特許第6877402号(P6877402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000002
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000003
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000004
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000005
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000006
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000007
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000008
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000009
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000010
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000011
  • 特許6877402-個人保護具ストラップ保持用装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6877402
(24)【登録日】2021年4月30日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】個人保護具ストラップ保持用装置
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/08 20060101AFI20210517BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20210517BHJP
【FI】
   A62B18/08 C
   A44B99/00 611A
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-244846(P2018-244846)
(22)【出願日】2018年12月27日
(62)【分割の表示】特願2015-556037(P2015-556037)の分割
【原出願日】2014年1月15日
(65)【公開番号】特開2019-103817(P2019-103817A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年1月25日
(31)【優先権主張番号】13/756,895
(32)【優先日】2013年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/833,309
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(72)【発明者】
【氏名】ブレイス,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミッテルシュタット,ウィリアム エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブロムバーグ,デイビッド エム.
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−000245(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3164680(JP,U)
【文献】 実開昭62−079412(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0300888(US,A1)
【文献】 特開2011−036639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 18/08
A44B 11/00〜11/28
A44B 99/00
A63B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人保護装置用のストラップ保持用装置であって、
フレームと、
該フレームに枢動可能に接続された保持タブと、
該フレームに接続され、かつ該保持タブに向かって可動な第1の作動要素を含む第1の作動アームと、を含み、
該第1の作動要素は、第1の平面において、中立位置から作動位置まで可動であり、該作動位置において、該第1の作動要素により該保持タブが該第1の平面に対して実質的に垂直である第2の平面において動かされ、
前記フレームは、実質的に真っ直ぐのフレーム部を含むと共にストラップが通過するためのストラップチャネルを確定し、前記ストラップが、前記ストラップチャネルを通過すると共に前記フレーム部の周りに位置付けられかつ巻き付けられるように構成され、
前記第1の作動要素が中立位置にあるときに、前記保持タブが前記ストラップを前記フレームに対して挟持し、
前記フレームと前記保持タブと前記第1の作動アームとが一体的に成形されている、ストラップ保持用装置。
【請求項2】
前記第1の作動アームが、中立位置にあるとき、外向きに湾曲している、請求項1に記載のストラップ保持用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ストラップ保持用装置、詳細には、保持用タブに係合し得る作動アームを有する個人保護具用のストラップ保持用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
