から前記設定1への切り替えをすることができる。
【0017】
2つの固定された動作状態を持つ、又は前記2つの動作状態の間で連続設定可能な照明システムに意味がある状況の例は、以下の通りである。
− 人が、例えば病院又は老人ホームに、入院している場合、前記システムは、滞在者の視覚的な心地よさについて妥協せずに、良い覚醒・睡眠リズム、深い睡眠、及びより高い日常活動パターンのために、前記人の生体時計をリセットするよう、朝及び夕方近くに、最適なエネルギ効率の良い光から生物学的刺激のための光に切り替えることができる。この方法においては、入院している人々の回復プロセスが支援される一方で、老人ホーム滞在者は活力を与えられ、又はアルツハイマー患者の場合には、認知機能低下の削減、攻撃性の低下及びより良い睡眠という利点も主張され得る。それ故、前記照明装置の実施例は、前記光源が光強度において調整可能であり、減光すると及び/又は前記CCTを下げると、前記第1発光ピークと前記第2発光ピークの割合が減少することを特徴とする。
− 人が、例えば、事務作業中、及びホテルでの昼間のミーティングの間、より長く同じ照明内にとどまっている場合、前記システムは、ユーザの或る滞在時間後、「エネルギ効率の良い光」から「健康に良い光」へ切り替えることができる。例えば、前記滞在時間が2時間を超える場合には、前記システムは、自動的に、次の2乃至3時間の間、前記「エネルギ効率の良い光」から前記「健康に良い光」へ切り替えるだろう。この方法においては、エネルギ効率の良い光と、生物学的刺激のための健康に良い光との間のバランスが取られる。人々が通常丸一日滞在する、手厚いもてなしのミーティングルームにおいて、これは、長期にわたる注意力及び活力という恩恵を受けて、最適に、直観的に用いられ得る。
− 夕方6時以降のオフィス内又は店内のような、日中により多くの人々がいる屋内領域において、空間が、不在中又は少人数しかいない状態でも、照明される必要がある場合には、前記スペクトルは、「健康に良い光」のモードから「エネルギ効率の良い光」のモードへ切り替えられ得る。また、或る領域が人間によって占有されない夕方又は夜の時間の間、セキュリティ上の理由で空間を照明されるようにするため(防犯照明)、前記「エネルギ効率の良い光」の設定が用いられ得る。
− 公共輸送機関において、人々が通路及び待合い所を通って速く移動しているときには、前記「エネルギ効率の良い光」が用いられ得る。しかしながら、非常に混雑しており、人々が同じ位置でより長く待たなければならないときには、前記「健康に良い光」が用いられ得る。
− 飛行機においては、光の質は、前記飛行機の飛行時間に依存して設定されることができ、より短い飛行では、前記「エネルギ効率の良い光」が用いられ得る一方で、より長い飛行では、前記「健康に良い光」が用いられ得る。
【0018】
ユーザは、前記照明システムが前記ユーザの滞在時間を容易に知るように、前記空間内の前記ユーザの存在を、例えばRF通信を介して、前記照明システムに通信するパーソナルデバイスを携帯していてもよい。ユーザを識別し、前記ユーザの滞在時間を測定するために、ビデオ画像も用いられ得る。
【0019】
照明装置という表現は、投光照明、アクセント照明及び作業灯のような装置を含む。この点において、「作業灯」は、その主な目的が、人々が、働く、回復する、休む及び/又は読書する領域又は空間を照明することにある照明装置、例えば、オフィス、病院、老人ホーム、精神療養所、レストラン、図書館、研究センター、家の中の部屋若しくは空間、又は駐車場、テラス若しく広告掲示板のような屋外空間の照明のための照明器具として理解されたい。
【0020】
