(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
(第1の実施形態)
本開示の第1の実施形態である、ライブコンテンツ中に配信者が指定した領域に広告コンテンツを重畳して表示し、配信するコンテンツ配信システム1について説明する。
【0016】
<構成>
まず、
図1を用いて本実施形態に係る配信者が配信しようとするライブコンテンツを視聴者に配信するためのコンテンツ配信サーバ111を含むコンテンツ配信システム1の構成、及びその概要について説明する。ライブコンテンツとは、配信者が配信しようとする内容を視聴者がリアルタイムに見ることができる動画や音声などの、いわゆる生放送のコンテンツである。
【0017】
本実施形態のコンテンツ配信システム1は、
図1に示すように、コンテンツ配信サーバ111と、配信者端末121、視聴者端末131a、131b、CMコンテンツサーバ141とが、例えばインターネットなどのネットワークNWに接続可能に構成されている。
【0018】
コンテンツ配信サーバ111は、配信者端末121から送信されるライブコンテンツを、視聴者端末131a、131bに配信を行うサーバ装置である。コンテンツ配信サーバ111は、通信部112と、制御部113と、記憶部114と、指定部115と、選択部116と、を備える。
【0019】
通信部112は、ネットワークNWを介して配信者端末121、視聴者端末131a、131b、CMコンテンツサーバ141と通信を行う通信インタフェースである。配信者端末121から送信されるライブコンテンツや、CMコンテンツサーバ141から送信される重畳コンテンツ(他のコンテンツ)の受信を行う。また、視聴者端末131a,131bに対して、後述する制御部113で生成する配信コンテンツの配信を行う。また、通信部112は、必要に応じて配信者や視聴者が配信者端末121や視聴者端末131a、131bからコンテンツ配信サーバ111へログインを行うためのログインID情報の送受信を行っても構わない。
【0020】
制御部113は、後述する記憶部114や、後述するCMコンテンツサーバ141に記憶される重畳コンテンツから、配信者が一覧として選択可能とする重畳コンテンツリストを生成する。また、制御部113は、ライブコンテンツと重畳コンテンツを重畳した配信コンテンツを生成する。制御部113は、配信コンテンツを生成するにあたり、後述する記憶部114に記憶される表示領域情報及び割当情報に基づいて重畳コンテンツをライブコンテンツに重畳する。
【0021】
記憶部114は、後述する指定部115で指定する重畳コンテンツの表示領域情報を記憶する。また、後述する選択部116で選択する重畳コンテンツの割当情報を記憶する。また、コンテンツ配信サーバの運営者や、配信者等が作成した重畳コンテンツを記憶する。また、CMコンテンツサーバ141から送信される広告に係る重畳コンテンツを一時的に記憶する。また、制御部113が生成した重畳コンテンツリストを記憶する。また、配信可能な重畳コンテンツについての重畳コンテンツリストを記憶する。重畳コンテンツリストは、重畳コンテンツの出稿者の情報や、重畳コンテンツの配信に係る対価情報が含まれている。対価情報とは、例えば「配信されるライブコンテンツの映像内の10%の領域の領域に30分表示される場合には5000円が配信者に支払われる」というような情報である。
【0022】
指定部115は、配信者端末121からの操作により、ライブコンテンツに重畳コンテンツを重畳して表示する領域を指定する。指定される領域は、表示領域情報として記憶部114に記憶される。領域の指定方法は、映像内の固定された位置に一定面積として指定してもよいし、人の顔をフェイスキャッチし、フェイスキャッチした領域との相対位置と面積を指定してもよいし、コップ等の形状を認識させて、例えばコップの一部分の領域を指定してもよい。指定される領域は、映像中に1箇所でも複数箇所であってもよい。
【0023】
選択部116は、配信者端末121からの操作により、重畳コンテンツリストから選択した重畳コンテンツを、指定部115で指定される領域に割当てる。指定部115は、重畳コンテンツの割当てを、割当情報として記憶部114に記憶する。
【0024】
次に、配信者端末121の構成と動作について説明する。配信者端末121は、コンテンツの配信者が使用する端末装置であり、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機、腕時計、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、画像生成装置等の情報処理装置である。また、配信者端末121は、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークNWを介してコンテンツ配信サーバ111に接続可能な装置である。なお、配信者端末121とコンテンツ配信サーバ111間の通信回線は有線でもよいし無線でもよい。配信者は、配信者端末121を使用して生放送であるライブコンテンツを作成する。配信者端末121は、作成されたライブコンテンツを、リアルタイムにコンテンツ配信サーバ111へ送信する。