個人保護装置は、多くの場合、この装置を使用者の周りの適切な位置に固定するための1つ以上のストラップを含む。例えば、使用者の鼻及び口を覆う呼吸保護装置は、多くの場合、使用者の頭部の周囲に延在する1つ以上のストラップを含む。所望のフィット性を維持するために、ストラップは、伸縮性があり得る、又は特定の使用者に好適な長さに調整可能であり得る。ストラップの長さ又は張力を手動で調整し得る場合もある、様々なストラップ保持装置及びバックルが提供されてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、フレームと、フレームに枢動可能に接続された保持タブと、フレームに接続され、かつ第1の作動要素を含む第1の作動アームと、を含み、第1の作動要素は、保持タブに向かって可動である、個人保護装置用のストラップ保持用装置を提供する。第1の作動要素は、第1の平面において、中立位置から作動位置まで可動であり、作動位置において、第1の作動要素により保持タブが第1の平面に対して実質的に垂直である第2の平面において動かされる。例示的実施形態では、第1の作動要素は、斜面であり、第1の作動要素は、作動位置において、保持タブの傾斜面に接触する。様々な例示的実施形態では、フレーム、ストラップ保持タブ、及び作動アームは、一体的に形成されている。
【0004】
本開示は、第1のストラップ保持用装置及び第2のストラップ保持用装置であって、それぞれは、フレームと、フレームに枢動可能に接続された保持タブと、ストラップチャネルと、フレームに接続され、かつ第1の作動斜面を含む第1の作動アームと、を含み、第1の作動斜面は、第1の平面において、中立位置から作動位置に可動であり、作動位置において、第1の作動斜面が保持タブの表面に接触し、かつ、第1の作動斜面により保持タブが、第1の平面に対して垂直である第2の平面において動かされる、第1のストラップ保持用装置及び第2のストラップ保持用装置と、第1のストラップ保持具のストラップチャネル内において、第1のストラップ保持具のフレームの一部の周りに位置付けられた第1のストラップと、第2のストラップ保持具のストラップチャネル内において、第2のストラップ保持用装置のフレームの一部の周りに位置付けられた第2のストラップと、を含む、レスピレータ用のハーネス組立体を更に提供する。第1のストラップ保持用装置は、第1の取り付け要素を含み、第2のストラップ保持用装置は、第2の取り付け要素を含み、第1の取り付け要素は、第2の取り付け要素に取り付け可能である。
【0005】
上記の課題を解決するための手段は、開示されたそれぞれの実施形態又はあらゆる実施を記述するようには意図されていない。以下の図面及び発明を実施するための形態は、実例となる実施形態を、より詳細に例示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、添付図面を参照して更に説明されるが、その際、同様の構造は、いくつかの図面を通して同様の数字によって参照される。
図1】本開示によるストラップ保持用装置を含む例示的な個人保護装置の側面図である。
図2】本開示による例示的なストラップ保持用装置の正面斜視図である。
図3】本開示による例示的なストラップ保持用装置の後面斜視図である。
図4】中立又は保持位置にある、本開示による例示的なストラップ保持用装置及びストラップの正面斜視図である。
図5】作動位置にある、本開示による例示的なストラップ保持用装置及びストラップの正面斜視図である。
図6】保持位置にある、本開示による例示的なストラップ保持用装置の正面斜視図である。
図7】作動位置にある、本開示による例示的なストラップ保持用装置の正面斜視図である。
図8】取り付けられるように構成されている、本開示による例示的な第1及び第2のストラップ保持用装置の正面斜視図である。
図9】本開示による例示的なストラップ保持用装置の正面斜視図である。
図10】本開示による例示的なストラップ保持用装置の後面斜視図である。
図11】作動位置(activated position)にある、本開示による例示的なストラップ保持用装置の正面斜視図である。
【0007】
上記の図面は、開示される主題の様々な実施形態を記載するが、他の実施形態もまた企図される。全ての場合において、本開示は、制限事項としてではなく、代表的な例として、開示された主題を提示する。本開示の原則の範囲内及び趣旨内に含まれる他の多くの修正及び実施形態を当業者が考案し得ると理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、個人保護具ストラップ保持用装置を提供する。ストラップ保持用装置は、保持用タブ及び1つ以上の作動アームを含む。保持用タブは、ストラップに力を加え、ストラップがストラップ保持用装置を通って摺動する能力を制限する。1つ以上の作動タブは、屈曲されて、保持用タブを上げ、ストラップが保持用装置を通ってより自由に摺動できるようにし得る。本開示による例示的なストラップ保持用装置は、ストラップを所望の位置で確実に維持するが、使用者が、1つ以上の作動アームを動作させることにより、ストラップの長さを迅速かつ容易に調整できるようにする。
【0009】