「白色光」という表現は、特定の光源の色度又は前記光源の「色点」を指す。白色光源の場合は、前記色度は、前記光源の「白色点」と呼ばれ得る。白色光源の白色点は、所与の温度まで加熱された黒体放射体によって発せられる光の色に対応する色度点の軌跡に沿って位置し得る。従って、白色点は、前記光源の相関色温度(CCT)によって識別され得る。前記相関色温度は、前記加熱された黒体放射体が前記白色光源の色又は色相に対応する温度である。白色光は、典型的には、約2500Kと約20000Kとの間のCCTを持つ。白色光は、一般照明のためには、一般に、約2700K及び6500Kの範囲内にあり、バックライト照明目的のためには、特に、約7000K及び20000Kの範囲内にあり、特に、BBL(黒体軌跡)から約15SDCM(standard deviation of color matching)内、特に、BBLから約10SDCM内、更により特には、BBLから約5SDCM内にある。約4000KのCCTを持つ白色光は、ニュートラルな白色を持つ。約8000K以上のCCTを持つ白色光は、色においてより青みがかっており、「冷白色」又は「クリスプホワイト」と呼ばれ得る。「温白色」は、色においてより赤みがかっている、約2500Kと約3000Kとの間のCCTを持つ白色光を表わすために用いられ得る。
【0021】
「発光ピーク」という表現は、近い/隣接する発光波長の光子放出数において少なくとも2倍の強さである発光波長における極大を意味する。
【0022】
前記照明装置の実施例は、前記光源が光強度において調整可能(調光可能)であることを特徴とする。生物学的刺激が必要とされる用途、例えば、病院又は老人ホームにおいては、高い強度/高い色温度を含む動態曲線が用いられる。これは、視覚的不快感をもたらすかもしれず、片頭痛、視覚疲労及び不満すらもたらし得る。より低い強度の結果として、輝度コントラストを減らすが、生物学的反応の視覚的な心地よさを維持することによって、生物学的刺激及びエネルギ節約が、同時に考慮に入れられ得る。この点において、「調光可能」という表現は、前記光の強度又は明るさが、連続的なようにして又は少なくとも3段階に、制御可能であること、即ち、徐々に増光又は減光されることができ、最終的にオフ/オンにされることができることを意味する。とりわけ、LEDが、発光スペクトルの強度又はスペクトル分布の少なくとも1つを調整にするのに適している。なぜなら、これらは容易に調光可能であり、スペクトルを生成するための通常は大量のLEDを考慮すると、アクティブ動作LEDの割合は容易に変更可能であるからである。それに対して、前記照明装置の実施例は、前記第1照明素子が、第1LEDを有し、前記第2照明素子が、第2LEDを有することを特徴とする。ほとんどの場合、前記作業灯は、例えば、7000K以下のCCTを持つ白色光を得るために、第3照明素子として、好ましくは調整可能/調光可能な緑色発光LEDも有すると共に、第4照明素子として、好ましくは調整可能/調光可能な橙赤色又は赤色発光LEDも有する。
【0023】
前記照明装置の実施例は、更に、前記白色発光スペクトルのメラトニン抑制が、前記第1発光ピークと前記第2発光ピークの割合の調整によって影響を及ぼされない、又は換言すれば、原因として、前記調整と関連づけられないことを特徴とする。この効果を達成するため、互いに調整される発光スペクトルについて、本質的に、
【数1】
ここで、I
1は、前記第1発光ピークにおける発光スペクトルの強度であり、
R
1は、前記第1発光ピークにおけるメラトニン反応であり、
I
2は、前記第2発光ピークにおける発光スペクトルの強度であり、
R
2は、前記第2発光ピークにおけるメラトニン反応であるという要件が満たされる。
【0024】
青色障害関数は、だいたい400nmから500nmまで延在し、約435nmにおいて最大感度を持つ。本質的にメラトニン抑制曲線に対応する概日リズム反応関数は、より広く、即ち、400nm及び500nmをはるかに超えて延在する点、及び約465nmにおいて相対的に広い最高点を持つ点で、青色障害関数反応曲線と異なる。前記青色障害関数及び前記メラトニン抑制関数、2つの曲線の間のこれらの違いは、前記メラトニン抑制を本質的に影響を及ぼされない状態に保ちながら、安全で、より健康に良い光から、よりエネルギ効率の良い光へスペクトルを調整することを可能にする。エネルギ効率の良い450nmの青色励起スペクトルは、前記青色障害関数と事実上100%の重なりを持つが、よりエネルギ効率の劣る470nmの青色励起スペクトルの、前記青色障害関数との重なりは、著しく少ない。従って、前記470nmの青色励起スペクトルは、前記450nmの青色励起スペクトルと比べて、より安全で、より健康に良いが、よりエネルギ効率が劣る。前記450nmの青色励起スペクトルと前記470nmの青色励起スペクトルとの両方とも、前記概日リズム反応関数とほぼ同じかなりの重なりを示し、両スペクトルは、前記概日リズムの制御のために効果的に用いられることができるが、この点において、前記470nmの青色励起スペクトルは、前記450nmの青色励起スペクトルとわずかに異なる。