【0025】
次に、視聴者端末131a、131bの構成と動作について説明する。視聴者端末131a,131bは、視聴者が使用する端末装置であり、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機、腕時計、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、ウェアラブルディスプレイ、画像生成装置等の情報処理装置である。また、視聴者端末131a、131bは、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークNWを介してコンテンツ配信サーバ111に接続可能な装置である。なお、視聴者端末131a、131bとコンテンツ配信サーバ111間の通信回線は有線でもよいし無線でもよい。
【0026】
配信者端末121や、視聴者端末131a、131bは、インストールされた専用のアプリケーションソフトウェアによってコンテンツ配信サーバ111にアクセスしてもよい。また、コンテンツ配信サーバ111や、別途サーバが提供する動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して、コンテンツ配信サーバ111にアクセスしてもよい。
【0027】
CMコンテンツサーバ141は、広告依頼者がCMコンテンツサーバ141にアップロードする重畳コンテンツを記憶する。また、CMコンテンツサーバ141は、コンテンツ配信サーバ111へ送信を行うサーバ装置である。CMコンテンツサーバ141は、例えば企業の広告等の複数のCMコンテンツを記憶している。配信者は、配信者端末121からCMコンテンツサーバ内141のどのコンテンツを重畳コンテンツとして使用するかを重畳コンテンツリストから選択することができる。配信者が、CMコンテンツサーバ141内の重畳コンテンツをCMコンテンツとして使用する時間や、表示領域の大きさに応じて、コンテンツ提供者からの対価の支払いを受けるようにしてもよい。
【0028】
<コンテンツ映像>
本開示の第1の実施形態に係る配信者端末121から送信されるライブコンテンツの撮影場所の映像、及びコンテンツ配信サーバ111から配信される配信コンテンツの映像について
図2から
図4を用いて説明する。
【0029】
図2は、ライブコンテンツの撮影場所の映像を示す図である。撮影場所とは、配信者の家の部屋やリビング等である。部屋201には、家具202、ドア203、机204がある。
図2は、机の上におかれているコンピュータ等の配信者端末121に設置されたウェブカメラで、部屋の中を撮影した映像を示している。配信者は、配信者端末121に向かって座っている。また、机の上にコップ205が置かれている。
【0030】
配信者は、配信者端末121でウェブカメラの映像を見ながら、映像中のCMコンテンツを配置する領域を指定することができる。指定領域A241は、机の上の空きスペースが指定されている。指定領域B242は、コップ205の表面が指定されている。コップ205を、配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へ登録することで、コップ205は形状認識される。そのため、コップ205が移動した場合、コップ205の表面の指定領域B242もコップ205とともに映像中を移動する。次に、指定領域C243は、配信者が来ているTシャツの部分である。指定領域Cは、配信者の顔231の位置との相対関係で指定される領域である。コンテンツ配信サーバ111は、配信者の顔231をフェイスキャッチにより認識する。配信者は、配信者端末121から、フェイスキャッチされた顔231中心から下方の300mmの位置に幅250mm、高さ100mmの領域を、指定領域Cとして指定する。指定領域Cは、顔231の中心との相対位置がゼロ、すなわち、顔231を領域として指定しても構わない。コンテンツ配信サーバ111の指定部115は、指定領域A241、指定領域B242、指定領域C243を、表示領域情報として記憶部114に記憶する。
【0031】
図3は、配信コンテンツの映像を示す図である。配信コンテンツは、コンテンツ配信サーバ111から、視聴者端末131a、131bに配信される映像であり、配信者端末121にも確認用映像として表示される。配信者は、配信者端末121で、コンテンツ配信サーバ111から送信される重畳コンテンツリストの中から希望するコンテンツを選択することで重畳コンテンツとして決定する。
図3では、指定領域A241に重畳コンテンツである「有限会社DEF」の文字が表示される。指定領域B242に重畳コンテンツである「GHI」の文字が表示される。また、指定領域C243に重畳コンテンツである「株式会社ABC」の文字が表示される。配信者は、配信者端末121から、各指定領域に、どの重畳コンテンツを割当てるかを決定することができる。コンテンツ配信サーバ111の選択部116は、各指定領域に、どの重畳コンテンツが割当てられているかを割当情報として記憶部114に記憶する。制御部113は、表示領域情報と割当情報に基づいて、ライブコンテンツと重畳コンテンツを重畳して配信コンテンツを生成する。