図1は、例示的なストラップ保持用装置100a、100b、100cを含む例示的な個人保護装置10を示す。個人保護装置10は、マスク本体20及びハーネス組立体30を含む呼吸保護装置である。マスク本体は、硬質又は半硬質部20aと、顔接触部20bと、を含み得る。顔接触部20bは、快適なフィット性を提供し、かつ着用者の顔に対して密着し、外気の進入を防止することができる、柔らかい、又は適合性のある材料から形成され得る。頭部ハーネス組立体は、上部ストラップ40a及び下部ストラップ40bなどの1つ以上のストラップ40を含み、着用者の鼻及び口を覆った使用位置に呼吸保護装置10を固定し得る。上部ストラップ40a及び下部ストラップ40bは、マスク本体20のループ又は取り付け要素を通過する、単一の連続した一体式のストラップの一部であってもよく、又は、それぞれがマスク本体20に取り付けられた別個の個々のストラップであってもよい。例示的実施形態では、ハーネス組立体30は、着用者の頭頂部の周りで概ねフィットするように構成されているストラップ支持体35を含む。ストラップ支持体35は、任意の好適な材料から作製されてもよく、いくつかの実施形態では、縁なし帽、ヘルメット、フード、つばなし帽、網、又は他の好適なストラップ支持体などの頭部カバーであってもよい。上部ストラップ40a及び下部ストラップ40bは、適切に引っ張られ、これにより、マスク本体20の顔接触部20bが適宜、位置付けられ、かつ/又は着用者の顔に対して密着され得る。
【0010】
例示的実施形態では、ハーネス組立体30は、ストラップ支持体35に取り付けられた第1のストラップ保持用装置100aを含み、例えば、上部ストラップ40aの調整を可能にする。第2のストラップ保持用装置100bは、着用者の頚部の後部に近接して位置付けられ、例えば、下部ストラップ40bの調整を可能にしてもよい。いくつかの例示的実施形態では、第2のストラップ保持用装置は、着用者の頭部の反対側における別の下部ストラップの調整を可能にする第3の保持用装置100cに取り付けられるように構成されている。ストラップ保持用装置100a、100b、及び/又は100cは、例えば、マスク本体20とストラップ支持体35との間のストラップ40の所望の長さを維持し、一方、より詳細を下記に示すように、ストラップ40の所望の長さに迅速かつ容易に調整されることを可能にする。米国特許出願第13/757,337号、発明の名称Respiratory Protection Device Harness Assemblyは、ハーネス組立体及びハーネス組立体用の取り付け要素の様々な実施形態に対処し、参照により本明細書に援用される。
【0011】
図2及び3は、本開示による例示的なストラップ保持用装置200を示す。ストラップ保持用装置200は、フレーム210と、保持用タブ220と、フレーム210に取り付けられた作動アーム230aと、を含む。作動アーム230aは、保持用タブ220に係合し、ストラップ保持用装置200を通って位置付けられたストラップ(図示せず)に対して保持用タブ220により加えられる力を低減し得る。
【0012】
例示的実施形態では、フレーム210は、基部を提供し、この基部に対してストラップ保持用装置200の様々な部が動いてもよく、また、フレーム210は、第1のフレーム部210a、及び第1のフレーム部210aに対して離間した関係にある第2のフレーム部210bを含んでもよい。第1及び第2のフレーム部は、第3のフレーム部210c及び第4のフレーム部210dによって接続される。以下で更に記載するように、第1のフレーム部210a、第2のフレーム部210b、第3のフレーム部210c、及び第4のフレーム部210dは、概ね四角形又は矩形の構成を形成し、かつ、ストラップが通過するためのストラップチャネル228を部分的に画定する。第2のフレーム部210bは、ストラップが第2のフレーム部210bに巻き付けられるように位置付けられ、かつ基部を提供し、この基部に対して、保持用タブ220が、ストラップを挟持し、又はストラップに力を加えて、所望の長さにストラップを保持し得る。
【0013】
図2の例示的実施形態では、フレーム210は、4つの実質的に真っ直ぐのフレーム部を含み、それぞれのフレーム部は、およそ90度の角度で隣接するフレーム部材に結合している。他の例示的実施形態では、フレーム210は、弓形を示し、かつ90度以外の角度で隣接するフレーム部材に結合し得る、1つ、2つ、3つ、4つ、又は4つ超のフレーム部を含んでもよい。例示的実施形態では、フレーム210は、例えば、第3のフレーム部210cを除く3つのフレーム部を含み、これにより、ストラップは、より容易に、ストラップ保持用装置200内に位置付けられ得、又はストラップ保持用装置200から取り外され得る。
【0014】
保持用タブ220は、フレーム210、例えば、フレーム部210aから延在する。例示的実施形態では、保持用タブ220は、厚さtによって分けられる第1の主面と第2の主面とを含み、フレーム部210aから離れ、かつフレーム部210a及び/又はフレーム部210b、210c、210dから概ね上方に延在する、傾斜面又は傾斜部220aを含み得る。保持用タブ220は、1つ以上の保持用機構229を含む挟持部220bを更に含んでもよい。保持用機構229は、凹凸面、鋭い角部、鋸歯状縁部、及び/又は付加的な摩擦又は接触をもたらしてストラップを保持し得る他の機構を含み得る。例示的実施形態では、保持用タブ220は、カンチレバー構成を示し、これにより、第1の端部221は、フレーム210、例えば、第1のフレーム部210aに接続され、一方、第1の側部223及び第2の側部224、並びに第2の端部222は、フレーム210に接続されていない。
【0015】