【0025】
上記のように、前記作業灯は、前記割合が、調整可能な光フィルタによって、従って、必ずしも前記照明素子のいずれかをオン/オフに切り替えることなしに、制御され得ることを特徴とし得る。前記調整可能な光フィルタの可視スペクトルにおける有効範囲は、好ましくは、500nm以下の波長であるが、特には、460nm以下の波長範囲に対して有効に調整可能である。吸収フィルタは幾らかの光損失をもたらすので、前記フィルタの使用は、可能な限り、特定の波長範囲に、即ち、この特定の場合には、障害リスクに関連する青色光の範囲に、即ち、430乃至460nmの範囲に限定されるべきである。他の例においては、前記調整可能なフィルタは、遮られ、反射された光の再利用を可能にする遮光反射フィルタであり、従って、前記反射フィルタは、場合によっては、吸収フィルタより効率的である。前記調整可能な光フィルタを制御する便利な方法は、電気的に制御するものである。このような電気的に調整可能なフィルタの適切な技術は、以下のものを含む。
− 面内電気泳動又は動電学:これらの技術においては、(流体中に懸濁している)帯電粒子が、或る領域内及び外に動かされることができ、従って、光学特性を変える。前記粒子が、500nm以下からの、又は更に効果的には、450nm以下からの波長の光を遮る材料を含む場合には、所望のフィルタ効果が得られる。このような特性を持つ黄色材料は、Contamac社によって、http://www.contamac.com/files/Contamac%20Blue%20Light%20Article.pdfに記述されている「CI26 yellow」であり得る。http://www.contamac.com/Products/Intraocular-Lenses/CI26.aspxも参照されたい。一般に、電気光学活性粒子は、光学材料から構成され、電荷を得るよう化学的に官能化されてもよく、又は前記粒子は、前記光学材料を含むマトリックス(又はシェル)から構成されてもよい。後者の場合には、前記光学材料は、色素であってもよい。光拡散が望まれない限り、一般に、後方散乱の発生を防止することは好ましく、これは、前記流体と屈折率整合されているマトリックス材料を用いる、光の波長より小さい粒子を用いることによって達成され得る。電気泳動デバイス及び動電式デバイスは、薄い可撓性フォイルにおいて、又はガラス基板の間に、作成され得ることが明らかになった。これらは、LEDに付加されるフィルタに適していると考えられる。
− エレクトロウェッティング:機能は、或る程度、電気泳動に類似しているが、粒子ではなく、液滴が動かされるという大きな違いがある。これは、前記光学材料は、色素でなければならない、又は溶けなければならないことを意味する。可撓性フィルタフォイルを作成することは、より困難であり得る。
【0026】
原則的に、スペクトルが、460nm未満の波長が遮られる又(鏡面的に)反射されるように適応される場合には、切り替え可能な窓のためのあらゆる技術、例えば、液晶、エレクトロクロミック、エレクトロフルイディック(electrofluidics)、SPDが、考慮に入れられ得る。
【0027】
本発明は、更に、本発明による照明装置を有するが、前記調整可能な光フィルタが、個人が着用可能なものであり、好ましくは、前記着用可能なものが、帽子、メガネ及びブルカから成るグループから選択されるパーツのキットに関する。前記個人が着用可能なものは、前記光源から機械的に分離されており、即ち、少なくとも前記光源の発光領域内では、前記光源に対して自由に移動可能である。これらの着用可能な、個人向けの調整可能なフィルタの利点は、より良い個人専用化であり得る。その場合、照明器具の1つのセットによって、複数のユーザが存在する状態で、光は、青色障害リスクからの目の保護を必要とする人々が存在する領域においても、依然として、エネルギ効率の良い状態に保たれ得る。