【0032】
図4は、
図3から配信者とコップ205の位置が移動した、配信コンテンツの映像を示す図である。指定領域B242は、コップ205が形状認識されてその表面に文字「GHI」を表示している。そのため、コップ205の位置が移動した場合、表示される文字「GHI」もコップ205とともに移動する。また、指定領域243は、配信者の顔231との相対位置で決まっている。そのため、配信者が移動した場合、文字「株式会社ABC」は配信者とともに移動する。また、指定部115は、コップ205を形状認識しているため、コップ205が回転した場合、文字の表示位置を回転させてもよい。指定部115は、形状認識により持ち手の位置を認識し、持ち手の位置と表示位置との関係を演算して表示位置を変更しても構わない。同様にして、指定部115が、Tシャツを形状認識し、Tシャツ表面のしわに合わせて表示する文字や図形を変形させても構わない。これにより、コップ205やTシャツに、あたかもその重畳コンテンツが実際にプリントされているよう視聴者に表示することができる。
【0033】
<処理の流れ>
次に、本開示の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム1の動作について、
図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図5のフローチャートは、コンテンツ配信サーバ111と、配信者端末121と、視聴者端末131aの各動作の関連状態を示している。
【0034】
ステップS101において、配信者は撮影場所の撮影を行う。さらに配信者は、配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へ、配信者端末121で撮影する撮影場所の映像を送信する。
【0035】
ステップS102において、配信者は配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へ配信可能な重畳コンテンツのリクエスト信号を送信する。
【0036】
ステップS103において、コンテンツ配信サーバ111は、ステップS102で送信されたリクエスト信号に基づいて、配信者端末121へ配信可能な重畳コンテンツリストを送信する。重畳コンテンツリストは、記憶部114が記憶しているものでも、CMコンテンツサーバ141が記憶しているものがコンテンツ配信サーバを介して送信されるものでも構わない。
【0037】
ステップS104において、配信者は、配信者端末121で、ステップS103で送信された重畳コンテンツリストから、配信を希望する重畳コンテンツを選択する。
【0038】
ステップS105において、配信者は、配信者端末121で、重畳コンテンツの表示領域を指定する(
図2に対応)。配信者端末121は、指定された表示領域をコンテンツ配信サーバ111に送信する。指定部115は、送信された表示領域を表示領域情報として記憶部114に記憶する。
【0039】
ステップS106において、配信者は、配信者端末121で、ステップS105で指定した領域に、ステップS104で選択した重畳コンテンツの割当てを行う。割当てられた重畳コンテンツの情報は、コンテンツ配信サーバ111に送信される。
【0040】
ステップS107において、記憶部114は、ステップS105で送信された表示領域情報を記憶する。また、記憶部114は、ステップS106で送信された割当情報を記憶する。
【0041】
ステップS108において、配信者は、配信者端末121でライブコンテンツを撮影する。配信者端末121は、撮影されたライブコンテンツをコンテンツ配信サーバ111に送信する。
【0042】
ステップS109において、制御部113は、ステップS108で送信されたライブコンテンツに、記憶部114に記憶された表示領域情報と割当情報に従い、重畳コンテンツを重畳した配信コンテンツを生成する(
図3、
図4に対応)。
【0043】
指定部115は、表示領域情報に基づきライブコンテンツの映像中に重畳コンテンツを表示する領域を決定する。例えば、指定部115は、コップ205の表面に指定領域B242が対応するという表示領域情報に基づいて指定領域B242を決定する。コップ205の形状認識によって指定領域B242が決まるため、コップ205が移動する場合、指定領域B242はそれに伴って移動する。選択部116は、割当情報に基づき重畳コンテンツを各指定領域(指定領域A241から指定領域C243)に割当てる。例えば、選択部116は、指定領域B242に、重畳コンテンツである文字「GHI」を割当てる。そのため、コップ205が移動する場合、重畳コンテンツである文字「GHI」はそれに伴って移動する(
図4に対応)。
【0044】
ステップS110において、通信部112は、視聴者端末131aに生成した配信コンテンツを配信する。
【0045】
ステップS111において、視聴者端末131aは、ステップS110で配信された配信コンテンツの表示を行う。それによって、視聴者端末131aは、ライブコンテンツに重畳コンテンツが重畳された映像を表示することができる。
【0046】