例示的実施形態では、保持用タブ220は、フレーム部210aに枢動可能に接続されており、これにより、保持用タブ220は、例えば、軸線1−1などの軸線に対して枢動又は回転し得る。図2の実施形態では、軸線1−1は、保持用タブ220と第1のフレーム部210aとの間の接続部に近接する。他の例示的実施形態では、保持用タブ220は、フレーム210の1つ以上の他の部分に接続してもよく、これにより、軸線は、保持用タブ220の中央位置に近接し、一方、第1の端部221及び第2の端部222の2つとも、フレーム210に接続されておらず、かつ枢動又は回転することができる。
【0016】
ストラップ保持用装置200は、作動されて保持用タブ220を操作し得る1つ以上の作動アームを含む。例示的実施形態では、ストラップ保持用装置200は、フレーム210、例えば、第1のフレーム部210a又は第3のフレーム部210cに接続された第1の作動アーム230aを含む。第1の作動アーム230aは、フレーム210に接続された第1の端部231aを含み、かつフレーム210からのカンチレバーとして延在する。使用者が保持用タブ220に向かってアーム230aを圧搾するなどして、アーム230aの長さに沿って力を加えることで、アーム230aは、第1の端部231aの周りで曲がる、又は屈曲する。例示的実施形態では、第2の作動アーム230bは、フレーム210、例えば、第1のフレーム部210a又は第4のフレーム部210dに同様に接続され、かつ第1の作動アーム230aに概ね類似する。
【0017】
アーム230a、230bは、図2に示す位置のような中立又は保持位置に向かって付勢され、これにより、外力が除かれると、アーム230は、中立又は保持位置に戻る。例示的実施形態では、アーム230aは、使用者によって圧搾も押圧もされないとき、完全な中立位置に戻る。いくつかの例示的実施形態では、アーム230aは、アーム230aが完全な中立位置に戻ることを制限する、例えば、フレーム210の一部に接触するタブ(図示せず)などの機構を含んでもよい。
【0018】
例示的実施形態では、第1の作動アーム230a及び第2の作動アーム230bは、延在部236a、236bと、アーム230a、230bが保持用タブ220に向かって屈曲されるとき、保持用タブ220の1つ以上の表面に接触するように構成されている作動斜面を含む作動要素237a、237bと、を有する、作動タブ235a、235bを含む。様々な例示的実施形態では、作動要素は、縁部、表面、面取り角部、又はアーム230a、230bが保持用タブ220に向かって屈曲されるとき、保持用タブ220の1つ以上の表面に接触し得る任意の他の好適な機構の形態で提供されてもよい(may be provide)。
【0019】
延在部236a、236bは、斜面237a、237bを、保持用タブ220に対して所望の位置に位置付ける。例示的実施形態において、延在部236a、236bは、斜面237a、237bを、保持用タブ220の近くに位置付け、斜面237a、237bが中立位置と完全な作動位置との間の所望の移動距離以内で保持用タブ220に適切に接触することを可能にする。停止面238a、238bとフレーム210との間の距離によって、斜面237a、237bの移動距離を制限してもよい。様々な例示的実施形態では、アーム230a、230bが中立又は保持位置にあるときの停止面238a、238bとフレーム210との間の距離は、およそ10mm〜1mm、6mm〜1.5mm、又はおよそ2mmである。このような距離で、意図しない作動の可能性を制限しつつ、使用者による容易な作動が可能になり得る。完全な作動位置において、停止面238a、238bとフレーム210との距離は、およそ1mm未満、又はおよそ0mmであってもよく、これにより、停止面238a、238bは、フレーム210に接触し、完全な作動位置にあるとき、アーム230a、230b及び斜面237a、237bの更なる移動を制限する。
【0020】
図3に示す通り、例えば、保持用タブは、斜面237a、237bを補完する形状を有する係合面227a、227bを含んでもよい。例示的実施形態では、作動斜面237a、237bが中立位置から完全な作動位置に動かされる際、係合面227a、227bは、保持用タブ220が上方へ滑らかに移動することを可能にする内向きの傾斜面である。他の例示的な係合面は、丸みのある、又は面取りした縁部、又は他の好適な機構を含んだ。
【0021】
ストラップ保持用装置200は、取り付け要素260を更に含んでもよい。例示的な要素において、取り付け要素260は、フレーム部材210aなどのフレーム210から延在し、概して保持タブ220から離れる方向に、かつ/又は保持タブ220の反対方向に、フレーム210から離れるように延在する。取り付け要素260は、例えば、取り付けられるような形状であり、かつ取り付けられるように構成された固定タブ261を含んでもよい。例示的実施形態では、固定タブ261としては、1つ以上の凹部、空洞、突起部、又は、例えば、ストラップ支持体などのハーネス組立体の補完的機構と相互作用し得る他の好適な機構が挙げられる。よって、取り付け要素260を、例えば、図1に示すストラップ保持用装置100aの構成と同様のストラップ支持体に、取り外し可能に取り付けてもよい。いくつかの例示的実施形態では、取り付け要素260は、他のストラップ保持用装置に取り付けられるように構成されてもよい。このように、第1及び第2のストラップ又はストラップ部は、例えば、図1に示すストラップ保持用装置100b、100cの構成と同様の、本開示による第1及び第2のストラップ保持用装置によって、取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0022】