【0028】
前記照明装置の実施例は、2500K乃至6000Kの範囲内のCCTを持つ光を発する。これらの相対的に低いCCTにおいては、前記スペクトル出力における前記青色放射線の寄与は相対的に低く、従って、通常適用される屋内照明レベルの場合は、眼病を持つ老人の網膜損傷のリスクは許容可能に低い。通常の屋内照明レベルは、一般に、600乃至1000luxの範囲内である。
【0029】
本発明は、更に、本発明による照明装置と、ユーザ携帯デバイスと、動作中、センサデータを測定又は検出するよう構成されるセンサ及び/又はクロックであって、前記センサデータが、前記ユーザ携帯デバイスの位置、(周囲)スペクトル照明条件、及び前記ユーザ携帯デバイスの、前記(周囲)スペクトル照明条件への暴露時間を含むセンサ及び/又はクロックとを有する照明システムであって、前記センサが、更に、前記センサデータに基づくセンサ信号を前記制御ユニットに供給するよう構成され、前記センサ信号が、前記制御ユニットによって、動作中、前記第1発光ピークと前記第2発光ピークの割合と、それらの絶対発光強度との両方を調整するよう処理される照明システムに関する。
【0030】
前記ユーザ携帯デバイスには、通常、前記照明システムを、前記(周囲)スペクトル照明条件に適応される、効率の良い照明条件と、効率は劣るが、より安全で、より健康に良い照明条件との間の良いバランスを持つ光を供給するようにする一般データがアップロードされ得る。更に、前記照明システムの実施例は、前記ユーザ携帯デバイスに、個人ユーザデータ、例えば、性別、年齢、人種、及び例えば、眼鏡又はコンタクトレンズ着用のような個人の目の特徴がアップロードされることを特徴とする前記個人ユーザデータと前記センサデータとの両方とも、前記制御ユニットによって、動作中、前記発光スペクトルと前記強度との両方を、前記個人ユーザに合わせて調節するよう処理される。照明条件は、このようにして個人向けに変えられ、従って、特定の個人のために最適化され得る。見心地のよさの或る側面は、作業シーンにおける色及び細部の識別を含む。人間の目は、より高い照明レベルで最善を成す傾向がある。しかしながら、より高い照明レベルは、一般に、より高い線量の有害な青色光へのより多くの暴露に起因するより高い障害リスクを伴う。人の、前記青色光への暴露レベル及び時間をモニタする前記センサは、前記制御ユニットにセンサ信号を供給する。前記制御ユニットは、このセンサ信号を、前記人の個人データと比較し、続いて、前記スペクトル出力における障害リスクを伴う青色光の量に関して、又は前記照明レベル、例えば、一般に、眼病を持つ老人の網膜損傷において許容可能に低いリスクを伴うと認められる、多くて2000lux、例えば、1000luxの照明レベルに関して、前記照明装置のスペクトルを適応させる/修正する。このようにして、障害リスクを含む、青色光に起因する前記人への目の損傷におけるリスクは、抑制される。老人ホームにおいては、生物学的な効果をもたらすために、1000luxを、2時間、前記目に当てることは、非常に効果的であると考えられる。前記スペクトルにおける青色光の量の修正は、前記調整可能なフィルタ又は前記照明素子の一度だけの切り替えを介する、前記2つの状態、「エネルギ効率の良い光」と「健康に良い光」との間の一度だけの切り替えを介して、達成されることができ、又は他の例においては、或る観察可能ではない周波数で、前記調整可能なフィルタ又は前記照明素子を、前記2つの状態の間で切り替えることによって、視覚について妥協せずに、おそらくずっと良く達成され得る。
【0031】
本発明は、更に、効率の良い照明、相対的に安全で健康に良い照明、及びこれらの効率の良い照明と相対的に安全で健康に良い照明との間の中間の動作状態を供給するための、本発明による照明装置及び照明システムの使用に関する。