<効果の説明>
以上のように、本開示の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム1によれば、配信者が配信するライブコンテンツの任意の領域に、任意の重畳コンテンツを重畳して再生することができる。これにより、ライブコンテンツで配信される映像の空き領域を広告として利用することができる。また、広告を表示する対価として広告収入を得てもよい。
【0047】
なお、重畳コンテンツは、文字情報だけでなく画像や映像情報であっても構わない。
【0048】
また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、ライブコンテンツの配信時間に応じて切り替えてもよい。例えば、指定領域B242に表示する重畳コンテンツを、配信コンテンツの配信から30分経過までは「GHI」を表示し、30分経過後に「JKL」を表示するように切り替えてもよい。配信者は、切り替える重畳コンテンツと切り替える時間を、配信者端末121から予め割当情報として設定することができる。
【0049】
また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、配信者端末121から配信者が操作を行うことにより切り替えてもよい。例えば、指定領域B242に表示する重畳コンテンツを、配信コンテンツの配信開始時は「GHI」を表示する。制御部113は、配信者端末121からの選択指示信号を受信することにより、重畳コンテンツを「JKL」を表示するように切り替えてもよい。配信者は、切り替える重畳コンテンツを、配信者端末121から予め割当情報として設定することができる。
【0050】
また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、重畳コンテンツの出稿者からの指示により切り替えてもよい。例えば、重畳コンテンツの出稿者である広告依頼者が、広告依頼者が使用する端末装置(不図示)からの操作により、表示される重畳コンテンツの切り替えを行ってもよい。指定領域B242に表示する重畳コンテンツを、配信コンテンツの配信開始時は「GHI」を表示する。制御部113は、広告依頼者が使用する端末装置からの選択指示信号を受信することにより、重畳コンテンツを「JKL」を表示するように切り替えてもよい。
【0051】
また、制御部113は、重畳コンテンツを切り替える際に、切り替え前の重畳コンテンツをフェードアウトし、切り替え後の重畳コンテンツをフェードインして表示してもよい。また、クロスフェードで切り替えて表示してもよい。また、切り替え前後の重畳コンテンツをモーフィングによって切り替えて表示してもよい。それによって、視聴者が重畳コンテンツの切り替えを不自然に感じないようにすることができる。
【0052】
また、重畳コンテンツは、端末装置に応じてそれぞれに異なるコンテンツを配信しても構わない。例えば、指定領域B242に表示する重畳コンテンツを、端末装置131aには重畳コンテンツ「GHI」を表示し、端末装置131bには重畳コンテンツ「JKL」を表示しても構わない。制御部113は、各端末装置のログインID情報に基づいて視聴者の嗜好を解析することができる。制御部113は、視聴者の嗜好に合わせて異なる重畳コンテンツを重畳した配信コンテンツを生成する。通信部112は、生成された配信コンテンツを、視聴者端末131a、131bそれぞれに送信する。なお、制御部113は、ログイン情報を用いず、視聴者端末からのクッキー(HTTP cookie)情報を用いて、視聴者の嗜好を解析してもよい。
【0053】
また、重畳コンテンツの出稿者が、配信コンテンツを視聴している最中に、自ら作成した重畳コンテンツを表示するようにリクエストを行ってもよい。具体的な手順の一例を説明する。重畳コンテンツの出稿者である広告依頼者が、広告依頼者が使用する端末装置(不図示)からの操作により、現在配信されている配信コンテンツの中に自己の作成した重畳コンテンツを表示するためのリクエスト信号をコンテンツ配信サーバ111へ送信する。また、端末装置から、表示を希望する重畳コンテンツをコンテンツ配信サーバ111へアップロードする。また、重畳コンテンツを表示したい表示領域を、配信コンテンツの映像の中で選択する。コンテンツ配信サーバ111は、リクエスト信号に含まれる広告表示に係る対価の額を判定する。コンテンツ配信サーバ111は、対価の額の判定を、コンテンツ配信者が設定する額との比較により行ってもよい。また、同じ表示領域に広告の表示を希望する他者の提示する対価額との比較により行ってもよい。対価の額が条件を満たす場合には、リクエストを受け付ける。それによって、コンテンツ配信サーバ111は、広告依頼者が希望したときにリアルタイムに、広告依頼者が作成した重畳コンテンツをそれまでに表示している他の重畳コンテンツと切り替えて表示することができる。
【0054】
(第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態である、撮影現場の背景に他のコンテンツを重畳して表示するコンテンツ配信システム1について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム1を用いて説明する。