図4及び5は、例示的なストラップ保持用装置200、及びストラップ保持用装置200を通って位置付けられたストラップ300を示す。本開示の例示的なストラップ保持用装置200のある特徴は、ストラップ保持用装置200に対して画定される2つの基準平面に照らして、理解され得る。第1の平面280は、アクチュエータアーム230a、230bが中立位置と作動位置との間を動く際に形成される回転の平面に概ね平行である。つまり、例示的実施形態では、アクチュエータアーム230a、230bを中立位置から作動位置に動かすよう力が加わるとき、アクチュエータアーム230a、230bは、第1の平面280において動く。第2の平面290は、ストラップ保持用装置200を仮想の第1の半分及び第2の半分に分割する。第1の平面280及び第2の平面290は、互いに、実質的に直角をなす、又は垂直である。様々な例示的実施形態では、第1の平面280及び第2の平面290は、第1の平面280及び第2の平面290が垂直から5°の範囲内、垂直から2°の範囲内、又はちょうど垂直であるように、実質的に垂直である。
【0023】
例示的実施形態では、保持用タブ220は、例えば、概ね、第1の平面280に平行であり、かつ第2の平面290に対して直角をなす軸線1−1の周りで、屈曲、枢動又は回転してもよい。例えば、アクチュエータアーム230aは、例えば、概ね、第1の平面280に対して直角をなし、かつ第2の平面290に実質的に平行である軸線2−2の周りで、屈曲、枢動又は回転してもよい。したがって、アクチュエータアーム230a及び作動斜面237aは、第1の平面280において、保持用タブ220に向かって可動である。アクチュエータアーム230a及び作動斜面237aが図4に示す中立位置から図5に示す作動位置に動くと、作動斜面237aは、保持用タブ220の係合面227aに接触して、第2の平面における保持用タブ220を動かす。つまり、例示的実施形態では、第1の平面280におけるアーム230aの運動は、第2の平面290における保持用タブ220の動きをもたらす。
【0024】
ストラップ300は、引っ張り部310及び自由端320を含む。引っ張り部310は、個人保護装置に取り付けられてもよく、かつ呼吸保護装置などの個人保護装置を適切な位置に維持する。例えば、張力部310がより長くなるように調整される場合、自由端320は、ストラップの余長を提供し得る。図4に示す中立位置において、保持用タブ220及び/又は保持用機構229は、ストラップ300に接触し、かつストラップ300に対しフレーム210に向かって力を加え得る。ストラップ300に加えた力によって、ストラップ300を、フレーム210に対して挟持し得、ストラップチャネル228を通るストラップ300の動きを制限する。
【0025】
ストラップ保持用装置200を含む個人保護装置が、使用のために位置付けられるとき、例えば、概して、矢印361の示す方向に自由端320を引くことにより、引っ張り部310を短くすることができ、かつ、ストラップを締めることができる。自由端320を方向361に引くと、保持用タブ220は、例えば、曲がり、屈曲し、又は枢動し得、かつストラップ300に加えられる力を小さくして、ストラップがストラップチャネル228の中及び/又はフレーム部210bの上を通ることを可能にし得る。自由端320が解放されると、保持用タブ220は、ストラップ300をフレーム210に対して挟持して、ストラップ300を保持し、かつ引っ張り部310における張力を維持する。例示的実施形態では、自由端320を引くことによって、ストラップ300は、ストラップチャネル228を通って動かされ得、引っ張り部310は、短くされ得るが、張力部310を引くことによって、ストラップ300がストラップチャネル228を通って動かされて張力部310が長くされることにはならない。更なる張力により、保持用タブ220をフレーム210に引き寄せるようにして、ストラップ300に加える力を大きくし、かつストラップチャネル228を通るストラップ300の動きを更に制限してもよい。
【0026】
使用者が、例えば、図5に示す作動位置に向けて作動用アームを内向きに押すことにより、引っ張り部310を容易に長くして、ストラップ300を緩めることができる。使用者が作動アーム230a、230bを圧搾すると、作動斜面237a、237bが保持用タブ220の係合面に接触することによって、保持用タブが第2の平面290において動かされる。保持用タブ220の動きにより、保持用タブとフレーム210の一部との間の空間が大きくなり、これにより、ストラップ300は、ストラップチャネル228を通って、より容易に摺動し得る。作動位置における作動斜面237a、237b、及び保持用タブ220が上げられると、使用者は、例えば、張力部310を方向362に引くことにより、ストラップ300の引っ張り部310を容易に長くして、使用者の周りの装置を緩め得る。
【0027】
ストラップ保持用装置200の構成要素及び機構を、別々に形成した後に結合して、ストラップ保持用装置200を形成してもよい。例示的実施形態では、フレーム210、保持用タブ220、及び1つ以上の作動アーム230は、射出成形などにより、一体型部品として、一体的に形成される。他の例示的実施形態では、1つ以上の構成要素を、別々に形成した後に、超音波溶接又は他の好適な技術により結合し、一体型ストラップ保持用装置200を形成してもよい。一体型構造体は、必要な組立て又はプロセス工程がほとんどないか、又はなく、容易に製造することができる、簡素で比較的安価なストラップ保持用装置を提供する。ストラップ保持用装置200は、実質的に垂直であり得る異なる平面において、アクチュエータアーム230a、230b及び保持用タブ220が、それぞれ、屈曲、枢動、又は回転できるようにしつつ、一体型構造体を提供し得るように、形成される。
【0028】
保持用タブ220及びアクチュエータアーム230a、230b及び/又はストラップ保持用装置200全体は、ストラップ保持用装置200を通って位置付けられたストラップに適切な力を加える保持用タブ220の能力を示しつつ、通常の曲げ及び屈曲の範囲にわたって弾性変形を可能にする好適な特性を有する材料から形成してもよい。例示的実施形態では、保持用タブ220及び/又はアクチュエータアーム230a、230bは、Flint Hills Resources(Wichita,Kansas)から入手可能な商標名P5M4K−046を有する材料などのポリプロピレンから作製される。他の好適な材料としては、プラスチック、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、金属、ばね鋼、当該技術分野で既知の他の好適な材料、及びこのような材料の好適な組み合わせが挙げられる。
【0029】
アクチュエータアームを完全な作動位置に動かすために必要な力は、アクチュエータアーム230a、230bの寸法及び幾何学的形状、アクチュエータアーム230a、230bの材料特性、及び保持用タブ220を動かすのに必要な力に、ある程度依存してもよい。例えば、アクチュエータアーム230a、230bを作動位置に動かすのに必要な力を、使用者によってアクチュエータアーム230a、230bが容易に作動位置まで動くほど十分に低いが、例えば、ストラップを意図せずに緩ませ得る意図しない又は意図的でない作動が起こりそうもないほど十分に高くなるように選択してもよい。例示的実施形態では、約550gの総作動力(total actuating force)Fを加えることによって、作動アーム230a、230bが、完全な作動位置に達し、かつ保持用タブ220を第2の平面290において動かすことになる。完全な作動位置において、約550gの復元力は、アクチュエータアーム230a、230bによって同様に発揮されて、アーム230a、230bを中立位置に復帰させる。様々な例示的実施形態では、復元力Fは、約50g〜1000g、又は約250g〜750gである。
【0030】
例示的実施形態では、ストラップ保持用装置200は、個人保護装置の有効寿命を通して使用し得る、堅牢なストラップ保持用装置を提供する。例示的実施形態では、ある程度、アーム230a、230bの屈曲が弾性範囲(elastic regime)に望ましく制限されるため、アーム230a、230bは、中立位置から作動位置に何度も動き得る。様々な例示的実施形態では、ストラップ保持用装置200は、ストラップ保持用装置200が機能することを妨げる割れも破損もなく、中立位置と作動位置との間で、10,000回、100,000回、又は100,000回超、屈曲され得る、アーム230a、230bを提供する。
【0031】
図6及び7は、本開示によるストラップ保持用装置600の例示的実施形態を示す。ストラップ保持用装置600は、フレーム610と、保持用タブ620と、作動アーム630a、630bなどの1つ以上の作動アームと、を含む。フレーム610は、第1の作動アーム630a及び第2の作動アーム630bによって結合された、第1のフレーム部610a及び第2のフレーム部610bを含む。作動アーム630a、630bは、湾曲した構成を示し、かつ、概して、第1のフレーム部610aと第2のフレーム部610bとの間で外向きに湾曲している。
【0032】
上記のストラップ保持用装置200と同様、保持用タブ620は、フレーム部610aに枢動可能に接続されており、これにより、保持用タブ620は、例えば、軸線1−1などの軸線に対して枢動又は回転し得る。中立位置において、保持用タブ620及び/又は挟持部621は、ストラップチャネル628を通して位置付けられたストラップに対して力を加え得る。
【0033】
例示的実施形態では、第1の作動アーム630a及び第2の作動アーム630bは、フレーム610に接続されており、第1のフレーム部610aと第2のフレーム部610bとの間に延在し、かつフレーム部610a及び610bそれぞれに接続された端部を有する。使用者が保持用タブ620に向かって概ね内向きにアーム630a、630bを圧搾するなど、アーム630a、630bの長さに沿って力を加えることによって、アーム630a、630bは、屈曲する、かつ/又は真っ直ぐになる。アーム630a、630bは、図6に示す位置などの、湾曲した中立位置に向かって付勢されており、これにより、使用者からの力が取り除かれると、アーム630a、630bは、湾曲した中立位置に戻る。
【0034】
作動アーム630a、630bは、それぞれ、作動斜面637a、637bを有する(having and actuation ramps 637a, 637b)、作動タブ635a、635bを含む。作動斜面637a、637bは、アーム630a、630bが、保持用タブ620に向かって、屈曲され、かつ/又は真っ直ぐにされるとき、保持用タブ620の表面に接触するように構成されている。図6に示す中立位置において、保持用タブ620及び/又は保持用機構629は、ストラップ(図示せず)に接触し、かつストラップに対してフレーム610に向かって力を加え得る。ストラップに加えられる力によって、ストラップを、フレーム610に対して挟持し得、ストラップチャネル628を通るストラップの動きを制限する。使用者が、作動用アームを、例えば、図7に示す作動位置に向かって内向きに押すことにより、ストラップを容易に長くし、かつストラップを緩め得る。使用者が作動アーム630a、630bを圧搾するとき、作動アーム630a、630bが、屈曲し、かつ/又は真っ直ぐになることによって、作動斜面637a、637bは、第1の平面において動かされ、保持用タブ620の係合面に接触し、保持用タブ620は、第2の平面において動かされる。保持用タブ620の動きによって、保持用タブ620とフレーム610の一部との間の空間が大きくなり、これにより、ストラップは、ストラップチャネル628を、より容易に通過し得る。作動位置における作動斜面637a、637b、及び保持用タブ620が上げられると、使用者は、ストラップを容易に長くし得る。