【0055】
<ライブコンテンツ映像>
本開示の第2の実施形態に係る配信者端末121から送信されるライブコンテンツの撮影場所の映像、及びコンテンツ配信サーバ111から配信される配信コンテンツの映像について
図6から
図8を用いて説明する。
【0056】
図6は、ライブコンテンツの撮影場所の映像を示す図である。撮影場所とは、配信者の家の部屋やリビング等である。部屋201には、家具202、ドア203、机204がある。また、部屋201の床はゴミ208、209が散乱している状態である。また、
図6は、配信者や、配信者がライブコンテンツの配信中に持ち込むものは映っていない状態である。配信者は、配信者端末121から、
図6の映像をコンテンツ配信サーバ121に送信する。
【0057】
図7は、ライブコンテンツの配信者が居る映像に映っている状態の撮影場所の映像を示す図である。また、配信者がライブコンテンツの配信中に持ち込む、コップ205が映っている状態である。
【0058】
図8は、配信コンテンツの映像を示す図である。配信コンテンツは、コンテンツ配信サーバ111から、視聴者端末131a、131bに配信される映像であり、配信者端末121にも確認用映像として表示される。配信コンテンツは、ライブコンテンツと他のコンテンツを重畳して生成されるコンテンツである。他のコンテンツは、重畳コンテンツや、物や、景色や、模様等の画像や映像からなるコンテンツである。
図8では、他のコンテンツとして木や月などの風景の映像が表示されている状態である。
【0059】
<処理の流れ>
次に、本開示の第2の実施形態に係るコンテンツ配信システム1の動作について、
図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図9のフローチャートは、コンテンツ配信サーバ111と、配信者端末121と、視聴者端末131aの各動作の関連状態を示している。
【0060】
ステップS201において、配信者は撮影場所の初期状態の撮影を行う。さらに配信者は、配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へ、配信者端末121で撮影する撮影場所の初期状態の映像を送信する。撮影場所の初期状態の映像とは、ライブコンテンツ配信時に映りこむもの、例えば、配信者自身や、コップ等のものが映っていない状態の映像である(
図6に対応)。
【0061】
ステップS202において、配信者は、配信者端末121で、重畳コンテンツの表示領域を指定する(
図6の指定領域244に対応)。配信者端末121は、指定された表示領域を、コンテンツ配信サーバ111に送信する。
【0062】
ステップS203において、指定部115は、送信された表示領域を表示領域情報として記憶部114に記憶する。
【0063】
ステップS204において、配信者は配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へ配信可能な重畳コンテンツのリクエスト信号を送信する。
【0064】
ステップS205において、コンテンツ配信サーバ111は、ステップS204で送信されたリクエスト信号に基づいて、配信者端末121へ配信可能な重畳コンテンツリストを送信する。重畳コンテンツリストは、記憶部114が記憶しているものでも、CMコンテンツサーバ141が記憶しているものがコンテンツ配信サーバを介して送信されるものでも構わない。
【0065】
ステップS206において、配信者は、配信者端末121で、ステップS103で送信された重畳コンテンツリストから、配信を希望する重畳コンテンツを選択する。
【0066】
ステップS207において、配信者は、配信者端末121で、ステップS202で指定した領域に、ステップS206で選択した重畳コンテンツの割当てを行う。割当てられた重畳コンテンツの情報は、コンテンツ配信サーバ111に送信される。
【0067】
ステップS208において、記憶部114は、ステップS207で送信された割当情報を記憶する。
【0068】
ステップS209において、配信者は、配信者端末121でライブコンテンツを撮影する。配信者端末121は、撮影されたライブコンテンツをコンテンツ配信サーバ111に送信する。
【0069】
ステップS210において、制御部113は、ステップS201で送信された撮影場所の初期状態の映像と、ライブコンテンツの映像の差分を抽出する。配信者自身や、コップ205を、ライブコンテンツの映像から抽出することができる。
【0070】
ステップS211において、制御部113は、ステップS209で送信されたライブコンテンツに、記憶部114に記憶された表示領域情報と割当情報に従い、重畳コンテンツを重畳した配信コンテンツを生成する(
図7に対応)。
【0071】
指定部115は、表示領域情報に基づきライブコンテンツの映像中に重畳コンテンツを表示する領域を決定する。選択部116は、割当情報に基づき重畳コンテンツを指定領域に割当てる。
図7では、