【0035】
図8は、それぞれ、取り付け要素860及び960を有するストラップ保持用装置800及び900の例示的実施形態を示す。上記のストラップ保持用装置200及び600と同様、第1のストラップ保持用装置800及び第2のストラップ保持用装置900としては、フレーム810、910、フレーム810、910に枢動可能に接続された保持タブ820、920、ストラップチャネル828、928、及び、それぞれ、フレーム(fames)810、910に接続されている、第1の作動アーム830a、830b、及び第2の作動アーム930a、930bが挙げられる。第1の作動アーム830a、830b、及び第2の作動アーム930a、930bは、作動斜面を含み、作動斜面は、第1の平面において保持タブ820、920に向かって可動であり、保持タブ820、920の表面に接触し、かつ、第1の平面に対して実質的に垂直である第2の平面において、保持タブ820、920を動かす。第1及び第2のストラップを、ストラップチャネル828、928内に位置付けてもよい。
【0036】
第1のストラップ保持具800は、第2のストラップ保持具900の第2の取り付け要素960に取り付け可能な第1の取り付け要素860を含む。よって、第1の取り付け要素860及び第2の取り付け要素960は、例えば、図1のストラップ保持用装置100b、100cの構成と同様、第1及び第2のストラップ又はストラップ部が取り外し可能に取り付けられることを可能にし、一方、第1及び第2のストラップ又はストラップ部を容易に引っ張る、又は緩めることを可能にする。第1及び第2の取り付け要素は、第1及び第2のストラップ保持用装置を取り付けることを可能にする、任意の好適な取り付け機構を含んでもよい。例示的実施形態では、第1のストラップ保持用装置800及び第2のストラップ保持用装置900は、取り外し可能に取り付けられ、かつ、ストラップが安全であり、意図せずに外れそうもないが、第1のストラップ保持用装置800と第2のストラップ保持用装置900との間の枢動又は相対回転を可能にするように、取り付けられている。
【0037】
例示的実施形態では、第1の取り付け要素860は、フック861を含み、第2の取り付け要素960は、ループ961を含む。ループ961を、第1及び第2の取り付け要素を取り付けるためのフック861の中に位置付けてもよい。使用する際、第1のストラップ保持用装置800及び第2のストラップ保持用装置900の中に位置付けられたストラップの張力によって、第1の取り付け要素860と第2の取り付け要素960との分離を防止する。例示的実施形態では、第1の取り付け要素860は、概ね平坦な部材862を更に含む。第1の取り付け要素860及び第2の取り付け要素960が取り付けられているとき、平坦部材862は、取り付けに剛性を提供し、これにより、第2のストラップ保持用装置900は、所望の向きに維持される。このように、1つ以上のストラップの張力により生じるストラップ保持用装置800、900の圧力は、ストラップ保持用装置800、900が接触し得る着用者の身体表面にわたって均等に分散され、これにより、着用者の身体に当たる圧力の集中する領域は、ない。第1の取り付け要素860及び第2の取り付け要素960は、バックル、コネクタ、締り嵌め、面ファスナ、又は第1及び第2のストラップ保持用装置を取り付け可能にし得る、当該技術分野において既知の他の好適な機構などの、他の好適な取り付け要素を含んでもよい。
【0038】
図9、10、及び11は、ストラップ保持用装置900を第1の向き又は第2の向きで使用し得るような、リバーシブルの、本開示によるストラップ保持用装置900の例示的実施形態を示す。図9及び10は、それぞれ、ストラップ保持用装置900の正面図及び後面図を示し、図11は、作動位置にあるストラップ保持用装置900を示す。
【0039】
ストラップ保持用装置900は、フレーム910、保持用タブ920、及び作動アーム930a、930bなどの1つ以上の作動アームを含む。フレーム910は、第1の作動アーム930a及び第2の作動アーム930bによって結合された、第1のフレーム部910a及び第2のフレーム部910bを含む。作動アーム930a、930bは、湾曲した構成を示し、かつ、概して、第1のフレーム部910aと第2のフレーム部910bとの間で外向きに湾曲している。
【0040】
例示的実施形態では、上記のストラップ保持用装置200と同様、保持用タブ920は、フレーム部910aに枢動可能に接続され得、これにより、保持用タブ920は、例えば、軸線1−1などの軸線に対して枢動又は回転し得る。中立位置において、保持用タブ920及び/又は挟持部921は、ストラップチャネル928を通して位置付けられたストラップに対して力を加え得る。
【0041】
例示的実施形態では、第1の作動アーム930a及び第2の作動アーム930bは、フレーム910に接続されており、第1のフレーム部910aと第2のフレーム部910bとの間に延在し、かつフレーム部910a及び910bそれぞれに接続された端部を有する。使用者が保持用タブ920に向かって概ね内向きにアーム930a、930bを圧搾するなど、アーム930a、930bの長さに沿って力を加えることで、アーム930a、930bは、屈曲する、かつ/又は真っ直ぐになる。アーム930a、930bは、図9に示す位置などの、湾曲した中立位置に向かって付勢されており、これにより、使用者からの力が取り除かれると、アーム930a、930bは、湾曲した中立位置に戻る。