図6で示す指定領域D244に木や月などの、風景の映像が割当てられている。制御部113は、その映像にステップS210で抽出した配信者やコップ205を重ねる。それにより、配信者は、風景の映像の前に表示されることになる。
【0072】
ステップS212において、通信部112は、視聴者端末131aに生成した配信コンテンツを配信する。
【0073】
ステップS213において、視聴者端末131aは、ステップS110で配信された配信コンテンツの表示を行う。それによって、視聴者端末131aは、ライブコンテンツに重畳コンテンツが重畳された映像を表示することができる。
【0074】
<効果の説明>
以上のように、本開示の第2の実施形態に係るコンテンツ配信システム2によれば、配信者が配信するライブコンテンツの背景等の任意の領域に、任意の重畳コンテンツを重畳して再生することができる。撮影場所の背景を、クロマキー等の特殊な環境を準備することなく、背景を任意に変更することが可能となる。これにより、例えばライブコンテンツを配信するための撮影を行う部屋が散らかっている場合に、配信者の背景等に他のコンテンツとして重畳コンテンツの映像を表示することで、散らかっている部屋の様子を隠すことができる。また、背景等の表示する他のコンテンツとして広告等を表示しても構わない。また、広告を表示する対価として広告収入を得てもよい。
【0075】
また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、ライブコンテンツの配信時間に応じて切り替えてもよい。また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、配信者端末121から配信者が操作を行うことにより切り替えてもよい。また、重畳コンテンツは、端末装置に応じてそれぞれに異なるコンテンツを配信しても構わない。
【0076】
(第3の実施形態)
本開示の第3の実施形態である、ライブコンテンツ中のARマーカーを認識し、他のコンテンツを重畳して再生するコンテンツ配信システム1について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム1を用いて説明する。
【0077】
<コンテンツ映像>
本開示の第3の実施形態に係る配信者端末121から送信されるライブコンテンツの撮影場所の映像、及びコンテンツ配信サーバ111から配信される配信コンテンツの映像について
図10、
図11を用いて説明する。
【0078】
図10は、ライブコンテンツの撮影場所の映像を示す図である。撮影場所とは、配信者の家の部屋やリビング等である。部屋201には、家具202、ドア203、机204がある。机の上にコップ205が置かれている。また、部屋201の床はゴミ208、209が散乱している状態である。また、配信者は机の前に座っている状態である。
【0079】
さらに
図10には、5つのARマーカー(Augmented Realityマーカー)が示されている。ARマーカーは、他のコンテンツを表示する位置を指定するための標識となる固有のパターンであり、例えば2次元バーコードで構成される。ARマーカーa251は、机の上面に貼られており、ARマーカーb252は、コップ205の表面に貼られている。また、ARマーカーc253は配信者が来ているTシャツの胸部にプリントされている。また、ARマーカーd254、ARマーカーe255は、スタンド(不図示)に貼られ、それぞれゴミ208、209の手前に置かれる。
【0080】
配信者は、配信者端末121でウェブカメラの映像を見ながら、映像中の各ARマーカーに対して、重畳コンテンツを割当てることができる。例えば、
図10において、配信者はARマーカーc253に、広告用の重畳コンテンツである「株式会社ABC」の文字を割当てる。これによって、
図11で示すように、配信映像には、ARマーカーc253がプリントされたTシャツに「株式会社ABC」を映し出すことができる。また、
図10のARマーカーd254に、床の色と同じ色の「板」の映像を割当てることができる。また、ARマーカーe255に「木」の映像コンテンツを割当てることができる。
図11で示すように、配信映像には、ARマーカーd254の配置された場所には「板」の映像コンテンツを映し出すことができる。また、ARマーカーe255の配置された場所には「木」の映像コンテンツを映し出すことができる。これによって、配信映像において、部屋201内に散乱しているゴミ208、209を隠すことができる。
【0081】
<処理の流れ>
次に、本開示の第3の実施形態に係るコンテンツ配信システム1の動作について、
図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図12のフローチャートは、コンテンツ配信サーバ111と、配信者端末121と、視聴者端末131aの各動作の関連状態を示している。
【0082】
ステップS301において、配信者は配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へ配信可能な重畳コンテンツのリクエスト信号を送信する。
【0083】