【0042】
作動アーム930a、930bは、作動斜面などの作動要素を有する作動タブ935a、935bを含む。作動斜面は、アーム930a、930bが、保持用タブ920に向かって、屈曲され、かつ/又は真っ直ぐにされるとき、保持用タブ920の表面に接触するように構成されている。例示的実施形態では、作動タブ935a、935bは、作動アーム930a及び930bの内側表面939a、939bから延在する。作動要素は、ストラップ保持用装置900の前側と後側に、それぞれ、前斜面937a及び937b、並びに後斜面938a、938bを含み得る。例示的実施形態では、作動アーム及び作動要素は、前方及び後方から見て対称である。したがって、ストラップは、前から後へ、又は後から前へ、ストラップチャネル928に挿通され得、使用者は、ストラップを取り付ける際、ストラップ保持用装置900の向きを考慮しなくてもよい。
【0043】
図9に示す中立位置において、保持用タブ920及び/又は保持用機構929(図11)は、ストラップ(図示せず)に接触し、かつストラップに対しフレーム910に向かって力を加え得る。ストラップに加えられる力によって、ストラップを、フレーム910に対して挟持し得、ストラップチャネル928を通るストラップの動きを制限する。使用者は、例えば、図11に示す作動位置に向かって作動用アームを内向きに押すことにより、ストラップを容易に緩めることができる。前斜面937a、937b、及び後斜面938a、又は938bなどの第1の作動要素は、第1の平面において、中立位置から作動位置に可動であり、作動位置において、前斜面937a及び/又は937bにより保持タブが第2の平面において前斜面937a及び/又は937bから外向きの方向に動かされる。前斜面937a、937b、及び後斜面938a、又は938bなどの第1の作動要素は、第1の平面において、中立位置から作動位置に更に可動であり、作動位置において、後斜面938a及び/又は938bにより保持タブが第2の平面において後斜面938a及び/又は938bから外向きの方向に動かされる。つまり、保持タブ920は、1つ以上の前斜面937a、937bが保持タブ920に接触しているか、又は1つ以上の後斜面938a、938bが保持タブ920に接触しているかによって、前方向又は後方向に、外向きに枢動し得る。使用者が作動アーム930a、930bを圧搾すると、作動アーム930a、930bは、屈曲する、かつ/又は真っ直ぐになることによって、前斜面937a、937bが第1の平面において動かされ、保持用タブ920の係合面に接触し、かつ保持用タブ920が第2の平面において、前斜面937a、937bから外向きの方向に動かされる。あるいは、使用者が作動アーム930a、930bを圧搾すると、作動アーム930a、930bが、屈曲し、かつ/又は真っ直ぐになることによって、作動後斜面938a、938bが第1の平面において動かされ、保持用タブ920の係合面に接触し、かつ保持用タブ920が第2の平面において、後斜面938a、938bから外向きの方向に動かされる。作動アーム930a、930bを真っ直ぐにすることによる、保持用タブ920の動き及びフレーム910の一部の前進で、保持用タブ920とフレーム910の一部との間の空間が大きくなり、これにより、ストラップは、ストラップチャネル928を、より容易に通過し得る。作動位置における前斜面937a、937b又は後斜面938a、938b、及び保持用タブ920が上げられると、使用者は、ストラップを容易に長くし得る。
【0044】
本開示によるストラップ保持用装置は、いくつかの利点を提供する。第1の平面における作動斜面の動きにより保持用タブが第2の平面において動くストラップ保持用装置は、1つ以上の作動アームを単に圧搾する又は押圧することによって、ストラップ調整を行うことを可能にする。このような構成によって、片手での操作、又は器用さを制限し得る手袋を着用した使用者による操作が容易になる。例えば、保持用タブ220などの保持用タブは、使用者が直接操作し得るが、このような操作は、片手のみ、又は手袋を着用した手では難しい場合があり、使用者が、ストラップの、例えば、引っ張り部を、迅速かつ容易に長くする能力を制限し得る。更に、従来の装置は、単にストラップを引くことにより、ストラップを短くする、又は引っ張ることができる場合もあるが、本開示によるストラップ保持用装置により、ストラップを容易に長くする、又は緩めることもできる。
【0045】
上記の発明を実施するための形態及び実施例は、あくまで明確に理解されるよう示したものである。発明を実施するための形態及び実施例から無用の限定はないと理解すべきである。本開示の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態では多くの変更を行い得ることが、当業者には明白であろう。上記の実施形態のいずれかに関して記載されたいずれかの特徴又は特性を、個別に、又は他のいずれかの特徴又は特性と組み合わせて組み込むことができ、単に明確性のために上記の順序及び組み合わせで提示する。したがって、本開示の範囲は、本明細書に記載された厳密な詳細及び構造に限定されるべきではなく、それよりもむしろ、特許請求の範囲の文言によって説明される構造、及びそれらの構造の等価物によって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11