ステップS302において、コンテンツ配信サーバ111は、ステップS301で送信されたリクエスト信号に基づいて、配信者端末121へ配信可能な重畳コンテンツリストを送信する。重畳コンテンツリストは、記憶部114が記憶しているものでも、CMコンテンツサーバ141が記憶しているものを、コンテンツ配信サーバを介して送信されるものでも構わない。
【0084】
ステップS303において、配信者は、配信者端末121で、ステップS302で送信された重畳コンテンツリストから、配信を希望する重畳コンテンツを選択する。
【0085】
ステップS304において、配信者は、配信者端末121で、各ARマーカーにステップS303で選択した重畳コンテンツの割当てを行う。各ARマーカーの画像を取込み、取込んだ画像と重畳コンテンツを関連付けて登録する。割当てられた重畳コンテンツの情報は、コンテンツ配信サーバ111に送信される。
【0086】
ステップS305において、また、記憶部114は、ステップS304で送信された割当情報を記憶する。
【0087】
ステップS306において、配信者は、配信者端末121でライブコンテンツを撮影する。配信者端末121は、撮影されたライブコンテンツをコンテンツ配信サーバ111に送信する。
【0088】
ステップS307において、指定部115は、配信者端末121から送信されたライブコンテンツ中に映りこんでいるARマーカーを認識する。指定部115は、認識した個々のARマーカーの表示位置を識別し、表示領域情報を生成する。
【0089】
ステップS308において、制御部113は、ステップS306で送信されたライブコンテンツに、記憶部114に記憶された表示領域情報と割当情報に従い、重畳コンテンツを重畳した配信コンテンツを生成する。
【0090】
指定部115は、表示領域情報に基づきライブコンテンツの映像中に重畳コンテンツを表示する領域を決定する。例えば、指定部115は、コップ205の表面にARマーカーb252が貼られているため、選択部116は、割当情報に基づき重畳コンテンツを各ARマーカーに割当てる。例えば、選択部116は、ARマーカーb252には、重畳コンテンツである文字「GHI」を割当てる。これにより、コップ205の表面には文字「GHI」が表示される。コップ205が移動する場合、ARマーカーb252も移動するため、ARマーカーb252に割当てられている重畳コンテンツである文字「GHI」もそれに伴って移動する。
【0091】
ステップS309において、通信部112は、視聴者端末131aに生成した配信コンテンツを配信する。
【0092】
ステップS310において、視聴者端末131aは、ステップS310で配信された配信コンテンツの表示を行う。それによって、視聴者端末131aは、ライブコンテンツに重畳コンテンツが重畳された映像を表示することができる。
【0093】
<効果の説明>
以上のように、本開示の第3の実施形態に係るコンテンツ配信システム1によれば、配信者が配信するライブコンテンツに映されるARマーカーの位置に、任意のコンテンツを重畳して再生することができる。
【0094】
また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、ライブコンテンツの配信時間に応じて切り替えてもよい。また、各指定領域に表示される重畳コンテンツは、配信者端末121から配信者が操作を行うことにより切り替えてもよい。また、重畳コンテンツは、端末装置に応じてそれぞれに異なるコンテンツを配信しても構わない。
【0095】
(第4の実施形態)
本開示の第4の実施形態である、ライブコンテンツ中に他のコンテンツとしての音を重畳して再生するコンテンツ配信システム1について説明する。第4の実施形態では、第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム1を用いて説明する。
【0096】
図13は、ライブコンテンツ261の配信時間の割当てに係るタイムテーブルを示す概念図である。
図13のタイムテーブルは、紙面の左から右に向かって時間が経過する。
図13に示すライブコンテンツ261は45分間の配信内容であり、コンテンツ配信サーバ111は、配信中に3回の音コンテンツを重畳して再生する。
【0097】
配信者は、配信者端末121から音コンテンツを再生する時間を、時間領域として指定することができる。指定された時間領域は、
図13において、音コンテンツは、指定時間D271、指定領域E272、指定時間F273の指定領域において再生される。指定時間D271は、ライブコンテンツ配信時間の7分30秒から8分30秒の時間領域である。同様に、指定時間E272は、ライブコンテンツ配信時間の24分00秒から25分00秒の時間である。さらに、指定時間F273は、ライブコンテンツ配信時間の36分00秒から38分00秒の時間である。指定部115は、各指定時間を、時間領域情報(第1の実施形態における表示領域情報に対応)として記憶部114に記憶する。
【0098】
配信者は、時間領域として指定した各指定領域で再生する音コンテンツを、コンテンツリストから選択して割当てることができる。コンテンツ配信サーバ111は、配信者端末121からのリクエスト信号に応じてコンテンツリストを配信者端末121へ送信する。コンテンツリストは、記憶部114やCMコンテンツサーバ141に記憶されている音コンテンツのリストである。音コンテンツは、広告音声や、スタンプ音、チャイム、正解音等である。配信者は、配信者端末121で、コンテンツリストから選択した音コンテンツを、時間領域である指定時間に割当てることができる。例えば、
図13において、指定時間F273に、X社の商品の広告音声を割当てることができる。選択部116は、各指定領域に、どのCMコンテンツが割当てられているかを割当情報として記憶部114に記憶する。
【0099】
配信者は、配信者端末121からコンテンツ配信サーバ111へライブコンテンツを送信する。制御部113は、時間領域情報と割当情報に基づいて、ライブコンテンツと音コンテンツを重畳して配信コンテンツを生成する。通信部112は、視聴者端末131aに生成した配信コンテンツを配信する。
【0100】
視聴者端末131aは、配信された配信コンテンツの表示を行う。それによって、視聴者端末131aは、ライブコンテンツに音コンテンツが重畳された映像を表示することができる。
【0101】
<効果の説明>
以上のように、本開示の第4の実施形態に係るコンテンツ配信システム1によれば、配信者が配信するライブコンテンツの任意の領域に、任意の音コンテンツを重畳して再生することができる。
【0102】
また、各指定領域に再生される音コンテンツは、配信者端末121から配信者が操作を行うことにより切り替えてもよい。配信者は、切り替える音コンテンツを、配信者端末121から予め割当情報として設定しておいてもよい。
【0103】
また、音コンテンツは、端末装置に応じてそれぞれに異なるコンテンツを配信しても構わない。例えば、指定時間F273で再生する音コンテンツを、端末装置131aにはX社の商品の広告音声を割当て、端末装置131bにはY社のサービスの広告音声を割当てることができる。制御部113は、各端末装置のログインID情報に基づいて視聴者の嗜好を解析することができる。制御部113は、視聴者の嗜好に合わせて異なる音コンテンツを重畳した配信コンテンツを生成する。通信部112は、生成された配信コンテンツを、視聴者端末131a、131bそれぞれに送信する。なお、制御部113は、ログイン情報を用いず、視聴者端末からのクッキー(HTTP cookie)情報を用いて、視聴者の嗜好を解析してもよい。
【0104】
(プログラム)
図14は、コンピュータ901の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ901は、CPU902、主記憶装置903、補助記憶装置904、インタフェース905を備える。
【0105】
ここで、本開示の実施形態に係るコンテンツ配信サーバ111を構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。
【0106】
コンテンツ配信サーバ111は、コンピュータ901に実装される。そして、コンテンツ配信サーバ111の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置904に記憶されている。CPU902は、プログラムを補助記憶装置904から読み出して主記憶装置903に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU902は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置903に確保する。
【0107】
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ901に、ライブコンテンツの配信者が使用する配信者端末からネットワークを介して送信されるライブコンテンツを受信するステップと、受信したライブコンテンツの中に他のコンテンツを重畳して再生するための領域を指定するステップと、指定された領域に再生するための他のコンテンツを選択するステップと、ライブコンテンツの中に選択された他のコンテンツを指定された領域に重畳して配信コンテンツを生成するステップと、視聴者端末にネットワークを介して配信コンテンツを配信するステップと、を実現させるためのコンテンツ配信プログラムである。
【0108】
なお、補助記憶装置904は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース905を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ901に配信される場合、配信を受けたコンピュータ901が当該プログラムを主記憶装置903に展開し、上記処理を実行しても良い。
【0109】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置904に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0110】
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。